| 【発明の名称】 |
放射線動態画像取得方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】千代 知成 【住所又は居所】神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】放射線動態画像を取得する際の解像度を向上させる
【解決手段】被写体3の心電図を検出し、拍動周期(1秒間)に第1時相から第5時相まで、5つの時相を割り付ける。最初のX線Lの照射を、第1拍目の第1時相で行い、放射線画像を取得する。順次、第2拍目の第2時相、第3拍目の第3時相、第4拍目の第4時相、第5拍目の第5時相でX線Lの照射を行い、それぞれ画像信号を出力する。このようにして取得した5枚の放射線画像を0.2秒間隔で組み合わせて放射線動態画像を生成する。この放射線動態画像を表示することにより、1つの拍動の擬似的な動画を表示することができる。なお、各X線Lの照射は、1.2秒間隔であるため、第1時相から第5時相までの画像信号を高解像度で取得することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 周期的に動く被写体へ向けて放射線を射出し、前記被写体を透過した放射線を検出して放射線画像を取得する画像取得動作を複数回繰り返すことにより、前記被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得方法において、 前記被写体の動態信号を検出し、該動態信号の所定周期毎に複数の時相を割り付け、所定周期毎に異なる時相において、前記被写体の放射線画像を取得し、取得された放射線画像に時相情報を関連付けて記憶し、これらの放射線画像を、該放射線画像に関連付けて記憶された前記時相情報が前記動態信号の周期開始に近い順に並べることにより、前記被写体の放射線動態画像を取得することを特徴とする放射線動態画像取得方法。 【請求項2】 周期的に動く被写体へ向けて放射線を射出し、前記被写体を透過した放射線を検出して前記被写体の放射線画像を取得する画像取得手段を有し、該画像取得手段により前記被写体の放射線画像を複数回取得することにより前記被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得装置において、 被写体の動態信号を検出する動態信号検出手段と、 該動態信号検出手段により検出された前記動態信号の所定周期毎に複数の時相を割り付け、所定周期毎に異なる時相において、前記被写体の放射線画像を取得するように、前記画像取得手段を制御する制御手段と、 取得された放射線画像に前記時相情報を関連付けて記憶する記憶手段と、 前記放射線画像を、該放射線画像に関連付けて記憶された時相情報が前記動態信号の周期開始に近い順に並べることにより前記被写体の動態画像を取得する動態画像生成手段とを備えたことを特徴する放射線動態画像取得装置。 【請求項3】 取得した複数の放射線画像から、これらの放射線画像を取得した各時相とは異なる時相の画像を補間により作成する補間画像生成手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の放射線動態画像取得装置。 【請求項4】 定期的に前記放射線動態画像を取得する場合に、前記動態信号に基づいて、前記放射線動態画像を取得するタイミングを設定するタイミング設定手段を備え、 前記制御手段が、前記タイミングに従って前記放射線動態画像を取得することを特徴とする請求項2または3記載の放射線動態画像取得装置。 【請求項5】 前記動態信号の非定常状態を検出する非定常状態検出手段を備え、 前記制御手段が、前記非定常状態検出手段において非定常状態が検出された場合には、自動的に前記放射線動態画像を取得することを特徴とする請求項2から4いずれか1項記載の放射線動態画像取得装置。 【請求項6】 被写体が心拍により周期的に動く生体部位または呼吸により周期的に動く生体部位であることを特徴とする請求項2から5いずれか1項記載の放射線動態画像取得装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は動く被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得方法および装置に関し、特に周期的に動く被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得方法および装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、医療診断等を目的とする医療用放射線撮影あるいは装置の被破壊検査等を目的とする工業用放射線撮影等の放射線撮影分野において、被写体を透過した放射線を検出して該放射線が担持していた放射線画像情報を画像信号として取得する種々の放射線画像取得装置が知られている。 