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【発明の名称】 生薬抽出物を含有する皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】瀬戸 匡人
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内

【氏名】清野 綾子
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内

【氏名】多田 明弘
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区560番地 ポーラ化成工業株式会社戸塚研究所内

【氏名】金丸 晶子
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区560番地 ポーラ化成工業株式会社戸塚研究所内

【要約】 【課題】少ないリスクで、奏功率の高い、皮膚の慢性的な炎症の予防、改善手段を提供する。

【解決手段】1)マメ科クジンの抽出物及び/又はその溶剤除去物と、2)フトモモ科チョウジの抽出物及び/又はその溶剤除去物を皮膚外用剤に含有させる。前記マメ科クジンの抽出物としては、非極性成分を含有するものが好ましく、前記フトモモ科チョウジの抽出物としては、非極性成分を含有するものが好ましい。更に、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩及びグリチルリチン酸のエステルから選択される1種乃至は2種以上を含有することが、より好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)マメ科クジンの抽出物及び/又はその溶剤除去物と、2)フトモモ科チョウジの抽出物及び/又はその溶剤除去物を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【請求項2】
前記マメ科クジンの抽出物が、非極性成分を含有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記マメ科クジンの抽出物が、水と同量乃至はそれ以上の、水と任意の割合で混合するアルコールを含有する、アルコール水溶液で抽出されたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記フトモモ科チョウジの抽出物が、非極性成分を含有するものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
前記フトモモ科チョウジの抽出物が、水と同量乃至はそれ以上の、水と任意の割合で混合するアルコールを含有する、アルコール水溶液で抽出されたものであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
更に、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩及びグリチルリチン酸のエステルから選択される1種乃至は2種以上を含有すること特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】
α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物と、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬の抽出物とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【請求項8】
皮膚外用剤の製造法に於いて、α−MSH阻害作用を有する生薬より、前記α−MSH阻害作用を有する分画を取り出し、しかる後、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬より、前記真皮コラーゲン構造再構築作用を有する分画を取り出し、前記二種の分画を組合せ、製剤化することを特徴とする、炎症を予防する為の皮膚外用剤の製造法。
【請求項9】
炎症を予防する為の皮膚外用剤の製造における、α−MSH阻害作用を有する生薬より取り出された、α−MSH阻害作用を有する分画と、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬より取り出された、前記真皮コラーゲン構造再構築作用を有する分画とを組合せての使用。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物と、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬の抽出物とを含有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に於いて炎症は、不快で耐え難いものであるばかりでなく、慢性的な炎症は、色素沈着、過敏症の発現、アレルギーの惹起、皮膚バリア機能の低下など種々の好ましくない皮膚反応の素因となると言われている。加えて、この様な好ましくない皮膚反応の存在は、全身の免疫系の低下、疲労の蓄積などの全身慢性症状を誘起したり、鬱状態或いは癌の発生などの誘因にもなったりする。この様な観点から、皮膚に於ける炎症は、例えその程度が軽いといえども、放置することは好ましくなく、速やかに改善することが好ましいとの認識が近年強くなりつつある。又、「炎症」と言う現象には様々な種類が存在し、それに係わる因子はそれぞれ異なっていると言われている。この様な炎症に関する生体側の因子としては、プロスタグランジン類等のアラキドン酸カスケード、インターロイキン類などの諸因子や、メラニン産生に係わるメラノサイト刺激ホルモン、一酸化窒素合成酵素等が挙げられている。しかしながら、炎症の種類とこれらの素因の関わり方については、詳細には知られていない。皮膚の慢性的な炎症に於いては、どの様な手段により、それを鎮静すればよいかは、詳細には知られておらず、経験論的にプレドニゾロンやデキサメタゾンなどのステロイドの投与が行われている。これらのステロイドの奏功率は50%前後であると言われ、投与のリスクの割には見合った効果が得られていないのが現状である。即ち、少ないリスクで、奏功率の高い皮膚の慢性的な炎症の予防、改善手段の開発が望まれていた。
