| 【発明の名称】 |
車椅子乗降装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青山 宏司 【住所又は居所】愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ株式会社内
【氏名】日比 和宏 【住所又は居所】愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】リフト機構に異物が進入しない車椅子乗降装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車椅子1を載置するプラットホーム20上に立設された支柱24に、リフト機構Lと車椅子1との間に配置されるように、アームガード70を取り付けた。アームガード70は板状に形成され、その上端部は乗員が腕を載置しないように傾斜面70Aとされるとともに、乗員の肩部以上の高さとされ、乗員の手がリンク機構Lに延びることを確実に防ぐことが可能とされている。これにより、乗員が手に持ったものを作動中のリンク機構Lに落として、リンク機構Lの作動を妨げることを防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車椅子を載置可能なプラットホームと、車体と前記プラットホームの側部とを接続するとともに、前記プラットホームを前記車椅子が乗降可能な車外の乗降位置と車室内の格納位置との間で変位させるリフト機構とを備えた車椅子乗降装置において、 前記プラットホームには、前記車椅子上の着座者の手が前記リフト機構に延びることを防ぐガード部材が、前記着座者と前記リフト機構との間に位置するように設けられたことを特徴とする車椅子乗降装置。 【請求項2】 前記ガード部材の上端部は傾斜面とされたことを特徴とする請求項1記載の車椅子乗降装置。 【請求項3】 前記ガード部材は前記着座者の肩部以上の高さに少なくとも配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車椅子乗降装置。 【請求項4】 前記ガード部材は、前記着座者の手がその内部を通過不能なように板状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車椅子乗降装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、車椅子乗降装置に関する。 【背景技術】 【0002】 人が着座した車椅子を、リフト機構によって、車室内外の間において移動させる車椅子乗降装置に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照。)。この技術においては、人が着座したままの車椅子を、車室内外の間において移動させることができる。しかしながら、これは車椅子が載せられたプラットホームの両側部にリフト機構が連結されているため、車椅子に着座中の人の手がリフト機構に延びて、手中にある持ち物が落下し、それがリフト機構に進入しその作動を妨げる虞があった。 【特許文献1】特開2001−346831公報(第1図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リフト機構に異物が進入しない車椅子乗降装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、車椅子を載置可能なプラットホームと、車体と前記プラットホームの側部とを接続するとともに、前記プラットホームを前記車椅子が乗降可能な車外の乗降位置と車室内の格納位置との間で変位させるリフト機構とを備えた車椅子乗降装置において、前記プラットホームには、前記車椅子上の着座者の手が前記リフト機構に延びることを防ぐガード部材が、前記着座者と前記リフト機構との間に位置するように設けられたことを特徴とする車椅子乗降装置とした。 【0005】 請求項2の発明は、前記ガード部材の上端部は傾斜面とされたことを特徴とする請求項1記載の車椅子乗降装置とした。 【0006】 請求項3の発明は、前記ガード部材は前記着座者の肩部以上の高さに少なくとも配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車椅子乗降装置とした。 