【0003】 例えば、蓄積性蛍光体に放射線を照射すると、この放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光などの励起光を照射すると、蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光光が発光される。この蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、支持体上にこの蓄積性蛍光体を積層した蓄積性蛍光体シートに人体などの被写体を透過した放射線を照射することにより、放射線画像情報を一旦蓄積記録し、この蓄積性蛍光体シートにレーザ光などの励起光を照射して、輝尽発光光を生じさせ、この輝尽発光光を光電変換して画像信号を得る放射線画像取得装置がCR(Computed Radiography)として、広く実用に供されている。 【0004】 また、放射線画像情報を蓄積し、画像信号として読み取るものとしては、放射線画像情報を電荷潜像として記録する静電記録体を用いた放射線画像取得装置も提案されている。この装置では、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を静電記録体内の蓄電部に潜像電荷として蓄積させ、放射線画像情報を電荷潜像として記録すると共に、画像読取部によって、電荷潜像に応じた画像信号を蓄電部から読み出すものである。このような放射線画像取得装置については、種々のタイプのものが提案されている。例えば、電荷読取プロセスの面からは、TFT読出方式と光読出方式とのものがある。TFT読出方式とは、TFTを走査駆動して、蓄電部に蓄積した潜像電荷を画像信号に変換して出力するものであり、光読出方式とは、読取り用の電磁波(一般には可視光が用いられる)を照射して蓄電部に蓄積した潜像電荷を画像信号に変換して出力するものである。 【0005】 また、これらの放射線画像取得装置を用いて、動く被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得方法も本出願人などにより提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、動く被写体の放射線画像を時系列的に多数枚取得して放射線動態画像を生成している。 【特許文献1】特開平7−193751号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、上記特許文献1記載の放射線動態画像取得装置では、高解像度画像として放射線画像を取得する場合には、多量の画像信号を読み出す必要があり、画像信号の取得時間が長くなってしまうため、高解像度放射線画像を短時間で多数枚取得することは困難である。このために、静止画像を取得する場合には、高解像度画像として放射線画像を取得し、動態画像を取得する場合には、低解像度画像として放射線画像を取得している。このため、放射線動態画像を動画としてモニタなどに表示しても、観察者が高精細な機能診断を行うことが困難であるという問題がある。 【0007】 本発明は、上記事情に鑑み、取得する放射線動態画像の解像度を向上させることのできる放射線画像取得方法および装置を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の放射線動態画像取得方法は、周期的に動く被写体へ向けて放射線を射出し、前記被写体を透過した放射線を検出して放射線画像を取得する画像取得動作を複数回繰り返すことにより、前記被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得方法において、 前記被写体の動態信号を検出し、該動態信号の所定周期毎に複数の時相を割り付け、所定周期毎に異なる時相において、前記被写体の放射線画像を取得し、取得された放射線画像に時相情報を関連付けて記憶し、これらの放射線画像を、該放射線画像に関連付けて記憶された前記時相情報が前記動態信号の周期開始に近い順に並べることにより、前記被写体の放射線動態画像を取得することを特徴とするものである。 