| 【発明の名称】 |
医療用縫合具 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿部 一博 【住所又は居所】静岡県袋井市友永1217−1 日本シャーウッド株式会社内
【氏名】船村 重彰 【住所又は居所】静岡県袋井市友永1217−1 日本シャーウッド株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】簡単な操作で適正な縫合を確実に行える医療用縫合具を提供すること。
【解決手段】医療用縫合具10を、挿通孔13aを有する挿入用穿刺針13、挿入用穿刺針13と平行に配置される取出用穿刺針14、ロックパーツ15、縫合糸16で構成した。挿入用穿刺針13の側面に幅広上部18aと幅狭下部18bからなる縦長開口部18を設け、取出用穿刺針14の側面に幅広上部19aと幅狭下部19bからなる係合溝19を縦長開口部18に対向する部分のやや下方に設けた。ロックパーツ15を幅広上部18a等を通過でき、幅狭下部18b等を通過できない球状部15aと、幅狭下部18b等を通過できる棒状部15bとで構成した。そして、縫合糸16をロックパーツ15の下端部に連結して、ロックパーツ15とともに挿入用穿刺針13内に挿入した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基端部から先端側部分に向けて挿通孔が形成された挿入用穿刺針と、 前記挿入用穿刺針と所定間隔を保って略平行に配置される取出用穿刺針と、 前記挿入用穿刺針の基端部から先端側部分を通過したのちに前記取出用穿刺針の先端側部分に係合部を介して係合する縫合糸と を備えたことを特徴とする医療用縫合具。 【請求項2】 前記挿入用穿刺針における前記取出用穿刺針に対向する面に設けられ前記挿通孔と連通する縦長開口部と、 前記挿入用穿刺針の挿通孔内を移動でき、前記挿通孔の所定位置に達したときに、上端部側から傾倒して前記縦長開口部から外部に突出する係合部材と、 前記取出用穿刺針における前記挿入用穿刺針に対向する面に設けられた係合溝とを備え、 前記縫合糸を前記係合部材の下端部に連結し、前記縫合具が前記係合部材とともに前記挿入用穿刺針の基端部から先端側部分を通過したのちに前記取出用穿刺針の係合溝に係合するようにした請求項1に記載の医療用縫合具。 【請求項3】 前記係合溝を、前記係合部材を収容できる収容凹部と、前記係合部材の上端部が係合できる被係合部とで構成した請求項2に記載の医療用縫合具。 【請求項4】 前記係合部材の上端部を、前記係合部材の下部側部分よりも太く形成するとともに、前記挿入用穿刺針の縦長開口部を、前記係合部材の上端部が通過できる幅広上部と、前記係合部材の上端部が通過できず前記係合部材の下部側部分が通過できる幅狭下部とで構成し、前記取出用穿刺針の係合溝を、前記係合部材の上端部が入ることのできる幅広上部と、前記係合部材の上端部が入ることができず前記係合部材の下部側部分が入ることのできる幅狭下部とで構成した請求項2または3に記載の医療用縫合具。 【請求項5】 前記係合部材の上端部を球体で構成し、前記係合部材の下部側部分を前記球体よりも直径が小さな棒体で構成した請求項4に記載の医療用縫合具。 【請求項6】 前記取出用穿刺針の係合溝における幅広上部の表面下部に係止用壁を設けて前記係合部材の上端部が前記係合溝の幅広上部から外部に外れることを防止した請求項4または5に記載の医療用縫合具。 【請求項7】 前記挿入用穿刺針における縦長開口部よりも先端側の部分および前記取出用穿刺針における係合溝が形成された部分以外の部分の少なくとも一部を中実部分で構成した請求項2ないし6のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。 【請求項8】 前記挿入用穿刺針における少なくとも縦長開口部が形成された部分と、前記取出用穿刺針における少なくとも係合溝が形成された部分との横断面形状を、それぞれコ字状に形成し、互いの開放側部分を対向させた請求項2ないし7のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。 【請求項9】 前記挿入用穿刺針と前記取出用穿刺針との針先を、尖鋭な円錐状または先細りの薄板刃状に形成した請求項1ないし8のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。 【請求項10】 前記挿入用穿刺針と前記取出用穿刺針との少なくとも一方を、金属部材と樹脂部材とを連結して構成した請求項1ないし9のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。 【請求項11】 前記挿入用穿刺針と前記取出用穿刺針とを保持具に取り付けた請求項1ないし10のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。 【請求項12】 前記挿入用穿刺針と前記取出用穿刺針とを前記保持具に対して着脱可能にした請求項11に記載の医療用縫合具。 【請求項13】 前記保持具を手で持つための把持部で構成した請求項11または12に記載の医療用縫合具。 【請求項14】 前記保持具に対する前記挿入用穿刺針と前記取出用穿刺針との取り付け位置を一定にするための位置決め部を設けた請求項11ないし13のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。 【請求項15】 前記保持具に、前記挿入用穿刺針と前記取出用穿刺針とが複数対設けられている請求項11ないし14のうちのいずれか一つに記載の医療用縫合具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、患者の体内における被縫合部を縫合するための医療用縫合具に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、患者の体内における被縫合部、特に皮膚と内蔵を固定するために医療用縫合具が用いられている。例えば、高齢や疾病により自力で口から食べ物を摂取する機能が低下した人に対して、胃瘻形成管を用いて流動食や栄養剤等の流体飲食物を供給することが行われているが、この胃瘻形成管は、患者の腹部に穴部を形成して取り付けられる。