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【発明の名称】 力蓄積要素を備える、とりわけ手術用顕微鏡用架台
【発明者】 【氏名】アンドゥルツァイ メテルスキー

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直支持体(2)と、該垂直支持体に連結された水平支持体(4)と、該垂直支持体(2)の近位連結点(9’)及び該水平支持体(4)の遠位連結点(10’)に連結された力蓄積要素(7)とを有する、とりわけ手術用顕微鏡のための架台において、
架台の静摩擦が60N未満の値となるよう、少なくとも1つの力蓄積要素(7)が10%未満のばねプログレッションを有すること
を特徴とする架台。
【請求項2】
前記近位連結点(9’)のための調整装置(18’)を備えること
を特徴とする請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記調整装置(18’)は、スクリュウスピンドル(15)と、案内部(19)及び連結点(9’)を備えるキャリッジとを有し、及び手動又はモータ駆動的に調整可能に構成されていること
を特徴とする請求項2に記載の架台。
【請求項4】
前記水平支持体(4)は、平行四辺形型支持体として構成されていること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の架台。
【請求項5】
前記水平支持体(4)の突出長さは、500〜1500mmの範囲内にあること、
を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の架台。
【請求項6】
前記遠位連結点(10’)は、前記水平支持体(4)の前記遠位端部の継手(3b)の近傍に配されること
を特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の架台。
【請求項7】
前記力蓄積要素(7)は、空気圧式、液圧式又は機械式ばね装置、として構成されること
を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の架台。
【請求項8】
前記力蓄積要素(7)は、空気圧式、液圧式又は機械式ばね装置のうちの少なくとも2つの組合せを含むばね装置として構成されること
を特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の架台。
【請求項9】
前記力蓄積要素(7)は、シリンダ(12)が前記垂直支持体(2)に及びピストンロッド(11)が前記水平支持体(4)に連結されるよう、該垂直支持体(2)と該水平支持体(4)との間に配設されること
を特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の架台。
【請求項10】
前記力蓄積要素(7)の前記シリンダ(12)は、10〜100mmの外径を有すること
を特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の架台。
【請求項11】
前記力蓄積要素(7)のピストンロッド(11)は、5〜50mmの外径を有すること
を特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の架台。
【請求項12】
前記力蓄積要素(7)は、前記シリンダ(12)の内部に、2〜10mm、好ましくは4mmの直径を有する複数の孔を有するピストンを備えること
を特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の架台。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、1又は2以上の力蓄積要素を備える、とりわけ手術用顕微鏡用の、架台に関する。ここに、力蓄積要素とは、一般的に、エネルギーないし力を受容し、所定のように再び放出するか、又は他のエネルギー形態に変換するのに適した要素(ないしシステム)をいう。力蓄積要素は、機械式、空気圧(駆動)式、液圧(駆動)式又はこれらの任意の組合せのばね(弾性装置)又はショックアブソーバとして構成される。とりわけ手術用顕微鏡のための架台構造体では、主として、ガス(圧)式バネが使用されるが、しかし上述の他の形式のばね(弾性装置)によっても実現できる。