【0009】 本発明の放射線画像取得装置は、周期的に動く被写体へ向けて放射線を射出し、前記被写体を透過した放射線を検出して前記被写体の放射線画像を取得する画像取得手段を有し、該画像取得手段により前記被写体の放射線画像を複数毎取得することにより前記被写体の放射線動態画像を取得する放射線動態画像取得装置において、 被写体の動態信号を検出する動態信号検出手段と、 該動態信号検出手段により検出された前記動態信号の所定周期毎に複数の時相を割り付け、所定周期毎に異なる時相において、前記被写体の放射線画像を取得するように、前記画像取得手段を制御する制御手段と、 取得された放射線画像に前記時相情報を関連付けて記憶する記憶手段と、 前記放射線画像を、該放射線画像に関連付けて記憶された時相情報が前記動態信号の周期開始に近い順に並べることにより前記被写体の動態画像を取得する動態画像生成手段とを備えたことを特徴するものである。 【0010】 なお、ここで「所定周期毎に複数の時相を割り付ける」とは、1周期毎に複数の時相を割り付けてもよいし、2周期以上の周期毎に複数の時相を割り付けてもよい。例えば、具体的には、1周期に第1時相から第5時相までの5つの時相を割り付けてもよいし、2周期あるいは3周期に対して、第1時相から第5時相までの5つの時相を割り付けてもよい。 【0011】 また、「所定周期毎に異なる時相において、前記被写体の放射線画像を取得する」とは、例えば、具体的には第1周期に第1時相の放射線画像を取得し、第2周期に第2時相の放射線画像を取得し、・・・第n周期に第n時相の放射線画像を取得する場合を挙げることができる。あるいは、1周期に8つの時相を割り付け、第1周期では、第1時相と第6時相の放射線画像を取得し、第2周期では第3時相と第8時相の放射線画像を取得し、第3周期では第5時相の放射線画像を取得し、第4周期では、第2時相と第7時相の放射線画像を取得し、第5周期では第5時相の放射線画像を取得する場合等も含まれる。なお、取得する時相の順番は任意の順番であってもよいが、上記のように時相間隔を等間隔に設定すれば、最も効率よく放射線画像を取得することができる。 【0012】 取得した複数の放射線画像から、これらの放射線画像を取得した各時相とは異なる時相の画像を補間により作成する補間画像生成手段を備えてもよい。 【0013】 定期的に前記放射線動態画像を取得する場合に、前記動態信号に基づいて、前記放射線動態画像を取得するタイミングを設定するタイミング設定手段を備える場合であれば、 前記制御手段は、前記タイミングに従って前記放射線動態画像を取得するものであってもよい。 【0014】 なお、「放射線動態画像を取得するタイミング」とは、放射線動態画像を生成するための放射線画像を取得するタイミングを意味している。例えば、放射線動態画像を5枚の放射線画像から生成する場合であれば、これらの放射線画像の取得開始タイミングなどである。 【0015】 前記動態信号の非定常状態を検出する非定常状態検出手段を備えるものであれば、前記制御手段は、前記非定常状態検出手段において非定常状態が検出された場合には、自動的に前記放射線動態画像を取得するものであってもよい。 【0016】 なお、ここで「非定常状態」とは、動態信号が周期的ではない動きをした状態を意味している。 【0017】 被写体は、心拍により周期的に動く生体部位または呼吸により周期的に動く生体部位であってもよい。 【発明の効果】 【0018】 本発明の放射線動態画像取得方法および装置は、被写体の動態信号を検出し、該動態信号の所定周期毎に複数の時相を割り付け、所定周期毎に順次異なる時相において、被写体の放射線画像を取得し、取得された放射線画像に時相情報を関連付けて記憶し、これらの放射線画像を、該放射線画像に関連付けて記憶された前記時相情報が前記動態信号の周期開始に近い順に並べることにより、前記被写体の放射線動態画像を取得することにより、被写体の放射線画像を取得するための時間を十分の確保することができるので、取得する放射線画像の解像度を向上させることができる。また、高解像度で取得した放射線画像から構成される放射線動態画像をモニタなどに動画として表示した際には、観察者が高精細な機能診断を行うことが可能となる。 【0019】 取得した複数の放射線画像から、これらの放射線画像を取得した各時相とは異なる時相の画像を補間により作成する補間画像生成手段を備えれば、放射線動態画像のフレーム数を多くすることができ、モニタなどに動画として表示した場合の動きがスムーズになる。 【0020】 定期的に前記放射線動態画像を取得する場合に、前記動態信号に基づいて、前記放射線動態画像を取得するタイミングを設定し、該タイミングに従って前記放射線動態画像を取得することにより、容易に定期的に放射線動態画像を取得でき装置の利便性が向上する。 