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【発明の名称】 ナースコール装置
【発明者】 【氏名】池川 充洋
【住所又は居所】東京都調布市多摩川3丁目35番地4 株式会社ケアコム内

【要約】 【課題】多忙な医療従事者にとって利便性が高いナースコール装置を提供する。

【解決手段】看護師などのユーザが頭部にヘッドセット31を装着して、呼び出しが生じると眼前に位置するアイスクリーンに親機20から送られた情報(病床番号や病室番号)が表示されるようにしている。またアイスクリーンへの表示は、予め非表示設定にしておくことにより呼び出しが生じても表示を行うことができ、重要な作業中に突然眼前に表示が行われて作業の進行を阻害することがなく、その後のユーザ操作により情報をアイスクリーンに表示するようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療従事者が携帯し、無線呼出信号を受信すると、その旨を前記医療従事者に報知するナースコール装置において、
視覚的に情報を表示する表示手段と、
この表示手段を前記医療従事者の眼前に位置させた状態で、当該ナースコール装置を前記医療従事者の頭部に固定する固定手段と、
前記無線呼出信号を通じて受信した情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを具備することを特徴とするナースコール装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記無線呼出信号を通じて情報を受信した場合に、前記表示手段をOFF状態からON状態にして前記情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載のナースコール装置。
【請求項3】
さらに、前記医療従事者から要求を受け付ける入力手段と、
この入力手段を通じて受け付けた前記表示手段の表示/非表示の設定情報を記憶する記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記無線呼出信号を通じて情報を受信した場合に、前記記憶手段が記憶する設定情報に応じて、前記表示手段をOFF状態からON状態にして前記情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載のナースコール装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記記憶手段が記憶する設定情報が非表示の設定情報であった場合でも、予め定めた時間内に前記入力手段を通じて要求を受け付けた場合には、前記表示手段をOFF状態からON状態にして前記無線呼出信号を通じて受信した情報を表示させることを特徴とする請求項3に記載のナースコール装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、病院などの施設において、看護師が携帯して呼び出しを行うナースコール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、従来よりナースコール装置は、ポケットベルやPHS(Personal Handyphone System)端末のような無線端末型のものがあり、看護師はこれを携帯して病院施設内を移動できるため、病院内のどこにいても呼び出すことが可能である。
【0003】
しかしながら、従来の無線端末型のナースコール装置は、呼び出しが発生すると看護師が手にとって表示部に表示される内容を確認する必要があり、多忙な看護師にとっては利便性が低いという問題があった。
【0004】
また従来は、表示部に表示される情報に変化があった場合に、この旨を通知する受話装置があった(例えば、特許文献1参照)。これによれば、看護師は通知があった場合のみ表示部を確認すればよいが、表示部が見えるように手に持つ必要があり、同様に多忙な看護師にとっては利便性が低いという問題があった。
【特許文献1】特開平9−46660公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のナースコール装置では、呼び出しが発生すると看護師が手にとって表示部に表示される内容を確認する必要があり、多忙な看護師にとっては利便性が低いという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、多忙な医療従事者にとっては利便性が高いナースコール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は、医療従事者が携帯し、無線呼出信号を受信すると、その旨を前記医療従事者に報知するナースコール装置において、視覚的に情報を表示する表示手段と、この表示手段を医療従事者の眼前に位置させた状態で、当該ナースコール装置を医療従事者の頭部に固定する固定手段と、無線呼出信号を通じて受信した情報を表示手段に表示させる表示制御手段とを具備して構成するようにした。
またこの発明は、医療従事者から要求を受け付ける入力手段と、この入力手段を通じて受け付けた表示手段の表示/非表示の設定情報を記憶する記憶手段とを備え、表示制御手段は、無線呼出信号を通じて情報を受信した場合に、記憶手段が記憶する設定情報に応じて、表示手段をOFF状態からON状態にして情報を表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように、この発明では、看護師などの医療従事者の頭部に固定することで、眼前に表示手段を位置させ、呼び出しが生じると上記表示手段に無線呼出信号を通じて受信した情報を表示させるようにしている。