このような場合に、胃瘻形成管の取り付けを適正に行うために、予め、腹壁と胃壁とを医療用縫合具を用いて固定することが行われている(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 この医療用縫合具は、間隔を保って平行に設置された2本の穿刺針を備えており、縫合を行う場合には、まず、この2本の穿刺針を同時に患者の被縫合部に穿刺する。つぎに、一方の穿刺針に縫合糸を通すとともに、他方の穿刺針に、先端部にワイヤからなるループ体が連結された内針を通し、ループ体に縫合糸を掴ませた状態で内針を穿刺針から引き抜く。そして、2本の穿刺針を患者から引き抜き、患者の体外に突出する縫合糸の両側部分を結ぶことにより縫合が完了する。また、内針が挿入される穿刺針の先端部は、湾曲部に形成されて先端開口が横を向いており、これによって、内針を穿刺針内に押し込んだ際に、ループ体が横方向に延びるように外部に突出し、縫合糸を掴めるようになっている。 【特許文献1】特開平5―161655号公報 【発明の開示】 【0004】 しかしながら、前述した従来の医療用縫合具では、両方の穿刺針に内針や縫合糸を通す必要があり、操作が煩雑になるという問題がある。また、内針の穿刺針への挿入を上手く行わないと、ループ体の突出方向や形状が適正状態にならず、縫合糸を掴めないことがある。また、被縫合部の内部側に十分なスペースがない場合にもループ体で縫合糸を掴ませることが難しく確実性が低いという問題もある。さらに、一対の穿刺針は、それぞれ縫合糸または内針を通すために、薄肉円筒状の中空針で構成されていおり、このため剛性が低くなっている。この結果、穿刺時に、穿刺針に歪みが生じて目的部位に正確に挿入できないことがあるという問題も生じている。 【0005】 本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、簡単な操作で適正な縫合を確実に行える医療用縫合具を提供することである。 【0006】 上記の目的を達成するため、本発明にかかる医療用縫合具の構成上の特徴は、基端部から先端側部分に向けて挿通孔が形成された挿入用穿刺針と、挿入用穿刺針と所定間隔を保って略平行に配置される取出用穿刺針と、挿入用穿刺針の基端部から先端側部分を通過したのちに取出用穿刺針の先端側部分に係合部を介して係合する縫合糸とを備えたことにある。 【0007】 このように構成した本発明に係る医療用縫合具では、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを、所定間隔を保たせて患者の皮膚表面側から被縫合部内に刺し込み、縫合糸の先端部を、挿入用穿刺針の基端部から先端側部分に通過させたのちに係合部を介して取出用穿刺針の先端側部分に係合させた状態で、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを患者の皮膚表面から抜き取り、患者の体外に位置する縫合糸の両側部分を結ぶことにより、患者の皮膚側層と被縫合部とを固定することができる。 【0008】 すなわち、挿入用穿刺針内を通した縫合糸の先端部を、係合部を介して取出用穿刺針に係合させることにより、縫合糸と取出用穿刺針とで患者の被縫合部を囲うループを形成することができる。したがって、その状態で、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを抜き取ることにより、縫合糸の両側部分を患者の体外に突出させることができ、その両側部分を結ぶことにより縫合が完了する。このため、縫合のための操作が容易になる。また、この場合、縫合糸を取出用穿刺針に係合させるための係合部は、取出用穿刺針に係合用の凹部や凸部等を設けることによって構成してもよいし、他の係合部材で構成してもよい。 【0009】 また、本発明にかかる医療用縫合具の他の構成上の特徴は、挿入用穿刺針における取出用穿刺針に対向する面に設けられ挿通孔と連通する縦長開口部と、挿入用穿刺針の挿通孔内を移動でき挿通孔の所定位置に達したときに上端部側から傾倒して縦長開口部から外部に突出する係合部材と、取出用穿刺針における挿入用穿刺針に対向する面に設けられた係合溝とを備え、縫合糸を係合部材の下端部に連結し、縫合具が係合部材とともに挿入用穿刺針の基端部から先端側部分を通過したのちに取出用穿刺針の係合溝に係合するようにしたことにある。 【0010】 前述したように構成した本発明の医療用縫合具では、挿入用穿刺針の挿通孔内に係合部材を移動可能な状態で設け、係合部材が所定位置に達したときに、係合部材は、挿入用穿刺針の側面に設けられた縦長開口部から傾倒して外部に出て行くように構成されている。また、取出用穿刺針の側面には、係合溝が設けられて、挿入用穿刺針から傾倒して突出してくる係合部材を係合させた状態で、収容凹部内に収容できるようにしている。 【0011】 すなわち、挿入用穿刺針の挿通孔内に基端部から挿し込まれた係合部材は、縦長開口部の位置に達したときに取出用穿刺針側に上端部側から傾倒して係合溝内に入り、さらに係合部材の下部側部分も挿入用穿刺針から取出用穿刺針側に移動して収容凹部内に収容される。また、係合部材の下端部には縫合糸が連結されているため、この縫合糸も係合部材とともに、挿入用穿刺針の基端部から先端側の縦長開口部を通過したのちに取出用穿刺針の先端側の係合溝に係合部材を介して係合するようになる。 【0012】 この場合、縫合糸の先端部(下端部)を係合部材とともに、一旦挿入用穿刺針内の縦長開口部よりも下方に位置させておき、縫合糸を挿入用穿刺針の基端部側に引っ張ることにより、係合部材を縦長開口部の位置に引き上げる操作を行うことが好ましい。これによって、係合部材は、縫合糸の先端部を基点として回転するようにして取出用穿刺針側に傾倒していく。また、傾倒した係合部材の上端部が係合溝に係合すると、縫合糸を緩めて挿入用穿刺針内に順次送り込む。これによって、係合部材は係合溝内に収容される。 【0013】 したがって、下端部に縫合糸が連結された係合部材を挿入用穿刺針の挿通孔に挿入した状態で、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを患者の皮膚表面側から被縫合部内に刺し込み、その係合部材を縫合糸とともに取出用穿刺針の係合溝に係合させた状態で、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを抜き取ることにより、患者の体外に縫合糸の両側部分を突出させることができる。