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【発明の名称】 X線診断装置
【発明者】 【氏名】井上 啓史
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【氏名】中山 徹
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【氏名】中田 勲
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【氏名】鈎 吉秀
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【要約】 【課題】X線管と2次元X線検出器を保持しているC型アーム(撮像系保持部材)がX線撮影と並行して行なわれる施術や介護の妨げにならないようにすると同時に、C型アームをサポートしている基台部材の大型化・複雑化を回避する。

【解決手段】この発明の装置は、X線管2と2次元X線検出器3が対向状態で保持されているC型アーム4は、平面視した場合にC型アーム4が検診台1の中心線1Aに交差角度θで斜めに交差する向きで支持されていて、検診台1の上の被検体MにC型アーム4が覆い被さる程度が緩和されるので、C型アーム4はX線撮影と並行して行なわれる施術や介護の妨げにならない。又、C型アーム4をサポートしている非回転軸型基台部材5は、鉛直軸心を回転中心とする回転を行なわない非回転型構造であり、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を回避できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を載置する検診台と、検診台の上の被検体にX線を照射するX線照射手段と、検診台の上の被検体を透過したX線を検出する2次元X線検出手段と、X線照射手段と2次元X線検出手段とを対向状態で保持する撮像系保持部材と、この撮像系保持部材を鉛直軸心周りに非回転状態で支持する非回転型基台部材と、非回転型基台部材に配設されており、X線照射手段と2次元X線検出手段とが水平軸心周りで回転するように撮像系保持部材を移動させる撮像系保持部材移動手段と、撮像系保持部材移動手段を制御する撮像系移動制御手段とを備え、撮像系保持部材は、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に対して斜めに交差する向きで支持されていることを特徴とするX線診断装置。
【請求項2】
被検体を載置する検診台と、検診台の上の被検体にX線を照射するX線照射手段と、検診台の上の被検体を透過したX線を検出する2次元X線検出手段と、X線照射手段と2次元X線検出手段とを対向状態で保持する撮像系保持部材と、この撮像系保持部材を鉛直軸心周りで回転可能に支持する回転型基台部材と、回転型基台部材に配設されており、X線照射手段と2次元X線検出手段とが水平軸心周りで回転するように撮像系保持部材を移動させる撮像系保持部材移動手段と、撮像系保持部材移動手段を制御する撮像系移動制御手段とを備え、撮像系保持部材は、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に対して斜めに交差する向きで支持されていると共に、前記交差する角度が、撮像系保持部材を鉛直軸心周りで回転させることにより、変更可能であることを特徴とするX線診断装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のX線診断装置において、撮像系保持部材が30°〜60°の範囲の角度で検診台の中心線に対して斜めに交差する向きで支持されているX線診断装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のX線診断装置において、撮像系保持部材がC型アームであって、C型アームの一端にX線照射手段が取り付けられていて、C型アームの他端に2次元X線検出手段が取り付けられており、撮像系保持部材移動手段は、C型アームの長手方向へアームの曲がりに沿ってC型アームが移動する第1回転移動と、C型アームが第1回転移動の回転軸心に直交する水平回転軸心周りに移動する第2回転移動とが実行できると共に、撮像系移動制御手段は、撮像系保持部材移動手段に第1回転移動と第2回転移動を同時に実行させて、C型アームの移動に伴うX線照射手段および2次元X線検出手段の動きが、平面視した場合にC型アームが検診台の中心線に一致する向きで支持されている状態で撮像系保持部材移動手段に第1回転移動と第2回転移動の任意の一方を実