| 【発明の名称】 |
移動式X線撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮田 博 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】中村 俊晶 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】平田 五郎 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】河野 昌弘 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】中原 忠彦 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】堀切 幸伸 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】北野 雅彦 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
【氏名】高村 祥司 【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内
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| 【要約】 |
【課題】台車の走行中、台車の前方に現出する物体と台車の衝突を確実に回避する
【解決手段】この発明の移動式X線撮影装置は、台車1の走行中、距離センサ15A〜15Fにより台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離が測定されると共に、距離センサ15A〜15Fによる測定結果が予め定められた一定距離以下の場合、モータ回転速度制御部5により走行用電動モータ4の回転速度を下げる減速制御が行なわれるので、台車1は走行中に台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と衝突することを確実に避けながら走行できる。又、距離センサ15A〜15Fによる物体と台車1との距離の測定結果が予め定められた許容距離以下の場合は、電磁ブレーキ16が作動して台車1が強制的に停止させられるので、台車1が前方や前寄り横方向に現出する物体に許容距離以下の距離まで接近してしまった時でも、台車1が物体に衝突する心配はない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動可能な台車に、被検体にX線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類と、台車の車輪を回転させて台車を走行させる走行用電動モータと、走行用電動モータの回転速度を制御するモータ回転速度制御手段と、台車走行およびX線撮影に必要なエネルギーを供給するバッテリーが搭載されている移動式X線撮影装置において、走行中に台車の前方に現出する物体と台車との距離を測定する物体距離計測手段を備えていて、モータ回転速度制御手段が物体距離計測手段による測定結果に基づいて台車の前方に現出する物体と台車の衝突を回避する為に走行用電動モータの回転速度を下げる減速制御を行なうことを特徴とする移動式X線撮影装置。 【請求項2】 請求項1に記載の移動式X線撮影装置において、物体距離計測手段が、走行中に前寄り横方向に現出する物体に対しても距離を計測すると共に、モータ回転速度制御手段が、台車の前寄り横方向に現出する物体と台車の衝突を回避する為にも走行用電動モータの回転速度を下げる減速制御を行なう移動式X線撮影装置。 【請求項3】 請求項1または2に記載の移動式X線撮影装置において、モータ回転速度制御手段は物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離が予め定められた上限距離以下である時に走行用電動モータの減速制御を実行する移動式X線撮影装置。 【請求項4】 請求項3に記載の移動式X線撮影装置において、モータ回転速度制御手段による走行用電動モータの減速制御が始まる上限距離は、台車の走行速度に応じて定められていて、モータ回転速度制御手段は、物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離と台車の走行速度とにしたがって走行用電動モータの減速制御を行なう移動式X線撮影装置。 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の移動式X線撮影装置において、台車を強制的に停止させるブレーキ手段と、物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離が予め定められた許容距離以下である場合にブレーキ手段を作動させるブレーキ制御手段とを備えている移動式X線撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、被検体にX線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類と、台車の車輪を回転させて台車を走行させる走行用電動モータと、走行用電動モータの回転速度を制御するモータ回転速度制御手段と、台車走行およびX線撮影に必要なエネルギーを供給するバッテリーが移動可能な台車に搭載されている移動式X線撮影装置(自走式X線撮影装置)に係り、特に台車の走行中、台車の前方に現出する物体と台車とが衝突するのを回避するための技術に関する。 