【背景技術】
【0002】
架台構造体においてできるだけスペースを節約するために、力蓄積要素を備える架台では、バランスウェイトとして構成される対向アーム、又は水平支持体に対向配置されるべきバランスウェイトが省略される。その代わりに用いられる力蓄積要素は、とりわけ顕微鏡の負荷下で、水平支持体のレバー作用を受容する。このために力蓄積要素として使用されるガス(圧)式ばね(弾性装置)は、内部が中空でかつ1つのピストンによって分割(区分)された2つの圧力室を有するシリンダから構成される。このピストンは、圧力平衡(調整)を遅延的に(「弾性的に」)実行可能とする複数の小さな穴(ノズル)を有する。シリンダは閉鎖圧力系を構成するので、圧力平衡(化運動)は2つの圧力室の圧力が等しくなるまで実行される。
【0003】
ガス式ばね支持体を備える従来の架台は、一応有効なものとして使用されてはきたが、運動の一様性(ないし均一性)(Bewegungshomogenitaet)があまり大きくない架台にだけ使用される。より大きな運動空間にわたって使用されるべき架台及び/又は快適な運動案内を必要とする架台に対しては例えば天秤状のウェイト−バランスウェイトシステムのような他の支持形式が使用される。
【0004】
架台の従来のガス式ばね支持体は交換可能に構成され、使用される負荷に依存して、即ち異なる負荷に対し異なるガス式ばね(複数)が使用可能とされる。このことが必要であるのは、従来のガス式ばねの作用領域のバンド幅が狭いためである。架台の平衡状態を常に保証可能とするために、例えば付属装置に依存した手術用顕微鏡の種々異なる重量のバンド幅(複数)を、種々異なる強度のガス式ばね(複数)に分類・割当てることが必要である。換言すれば、例えば従来の狭い作用領域を有する(1つの)ガス式ばねを使用し、より大きい(重い)付属装置を装備した手術用顕微鏡を架台に所定の通り取り付け、これを任意の位置で平衡を図った後、この平衡化状態を崩したとすると、水平支持体は他の位置(複数)へ自動的に移動するであろう。
【0005】
従来のガス式ばね支持された架台は、顕微鏡が鉛直方向においてその運動円弧(円弧状の運動軌跡)に沿っていわゆる「コサイン曲線ないし関数」状の負荷レバー作用(以下「コサイン作用」という)を示すため、垂直支持体に対する水平支持体の角度位置に依存して支持作用が種々異なるという欠点を有する。負荷が垂直支持体から最も離れている状態(即ち水平支持体と垂直支持体とのなす角が直角の状態)にある架台の旋回位置では、支持アームとして作用するガス式ばねへの(レバー)力も最大である。
【特許文献1】EP 0 433 426 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
力蓄積要素としてガス式ばねを備える平衡装置を記載した文献がある(上掲特許文献1)。この平衡装置は、ピストンロッドの近位端部を案内する弓形ないし腎臓形の長穴案内部を垂直支持体に有し、他方シリンダはガス式ばねの遠位端部として水平支持体に旋回可能に結合されている。(本願では以下、「近位」とは「垂直支持体を指向する側」を、「遠位」とは「垂直支持体に背向する側、即ち水平支持体の自由端部を指向する側」をいうものとする。)弓形長穴案内部を備えるこの構造は、ガス式ばねのヒステリシスが不利に現れるのを、理論的ではあるが、阻止するものとされている。なお、ヒステリシスとは、一般に、作用する物理量ないし力の除去後の残留作用(例えば、磁性における残留磁化:Remanenz)に基づく、対象の物理的状態の先行の各状態に対する依存性をいう。
【0007】
しかしながら、実用上、この構造は以下の点で不利であることが示されている。即ち、ピストンロッドの近位端部は弓形長穴案内部内を連続的に(滑らかに)移動するのではなく、使用時に1つの極限位置から他の極限位置へトグルレバーのように(kniehebelartig)跳躍的に移動するため、利用者は、弓形長穴案内部内で支持の切り替えを行うために、跳躍点を超える付加的な運動をすることが要求される。