行させた時のX線照射手段および2次元X線検出手段の動きと等価な動きとなる制御を行なうX線診断装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、検診台の上の被検体にX線を照射するX線照射手段と検診台の上の被検体を透過したX線を検出する2次元X線検出手段とが対向状態で保持されている撮像系保持部材が基台部材によって支持されているX線診断装置に係り、X線照射手段と2次元X線検出手段を保持している撮像系保持部材がX線撮影と並行して行なわれる施術や介護の妨げにならないようにすると同時に、撮像系保持部材を支持している基台部材の大型化・複雑化を避けるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院等の医療機関において、図6〜図8に示すX線透視撮影装置が、心臓や血管などの診断・治療に用いられている。
【0003】
図6のX線透視撮影装置は、被検体を載置する検診台61と、検診台61の上の被検体(図示省略)にX線を照射するX線管62と、検診台61の上の被検体を透過したX線を検出する2次元X線検出器63と、X線管62と2次元X線検出器63が対向状態で保持されているC型アーム(撮像系保持部材)64と、平面視した場合にC型アーム64が検診台61の中心線61Aに一致する向きでC型アーム64を支持している基台部材65を備えている。
【0004】
そして、図6のX線透視撮影装置の場合、基台部材65に設けられたC型アーム移動機構(図示省略)により、C型アーム64のアーム長手方向へアームの曲がりに沿ってC型アーム64が移動する第1回転移動、ないし、C型アームを水平に横切る水平線を回転中心としてC型アームが回転する第2回転移動を実行しながら、X線管62から被検体にX線を照射すると共に、X線照射に伴って2次元X線検出器63から出力されるX線検出信号にしたがって2次元X線検出器63の後段でX線透視画像が取得される(特許文献1を参照)。
【0005】
しかしながら、図6のX線透視撮影装置の場合、検診台61の上の被検体をX線透視をしながら術者が治療したり、介護者が介護したりする際に、検診台61の上の被検体に覆い被さる状態で支持されているC型アーム64が、治療や介護の妨げとなるという問題がある。
【0006】
そこで、図7のX線透視撮影装置は、平面視した場合にC型アーム64が検診台61の中心線61Aに斜めに交差する向きでC型アーム64を基台部材66で支持して、検診台61の上の被検体をX線透視をしながら治療したり介護したりする際にC型アーム64が妨げとならないようにしている(特許文献2を参照。)。
【0007】
また、図8のX線透視撮影装置も、平面視した場合にC型アーム64が検診台61の中心線61Aに斜めに交差する向きでC型アーム64を基台部材67で支持して、検診台61の上の被検体をX線透視をしながら治療したり介護したりする際にC型アーム64が妨げとならないようにしている(特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2003−250784号公報(2頁、5頁、図1〜図2、図9)
【特許文献2】特開平7−194584号公報(4頁〜5頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図7や図8のX線透視撮影装置は、C型アーム64を支持している基台部材66や基台部材67が大型化・複雑化するという問題がある。
【0009】
基台部材66は2本の鉛直線66a,66bを回転中心として水平方向に旋回させられる2軸回転型構造であるため、大型化・複雑化し、さらに基台部材67は3本の鉛直線67a,67b,67cを回転中心として水平方向に旋回させられる3軸回転型構造であるため、やはり大型化・複雑化する。基台部材66,67の大型化によって装置の占有面積が増大すると共に作業空間が狭められる。また基台部材66,67の複雑化によって製造コストがアップすると共に制御がし難くなる。