【0007】 請求項4の発明は、前記ガード部材は、前記着座者の手がその内部を通過不能なように板状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車椅子乗降装置とした。 【発明の効果】 【0008】 <請求項1の発明> プラットホームには、車椅子上の着座者の手がリフト機構に延びることを防ぐガード部材が、着座者とリフト機構との間に位置するように設けられた構成としたことにより、着座者の手中の持ち物等がリフト機構に進入することがなく、その作動を妨げることを防止できる。 【0009】 <請求項2の発明> ガード部材の上端部が傾斜面とされた構成としたことにより、着座者がガード部材の上端部に腕等を載置することがなく、持ち物等のリフト機構への落下をいっそう防ぐことができる。 【0010】 <請求項3の発明> ガード部材は着座者の肩部以上の高さに少なくとも配置されている構成としたことにより、これを超えて着座者の腕がリフト機構へ延びることを防ぐことが可能になる。 【0011】 <請求項4の発明> ガード部材は、着座者の手がその内部を通過不能なように板状に形成されている構成としたことにより、リフト機構へ手が延びることを完全に防ぐことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明の実施形態を図1乃至図19によって説明する。 本実施形態は、本発明をワンボックスタイプの車両Wに適用した例を示したものである。車両Wの後端部にはリフトバックタイプのバックドアDが設けられており、開口部Mを開閉可能としている。図1に示すように、車室内におけるバックドアDの近傍には車椅子用乗降装置が取り付けられている。このものは、車椅子1を載置可能な車椅子用プラットホーム(以下、単にプラットホームという)20と、このプラットホーム20の側部と車体との間を接続するとともにプラットホーム20を車椅子1が乗込み可能な車外の乗降位置(図10、図15に示す位置)と車室内の格納位置(図12、図18に示す位置)との間で変位させるリフト機構(詳細な構造については後述する)Lとを主体として構成されている。尚、以下の説明において車両Wの前進方向を前側、後退方向を後側とし、左右方向についても図1の右下側(車両後方)から見た方向を基準とする。 【0013】 続いて、身障者等が車両Wに乗り込む際に使用する車椅子1について簡単に説明する。車椅子1は座席部5及びこれを支持するための支持フレーム4を有するとともに、支持フレーム4の前方下部には転向自在な自在輪7が、後方には自在輪7より大径に形成された後輪8がそれぞれ左右一対設けられている。 一方、プラットホーム20は車椅子1を固定するための固縛装置(図示せず)を備えるとともに、プラットホーム20の後端側に車椅子1の乗り込み動作を補助するためのスロープ板23を、前端側に乗り込んだ車椅子1のストッパとしての角パイプ21をそれぞれ設けている。このスロープ板23は基端部分に回動軸及び駆動用の電動モータ(いずれも図示せず)を備えており、後述するリモコン操作により、プラットホーム20と地表との間を架設したり、或いはその状態から起立してプラットホーム20の後部を閉じ車椅子1の後退を規制可能である。プラットホーム20の左右両側にはその全長に亘って、断面がコの字状をなし外側に開放するレール41が左右に一対設けられている。このレール41は後述するスライド機構40を構成するものである。 【0014】 また、プラットホーム20の後端寄りの位置には図2に示すようにシートベルト(ラップベルト32、及びショルダベルト35)が装備されており、車椅子1の乗客が車外の乗降位置においてシートベルトの装着作業を行うことが出来る設定とされている。より具体的に説明すると、図2、図7に示すように、右側のレール41の後端寄りの位置には金属製の角筒よりなる支柱24が取り付けられている。左右のレール41を連結するように、クロスメンバ42がレール41に溶接されて設けられており、クロスメンバ42には平板状の支持板44が固着されている。支柱24の下端部には断面がクランク状の取付ブラケット24Bが取り付けられ、ブラケット24Bの下面には、剛性を向上させるための補強板24Cが溶接にて固定されている。取付ブラケット24Bは、補強板24Cを介してクロスメンバ42および支持板44に図示しないボルトにて固着されるとともに、右側のレール41の内側面に図示しないボルトにて直接取り付けられており、これにより、支柱24はプラットホーム20に強固に固定される。 