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【発明の名称】 X線診断装置
【発明者】 【氏名】中村 正
【住所又は居所】東京都千代田区内神田1丁目1番14号 株式会社日立メディコ内

【要約】 【課題】X線像とX線補償フィルタの挿入位置を同時に認識可能として、X線補償フィルタの挿入位置が適正に挿入されていることを確認する.

【解決手段】X線補償フィルタ5を移動した際に、透視画像中のX線補償フィルタ5の先端を算出するX線補償フィルタ挿入位置算出手段14と、算出された座標に沿って点線を透視画像内に表示する点線描画手段15を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を被検体に照射するX線照射手段と、このX線照射手段と対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、このX線検出手段によって検出された透過X線をX線像として表示する表示手段と、前記X線照射手段と前記X線検出器の間に配置され前記X線検出手段によって検出される透過X線のうちのハレーション現象を抑制するために設けられるX線補償フィルタ手段と、を備えたX線診断装置において、前記X線補償フィルタの先端位置を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された先端位置に従って前記X線補償フィルタの先端部分の描画像を生成する生成手段と、この生成手段によって生成された描画像を前記X線像と共に前記表示手段に表示制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするX線診断装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、X線補償フィルタの挿入先端部を、透視画像内に表示し、X線補償フィルタを正確に挿入・退避することにより、X線の被曝量低減及びX線画像診断像を補助するのに好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、X線画像診断において、特に胸部では、肺野部はX線吸収が少なく、椎体部はX線吸収が多いため、椎体部が見えるように、X線条件を制御すると、肺野部が明るくなりすぎてしまう問題があった。このため、X線補償フィルタを明るくなりすぎた部分に挿入し、明るさを抑えていた。しかし、X線補償フィルタはコリメータと異なりX線を完全に吸収せず、画像内に違和感なく存在することが重要であった。そのため、特にX線補償フィルタの先端部は、勾配を形成し、先端部がはっきりと分からないような工夫をしていた。このため、X線補償フィルタを移動させた場合に、どこにX線補償フィルタの先端が存在するのか分からなくなることがあった。このため、X線補償フィルタを入れたつもりが、十分な位置まで挿入されておらず、撮影画像がハレーションを起こしていることがあった。従来のX線補償フィルタの挿入位置を表示するための手段としては、[特許文献1]に記載されたように、X線画像表示モニタとは別の表示窓に、簡易的にX線補償フィルタの挿入位置を表示する方法があった。
【特許文献1】特開2000-5156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、[特許文献1] で示されたX線補償フィルタの設定位置は、透視画像の表示装置とは別の表示装置であるという問題があった。このため、X線補償フィルタの挿入位置を確認するためには、X線補償フィルタの表示装置を見なくてはならないため、透視画像用表示装置との視点の移動が多くなってしまう問題があった。また、フィルタを挿入してもハレーションを防ぐことができないことがあり、この場合には、フィルタが挿入されていないのか、既に挿入されているが更にX線条件を下げる必要があるのかが分かりにくい問題がった。更に、フィルタが既に入っていて、明るさが不足しているのか、X線条件が不足していて明るさが不足しているのかが分かりにくい問題があった。
【0004】
本発明は、X線像とX線補償フィルタの挿入位置を同時に認識可能として、X線補償フィルタの挿入位置が適正に挿入されていることを確認すると共に、フィルタの位置ずれによるX線像の撮り直しを回避することでX線被曝の低減ができるX線診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明は以下の様に構成される。
