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【発明の名称】 歯科用組成物
【発明者】 【氏名】増 原 英 一

【氏名】草 野 広 男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性モノマーおよびフィラーを含有する歯科用組成物であって、該フィラーが、架橋フッ素樹脂粉末を含有することを特徴とする歯科用組成物。
【請求項2】
上記架橋フッ素樹脂粉末の平均粒子径が、1〜75μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の歯科用組成物。
【請求項3】
上記架橋フッ素樹脂粉末が、ポリテトラフルオロエチレン粉末の架橋物であることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の歯科用組成物。
【請求項4】
上記重合性モノマー100重量部に対して、上記架橋フッ素樹脂粉末が、10〜300重量部の範囲内の量で含有されていることを特徴とする請求項第1項記載の歯科用組成物

【請求項5】
上記重合性モノマーが、メチルメタクリレート、フルオロアルキルメタクリレート、メチルメタクリレートとパーフルオロアルキルメタクリレートとのコモノマー、および、トリエチレングルコールジメタクリレートとパーフルオロアルキルメタクリレートとのオリゴマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の重合性化合物を含有することを特徴とする請求項第1項記載の歯科用組成物。
【請求項6】
上記歯科用組成物が、重合性モノマーとして、さらに、4-トリメリットメタクリレート、4-トリメリットメタクリレート無水物およびリン酸基を有するメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の重合性化合物を含有することを特徴とする請求項第5項記載の歯科用組成物。
【請求項7】
上記歯科用組成物が、重合開始剤としてカンファーキノン類、トリブチルボランおよびトリブチルボランの部分酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の光重合開始剤および/または化学重合開始剤を含有することを特徴とする請求項第1項記載の歯科用組
成物。
【請求項8】
上記歯科用組成物が、歯牙に盛築可能な粘稠性を有することを特徴とする請求項第1項
記載の歯科用組成物。
【請求項9】
上記歯科用組成物が、歯質表面に塗布可能な粘度を有することを特徴とする請求項第1
項記載の歯科用組成物。
【請求項10】
上記歯科用組成物が、歯質の表面に塗布されるコーティング材であることを特徴とする請求項第1項記載の歯科用組成物。
【請求項11】
上記架橋フッ素樹脂は、酸素濃度100torr以下で、かつフッ素樹脂の融点以上の雰囲気下で照射線量1KGy〜10KGyの範囲内の電離性放射線を照射することにより得られたものであることを特徴とする請求項第1項記載の歯科用組成物。
【請求項12】
上記架橋フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン系重合体、テトラフルオロエチレン-
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサ
フルオロプロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン系共重合体およびこ
れらの混合物よりなる群から選ばれる樹脂の架橋物であることを特徴とする請求項第1項
記載の歯科用組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は歯科用組成物に関する。さらに詳しくは本発明は、歯牙が口腔疾患に侵されるのを防止し、長期的に健全な状態に歯牙を保持することができる歯科用の治療材料に関する。
【背景技術】
【0002】
歯牙が齲蝕や歯周病に羅患する頻度は極めて高く、歯科医療において、これらを予防乃至早期治療処理して歯牙が生涯にわたり健全な状態に維持されるようにすることは極めて重要である。
【0003】
従来の歯科医療では、歯牙の齲蝕疾患を予防するために、歯ブラシによる歯垢あるいは歯石の除去、フッ素化合物(主としてNaFなど)の塗布、フッ素化合物を含有する飲料水
の使用などが実施されていた。また、歯周病の予防、早期治療では、口腔清掃と歯石除去、歯肉の薬剤治療などが実施されてきた。
【0004】
しかしながら、従来の技術では、齲蝕も歯周病も根治することができず、今日に至っている。
【0005】
他方、従来の齲蝕治療では、齲蝕歯質を除去した窩洞を歯科用合金またはセラミックスなどで修復する技術が用いられているが、この修復物を窩洞に装着するためにリン酸亜鉛セメントまたは常温硬化する歯科用高分子接着剤を使用する。このようなリン酸亜鉛セメント、歯科用高分子無機複合接着剤は、親水性であり、この充填物の周辺から二次的に齲蝕が発生し再治療を必要とするという症例が多かった。