【背景技術】 【0002】 病院等の医療機関で病室回診用として用いられている従来の移動式X線撮影装置は、図6に示すように、移動可能な台車51に、被検体にX線を照射するX線管52や高圧電源(図示省略)等のX線撮影用装備類と、台車51の車輪を回転させて台車51を走行させる走行用電動モータ53と、走行用電動モータ53の回転速度を制御するモータ回転速度制御部54と、台車走行およびX線撮影に必要なエネルギーを供給するバッテリー55が搭載されている。また台車51の後部には、フィルムなどのX線撮影用記憶媒体を装填したカセッテ(図示省略)を収納するカセッテ収納ボックス56もX線撮影用装備類の一つとして搭載されている 図6の移動式X線撮影装置によりX線撮影を実行する場合、先ず台車51の車輪を走行用電動モータ53で回転させることにより移動式X線撮影装置そのものを病院の廊下を走行させてX線撮影対象の被検体(患者)の居る病室(撮影場所)へ移動させる。そして、カセッテ収納ボックス56より未撮影のカセッテを取り出して被検体の背中側にセットしてから、X線管52からX線を照射してX線撮影を行なう。 【0003】 一方、図6の移動式X線撮影装置の場合、台車51が走行する病院の廊下等の床面の凹凸を検出する床面状態チェックセンサ57が台車51の下面に設置されていて、床面状態チェックセンサ57が床面の凹凸を検出した場合、走行用電動モータ53の回転速度を下げて台車51の走行速度を落とし、床面の凹凸による台車51の振動を抑制する構成とされている(例えば特許文献1を参照。)。 【特許文献1】特開平9−10181号公報(第2〜3頁、図1〜図2) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記従来の移動式X線撮影装置は、台車51の走行中、台車51の前方へ現出する物体と台車51とが衝突しないように常に注意していなければならないという問題がある。 【0005】 床面状態チェックセンサ57は台車51が走行する病院の廊下等の床面の状態をチェックすることができるだけであり、床面状態チェックセンサ57で走行中に台車51の前方に現出する人間や壁あるいは他の医療機器などの物体をチェックすることはできない。したがって、台車51の運転者が常に台車51の前方に現出する物体をチェックしなければならない。しかし、台車51の運転者が、台車51の前方へ現出する物体の全てに十分な注意が払えるとは限らず、台車51がその前方に現出する物体と衝突することを確実に回避できるとは言えない現況にある。 【0006】 さらに、台車51に物体が当たったことを検知する物体当接センサ(図示省略)を台車51に配備し、物体当接センサが物体が当たったことを検知すると、台車51を強制的に停止させる構成とした移動式X線撮影装置もある。しかし、この装置の場合も、台車51に物体が当たることを前提としているので、物体と台車51が衝突することを防ぐことは不可能である。 【0007】 この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、台車の走行中、台車の前方に現出する物体と台車とが衝突するのを確実に回避することができる移動式X線撮影装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。 【0009】 すなわち、請求項1に記載の移動式X線撮影装置は、移動可能な台車に、被検体にX線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類と、台車の車輪を回転させて台車を走行させる走行用電動モータと、走行用電動モータの回転速度を制御するモータ回転速度制御手段と、台車走行およびX線撮影に必要なエネルギーを供給するバッテリーが搭載されている移動式X線撮影装置において、走行中に台車の前方に現出する物体と台車との距離を測定する物体距離計測手段を備えていて、モータ回転速度制御手段が物体距離計測手段による測定結果に基づいて台車の前方に現出する物体と台車の衝突を回避する為に走行用電動モータの回転速度を下げる減速制御を行なうことを特徴とするものである。 【0010】 (作用・効果)請求項1の発明の移動式X線撮影装置が別の場所へ移動する場合は、走行用電動モータがバッテリーから必要なエネルギーの供給を受け取りながらモータ回転速度制御手段により制御される回転速度で回転すると同時に、走行用電動モータの回転によって台車の車輪が回転させられるのに伴って、X線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類を搭載した台車は、走行用電動モータの回転速度に比例した速度で移動先へ向かって走行してゆく。 【0011】 そして、台車の走行中、物体距離計測手段により台車の前方に現出する物体と台車との距離が測定されると共に、物体距離計測手段による測定結果に基づいてモータ回転速度制御手段により走行用電動モータの回転速度を下げる減速制御が行なわれるので、被検体にX線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類を搭載した台車は、走行中に台車の前方に現出する物体と台車が衝突することを確実に回避しながら、別の場所へ移動することができる。 