(1)X線を被検体に照射するX線照射手段と、このX線照射手段と対向配置され前記被検体の透過X線を検出するX線検出手段と、このX線検出手段によって検出された透過X線をX線像として表示する表示手段と、前記X線照射手段と前記X線検出器の間に配置され前記X線検出手段によって検出される透過X線のうちのハレーション現象を抑制するために設けられるX線補償フィルタ手段と、を備えたX線診断装置において、前記X線補償フィルタの先端位置を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された先端位置に従って前記X線補償フィルタの先端部分の描画像を生成する生成手段と、この生成手段によって生成された描画像を前記X線像と共に前記表示手段に表示制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
(2)前記(1)において、X線補償フィルタを動かしたときのみ、X線補償フィルタの先端位置を透視画像内に表示することを特徴とする。
(3)前記(1)において、X線補償フィルタの移動とは関係なく、一定時間毎に、X線補償フィルタの先端位置を透視画像内に表示することを特徴とする。
(4)前記(1)において、透視のためにX線を照射した後の一定時間のみ、X線補償フィルタの先端位置を表示することを特徴とする。
(5)前記(2)において、X線の照射を止めた後に、一定時間X線補償フィルタの先端位置を表示することを特徴とする。
(6)前記(1)において、X線補償フィルタ位置表示スイッチを設け、スイッチが押されたときのみ、X線補償フィルタの先端位置を表示することを特徴とする。
これらにより、透視中のX線補償フィルタの挿入位置を容易に認識可能となり、更に、必要な時以外は挿入位置を表示しないため、透視画像を集中して、観察することができるようになる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、X線像とX線補償フィルタの挿入位置を同時に認識可能として、X線補償フィルタの挿入位置が適正に挿入されていることを確認すると共に、フィルタの位置ずれによるX線像の撮り直しを回避することでX線被曝の低減ができるX線診断装置を提供することができる。
また、X線補償フィルタの挿入位置は、透視画像に付加して表示されるため、透視画像表示装置のみを観察すればよく、視点の移動も少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図1は本発明における一実施例のX線装置の概略構成を説明するためのブロック図であり、1はX線を照射するX線管、2はX線管1を制御するためのX線制御手段、3はX線管1に与える高電圧を発生させるための高電圧発生手段、4はX線照射野を設定するためのX線コリメータ、5はX線の強度分布を制御するためのX線補償フィルタ、6はX線補償フィルタ5を制御するためのフィルタ制御手段、7は寝台、8は被検体を透過したX線の強度に応じた画素データを出力するX線平面検出器、9は平面検出器8を制御するための平面検出器制御手段、9はX線平面検出から出力される画像データの補正・表示処理を行うための画像表示処理手段、10は画像データを表示するための表示出力手段となっている。また、12が各制御手段を制御するための中央処理手段となっている。
【0008】
通常、撮影する前に、位置合わせを目的として、低線量による透視が行われる。透視は、低解像度の画像を高速に収集することで、実時間によるX線画像を得ることができる。X線平面検出器8は、例えば30cm×30cm程度の有効視野があるが、実際に観察するのは、図4に示した関心領域Rのみである。この場合、関心領域R以外の領域にX線コリメータ4を挿入し、関心領域RのみにX線が透過するようにする。更に、関心領域R内で、X線の強度を弱めたい領域には、X線補償フィル5を挿入する。この場合、X線装置を操作する技師は、画像表示出力手段10を見ながら、X線補償フィル制御手段6を操作することで、必要な領域にX線補償フィルタ5を挿入していく。期待する透視画像を得られたら、撮影を行う。撮影画像は、瞬時に、画像表示手段10に表示される。技師は撮影画像を確認した後、希望する撮影画像の回数だけ上記作業を繰り返す。
【0009】
また、X線補償フィルタ5は、図4に示すように、数枚の羽を組み合わせて使用する。X線補償フィルタの断面図を図3に示す。このように、X線補償フィルタは、先端を強調しないように、先端側に勾配が形成されている。X線補償フィルタ5は、X線補償フィルタ制御手段6により、左右の羽や上下の羽を同時に動かしたり、すべてを独立して動かすことができる。
【0010】