【0008】
それゆえ、本発明の課題は、一方では種々異なる負荷に対して調整可能にすることにより、種々異なる力蓄積要素(ガス式ばね)を種々異なる負荷に対して交換することを回避し、他方では顕微鏡の負荷下での水平支持体の不利なコサイン作用を回避し又はこの作用が障害とならないように減少するよう、(とりわけガス式ばね等の)力蓄積要素−支持体を備えるシステムを改善することである。さらにトグルレバー的な跳躍(的運動)作用も回避されるべきである。同時に、力蓄積要素は、手術用顕微鏡架台に対する典型的な要求を満たすことが望まれる。すなわち力蓄積要素は、凡そ2000Nの対向力を受容可能であることが望まれる。なお、これほど高度ないし高性能に構成された力蓄積要素は、従来のものであれば、凡そ18%のばねプログレッションを有することとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一視点により、垂直支持体と、該垂直支持体に連結された水平支持体と、該垂直支持体の近位連結点及び該水平支持体の遠位連結点に連結された力蓄積要素とを有する、とりわけ手術用顕微鏡のための架台が提供される。この架台において、架台の静摩擦が60N未満の値となるよう、少なくとも1つの力蓄積要素が10%未満、好ましくは9%未満のばねプログレッション(Federprogression)を有することを特徴とする(形態1・基本構成)。
(用語の定義)
ここに「ばねプログレッション」とは、ばねの伸縮ストロークの所定距離についてのばね作用力の特性曲線の線形(比例)特性曲線(即ち理想特性曲線)からの差(ずれ)の程度を言う。
【発明の効果】
【0010】
本発明の独立請求項1により、上記課題に対応する効果が達成される。即ち、本発明の架台においては、異なる負荷に対応して力蓄積要素を交換する必要がないうえ、(顕微鏡等の)負荷下での水平支持体の不利なコサイン作用を回避し又はこの作用が障害とならない程度に減少することができる。
更に、各従属請求項により、付加的な効果が後述の通りそれぞれ達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、上記基本構成を形態1として示すが、これらは従属請求項の対象でもある。
(2)上記形態1の架台において、前記近位連結点のための調整装置を備えることが好ましい(形態2)。
(3)上記形態2の架台において、前記調整装置は、スクリュウスピンドルと、案内部及び連結点を備えるキャリッジとを有し、及び手動又はモータ駆動的に調整可能に構成されていることが好ましい(形態3)。
(4)上記形態1〜3の架台において、前記水平支持体は、平行四辺形型支持体として構成されていることが好ましい(形態4)。
(5)上記形態1〜4の架台において、前記水平支持体の突出長さないし距離(Ausladung)は、500〜1500mmの範囲内にあること、好ましくは900mmであることが好ましい(形態5)。
(6)上記形態1〜5の架台において、前記遠位連結点は、前記水平支持体の前記遠位端部の継手の近傍に配されることが好ましい(形態6)。
(7)上記形態1〜6の架台において、前記力蓄積要素は、空気圧式、液圧式又は機械式ばね装置、とりわけガス式(空気圧式)ばねとして構成されることが好ましい(形態7)。
(8)上記形態1〜7の架台において、前記力蓄積要素は、空気圧式、液圧式又は機械式ばね装置のうちの少なくとも2つの組合せを含むばね装置として構成されることが好ましい(形態8)。
(9)上記形態1〜8の架台において、前記力蓄積要素は、シリンダが前記垂直支持体に及びピストンロッドが前記水平支持体に連結されるよう、該垂直支持体と該水平支持体との間に配設されることが好ましい(形態9)。
(10)上記形態1〜9の架台において、前記力蓄積要素(ガス式ばね)の前記シリンダは、10〜100mm、好ましくは40mmの外径を有することが好ましい(形態10)。
(11)上記形態1〜10の架台において、前記力蓄積要素(ガス式ばね)のピストンロッドは、5〜50mm、好ましくは14mmの外径を有することが好ましい(形態11)。