【0010】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、X線照射手段と2次元X線検出手段を保持している撮像系保持部材がX線撮影と並行して行なわれる施術や介護の妨げにならないと同時に、撮像系保持部材を支持している基台部材の大型化・複雑化を回避することができるX線診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明に係るX線診断装置は、被検体を載置する検診台と、検診台の上の被検体にX線を照射するX線照射手段と、検診台の上の被検体を透過したX線を検出する2次元X線検出手段と、X線照射手段と2次元X線検出手段とを対向状態で保持する撮像系保持部材と、この撮像系保持部材を鉛直軸心周りに非回転状態で支持する非回転型基台部材と、非回転型基台部材に配設されており、X線照射手段と2次元X線検出手段とが水平軸心周りで回転するように撮像系保持部材を移動させる撮像系保持部材移動手段と、撮像系保持部材移動手段を制御する撮像系移動制御手段とを備え、撮像系保持部材は、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に対して斜めに交差する向きで支持されていることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]請求項1の発明のX線診断装置によりX線撮影を行なう場合、X線照射手段と2次元X線検出手段が対向状態で保持されている撮像系保持部材を、 撮像系移動制御手段の制御にしたがって撮像系保持部材移動手段が移動させることにより、X線照射手段と2次元X線検出手段の位置が被検体の撮影位置に対応する位置へ移り、そこで、X線照射手段から検診台の上の被検体にX線が照射されるのに伴って、2次元X線検出手段からX線画像取得用のX線検出信号が出力され、X線撮影は進む。
【0014】
そして、請求項1の発明のX線診断装置の場合、X線照射手段と2次元X線検出手段が対向状態で保持されている撮像系保持部材は、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に斜めに交差する向きで支持されていて、検診台の上の被検体に撮像系保持部材が覆い被さる程度が緩和されているので、X線撮影と並行して術者や介護者は撮像系保持部材に妨げられることなく施術や介護が行なえる。
【0015】
また、撮像系保持部材を支持している非回転型基台部材は、鉛直軸心を回転中心とする回転を行なわない非回転型構造であって、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を回避することができる。
【0016】
さらに、この発明は、上記の目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0017】
即ち、請求項2に記載の発明に係るX線診断装置は、被検体を載置する検診台と、検診台の上の被検体にX線を照射するX線照射手段と、検診台の上の被検体を透過したX線を検出する2次元X線検出手段と、X線照射手段と2次元X線検出手段とを対向状態で保持する撮像系保持部材と、この撮像系保持部材を鉛直軸心周りで回転可能に支持する回転型基台部材と、回転型基台部材に配設されており、X線照射手段と2次元X線検出手段とが水平軸心周りで回転するように撮像系保持部材を移動させる撮像系保持部材移動手段と、撮像系保持部材移動手段を制御する撮像系移動制御手段とを備え、撮像系保持部材は、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に対して斜めに交差する向きで支持されていると共に、前記交差する角度が、撮像系保持部材を鉛直軸心周りで回転させることにより、変更可能であることを特徴とするものである。
【0018】
[作用・効果]請求項2の発明のX線診断装置によりX線撮影を行なう場合も、請求項1の発明の装置と全く同様にして、X線照射手段と2次元X線検出手段の位置が被検体の撮影位置に対応する位置へ移り、そこで、X線照射手段から検診台の上の被検体にX線が照射されるのに伴って、2次元X線検出手段からX線画像取得用のX線検出信号が出力され、X線撮影は進む。
【0019】
そして、請求項2の発明のX線診断装置の場合、X線照射手段と2次元X線検出手段が対向状態で保持されている撮像系保持部材は、やはり平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に斜めに交差する向きで支持されていて、被検体の上に撮像系保持部材が覆い被さる程度が緩和されているので、X線撮影と並行して術者や介護者は撮像系保持部材に妨げられることなく施術や介護が行なえる。
【0020】
また、撮像系保持部材を支持している回転型基台部材も、鉛直軸心だけを回転中心として回転する1軸回転型構造であって、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を回避することができる。
【0021】