【0006】
近年、接着性修復材料の研究が進み、このような修復材料による周辺封鎖性が向上したことから、健康歯質の削除を最小限にして、歯牙の寿命を延長しようとする治療方法(ダウンサイジングによるミニマルインターベンション)が提案されている。
【0007】
このような治療法においても、歯科用接着材料を使用した部分から新たな齲蝕の発生を防止できるように、歯科用充填材料に口腔内細菌の増殖の温床となりやすい歯垢あるいは歯石などが付着しにくくすることが望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、新規な歯科用組成物を提供することを目的としている。さらに詳しくは本発明は、最近の歯科治療の方向である健全歯質の保全を確実にして歯の長寿命化を可能にするのに役立つ新規な歯科用組成物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の歯科用組成物は、重合性モノマーおよび有機、無機質フィラー(充填材)を含有する歯科用組成物であって、該フィラーが、撥水性、撥油性をもつ架橋フッ素樹脂粉末を含有することを特徴としている。
【0010】
本発明の歯科用組成物は、歯質が口腔内の細菌に侵襲されないようにするために、または、歯質を外傷による破壊から保護するために歯質に塗布あるいは充填して使用するものである。
【0011】
一般に、歯科用組成物が具備すべき要件としては、(1)この組成物の硬化体(コーティ
ング膜、充填物)が歯質に強固に接着するものであること、(2)この組成物の硬化体が口
腔内で長期間、物理的、化学的に安定しており人体に対して安全であること、(3)この組
成物の硬化体が無味、無臭、無害であり、歯の色調を保ち、耐摩耗性、耐汚染性を有していること、(4)臨床で使用する場合は、操作が簡便であること、が必要である。
【0012】
本発明の歯科用組成物にフィラーとして含有される架橋フッ素樹脂粉末は、化学的安定性、生物学的な安全性、耐摩耗性、耐汚染性を有している。
【0013】
したがって、このような架橋フッ素樹脂粉末を含有する歯科用組成物の硬化体は、口腔内で安定であり、為害性がなく、特にこの硬化体は優れた耐汚染性を示すので、歯垢あるいは歯石が付着しにくく、この硬化体の周辺からの二次的な齲蝕の発生を防止できる。さらに、優れた耐摩耗性を有するので、長期間にわたり、歯牙を保護することができる。
【0014】
本発明の歯科用組成物には、歯面に塗布する歯科用コーティング材および窩洞に充填して歯牙に対して良好な接着性を有する修復材(所謂、接着性コンポジットレジングラスアイオノマーセメントなど)の両者の性能を包含する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の歯科用組成物は、健全な歯の表面(歯面)に塗布することにより、歯の表面を被覆する表面コーティング材として作用する。すなわち、本発明の歯科用組成物によれば、含有される架橋フッ素樹脂の作用効果により、長期的に高い撥水撥油性、耐汚染性、耐酸性、耐摩耗性が持続されるので、歯の表面のエナメル質が長期的に細菌による侵襲から免れるという齲蝕予防効果を有する。特に歯の隣接面や歯頚部に本発明の歯科用組成物を塗布することにより、歯ブラシなどの清掃用具では清掃が及ばない局所も確実に外的な侵襲から保護することができる。
【0016】
また、歯頚部に本発明の組成物を塗布することにより、架橋フッ素樹脂の有する撥水撥油性、耐汚染性、耐酸性により、歯石の付着を防止し、歯頚部の歯肉周辺を清潔に保ち、歯肉炎、歯周疾患の発症を有効に防止することができる。
【0017】
さらに、本発明の歯科用組成物を歯の修復に使用すると、例えば光の照射による重合硬化反応により、充填した歯科用組成物に架橋構造が形成され、この硬化体中に架橋フッ素樹脂が共存した構成になる。この充填された硬化体は、撥水撥油性、耐汚染性、耐摩耗性に優れた修復剤となり、窩洞周縁からの汚染、細菌の侵入が抑制され、二次齲蝕の発症を有効に防止することができる。
【0018】
また、本発明の歯科用組成物は、例えば可視光を短時間照射することにより硬化するように調製することができ、臨床的に非常に使用しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明の歯科用組成物について具体的に説明する。
【0020】
本発明の歯科用組成物は、重合性モノマーと、架橋フッ素樹脂粉末と、必要により有機無機質フィラーとを含有している。
【0021】
本発明で使用する架橋フッ素樹脂粉末は、ポリテトラフルオロエチレン系重合体(PTFE
)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体樹脂
(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロパン系共重合体樹脂(FEP)、テ