【0012】 また、請求項2の発明は、請求項1に記載の移動式X線撮影装置において、物体距離計測手段が、走行中に前寄り横方向に現出する物体に対しても距離を計測すると共に、モータ回転速度制御手段は、台車の前寄り横方向に現出する物体と台車の衝突を回避する為にも走行用電動モータの回転速度を下げる減速制御を行なうものである。 【0013】 (作用・効果)請求項2の発明の装置によれば、物体距離計測手段により台車とその前寄り横方向に現出する物体との距離が計測されると共に、前寄り横方向に現出する物体と台車の距離に基づいてモータ回転速度制御手段が行なう走行用電動モータの減速制御により、やはり台車の前寄り横方向に現出する物体と台車の衝突も確実に回避することができる。 【0014】 また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の移動式X線撮影装置において、モータ回転速度制御手段は物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離が予め定められた上限距離以下である時に走行用電動モータの減速制御を実行するものである。 【0015】 (作用・効果)請求項3の発明の装置によれば、モータ回転速度制御手段による走行用電動モータの減速制御は、物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離が予め定められた上限距離以下である時に実行されるので、物体が上限距離を超過する位置にあって走行用電動モータの減速制御を開始するのに早過ぎる時点で、走行用電動モータの減速制御が行なわれることを防止することができる。走行用電動モータの減速制御の開始が早過ぎる場合、衝突は回避できても台車の走行速度が必要以上に低下して台車の速やかな移動が妨げられかねない。 【0016】 また、請求項4の発明は、請求項3に記載の移動式X線撮影装置において、モータ回転速度制御手段による走行用電動モータの減速制御が始まる上限距離は、台車の走行速度に応じて定められていて、モータ回転速度制御手段は、物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離と台車の走行速度とにしたがって走行用電動モータの減速制御を行なうものである。 【0017】 (作用・効果)請求項4の発明の装置によれば、走行用電動モータの減速制御が始まる上限距離が台車の走行速度に応じて定められていて、台車の走行速度の遅速に応じて走行用電動モータの減速制御が開始されるので、台車の走行速度の如何にかかわらず、走行用電動モータの減速制御が適切なタイミングで開始される。 【0018】 また、請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の移動式X線撮影装置において、台車を強制的に停止させるブレーキ手段と、物体距離計測手段により測定された物体と台車との距離が予め定められた許容距離以下である場合にブレーキ手段を作動させるブレーキ制御手段とを備えているものである。 【0019】 (作用・効果)請求項5の発明の装置によれば、物体距離計測手段による物体と台車との距離の測定結果が、予め定められた許容距離以下である場合は、ブレーキ制御手段がブレーキ手段を作動させて台車を強制的に停止させるので、台車が前方や前寄り横方向に現出する物体に許容距離以下の距離まで接近してしまった時でも、台車と物体の衝突が起こる心配がない。 【発明の効果】 【0020】 この発明の移動式X線撮影装置は、別の場所へ移動する場合、走行用電動モータがバッテリーから必要なエネルギーの供給を受け取りながらモータ回転速度制御手段により制御される回転速度で回転すると同時に、走行用電動モータの回転によって台車の車輪が回転させられるのに伴って、X線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類を搭載した台車は、走行用電動モータの回転速度に比例した速度で移動先へ向かって走行してゆく。 【0021】 そして、台車の走行中、物体距離計測手段により台車の前方に現出する物体と台車との距離が測定されると共に、物体距離計測手段による測定結果に基づいてモータ回転速度制御手段により走行用電動モータの回転速度を下げる減速制御が行なわれるので、被検体にX線を照射するX線管を含むX線撮影用装備類を搭載した台車は、走行中に台車の前方に現出する物体と台車が衝突することを確実に回避しながら、別の場所へ移動できる。 【0022】 よって、この発明の移動式X線撮影装置によれば、台車の走行中、台車の前方に現出する物体と台車とが衝突するのを確実に回避することができる。 【実施例】 【0023】 以下、この発明の移動式X線撮影装置の一実施例を説明する。図1はこの発明の実施例に係る病室回診用の移動式X線撮影装置を横から見た状態で示す立面図、図2は実施例の移動式X線撮影装置を上から見た状態で示す平面図、図3は実施例の移動式X線撮影装置の台車走行およびX線撮影の制御系統の構成を示すブロック図である。 【0024】 実施例の移動式X線撮影装置は、移動可能な4輪タイプで後輪駆動式の移動可能な台車1に、被検体にX線を照射するX線管2や高圧電源(図示省略)等のX線撮影用装備類と、台車1の後輪3を回転させて台車1を走行させる走行用電動モータ4と、走行用電動モータ4の回転速度を制御するモータ回転速度制御部5と、台車走行およびX線撮影に必要なエネルギーを供給するバッテリー6が搭載されている他、台車走行およびX線撮影を行なうのに必要な操作を行なう操作用装備類7が搭載されている。