| 【発明の名称】 |
内視鏡用突没型処置具 |
| 【発明者】 |
【氏名】大内 輝雄 【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 ペンタックス株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】先端処置片の可撓性シースの先端からの突出長を任意に調整及び保持することができるようにし、さらに軸線周りの回転方向も任意に調整及び保持することができるようにして、術者が所望する通りの適切で正確な内視鏡的処置を容易に行うことができる内視鏡用突没型処置具を提供すること。
【解決手段】可撓性シース1の少なくとも先端付近の部分を可撓性チューブで形成すると共に、先端処置片3から可撓性チューブの径方向に広がる形状に形成されて可撓性チューブを径方向に押し広げる幅広部分3cを、先端処置片3の基部付近に形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可撓性シースの先端から前方に向かって突没する先端処置片が設けられて、上記可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤの先端に上記先端処置片が連結された内視鏡用突没型処置具において、 上記可撓性シースの少なくとも先端付近の部分を可撓性チューブで形成すると共に、上記先端処置片から上記可撓性チューブの径方向に広がる形状に形成されて上記可撓性チューブを径方向に押し広げる幅広部分を、上記先端処置片の基部付近に形成したことを特徴とする内視鏡用突没型処置具。 【請求項2】 上記操作ワイヤと上記可撓性シースを基端側から相対的に軸線周りに回転させることができる請求項1記載の内視鏡用突没型処置具。 【請求項3】 上記操作ワイヤの先端部分が上記先端処置片の幅広部分の幅の中心線の延長線上に配置されている請求項2記載の内視鏡用突没型処置具。 【請求項4】 上記先端処置片が、断面形状が偏平な細長いロッド状に形成されている請求項1、2又は3記載の内視鏡用突没型処置具。 【請求項5】 上記先端処置片が、断面形状が偏平な細長いロッドの先端部分を幅広に形成したへら状に形成されている請求項1、2又は3記載の内視鏡用突没型処置具。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて使用される内視鏡用突没型処置具に関する。 【背景技術】 【0002】 内視鏡用処置具には膨大な種類があるが、可撓性シースの先端から前方に向かって突没する先端処置片が、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤの先端に連結された内視鏡用突没型処置具が、高周波切開具等として広く用いられている(例えば、特許文献1)。 【特許文献1】特開平8−299355 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかし、上述のように先端処置片が操作ワイヤの先端に単純に連結された構造では、先端処置片を可撓性シースの先端から最大限まで突出させるか、可撓性シースの先端内に最大限に引き込むかのいずれかの状態以外では、可撓性シースの先端からの先端処置片の突出長が不安定なため、使用中に一定の突出長を維持することが困難で適切な処置を正確に行うことができない場合があった。 【0004】 また、先端処置片を粘膜面に押し付けると、可撓性シースの先端部分で先端処置片が軸線周りに簡単に回転してしまうため、術者が狙った通りの粘膜切開等を正確に行うことができない場合が少なくなかった。 【0005】 そこで本発明は、先端処置片の可撓性シースの先端からの突出長を任意に調整及び保持することができるようにし、さらに軸線周りの回転方向も任意に調整及び保持することができるようにして、術者が所望する通りの適切で正確な内視鏡的処置を容易に行うことができる内視鏡用突没型処置具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用突没型処置具は、可撓性シースの先端から前方に向かって突没する先端処置片が設けられて、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤの先端に先端処置片が連結された内視鏡用突没型処置具において、可撓性シースの少なくとも先端付近の部分を可撓性チューブで形成すると共に、先端処置片から可撓性チューブの径方向に広がる形状に形成されて可撓性チューブを径方向に押し広げる幅広部分を、先端処置片の基部付近に形成したものである。 【0007】 なお、操作ワイヤと可撓性シースを基端側から相対的に軸線周りに回転させることができるようにするとよく、その場合、操作ワイヤの先端部分が先端処置片の幅広部分の幅の中心線の延長線上に配置されているとよい。 【0008】 また、先端処置片が、断面形状が偏平な細長いロッド状に形成されていてもよく、或いは、断面形状が偏平な細長いロッドの先端部分を幅広に形成したへら状に形成されていてもよい。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、可撓性シースの少なくとも先端付近の部分を可撓性チューブで形成すると共に、先端処置片から可撓性チューブの径方向に広がる形状に形成されて可撓性チューブを径方向に押し広げる幅広部分を、先端処置片の基部付近に形成したことにより、任意に調整した先端処置片の可撓性シースの先端からの突出長を安定して保持することができ、さらに、任意に調整した軸線周りの回転方向も安定して保持することができるので、術者が所望する通りの適切で正確な内視鏡的処置を容易に行うことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 可撓性シースの先端から前方に向かって突没する先端処置片が設けられて、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤの先端に先端処置片が連結された内視鏡用突没型処置具において、可撓性シースの少なくとも先端付近の部分を可撓性チューブで形成すると共に、先端処置片から可撓性チューブの径方向に広がる形状に形成されて可撓性チューブを径方向に押し広げる幅広部分を、先端処置片の基部付近に形成する。 【実施例】 【0011】 図面を参照して本発明の実施例を説明する。 