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【発明の名称】 溶岩温灸
【発明者】 【氏名】武井 文夫

【要約】 【課題】遠赤外線による人体への生理活性効果を高めるとともに、遠赤外線によって人体に与える温感(気持ちよさ)を改善し、何回でも繰り返して使用できるようにして経済性を高めるとともに環境にも配慮し、さらにお灸の発熱量の調整を可能とし、また溶岩の放射する遠赤外線や数多くの豊富なミネラルによる健康増進作用を享受できるようにしたものである。

【解決手段】溶岩を所定の形状に成形加工するか、あるいは溶岩粉末を所定の形状に固化させて溶岩の成形体を作製し、これを誘電加熱装置を用いて加熱した上、溶岩の成形体を皮膚と接する面を所定の間隙で直接皮膚に接しないよう保持する保持枠に収納し、この保持枠を介して温熱状態の溶岩の成形体を皮膚上に搭載するようにしたことを特徴とする溶岩温灸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶岩を所定の形状に成形加工するか、あるいは溶岩粉末を所定の形状に固化させて溶岩の成形体を作製し、これを誘電加熱装置を用いて加熱した上、溶岩の成形体を皮膚と接する面を所定の間隙で直接皮膚に接しないよう保持する保持枠に収納し、この保持枠を介して温熱状態の溶岩の成形体を皮膚上に搭載するようにしたことを特徴とする溶岩温灸。
【請求項2】
誘電加熱装置が家庭用電子レンジであり、家庭用電子レンジでの加熱を溶岩の成形体温度が約50〜80℃以下となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の溶岩温灸。
【請求項3】
保持枠に収納した溶岩の成形体を、さらに布製の袋に収納したことを特徴とする請求項1に記載の溶岩温灸。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、遠赤外線放射性に優れた溶岩の蓄熱保温性を応用し、かつ溶岩が放射する遠赤外線や溶岩が含有する豊富なミネラルを利用して健康を増進させるための溶岩温灸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
灸治療は東洋医学における温熱治療の伝統的養生法であり、東洋医学の命は血流か健康か、健康か血流かが全ての源で、古代から温熱治療が東洋医学の中心とされてきた。そして昔の人々は病を治すため、素肌のツボに当たる場所に、直接灸素材適量を置いて点火し、30秒程度燃やし、強烈な熱さを我慢して肌に灸治療の傷跡を残してもなお、患部の血流を高めて健康増進に努めてきたのである。
【0003】
とはいえ、従来の灸治療具は燃焼が終わると同時に熱感は消え、そこで灸による治療は完結してしまう。また現代人は、健康より灸跡に神経質で、若者には嫌われてしまう傾向にある灸治療である。またもぐさ量を増加させた燃焼は熱感が増し、皮膚を刺し、火傷の原因になりかねない。このイメージの解消から、新しい灸治療具の複数種が、開発され実用化にある。例えば、特開昭63−29540号公報(特許文献1参照)あるいは実開昭63−40937号公報(特許文献2参照)に示す熱治療器具は、少量のセラミックシートもしくはセラミック小片と他の材料とを組み合わせて、遠赤外線による治療効果を企図したものである。また、特開平5−285191号公報(特許文献3参照)に示す温灸器は、厚紙など断熱性を有する板材で形成された、下面に粘着剤を塗布し剥離シートを貼り付けた台座に、上下に貫通する通孔を設け、もぐさを糊で固めたもぐさ整形体を、通孔に設けた個所において台座の上に取着したことを特徴とするものである。
【0004】
しかしながら、上述の従来技術では、構造が複雑になるとともに人体が吸収できる電磁波の波長帯域における放射率が概ね60%程度であり、人体に与える生理活性が不充分となっている。また、一方、従来型の熱質は、針先で刺したような感覚を与えるものであって丸みに欠け、もぐさ等が燃えきった後、台座が急激に冷めるという不都合がある。また従来の灸治療は、患部の一点に、もぐさと台座等が一体となった治療具を張り付けているので、点火して燃え終わると治療具の後始末として残った台座を使い捨てにせざるをえず、地球環境に負荷を与えるおそれがある。
【特許文献1】特開昭63−29540号