【0008】
したがって、この発明によれば、従来のように呼び出しが発生すると医療従事者が手にとって表示部に表示される内容を確認する必要がなく、多忙な医療従事者にとって非常に利便性が高いナースコール装置を提供できる。
【0009】
またこの発明では、無線呼出信号を通じて情報を受信した場合に、記憶手段が記憶する設定情報に応じて、表示手段をOFF状態からON状態にして情報を表示させるようにしている。
【0010】
したがって、この発明によれば、予め非表示設定にしておくことにより呼び出しが生じても表示を行わないようにすることができ、重要な作業中に突然眼前に表示が行われて重大な作業の進行を阻害することがなく安全性の高いナースコール装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わるナースコール装置を用いたナースコールシステムの全体構成を示すものである。この図に示すナースコールシステムは、子機11〜1nと、親機20と、ナースコール装置30とを備えている。
【0012】
子機11〜1nは、それぞれ患者の病床やトイレなどに対応づけて設けられるものであり、操作スイッチを押すと、識別情報を有する無線信号が親機20に送信され、親機20を介してナースコール装置30と音声通話が可能である。
【0013】
親機20は、当該ナースコールシステムを統括して制御するものであって、上記子機11〜1nから無線信号を受信すると、ナースコール装置30に宛てた呼出信号を送信し、これにナースコール装置30が応答すると、子機11〜1nとナースコール装置30との間に通信リンクを確立し、音声通話の中継を行う機能を備えている。なお、上記呼出信号には、子機11〜1nの識別情報の対応づけられた病床番号や病室番号などの情報が含まれている。
【0014】
ナースコール装置30は、医者や看護師などの医療従事者がユーザとして携帯するものであり、頭部などに装着するヘッドセット31と、制御装置32とからなる。図2は、ヘッドセット31の外観を示すものであり、この図に示すようにヘッドセット31は、頭部に装着した際に片方の目の位置に来るアイスクリーン311と、耳の近傍に来る本体312と、マイクロホン313と、頭部に巻き付けてヘッドセット31を固定するための固定具314とからなる。
【0015】
図3は、ヘッドセット31と制御装置32の構成を示す回路ブロック図である。
アイスクリーン311は、透過型の液晶パネルであって、映像が表示されないOFF時には、完全に透き通った状態となって反対側の景色が見えるものである。本体312には、アンテナ3121と、無線部3122と、制御部3123と、スピーカ3124とを備える。
【0016】
無線部3122は、アンテナ3121を通じて制御装置32とBluetooth(商標)などの近距離データ無線通信方式で無線通信を行うものである。制御部3123は、当該ヘッドセット31の各部を統括して制御するものであって、マイクロホン313により得られた音声信号を無線部3122を通じて無線送信したり、無線部3122にて受信した音声信号をスピーカ3124より拡声出力したり、アイスクリーン311を制御して無線部3122にて受信した情報を表示する制御機能を備える。
【0017】
制御装置32は、アンテナ320と、無線部321と、制御部322と、操作部323と、無線部324と、アンテナ325とを備える。
無線部321は、アンテナ320を通じて親機20と無線通信するものである。また無線部324は、アンテナ325を通じてBluetoothなどの近距離データ無線通信方式により上記無線部3122と無線通信するものである。
操作部323は、複数のキースイッチからなるユーザインターフェイスであって、ユーザからの指示や要求を受け付けるものである。
【0018】
制御部322は、当該制御装置32の各部を統括して制御するものであって、無線部321と無線部324を制御して、親機20から受信した音声信号や種々の情報、操作部323をユーザが操作するとその操作した情報をヘッドセット31に宛てて送信制御したり、ヘッドセット31から受信した音声信号や種々の情報を親機20に送信制御する。
【0019】
次に、上記構成のナースコール装置30の動作について説明する。図4は、ナースコール装置30の動作を説明するためのフローチャートである。この図に示す処理は、ナースコール装置30の電源がいったん投入されると、電源が切られるまで制御部3123によって繰り返し実行される。
【0020】
まず、ステップ4aにおいて制御部3123は、無線部3122の受信した情報を監視し、制御装置32から設定変更の要求を示す情報を受信したか否かを判定する。ここで、設定変更の要求を示す情報を受信した場合には、ステップ4bに移行し、一方、設定変更の要求を示す情報を受信しない場合には、ステップ4cに移行する。
【0021】
なお、設定変更の要求は、制御装置32において、操作部323のスイッチをユーザが長押しすることによりなされるもので、アイスクリーン311の表示/非表示を長押しする毎に切り替えるものである。
【0022】