また、台車1の後部にはフィルムなどのX線撮影用記憶媒体を装填したカセッテを収納するカセッテ収納ボックス8もX線撮影用装備類の一つとして搭載されている。 【0025】 X線管2は台車1の前寄り中央に立設された垂直支柱9に昇降可能に配設されている水平アーム10の先端に取り付けられている。X線撮影を行なう時は、水平アーム10を180°回転させてX線管2を台車1の前側に移動させる構成とされている。また、台車走行・X線撮影用の操作用装備類7は、台車1の上面に設けられた操作・表示用パネル11や台車1の後側上部に設けられたハンドル類12等で構成されている。 【0026】 台車1の走行速度は操作・表示用パネル11の操作で設定でき、台車1のスタート・ストップはハンドル類12の操作で行なえる。モータ回転速度制御部5は操作・表示用パネル11で設定された速度で台車1が走行するように走行用電動モータ4の回転速度を制御する。X線管2の管電圧・管電流などの撮影条件の設定や、X線照射の実施も操作・表示用パネル11の操作で行なえる。なお、台車1の走行速度はハンドル類12の操作で随時に調整される構成であってもよい。 【0027】 実施例の移動式X線撮影装置が別の場所へ移動する場合は、走行用電動モータ4がバッテリー6から必要なエネルギーの供給を受け取りながらモータ回転速度制御部5により制御される回転速度で回転すると同時に、走行用電動モータ4の回転によって台車1の後輪3が回転させられるのに伴って、X線を照射するX線管2を含むX線撮影用装備類を搭載した台車1は、走行用電動モータ4の回転速度に比例した速度、即ち操作・表示用パネル11で設定された速度で移動先へ向かって走行してゆく。 【0028】 移動先の病室に到着してX線撮影を実行する場合、カセッテ収納ボックス8より未撮影のカセッテ13を取り出し、図3に一点鎖線で示すように、被検体Mの背中側にカセッテ13をセットしてから、操作用装備類7の操作により高圧電源を含むX線照射制御部14が作動するのに伴って、X線管2はバッテリー6から必要なエネルギーの供給を受けながら被検体MにX線を照射する。 【0029】 X線管2によるX線照射が済めばX線撮影は完了となる。X線撮影の済んだカセッテ13はカセッテ収納ボックス8へ戻された後、移動式X線撮影装置は再び同様にして次の場所へ移動させられる。 【0030】 さらに、実施例の移動式X線撮影装置は、走行中に台車1の前方に現出する物体および前寄り横方向に現出する物体と台車との距離をそれぞれ測定する物体距離計測部15を備えている。実施例の装置の場合、図4に示すように、物体距離計測部15は、台車1の正面前方に現出する物体NA,NBと台車1との距離を測定する距離センサ15A,15Bと、台車1の斜め前方に現出する物体NC,NDと台車1との距離を測定する距離センサ15C,15Dと、台車1の前寄り横方向に現出する物体NE,NFと台車1との距離を測定する距離センサ15E,15Fとからなる。 【0031】 距離センサ15A,15Bは台車1のバンパー1Aの正面に配備され、距離センサ15C,15Dは台車1のバンパー1Aの両角に配備され、距離センサ15E,15Fは台車1のバンパー1Aの両横に配備されている。 【0032】 具体的な距離センサ15A〜15Fとしては、超音波式距離センサや、赤外線式距離センサなどが例示される。 【0033】 そして、モータ回転速度制御部5は、距離センサ15A〜15Fの測定結果に基づいて台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1の衝突を回避する為に走行用電動モータ4の回転速度を下げる減速制御を行なう構成とされている。 【0034】 このモータ回転速度制御部5による走行用電動モータ4の減速制御は、距離センサ15A〜15Fの測定距離に応じて走行用電動モータ4の回転速度が連続的ないし段階的に下がるように行なわれ、走行用電動モータ4の減速の度合いに応じて台車1の走行速度が落ちる。 【0035】 加えて、実施例の装置の場合、モータ回転速度制御部5は距離センサ15A〜15Fの測定結果が予め定められた上限距離以下である時に走行用電動モータ4の減速制御を実行する構成とされている。走行用電動モータ4の減速制御が開始される上限距離としては、例えば2メートルが挙げられる。上限距離が2メートルの場合、台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離が2メートルを越えていれば、走行用電動モータ4の減速制御は行なわれず、台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離が2メートル以内であれば、走行用電動モータ4の減速制御が行なわれる。 【0036】 なお、モータ回転速度制御部5が走行用電動モータ4の減速制御を開始する上限距離は、各距離センサ15A〜15Fについて同一である必要はない。例えば、通常は台車1の進行方向ではない台車1の前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離を測定する距離センサ15E,15Fの場合の上限距離は、通常、台車1の進行方向となる前方に現出する物体と台車1との距離を測定する距離センサ15A〜15Dの場合の上限距離より短め(例えば半分の距離)であってもよい。 