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【発明の名称】 養育毛剤組成物
【発明者】 【氏名】金田 澄
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】芹沢 哲志
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】佐藤 円康
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】長谷川 雅俊
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】本野 正大
【住所又は居所】福岡県大野城市大池2丁目26番7号 三省製薬株式会社開発本部内

【要約】 【課題】毛周期において成長期から休止期への移行を抑制し、成長期を更に延長することにより、養育毛効果と共に、優れた抜け毛予防効果を発現する養育毛剤組成物を提供する。

【解決手段】(A)下記一般式(I)で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、(B)シソ、ラベンダー、ヒキオコシ、マンネンロウ、エンメイソウ、メリッサ、オドリコソウ、タンジン及びコレウス・フォルスコリィから選ばれる少なくとも1種のシソ科植物の溶媒抽出物とを含有してなることを特徴とする養育毛剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(I)で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、(B)シソ、ラベンダー、ヒキオコシ、マンネンロウ、エンメイソウ、メリッサ、オドリコソウ、タンジン及びコレウス・フォルスコリィから選ばれる少なくとも1種のシソ科植物の溶媒抽出物とを含有してなることを特徴とする養育毛剤組成物。
【化1】


【請求項2】
更に、(C)奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸及びその誘導体、奇数の炭素鎖長を有する脂肪族アルコール及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項1記載の養育毛剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養育毛剤組成物に関し、更に詳しくは、頭皮に外用することにより細胞の賦活化、細胞内のエネルギー代謝の亢進効果等を有し、優れた抜け毛予防効果を発現する養育毛剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、数多くの養育毛剤が知られており、脱毛症の予防及び治療に用いられている。
例えば、皮膚の老化防止効果及び頭皮に外用することによる細胞の賦活化を目的としたものとして、6−ベンジルアミノプリン(6−ベンジルアデニン)及びその誘導体を用いた育毛剤(特許文献1参照)、皮膚化粧料(特許文献2参照)が知られている。
また、生体の細胞組織に対する賦活化作用による老化防止を目的として、コレウス・フォルスコリィの抽出物を用いた養育毛剤(特許文献3及び4参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平05−320028号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献2】
特開平07−233037号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献3】
特開平08−176005号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献4】
特開平09−157138号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【0004】
しかしながら、これらの特許文献1〜4に記載される育毛剤等は、従来にない育毛効果等を有するものであるが、抜け毛予防効果においては未だ十分なものといない点に若干の課題を有し、より一層優れた抜け毛予防効果を有する養育毛剤組成物の出現が望まれているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、頭皮に外用することにより、毛周期において成長期から休止期への移行を抑制し、成長期を更に延長することにより、特に優れた抜け毛予防効果を有する養育毛剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の課題等を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、特定のシソ科植物の溶媒抽出物とを併用して養育毛剤として頭皮に外用した場合、これらが相乗的に作用して、上記目的の優れた抜け毛予防効果を有する養育毛剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。
(1) (A)下記一般式(I)で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、(B)シソ、ラベンダー、ヒキオコシ、マンネンロウ、エンメイソウ、メリッサ、オドリコソウ、タンジン及びコレウス・フォルスコリィから選ばれる少なくとも1種のシソ科植物の溶媒抽出物とを含有してなることを特徴とする養育毛剤組成物。
【化2】


(2) 更に、(C)奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸及びその誘導体、奇数の炭素鎖長を有する脂肪族アルコール及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する上記(1)記載の養育毛剤組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の養育毛剤組成物は、下記一般式(I)で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、(B)シソ、ラベンダー、ヒキオコシ、マンネンロウ、エンメイソウ、メリッサ、オドリコソウ、タンジン及びコレウス・フォルスコリィから選ばれる少なくとも1種のシソ科植物の溶媒抽出物とを含有してなることを特徴とするものである。
【化3】


