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【発明の名称】 足底アーチ位置測定装置
【発明者】 【氏名】逸見 和清

【要約】 【課題】足底アーチの横アーチの頂点位置を短時間で正確に測定できる足底アーチ位置測定装置を提供すること。

【解決手段】足底を載置する足底載置板1と、足底アーチの横アーチの頂点に対応する形状を有し、足底載置板1上に取り付けられる凸部2とを備え、凸部2を前後左右に位置調整可能とした。足底載置板1に足底を載置し、凸部2の位置を適宜調整することにより、凸部2を横アーチの頂点位置に合わせ、その位置を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の足底アーチにおける横アーチの頂点位置を測定する足底アーチ位置測定装置であって、足底を載置する足底載置板と、前記横アーチの頂点に対応する形状を有し、前記足底載置板上に取り付けられる凸部とを備え、前記凸部が、前後左右に位置調整可能に取り付けられている足底アーチ位置測定装置。
【請求項2】
人間の足底の外側部に当接させる矯正板をさらに備え、前記足底載置板の長手方向に対する前記矯正板の傾斜角度を16度とし、この矯正板を足底載置板の長手方向と直交する方向に移動可能に取り付けた請求項1に記載の足底アーチ位置測定装置。
【請求項3】
人間の足底の踵部分を装入して固定可能な踵部装入部材をさらに備え、この踵部装入部材を前記足底載置板上に着脱可能に固定した請求項1又は2に記載の足底アーチ位置測定装置。
【請求項4】
足底載置板を透明にし、この透明な足底載置板上に、被測定者の足底形状を複写したフットプリントシートを貼着した請求項1〜3にいずれかに記載の足底アーチ位置測定装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の足底に形成される足底アーチの位置を測定する装置に関し、とくに、横アーチの頂点位置を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二足直立歩行を行う人間の足底には、効率的に地面を蹴って前に進むために「足底アーチ」と呼ばれる構造が形成されている。この足底アーチには、図4に示すように、縦アーチ(内側と外側)と横アーチがあり、足底の踵、小指、親指の3点を結ぶ3本の線が立体的な弧を描く曲面となっている。
【0003】
そして、この3点を結ぶ足底アーチがスプリングの役割をして、歩行時の衝撃をやわらげ、また、人間が行動を起こそうとするときに体重の数倍かかる動的荷重を分散させている。さらに、足底アーチが正常に発達した状態では、歩くたびに足底アーチの伸縮によって血液(静脈血)を持ち上げるという、第2の心臓と呼ばれるポンプの役割も果たしている。
【0004】
このように、正常な足底アーチの保持は人間の健康にとって非常に重要であり、この足底アーチを保持するために、従来、例えば特許文献1に記載されているように、足底アーチに対応する凸部を有する足底板を靴底や靴の中敷として使用することが行われている。
【0005】
この足底板の使用は、正常な足底アーチの保持・形成に有効な手段であるが、足底板に形成する凸部の位置を足底アーチの位置に正確に合わせる必要があり、とくに、足底板の凸部の頂点を、横アーチの頂点(足底の底側骨間筋に対応する位置)に合わせることが重要である。しかし、従来、その位置合わせは、技術者、職人などの技術経験をもとに、足裏の形状をフットプリント複写器等によって測定し、使用者による試用を何度も繰り返し、その際の感覚や違和感をもとに調整するという、試行錯誤の方法によって行っていたため、時間がかかり面倒であるという問題があった。
【特許文献1】登録実用新案第3055358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、足底アーチの横アーチの頂点位置を短時間で正確に測定できる足底アーチ位置測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の足底アーチ位置測定装置は、人間の足底アーチにおける横アーチの頂点位置を測定する足底アーチ位置測定装置であって、足底を載置する足底載置板と、前記横アーチの頂点に対応する形状を有し、前記足底載置板上に取り付けられる凸部とを備え、前記凸部が、前後左右に位置調整可能に取り付けられているものである。
【0008】