トラフルオロエチレン-エチレン系共重合体およびこれらの混合物などの中から選択され
る少なくとも一種類の未架橋のフッ素樹脂からなる粉末に電子線を照射することにより得られるものである。特に本発明ではポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の電子線架橋物であることが好ましい。
【0022】
本発明で使用する架橋フッ素樹脂粉末は、例えば、不活性ガスの存在下に未架橋のフッ素樹脂粉末に電子線を照射する方法(特開2002-309004号公報参照)、ビフェニルとビフ
ェニルエーテルとの共沸混合物などの電子線に対して安定な液体に未架橋のフッ素樹脂粉末を分散させて電子線を照射する方法(特開2002-348384号公報参照)などにより製造す
ることができる。
【0023】
たとえば、本発明で使用する架橋フッ素樹脂は、酸素濃度100torr以下で、かつフッ素樹脂の融点以上の雰囲気下で照射線量1KGy〜10KGyの範囲内で電離性放射線を照射することに得られたものであることが好ましい。
【0024】
ここで照射する電子線は、γ線、X線、中性子線、高エネルギーイオン線などの電離性
放射線ある。この電子線の照射量は通常は1kGy〜10MGyである。
【0025】
このような電子線の照射によって、線状のフッ素樹脂分子に三次元的な架橋構造が形成される。
【0026】
本発明で使用される架橋フッ素樹脂粉末は、通常は1〜75μm、好ましくは10〜50μm、特に好ましくは10〜30μmの平均粒子径を有している。本発明においては粒子径の揃った架橋フッ素樹脂粉末を使用することが好ましく、使用する架橋フッ素樹脂粉末の平均粒子径±50%の範囲内に全体の50重量%以上、好ましくは50〜70重量%の粒子が含まれる架橋フッ素樹脂粉末を使用することが望ましい。
【0027】
このような架橋フッ素樹脂粉末の形状に特に制限はなく、球状、楕円球状、柱状など種々の形態を採ることができる。
【0028】
本発明の歯科用組成物において、上記のようなフィラーとして架橋フッ素樹脂粉末を含有するものであるが、上記の架橋フッ素樹脂粉末と共に、通常歯科用組成物に配合されている酸化ケイ素、ガラス粉末などのフィラーを併用することができる。
【0029】
本発明の歯科用組成物において、上記のフィラーである架橋フッ素樹脂粉末と共に使用することができる他のフィラーには、無機フィラー,有機フィラー,有機無機複合フィラーがある。
【0030】
ここで使用することができる無機フィラーとしては、例えば、周期律第I、II、III、IV
族の遷移金属およびこれらの遷移金属の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩、珪酸塩、およびこれらの混合物、複合塩等を挙げることができる。より具体的には本発明で使用可能な無機フィラーの例としては、二酸化珪素、ストロンチュウムガラス、ランタンガラス、バリウムガラス等のガラス粉末、石英粉末、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化チタン、バリウム塩、ガラスビーズ、ガラス繊維、フッ化バリウム、鉛塩、タルクを含有するガラスフィラー、コロイダルシリカ、シリカゲル、ジルコニウム酸化物、スズ酸化物、その他のセラミックス粉末等を挙げることができる。これらの無機フィラーの形状には特に制限はなく球状体であっても不定形体であってもよい。このような無機フィラーの平均粒子径は、通常0.001〜50μmの範
囲内にある。このような無機フィラーは単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。本発明において、好適に使用される無機粒子の平均粒径は通常0.001〜10μm
の範囲内にある。特に本発明で使用する架橋フッ素樹脂粉末を良好に分散させるためには、バリウムガラスなどのガラス粉末として、平均粒子径がナノメートルの極微細粒子を併用することが好ましい。
【0031】
また、本発明では、有機フィラーとしては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート・エチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート・ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート・スチレン共重合体などの非架橋性ポリマー、メチル(メタ)アクリレート・エチレングリコールジ(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート・トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとブタジエン系モノマーとの共重合体などの(メタ)アクリレート重合体を挙げることができる。
【0032】
上記のような有機フィラーは単独であるいは組み合わせて使用することができる。さらに、上記の無機フィラーと有機フィラーを組み合わせて使用することもできる。