【0008】
本発明に用いる(A)成分の上記一般式(I)において、Rで示される置換基としては、上記各置換基が挙げられるが、好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、無置換又は置換基を有するベンジル基が望ましく、具体的には、ベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−ブロモベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−プロピルベンジル基、3,5−ジフルオロベンジル基、2−シアノベンジル基、2−アセトアミノベンジル基、4−アセトアミノベンジル基、4−メトキシカルボニルベンジル基、4−ジメチルアミノベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−トリメチルシリルオキシベンジル基、3−トリフルオロメチルベンジル基、4−ブチルジメチルシリルオキシベンジル基、2−メチルオキシベンジル基、4−トリメチルシリルオキシベンジル基、4−メチルチオベンジル基などが挙げられる。
また、Rで示される置換基としては、好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、水素原子、五単糖(例えば、1−リボフラノシル基、1−リキソフラノシル基、1−キシロフラノシル基、1−アラボフラノシル基、などが挙げられる。)、六単糖(例えば、1−グルコシル基、1−ガラクトシル基、1−グロース基、1−マンノシル基、1−アロース基などが挙げられる。)などが挙げられる。
【0009】
本発明に用いる(A)成分は、上記一般式(I)で示される物質であって、常法に従って天然物から精製したもの、あるいは合成によって得られた物のいずれも使用できる。
好ましく用いることができる上記一般式(I)の具体的な化合物としては、下記で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体が挙げられる。
【化4】