ステップ4bにおいて制御部3123は、アイスクリーン311の表示/非表示の設定を切り替え、ステップ4aに移行する。ここで、上記設定の情報は、制御部3123内の記憶部に記録されており、すでに表示設定がなされている場合には非表示設定に、一方、すでに非表示設定がなされている場合には表示設定にする。
【0023】
ステップ4cにおいて制御部3123は、無線部3122の受信した情報を監視し、制御装置32から呼び出しを示す情報を受信したか否かを判定する。ここで、呼び出しを示す情報を受信した場合には、ステップ4dに移行し、一方、呼び出しを示す情報を受信しない場合には、ステップ4aに移行する。
【0024】
ステップ4dにおいて制御部3123は、アイスクリーン311の表示/非表示の設定の情報を上記記憶部より参照し、表示/非表示どちらの設定がなされているかを判定する。ここで、非表示の設定がなされている場合にはステップ4eに移行し、一方、表示の設定がなされている場合には、ステップ4hに移行する。
【0025】
ステップ4eにおいて制御部3123は、スピーカ3124を通じて呼び出し音を出力して呼び出しの発生をユーザに報知するとともに、タイマTを起動してステップ4fに移行する。
【0026】
ステップ4fにおいて制御部3123は、無線部3122の受信した情報を監視し、操作部323のスイッチをユーザが短押ししたことを示す情報を制御装置32から受信したか否かを判定する。ここで、短押ししたことを示す情報を受信した場合には、ステップ4iに移行し、一方、短押ししたことを示す情報を受信しない場合には、ステップ4gに移行する。
【0027】
ステップ4gにおいて制御部3123は、ステップ4eにて起動したタイマTの計時結果が予め設定された時間t0を経過したか否かを判定する。ここで、タイマTが時間t0以上を計時している場合には、ステップ4aに移行し、一方、タイマTが時間t0未満を計時している場合には、ステップ4fに移行する。
【0028】
一方、ステップ4hにおいて制御部3123は、スピーカ3124を通じて呼び出し音を出力して呼び出しの発生をユーザに報知し、ステップ4iに移行する。
ステップ4iにおいて制御部3123は、アイスクリーン311をONにして、ステップ4jに移行する。
【0029】
ステップ4jにおいて制御部3123は、無線部3122が制御装置32から受信した情報(病床番号や病室番号)を表示して、呼び出しが発生している旨を視覚的にユーザに報知し、ステップ4aに移行する。
【0030】
以上のように、上記構成のナースコール装置30では、看護師などのユーザが頭部にヘッドセット31を装着して、呼び出しが生じると眼前に位置するアイスクリーン311に親機20から送られた情報が表示されるようにしている。
【0031】
したがって、上記構成のナースコール装置30によれば、表示部(アイスクリーン311)がウェアラブルなヘッドセット31に搭載されているので、従来のように呼び出しが発生すると看護師が手にとって表示部に表示される内容を確認する必要がなく、多忙な看護師にとって非常に利便性が高い。
【0032】
またアイスクリーン311への表示は、予め非表示設定にしておくことにより呼び出しが生じても表示を行わないようにすることができ、重要な作業中に突然眼前に表示が行われて重大な作業の進行を阻害することがなく、その後のユーザ操作により情報をアイスクリーン311に表示することも可能である。
【0033】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0034】
その一例として例えば、上記実施の形態では、固定具314をユーザの頭部に巻き付けることでヘッドセット31を頭部に固定するようにしたが、他の方法によりユーザの頭部に固定するようにしてもよい。
【0035】
また上記の実施形態では、ヘッドセット31と制御装置32との間を無線通信で接続するようにしたが、これに代わって例えば、有線で接続するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明に係わるナースコール装置を用いたナースコールシステムの全体構成を示す図。
【図2】図1に示したナースコール装置のヘッドセットの外観を示す図。
【図3】図1に示したナースコール装置を構成するヘッドセットと制御装置の構成を示す回路ブロック図
【図4】図3に示したヘッドセット内の制御部によってなされる制御動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0037】
11〜1n…子機、20…親機、30…ナースコール装置、31…ヘッドセット、311…アイスクリーン、312…本体、3121…アンテナ、3122…無線部、3123…制御部、3124…スピーカ、313…マイクロホン、314…固定具、32…制御装置、320…アンテナ、321…無線部、322…制御部、323…操作部、324…無線部、325…アンテナ。
【出願人】 【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
【住所又は居所】東京都調布市多摩川3丁目35番地4
【出願日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【公開番号】 特開2005−65947(P2005−65947A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−298834(P2003−298834)