【0033】
本発明の歯科用組成物においては、フィラーとして架橋フッ素樹脂粉末を単独で使用することもできるし、また、他のフィラー(無機フィラーおよび/または有機フィラー)と混合して使用することもできる。架橋フッ素樹脂粉末を他のフィラーと混合して使用する場合には、配合するフィラー全体量(100重量部)中に架橋フッ素樹脂粒子が10重量部以上の量で含有されていることが望ましく、特に架橋フッ素樹脂粉末が40重量部以上の量で含有されていることが好ましい。
【0034】
本発明の歯科用組成物は、上記のような架橋フッ素樹脂粉末および必要により有機フィラーおよび無機フィラーと、重合性モノマーとを含有している。
【0035】
本発明で使用される重合性モノマーとしては、主としてメチルメタクリレート(MMA)
および/またはフルオロアルキルメタクリレート、メチルメタクリレートとフルオロアルキルメタクリレートとのコモノマー、あるいは、トリエチレングルコールジメタクリレートとフルオロアルキルメタクリレートとのオリゴマーのいずれかを使用することが好ましい。特に、重合性モノマーとして、フルオロアルキルメタクリレートのようなフッ素原子を有する重合性モノマー(コモノマーあるいはオリゴマーを含む)を使用することにより、架橋フッ素樹脂粉末と重合性モノマーの硬化物との親和性が良好になり、架橋フッ素樹脂粉末を本発明の歯科用組成物の硬化体中に安定に保持することができる。
【0036】
ここで使用されるフルオロアルキルメタクリレートとしては、フルオロメチルメタクリレート、フルオロエチルメタクリレート、フルオロプロピルメタクリレートなどのフルオロアルキル基の炭素原子数が通常は1〜8個、好ましくは2〜6個であるフロオロアルキル基を挙げることができる。
【0037】
本発明では、フロオロアルキルメタクリレートは、単独で使用する重合性モノマーとして使用することもできるし、メチルメタクリレートとフルオロアルキルメタクリレートとのコポリマーとして使用することもできるし、さらにトリエチレングリコールジメタクリレートとフロオロアルキルメタクリレートとのオリゴマーを使用することができる。
【0038】
このような重合性モノマーを使用することにより、本発明の歯科用組成物中にフィラーとして含有される架橋フッ素樹脂粉末を歯科用組成物の硬化体中に均一にかつ安定に分散させることができと共に、歯科用組成物の硬化体自体が、良好な接着強度および機械的強度を有するようになる。
【0039】
本発明の歯科用組成物においては、重合性モノマーとして上記のような化合物を単独であるいは組み合わせて使用することができるが、さらに重合性モノマーとして他の重合性モノマーを併用してもよい。
【0040】
本発明において重合性モノマーとして併用することができる他の重合性モノマーの例としては、
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸アルキル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,2−または
1,3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートなどの(ポリ)グリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート;
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ(トリメチルシロキシ)シランなどの(メタ)アクリロキシアルキル基を有するシラン化合物;
および
テトラフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環を有する(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0041】
また、本発明の歯科用組成物には、多官能の(メタ)アクリレートを配合することができる。
【0042】
本発明で使用することができる、多官能性の(メタ)アクリレートの例としては、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、へキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロープロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレート;
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート;
1,6-ビス(メタクリロキシエチルオキシカルボニルアミノ)-2,2,4-トリメチルヘキサ
ン(UDMA);
下記式(1)で表わされる脂肪族または芳香族のジ(メタ)アクリレート;
【0043】
【化1】


【0044】
ただし、上記式(1)において、Rは水素原子またはメチル基であり、mおよびnは同一もしくは異なり0〜10の数であり、R1
【0045】
【化2】


【0046】