【0015】 この支柱24の下端寄りの位置には支持板25が横向きに取り付けられている。この支持板25の上下両縁には内向きにフランジ25Aが設けられるとともに、支持板25の外面側の前後にはシートベルトを引き出したり、巻き取ったりするリトラクタ31、34が一対取り付けられている。このうち前側のリトラクタ31は車椅子1の乗客の腰回りを拘束するラップベルト32用であり、後側のリトラクタ34は車椅子1の乗客の肩口から腰にかけての上半身を拘束するショルダベルト35用である。 また、支柱24の上端寄りの位置にはアンカボルト24Aが溶着されており、そこに、ショルダベルト35を吊り下げるための吊り下げ具27がナット29によりねじ止めされている(ショルダアンカ)。 【0016】 一方、左側のレール41の後部寄りの位置にあって、支柱24と対向する位置にはアンカブラケット36が取り付けられている。このアンカブラケット36の側面の上下にはステー38、39が一対ボルト締めされるとともに、各ステー38、39の先端部分にはバックル(本発明のベルト受け部に相当する)38A、39Aが取り付けられている。このバックル38A、39A内には各ベルト32、35の先端に設けられた係止金具(タングプレート)32A、35Aに対し係止可能な公知の受け機構が内蔵されている(図示せず)。 図16に示すように、これらリトラクタ31、34及びステー38、39はいずれもプラットホーム20上に車椅子1が固定された時に、座席部5の後部側にあって、その高さが後輪8の頂点部分より低い位置となるように設定されている。 【0017】 支柱24の前面には車椅子1の乗客の手が、作動中のリフト機構Lに延びることを防ぐアームガード70(本発明のガード部材に該当する)が取り付けられている(図2示)。アームガード70は、フレーム71の両側面に、インナカバー72とアウタカバー73とが装着されることにより構成されている(図3示)。フレーム71は、金属製のパイプ材にて略コの字状に形成され、その両端部には平板状の取付面71Aが溶接等にて固着されている。フレーム71は、取付面71Aにおいて、図示しない取付ボルトにて支柱24の前面に取り付けられている。 【0018】 インナカバー72は合成樹脂材料にて一体に射出成形され、フレーム71に装着されるように、円筒形を半割りにされた略コの字状の縁部72Aと、これに連続した平板部72Bとにより形成されている。アウタカバー73も合成樹脂材料にて一体に形成され、インナカバー72とともにフレーム71を挟むように円筒形を半割りされた略コの字状に形成されている。インナカバー72とアウタカバー73は、フレーム71に装着され互いに嵌合した後、スクリュー74にて結合されている(図6(A)示)。また、インナカバー72の後端部には、支柱24に形成された取付ブラケット24Dに、図示しないスクリューにて取り付けられる耳部72Cが形成されている。 【0019】 アームガード70は、車椅子1の乗員の手がリフト機構Lに延びることを確実に防ぐために、乗員とリフト機構Lとの間に配置されており、上述したように、乗員の手が通過不能なように、インナカバー72の内部に平板部72Bが形成されていることにより、リンク機構Lを乗員から遮蔽するような板状に形成されている。平板部72Bには、乗員の閉塞感を緩和するように複数の孔72Dが設けられている。また、アームガード70は、その上端部が傾斜面70Aとされることにより、乗員が上辺に腕を載置することができなくされており、更に、乗員の肩部以上の高さに少なくとも配置されていることによって、これを乗員の手が超えることがないようにされている(図9示)。アームガード70の上端部の傾斜面70Aにおいては、インナカバー72とフレーム71との間に、クッション機能を果たす隙間Gが形成されており(図6(A)示)、傾斜面70Aに乗員の腕が当接した場合、隙間Gの存在により腕への衝撃が緩和される(図6(B)示)。 【0020】 一方、インナカバー72の前端部には、車椅子1をプラットホーム20に乗り上げる際に、乗員が握るためのハンドグリップ75が取り付けられており、これに挿通された図示しない取付ボルトをインナカバー72に挿入した後、フレーム71に設けられた締付部71Bに螺合することにより固定される(図3示)。更に、インナカバー72には車椅子1の乗員との対向面に、上述したラップベルト32の先端に設けられた係止金具32Aと係合して、ラップベルト32が乗員の身体に掛けられる前の係止金具32Aを保持するフック76(本発明の係止具保持部材に該当する)が設けられている。