また、人間の足底の外側部に当接させる矯正板をさらに備えたものとすることができる。この場合、矯正板の足底載置板の長手方向に対する傾斜角度は、正常な横アーチを有する足底の外側部の傾斜角度に等しい16度とし、この矯正板を足底載置板の長手方向と直交する方向に移動可能に取り付ける。
【0009】
さらに、人間の足底の踵部分を装入して固定可能な踵部装入部材を、足底載置板上に着脱可能に固定してもよい。
【0010】
またさらに、足底載置板を透明にし、この透明な足底載置板上に、被測定者の足底形状を複写したフットプリントシートを貼着してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、足底載置板上に、横アーチの頂点に対応する形状を有する凸部を前後左右に位置調整可能に取り付けているので、足底載置板上に足底を載置して何度か凸部の位置を調整することにより、足底アーチの横アーチの頂点位置を短時間で正確に決定し、測定することができる。そして、この頂点位置の測定結果に基づき、正確な横アーチに対応する凸部を有する足底板を簡単に作製することができ、その複製も容易に行うことができる。
【0012】
また、正常な横アーチを有する足底の外側部の傾斜角度(16度)と等しい傾斜角度を有する矯正板を備えたものでは、横アーチが崩れて扁平足(開帳足)になった足底を測定対象とする場合であっても、矯正板を足底の外側部に当接させて矯正することにより、正常な場合の横アーチの頂点位置を決定し、測定することができる。
【0013】
さらに、人間の足底の踵部分を装入して固定可能な踵部装入部材を備えたものでは、測定時に足底の位置を正確に決めることができ、横アーチの頂点位置を正確に測定することができる。
【0014】
またさらに、足底載置板を透明にし、この透明な足底載置板上に、被測定者の足裏形状を複写したフットプリントシートを貼着したものでは、足底載置板の裏面側からフットプリントシートに表された被測定者の足裏形状を確認しながら横アーチの頂点位置を決定することができるので、横アーチの頂点位置をより短時間で正確に決定し、測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に示す実施例に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の足底アーチ位置測定装置の一実施例を示す平面図である。同図に示すように足底アーチ位置測定装置は足底載置板1を備え、この足底載置板1の上に左右の足裏を載置して、その横アーチの頂点位置を決定し測定するようになっている。
【0017】
足底載置板1の上には、足底アーチの横アーチの頂点に対応する形状を有する凸部2が取り付けられている。この凸部2は、足底載置板1に設けた縦スリット1a及び横スリット1bに沿ってスライド可能に設けられ、これによって、前後左右方向の位置調整が可能となっている。また、凸部2は図示しない固定手段によって前後左右の位置調整を行った後に、その位置で固定することができる。
【0018】
また、足底載置板1の両側部には、矯正板3が取り付けられている。この矯正板3は、足底載置板1の長手方向に対する傾斜角度が16度(正常な横アーチを有する足底の外側部の傾斜角度と等しい角度)となるように取り付けられており、ネジ機構4によって、足底載置板1の長手方向と直交する方向に移動可能となっている。この矯正板を備えることによって、横アーチが崩れて扁平足(開帳足)になった足底を測定対象とする場合であっても、足底の外側部に当接させて正常な横アーチとなるように足底を矯正することができる。
【0019】
さらに、足底載置板1には、足底の踵部分の位置を規定するために踵支持板5が立設されており、足底を載置する際には踵支持板5に踵が丁度当接するようにする。
【0020】
また、足底の踵部分の位置を規定するためには、図2に示すような踵部装入部材8を足底載置板1の基端部分に取り付けることもできる。踵部装入部材8は、靴の先端部を開放した形状を有し、面ファスナー等によって足底載置板1に着脱可能に固定される。また、踵部装入部材8には、足の甲の部分を固定するための固定テープ8aを取り付け、面ファスナー等によって固定と解除を行うようにしている。
【0021】
図1に戻って、足底載置板1の先端部分には、足底のサイズを測定するため、目盛り部6に測定子7がスライド可能に取り付けられている。測定子7は、足底載置板1の長手方向に沿って2cm程度の長さを有し、足底のサイズを測定すると同時に、適正な靴のサイズ(足底のサイズ+2cm程度)を決めることもできる。
【0022】