【0010】
本発明において、上記一般式(I)で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体は、1種単独で又は2種以上を適宜併用して用いることができ、これらは任意の濃度で含有することができる。
本発明に用いる上記(A)成分の含有量は、通常、養育毛剤組成物全量に対して、0.0001〜20質量%(以下、「%」と略称する)、好ましくは、0.01〜10%、更に好ましくは、0.01〜5%含有させることが望ましい。
この(A)成分の含有量が0.0001%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、また、20%超過では、通常それ以上の効果が得られず不経済となり、好ましくない。
【0011】
本発明に用いる(B)成分は、シソ科植物の溶媒抽出物を使用するものであるが、シソ科植物のうち、(A)成分と組み合わせることにより相乗的に抜け毛予防効果を発揮する点から、シソ(Perilla frutescens)、ラベンダー(Lavandula vera)、ヒキオコシ(Plectranthus japonicus)、マンネンロウ(Rosmarinus officinalis)、エンメイソウ(Isodon japonicus)、メリッサ(Mellssa officinalis)、オドリコソウ(Lamium album)、タンジン(Salivia miltiorhiza)及びコレウス・フォルスコリィ(Coleus forskohli)から選ばれる少なくとも1種の溶媒抽出物を用いることが必要である。
これらのシソ科植物の溶媒抽出物は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて含有することができ、これらの中でも、更なる効果を発揮せしめる点から、オドリコソウ、タンジン、コレウス・フォルスコリイ、エンメイソウ等の溶媒抽出物がより好ましく、特に、コレウス・フォルスコリイの溶媒抽出物が望ましい。
【0012】
本発明において、(B)成分のシソ科植物の溶媒抽出物の抽出方法は、特に制限されるものではなく、通常の抽出溶媒を用いた抽出法を採用することでき、例えば上記各シソ科植物は、その木部、心材部、樹皮部、茎部、枝部、葉部、根部、種子部、果実部、花部などを用いることができ、これらを、乾燥或いはそのままで粉砕するなどして抽出原料とし、これを水等の親水性有機溶剤、含水親水性有機溶剤、その他有機溶剤等を使用して通常の抽出方法により抽出することができる。
【0013】
用いることができる有機溶剤としては、例えば、含水エタノール、含水メタノール、ヘキサン、クロロホルム、シクロヘキサン、ベンゼン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジクロロメタン、エタノール、アセトン、酢酸エチル等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜併用して用いることができる。
ここで、上記抽出工程における各種条件は、特に制限されるものではないが、通常、上記抽出原料と上記抽出溶媒との比率は、質量比で抽出原料:抽出溶媒=1:2〜1:50程度の範囲が好ましく、抽出温度としては、5〜80℃の範囲で、1時間〜1週間、抽出溶媒に浸漬したり、攪拌することによって行うと好適である。なお、抽出pHは、極端な酸性又はアルカリ性でなければ、特に制限はない。
【0014】
本発明において、上記(B)成分のシソ科植物の溶媒抽出物は、その抽出溶媒が水、エタノール、水/エタノール(含水エタノール)等の非毒性の溶媒である場合は、抽出物をそのまま用いても良く、あるいは希釈液として用いることができる。また、上記抽出物を濃縮エキスとしてもよく、凍結乾燥などにより乾燥粉末物にしたり、ぺースト状に調製してもよい。なお、他の溶媒を用いた場合は、溶媒を留去後、乾燥分を非毒性の溶媒で希釈して用いることが望ましい。
【0015】
本発明において、上記(B)成分のシソ科植物の溶媒抽出物の含有量は、特に制限されるものではないが、養育毛剤組成物全量に対して、エキス分として0.01〜20%、好ましくは、0.1〜10%、更に好ましくは、0.5〜5%が望ましい。
この(B)成分の含有量が0.01%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、また、20%超過では、それ以上の効果の向上が期待できず不経済となり、好ましくない。
【0016】
本発明では、上記(A)成分の一般式(I)で示される6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、上記(B)成分のシソ科植物の溶媒抽出物とを併用して頭皮に直接施すと、相乗効果により、毛周期において成長期から休止期への移行を抑制し、成長期を更に延長することにより、強い養育毛効果と共に、より一層優れた抜け毛予防効果を発揮するものであるが、更に、養育毛剤組成物中に含有する上記(A)成分及び(B)成分の上記相乗効果を最大限度に発揮する含有割合に関し、探求した結果、上記各含有量の範囲で、かつ、(B)成分)/(A)成分が質量比で1/1000〜100/1である場合が好ましく、更に好ましくは、1/300〜10/1とすることが望ましい。上記(A)成分及び(B)成分の含有割合を1/1000〜100/1とすることにより、更に優れた養育毛効果と共に、より一層優れた抜け毛予防効果を発揮することとなる。
【0017】
本発明では、更に、優れた養育毛効果と共に、より一層優れた抜け毛予防効果を発揮させるために、好ましくは、(C)成分として、奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸及びその誘導体、奇数の炭素鎖長を有する脂肪族アルコール及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有せしめることが望ましい。
この(C)成分として用いることができる奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸としては、炭素鎖を構成している炭素原子の数が奇数のものであり、養育毛作用を有するものであれば、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であっても良い。
また、不飽和脂肪酸は、複数の二重結合を含んでいてもよい。炭素鎖の炭素原子数は、好ましくは、9〜29、より好ましくは、11〜25であり、炭素鎖は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。このような脂肪酸として、より具体的には、例えば、ノナン酸、ウンデカン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ノナデカン酸、ヘンエイコサン酸、トリコサン酸、ペンタコサン酸、ヘプタコサン酸を挙げることができる。
【0018】
用いることができる奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸の誘導体としては、奇数脂肪酸の脂肪酸残基を含むものであり、人体に使用することができるものであれば、上記奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸のいずれの誘導体をも用いることができるが、特に好ましい誘導体としては、下記のイ)〜ワ)ものが挙げられる。
イ) 下記一般式(II)又は(III)で示されるモノグリセライド。
【化5】


上記式(II)又は(III)中、Rは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表わす。
【0019】
ロ) 下記一般式(IV)又は(V)で示されるジグリセライド。
【化6】


上記式(IV)又は(V)中、R及びRは直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基であって、これらのうち少なくとも一方は偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、RまたはRのいずれか一方が偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基であれば、本発明の更なる効果が得られ、他の一方は奇数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基であってもよい。更に好ましくは、R及びRがともに偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基であることがより望ましい。
【0020】
ハ)下記一般式(VI)で示されるトリグリセライド。
【化7】