図2は本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の全体構成を示しており、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような電気絶縁性のある可撓性チューブからなる可撓性シース1内に、導電性のある操作ワイヤ2が軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。なお、可撓性シース1は、少なくとも先端部分付近が可撓性チューブにより形成されていればよい。 【0012】 操作ワイヤ2の先端には、ステンレス鋼パイプ材等からなる接続パイプ4を介して、例えばステンレス鋼板等からなる先端処置片3が可撓性シース1の先端から突没自在に連結されている。 【0013】 可撓性シース1の基端側には、操作ワイヤ2を進退操作するための操作部10が連結されていて、操作部本体11の手元側端部には固定指掛け12が設けられ、操作部本体11に対してスライド自在に取り付けられた可動指掛け13に、可撓性シース1から真っ直ぐに操作部10側に引き出された操作ワイヤ2の基端が連結されている。 【0014】 したがって、操作部10において可動指掛け13を矢印Pで示されるように進退操作することにより、可撓性シース1内で操作ワイヤ2が軸線方向に進退し、それによって先端処置片3が矢印Qで示されるように可撓性シース1の先端から突没する。 【0015】 図1は、内視鏡用突没型処置具の先端部分を示しており、この先端処置片3は、可撓性シース1の先端部分の軸線と平行に向いた断面形状が偏平な細長いロッド状部分3aを有しており、そのロッド状部分3aが機械的な針状メスとして機能する。ただし、操作ワイヤ2を介して先端処置片3に高周波電流を通電することができるようにしても差し支えない。 【0016】 先端処置片3の基部側には、ロッド状部分3aの基部から側方に両側に均等に広がる形状の幅広部分3cが形成されており、操作ワイヤ2の先端部分2aが幅広部分3cの中心線Xの延長線上に位置するように配置されている。 【0017】 幅広部分3cは、可撓性シース1内に引き込まれる際に可撓性シース1の端面に引っ掛からないように角部分が45°面取りされている。ただし、アール面取り等でも差し支えない。3dは、接続パイプ4と連結するために幅広部分3cから後方に延出する幅細部分である。 【0018】 先端処置片3の幅広部分3cの幅Wは、可撓性シース1の内径(直径)dよりやや大きな寸法に形成されている。即ち、W>dであり、その寸法差である(W−d)は、例えばdが1.5mmのとき、0.1〜0.4mm程度(即ち、1.07d≦W≦1.26d)である。 【0019】 その結果、図3に示されるように、操作ワイヤ2を操作部10側から矢印Aで示されるように牽引して幅広部分3cを可撓性シース1の先端内に引き込むと、IV−IV断面を図示する図4に示されるように、幅広部分3cが可撓性チューブからなる可撓性シース1の先端部分を押し広げる状態でそこにガタつきなく嵌まり込む。 【0020】 そして、図5に示されるように、操作ワイヤ2を操作部10側から矢印Bで示されるように最大限まで牽引すると、先端処置片3を可撓性シース1の先端内に完全に引き込むことができる。 【0021】 このように形成された内視鏡用突没型処置具の使用時には、図6に示されるように、操作ワイヤ2を操作部10側から矢印Cで示されるように適宜の状態に進退操作することにより、先端処置片3を可撓性シース1の先端から任意の長さLだけ突出した状態で静止させることができる。 【0022】 この状態では、幅広部分3cが可撓性シース1から受ける反力(押圧力)により、先端処置片3が可撓性シース1の先端部分に固定されており、この固定力より小さな外力が先端処置片3に作用しても先端処置片3は可撓性シース1の先端に対して動かない。 【0023】 したがって、先端処置片3を粘膜面に押し付けただけで先端処置片3が可撓性シース1内に引っ込んでしまうような現象が発生せず、術者が狙った通りの処置を容易に行うことができる。 【0024】 図7は、本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端部分を示しており、第1の実施例の先端処置片3のロッド状部分3aの先端部分にへら状部分3bを形成したものである。 【0025】 このへら状部分3bの幅W′は、幅広部分3cの幅Wとほぼ同じか、Wよりやや小さい程度に形成されている。その他の先端部分の構成は第1の実施例と同じなので、それらについての説明は省略する。 【0026】 図8は、第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の全体構成を示しており、操作部10の可動指掛け13には、図示されていない高周波電源コードを接続するための接続端子14が取り付けられており、操作ワイヤ2を介して先端処置片3に高周波電流を通電することができる。 【0027】 また、可撓性シース1の基端部分は、操作部10の操作部本体11に対して軸線方向には固定されているが、軸線周りには回転自在に取り付けられており、そのような可撓性シース1の基端に保持環5が固着されている。 【0028】 したがって、保持環5を保持して操作部10を矢印Rで示されるように軸線周りに回転させることにより、固定された状態の可撓性シース1内で操作ワイヤ2が軸線周りに回転し、それによって可撓性シース1の先端において先端処置片3が軸線周りに回転する。 【0029】 したがって、図7及び図8に示されるように可撓性シース1の先端から先端処置片3全体を突出させた状態で、操作部10において、可撓性シース1に対して操作ワイヤ2を軸線周りに回転させる操作を行えば、可撓性シース1の先端におけるへら状部分3bの向きを任意に制御することができる。 【0030】 このように構成された第2の実施例の内視鏡用突没型処置具は、図9に示されるように、操作ワイヤ2を操作部10側から矢印Dで示されるように最大限まで牽引すると、先端処置片3を可撓性シース1の先端内に完全に引き込むことができる。 【0031】 そして内視鏡用突没型処置具の使用時には、図10に示されるように、操作ワイヤ2を操作部10側から矢印Eで示されるように適宜の状態に進退操作することにより、先端処置片3を可撓性シース1の先端から任意の長さL′だけ突出した状態で静止させることができる。 