そして、縫合糸の両側部分を結ぶことにより縫合ができる。この場合、係合部材の上端部を重くして係合溝に係合した係合部材が上端部を下方に向けて係合溝内に入るようにしてもよいし、係合部材が上端部を中心として回転するようにして係合溝内に入るようにしてもよい。 【0014】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、係合溝を、係合部材を収容できる収容凹部と、係合部材の上端部が係合できる被係合部とで構成したことにある。 【0015】 前述したように構成した本発明の医療用縫合具では、取出用穿刺針の側面に設けられた係合溝が、係合部材を収容できる収容凹部と、係合部材の上端部が係合できる被係合部とで構成されているため、挿入用穿刺針から傾倒して突出してくる係合部材を、上端部を被係合部内に係合させた状態で、収容凹部内に収容できる。すなわち、挿入用穿刺針の縦長開口部から傾倒して上端部が係合溝内に入った係合部材は、上端部を被係合部に係合させた状態で、被係合部を中心として回転し、係合部材の下部側部分も挿入用穿刺針から取出用穿刺針側に移動して収容凹部内に収容される。 【0016】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、係合部材の上端部を、係合部材の下部側部分よりも太く形成するとともに、挿入用穿刺針の縦長開口部を、係合部材の上端部が通過できる幅広上部と、係合部材の上端部が通過できず係合部材の下部側部分が通過できる幅狭下部とで構成し、取出用穿刺針の係合溝を、係合部材の上端部が通過できる幅広上部と、係合部材の上端部が通過できず係合部材の下部側部分が通過できる幅狭下部とで構成したことにある。 【0017】 これによると、簡単な構造で係合部材の挿入用穿刺針から取出用穿刺針への受け渡しがスムーズに行えるようになり、縫合糸の取出用穿刺針への係合の確実性も増すようになる。また、この場合、係合部材の上端部を球体で構成し、係合部材の下部側部分を球体よりも直径が小さな棒体で構成することができる。これによると、さらに係合部材の挿入用穿刺針から取出用穿刺針への受け渡しがスムーズになる。 【0018】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、取出用穿刺針の係合溝における幅広上部の表面下部に係止用壁を設けて係合部材の上端部が係合溝の幅広上部から外部に外れることを防止したことにある。これによると、一旦、係合溝内に入り被係合部と係合した係合部材の上端部は係止用壁によって係合溝から外れなくなるため、縫合糸は、係合部材を介して確実に取出用穿刺針に係合するようになる。 【0019】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、挿入用穿刺針における縦長開口部よりも先端側の部分および取出用穿刺針における係合溝が形成された部分以外の部分の少なくとも一部を中実部分で構成したことにある。これによると、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とに形成される薄肉の中空部分を最小限にすることができ、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との剛性を増すことができる。これによって、患者の適正位置に挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを差し込むことができる。この場合、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との横断面形状は、円形に限らず四角形や三角形等種々の形状にすることができ、四角形のように剛性を高めることができる形状にすることが好ましい。 【0020】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、挿入用穿刺針における少なくとも縦長開口部が形成された部分と、取出用穿刺針における少なくとも係合溝が形成された部分との横断面形状を、それぞれコ字状に形成し、互いの開放側部分を対向させたことにある。 【0021】 これによると、係合部材が傾倒して挿入用穿刺針から突出する際の方向が一定になる。また、挿入用穿刺針から突出した係合部材を受ける取出用穿刺針の係合溝も係合部材の正面に向くようになる。したがって、係合部材の挿入用穿刺針から取出用穿刺針への受け渡しが確実になる。この場合、横断面形状をコ字状に形成する部分は、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との全体に形成してもよいし、一部にだけ形成してもよいが、少なくとも、縦長開口部と係合溝との部分には形成する。このように、横断面形状をコ字状に形成することによっても、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との剛性が高まるようになり、穿刺時に挿入用穿刺針および取出用穿刺針が撓んだりすることを防止できる。 【0022】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との針先を、尖鋭な円錐状または先細りの薄板刃状に形成したことにある。これによると、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との針先には開口部がなくなるため、針先の形状を自由に設定できる。例えば、先細りの薄板刃状としては、ナイフの刃先のような形状や、一方の縁部が垂直で他方の縁部が傾斜した薄板状の形状がある。針先をこのように形成することにより、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との穿刺がスムーズに行えるようになる。 【0023】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との少なくとも一方を、金属部材と樹脂部材とを連結して構成したことにある。