のいずれかである;
さらに、下記式(2)で表わされる脂肪族または芳香族エポキシジ(メタ)アクリレート;
【0047】
【化3】


【0048】
上記式(2)において、Rは水素原子またはメチル基であり、nは0〜10の数であり、R1は、上記式(1)におけるのと同様の基である、
および
下記式(3)で表わされる分子中にウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0049】
【化4】


【0050】
ただし、上記式(3)において、Rは水素原子またはメチル基であり、R1
【0051】
【化5】


【0052】
である。
【0053】
これらのうち、単官能性(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸エチルのような(メタ)アクリル酸アルキル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,
3−ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレートのように水酸基含有(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのよ
うに分子内にエチレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレートなどが好ましく用いられる。
【0054】
また、多官能性(メタ)アクリレートとしては、例えばトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのような分子内にエチレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート、下記式(1-a)、(2-a)、(3−a)で表される化合物などが特に好ましく用いられる。
【0055】
【化6】


【0056】
式(1−a)において、R、mおよびnの定義は式(1)に同じである。
【0057】
式(2−a)において、Rの定義は式(2)に同じである。
【0058】
式(3-a)において、Rの定義は式(3)に同じである。
【0059】
本発明の歯科用組成物には、さらに、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールの多官能アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、あるいはその他のエチレングリコールオリゴマーのジアクリレート、ビスフェノールAのジアクリレートなどの多官能アクリレートを併用することが好ましい。また、耐摩耗性のあるマトリックスとして、フロオロアルキルメタクリレートなどの多官能アクリレートを併用することができる。
【0060】
また、本発明の歯科用組成物には、分子内に酸性基を有する重合性モノマーを使用することが好ましい。このような酸性基としては、カルボキシル基あるいは酸無水物、リン酸基を挙げることができる。このような酸性基を有する重合性化合物の例としては、
(メタ)アクリル酸およびその無水物、1,4−ジ(メタ)アクリロキシエチルピロメ
リット酸、6−(メタ)アクリロキシエチルナフタレン1,2,6−トリカルボン酸、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−m−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸、4−アクリロキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物(4-META)、4−(メタ)アクリロキシブチルトリメリット酸およびその無水
物、4−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸およびその無水物、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、β−(メタ)アクリロイル
オキシエチルハイドロジェンフタレート、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−
ウンデカンジカルボン酸、p−ビニル安息香酸などのカルボン酸基またはその無水物を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー;
(2−(メタ)アクリロキシエチル)ホスホリック酸、(2−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)ホスホリック酸、10−(メタ)アクリロキシデシルホスホリック酸などの燐酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー;
p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を含有するモノマーを挙げることができる。
