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【発明の名称】 X線コンピュータ断層撮影装置
【発明者】 【氏名】中西 知
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝メディカルシステムズ株式会社本社内

【氏名】内蔵 啓幸
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝メディカルシステムズ株式会社本社内

【要約】 【課題】実際にX線が放射される範囲を確実にユーザに認識させることを可能とする。

【解決手段】スキャン制御部21は、撮影範囲が指定された場合に、この指定された撮影範囲についての画像を再構成するために必要なX線照射範囲(撮影範囲およびオーバスキャン範囲)を求める。スキャン制御部21は、X線照射範囲をスキャノ画像に重ねて表示部25に表示させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された撮影範囲に基づいてヘリカルスキャンを行ってX線投影データの収集を行うX線コンピュータ断層撮影装置において、
前記撮影範囲についての画像を再構成するために必要なX線照射範囲を求める照射範囲決定手段と、
前記X線照射範囲をスキャノ画像に重ねて表示する表示手段とを具備したことを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項2】
前記照射範囲決定手段は、撮影条件を考慮して前記X線照射範囲を求めることを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項3】
前記照射範囲決定手段は、半影を含めて前記X線照射範囲を求めることを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記撮影範囲を表わすマークと、前記X線照射範囲を示すマークとを前記スキャノ画像に重ねて表示することを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項5】
前記表示手段はさらに、前記半影の範囲を表わすマークを前記スキャノ画像に重ねて表示することを特徴とする請求項5に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリカルスキャンを行なうX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT装置と称する)にて撮影範囲を目視的・簡易的に決める機能として、スキャノ画像(X線透過画像)を利用した撮影範囲の設定機能がある。この機能を用いれば、ユーザはスキャノ画像上で撮影範囲を任意に指定することができる。
【特許文献1】特開平9−164135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の設定機能にてスキャノ画像上で設定する撮影範囲は、画像再構成により得られる画像を取得すべき範囲である。ヘリカルスキャンを実施するときには、ある位置の画像を得るためにその前後のデータを補間する必要があるため、上記の撮影範囲よりも大きな範囲のデータを収集することが必要になる。このため、被検体へのX線の照射範囲は、上記の撮影範囲よりも大きくなる。
【0004】
このようなヘリカルスキャンの特性を認識しないユーザの場合、指定した範囲外にもX線が照射されることを考慮せずに撮影範囲の設定を行ってしまう恐れがあった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、実際にX線が放射される範囲を確実にユーザに認識させることができるX線コンピュータ断層撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために本発明は、指定された撮影範囲に基づいてヘリカルスキャンを行ってX線投影データの収集を行うX線コンピュータ断層撮影装置に、前記撮影範囲についての画像を再構成するために必要なX線照射範囲を求める照射範囲決定手段と、前記X線照射範囲をスキャノ画像に重ねて表示する表示手段とを備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、指定された撮影範囲についての画像を再構成するために必要なX線照射範囲がスキャノ画像に重ねて表示されるので、この表示により実際にX線が放射される範囲を確実にユーザに認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るX線CT装置について説明する。
図1は本実施形態に係るX線CT装置の主要部の構成を示す図である。本実施形態のX線CT装置は、スキャンガントリ1とコンピュータ装置2とから構成される。スキャンガントリ1は、被検体に関する投影データを収集するための構成要素である。スキャンガントリ1で収集された投影データは、コンピュータ装置2での画像再構成およびリアルプレップ等の処理に供される。
【0009】
被検体は、寝台10の天板20に載置された状態でスキャンガントリ1の空洞(撮影口)内に挿入される。寝台10の天板20は寝台駆動部16により駆動され、その長手方向に移動する。通常、この長手方向が後述する回転軸RA(体軸およびZ軸に同じ)と平行になるように寝台10が設置される。スキャンガントリ1には、図示しない円環状の回転架台が架台回転駆動部15により駆動され回転軸RAを中心に回転するように設けられている。この回転架台には、X線管装置11とX線検出器12とが対向関係で搭載されている。
【0010】
X線管装置11は、X線管111およびX線フィルタ112を含む。X線フィルタ112は、被曝低減のために低エネルギー成分を除去する。X線管111に電力供給するために、インバータ式の高電圧発生部14が設けられている。高電圧発生部14は、高電圧変圧器、フィラメント電流発生器および整流器を備える。この他に高電圧発生部14は、管電圧およびフィラメント電流を任意にまたは段階的に調整するために、管電圧切換器およびフィラメント電流切換器等を備えている。
【0011】
X線検出器12の出力は、データ収集部13および連続回転を可能にするスリップリング(図示せず)を介してコンピュータ装置2に供給される。