この場合、例えば、挿入用穿刺針の縦長開口部が設けられた部分と取出用穿刺針の係合溝が設けられた部分とを樹脂材料からなる部材で構成し、それ以外の部分を金属材料からなる部材で構成することができる。これによると、縦長開口部や係合溝の形成が容易になるとともに、その他の部分の剛性を向上させて強度を高くすることができる。 【0024】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを保持具に取り付けたことにある。これによると、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを適正な位置関係で配置することができ、患者の被縫合部への刺し込み操作がし易くなる。また、この場合、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを保持具に着脱可能に取り付けることができる。これによると、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とが保持具に着脱可能であるため、状況に応じて一方の穿刺針だけを交換しながら医療用縫合具を複数回使用することが可能になる。 【0025】 例えば、挿入用穿刺針に係合部材と縫合糸を挿し込んだカートリッジを予め複数個準備しておけば、複数回の操作を行う場合には、カートリッジだけを取り換えながら繰り返して操作が行えるため、係合部材や縫合糸をその都度挿入用穿刺針に差し込む面倒な作業が不要になる。また、着脱の方法としては、例えば、板状の保持具に穴部等を設け、その穴部に挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを挿入したり引き抜いたりできる機構を用いてもよいし、保持具に切れ目を入れてその切れ目から挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを脱着する機構を用いてもよい。 【0026】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、保持具を手で持つための把持部で構成したことにある。これによると、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを保持するための保持具を手でもつための把持部としても使用できるため、別途把持部を設ける必要がなくなり、医療用縫合具を構成する部品点数を減少することができる。また、この場合、保持具における挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを保持する部分の長さを長くすることが好ましい。これによって、医療用縫合具を手で持ち易くなり操作が容易になるとともに、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との保持が強固になる。 【0027】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、保持具に対する挿入用穿刺針と取出用穿刺針との取り付け位置を一定にするための位置決め部を設けたことにある。この場合の位置決め部としては、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との軸回り方向の位置決めを行うものと、軸方向の位置決めを行うものとがある。軸回り方向への位置決め部としては、例えば、挿入用穿刺針と取出用穿刺針との横断面形状を多角形にしたり、側面に凸部や凹部を設けたりして、保持具には多角形の保持穴を設けたり、保持穴の内周面に凸部や凹部と係合可能な凹部や凸部を設けたりした構造のものを使用することができる。 【0028】 また、軸方向への位置決め部としては、例えば、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とに突起や段部を設け、保持具には、その突起や段部と係合可能な溝部を設ける等によって構成したものを使用することができる。これによって、挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを常に一定の位置関係になるようにして保持具に取り付けることができ、より適正な縫合が可能になる。 【0029】 また、本発明にかかる医療用縫合具のさらに他の構成上の特徴は、保持具に挿入用穿刺針と取出用穿刺針とが複数対設けられていることにある。患者の被縫合部を縫合する場合、1箇所だけでなく複数箇所にわたって縫合を行う場合がある。このような場合に、必要数の挿入用穿刺針と取出用穿刺針とを保持具に取り付けておくと、1回の操作ですべての箇所への縫合が行える。このため縫合のための操作が短時間で要領よく行える。 【発明を実施するための最良の形態】 【0030】 (第1実施形態) 以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1ないし図3は、同実施形態に係る医療用縫合具10を示している。この医療用縫合具10は、本発明の保持具を構成する上部保持具11および下部保持具12と、この上部保持具11および下部保持具12に着脱可能に取り付けられる挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とからなる一対の穿刺針と、本発明の係合部材としてのロックパーツ15と、縫合糸16とで構成されている。 【0031】 上部保持具11と下部保持具12とはそれぞれ樹脂材料の成形体からなっており、上部保持具11は角部が切り欠かれて曲面に形成された略正方形の板状に形成され、下部保持具12は角部が切り欠かれて曲面に形成された略長方形の板状に形成されている。そして、上部保持具11の両側部分には、上部保持具11の中心点を挟んで一定距離になるように円形の保持穴11a,11bが形成されており、下部保持具12の長手方向に沿った両側部分には、保持穴11a,11bと同間隔を保って円形の保持穴12a,12bが形成されている。 【0032】 挿入用穿刺針13は、内部に挿通孔13aが形成された金属製の円筒体で構成されており、基端部(上端部)に、把持部17が取り付けられている。