【0003】
皮膚外用剤の分野における、メラノサイト刺激ホルモン関連の技術としては、メラノサイト刺激ホルモンやその部分ペプチド自身を利用して、この働きを高める技術(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)、或いは生薬エキスを用いてメラノサイト刺激ホルモンの働きを抑制し、美白効果を具現化するする技術(例えば、特許文献5、特許文献6を参照)、更には、生薬中の特定成分を用いてメラノサイト刺激ホルモンの働きを抑制し、美白効果を具現化するする技術(例えば、特許文献7を参照)などが知られている。
【0004】
マメ科クジン(クララ)も、フトモモ科チョウジも何れも漢方生薬であり、生薬エキスとしては、何れも、抗菌作用(例えば特許文献8を参照)、活性酸素消去作用(例えば、特許文献9を参照)、肌荒れ改善作用(例えば、特許文献10参照)、或いはセラミドの生合成促進作用(例えば、特許文献11参照)等が知られている。これ以外に、マメ科クジンのエキスには、メラノサイト刺激ホルモン抑制作用が存することが知られている。又、フトモモ科チョウジの抽出物は、真皮コラーゲン線維束構造を再構築する作用を有することが知られている。(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献12を参照)しかしながら、この二種を組み合わせて皮膚外用剤に含有させることも、この様に組み合わせて含有させることにより、異なる効果の相乗効果を発現し、優れた炎症抑制作用、取り分け、皮膚の慢性的な炎症に対して予防、改善作用を奏することも全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−128702号公報
【特許文献2】特表2003−517435号公報
【特許文献3】特表平10−511110号公報
【特許文献4】特表平09−506098号公報
【特許文献5】特開2002−29920号公報
【特許文献6】特開2001−163728号公報
【特許文献7】特開2001−220347号公報
【特許文献8】特開2003−104835号公報
【特許文献9】特開2003−26560号公報
【特許文献10】特開2002−3358号公報
【特許文献11】特開2001−261543号公報
【特許文献12】特開2002−29988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、少ないリスクで、奏功率の高い、皮膚の慢性的な炎症の予防、改善手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、少ないリスクで、奏功率の高い皮膚の慢性的な炎症の予防、改善手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)α−MSH抑制作用を有する、マメ科クジンの抽出物及び/又はその溶剤除去物と、2)真皮コラーゲン構造再構築作用を有する、フトモモ科チョウジの抽出物及び/又はその溶剤除去物を含有する皮膚外用剤が、その様な作用に優れていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)マメ科クジンの抽出物及び/又はその溶剤除去物と、2)フトモモ科チョウジの抽出物及び/又はその溶剤除去物を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)前記マメ科クジンの抽出物が、非極性成分を含有するものであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)前記マメ科クジンの抽出物が、水と同量乃至はそれ以上の、水と任意の割合で混合するアルコールを含有する、アルコール水溶液で抽出されたものであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)前記フトモモ科チョウジの抽出物が、非極性成分を含有するものであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)前記フトモモ科チョウジの抽出物が、水と同量乃至はそれ以上の、水と任意の割合で混合するアルコールを含有する、アルコール水溶液で抽出されたものであることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(6)更に、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸の塩及びグリチルリチン酸のエステルから選択される1種乃至は2種以上を含有すること特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(7)α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物と、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬の抽出物とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(8)皮膚外用剤の製造法に於いて、α−MSH阻害作用を有する生薬より、前記α−MSH阻害作用を有する分画を取り出し、しかる後、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬より、前記真皮コラーゲン構造再構築作用を有する分画を取り出し、前記二種の分画を組合せ、製剤化することを特徴とする、炎症を予防する為の皮膚外用剤の製造法。