【0012】
コンピュータ装置2は、スキャン制御部21、前処理部22、画像再構成部23、表示部25および操作卓26を備える。これらのスキャン制御部21、前処理部22、画像再構成部23、スキャノ生成部24、表示部25および操作卓26は、データ/制御バス27を介して互いに接続されている。
【0013】
スキャンガントリ1からコンピュータ装置2に供給されたデータは、前処理部22を介して投影データとして画像再構成部23またはスキャノ生成部24に供給され、そこで断層画像データの再構成処理またはスキャノ画像の生成処理に供される。断層画像データやスキャノ画像データは、表示部25にて表示される。スキャノ画像データは、スキャン制御部21にも供給され、断層画像の撮影範囲を設定するために使われる。
【0014】
操作卓26は、操作者が例えばスキャン条件や撮影範囲を始めとする様々な情報や各種指示を入力するために設けられている。操作卓26は、操作画面を備える。この操作画面または表示部25には、スキャン制御部21により、操作者による上記各種情報や各種指示の入力を支援するために好適に工夫された設定画面が表示される。
【0015】
次に、以上のように構成されたX線CT装置にてヘリカルスキャンにより撮影を行なうための準備処理の動作についてスキャン制御部21の処理手順に従って説明する。
図2はこの準備処理におけるスキャン制御部21の処理手順を示すフローチャートである。
【0016】
ステップST1においてスキャン制御部21は、スキャノ画像を撮影するべく各部を周知のように制御する。ステップST2においてスキャン制御部21は、ステップST1にて撮影されたスキャノ画像を表示部25に表示させる。
【0017】
ステップST3においてスキャン制御部21は、操作卓26におけるユーザ操作に基づいて、断層画像を撮影するための条件を設定する。ここで設定する撮影条件には、例えばヘリカルピッチ、収集スライス厚、列数、あるいは寝台移動量などのスキャン条件や再構成条件などを含む。ステップST4においてスキャン制御部21は、操作卓26におけるユーザ操作に基づいて、撮影範囲を設定する。この撮影範囲とは、操作者が断層画像を得ようとする範囲である。
【0018】
ステップST5においてスキャン制御部21は、ステップST3にて設定された撮影条件と、ステップST4にて設定された撮影範囲とを考慮してオーバスキャン範囲を求める。ここでオーバスキャン範囲とは、撮影範囲内のデータを補間するためのデータを取得するためのスキャンを行なう撮影範囲外の範囲を指す。このオーバスキャン範囲は、基本的には再構成処理にてどの範囲のデータが必要とされるかに応じて決まる。しかし、ヘリカルピッチ、画像厚、収集スライス厚、列数、あるいは寝台移動量などといった撮影条件によってもオーバスキャン範囲が変化する場合がある。そこでスキャン制御部21は、このようなオーバスキャン範囲に影響する条件を考慮してオーバスキャン範囲を計算式や対応表等を用いて求める。
【0019】
ステップST6においてスキャン制御部21は、ステップST4にて設定した撮影範囲を示す撮影範囲枠と、ステップST5にて判定したオーバスキャン範囲を示すオーバスキャン範囲枠とを、例えば図3に示すように表示中のスキャノ画像に合成して表示させる。なお、撮影範囲枠およびオーバスキャン範囲枠は、グラフィックによるマークである。
【0020】
ステップST7においてスキャン制御部21は、現在設定されている撮影範囲を確定するか、それとも変更するかを確認する。撮影範囲を変更する操作が操作卓26にて行なわれたならば、スキャン制御部21はステップST7からステップST4に移行し、ステップST4乃至ステップST6の処理を繰り返す。そして、撮影範囲を確定する操作が操作卓26にて行なわれたならば、スキャン制御部21はこの図2に示す処理を終了する。
【0021】
以上のように本実施形態によれば、操作者は、スキャノ画像に重ねて表示されたオーバスキャン範囲枠から、現在設定している撮影範囲での撮影で実際にX線が照射される範囲を確実かつ容易に認識することができる。そして操作者は、このX線の照射範囲を考慮した適切な撮影範囲の指定を行なうことが可能となる。
【0022】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
オーバスキャン範囲の外側には、さらに半影が生じることがある。この場合には、図4に示すように半影の範囲を示す半影範囲枠を、グラフィックによるマークによってさらに表示しても良い。このようにすれば、半影によるX線の照射の様子をも操作者が認識することが可能となる。なお、上記実施形態におけるオーバスキャン範囲に半影部分を含めるようにしても良い。
【0023】
撮影条件によるオーバスキャン範囲の変化がそれほど大きくは生じないのであれば、オーバスキャン範囲の判定に撮影条件を考慮しないようにしても良い。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るX線CT装置の主要部の構成を示す図。
【図2】準備処理における図1中のスキャン制御部21の処理手順を示すフローチャート。
【図3】オーバスキャン範囲枠の表示例を示す図。
【図4】半影範囲枠の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0026】
1…スキャンガントリ、2…コンピュータ装置、10…寝台、11…X線管装置、12…X線検出器、13…データ収集部、14…高電圧発生部、15…架台回転駆動部、16…寝台駆動部、20…天板、21…スキャン制御部、22…前処理部、23…画像再構成部、24…スキャノ生成部、25…表示部、26…操作卓。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地
【出願日】 平成16年5月13日(2004.5.13)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【公開番号】 特開2005−323724(P2005−323724A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2004−143526(P2004−143526)