フック76はインナカバー72に一体に成形され、乗員が車椅子1に着座したまま手が届く高さに係止金具32Aを保持できる位置に形成されている。 【0021】 フック76は、インナカバー72から隆起した突出面76Aの先端部に、係止金具32Aの係合孔32A1と係合するフック部76Bが突出しており、これとインナカバー72の上面を支持部76Cが連結している。尚、支持部76Cの斜め上方には、フック部76Bの成形時の型抜孔76Dが設けられている(図4および図5示)。フック76は、リトラクタ31からラップベルト32が少し引き出された状態において、係止金具32Aと係合する。この状態において、係止金具32Aはリトラクタ31から巻き戻し力を受けるラップベルト32によって下方に引っ張られるため、車輌の振動によってもがたつくこと無く、フック76に保持される。 【0022】 かくして、車椅子1の乗客は乗降位置においてプラットホーム20に乗り込んだ後、係止金具32Aをフック76から取り外し、ショルダベルト35及びラップベルト32をそれぞれ引き出して車椅子1の後輪8内を挿通した後、上半身及び腰回りに沿わせながら、各係止金具32A、35Aを支柱24とは反対側の後輪8の枠内(頂点部分より下側)を通して再びバックル38A、39Aに係止させてやる。このように、係止金具32A、35A及びベルト32、35を後輪8の枠内を通すこととしたのは、乗客と共に車椅子1をしっかりと拘束するためである。すなわち、ベルト32、35を後輪8の頂点部分(外周)を経由させると、後輪8周辺ではベルト32、35が乗客に密着せず浮いてしまい拘束があまくなってしまう。 尚、係止金具32A、35Aとバックル38A、39Aについては特に対応関係はなく、係止の組み合わせとしては係止金具32Aとバックル38A、係止金具35Aとバックル39Aの組み合わせ、或いは係止金具32Aとバックル39A、係止金具35Aとバックル38Aの組み合わせでもよい。 【0023】 また、本実施形態では、乗客の上半身及び腰回りを双方を拘束(いわゆる3点式の拘束形式)したが、前述したようにショルダ・ラップの両ベルト32、35はそれぞれ係止金具32A、35Aが設けられており、使用する際には、各係止金具32A、35Aを各バックル38A、39Aに対し個別に係止させるものである。このように各ベルトを独立した構成としておけば、乗客はラップベルト32のみを使用する2点式の締め込み形式か、或いはラップ、ショルダの双方を使用する3点式の締め込み形式を任意に選択することが出来る(図7、図8参照)。 【0024】 次に、リフト機構Lについて図10および図11を参照して説明する。リフト機構Lはプラットホーム20を地表の高さから車体のフロアパネルPの高さまで上昇させたり、あるいは下降させる昇降機構50と、プラットホーム20を開口部Mを通じて出入りさせるスライド機構40とからなる。以下、昇降機構50、スライド機構40の順に説明する。 【0025】 プラットホーム20の左右両側には一対のリフトアーム57が取り付けられている。このリフトアーム57はプラットホーム20を支持するための支持部57Aと、この支持部57Aから斜め上方に延出するジョイント部57Bからなる。一方、車体後部のフロアパネルPの左右両側にはリフトアーム57に対応して一対の保持具56が取り付けられており、更に、保持具56とジョイント部57Bとの間に一対の平行リンク53、54が架設されている。尚、平行リンク53、54は各部材56、57に対して遊転自在に取り付けられている。 【0026】 平行リンク53、54は、図10に示すように水平な姿勢にあるときにはプラットホーム20を地表の高さに支持し、ここより同図のR方向に回動するとプラットホーム20を水平に昇降させ、図11に示すように起立した姿勢に変位するとプラットホーム20を車体のフロアパネルPの高さまで持ち上げる設定となっている。また、保持具56には平行リンク53、54の回動規制を行うためのストッパ56Aが設定されており、起立した姿勢に変位すると、平行リンク54とストッパ56Aが当接するようにしてある(図11示)。また、平行リンク53、54にはカバー55が設定されており、外部に露出しないようになっている(図1示)。 【0027】 一方、駆動源としてはソレノイドバルブの開閉により往復運動するロッド59を備えた油圧シリンダ58を備えている(図15〜図17参照)。