【0032】 この状態では、幅広部分3cが可撓性シース1から受ける反力(押圧力)により、先端処置片3が可撓性シース1の先端部分に固定されており、この固定力より小さな外力がへら状部分3bに作用しても、先端処置片3は可撓性シース1の先端に対して軸線方向への移動も軸線周りの回転もしない。 【0033】 したがって、へら状部分3bを粘膜面に押し付けただけで、先端処置片3が可撓性シース1の先端部分で軸線周りに回転してしまったり、可撓性シース1内に引っ込んでしまうような現象が発生せず、術者が狙った通りの処置を容易に行うことができる。 【0034】 また、図11に示されるように、可撓性シース1の先端から先端処置片3全体を突出させた状態にすれば、操作部10からの操作により、可撓性シース1の先端部分においてへら状部分3bの向き(軸線周りの回転方向)を矢印rで示されるように任意に制御することができる。 【0035】 そして、へら状部分3bが所望の向きになった状態で、図12に示されるように操作ワイヤ2を操作部10側から牽引操作して幅広部分3cを可撓性シース1内に引き込めば、へら状部分3bが所望の向きで可撓性シース1の先端から任意の長さL″だけ突出した安定状態にすることができ、その状態で安全に高周波切開処置等を行うことができる。 【0036】 図13は、そのような第2の実施例の内視鏡用突没型処置具を内視鏡50の処置具挿通チャンネル51から突出させて、観察窓52を通して観察しながら、へら状部分3bを粘膜面100に対して垂直に接触させて粘膜切開処置をしている状態を示し、図14は、へら状部分3bを粘膜面100の裏側に水平に差し込んで粘膜剥離処置をしている状態を示しており、このような高度な内視鏡的処置を容易かつ安全に行うことができる。 【0037】 なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、第2の実施例と同様に第1の実施例においても、可撓性シース1と操作ワイヤ2とを軸線周りに相対的に回転自在に構成してもよい。また、先端処置片3の幅広部分3cの断面形状は、図15及び図16に示されるように、小判形や方形等であっても差し支えない。 【図面の簡単な説明】 【0038】 【図1】本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片が可撓性シースの先端から完全に突出した状態の先端部分の側面斜視図である。 【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の全体構成を示す外観図である。 【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片の幅広部分が可撓性シースの先端内に引き込まれた状態の先端部分の側面斜視図である。 【図4】本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の図3におけるIV−IV断面図である。 【図5】本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片が可撓性シースの先端内に最大限まで引き込まれた状態の先端部分の側面斜視図である。 【図6】本発明の第1の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片が中程まで可撓性シースの先端内に引き込まれた状態の先端部分の側面斜視図である。 【図7】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片が可撓性シースの先端から完全に突出した状態の先端部分の側面斜視図である。 【図8】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の全体構成を示す外観図である。 【図9】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片が可撓性シースの先端内に最大限まで引き込まれた状態の先端部分の側面斜視図である。 【図10】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片が中程まで可撓性シースの先端内に引き込まれた状態の先端部分の側面斜視図である。 【図11】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片を軸線周りに回転させている状態の先端部分の側面斜視図である。 【図12】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の先端処置片を軸線周りに回転させてへら状部分の中程までを可撓性シースの先端内に引き込んだ状態の先端部分の側面斜視図である。 【図13】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の使用状態の一例を示す略示図である。 【図14】本発明の第2の実施例の内視鏡用突没型処置具の使用状態の他の例を示す略示図である。 【図15】本発明の実施例の内視鏡用突没型処置具の変形例を示す、第1の実施例のIV−IV断面図に相当する断面図である。 【図16】本発明の実施例の内視鏡用突没型処置具の他の変形例を示す、第1の実施例のIV−IV断面図に相当する断面図である。 【符号の説明】 【0039】 1 可撓性シース 2 操作ワイヤ 3 先端処置片 3a ロッド状部分 3b へら状部分 3c 幅広部分 10 操作部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000527 【氏名又は名称】ペンタックス株式会社 【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号
|
| 【出願日】 |
平成16年3月24日(2004.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091317 【弁理士】 【氏名又は名称】三井 和彦
|
| 【公開番号】 |
特開2005−270240(P2005−270240A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月6日(2005.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−85846(P2004−85846) |
|