この把持部17は、上部側が大径で下部側が小径になった円筒状に形成され、内部に挿通孔13aに連通するガイド穴17aが形成されている。このガイド穴17aは、把持部17の外周面に沿うようにして上部側が大径で下部側が小径に形成されており、これによって、把持部17の上方から挿入用穿刺針13の挿通孔13a内にロックパーツ15および縫合糸16を挿入し易くなっている。 【0033】 また、挿入用穿刺針13の先端部(下端部)は斜め方向に切断されて開口部13bが横方向から見えるように形成されている。そして、挿入用穿刺針13の周面下部側における開口部13bの上端部が位置する側に、図4に示したように、縦長開口部18が形成されている。この縦長開口部18の上部側部分は、幅が広く縦方向の長さが短い幅広上部18aで構成され、下部側部分は、幅が狭く縦方向の長さが長い幅狭下部18bで構成されている。また、図5に示したように、挿入用穿刺針13内における幅狭下部18bの下端近傍には、回転基部18cが設けられている。この回転基部18cは棒体で構成され挿入用穿刺針13の内面に掛け渡されている。 【0034】 そして、この挿入用穿刺針13は、開口部13bおよび縦長開口部18を、上部保持具11と下部保持具12の中央部に向けた状態で、上部保持具11の保持穴11aと下部保持具12の保持穴12aに差し込まれて保持されている。上部保持具11は、挿入用穿刺針13の基端部近傍を保持しており、下部保持具12は、上部保持具11と間隔を保って挿入用穿刺針13の基端部よりもやや下側部分を保持している。この場合の下部保持具12の挿入用穿刺針13に対する取付位置は、挿入用穿刺針13の下部保持具12より下方部分の突出量に応じて適宜設定する。 【0035】 取出用穿刺針14は、挿入用穿刺針13と同様、内部に孔14aが形成された金属製の円筒体で構成されており、基端部に、把持部14bが取り付けられている。この把持部14bは、上部側が大径で下部側が小径になった円柱状に形成されガイド穴は形成されていない。また、取出用穿刺針14の先端部は斜め方向に切断されて開口部14cが横方向から見えるように形成されている。そして、取出用穿刺針14の周面下部側における開口部14cの上端部が位置する側に、図6に示したように、係合溝19が形成されている。 【0036】 この係合溝19の上部側部分は、幅が広く縦方向の長さが短い幅広上部19aで構成され、下部側部分は、幅が狭く縦方向の長さが長い幅狭下部19bで構成されている。そして、孔14a内における幅狭下部19bの上端よりもやや下方に、孔14aの穴径を小さくするための被係合部19cが形成されている。この被係合部19cは、棒体で構成され、取出用穿刺針14の内面に掛け渡されている。したがって、係合溝19の縁部における幅広上部19aの下端部と被係合部19cとの間の部分で本発明に係る係止用壁が構成される。 【0037】 この取出用穿刺針14は、開口部14cおよび係合溝19を、挿入用穿刺針13に向けた状態で、上部保持具11の保持穴11bと下部保持具12の保持穴12bに差し込まれて保持されている。上部保持具11と下部保持具12とは、取出用穿刺針14を挿入用穿刺針13に平行させた状態で保持している。また、その際、係合溝19の上端部が、縦長開口部18の下端部よりもやや上方に位置するようにして、取出用穿刺針14は、上部保持具11と下部保持具12とに保持される。 【0038】 ロックパーツ15は、金属材料からなる球状部15aと、球状部15aに連結された円柱状の棒状部15bとで構成されており、球状部15aの直径は棒状部15bの直径よりも大きく設定されている。このロックパーツ15の長さは、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14との間に直交して掛け渡せる長さに設定され、ロックパーツ15の直径(球状部15aの直径)は、挿入用穿刺針13の挿通孔13a内を移動できる大きさに設定されている。 【0039】 また、球状部15aの直径は、縦長開口部18の幅広上部18aおよび係合溝19の幅広上部19aを通過でき、縦長開口部18の幅狭下部18bおよび係合溝19の幅狭下部19bを通過できない大きさに設定されている。棒状部15bの直径は、縦長開口部18および係合溝19のすべての部分を通過できる大きさに設定されている。さらに、球状部15aの直径は、ロックパーツ15が孔13a内に入ったときに、球状部15aが回転基部18cに係合して、それ以上下方に移動できず、ロックパーツ15が孔14a内に入ったときに、球状部15aが被係合部19cに係合して、それ以上下方に移動できない大きさに設定されている。また、縦長開口部18と係合溝19との縦方向の長さは、ロックパーツ15の長さよりも長く設定されている。 【0040】 そして、ロックパーツ15の棒状部15bの端部(挿入用穿刺針13に収容される初期状態では下端)に縫合糸16の先端部が連結されている。このロックパーツ15は、縫合糸16とともに、棒状部15bの端部側から把持部17のガイド穴17a内に挿し込まれ、挿入用穿刺針13の挿通孔13a内に収容される。この際、縫合糸16を順次挿入用穿刺針13内に送り込むことにより、ロックパーツ15の球状部15aが、縦長開口部18の幅広上部18aよりも下側(挿入用穿刺針13の先端側)に位置するようにしておく。この場合、図7に示したように、球状部15aが回転基部18cに係合し、ロックパーツ15と縫合糸16との間に回転基部18cが位置するようにする。 【0041】 この構成において、医療用縫合具10を用いて、例えば、患者の腹壁と胃壁を縫合する場合には、まず、図8に示したように、患者の腹部における皮膚表面に医療用縫合具10を押し込んで、腹壁Aと胃壁Bとに、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とを刺し込む。この場合、下部保持具12が皮膚表面に当たるまで、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とを刺し込み、縦長開口部18と係合溝19とが胃壁Bの内部側に位置するようにする。 【0042】 ついで、縫合糸16を引っ張ってロックパーツ15を挿入用穿刺針13の基端部側に上昇させる。