油圧シリンダ58は平行リンク53、54に隣接して設けられており、その一端側が車体側に、他端側(ロッド59側)が上側の平行リンク53の端部に接続されている。そのため、ロッド59の往復運動に伴って平行リンク53、54が回動し、プラットホーム20を昇降させる。 【0028】 次に、スライド機構40について説明する。プラットホーム20の左右両側には、前述したようにその長手方向に沿ってレール41が配されている。このレール41は、図10に示すように、上下二段(上側41A、下側41B)の構成とされており、その外側にはリフトアーム57の支持部57Aが位置している。支持部57Aの内面側には前後に一対の支持ローラ52が取り付けられている。この支持ローラ52は上側のレール41A内に嵌合するとともに、回動可能とされておりプラットホーム20をスライド可能に支持する。 また、下側のレール41Bの下面側にはレール41の長さ方向に沿ってラック43が配されている。一方、支持部57A側には電動モータ(図示せず)が内蔵されている。この電動モータの回転軸にはラック43と噛合するピニオン45が取り付けられている。そのため、電動モータが駆動するとピニオン45が回動し、ラック43ひいてはプラットホーム20が車体の前後にスライドすることとなる。 かくして、乗降位置にあるプラットホーム20は昇降機構50による昇降動作によりフロアパネルPの高さまで持ち上げられ、その後、スライド機構40によるスライド動作を経て車室内の格納位置に格納される。 【0029】 尚、上記したスライド機構40及び昇降機構50の駆動源は駆動回路(図示せず)を介してECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)に接続されている。また、これら両機構40、50にはそれぞれ位置検出スイッチ(例えば、接触型のもの)が設けられており、乗降位置、昇降動作完了時、格納位置等でプラットホーム20の位置検出を行うことが出来る。ECUはこれら検出信号に基づいて各機構を作動・停止させる。 【0030】 ところで、車両走行中に、急ブレーキをかけたときには乗客は前のめりになろうとする。そのため、ショルダベルト35が装着される支柱24には車椅子1の乗客を支えておくだけの十分な強度が必要とされる。本実施形態では、格納位置において支柱24が昇降機構50のリフトアーム57に接近して配置され、接近して配置されたリフトアーム57、ひいては昇降機構50が支柱24を補助することで必要な強度が確保される設定となっている。 【0031】 より具体的には、図13に示すように、リフトアーム57の上端部においてその両側面には、ブラケット57Cが取り付けられ、平行リンク53、54とブラケット57Cは軸ピン65によって連結され、平行リンク53、54はリフトアーム57に対して回動自在としてある。そのため、このリフトアーム57は、平行リンク53、54の回動動作に関わらず、常にこの姿勢が維持される。リフトアーム57はその全長に渡ってカバー57Dによって被覆されている。カバー57Dはその外周面に突出部位がなく、また、なめらかな曲面にて形成されているため、仮に、リフトアーム57の作動中に、車椅子1の乗員の衣服等がこれに触れても引っかかることがなく、容易に離れることができる。 【0032】 一方、支柱24の後面であって、リフトアーム57の上端部と同じ高さ位置にはL字状をなすロック部28(例えば、板厚が6mmで幅が60mmのもの)がリフトアーム57と向かい合うようにして取り付けられている。スライド機構40によるスライド動作がなされるとリフトアーム57とロック部28が相対移動する。そして、プラットホーム20が格納位置に至ると、リフトアーム57がロック部28に対して所定の隙間を備えた位置において対向するため、乗員の衣服等が挟まれることを防止できる(図14(B)示)。上述した連結状態について、図14を参照して更に説明すると、ロック部28はその基端側がリフトアーム57の後面との対向面28Aとされ、折り曲げられた先端がリフトアーム57の側面との横対向面28Bとされている。 【0033】 この状態から、急ブレーキが踏まれたり或いは車両が前方へ衝突すると、支柱24にはベルト32、35を介して車両前方及び側方への力が加わる。このとき、支柱24が前方へ変形すると、後方対向面28Aがリフトアーム57のカバー57D後面に当接し、それ以上の変形(車両前方への変形)を規制するようになっている。 