(9)炎症を予防する為の皮膚外用剤の製造における、α−MSH阻害作用を有する生薬より取り出された、α−MSH阻害作用を有する分画と、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬より取り出された、前記真皮コラーゲン構造再構築作用を有する分画とを組合せての使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少ないリスクで、奏功率の高い、皮膚の慢性的な炎症の予防、改善手段を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるα−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物
本発明の皮膚外用剤は、α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物を含有することを特徴とするここで、α−MSH阻害作用を有する物質とは、10−2%程度の濃度でc−AMP産生量に換算して20%以上αーMSHの作用を阻害する成分を意味する。ここで、本発明に言う、抽出物とは、生薬に溶媒を加え、抽出した成分、戦記抽出した成分から溶媒を除去したもの、抽出した成分乃至はその溶媒を除去したものを分画精製したものなどの総称を意味する。又、α−MSH阻害作用を有する生薬としては、α−MSH(メラノサイト刺激ホルモン)の発現を阻害する性質を有するものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、この様な作用を有することが知られている、マメ科クジンの抽出物、キク科アルニカの抽出物等が好適に例示出来る。特に好ましいものは、マメ科クジンの抽出物である。これらの植物の抽出物としては、植物体をエタノールや1,3−ブタンジオールなどのアルコールで抽出したもの、アルコールで抽出したものより、溶媒を除去したもの、抽出して溶媒を除去したものを精製分画したものなどが好ましく例示出来、精製分画したものとしては、ダイアイオンHP−20等のようなイオン交換樹脂カラムに、水などに分散させてチャージし、水洗した後、エタノール等のアルコールで溶出させ、溶媒を除去した分画が特に好ましい。抽出に際しては、植物体に対して1〜10倍量の溶媒を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬させ、所望により、濾過で不溶物を取り除き、濃縮などして調整すればよい。これらの成分は唯一種を皮膚外用剤に含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかるα−MSH阻害作用を有する生薬抽出物の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜2重量%である。これは、少なすぎると効果を奏さない場合が存し、多すぎても効果が頭打ちになる場合が存するからである。
【0010】
<製造例1>
マメ科クジンの根部500gに5lの80%エタノール水溶液を加え、2時間加熱還流し、濾過して不溶物を除いた後、減圧濃縮し、500mlの水を加えて分散させ、ダイアイオンHP−20(三菱化成株式会社製)1lを充填したカラムにチャージし、2lの水を流して洗浄し、しかる後、エタノール1lを流して溶出分を集め、減圧乾固し、アモルファスとして、1.9gのクジン抽出物1を得た。
【0011】
<製造例2>
キク科アルニカの全草500gに5lの80%エタノール水溶液を加え、2時間加熱還流し、濾過して不溶物を除いた後、減圧濃縮し、500mlの水を加えて分散させ、ダイアイオンHP−20(三菱化成株式会社製)1lを充填したカラムにチャージし、2lの水を流して洗浄し、しかる後、エタノール1lを流して溶出分を集め、減圧乾固し、アモルファスとして、1.2gのアルニカ抽出物1を得た。
【0012】
<α−MSH阻害作用>
上記クジン抽出物1とアルニカ抽出物1について、α−MSHに対する作用を、培養細胞(メラノーマB−16細胞)を用いて、サイクリックAMPの産生量を指標に検討した。細胞は10%FBS加MEM(イーグルの最少培地)で5%炭酸ガス湿度95%37℃の条件で96ウェルのプレートで細胞104個/ウェル、培地160μl/ウェルの条件で1晩培養した。これにα−MSH(1×10-7M)及び抽出物を加え、アマシャム社製のバイオトレイク・セルラー・コミュニケーション・アッセー cAMPエンザイムイムノアッセイ・システム(コードRPN225)を用いて、450nmの分光光度として測定した。対照としてはα−MSH、α−MSH阻害剤を共に添加しないものを用い、このcAMP濃度を100として、それぞれのcAMP比濃度を測定した。抽出物の濃度は3×10−3%とした。結果を表1に示す。これより、これらの抽出物はともにα−MSH阻害作用を有することが判る。
【0013】
【表1】


【0014】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である真皮コラーゲン線維束再構築作用を有する生薬の抽出物