【0061】
また、本発明の歯科用組成物には色材を配合することができる。このような色材の例としては、黒酸化鉄、黄色酸化鉄、弁柄、チタンイエロー、チタンホワイトなどの無機顔料やブロモフタールレッド、ブロモフタールイエローなどの有機顔料が使用できる。このような色材の使用量は、本発明の歯科用組成物の色を既存の歯牙の色に調整することができるような量で適宜使用することができる。
【0062】
本発明の歯科用組成物には、通常は重合開始剤が含有されている。本発明で使用することができる重合開始剤の例としては、光重合開始剤および/または過酸化物(化学重合開始剤)が好ましく使用される。本発明で使用される光重合開始剤としては、例えば、α−ケトカルボニル化合物、アシルホスフィンオキシド化合物などを挙げることができる。
【0063】
本発明で重合開始材として使用されるα−ケトカルボニル化合物の例としては、α−ジケトン、α−ケトアルデヒド、α−ケトカルボン酸、α−ケトカルボン酸エステルなどを例示することができる。さらに具体的には、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2,3−ヘキサジオン、ベンジル、4,4'−ジメトキシベンジル、4,4'−ジエトキシベンジル、4,4'−オキシベンジル、4,4'−ジクロルベンジル、4−ニトロベンジル、α−ナフチル、β−ナフチル、カンファーキノン(CQ)、カンファーキノンスルホン酸、カンファーキノンカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジオン、ジアセチルカンファーキノンなど
のα−ジケトン;
メチルグリオキザール、フェニルグリオキザールなどのα−ケトアルデヒド;
ピルビン酸、ベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸、ピルビン酸メチル、ベンゾイルギ酸エチル、フェニルピルビン酸メチル、フェニルピルビン酸ブチルなどを挙げることができる。これらのα−ケトカルボニル化合物のうちでは安定性などの面からα−ジケトンを使用することが好ましい。α−ジケトンのうちではジアセチルカンファーキノン、ベンジルカンファーキノン、カンファーキノン(CQ)などのカンファーキノン類が好ましい。
【0064】
また、重合開始剤として使用される過酸化物の例としては、ベンゾイルジメトキシホスフィンオキシド、ベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなど;ジアセチルペルオキシド、ジプロピルペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ジカプリルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、p,p'−ジクロルベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジメトキシベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジメチルベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジニトロジベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物および過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過リン酸カリウムなどの無機過酸化物を挙げることができる。これらのα-ケトカルボニル化合物、および、過
酸化物は、単独でまたは組み合わせて使用できる。これらのうちでは、BPOが好ましい。
【0065】
上記重合開始剤の重合開始効果を向上するため、化合物の触媒効果に悪影響を及ぼさない還元性化合物の併用も可能である。例えば、N,N−ジメチルp−トルイジン、N,N−
ジエチルp−トルイジン、N,N−ジエタノールp−トルイジン、N,N−ジメチルp−
tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチルp−クロルアニリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステ
ル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシンのアルカリ金属塩、N−トリルグリシン、N−トリルグリシンのアルカリ金属塩、N,N−(3−メタクリロ
イルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシンなどの有機還元性化合物を挙げることができる。
【0066】
さらに、本発明の歯科用組成物においては、常温重合開始剤として、トリアルキルボロン、これらの部分酸化物あるいはこれらの塩を使用することができる。このような重合開始材の例としては、トリブチルボロン(TBB)および/またはトリブチルボロンの部分酸化物(TBBO)を使用することができる。