【0021】 前記動態信号の非定常状態を検出する非定常状態検出手段を備え、前記制御手段が、前記非定常状態検出手段において非定常状態が検出された場合には、自動的に前記放射線動態画像を取得することにより、容易に非定常状態の放射線動態画像を取得でき、装置の利便性がさらに向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態である放射線動態画像取得装置1の概略構成図である。図1に示すように、放射線動態画像取得装置1は、被験者10の心臓である被写体3の上部に配置された放射線源4、被写体3の下部に配置された画像検出部5および該画像検出部5と放射線源4とを制御する制御部6からなる画像取得部7と、被写体3の動態信号を検出する動態信号検出手段としての心電計9と、制御部6および心電計9と接続されているメイン制御部20と、該メイン制御部20に接続されている入力部11および表示部12とから構成されている。 【0023】 画像取得部7の放射線源4からはX線Lが被写体3に向け照射される。X線Lは被写体3を透過して画像検出部5へ照射される。被写体3を透過したX線Lは、被写体3の放射線画像情報を担持している。 【0024】 画像検出部5としては、放射線画像情報を潜像電荷として蓄電部に記録し、TFTを走査駆動して、蓄電部に蓄積した潜像電荷を画像信号に変換して出力するTFT読み出し方式の画像検出部が使用されている。画像検出部5から出力された画像信号は制御部6を介してメイン制御部20へ出力される。なお、被写体3の放射線画像を取得するタイミングなどの詳細は後述する。 【0025】 メイン制御部20は画像取得部7の制御部6から出力された画像信号を1枚分の放射線画像ごとに記憶する画像メモリ21と、制御部6へ、放射線画像を取得するタイミング信号A1〜Anを出力するタイミング信号生成部22と、画像メモリ21へ記憶された放射線画像の順番を入れ替えて放射線動態画像を生成する動態画像生成部23と、動態画像生成部23で生成された動態画像を記憶する画像メモリ24とを有している。 【0026】 以下、放射線動態画像の取得動作について説明し、その中でメイン制御部20の各部の動作の詳細について説明する。 【0027】 放射線動態画像の取得に先立ち、まず心電計9の不図示の電極を被験者10へ取り付ける。心電計9は、電極を介して、被験者10の心電図を取得し、メイン制御部20へ出力する。図2に心電計9で計測された心電図の一例を示す。心電図は縦方向に活動電位を示し横方向に時間的変化を示す。P波は心房が収縮するときに発生し、QRS波は心室が収縮するときに発生する。T波は心室が収縮したときに生じる波形であり、その後は略一定の波形Vが連続する。この波形Vは心室拡張期を即ち心臓が最大に拡張した状態を示す。 【0028】 メイン制御部20のタイミング信号生成部22では、まず、この心電図からR波が発生する平均周期を検出し、拍動周期とする。放射線動態画像の撮影者は、この拍動周期を参照して、放射線画像を取得する拍動数と、必要な解像度を入力部11を用いて設定する。放射線画像の取得枚数は、多ければ多いほど動態画像のフレーム数が多くなり、モニタなどに表示した場合の動画の動きはスムーズになる。しかし、放射線画像の取得枚数が多い場合には、各放射線画像を形成する画像信号の読出時間を十分に確保することが難しく、解像度を十分に大きくすることができない。なお、設定された解像度は、メイン制御部20を介して画像取得部7の制御部6へも設定される。 【0029】 例えば最も高い解像度(以下高解像度と記載)で放射線画像1枚分の画像信号を、画像検出部5から読み出すために必要な読み出し時間が1秒であり、最も高い解像度の半分の解像度(以下中解像度と記載)で、放射線画像1枚分の画像信号を読み出すために必要な読み出し時間が0.6秒であり、被検者の拍動周期が1秒である場合を例として説明する。 【0030】 まず、放射線画像を取得する拍動数(以下取得拍動数と記載)として5拍を設定し、必要な解像度として高解像度を設定した場合について説明する。なお、放射線画像を取得する間は、呼吸を停止することが好ましい。設定取得拍動数×周期を読み出し時間で除算し、その整数部分の値、この場合には5×1÷1の整数部分である5を求める。この値が、1周期に割り付ける時相の数となる。図3に示すように、各1秒間に第1時相から第5時相まで、5つの時相を割り付ける。最初のX線Lの照射を、第1拍目の第1時相の開始時点で行い、直ちに、画像検出部5から画像信号を出力する。