この操作により、ロックパーツ15の球状部15aが、縦長開口部18の幅広上部18aに達したとき、すなわち、ロックパーツ15の下端部が回転基部18cに達したときに、ロックパーツ15は、回転基部18cを中心として回転し始める。この結果、図9に示したように、球状部15aが幅広上部18aを通過するとともに、棒状部15bが幅狭下部18bを通過して、ロックパーツ15は取出用穿刺針14側に傾倒する。そして、ロックパーツ15が水平に近い状態になるまで傾倒したときに、球状部15aは、係合溝19の幅広上部19aを通過して孔14a内に入っていく。孔14a内に入った球状部15aは、被係合部19cの位置まで下降して、ロックパーツ15は、図10に示した略水平の状態になる。 【0043】 つぎに、縫合糸16を緩めると、ロックパーツ15の重さによって、縫合糸16は所定長さ分だけ挿入用穿刺針13内に引き込まれていく。これによって、ロックパーツ15は、球状部15aを中心として回転し、図11に示したように、ロックパーツ15の棒状部15bも挿入用穿刺針13から出て行く。そして、さらに、縫合糸16を挿入用穿刺針13内に送り込むと、図12に示したように、棒状部15bが幅狭下部19bを通過してロックパーツ15は、孔14a内に収容される。 【0044】 その状態で、医療用縫合具10を引っ張って、患者の体から引き抜く。この際、ロックパーツ15は、球状部15aと被係合部19cとの係合によって、取出用穿刺針14内に固定された状態になり、縫合糸16は、ロックパーツ15を介して取出用穿刺針14に係合された状態になっている。したがって、医療用縫合具10を患者の体から引き抜くことにより、縫合糸16は、図13に示したように胃壁Bを腹壁Aに接合させるようにして両側部分を患者の体外に延ばした状態になる。この縫合糸16の突出した両側部分が所定長さになるように切断してその両端部を結ぶことにより、図14の状態になって、縫合が終了する。 【0045】 以上にように、この医療用縫合具10によれば、縫合糸16を連結したロックパーツ15を予め、挿入用穿刺針13内の所定の位置に挿入しておき、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とを患者の体内に刺し込んだのちに、縫合糸16を引っ張る操作と、挿入用穿刺針13内に送り込む操作だけで、縫合糸16をロックパーツ15を介して取出用穿刺針14に係合させることができる。そして、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とを抜き取ったのちに、縫合糸16の両側部分を結ぶことにより縫合が完了する。このため、縫合のための操作が極めて簡単で容易になる。 【0046】 また、その際のロックパーツ15の挿入用穿刺針13から取出用穿刺針14への受け渡しがスムーズに行える。さらに、取出用穿刺針14の孔14a内に収容されたロックパーツ15は、球状部15aと被係合部19cとの係合によって固定されて、縫合糸16と取出用穿刺針14との連結を確実にする。また、被係合部19cが、孔14a内における幅広上部19aよりも下方に設けられているため、ロックパーツ15が係合溝19から外れることが防止され、縫合糸16と取出用穿刺針14との連結がさらに確実になる。 【0047】 この場合、ロックパーツ15の球状部15aは取出用穿刺針14の孔14a内に収まっているが、棒状部15bは孔14a内に入っていない状態、例えば、図11の状態で静止した場合でも、縫合糸16を送り込みながら、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とを患者の体から引き抜くと、ロックパーツ15の棒状部15bが患者の胃壁Bに当たり、これによって棒状部15bは、取出用穿刺針14の孔14a内に入っていく。このため、ロックパーツ15は、図12の状態になって、問題なく縫合具10を抜去できる。 【0048】 また、医療用縫合具10では、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とが上部保持具11と下部保持具12とに着脱可能に取り付けられており、その取り付け位置も任意に設定することができるようになっている。したがって、患者の体の大きさや取り付け部位等に応じて、適宜下部保持具12の下方に突出する挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14との長さを適正な状態にすることができる。また、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14とが上部保持具11と下部保持具12とに着脱可能であるため、状況に応じて一方の穿刺針だけを交換しながら医療用縫合具10を複数回使用することもできる。 【0049】 (第2実施形態) 図15は、本発明の第2実施形態に係る医療用縫合具20を示している。この医療用縫合具20では、挿入用穿刺針23が四角筒状に形成され、その先端の針先部23aがナイフの刃先のように形成されている。すなわち、この針先部23aは、下端縁部が傾斜状になった薄板状に形成され、その傾斜下端部が尖鋭な針先に形成されている。そして、図16(a)に示したように、挿入用穿刺針23における針先部23aの傾斜上端部側の側面に、幅広上部28aと幅狭下部28bとからなる縦長開口部28が形成されている。 【0050】 取出用穿刺針24は、四角柱状に形成され、その先端の針先部24aが挿入用穿刺針23の針先部23aと同形に形成されている。そして、図16(b)に示したように、取出用穿刺針24における針先部24aの傾斜上端部側の側面に、幅広上部29aと幅狭下部29bとからなる係合溝29が形成されている。また、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24とは、上部保持具21と下部保持具22とによって保持され、上部保持具21は上部保持具11と略等しい形状に形成され、下部保持具22は下部保持具12と略等しい形状に形成されている。 【0051】 また、上部保持具21と下部保持具22とに設けられた保持穴(図示せず)は、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24との横断面形状に合わせて四角形に形成されている。