【0067】
本発明において、上記のような重合開始剤は、本発明の歯科用組成物中の重合性モノマー100重量部に対して、通常は0.1〜1.0重量部、好ましくは0・3〜0.5重量部の範囲内の量で使用される。
【0068】
また、本発明の歯科用組成物は、修復用充填材(所謂コンポジットレジン)または接着性合着材として使用することができる。
【0069】
本発明の歯科用組成物を修復用充填材(所謂コンポジットレジン)または接着性合着材として使用する場合、フィラーとしては、上記と同様に架橋フッ素樹脂粉末を使用する。さらにこの架橋フッ素樹脂粉末と、上述した他のフィラーとを併用することもできる。ここで使用する他のフィラーの好適な例としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ガラス粉末などを挙げることができる。特にフィラーとして、バリウムガラス粉末を使用することにより、X線造影性が発現する。さらに、粒子径の小さい無機フィラー、例えば平均粒子径がナノメーターオーダーの微粉末状シリカ(例えば平均粒子径が0.1〜0.5μmの範囲内にあるシリカ)などを併用することにより、重合性モノマー中におけるフィラーの分散安定性を向上させることができる。
【0070】
本発明の歯科用組成物を修復用充填材(所謂コンポジットレジン)として使用する場合、この歯科用組成物中に含有されるフィラー全量(100重量部)中に、上記架橋フッ素樹脂粉末は、通常は10重量部以上、好ましくは50重量部以上の量で使用される。
【0071】
また、重合性モノマーとしては、主としてメチルメタクリレート(MMA)、および/ま
たはフルオロアルキルメタクリレート、さらには、メチルメタクリレートとフルオロアルキルメタアクリレートとのコモノマー、ビスグリシジルメタクリレート(Bis-GMA)、こ
れらの重合性モノマーと共に他の重合性モノマーを使用することが好ましい。ここで使用する他の重合性モノマーとして、酸性基を有する重合性モノマー、水酸基などの官能基を有する重合性モノマー、多官能性モノマーなどを用いることができる。
【0072】
本発明において、酸性基を有するモノマー、特にリン酸基を有するモノマーからなるプライマーあるいはシュウ酸-塩化第2鉄との混合液などからなるプライマーを用いて歯質
の表面を処理した後、本発明の歯科用組成物を充填することにより、象牙質に対する接着強度を向上させることができる。
【0073】
本発明の歯科用組成物には、重合性モノマー100重量部に対して、通常は50〜300重量部の範囲内、好ましくは50〜200重量部の範囲内の量のフィラーが含有されて
おり、本発明の歯科用組成物中の重合性モノマー100重量部に対して、架橋フッ素樹脂粉末の量は、通常は10〜300重量部、好ましくは25〜300重量部、特に好ましくは25〜200重量部の範囲内にある。
【0074】
本発明の歯科用組成物に含有されるフィラーの量は、この歯科用組成物の使用方法に対応して上記範囲内で調整することができる。
【0075】
本発明の歯科用組成物を修復用充填材として使用する場合、重合性モノマーに対するフィラーの配合比率は、この修復用充填材に粘稠性が発現するような量比であればよい。本発明においては重合性モノマー100重量部に対して、フィラーを通常は50〜300重量部、好ましくは70〜250重量部の範囲内の量で配合することにより、歯科用組成物は流動性を有しない粘稠物となる。特に本発明の歯科用組成物についてISO4823で規定されている稠度の測定方法に準じて測定した300g付加時の25℃における稠度が
、通常は30〜35mm、好ましくは30〜31mmの範囲内になるように、重合性モノマーとフィラーとの配合比率を調整することが望ましい。
【0076】
このような修復用充填材は、窩洞に充填し、例えば歯科用可視光照射器などから硬化用の光線を数秒間照射することにより硬化させることができる。
【0077】
このように本発明の歯科用組成物を充填して硬化させることにより、この硬化体は窩洞内表面と強固に接着する。しかも、本発明の歯科用組成物中に含有される架橋フッ素樹脂粉末は、高度な撥水撥油性があり、したがって、耐汚染性にも優れているので、口腔内細菌が付着、侵入しにくく、この充填材の周縁からの二次齲蝕は生じにくい。また、本発明の歯科用組成物には、架橋フッ素樹脂粉末および重合性モノマーとして好適にはフルオロアルキル基を有するモノマーを用いて形成されており、この歯科用組成物の硬化体からは、極微量ながらフッ素が歯質に供給されると考えられ、こうした微量のフッ素により歯質の耐酸性が増すと共に、歯質の再石灰化も促進されると考えられる。さらに、本発明の歯科用組成物に含有される架橋フッ素樹脂粉末によって、充填物(硬化体)の耐磨耗性が向上し、治療された部分の磨耗を低減することができる。
【0078】
本発明の歯科用組成物の使用方法は、歯面を、通常使用されている次亜塩素酸ナトリウム1%水溶液、リン酸系プライマー、シュウ酸と塩化第2鉄との混合物からなる歯科用プライマーで歯面を前処理した後、本発明の歯科用組成物を塗布あるいは充填し、例えば歯科用可視光照射器により可視光線を数秒間照射することにより硬化させることができる。