さらに、撮像系保持部材が鉛直軸心を回転中心として水平方向に旋回移動させられるので、撮像系保持部材を水平方向に旋回させて検診台の中心線に対する撮像系保持部材の交差角度を変化させることにより、被検体の上に撮像系保持部材が覆い被さる程度を調整することができるのに加えて、撮像系保持部材を水平方向に旋回させて撮像系保持部材を検診台の側方へ退避させることにより、検診台に被検体を乗せたり、検診台から被検体を降ろす際に撮像系保持部材が妨げになることを防ぐことができる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のX線診断装置において、撮像系保持部材が30°〜60°の範囲の角度で検診台の中心線に対して斜めに交差する向きで支持されているものである。
【0023】
[作用・効果]請求項3の発明の装置の場合、撮像系保持部材が検診台の中心線と交差する角度(以下、適宜「交差角度θ」と記す)が、30°〜60°という適当な範囲の角度にあるので、被検体の上に撮像系保持部材が覆い被さる程度の緩和が適切で十分なものとなる。交差角度θが30°を下回ると、被検体の上に撮像系保持部材が覆い被さる程度を十分に緩和できなくなる傾向が現れる。逆に、交差角度θが60°を上回ると、術者や介護者が被検体にアプローチする向きによっては撮像系保持部材がアプローチの障害となる傾向が現れる。
【0024】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のX線診断装置において、撮像系保持部材がC型アームであって、C型アームの一端にX線照射手段が取り付けられていて、C型アームの他端に2次元X線検出手段が取り付けられており、撮像系保持部材移動手段は、C型アームの長手方向へアームの曲がりに沿ってC型アームが移動する第1回転移動と、C型アームが第1回転移動の回転軸心に直交する水平回転軸心周りに移動する第2回転移動とが実行できると共に、撮像系移動制御手段は、撮像系保持部材移動手段に第1回転移動と第2回転移動を同時に実行させて、C型アームの移動に伴うX線照射手段および2次元X線検出手段の動きが、平面視した場合にC型アームが検診台の中心線に一致する向きで支持されている状態で撮像系保持部材移動手段に第1回転移動と第2回転移動の任意の一方を実行させた時のX線照射手段および2次元X線検出手段の動きと等価な動きとなる制御を行なうができるものである。
【0025】
[作用・効果]請求項4の発明の装置の場合、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に斜めに交差した向きで支持されていても、撮像系移動制御手段による制御で撮像系保持部材移動手段に第1回転移動と第2回転移動とを同時に実行させて、C型アームの移動に伴うX線照射手段および2次元X線検出手段の動きを、C型アームが検診台の中心線に一致するという標準的な向きで支持されている状態で撮像系保持部材移動手段に第1回転移動と第2回転移動の任意の一方を実行させた時のX線照射手段および2次元X線検出手段の動きと等価な動きにできるので、撮像系の動きを何らの支障を伴わずに標準的な動きにすることができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明のX線診断装置の場合、X線照射手段と2次元X線検出手段が対向状態で保持されている撮像系保持部材は、平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に斜めに交差する向きで支持されていて、検診台の上の被検体に撮像系保持部材が覆い被さる程度が緩和されているので、X線撮影と並行して術者や介護者は撮像系保持部材に妨げられることなく施術や介護が行なえる。
【0027】
また、撮像系保持部材を支持している非回転軸型基台部材は、鉛直軸心を回転中心とする回転を行なわない非回転型構造であって、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を避けることができる。
【0028】
請求項2の発明のX線診断装置の場合、X線照射手段と2次元X線検出手段が対向状態で保持されている撮像系保持部材は、やはり平面視した場合に撮像系保持部材が検診台の中心線に斜めに交差する向きで支持されていて、被検体の上に撮像系保持部材が覆い被さる程度が緩和されているので、X線撮影と並行して術者や介護者は撮像系保持部材に妨げられることなく施術や介護が行なえる。
【0029】
また、撮像系保持部材を支持している回転型基台部材も、鉛直軸心だけを回転中心として回転する1軸回転型構造であって、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を避けることができる。
【0030】