【特許文献2】実開昭63−40937号
【特許文献3】特開平5−285191号
【特許文献4】特開2000−24078号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、特開2000−24078号(特許文献4参照)のように天然鉱石をもぐさの台座に使用することも提案されているが、この発明のものにおいては蓄熱効果については認められるものの、遠赤外線による体内深部への浸透性のある温熱作用やミネラルがイオン化して発揮する健康増進作用については認めることができなかった。
【0006】
そこで、この発明の溶岩温灸は、遠赤外線による人体への生理活性効果を高めるとともに、遠赤外線によって人体に与える温感(気持ちよさ)を改善し、何回でも繰り返して使用できるようにして経済性を高めるとともに環境にも配慮し、さらにお灸の発熱量の調整を可能とし、また溶岩の放射する遠赤外線や数多くの豊富なミネラルによる健康増進作用を享受できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の溶岩温灸は、溶岩を所定の形状に成形加工するか、あるいは溶岩粉末を所定の形状に固化させて溶岩の成形体を作製し、これを誘電加熱装置を用いて加熱した上、溶岩の成形体を皮膚と接する面を所定の間隙で直接皮膚に接しないよう保持する保持枠に収納し、この保持枠を介して温熱状態の溶岩の成形体を皮膚上に搭載するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
この発明の溶岩温灸は、上記誘電加熱装置が家庭用電子レンジであり、家庭用電子レンジでの加熱を溶岩の成形体温度が約50〜80℃以下となるようにしたことをも特徴とするものである。
【0009】
この発明の溶岩温灸は、上記保持枠に収納した溶岩の成形体を、さらに布製の袋に収納したことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、溶岩の優れた遠赤外線の放射率と熱の浸透性によって体内深部の温度を高めることにより、毛細血管を拡張して血流を良くし、含有する数多くの豊富なミネラルをイオン化して取り込むことが可能となる。
【0011】
したがって、人体に与える温感は春の太陽光線の遠赤外線によるものと同一であって大変気持ちのよいものであり、人体への生理活性効果を高めるとともに、何回でも繰り返して使用できる上、お灸の加温時間が長くなり、かつまた発熱量の調整が可能な溶岩温灸を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の溶岩温灸の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1はこの発明の溶岩温灸の1実施例を示す部分断面斜視図、図2はその分解斜視図、図3は保持枠に収納した溶岩の成形体を、さらに布製の袋に収納した状態を示す断面図、図4は溶岩の成形体を電子レンジで加熱する状態を示す概略図である。
【0013】
図1ないし図3に示すように、この発明の溶岩温灸は、溶岩を所定の形状に成形加工するか、あるいは溶岩粉末を所定の形状に固化させて溶岩の成形体11を作製し、これを図4に示す電子レンジ21のような誘電加熱装置を用いて加熱する。
電子レンジ21によって約50〜80℃未満となるまで加熱された溶岩の成形体11は、好ましくは木製の保持枠13に収納される。図1ないし図3に示すように、この保持枠13は保持枠本体15の上面が開放されており、また下面も内向きフランジ17の内側は開放されている。すなわち、上記保持枠本体15下部の内向きフランジ17は、溶岩の成形体11が皮膚と近接する側の面を所定の間隙で直接皮膚に接しないよう保持する役目を持っている。
したがって、この保持枠13を介して温熱状態の溶岩の成形体11が皮膚上に搭載され、身体の適宜部位を加熱された溶岩の成形体11が加温するのである。
【0014】
この発明の溶岩温灸の溶岩の成形体11として使用される溶岩は、日本各地から切り出されたものが使用可能であるが、特に富士山近傍で採取されたものが、亜鉛等を豊富に含んでいて好適に使用することができる。