(12)上記形態1〜11の架台において、前記力蓄積要素(ガス式ばね)は、前記シリンダの内部に、2〜10mm、好ましくは4mmの直径を有する複数の孔を有するピストンを備えることが好ましい(形態12)。
【0012】
本発明においては、10%未満、好ましくは9%未満の定義されかつ選択されたばねプログレッション(従来のガス式ばねは平均で11〜60%を有する。)を有する力蓄積要素が選択される。この力蓄積要素は、可及的に大きな力を受容可能であると好ましい。有利には、この力は凡そ2000Nである。ばねプログレッション値を可及的に小さくすることにより、まさに外科的適用に対して典型的であるような小さな運動領域において妨害的に作用するヒステリシスを小さくすることも保証される。換言すれば、本発明により、水平支持体の運動が小さい場合に重要な役割を担う静摩擦が可及的に小さく(60N未満に)維持され、他方、水平支持体の運動がより大きい場合に関与する動摩擦は、比較的より大きな任意の値を有することができる。即ち、動摩擦の重要性は低い。なぜなら、水平支持体の大きな運動は、位置決め前(即ち、手術の準備的な状態)にのみ必要とされ、外科的使用(外科手術)中の微細なマニピュレーション(手動)操作の際には必要とされないからである。
【0013】
また、従来のように、ガス式ばねのピストンロッドを垂直支持体に取り付けかつガス式ばねのシリンダを水平支持体に取り付ける代わりに、新たに、ガス式ばね(等の力蓄積要素)のピストンロッドではなくガス式ばね(等の力蓄積要素)のシリンダを垂直支持体の調整可能な支承点に連結することによっても上記の課題を同時に又は代替的に解決することもできる。この場合、ガス式ばね(等の力蓄積要素)のピストンロッドは、新規な態様で、可及的に(垂直支持体から)離隔して水平支持体の遠位端部に連結すると都合がよい。この構成により、一方では、シリンダの重量が水平支持体の遠位端部から垂直支持体のより近くにおいて支持されるため、負荷のコサイン関数の不利な作用が減少される。更に、この構成により、妨害的な変化量がより小さくなる。なぜなら、この変化量は、新規な態様により、可動のより大きなシリンダ質量により決められるのではなく、可動のより小さなピストンロッド質量により決められるからである。他方、可及的に長いガス式ばね(等の力蓄積要素)は(圧力室(複数)がより大きくなるため、及びこれと関連するガス式ばね(等の力蓄積要素)において生じ得る圧力がより小さくなるため)、より良好なヒステリシス特性を有する。
【0014】
また、圧力室(複数)の容積がより大きく(この場合、ばねプログレッション値はより小さくなる。)及びこれと関連するヒステリシス特性がより良好であるので、できるだけ大きなシリンダ直径を有するガス式ばねを選択すると都合がよい。
【0015】
所望の適用目的に対して特別に構成されたガス式ばね(等の力蓄積要素)の更に有利な一実施形態では、ピストンロッドは、可及的に小さな外径を有する。このように構成することにより、更に、ヒステリシス特性を改善すること、及びとりわけ静摩擦の低減、特に動摩擦の増大にとって不都合な、所要の「始動力」の低減が可能となる。
【0016】
ガス式ばね(等の力蓄積要素)を改善する本発明の更なる一実施形態では、ピストンにノズル(複数)を穿つことである。従来のガス式ばねでは、このノズルの直径は1/10mmの範囲であったが、本発明においては、新規な態様で、約2mm以上、好ましくは約4mmである。このため、静摩擦は最小化される。
【0017】
更に、水平支持体が、通常の架台の場合と比べてより長い突出距離ないし長さ(Ausdehnung)を有すると都合がよい(例えば700mmの代わりに900mm)。この措置により、支持作用を奏するガス式ばね(等の力蓄積要素)の連結点における旋回角が小さいか、ないしは同じ大きさに維持される場合、負荷としての手術用顕微鏡の鉛直方向における旋回領域がより大きくなるだけではなく、活動(運動)半径もより大きくなる。
【0018】