上記式(VI)中、R、R及びRは、直鎖状または分岐鎖状脂肪族基であって、これらのうち少なくとも1つは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状または分岐状脂肪族炭化水素基を示す。また、R、R及びRのいずれか1つ以上が偶数の炭素鎖長を有する直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基であれば、本発明の更なる効果が得られ、他のものは奇数の炭素鎖長を有する直鎖状または分岐脂肪族炭化水素基であってもよい。好ましくは、R、R及びRのうち2つ以上がともに偶数の炭素鎖長を有する直鎖状または分岐状脂肪族炭化水素基であることが望ましい。更に好ましくは、R、R及びRのすべてが偶数の炭素鎖長を有する直鎖状または分岐状脂肪族炭化水素基であることがより望ましい。
【0021】
ニ)下記一般式(VII)で示される脂肪酸塩。
(RCOO)nM …………(VII)
上記式(VII)中、Rは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、Mは金属原子又はアンモニウムイオンを表わす。さらに、nはMの価数に対応した整数を表わす。
【0022】
ホ)下記一般式(VIII)で示されるエステル。
RCOOR´ …………(VIII)
上記式(VIII)中、Rは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、R´は、炭素原子数が偶数の1価若しくは2価の脂肪族アルコール残基、ポリオキシエチレン残基、ソルビタン残基、又はショ糖残基を表わす。
【0023】
ヘ)下記一般式(IX)で示される第1アミド。
RCONR´R”…………(VII)
上記式(VII)中、Rは偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、R′、R”は水素、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表わす。
【0024】
ト)下記一般式(X)で示される第2アミド。
【化8】


上記式(X)中、R及びRは、脂肪族炭化水素基であって、これらのうちどちらか一方は偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、R´は水素、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表わす。
【0025】
チ)下記一般式(XI)で示される第3アミド。
【化9】


前記式(XI)中、R、R及びRは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基であって、これらのうち少なくとも1つは偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。
【0026】
リ)下記一般式(XII)で示される二塩基酸及びその塩。
HOOCRCOOH …………(XII)
上記式(XII)中、Rは奇数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。
【0027】
ヌ)下記一般式(XIII)で示されるステロールエステル。
【化10】


上記式(XIII)中、Rは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。
【0028】
ル)下記一般式(XIV)で示されるリン脂質。
【化11】


上記式(XIV)中、R及びRは、脂肪族炭化水素基であって、これらのうちどちらか一方は偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、Xは、コリン残基、エタノールアミン残基、セリン残基、又はイノシトール残基を表わす。
【0029】
ヲ)下記一般式(XV)で示されるフオスフアチジン酸。
【化12】


上記式(XV)中、R及びRは、脂肪族炭化水素基であって、これらのうちどちらか一方は偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。
【0030】
ワ)下記一般式(XVI)で示されるスフインゴ脂質。
【化13】