【0079】
このような本発明の歯科用組成物をコーティング材として使用する場合には、本発明の歯科用組成物は、歯質表面にと不可能な粘度を有しており、この歯科用組成物は、その塗布厚は、通常は5〜20μm、好ましくは10〜15μmの範囲内にある。このような平均厚さで本発明の歯科用組成物を塗布することにより、歯質表面に審美性のある塗膜を形成することができる。しかも、本発明の歯科用組成物中に含有される架橋フッ素樹脂粉末は、白色度が低く、例えばこの架橋フッ素樹脂粉末から形成されたシートは半透明である。これは未架橋のフッ素樹脂から形成されるシートが高い白色度を示すのに対して、本発明で使用される架橋フッ素樹脂粉末は、光透過性を有するので、任意の色に着色がしやすい。また、この歯科用組成物は、非常に高い撥水撥油性と耐磨耗性とを有している。したがって、この歯科用組成物で歯面をコーティングすることにより、歯の表面に歯垢あるいは歯石が付着するのを防止でき、さらに審美性の高いコーティング層を形成することができる。
【0080】
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0081】
重合性モノマーとして、エチルメタクリレートとパーフルオロアルキルメタクリレートとのコモノマーを用意した。
【0082】
これとは別に、フィラーとして、架橋フッ素樹脂粉末(平均粒子径:20〜25μm、日立電線(株)製、XF33)を50重量部、ポリメチルメタクリレート粉末(平均粒子径:2.5μm)を20重量部、シリカゲル(平均粒子径:1.0μm)20重量部とを混合した混合粉末を用意した。
【0083】
上記の重合性モノマー100重量部に対して、上記の混合粉末200重量部を混合して、スラリー状ペーストを調製した。このスラリー状ペーストは粘度の高い半個体状であった。
【0084】
このスラリー状ペーストに、重合性モノマー100重量部に対して、光重合開始剤であるジアセチルカンファーキノン0.1重量部を添加して混練した。
【0085】
予め表面のエナメル質にリン酸プライマーを塗布して前処理した歯面に、上記のようにして調製したスラリーを塗布した後、直ちに歯科用可視光照射器で5秒間、光照射を行ってスラリーを硬化させた。
【0086】
塗布したスラリーは、歯面(前処理されたエナメル質)に強固に接着して硬化しており、この硬化体は撥水撥油性を有していた。
【実施例2】
【0087】
重合性モノマーとして、トリエチレングリコールジメタクリレートとパーフルオロアルキルメタクリレートオリゴマーを用意した。
【0088】
これとは別に、フィラーとして、架橋フッ素樹脂粉末(平均粒子径:20〜25μm、日立電線(株)製、XF33)を70重量部、パリウムガラス超微粉末(平均粒子径:100nm)を30重量部とを混合して混合粉末を調製した。
【0089】
上記の重合性モノマー100重量部に対して、上記の混合粉末40重量部を混合してペーストを調製した。このペーストについて、ISOのコンポジットレジンの稠度に関する規定(ISO4823)により測定した稠度は31mmであった。
【0090】
上記のようにして調整された重合性モノマー100重量部に対して、光重合開始剤であるジアセチルカンファーキノン0.1重量部を添加して混練した。
【0091】
歯牙に穿設された窩洞に接着性プライマーを塗布したのち、上記ペースト状の混練物を充填して、直ちに歯科用可視光照射器で5秒間、光照射を行って混練物を硬化させた。
【0092】
充填して硬化したペーストは、窩洞の壁面に強固に接着して硬化しており、この充填物は、優れた撥水撥油性を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の歯科用組成物は、撥水撥油性、耐摩耗性に優れた歯科用の修復材、充填材、コーティング材などとして有効に使用することができる。
【出願人】 【識別番号】592185840
【氏名又は名称】増原 英一
【出願日】 平成15年7月16日(2003.7.16)
【代理人】 【識別番号】100081994
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊一郎

【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次

【識別番号】100110917
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 亨

【識別番号】100115392
【弁理士】
【氏名又は名称】八本 佳子

【公開番号】 特開2005−35940(P2005−35940A)
【公開日】 平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願番号】 特願2003−275412(P2003−275412)