本発明の皮膚外用剤は、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬の抽出物を含有することを特徴とする。ここで、真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬の抽出物とは、生薬の抽出物であって、10−4%程度の濃度を共存させた場合に於いて、マウス由来の繊維芽細胞をイン・ビトロで培養過程で、非添加のコントロールに比して、有意に線維束構造構築が認められる様な作用を有するものを意味する。この様な作用を有する抽出物の基源となる生薬としては、シソ科ローズマリー、フトモモ科チョウジ(チョウジノキ)の抽出物が好適に例示出来る。ローズマリーの抽出物としては、地上部からの抽出物が好ましく、チョウジの抽出物としては果実の抽出物が好ましく例示出来る。又、抽出物の製造方法としては、植物体をエタノールや1,3−ブタンジオールなどのアルコールで抽出すること、アルコールで抽出したものより、溶媒を除去すること、抽出して溶媒を除去したものを精製分画することなどが好ましく例示出来、精製分画方法としては、ダイアイオンHP−20等のようなイオン交換樹脂カラムに、水などに分散させてチャージし、水洗した後、エタノール等のアルコールで溶出させ、溶媒を除去することが特に好ましい。抽出に際しては、植物体に対して1〜10倍量の溶媒を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬させ、所望により、濾過で不溶物を取り除き、濃縮などして調整すればよい。かくして得られた抽出物は、唯一種を皮膚外用剤に含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、かかる真皮コラーゲン構造再構築作用を有する生薬抽出物の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜2重量%である。これは、少なすぎると効果を奏さない場合が存し、多すぎても効果が頭打ちになる場合が存するからである。
【0015】
<製造例3>
フトモモ科チョウジノキの果実500gに5lの80%エタノール水溶液を加え、2時間加熱還流し、濾過して不溶物を除いた後、減圧濃縮し、500mlの水を加えて分散させ、ダイアイオンHP−20(三菱化成株式会社製)1lを充填したカラムにチャージし、2lの水を流して洗浄し、しかる後、エタノール1lを流して溶出分を集め、減圧乾固し、粘ちょうな液体として、11.4gのチョウジ抽出物1を得た。
【0016】
<製造例4>
シソ科ローズマリーの地上部500gに5lの80%エタノール水溶液を加え、2時間加熱還流し、濾過して不溶物を除いた後、減圧濃縮し、500mlの水を加えて分散させ、ダイアイオンHP−20(三菱化成株式会社製)1lを充填したカラムにチャージし、2lの水を流して洗浄し、しかる後、エタノール1lを流して溶出分を集め、減圧乾固し、粘ちょうな液体として、8.2gのローズマリー抽出物1を得た。
【0017】
<真皮コラーゲン構造再構築作用>
皮膚由来の真皮線維芽細胞を採取し、5代継代して用いた。培養条件は5×10個/mlの細胞濃度で、1.0mg/mlの酸可溶性コラーゲンを加え、10%FBS加イーグルの最少培地で10−4%、及び、10−5%の真皮コラーゲン線維束再構築作用を有する生薬の抽出物を添加して7日間培養した。培地での繊維芽細胞の生育状況を顕微鏡下観察した。結果を表2に示す。これより、チョウジ抽出物1も、ローズマリー抽出物1もともに優れた真皮コラーゲン再構築作用を有すること、取り分け、チョウジ抽出物1では、10−5%の濃度に於いてもかかる作用が認められるほど、真皮コラーゲン再構築作用に優れることが判る。尚、対照は生薬の抽出物を添加しないものである。
【0018】
【表2】


【0019】
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物と真皮コラーゲン線維束再構築作用を有する生薬の抽出物とを含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤に於いては、必須成分である、前記α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物と真皮コラーゲン線維束再構築作用を有する生薬の抽出物以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤は、かかる必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより、製造することが出来る。かくして得られた皮膚外用剤は、皮膚の慢性的な炎症の予防、改善に優れた作用を有する。加えて、炎症後に生じる色素沈着を抑制するという、副次的効果も有する。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば特段の限定無く、例えば、皮膚外用医薬、化粧料、外用消毒剤、外用清浄剤等が好ましく例示でき、中でも化粧料が特に好ましく適用される。これは、色素沈着を防ぐ副次的効果を有する、抗炎症作用が化粧料にとって極めて好適な作用だからである。
【実施例】
【0020】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0021】
<実施例1>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(可溶化剤形の透明ローション)を作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、攪拌冷却し、本発明の化粧料を得た。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
チョウジの抽出物1 0.3重量部
クジンの抽出物1 0.2重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシホスホリルルコリン 0.05重量部