さらに、請求項2の発明のX線診断装置の場合、撮像系保持部材が鉛直軸心を回転中心として水平方向に旋回移動させられるので、撮像系保持部材を水平方向に旋回させて検診台の中心線に対する撮像系保持部材の交差角度を変化させることにより、被検体の上に撮像系保持部材が覆い被さる程度を調整することができるのに加えて、撮像系保持部材を水平方向に旋回させて撮像系保持部材を検診台の側方へ退避させることにより、検診台に被検体を乗せたり、検診台から被検体を降ろす際に撮像系保持部材が妨げになることを防ぐことができる。
【0031】
よって、この発明のX線診断装置によれば、X線照射手段と2次元X線検出手段を保持している撮像系保持部材がX線撮影と並行して行なわれる施術や介護の妨げにならないと同時に、撮像系保持部材を支持している基台部材の大型化・複雑化を回避することができる。
【実施例1】
【0032】
この発明のX線診断装置の実施例1について図面を参照しながら詳しく説明する。この実施例1は請求項1の発明の実施例である。図1は実施例1に係る医用のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図、図2は実施例1の装置のX線撮像系関係の構成を示す立面図である。
【0033】
実施例1のX線透視撮影装置は、図1および図2に示すように、被検体Mを載置する検診台1と、検診台1の上の被検体MにX線を照射するX線管2と、検診台1の上の被検体Mを透過したX線を検出する2次元X線検出器3と、X線管2と2次元X線検出器3が対向状態で保持されている撮像系保持部材であるC型アーム4と、鉛直軸心を回転中心とする回転を行なわないと共にC型アーム4を支持している非回転型基台部材5と、基台部材5に配設されていると共にC型アーム4を移動させるC型アーム移動機構6とが備えられている。
【0034】
実施例1の装置の場合、検診台1を中心線1Aに沿って移動させる検診台移動機構7が備えられていると共に、検診台移動機構7を制御する検診台移動制御部8が前段に備えられていて、検診台移動制御部8の制御にしたがって検診台移動機構7が検診台1を中心1Aに沿って移動させ、被検体MをX線撮影や治療に適当なポジションにセットする構成とされている。
【0035】
X線管2はC型アーム4の一端に取り付けられていて、2次元X線検出器3はC型アーム4の他端に取り付けられている。X線管2はX線照射制御部9の制御にしたがって撮影条件に応じた管電圧・管電流でX線を被検体Mに照射する。2次元X線検出器3は被検体Mを透過したX線を検出してX線検出信号を出力する。実施例1の装置の場合、2次元X線検出器3には、イメージインテンシファイアが用いられている。
【0036】
2次元X線検出器3の後段には、2次元X線検出器3から出力されるX線検出信号にしたがってX線透視画像を取得する検出信号処理部10や、検出信号処理部10で取得されるX線透視画像や装置操作用メニューなどを画面に映し出す表示モニタ11の他に、X線撮影の実行等に必要な指令やデータなどを入力する操作部12などが備えられている。
【0037】
C型アーム移動機構6は電気モータなどの電気部品やラック・ピニオンなどの機械部品を組み合わせた通常の構成の機構である。このC型アーム移動機構6は、図2中に矢印RAで示すように、C型アーム4の長手方向へアームの曲がりに沿ってC型アーム4が移動することによって水平回転軸心O1周りに回転する第1回転移動と、図2中に矢印RBで示すように、回転軸心O1に直交する水平回転軸心O2周りにC型アーム4が回転する第2回転移動とが、各々単独または両者を組み合わせて同時に実行できる構成とされている。
【0038】
つまり、C型アーム移動機構6は、C型アーム4と非回転型基台部材5の間に配備されていると共に、回転中心である軸線が回転軸心O2と一致している回転軸部材6Aを有している。回転軸部材6Aは後端側が非回転型基台部材5に取着されており、先端側にC型アーム4がアームの曲がりに沿って滑動可能な状態で取着されていて、回転軸部材6Aが軸線を回転中心として回転することで第2回転移動が行なわれ、C型アーム4がアーム長手方向へアームの曲がりに沿って滑動することで第1回転移動が行なわれる。
【0039】
また、C型アーム移動機構6を制御する撮像系移動制御部14が前段に備えられていて、撮像系移動制御部14の制御にしたがってC型アーム移動機構6が第1回転移動ないし第2回転移動を実行する。
【0040】
そして、実施例1のX線透視撮影装置は、X線管2および2次元X線検出器3を保持するC型アーム4は、平面視した場合にC型アーム4が検診台1の中心線1Aに交差角度θでもって斜めに交差する向きで支持されている。実施例1の装置の場合、交差角度θは30°〜60°の範囲の角度(例えば45°の角度)とされる。