また、側方(車幅方向)に対しては、側方対向面28Bとリフトアーム57のカバー57Dの側面とが当接して支柱24の変形を規制する。 【0034】 次に、上記のように構成された本実施形態の操作方法を具体的に説明する。 まず、身障者等が車椅子1で車両Wに乗り込む手順について説明する。それには予めプラットホーム20を地面の高さにセットするとともに、プラットホーム20と地面との間をスロープ板23で橋渡しておく(図15示)。この状態から車椅子1ごとプラットホーム20上に乗込む。乗込みの完了に続いて、リモコン操作によりスロープ板23を直立姿勢に回動変位させるとともに、固縛装置(図示せず)によって車椅子1をプラットホーム20に固定する。 【0035】 続いて、ラップベルト32の係止金具32Aをフック76から取り外した後、支柱24に吊り下げられたショルダベルト35及びラップベルト32をそれぞれ引き出し、後輪8の枠内を通してバックル38Aにラップベルト32を、他方側のバックル39Aにショルダベルト35をそれぞれロックさせる(ロックさせる組み合わせは逆であってもよい)。これにより、乗客の上半身及び腰回りが両ベルト32、35によって車椅子1、ひいてはプラットホーム20に拘束される(図16参照)。 尚、この状態において、平行リンク53、54は水平な姿勢にあってリフトアーム57がプラットホーム20の前部を支持しており昇降機構50のリフトアーム57と、支柱24のロック部28は離間した位置関係にある。 【0036】 シートベルト32、35の装着に続いてリモコン操作によって車両への乗込み動作を行う。リモコンのスイッチを投入すると、ECUが制御回路を介してソレノイドバルブを開放させ油圧シリンダ58を伸張させる。すると、油圧シリンダ58が平行リンク53、54を図16のR方向に回動させる。これによりプラットホーム20は地面に対し水平な姿勢を保ったまま上昇してゆく。やがて、図17に示すように平行リンク53、54が起立姿勢となりプラットホーム20がフロアパネルPと同じ高さまで持ち上がると、位置検出スイッチによって位置検出がなされる。すると、ECUがその検出信号を検出するとともにソレノイドバルブを閉止させる。これにより、油圧シリンダ58の往復運動が停止し、プラットホーム20の昇降動作が完了する。尚、この昇降動作中においては、リフトアーム57とロック部28とが一体的に昇降するため相対的な移動をせず、昇降動作が完了した後も、リフトアーム57のカバー57Dとロック部28は依然として離間した状態にある。 【0037】 続いて、昇降動作の完了に続いて、ECUがスライド機構40の電動モータを駆動させる。すると、ラック43とピニオン45の噛み合いにより、プラットホーム20がレール41に沿って車両内部へと前進してゆく。また、このスライド動作に伴って、プラットホーム20と共にロック部28は前進するため、ロック部28はリフトアーム57に徐々に近づいてゆく。やがて、プラットホーム20が開口部Mを通過し格納位置に至ると、プラットホーム20が車内に完全に格納されるとともに、ロック部28の後方対向面28Aおよび側方対向面28Bが、リフトアーム57のカバー57Dと所定の隙間を備えて対向する(図14(B)示)。そして、格納位置においては、再び位置検出スイッチによって位置検出がなされるとともに、ECUが駆動回路への電力の供給を断ち電動モータを停止させる。これにてプラットホーム20は停止し、車内への乗り込み動作が完了する。(図18参照)。 尚、プラットホーム20を格納位置から乗降位置へ退避させる動作は、前述した動作を逆に辿るものであるため重複した説明は省略する。 【0038】 このように、本実施形態によれば、プラットホーム20には、車椅子1の乗員の手がリフト機構Lに延びることを防ぐアームガード70が、乗員とリフト機構Lとの間に位置するように設けられた構成としたことにより、乗員の手中の持ち物等が落下してリフト機構Lに進入することがなく、その作動を妨げることを防止できる。 また、アームガード70の上端部が傾斜面70Aとされた構成としたことにより、乗員がアームガード70の上端部に腕等を載置することがなく、持ち物等のリフト機構Lへの落下をいっそう防ぐことができる。 更に、アームガード70は乗員の肩部以上の高さに少なくとも配置されている構成としたことにより、乗員の腕がアームガード70を超えてリフト機構Lへ延びることを、防ぐことが可能になる。