そして、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24とは、それぞれ縦長開口部28と係合溝29とを対向させた状態で、上部保持具21と下部保持具22とに保持されている。この医療用縫合具20のそれ以外の部分の構成については、前述した医療用縫合具10と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記している。 【0052】 このように、医療用縫合具20では、取出用穿刺針24における係合溝29が形成された部分以外の部分を中実部で構成したため、取出用穿刺針24に形成される空間部を最小限にすることができ、取出用穿刺針24の剛性を増すことができる。また、挿入用穿刺針23の針先部23aと取出用穿刺針24の針先部24aは、穴部が設けられてない薄板状に形成されているため、患者の適正部位に挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24とを刺し込むことができる。 【0053】 また、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24とは、それぞれ横断面形状が四角形に形成され、その対向する側面に縦長開口部28と係合溝29とが形成されているため、ロックパーツ15が傾倒して挿入用穿刺針23から突出する際の方向が一定になる。また、挿入用穿刺針23から突出したロックパーツ15を受ける取出用穿刺針24の係合溝29もロックパーツ15の正面を向くため、ロックパーツ15の挿入用穿刺針23から取出用穿刺針24への受け渡しが確実になる。 【0054】 また、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24との横断面形状が四角形に形成されているとともに、上部保持具21と下部保持具22とに設けられた保持穴が、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24との横断面形状に合った四角形に形成されている。このため、挿入用穿刺針23と取出用穿刺針24とは常に一定の位置関係になるようにして配置される。これによって、ロックパーツ15の挿入用穿刺針23から取出用穿刺針24への受け渡しがより確実になる。この医療用縫合具20のそれ以外の作用効果については、前述した医療用縫合具10と同様である。 【0055】 (第3実施形態) 図17は、本発明の第3実施形態に係る医療用縫合具30を示している。この医療用縫合具30では、挿入用穿刺針33が、挿入上部33aと、開口形成部33bと、針先部33cとを接合して構成されており、挿入上部33aと針先部33cとは金属材料で構成され、開口形成部33bは樹脂材料の成形体で構成されている。そして、挿入用穿刺針33全体の形状は、挿入用穿刺針23と同一に形成されている。 【0056】 また、取出用穿刺針34は、上部34aと、係合溝形成部34bと、針先部34cとを接合して構成されており、上部34aと針先部34cとは金属材料で構成され、係合溝形成部34bは樹脂材料の成形体で構成されている。そして、取出用穿刺針34全体の形状は、取出用穿刺針24と同一に形成されている。この医療用縫合具30のそれ以外の部分の構成については前述した医療用縫合具20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記している。 【0057】 このように構成したため、医療用縫合具30では、開口形成部33bと係合溝形成部34bとの成形が容易かつ精度良く行え、かつ開口形成部33bと係合溝形成部34b以外の部分については剛性を向上させることができる。この医療用縫合具30のそれ以外の作用効果については、前述した医療用縫合具20と同様である。 【0058】 (第4実施形態) 図18ないし図20は、本発明の第4実施形態に係る医療用縫合具40を示している。この医療用縫合具40では、保持具を構成する下部保持具42は、前述した下部保持具12,22と同様、略長方形の板状に形成されているが、上部保持具41は、横断面形状が略長方形で縦方向に長い部材で構成されている。この上部保持具41の各側面は、内部側に向って湾曲した曲面に形成され、上部保持具41の中央部41cは上下の部分よりも細くなっている。 【0059】 このため、この医療用縫合具40では、上部保持具41の中央部41cを手で持つための把持部として使用することができる。また、上部保持部41には、保持穴41a,41bが形成され、下部保持部42には保持穴42a,42bが形成されている。この医療用縫合具40のそれ以外の部分の構成については、前述した医療用縫合具10と同一である。したがって、図18ないし図20の同一部分に同一符号を記している。 【0060】 このように構成したため、医療用縫合具40を手で持ち易くなり、穿刺の際の操作が容易になる。また、挿入用穿刺針13および取出用穿刺針14における上部保持部41で支持される部分の長さが長くなるため、挿入用穿刺針13および取出用穿刺針14の保持具への固定が強固になる。これによって、穿刺時に、挿入用穿刺針13と取出用穿刺針14との先端部が互いの間隔を広げるように曲がったり、撓んだりすることを防止することができる。 【0061】 また、本発明に係る医療用縫合具は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、縫合のための操作を複数回行う場合には、挿入用穿刺針13,23,33にロックパーツ15と縫合糸16を挿し込んだカートリッジを予め複数個準備しておき、カートリッジだけを取り換えながら操作を行うことができる。これによって、ロックパーツ15と縫合糸16を操作の都度挿入用穿刺針23等に挿し込む作業が不要になる。 【0062】 また、上部保持具11,21,41および下部保持具12,22,42を大きなもので構成し、これに複数対の挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等とを設けることもできる。これによると、複数箇所の縫合を1回の操作で行えるため、操作が短時間で効率よく行える。