【0041】
ただ、このように実施例1の装置の場合、C型アーム4は検診台1の中心線1Aに交差角度θでもって斜めに交差しているのであるが、撮像系移動制御部14は、C型アーム移動機構6に第1回転移動と第2回転移動とを同時に実行させて、C型アーム4の移動に伴うX線管2および2次元X線検出器3の動きが、平面視した場合にC型アーム4が検診台1の中心線1Aに一致する向きで支持されている状態でC型アーム移動機構6に第1回転移動と第2回転移動の任意の一方を実行させた時のX線管2および2次元X線検出器3の動きと等価な動きとなる制御を行なえる構成とされている。
【0042】
したがって、実施例1の装置の場合、平面視した場合にC型アーム4が検診台1の中心線1Aに交差角度θでもって斜めに交差した向きで支持されていても、撮像系移動制御部14による制御でC型アーム移動機構6に第1回転移動と第2回転移動とを同時に実行させて、C型アーム4の移動に伴うX線管2および2次元X線検出器3の動きを、C型アーム4が検診台1の中心線1Aに一致するという最も標準的な向きで支持されている状態でC型アーム移動機構6に第1回転移動と第2回転移動の任意の一方を実行させた時のX線管2および2次元X線検出器3の動きと等価な動きにできるので、撮像系の動きを何らの支障を伴わずに標準的な動きにすることができる。
【0043】
なお、主制御部15は、コンピュータ(CPU)と動作プログラムを中心に構成されていて、操作部12による指令入力、あるいは、X線撮影の進行状況などに応じて命令信号やデータを必要なところへ適時に送出し、装置全体を常に適切に動作させる司令塔的機能を果たす。
【0044】
実施例1の装置によりX線撮影を行なう場合、撮像系移動制御部14の制御にしたがってC型アーム移動機構6が第1回転移動や第2回転移動を実行して、X線管2と2次元X線検出器3が対向状態で保持されているC型アーム4を移動させることにより、 X線管2と2次元X線検出器3が被検体の撮影位置に対応する位置へ移る。そして、その位置でX線管2から検診台1の上の被検体MにX線が照射されるのに伴って2次元X線検出器3からX線透視画像取得用のX線検出信号が出力される。検出信号処理部10は2次元X線検出器3から出力されるX線検出信号にしたがってX線透視画像を取得すると共に、検出信号処理部10で取得されたX線透視画像が表示モニタ11の画面に直ちに映し出されることで、X線透視撮影が進行することになる。
【0045】
以上に述べたように、実施例1のX線透視撮影装置の場合、X線管2と2次元X線検出器3が対向状態で保持されているC型アーム4は、平面視した場合にC型アーム4が検診台1の中心線1Aに斜めに交差する向きで支持されていて、検診台1の上の被検体MにC型アーム4が覆い被さる程度が緩和されているので、X線撮影と並行して術者や介護者はC型アーム4に妨げられることなく施術や介護が行なえる。
【0046】
また、C型アーム4を支持している非回転軸型基台部材5は、鉛直軸心周りの回転を行なわない非回転型構造であって、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を避けることができる。
【0047】
さらに、実施例1の装置の場合、C型アーム4と検診台1の中心線1Aの交差角度θが、30°〜60°という適当な範囲の角度にあるので、被検体Mの上にC型アーム4が覆い被さる程度の緩和が適切で十分なものとなる。交差角度θが30°を下回ると、被検体Mの上にC型アーム4が覆い被さる程度を十分に緩和できなくなる傾向が現れる。逆に、交差角度θが60°を上回ると、術者や介護者が被検体Mにアプローチする向きによってはC型アーム4がアプローチの障害となる傾向が現れる。
【実施例2】
【0048】
この発明のX線診断装置の実施例2について図面を参照しながら詳しく説明する。この実施例2は請求項2の発明の実施例である。図3は実施例2に係る医用のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図、図4は実施例2の装置のX線撮像系関係の構成を示す立面図である。
【0049】
実施例2のX線透視撮影装置は、非回転軸型基台部材5の代りに、C型アーム4を鉛直軸心16の周りに水平方向に旋回移動させられる状態で支持している1軸回転型の基台部材17を備えている。他の構成は、実施例1のX線透視撮影装置と実質的に同一のものであるので、相違する点のみを説明し、共通する点についての説明は省略する。
【0050】