本発明の第一の実施例におけるフローチャートを図5に示す。X線が照射され透視が開始(S101)された際に、X線補償フィルタ制御手段6からX線補償フィルタ5が操作された事を知らせる信号があった場合には、X線補償フィルタ5の挿入位置をX線補償フィルタ制御手段から取得する(S102)。続いて、X線管1と平面検出器8との間の距離SIDを機構制御手段11から取得する。SIDは通常120cmから85cm程度の間をとる。機構制御手段11から取得するX線補償フィルタ5の座標は、SIDが85cmの場合であるため、実際の透視画像内でのX線補償フィルタの位置座標は、(取得座標×SID/85)によって算出される(S105)。上記フィルタ位置の算出は、図2に示すフィルタ位置算出手段14によって行われる。算出された座標に沿って、点線描画手段15により、点線を描画し、透視画像に加算す(S106)。X線補償フィルタの先端に沿って点線Pが表示された透視画像を図10に示すように表示装置に表示する(S107)。X線が照射されている間、X線補償フィルタ5が制御された際には、常に上記処理を実効する。X線補償フィルタ5の移動が停止した際には、点線描画を中止する。また、点線描画は、移動中絶えず描画する必要はなく、一定時間毎に描画しても良い。
【0011】
次に、第二の実施例について説明する。フローチャートを図6に示す。実施例1と異なるのは、S109のみである。本実施例においては、X線補償フィルタ5の移動に関係なく、一定時間T経過する毎に、X線補償フィルタの先端位置を点線表示する。実施例1では、X線補償フィルタ5の位置を確認するためには、X線補償フィルタ5を移動させる必要があったが、本実施例においては、逐次表示されるため、挿入位置を確認するために、X線補償フィルタ5を移動する必要ななくなる。また、透視を行っていない間、直前の透視画像を表示装置にホールドすることがあるが、この際に、本実施例を用いてもよい。更に、透視画像におけるハレーション領域を検出し、自動的にX線補償フィルタを挿入する技術が特開平9-262226公報で示されているが、自動挿入が正確に行われたかどうかを確認する手段がなかった。本実施例では、X線補償フィルタが自動的に挿入された際に、点線表示してもよい。
【0012】
次に、第三の実施例について説明する。フローチャートを図7に示す。フローチャート図7では、図5におけるX線補償フィルタ5の先端位置表示シーケンス(S103〜S106)をS110としてまとめてある。本実施例では、透視のためにX線を照射した場合、照射開始から数秒間(S111)のみ、X線補償フィルタ5の先端位置を表示する(S110)。X線補償フィルタ5は、一度位置決めを行うと、動かすことが少ないため、動かしている最中は実施例一により、先端位置が確認できても、撮影画像の確認などに時間をかけていると、次に透視を出したときに、X線補償フィルタの先端位置が分からなくなっていることがあった。本実施例によると、透視を出す毎に、X線補償フィルタの先端位置を表示するため、先端位置を容易に確認できる。また、X線補償フィルタ5を移動した際には、実施例一にしたがって、先端位置を表示する。
【0013】
次に、第四の実施例について説明する。フローチャートを図8に示す。本実施例では、実施例一によるX線フィルタを移動した際に先端位置を表示し、更にX線補償フィルタ5の移動を止めてからも数秒間先端位置(S112,S110)を表示する。本実施例により、先端位置を確認できる時間が長くなる。
【0014】
次に、第五の実施例について説明する。フローチャートを図9に示す。本実施例では、X線補償フィルタ位置確認スイッチを別途設け、スイッチが押されている間のみ、X線補償フィルタ5の先端位置を表示するものである。本実施例によると、X線装置の操作者が望んだ時にのみ、X線補償フィルタ5の先端位置が透視画像に付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明におけるX線装置の一実施例のブロック図。
【図2】本発明における画像処理手段の内部を示したブロック図。
【図3】X線補償フィルタの断面図。
【図4】X線補償フィルタの構成図。
【図5】本発明における第一の実施例のフローチャート。
【図6】本発明における第二の実施例のフローチャート。
【図7】本発明における第三の実施例のフローチャート。
【図8】本発明における第三の実施例のフローチャート。
【図9】本発明における第三の実施例のフローチャート。
【図10】本発明における表示状態。
【符号の説明】
【0016】
1 X線管
2 X線制御手段
3 高電圧発生装置
4 コリメータ
5 X線補償フィルタ
6 X線補償フィルタ制御手段
7 テーブル
8 平面検出器制御手段
9 画像表示処理手段
10 表示出力手段
11 機構制御手段
12 中央処理手段
13 画像補正手段
14 フィルタ位置算出手段
15 点線描画手段
P X線補償フィルタの先端を示す点線
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【住所又は居所】東京都千代田区内神田1丁目1番14号
【出願日】 平成16年3月10日(2004.3.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−253544(P2005−253544A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−66473(P2004−66473)