また、前述した各実施形態では、挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等との上部保持具11等と下部保持具12等とへの取り付けを、挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等とを保持穴11a,11b等に挿し込むことによって行っているが、上部保持具11等に切れ目を入れてその切れ目から挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等とを脱着するようにしてもよい。 【0063】 さらに、上部保持具11等と下部保持具12等に対する挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等との取り付け位置を一定にするために互いに係合可能な突起、溝部、段部等からなる位置決め部を設けることができる。これによって、挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等とを上部保持具11等と下部保持具12等とに対して常に一定の位置関係になるようにして取り付けることができる。また、前述した実施形態では、挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等との横断面形状を円形または四角形にしているが、これを三角形や他の多角形にすることもできる。 【0064】 また、挿入用穿刺針13等と取出用穿刺針14等との針先の形状は、筒状体を斜めに切断したものやナイフの刃先のような形状に限らず、尖鋭な円錐状の針先等、自由に設定することができる。さらに、前述した各実施形態では、ロックパーツ15の上端部を球状部15aで構成しているが、これに代えて円板状や棒状の上端部を用いることもできる。また、ロックパーツ15の球状部15aを重い材料で構成し、棒状部15bを軽い材料で構成するとともに、取出用穿刺針14に被係合部19cを設けず、ロックパーツ15が球状部15aを下方にして、取出用穿刺針14の係合溝19,29から取出用穿刺針14内に入るようにしてもよい。 【0065】 また、前述した各実施形態では、係合部材としてロックパーツ15を用いているが、この係合部材は、これに限るものでない。例えば、縫合糸16の先端をリング状に形成するとともに、取出用穿刺針に凹部等を形成し、縫合糸16のリング状部分を取出用穿刺針の凹部等に係合させるようにしてもよい。また、縫合糸と取出用穿刺針とを連結できる他の係合部材で構成してもよい。さらに、本発明に係る医療用縫合具10等は、腹壁Aと胃壁Bとの縫合に限らず、体内の他の部位の縫合にも使用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0066】 【図1】本発明の第1実施形態による医療用縫合具を示した斜視図である。 【図2】図1に示した医療用縫合具を他の方向から見た状態を示した斜視図である。 【図3】図1および図2に示した医療用縫合具の正面図である。 【図4】医療用縫合具が備える縦長開口部を示した斜視図である。 【図5】回転基部と被係合部とを示した斜視図である。 【図6】医療用縫合具が備える係合溝を示した斜視図である。 【図7】ロックパーツを挿入用穿刺針内に取り付けた状態を示す断面図である。 【図8】医療用縫合具を腹部に刺し込んだ状態を示した断面図である。 【図9】挿入用穿刺針からロックパーツが突出する状態を示した断面図である。 【図10】挿入用穿刺針から突出したロックパーツが取出用穿刺針に掛け渡された状態を示した断面図である。 【図11】ロックパーツが取出用穿刺針に受け渡される状態を示した断面図である。 【図12】ロックパーツが取出用穿刺針内に収容された状態を示した断面図である。 【図13】縫合糸で腹壁と胃壁とを接合させた状態を示した断面図である。 【図14】縫合が終了した状態を示した断面図である。 【図15】本発明の第2実施形態による医療用縫合具を示した正面図である。 【図16】図15に示した医療用縫合具の要部を示しており、(a)は挿入用穿刺針に設けられた縦長開口部を示した側面図、(b)は取出用穿刺針に設けられた係合溝を示した側面図である。 【図17】本発明の第3実施形態による医療用縫合具を示した正面図である。 【図18】本発明の第4実施形態による医療用縫合具を示した斜視図である。 【図19】図18に示した医療用縫合具の正面図である。 【図20】図18に示した医療用縫合具の側面図である。 【符号の説明】 【0067】 10,20,30,40…医療用縫合具、11,21,41…上部保持具、11a,11b,12a,12b,41a,41b,42a,42b…保持穴、12,22,42…下部保持具、13,23,33…挿入用穿刺針、13a…挿通孔、14,24,34…取出用穿刺針、15…ロックパーツ、15a…球状部、15b…棒状部、16…縫合糸、18,28…縦長開口部、18a,19a,28a,29a…幅広上部、18b,19b,28b,29b…幅狭下部、19,29…係合溝、19c…被係合部、23a,24a,33c,34c…針先部、33a…挿入上部、33b…開口形成部、34a…上部、34b…係合溝形成部、A…腹壁、B…胃壁。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000228888 【氏名又は名称】日本シャーウッド株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区千駄ケ谷五丁目27番7号 日本ブランズウイックビル
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| 【出願日】 |
平成16年3月2日(2004.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000213 【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2005−245591(P2005−245591A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−57758(P2004−57758) |
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