【0037】 さらに、実施例の装置は、台車1を強制的に停止させる電磁ブレーキ16と距離センサ15A〜15Fにより測定された物体と台車1との距離が予め定められた許容距離以下である場合に電磁ブレーキ16を作動させるブレーキ制御部17とを備えている。つまり、距離センサ15A〜15Fの測定結果が予め定められた許容距離以下であると、ブレーキ制御部17が電磁ブレーキ16を作動させて台車1を強制的に停止させる構成とされている。電磁ブレーキ16が作動を始める許容距離としては、例えば0.5メートルが挙げられる。許容距離が0.5メートルの場合、台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離が0.5メートル以内であれば、電磁ブレーキ16が作動して台車1が停止し、台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離が0.5メートル以上であれば、走行用電動モータ4の減速制御が行なわれることはあっても、電磁ブレーキ16が作動して台車1が停止することはない。 【0038】 なお、電磁ブレーキ16が作動を開始する許容距離は、各距離センサ15A〜15Fについて同一である必要はない。例えば、通常は台車1の進行方向ではない台車1の前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離を測定する距離センサ15E,15Fの場合の許容距離は、通常、台車1の進行方向となる前方に現出する物体と台車1との距離を測定する距離センサ15A〜15Dの場合の許容距離よりも短め(例えば半分の距離)であってもよい。 【0039】 また、主制御部18は、コンピュータを中心に構成されているものであり、操作用装備類7でオペレータが行なう台車走行やX線撮影に必要な入力操作、或いは、台車走行やX線撮影などの進行に応じて必要な指令やデータを各部に送り、装置を滞りなく作動させる役割を果たす。 【0040】 続いて、実施例の移動式X線撮影装置の台車の速度制御プロセスを図面を参照しながら説明する。図5は実施例の装置における台車の走行速度の制御プロセスを示すフローチャートである。 【0041】 〔ステップS1〕操作用装備類7の操作により台車1の走行速度を設定して台車1をスタートさせる。 【0042】 〔ステップS2〕各距離センサ15A〜15Fが台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1の距離を測定する。 【0043】 〔ステップS3〕モータ回転速度制御部5が距離センサ15A〜15Fによる測定結果が予め定められた上限距離以下であるか否かをチェックする。距離センサ15A〜15Fによる測定結果が一つでも上限距離以下であれば、次のステップS4に進む。距離センサ15A〜15Fによる測定結果が全て上限距離を越えていれば、ステップS7へ飛ぶ。 【0044】 〔ステップS4〕ブレーキ制御部17が距離センサ15A〜15Fの測定結果の中で上限距離以下の距離は、予め定められた許容距離以下であるか否かをチェックする。距離センサ15A〜15Dによる測定結果が一つでも許容距離以下であれば、次のステップS5に進む。そうでなければ、ステップS6へ飛ぶ。 【0045】 〔ステップS5〕ブレーキ制御部17が電磁ブレーキ16を作動させるのに伴って台車1が停止した後、ステップS7へ飛ぶ。 【0046】 〔ステップS6〕モータ回転速度制御部5が走行用電動モータ4の減速制御を開始するのに伴って台車1の走行速度が落ちた後、ステップS7へ進む。 【0047】 〔ステップS7〕台車1の走行が続けられる場合は、ステップS2以下を繰り返す。台車1の走行を打ち切る場合は、台車1の走行速度制御プロセスは終了となる。 【0048】 以上に詳述したように、実施例の移動式X線撮影装置は、別の場所へ移動する場合、走行用電動モータ4がバッテリー6から必要なエネルギーの供給を受け取りながらモータ回転速度制御部5により制御される回転速度で回転すると同時に、走行用電動モータ4の回転によって台車の後輪3が回転させられるのに伴って、X線を照射するX線管2を含むX線撮影用装備類を搭載した台車1は、走行用電動モータ4の回転速度に比例した速度で移動先へ向かって走行してゆく。そして、台車1の走行中、距離センサ15A〜15Fにより台車1の前方および前寄り横方向に現出する物体と台車1との距離が測定されると共に、距離センサ15A〜15Fによる測定結果に基づいてモータ回転速度制御部5により走行用電動モータ4の回転速度を下げる減速制御が行なわれるので、台車1は走行中に台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1が衝突することを確実に回避しながら、別の場所へ移動する。 【0049】 よって、実施例の移動式X線撮影装置によれば、台車1の走行中、台車1の前方や前寄り横方向に現出する物体と台車1とが衝突するのを確実に回避することができる。 【0050】 加えて、実施例の装置によれば、モータ回転速度制御部5による走行用電動モータ4の減速制御は、距離センサ15A〜15Fにより測定された物体と台車との距離が予め定められた上限距離以下である時に実行されるので、物体が上限距離を超過する位置にあって走行用電動モータ4の減速制御を開始するのに早過ぎる時点で、走行用電動モータ4の減速制御が行なわれることを防止することができる。