この溶岩は、石材加工のための各種の切削機械を用いて所定の形状に成形加工するか、あるいは溶岩を粉砕して粉末状とし、その後合成樹脂や種々の接着剤を用いて結着した上、所定の形状に固化させて溶岩の成形体11とすることができる。この溶岩の成形体11は、電子レンジ21等を用いて加熱され、その状態で温灸器として機能させるものである。
【0015】
上記溶岩温灸は、溶岩の成形体11を構成する溶岩が人体が吸収できる波長帯域での赤外線を高率に放射することができ、人間に顕著な生理活性を与えることができる。
【0016】
上記電子レンジ21のような誘電加熱装置にて溶岩の成形体11を加熱する場合、図4に示すように温度センサを付設した耐熱性容器23に溶岩の成形体11を収納し、目的の温度、たとえば約50〜80℃まで昇温した際に光や音、振動等で報知するようにすることが望ましい。図において25は電源トランス、27はファン29を駆動するモータ、31は誘電加熱の機能を備えたマグネトロン、33はターンテーブルである。
【0017】
加熱された溶岩の成形体11は耐熱性のつかみ具や手袋等によって電子レンジ21から取り出され、木製の保持枠13の上部開放面から内向きフランジ17上に落とし込まれ、保持枠13内に収納される。もちろん保持枠13に溶岩の成形体11を収納した状態において使用することができるが、望ましくは上記保持枠13に収納した溶岩の成形体11を、さらに布製の袋19に収納して使用する。このようにすれば保持枠13から溶岩の成形体11が何かの拍子に飛び出そうとしてもその脱落を防ぐことができ、火傷等に対する安全性が向上する。
【0018】
溶岩の成形体11は上述のように約50〜80℃程度の所定の温度に加温される。もちろん、電子レンジ21における加熱時間による調節、温度センサによる直接的な温度検知による電子レンジ21の駆動や停止等によって温度を制御することが可能である。なお、保持枠13が木製の場合等においては、保持枠13ごと溶岩の成形体11を加熱することは避けることが必要である。
【0019】
図3においては、この発明の溶岩温灸において、保持枠13内に溶岩の成形体11をセットした状態で布製の袋19に収納する。このようにして患部当に当てて使用することにより、火傷の危険を回避し、しかも穏やかな加温を可能にする。
【0020】
溶岩の成形体11上にもぐさを載せて火をつけて使用する場合は、もぐさから発火したり、煙が発生することも考えられるので注意が必要である。
なお、この発明の溶岩温灸によれば、加温機能を有する素材として溶岩を使用しているので温熱作用が長時間持続する。すなわち、一度熱を吸収すると蓄えた熱が保たれ、患部数箇所に使うことも可能となるのである。したがって、保持枠13内に溶岩の成形体11をセットした状態で布製の袋19に収納し、肌に当てる箇所を少しずつ移動させながら使用することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明によれば、従来のもぐさの代用として使用する温灸として使用することができる。また、それ以外のもぐさでは使用できない箇所に対する温灸、あるいは加温器としても使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の溶岩温灸の1実施例を示す部分断面斜視図である。
【図2】その分解斜視図である。
【図3】保持枠に収納した溶岩の成形体を、さらに布製の袋に収納した状態を示す断面図である。
【図4】溶岩の成形体を電子レンジで加熱する状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0023】
11 溶岩の成形体
13 保持枠
15 保持枠本体
17 内向きフランジ
19 布製の袋
21 電子レンジ
23 耐熱性容器
25 電源トランス
27 モータ
29 ファン
31 マグネトロン
33 ターンテーブル
【出願人】 【識別番号】593099148
【氏名又は名称】株式会社富士山
【出願日】 平成15年10月6日(2003.10.6)
【代理人】 【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司

【公開番号】 特開2005−110868(P2005−110868A)
【公開日】 平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願番号】 特願2003−347437(P2003−347437)