次に、本実施例の足底アーチ位置測定装置による横アーチの頂点位置の測定方法を説明する。
【0023】
まず、凸部2を適当な位置に固定し、被測定者の足底を足底載置板1に載置する。次に、矯正板3を移動させて足底の外側部に当接させ、足底の横アーチが正常な状態になるようにする。
【0024】
その状態で、被測定者に何度かその場で足踏みしてもらい、その感覚や違和感をもとに凸部2の位置を適宜調整して、違和感や痛みが発生しないようにする。その凸部2の位置を横アーチの頂点位置に対応するものとして、凸部2の位置を、例えば足底の踵部を基準として測定し数値化する。数値化を容易にするため、足底載置板1の短辺及び長辺に目盛りを設けてもよい。また、レーザー光線や赤外線を利用した位置計測手段を利用してもよい。
【0025】
横アーチの頂点位置が決定できれば、それと連携する縦アーチの位置も決定できる。そして、これらの位置を数値化しておくことにより、2足目、3足目の足底板を作製する際にも同じ形状のものを容易に複製できる。
【実施例2】
【0026】
図3は、本発明の足底アーチ位置測定装置の別実施例を示す平面図である。同図において、図1に示した第1実施例と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0027】
図3に示す実施例では、足底載置板1を透明な板材により形成し、この透明な足底載置板1の上に、被測定者の足底形状を複写したフットプリントシート9を貼着している。このフットプリントシート9は任意の方法により作製でき、例えば、被測定者の足底にインクを塗り、紙に転写することによって作製できる。なお、図3は、フットプリントシート9を右側にのみ貼着した状態を示している。
【0028】
次に、本実施例の足底アーチ位置測定装置による横アーチの頂点位置の測定方法を説明する。
【0029】
凸部2を適当な位置に固定し、被測定者の足底を足底載置板1上のフットプリントシート9と一致するように載置する。次に、矯正板3を移動させて足底の外側部に当接させ、足底の横アーチが正常な状態になるようにする。
【0030】
その状態で、測定者は、足底載置板1の裏面側からフットプリントシート9を見ながら横アーチの頂点位置と思われる位置に凸部2の頂点位置を合わせる。そして、被測定者に何度かその場で足踏みしてもらい、その感覚や違和感をもとに凸部2の位置を微調整して、違和感や痛みが発生しないようにする。その凸部2の位置を横アーチの頂点位置に対応するものとして、後は、第1実施例と同じ要領で凸部2の位置を測定し数値化する。
【0031】
また、本実施例では、凸部2の頂点位置を合わせた状態で、足底載置板1の裏面側から被測定者の足裏をデジタルカメラ等で撮影し記録しておくことにより、2足目、3足目の足底板を作製する際にも同じ形状のものを容易に複製できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、靴底や靴の中敷として使用する足底板を作製する際の足底アーチ位置の測定装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の足底アーチ位置測定装置の一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の足底アーチ位置測定装置に使用する踵部装入部材を示す側面図である。
【図3】本発明の足底アーチ位置測定装置の別実施例を示す平面図である。
【図4】人間の足底アーチを示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 足底載置板
1a 縦スリット
1b 横スリット
2 凸部
3 矯正板
4 ネジ機構
5 踵支持板
6 目盛り部
7 測定子
8 踵部装入部材
8a 固定テープ
9 フットプリントシート
【出願人】 【識別番号】504149373
【氏名又は名称】株式会社 日元倶楽部
【出願日】 平成16年8月13日(2004.8.13)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益

【識別番号】100105577
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 隆人

【公開番号】 特開2005−323997(P2005−323997A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2004−235856(P2004−235856)