その後は、直前の時相から取得拍動数分だけ後の時相、この場合には5個後の時相である第2拍目の第2時相の開始時点で2回目のX線Lの照射を行い、画像信号を出力する。次は第3拍目の第3時相の開始時点で、その次は第4拍目の第4時相の開始時点で、最後は第5拍目の第5時相の開始時点でX線Lの照射を行い、それぞれ画像信号を出力する。このように放射線画像を取得すれば第1時相から第5時相までの放射線画像を高解像度で取得することができる。なお、X線Lの照射間隔は1.2秒であるため、その間に高感度解像度の放射線画像1枚分の画像信号を出力することができる。 【0031】 すなわち、タイミング信号生成部22は、X線Lを照射するタイミングを指示するタイミング信号A1〜A5を1.2秒間隔で出力すればよい。 【0032】 次に、取得拍動数として5拍を設定し、必要な解像度として中解像度を設定した場合について説明する。まず取得拍動数×周期を読み出し時間で除算し、その整数部分の値、この場合には5×1÷0.6の整数部分である8を求める。図4に示すように、各1秒間に第1時相から第8時相まで、8つの時相を割り付ける。最初のX線Lの照射を、第1拍目の第1時相の開始時点で行う。その後は、直前の時相から取得拍動数分だけ後の時相、この場合には5個後の時相である第1拍目の第6時相の開始時点、次は第2拍目の第3時相の開始時点で、その次は第2拍目の第8時相の開始時点で、そして第3拍目の第5時相の開始時点、第4拍目の第2時相の開始時点、第4拍目の第7時相の開始時点、最後は第5拍目の第4時相の開始時点で、X線Lの照射を行う。なお、各X線Lの照射間隔は、0.625秒であるため、その間に中解像度の放射線画像1枚分の線画像信号を出力することができる。 【0033】 すなわち、タイミング信号生成部22は、0.625秒置きにタイミング信号A1〜A8を出力すればよい。 【0034】 画像取得部7では、タイミング信号生成部22からX線Lを照射するタイミング信号A1〜Anが入力されると、各タイミングで放射線源5からX線Lを射出させる。画像検出部5では、放射線画像情報を潜像電荷として蓄電部に記録し、蓄積した潜像電荷を画像信号に変換して制御部6を介してメイン制御部20へ出力する。なお、放射線画像の解像度として高解像度が設定されている場合には、画像検出部5から放射線画像の全画素に対応する画像信号が出力される。また中解像度が設定されている場合には、放射線画像の画素が間引きされ、全画素の半数の画素に対応する画像信号が出力される。 【0035】 メイン制御部20では、画像検出部5から出力された画像信号を、1枚分毎に放射線画像として画像メモリ21へ記憶する。なお、放射線画像を記憶する際には、その放射線画像を撮像した時相をその放射線画像と組み合わせて記憶する。全時相において撮像した放射線画像が全て記憶された後、動態画像生成部23は、時相順、すなわち、第1時相と組合された放射線画像、第2時相と組み合わされた放射線画像・・・第n時相と組み合わされた放射線画像の順番で放射線画像を読み出して、この順番で画像メモリ24へ放射線動態画像として再記憶する。その後、メイン制御部20は、画像メモリ24に記憶された放射線動態画像を表示部12へ動画として表示する。なお、表示する際には、各放射線画像の表示間隔を時相の間隔とし、また放射線動態画像を連続的に繰り返して表示する。このため、観察者は実際の心臓の拍動状態と近似した動画を見ることができる。 【0036】 以上の説明で明らかなように、本実施の形態における放射線動態画像取得装置では、 被写体3の心電図を検出し、この心電図のR波の出現周期を検出し、該周期である1秒間に複数の時相を割り付け、1周期毎に順次異なる時相において、被写体3の放射線画像を取得し、取得された放射線画像に時相情報を組み合わせて記憶し、これらの放射線画像を、該放射線画像に関連付けて記憶された時相情報が心電図の周期開始(R波)に近い順に並べることにより、被写体の放射線動態画像を取得しているので、画像検出器5から各放射線画像を形成する画像信号を読み出す時間を十分に確保することができるので、取得する放射線動態画像の解像度を向上させることができる。またこのため、放射線動態画像をモニタなどに表示した際に、観察者が高精細な機能診断を行うことが可能となる。なお、本実施の形態では、放射線画像の取得タイミングが等間隔となるようにタイミング信号A1〜Anを設定したが、これに限られるものではなく、全時相に対応する放射線画像を所望の拍動数内で取得可能であれば、その取得タイミングはいかなるものであってもよい。なお、本実施のように等間隔で放射線画像を取得すれば、最も効率よく放射線画像を取得することができる。 