即ち、実施例2の装置の場合、1軸回転型の基台部材17は基台ベース18の上に配置されていると共に、図3に矢印RCで示すように、基台部材17が基台ベース18に設けられた撮像系旋回機構19により鉛直軸心16を回転中心として回転する構成とされている。そして、基台部材17が鉛直軸心16周りに回転すると、基台部材17に支持されているC型アーム4が鉛直軸心16を回転中心として旋回移動する。
【0051】
また、撮像系旋回機構19を制御する撮像系旋回制御部20が前段に備えられていて、撮像系旋回制御部20の制御にしたがって撮像系旋回機構19が基台部材17を回転させる。加えて、実施例2の装置の場合、基台部材17は手動でも鉛直軸心16を回転中心として回転させられる構成とされている。なお、この発明の装置の場合、基台部材17は手動だけで鉛直軸心16を回転中心として回転させられる構成であってもよい。
【0052】
以上に述べたように、実施例2のX線透視撮影装置の場合、C型アーム4を支持している基台部材17は、鉛直軸心16を回転中心として回転する1軸回転型構造であって、基台部材の大型化・複雑化を伴う多軸回転型構造ではないので、基台部材の大型化・複雑化を避けることができる。
【0053】
さらに、実施例2の装置は、C型アーム4が鉛直軸心16を回転中心として水平方向に旋回移動させられるので、検診台1の中心線1Aに対するC型アーム4の交差角度θを変化させることにより、被検体Mの上にC型アーム4が覆い被さる程度を調整できる。それだけでなく、図5に示すように、C型アーム4を水平方向に旋回させてC型アーム4を検診台1の側方へ退避させることにより、検診台1に被検体Mを乗せたり、検診台1から被検体Mを降ろす際にC型アーム4が妨げになることを防ぐこともできる。
【0054】
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。
【0055】
(1)実施例1,2の装置の場合、2次元X線検出器3がイメージインテンシファイアであったが、2次元X線検出器としてフラットパネル型X線検出器(FPD)を用いる他は、実施例1ないし実施例2と同一の構成のX線透視撮影装置が、変形実施例として挙げられる。
【0056】
(2)実施例1,2の装置では、非回転軸型基台部材5や1軸回転型基台部材17が床に配置されている構成であったが、非回転軸型基台部材5や1軸回転型基台部材17が天井に配置されている他は、実施例1ないし実施例2と同一の構成のX線透視撮影装置が、変形実施例として挙げられる。
【0057】
(3)実施例1,2の装置はX線透視撮影装置であったが、この発明はX線透視撮影装置以外のX線診断装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例1のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のX線透視撮影装置のX線撮像系関係の構成を示す立面図である。
【図3】実施例2のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
【図4】実施例2のX線透視撮影装置のX線撮像系関係の構成を示す立面図である。
【図5】実施例2のX線透視撮影装置でのC型アームの旋回移動状況を示す平面図である。
【図6】従来のX線透視撮影装置のX線撮影台の一例を示す平面図である。
【図7】従来のX線透視撮影装置のX線撮影台の他の例を示す平面図である。
【図8】従来のX線透視撮影装置のX線撮影台の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 …検診台
1A …(検診台の中心線)
2 …X線管(X線照射手段)
3 …2次元X線検出器(2次元X線検出手段)
4 …C型アーム(撮像系保持部材)
5 …非回転軸型基台部材
6 …C型アーム移動機構(撮像系保持部材移動手段)
14 …撮像系移動制御部(撮像系移動制御手段)
17 …1軸回転型基台部材
19 …撮像系旋回機構
M …被検体
θ …交差角度

【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【住所又は居所】京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地
【出願日】 平成16年5月13日(2004.5.13)
【代理人】 【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉

【公開番号】 特開2005−323754(P2005−323754A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2004−143831(P2004−143831)