また、アームガード70は、乗員の手がその内部を通過不能なように板状に形成されている構成としたことにより、リフト機構Lへ手が延びることを完全に防ぐことができる。 【0039】 <他の実施形態> 本発明は上述の記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、以下の記載のもの以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。 (1)本実施形態では、アームガード70が支柱24に取り付けられているが、プラットホーム20に直接固定してもよい。 (2)本実施形態では、アームガード70が車椅子1の乗員の右側のみに設けたが、乗員の左側に設けてもよいし、あるいは両側に設けてもよい。 (3)本実施形態では、アームガード70は合成樹脂材料にて板状に形成したが、アルミ等の軽金属によって形成してもよいし、または、フレーム内に合成繊維あるいは天然繊維によって形成されたネットを張ったものでもよい。 (4)本実施形態では乗降位置から格納位置に至る車両への乗込み動作が昇降動作及びスライド動作によって構成され、これら各動作が個別に行われる形式であったが、両動作が複合的、あるいは昇降動作のみであるものであってもよい。 (5)本実施形態では、プラットホーム20が格納位置にある時にリフトアーム57とロック部28の間に形成される隙間を所定の大きさに設定したが、車両の様々な走行挙動に支柱24の強度を対応させるべく適宜増減させることも可能である。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】本発明の一実施形態に係る車両Wの後部側を示す斜視図 【図2】アームガードの取り付け構造を示す分解斜視図 【図3】アームガードの分解斜視図 【図4】係止金具のフックを示す要部拡大図 【図5】図4のA−A断面図 【図6】(A)アームガードの傾斜面の断面図 (B)アームガードに乗員の手が当接したところを示す断面図 【図7】乗客がシートベルトを3点形式で装着した状態を示す背面図 【図8】乗客がシートベルトを2点形式で装着した状態を示す背面図 【図9】プラットホームに載置された車椅子の右側面図 【図10】プラットホームの乗降位置を表す側面図 【図11】プラットホームの昇降動作を表す側面図 【図12】プラットホームの格納位置を表す側面図 【図13】支柱とリフトアームの上端部との関係を表す斜視図 【図14】(A)支柱とロック部の水平断面図 (B)プラットホームの格納位置におけるリフトアームとロック部との関係を示す断面図 【図15】乗客の乗り込み動作を示す側面図(乗降位置) 【図16】乗客の乗り込み動作を示す側面図 【図17】乗客の乗り込み動作を示す側面図 【図18】乗客の乗り込み動作を示す側面図(格納位置) 【図19】3点形式シートベルトの固定方法を示す図 【符号の説明】 【0041】 1…車椅子 20…プラットホーム 40…スライド機構 50…昇降機構 70…アームガード 70A…傾斜面 72B…平板部 L…リフト機構 W…車両
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110321 【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社 【住所又は居所】愛知県刈谷市一里山町金山100番地
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| 【出願日】 |
平成16年4月20日(2004.4.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096840 【弁理士】 【氏名又は名称】後呂 和男
【識別番号】100097032 【弁理士】 【氏名又は名称】▲高▼木 芳之
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| 【公開番号】 |
特開2005−304703(P2005−304703A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月4日(2005.11.4) |
| 【出願番号】 |
特願2004−124418(P2004−124418) |
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