【0037】 次に、本発明の第2の実施形態である放射線動態画像取得装置2を図5に示して説明する。図5は、本発明の放射線動態画像取得装置2の概略構成図である。なお図5においては、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。 【0038】 メイン制御部30は、画像メモリ21と、画像取得部7へ放射線画像を取得するタイミング信号A1〜Anを出力するタイミング信号生成部31と、心電図信号の非定常状態を検出する非定常状態検出部32と、画像メモリ21へ記憶された放射線画像の順番を入れ替えて放射線動態画像を生成する動態画像生成部33と、動態画像生成部33で生成された動態画像を記憶する画像メモリ35とから構成されている。 【0039】 タイミング信号生成部31は、入力部11から設定された設定値に基づいて、定期的に放射線画像を取得するためのタイミング信号A1〜Anを出力するものである。また該非定常状態検出部32により非定常状態、すなわち心電図の通常の周期が乱れている状態が検出された場合には、直ちにタイミング信号A1〜Anを出力するものである。 【0040】 また、動態画像生成部33は、画像メモリ21へ記憶された放射線画像の順番を入れ替えて放射線動態画像を生成する。また、時相の連続する2枚の放射線画像から、これらの放射線画像を取得した各時相の中間の時相に相当する画像を補間により作成する補間画像生成部34を備え、取得した放射線画像と、補間により作成した補間放射線画像とを組み合わせた補間放射線動態画像を生成する。 【0041】 以下、放射線動態画像の取得動作について説明し、その中でメイン制御部30の各部の動作の詳細について説明する。 【0042】 タイミング信号生成部31では、まず、心電計9から入力された被験者2の心電図からR波が発生する平均周期を検出し、拍動周期とする。 【0043】 放射線動態画像の撮影者は、この拍動周期を参照して、放射線画像を取得する拍動数と、必要な解像度を入力部11を用いて設定する。また同時に、定期的に放射線動態画像の取得を繰り返す場合、例えば120拍動毎に放射線動態画像を繰り返す場合等には、その周期を入力する。また通常の放射線動態画像生成モードまたは後述する補間放射線動態画像生成モードを選択する。 【0044】 タイミング信号生成部31は、心電図から拍動回数を計数し、設定された周期である120拍動毎にタイミング信号A1〜Anを出力する。なお、呼吸停止を指示するために、115拍動を検出した時点で、ブザー等により撮像が開始されることを被験者10へ報知することが好ましい。また、非定常状態検出部32により心電図に不整脈などの非定常状態が検出された場合には、直ちにタイミング信号A1〜Anを出力する。 【0045】 画像取得部7では、タイミング信号生成部31からタイミング信号A1〜Anが入力されると、放射線画像の撮像を行い、画像信号をメイン制御部30へ出力する。 【0046】 メイン制御部30では、画像取得部7から出力された画像信号を、1枚分毎に時相と組み合わせて放射線画像として画像メモリ21へ記憶する。タイミング信号A1〜Anにおいて撮像した画像信号が全て記憶された後、放射線動態画像生成モードが選択されていた場合には、動態画像生成部33は、順次、第1時相と組合された放射線画像、第2時相と組み合わされた放射線画像、・・・、第n時相と組み合わされた放射線画像を読み出して、この順番で画像メモリ35へ放射線動態画像として再記憶する。また、補間放射線動態画像生成モードが選択されていた場合には、補間画像生成部34において、時相の連続する2枚の放射線画像から、これらの放射線画像を取得した各時相の中間の時相に相当する画像を補間により作成する。例えば第1時相〜第5時相までに対応する5枚の放射線画像を取得している場合であれば、第1時相と対応する放射線画像と、第2時相に対応する放射線画像から、その間の時相を便宜的に第1.5時相とすると、この第1.5時相に対応する画像を補間により作成するものである。具体的には、例えば2枚の画像から対応する点を多数選択して、段階的に変形するワーピング方式のモーフィング処理などにより1.5時相に対応する補間放射線画像を生成することができる。同様に、第2.5時相、第3.5時相、第4.5時相、第5.5時相に対応する補間放射線画像を生成する。その後、取得した放射線画像と、補間により作成した補間放射線画像とを、第1時相、第1.5時相、第2時相、第2.5時相・・・・第5時相、第5.5時相の順序で組み合わせて補間放射線動態画像を生成し、画像メモリ35へ記憶する。