上記式(XVI)中、Rは、偶数の炭素鎖長を有する直鎖状又は分岐状脂肪族炭化水素基を表わす。また、Xは、糖残基、リン酸残基、又はアミン塩基残基を表わす。
【0031】
本発明において、養育毛成分として好ましく使用される(C)成分の脂肪族アルコールは、炭素鎖を構成している炭素原子の数が奇数のものであれば、その炭素鎖は飽和又は不飽和のいずれのものであってもよく、また、不飽和の場合、複数の二重結合を含んでいてもよい。更に、アルコールは、低級アルコールでも高級アルコールでもよく、第一級、第二級、並びに第三級のいずれであってもよい。
好ましい奇数鎖脂肪族アルコールとしては、例えば、n−プロピルアルコール、n−アミルアルコール、n−へプチルアルコール、n−ノニルアルコール、n−ウンデシルアルコール、n−トリデシルアルコール、n−ペンタデシルアルコール、n−ヘプタデシルアルコール、n−ノナデシルアルコール、n−ウンエイコシルアルコール、n−トリコシルアルコール、および、n−ペンタコシルアルコール等を挙げることができる。
【0032】
また、本発明では、このような奇数炭素鎖脂肪族アルコールの誘導体も使用することができる。その代表的な誘導体としては、奇数鎖アルコールのエステル化物およびエーテル化物である。
好ましいエステル化物は、上記奇数鎖脂肪族アルコールと、脂肪族カルボン酸(特に炭素数2〜24のものが好ましい)、コハク酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸またはオキザロ酢酸のような有機酸、およびリン酸のような無機酸とのエステル化物を包合する。
また、好ましいエーテル化物は、上記奇数鎖脂肪族アルコールと、脂肪族アルコール(炭素数2〜24のものが特に好ましい)、またはグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のような多価アルコール、または、ブドウ糖、リボース、ガラクトース、アラビノース、マンノース、キシロース、ソルビトール、マンニトールのような等とのエーテル化物を包含する。
【0033】
更に、上記エーテル化物は、例えば、グリセリンのジ−またはトリ−奇数鎖アルコキシドのように、1分子内に2以上の奇数鎖脂肪族アルコール残基を含んでいてもよい。なお、本発明の組成物に使用される奇数鎖脂肪族アルコールの誘導体は、人体に悪影響を与えなければ、上述した奇数鎖アルコールの残基を含んでいるだけでよい。従って、上述のエステル化物における酸残基、およびエーテル化物におけるアルコール残基、糖残基は種々の置換基で置換されてもよい。
【0034】
この(C)成分の奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸及びその誘導体、奇数の炭素鎖長を有する脂肪族アルコール及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、組成物全量に対して、0.001〜40%、好ましくは、0.1〜20%、更に好ましくは、0.5〜5%とすることが望ましい。
この(C)成分の含有量が0.001%未満であると、本発明の更なる効果を発揮することができず、また、40%超過では、通常それ以上の効果が得られず不経済となり、好ましくない。
【0035】
本発明の養育毛剤組成物は、上記(A)成分の6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、上記(B)成分のシソ科植物の溶媒抽出物の少なくとも1種とを含有せしめて、頭皮に直接施すと、毛周期において成長期から休止期への移行を抑制し、成長期を更に延長することにより、更に強い養育毛効果と共に、より一層優れた抜け毛予防効果を発揮するものであり、この相乗効果を更に高めるために、好ましくは上記(C)成分を更に含有せしめるものであるが、必要に応じて又は使用目的に応じて、上記(A)及び(B)成分の有効成分以外の任意の成分を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
【0036】
このような成分としては、例えば、水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水等)、エタノール、非イオン性界面活性剤、糖質系界面活性剤およびその他の界面活性剤、セルロース類、油脂類、エステル油、高分子樹脂、色剤、香料、紫外線吸収剤やビタミン類、ホルモン類、血管拡張剤、アミノ酸類、抗炎症剤、皮膚機能亢進剤、角質溶解剤等の薬効成分などを挙げることができる。
【0037】