本発明の架台の有利な一実施形態では、付加的に、(ガス式ばね等の)力蓄積要素の連結点の調整装置が配設される。この調整装置は、従来技術から既知のように、案内部を備えるキャリッジと継手とを有し、手動又はモータ駆動的に駆動可能なスクリュウスピンドルとして構成することができる。これについては、本出願人により同時(2004年4月12日)にドイツ連邦共和国に出願された出願(DE 10 2004 017 970.0)の優先権主張に基づく出願:特願2005-114255(出願日:2005年4月12日):代理人整理番号P7796EE(以下「同時出願」という。)に係る発明を本願と組合せて使用することができる。この同時出願には、本出願に開示された架台に使用可能な、双方向に作用する調整装置が開示されている。この同時出願の開示内容は、引用を以って本書に繰り込みここに記載されているものとみなす。
【0019】
通常は、手術用顕微鏡に対して使用されるような架台の水平支持体は、平行四辺形型支持体として構成される。しかしながら、単純に構成された水平支持体もまた本発明の枠内に含まれる。
【0020】
上述の通り、力蓄積要素は、ガス式ばねとして構成することができる。しかしながら、一般的な空気圧(駆動)式又は液圧(駆動)式又は機械式ばね(弾性装置)、又はこれらの任意の組合せとして構成することも可能である。
【0021】
更に、本発明は、力蓄積要素を1つだけ有する架台に限定されるものではなく、とりわけヒステリシス特性の改善の観点から、2又は3以上の(異なった種類・形式の)力蓄積要素を有する架台構成も本願の開示の枠内に含まれる。
【0022】
以下に、本発明に実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例は、発明の理解の容易化のためのものであり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を排除することは意図しない。また、特許請求の範囲に付した図面参照符号も発明の理解の容易化のためであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。これらの点に関しては補正・訂正後においても同様である。更に、図面は相互関連的・包括的に示されている。同じ参照符号は同じ構成要素を意味し、添え字の異なる参照符号は機能の同じ又は類似の構成要素を意味する。
【実施例】
【0023】
図1は、従来技術の架台構造体1を模式的に示す。架台1は、垂直支持体(支柱)2と、上側水平支持アーム4a及び下側水平支持アーム4bを備える平行四辺形型支持体として構成された水平支持体4からなる。水平支持体4の上側水平支持アーム4aにある連結点(枢支点)10と、プレート6の連結点9には、支持作用を奏する力蓄積要素7として、ガス式ばねが配設される。架台1は、ヒステリシス特性をポジティブに調整するための手段として、調整装置18を有する。この調整装置18は、線形ないし直線的には作用せず、弓形長穴案内部(カム)8を介して、連結点9の位置の調整(即ち、力蓄積要素7の長軸=半径の、連結点10を中心とした角度方向)を可能とする。
【0024】
ガス式ばね7は、シリンダ12によって遠位連結点10に、ピストンロッド11によって連結点9に配される。更に、この架台構造体は、継手3a〜dと顕微鏡支持体5とを有する。水平支持体4は旋回軸線13の周りで旋回する。水平支持体4は、更に、鉛直方向に旋回運動する際、運動円弧(継手3aの中心を支点とした継手3bの中心の円弧状運動軌跡14)を描く。
【0025】
図2は、本発明の架台構造体1の一例を示す。この架台構造体1は、図1に示した従来技術の架台構造体と同じように、垂直支持体(支柱)2と、平行四辺形型支持体として構成された水平支持体4(4a、4b)とを有する。更に、この架台構造体1は、スクリュウスピンドル15を備える調整装置18’を有する。この調整装置18’は、図1の調整装置18と対比すると、調整ホイール17での回転により手動で調整することができ、かつ線形(ないし直線的)に作用する。図2から明らかな通り、力蓄積要素7は、ピストンロッド11によって連結点(枢支点)10’に連結されている。この連結点10’は、水平支持体4の上側水平支持アーム4aの取り得る最も外側の遠位結合点に位置している。更に、図2(及び図1)から明らかな通り、力蓄積要素7は、(従来の力蓄積要素7と比べると、)長さがより大きいだけではなくシリンダ直径もより大きく、かつ近位連結点9’には、ピストンロッド11ではなくシリンダ12の基端が連結される。
【0026】