なお、上記モーフィング処理等により補間放射線画像を生成する場合には、2つの時相に対応する2枚の放射線画像から、その2つの時相の間であれば、任意の時相に対応する放射線画像を生成することが可能である。 【0047】 メイン制御部30は、画像メモリ35に記憶された放射線動態画像または補間放射線動態画像を表示部12へ動画として表示する。なお、放射線動態画像を表示する際には、各放射線画像の表示間隔を時相の間隔とし、補間放射線動態画像を表示する際には、各放射線画像および補間放射線画像の表示間隔を時相の1/2の間隔として、動態画像を連続的に繰り返して表示する。このため、観察者は実際の心臓の拍動状態と近似した動画を見ることができる。 【0048】 以上の説明で明らかなように、本実施の形態における放射線動態画像取得装置2では、第1の実施の形態における効果と同様な効果が得られ、また、取得した複数の放射線画像から、これらの放射線画像を取得した各時相の中間の時相の画像を補間により作成する補間画像生成部34を備えたことにより、補間放射線動態画像のフレーム数を多くすることができ、モニタなどに動画として表示した場合の動きがスムーズになる。 【0049】 さらに、定期的に放射線動態画像を取得する場合に、心電図に基づいて、放射線動態画像を取得するタイミングを設定し、該タイミングに従って放射線動態画像を取得するため、容易に定期的に放射線動態画像を取得でき装置の利便性が向上する。 【0050】 また、心電図の非定常状態を検出した場合には、自動的に放射線動態画像を取得するため、容易に非定常状態の放射線動態画像を取得でき、装置の利便性がさらに向上する。 【0051】 なお、放射線画像を記憶する際に、X線Lを放射した時の時相情報に加え、心電図情報を組み合わせて記憶することが好ましい。全時相の放射線画像の取得後に、放射線画像の取得タイミングと心電図とを比較し、実際に放射線画像を取得した時の時相と、放射線画像に組み合わされて記憶されている時相との間にずれが生じている場合、あるいは放射線画像の取得に失敗している場合などには、上記補間画像生成部34により、適宜適切な補間放射線画像を生成して使用することができる。 【0052】 また、本実施の形態では、心臓の放射線動態画像を取得したが、これに限られるわけではなく、例えば血管等の放射線動態画像を取得することもできる。また、動態信号検出手段として心電計を使用し、心電図から拍動の情報を検出したが、心電計に代わりに脈波計を用いることもできる。なお脈波計としては、光電式脈波計、圧電式脈波計、パルスオキシメータ、加速度脈波計等の種々の形態のものが使用できる。 【0053】 さらに、呼吸により定期的に動く、肺などの放射線動態画像を取得することもできる。この場合には、呼吸モニタベルト、光学カメラ、スパイロメータ、肺活量計等を呼吸の動態を検出する動態信号検出手段として用いることができる。 【0054】 また、本発明は、車のエンジン等の放射線動態画像を取得する際にも適応することができる。クランクやシャフト等の外部の動きを公知の光学的、電磁気的手段により検知し、車のエンジン内部等の周期的に動く部分の放射線動態画像を取得することができる。 【図面の簡単な説明】 【0055】 【図1】第1の実施の形態である放射線動態画像取得装置の概略構成図 【図2】心電図の説明図 【図3】心電図へ割り付ける時相の説明図 【図4】心電図へ割り付ける時相の説明図 【図5】第2の実施の形態である放射線動態画像取得装置の概略構成図 【符号の説明】 【0056】 1、2 放射線動態画像取得装置 3 被写体 4 放射線源 5 画像検出部 6 制御部 7 放射線画像取得部 9 心電計 10 被験者 11 入力部 12 表示部 20,30 メイン制御部 21、24、35 画像メモリ 22、31 タイミング信号生成部 23、33 動態画像生成部 32 非定常状態検出部 34 補間画像生成部 L 放射線
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
|
| 【出願日】 |
平成16年3月26日(2004.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468 【弁理士】 【氏名又は名称】佐久間 剛
|
| 【公開番号】 |
特開2005−278659(P2005−278659A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月13日(2005.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願2004−92712(P2004−92712) |
|