ポリ(グルコシルエチルメタクリレート) 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 78.2重量部
【0022】
<実施例2>
(評価1)
本発明の皮膚外用剤である、上記実施例1の化粧料について、炎症抑制作用を調べた。即ち、無作為に選別したパネラー5名の、下腕内側部に、2cm×5cmの部位を4つ設け、1つの部位は実施例1の化粧料で、1つの部位は実施例1の化粧料のチョウジ抽出物1をクジン抽出物1に置換した比較例1で、1つの部位はクジン抽出物1をチョウジ抽出物1で置換した比較例2で、1つの部位は実施例1の化粧料のチョウジ抽出物1とクジン抽出物1を水に置換した対照例1で、1日1回10日連続処置し、最後の処置から24時間後に最少紅斑量の2倍の照射量の紫外線照射を行った。照射後18時間に皮膚の炎症反応を目視で確認し、色差を色差計で測定した。色差の基準は対照例での処置部位とした。更に、その7日後、皮膚の色素沈着反応を目視で確認し、再び色差を測定した。炎症については、実施例1投与部位については炎症は認めなかったが、他の部位については何れも明瞭な紅斑を認めた。又、色素沈着については、実施例1投与部位については色素沈着は認めなかったが、他の部位については何れも不鮮明ではあるが、色素沈着を認めた。色差の測定結果は表3に示す。これらより、本発明の皮膚外用剤が、皮膚の炎症の予防、改善に優れた作用を有し、炎症後に生じる色素沈着を抑制する作用に優れることが判る。又、かかる作用が、α−MSH阻害作用を有する生薬の抽出物と、真皮コラーゲン線維束構造再構築作用を有する生薬の抽出物との組合せによる効果であることが判る。
【0023】
【表3】


【0024】
<実施例3>
(評価2)
慢性的な炎症に悩む過敏症の人3人に実施例1の化粧料を渡し、10日間使用してもらい、11日目に炎症の判定を行った。又、試験開始前と、終了後に粘着テープで角層細胞を採取し、その面積を測定した。目視による観察では、3人とも炎症は沈静化し、肌荒れも改善していた。角層細胞の面積は、試験開始前が平均で890±56(mμ)であり、試験終了後が625±31(mμ)であり、炎症が改善し、皮膚バリア機能が向上していることが判った。又、過敏症の人にも好ましくない反応を起こすことなく使用出来たことから、本発明の皮膚外用剤の安全性は高く、従って、使用に於けるリスクも極めて少ないものと勘案される。
【0025】
<実施例4>
実施例1のクジン抽出物1をアルニカ抽出物1に置換して、本発明の皮膚外用剤である化粧料を作成し、実施例2の方法で評価した。(例数1)結果は、抗炎症作用がΔEで1.08、抗色素沈着作用がΔEで0.87であった。実施例1の化粧料と同様の作用が認められた。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
チョウジの抽出物1 0.3重量部
アルニカの抽出物1 0.2重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシホスホリルルコリン 0.05重量部
ポリ(グルコシルエチルメタクリレート) 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 78.2重量部
【0026】
<実施例5>
実施例1のチョウジ抽出物1をローズマリー抽出物1に置換して、本発明の皮膚外用剤である化粧料を作成し、実施例2の方法で評価した。(例数1)結果は、抗炎症作用がΔEで1.15、抗色素沈着作用がΔEで1.01であった。実施例1の化粧料と同様の作用が認められた。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
ローズマリーの抽出物1 0.3重量部
クジンの抽出物1 0.2重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシホスホリルルコリン 0.05重量部
ポリ(グルコシルエチルメタクリレート) 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 78.2重量部
【0027】
<実施例6>
実施例5のクジン抽出物1をアルニカ抽出物1に置換して、本発明の皮膚外用剤である化粧料を作成し、実施例2の方法で評価した。(例数1)結果は、抗炎症作用がΔEで1.01、抗色素沈着作用がΔEで0.82であった。実施例1の化粧料と同様の作用が認められた。
ツボクサの抽出物 0.1重量部
水酸化レシチン(レシノールSH50) 0.1重量部
ジメチコンコポリオール 0.4重量部
ショ糖モノステアレート 0.6重量部
グリセリン 7 重量部
1,3−ブタンジオール 8 重量部
エタノール 5 重量部
ローズマリーの抽出物1 0.3重量部
アルニカの抽出物1 0.2重量部
ポリメタクリロイルオキシエトキシホスホリルルコリン 0.05重量部
ポリ(グルコシルエチルメタクリレート) 0.02重量部
ポリメタクリロイルリジン 0.03重量部
水 78.2重量部
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、敏感肌の人に好適な化粧料、医薬部外品に応用出来る。
【出願人】 【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
【住所又は居所】静岡県静岡市弥生町6番48号
【出願日】 平成15年7月14日(2003.7.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−35925(P2005−35925A)
【公開日】 平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願番号】 特願2003−274101(P2003−274101)