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【発明の名称】 手術用脳へら
【発明者】 【氏名】上川 秀士

【氏名】小島 康志

【氏名】磯 賢一郎

【氏名】紫雲 俊美

【要約】 【課題】脳内手術の簡易化を図る。

【解決手段】手術用脳へらを可撓性チューブ1の壁にへら2を固定したものとする。手術の際にへら2により開頭部から患部までの手術経路を確保することができ、可撓性チューブ1の孔を処置孔1aとして手術器具の出し入れ、各種流体の供給又は排出等を行うことができる。従って、手術をより安全且つ簡易に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性チューブの壁にへらが固定されたことを特徴とする手術用脳へら。
【請求項2】
請求項1に記載の手術用脳へらにおいて、へらが可塑性を有することを特徴とする手術用脳へら。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の手術用脳へらにおいて、可撓性チューブが複数本の処置孔を有することを特徴とする手術用脳へら。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、脳神経外科手術等に用いる手術用脳へらに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脳神経外科手術等においては、開創した脳を手術用脳へらにより圧迫することにより、術野を確保している。
【0003】
近年の脳神経外科手術は、患者への侵襲をできる限り低くするために、開創を小さくする低侵襲手術へと移行する傾向がある。低侵襲手術では軟性又は硬性の内視鏡を用いた神経内視鏡手術も行われており、直視下の手術に比べて開頭する創が極めて小さい。この小さい創から頭部内に脳へら、内視鏡等を挿入して手術を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
頭部の小さい創を通して行う手術は、非常に慎重な操作と熟練を要する。
【0005】
したがって、本発明は上記手術の簡易化に資する手術用脳へらを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、可撓性チューブの壁にへらが固定された手術用脳へらを採用する。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の手術用脳へらにおいて、へらが可塑性を有する手術用脳へらを採用する。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の手術用脳へらにおいて、可撓性チューブが複数本の処置孔を有する手術用脳へらを採用する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、可撓性チューブの壁にへらが固定された手術用脳へらであるから、手術の際にへらにより開頭部から患部までの手術経路を確保することができ、可撓性チューブの孔を処置孔として手術器具の出し入れ、各種流体の供給又は排出等を行うことができる。従って、手術をより安全且つ簡易に行うことができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の手術用脳へらにおいて、へらが可塑性を有することから、脳へら及びチューブを自由に曲げ、且つ曲げた後の形を保持することができる。従って、患部に対しより適正な処置を行うことができる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の手術用脳へらにおいて、可撓性チューブが複数本の処置孔を有することから、チューブの処置孔を各種用途に使い分けることができ、例えば内視鏡、鉗子等の出し入れ、術野からの液体、けむり等の吸引排出、洗浄液の注入に使い分けることができる。従って、より効果的な手術処置が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0013】
<実施の形態1>
図1に示すように、この手術用脳へらは、可撓性チューブ1と、へら2とを具備する。
【0014】
可撓性チューブ1は例えばシリコンゴムで形成される。このチューブ1は不透明でもよいが望ましくは透明又は半透明に形成される。
【0015】
へら2は、例えば細長い板として形成される。へら2は、剛性を有するものであってもよいが、望ましくは可塑性を有するものとして形成される。可塑性のへら2は母材である銅板にニッケルメッキが施されることにより形成される。この可塑性へら2は屈曲自在であり、屈曲後もその状態を保持する。
【0016】
上記チューブ1の壁の肉厚内にはチューブ1の円筒の母線に沿って伸びるスリット3が形成され、このスリット3内にへら2が挿入されることにより、へら2がチューブ1の壁に固定されチューブ1と一体化される。へら2とチューブ1との一体化は、スリット付きチューブのスリット3にへら2を挿入することにより行うことができ、チューブ1の成形時にへら2をチューブ1の肉厚内に埋設することによっても行うことができる。また、スリット3の無いチューブの内壁面又は外壁面にへら2を接着剤、粘着テープ等により貼着することによっても行うことができる。
【0017】
次に、上記構成の手術用脳へらの作用について説明する。
【0018】
図2に示すように、脳神経外科手術において頭部4に小径孔4aを穿設する。
【0019】
手術用脳へらの挿入に先立ち、へら2の可塑性を利用してへら2を所望の形に曲げておく。チューブ1はその可撓性によりへら2に倣って湾曲し、その先端の開口6が患部に臨む。
【0020】
開頭部である小径孔4aから手術用脳へらを脳5の内部へと挿入し、患部までの手術経路を確保する。
【0021】
可撓性チューブ1の孔を処置孔1aとして、図示しない内視鏡、鉗子等の手術器具の出し入れを行い、患部を処置する。また、処置孔1aを通して洗浄液の注入、排出、電気メス等により生じる煙の吸引等を行う。この各種処置の際、チューブ1の壁が脳の組織の露出を防止する。これにより、手術器具等を安全且つ簡易に出し入れすることができる。
【0022】
<実施の形態2>
図3に示すように、この手術用脳へらにおける可撓性チューブは複数本の処置孔を有する。
【0023】
すなわち、可撓性チューブは、太い主チューブ7と、細い付属チューブ8,9,10とを具備し、主チューブ7の外周面に細い付属チューブ8,9,10が付着している。各チューブ7,8,9,10の孔は別個の処置孔7a,8a,9a,10aとして各種用途に使い分けることができ、例えば主チューブ7を内視鏡、鉗子等を出し入れ用に使用し、第一の付属チューブ8を洗浄液等の注入に使用し、第二の付属チューブ9を洗浄液等の吸引に使用し、第三の付属チューブ10を電気メス等により生じた煙の排煙に使うことができる。
【0024】
主チューブ7と付属チューブ8,9,10との一体化は、主チューブ7と付属チューブ8,9,10とを同時に押出し成形することにより行うことができ、また主チューブ7に付属チューブ8,9,10を接着剤、粘着テープ等で貼着することによっても行うことができる。
【0025】
なお、本発明は上記実施の形態1,2に限定されるものではなく、例えば上記実施の形態ではチューブがへらよりも短くなっているがチューブをへらの先端から突出させてもよいし、へらの後端からより長く引き伸ばすようにしてもよい。また、各種処置孔はチューブの内部を隔壁で区画することにより形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1に係る手術用脳へらの斜視図である。
【図2】図1に示す手術用脳へらの使用態様を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る手術用脳へらの斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1…可撓性チューブ
2…へら
1a…処置孔
【出願人】 【識別番号】000193612
【氏名又は名称】瑞穂医科工業株式会社
【出願日】 平成16年5月14日(2004.5.14)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男

【公開番号】 特開2005−323793(P2005−323793A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2004−144393(P2004−144393)