図3(a)〜図3(c)は、概略的に、垂直支持体に対する水平支持体の種々の角度に依存するレバー作用を模式的に示す(いわゆるコサイン作用ないし効果)。図3(a)は、水平位置(垂直支持体2と水平アーム(水平支持体)4との間のなす角が90゜)にある水平アーム(水平支持体)4を示す。水平アーム(水平支持体)4は、遠位端部において、負荷Gを担持する。この水平位置ないし状態において、水平アーム(水平支持体)4はレバー腕Lに相当し、かつ力蓄積要素7がレバー腕Lを支持する力Fは、垂直支持体2における水平支持体4の連結点20から(仮想の)距離Hの位置に存在(生成)する。この水平位置ないし状態では、モーメントのつり合い条件下においてL・G=H・Fである。図3(b)は、水平アーム(水平支持体)4が角度αだけ上方旋回した位置にある状態を示す。レバー腕L1は、この場合、L・cosαに相当する。この場合、L・G=H・Fである。図3(c)は、水平アーム(水平支持体)4が角度αだけ下方旋回した位置にある状態を示す。レバー腕Lは、L・cosαに相当し、式L・G=H・Fが成り立つ。
【0027】
図4は、本発明の力蓄積要素の一例のばね力特性線図を示す。動的ヒステリシス(dynamische Hysterese)は、差ΔF=F−FないしF−Fである。距離点sにおける静的始動力の差(静的ヒステリシス=静止摩擦に対応)即ち押込み力F’と押出し力F’の差(F’−F’)ないし(距離点sにおける)差F’−F’は、本発明に応じ、力軸(図示縦軸)から読み取れるように、60N未満である。力蓄積要素7のパラメータ(複数)は、本発明に応じ、ばねプログレッションが10%未満、好ましくは9%未満となるように選択される。ばねプログレッションは、ばね力特性線図において、FからFへの勾配(線形の特性曲線)ないしFからFへの勾配として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来技術の架台構造体の一例。
【図2】本発明の架台構造体の一例。
【図3】3つの異なる位置ないし状態((a)〜(c))におけるいわゆる「コサイン作用(効果)」を示す概略図。
【図4】本発明の力蓄積要素の一例のばね力線図。
【符号の説明】
【0029】
1 架台
2 垂直支持体(支柱)
3a〜d 継手
4 水平支持体
4a 上側水平支持アーム
4b 下側水平支持アーム
5 顕微鏡支持体
6 プレート
7 力蓄積要素
8 弓形長穴案内部(カム)
9 近位連結点(枢支点)
10 遠位連結点(枢支点)
11 ピストンロッド
12 シリンダ
13 水平支持体4の旋回軸線
14 負荷の運動円弧(円弧状運動軌跡)
15 スクリュウ(ねじ)スピンドル
16 キャリッジ
17 調整ホイール(ハンドル)
18 調整装置
19 キャリッジ16の案内部
20 水平支持体4の垂直支持体2への連結点
α 水平支持体4とL又はLとの角度
L レバー腕(レバーアーム)
G 負荷ないし重量
F 力
H 力蓄積要素7の連結点20からの高さないし距離
ピストンロッド11の最大行程
、s 測定が行われるピストンロッド11の距離点
終点
における押出し力
における押出し力
における押込み力
における押込み力
’ sにおける押出し力
’ sにおける押出し力
’ sにおける押込み力
’ sにおける押込み力
FRstat 静的摩擦力
【出願人】 【識別番号】500056219
【氏名又は名称】ライカ ミクロジュステムス(シュヴァイツ)アーゲー
【出願日】 平成17年4月12日(2005.4.12)
【代理人】 【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道

【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人

【識別番号】100116528
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 俊男

【公開番号】 特開2005−296664(P2005−296664A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2005−114553(P2005−114553)