セルロース類としては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが、界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノまたはイソステアレート、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノミリスチン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン)等が、油脂類としては、多価アルコール脂肪酸エステル(トリ−2エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン酸等)、サフラワー油、月見草油、ホホバ油等が、エステル油としては不飽和脂肪酸アルキルエステル(オレイン酸エチル、リノール酸イソプロピル等)ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピルが、アミノ酸類としては、メチオニン、セリン、グリシン、シスチン等が、更に角質溶解剤としては、サリチル酸、レゾルシン等が、高分子樹脂としては、両性、カチオン性、アニオン性及びノニオン性ポリマーが、紫外線吸収剤としては、メトキシケイ皮酸オクチル(ネオヘリオパンAV)、オキシベンゾン、ウロカニン酸等が挙げられる。
【0038】
本発明の養育毛剤組成物は、常法に従って、均一溶液、ローション、ジェルなどの形態で、また、外用剤として使用することができる。
更に、本発明の養育毛剤組成物は、エアゾール組成物の形態をとることができ、その場合には、上記の成分以外に、n−プロピルアルコールまたはイソプロピルアルコール等の低級アルコール;ブタン、プロパン、イソブタン、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の可燃性ガス;窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等の圧縮ガスを含有することができる。
【0039】
このように構成される本発明の養育毛剤組成物は、上記(A)成分の6−ベンジルアミノプリン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、上記(B)成分のシソ科植物の溶媒抽出物の少なくとも1種とを含有せしめて、頭皮に直接施すと、後述する実施例等で実証するように、相乗効果により、毛周期において成長期から休止期への移行を抑制し、成長期を更に延長することにより、更に強い養育毛効果と共に、毛細胞の賦活化により優れた抜け毛予防効果を発揮するものとなる。
【0040】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0041】
〔実施例1〜8及び比較例1〜4〕
下記表1及び表2に示す配合組成により、各養育毛剤組成物を調製した。なお、配合単位は、質量%であり、全量100質量%である(実施例9以下も同様)。
得られた各養育毛剤組成物〔本発明範囲(実施例)となる被験試料と本発明の範囲外(比較例)の被験試料〕について、下記方法により、男性型脱毛症に対する治療効果についての臨床試験結果を行った。
これらの結果を下記表1及び2に示す。
【0042】
〔男性型脱毛症に対する臨床試験方法〕
64名の男性脱毛症のボランティアを対象とし、被検薬剤群および対照群として全体を一群8名の計8群にランダムに割り付けた。
試験は、毎日朝、夜の2回、適量を前頭部から頭頂部へ塗擦した。投与期間は4ヵ月行った。
試験終了時(4ヵ月)に洗髪し、洗髪中に抜け落ちる毛をざるに不織布を2重にかぶせて採取した。採取した毛の本数を測定し、試験開始時の洗髪中の抜け毛本数と比較した。洗髪は1日1回、3日間連続して行ない、3回の抜け毛本数の平均値を判定に用いた。
また、試験終了時に試験開始前と比較した毛髪所見(毛の質の変化)の改善度を写真所見を参考にして5段階評価(著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化)で判定した。
【0043】
判定基準:
▲1▼ 抜け毛の程度
改善 :試験終了時の抜け毛本数が初期値の90%未満であったもの
不変 :試験終了時の抜け毛本数が初期値の90〜110%以内だったもの
悪化 :試験終了時の抜け毛本数が初期値の111%以上であったもの
▲2▼ 毛髪所見
著明改善 :軟毛がほとんど認められなくなり、正常化したもの
中等度改善:軟毛がかなり硬毛化したもの
軽度改善 :軟毛がわずかに硬毛化したもの
不変 :毛の質に全く変化が認められかったもの
悪化 :軟毛化したもの
上記各判定基準のうち、軽度改善以上を改善率として評価した。
【0044】
【表1】