もし走行用電動モータ4の減速制御の開始が早過ぎると、衝突は回避できても台車1の走行速度が必要以上に低下して台車1の速やかな移動が妨げられかねないが、その心配がない。 【0051】 さらに、実施例の装置の場合、距離センサ15A〜15Fによる物体と台車1との距離の測定結果が予め定められた許容距離以下である場合は、電磁ブレーキ16が作動して台車1が強制的に停止させられる。したがって、台車1が前方や前寄り横方向に現出する物体に許容距離以下の距離まで接近してしまった時でも、台車1と物体の衝突が起こる心配がない。 【0052】 この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。 【0053】 (1)実施例の装置において、モータ回転速度制御部5による走行用電動モータ4の減速制御が始まる上限距離が台車1の走行速度に応じて定められていて、モータ回転速度制御部5は距離センサ15A〜15Fにより測定された物体と台車1との距離と台車1の走行速度とに基づいて走行用電動モータ4の減速制御を行なう他は、実施例と同一の構成の装置が、変形例として挙げられる。 【0054】 この変形例の装置によれば、走行用電動モータの減速制御が始まる上限距離が台車の走行速度に応じて定められていて、台車の走行速度の遅速に応じて走行用電動モータの減速制御が開始されるので、台車の走行速度の如何にかかわらず、走行用電動モータの減速制御が適切なタイミングで開始される。 【0055】 (2)実施例の装置において、物体が台車1に当たったことを検知する物体当接センサも台車1に配備されていて、物体当接センサが物体が台車1に当たったことを検知すると、電磁ブレーキ16が作動して台車1を強制的に停止させる構成とした他は、実施例と同一の構成の装置も、変形例として挙げられる。 【0056】 (3)実施例の装置は、距離センサ15A〜15Fが配備されていて、台車1の前方と前寄り横方向に現出する物体と台車1の距離だけを測定する構成であったが、距離センサ15E,15Fは配備されておらず、距離センサ15A〜15Dだけが配備されていて、台車1の前方現出する物体と台車1の距離だけを測定する以外は実施例の装置と同一の構成の装置が、変形例として挙げられる。 【0057】 (4)実施例の装置の場合、台車1には被検体MのX線透過像を検出する検出器は搭載されていなかったが、被検体MのX線透過像を検出するフラットパネル型X線検出器などの2次元X線検出器がX線管2に対向する配置で台車1に搭載されている他は、実施例と同様の構成の装置が、変形例として挙げられる。 【0058】 (5)実施例の装置の場合、後輪3を回転駆動して台車1を走行させる構成であったが、台車1の前輪を回転駆動して台車1を走行させる構成である他は、実施例と同様の構成の装置が、変形例として挙げられる。 【0059】 (6)実施例の装置は、医用の装置であったが、この発明は、医用に限らず、工業用や原子力用にも適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0060】 【図1】実施例の移動式X線撮影装置を横から見た状態で示す立面図である。 【図2】実施例の移動式X線撮影装置を上から見た状態で示す平面図である。 【図3】実施例の移動式X線撮影装置の台車走行およびX線撮影の制御系統の構成を示すブロック図である。 【図4】実施例の装置における台車の前方および前寄り横方向に現出する物体の距離測定状況を示す平面図である。 【図5】実施例の装置における台車の走行速度の制御プロセスを示すフローチャートである。 【図6】従来の移動式X線撮影装置の要部構成を横から見た状態で示す立面図である。 【符号の説明】 【0061】 1 …台車 2 …X線管 3 …後輪(台車の車輪) 4 …走行用電動モータ 5 …モータ回転速度制御部(モータ回転速度制御手段) 6 …バッテリー 15 …物体距離計測部(物体距離計測手段) 16 …電磁ブレーキ(ブレーキ手段) 17 …ブレーキ制御部(ブレーキ制御手段) M …被検体 NA〜NF …物体
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001993 【氏名又は名称】株式会社島津製作所 【住所又は居所】京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地
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| 【出願日】 |
平成16年5月12日(2004.5.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093056 【弁理士】 【氏名又は名称】杉谷 勉
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| 【公開番号】 |
特開2005−323673(P2005−323673A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月24日(2005.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2004−142414(P2004−142414) |
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