【0045】
【表2】


【0046】
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる有効成分〔(A)成分及び(B)成分〕を所定量含む実施例1〜8は、いずれも抜毛予防効果及び発毛重量において優れた特性を示しているのに対し、本発明の範囲外となる比較例1〜4は、いずれも優れた特性を示さないことが判明した。
特に、実施例5〜8の更に(C)成分を含有したものは、更に抜毛予防効果及び発毛重量において優れた特性を示すことが判った。
これに対して、比較例を具体的にみると、比較例1は、(A)成分及び(B)成分を共に含有しない場合、比較例2及び3は、それぞれ(A)成分又は(B)成分の何れか一方を含有する場合、比較例4は、(B)成分及び(C)成分を含有する場合であり、これらの場合は、本発明の目的の効果である抜毛予防効果を発揮できないことが判る。
【0047】
〔実施例9〜13〕
更に、下記に抜毛予防効果及び発毛重量において優れた特性を示す本発明の養育毛剤組成物を実際の製品に適用した具体的な実施例を示す。なお、下記の実施例の養育毛剤組成物は、それぞれの組成に従って各剤型の常法に準じて調製した。
下記実施例9〜13の各種剤型の養育毛剤組成物(養毛剤、育毛スプレー、育毛トニック、育毛ヘアローション)について、上記実施例1〜8と同様に養育毛効果を評価したところ、いずれも抜毛予防効果及び発毛重量において実施例1等と同様の優れた効果を示した。
【0048】
実施例9(養毛剤)
配合成分
6−ベンジルアミノプリン 0.5
モノペンタデカン酸グリセリド 3.0
セファランチン 1.0
コレウス・フォルスコリィ根抽出精製エキス 3.0
ヤシ油脂肪酸ソルビタン 1.0
ショ糖ミリスチン酸エステル 0.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
濃グリセリン 0.8
モノミリスチン酸デカグリセリン 0.3
ビオチン 0.002
コハク酸 0.3
酢酸DL−α―トコフェロール 0.1
香料※ 0.5
99.5%エタノール 残 部
※特開2003−113019号公報記載の表2のE組成を使用
【0049】
実施例10(育毛スプレー)
配合成分
6−ベンジルアミノプリン 0.1
モノペンタデカン酸グリセリド 2.0
コレウス・フォルスコリィ根抽出エキス 1.0
両性ポリマー* 0.2
オレイン酸エチル 1.0
コハク酸 0.3
ショ糖ラウリン酸エステル 0.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
濃グリセリン 0.8
モノミリスチン酸デカグリセリン 0.3
L−メントール 0.1
酢酸DL−α―トコフェロール 0.1
精製水 10.0
香料※ 0.5
99.5%エタノール 残部
*:N−メタクロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体
※特開2003−113019号公報記載の表2のD組成を使用
(希釈用充填液)
上記原液 80%
LPG 20%
【0050】
実施例11(育毛トニック)
配合成分
6−ベンジルアミノプリン 0.05
メリッサ抽出物 3.0
POE(8モル)オレイルエーテル 1.5
グリセリン 3.0
L−メントール 0.1
ヒノキチオール 0.3
メチルパラペン 0.1
香料※ 0.3
精製水 40.0
99.5%エタノール 残部
※特開2003−113019号公報記載の表2のB組成を使用
【0051】
実施例12(育毛ヘアローション)
配合成分
6−ベンジルアミノプリン 0.5
モノペンタデカン酸グリセリド 1.0
エンメイソウ抽出物 2.0
天然ビタミンE 0.5
ショ糖ミリスチン酸エステル 0.5
POE(40)硬化ヒマシ油 0.5
プロピレングリコール 0.5
クエン酸 0.1
L−メントール 0.1
香料※ 適量
精製水 0.3
99.5%エタノール 残部
※特開2003−113019号公報記載の表2のA組成を使用
【0052】
実施例13(育毛トニック)
配合成分
6−ベンジルアミノプリン 0.5
ニコチン酸アミド 0.1
ピロクトンオラミン 0.05
β−グリチルレチン酸 0.01
メリッサ抽出物 3.0
POE(2モル)オレイルエーテル 0.5
ポリエチレングリコール400 2.0
L−メントール 0.1
ヒノキチオール 0.3
香料※ 0.3
精製水 30.0
99.5%エタノール 残部
※特開2003−113019号公報記載の表2のC組成を使用
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、養育毛効果と共に、優れた抜け毛予防効果を発現する養育毛剤組成物が提供される。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
【識別番号】000176110
【氏名又は名称】三省製薬株式会社
【住所又は居所】福岡県大野城市大池2丁目26番7号
【出願日】 平成15年7月16日(2003.7.16)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介

【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義

【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂

【公開番号】 特開2005−35903(P2005−35903A)
【公開日】 平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願番号】 特願2003−198016(P2003−198016)