| 【発明の名称】 |
超音波診断装置、画像表示装置及び画像表示方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】栗田 康一郎 【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地 東芝メディカルシステムズ株式会社本社内
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| 【要約】 |
【課題】ナビゲーション機能により超音波画像データの画質調整における操作者の負担を軽減する。
【解決手段】送受信・信号処理部200によって生成された画像データを表示する際に、画質調整部230の統計量算出部234は前記画像データの画素値統計量を算出し、指標値算出部235は、前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出する。次いで、画質調整ナリッジ検索部236は、前記指標値に対応する画質調整メッセージを予め登録された画質調整ナリッジに基づいて生成し、前記画素値統計量の情報及び前記画質調整メッセージは表示部208に表示される。そして、画素値演算部233は、表示された前記画素値統計量の情報及び前記画質調整メッセージに基づいて設定された画質条件に従って画質調整のための画素値演算を前記画像データに対して行なう。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体に対して超音波送受波を行なう圧電振動子を備えた超音波プローブと、 前記圧電振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対して超音波走査を行なう超音波送受信手段と、 この超音波送受信手段によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、 前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出する統計量算出手段と、 算出した前記画素値統計量の情報を表示する表示手段を 備えたことを特徴とする超音波診断装置。 【請求項2】 被検体に対して超音波送受波を行なう圧電振動子を備えた超音波プローブと、 前記圧電振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対して超音波走査を行なう超音波送受信手段と、 この超音波送受信手段によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、 前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出する統計量算出手段と、 算出された前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出する指標値算出手段と、 前記指標値に基づいて画質調整メッセージを生成するメッセージ生成手段と、 前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを表示する表示手段を 備えたことを特徴とする超音波診断装置。 【請求項3】 前記画像データは、前記受信信号を保存して生成した第1の画像データあるいは前記受信信号の走査情報に基づいて前記第1の画像データを走査変換して生成した第2の画像データの何れかであることを特徴する請求項1又は請求項2に記載した超音波診断装置。 【請求項4】 前記統計量算出手段は、前記画像データを構成する複数画素における画素値の最大値、最小値、平均値の少なくとも何れかについて算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した超音波診断装置。 【請求項5】 前記メッセージ生成手段は、予め保存された画質調整ナリッジの中から前記指標値に基づいて選択した画質調整ナリッジによって前記画質調整メッセージの生成を行なうことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。 【請求項6】 画素値演算手段を備え、前記画素値演算手段は、前記表示手段によって表示された前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージに基づいて設定された画質条件に基づいて前記画像データに対して所定の画素値演算を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した超音波診断装置。 【請求項7】 入力手段を備え、前記入力手段は、前記表示手段によって表示された前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージに基づいて前記画質条件の設定を行なうことを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。 【請求項8】 前記表示手段は、前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを画素値演算後の画像データと共に表示することを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。 【請求項9】 前記表示手段は、前記画素値統計量の情報を前記画像データのスケールバーに対応させて表示することを特徴とする請求項8記載の超音波診断装置。 【請求項10】 被検体に対して超音波送受波を行なって得られた画像データを保存する画像データ記憶手段と、 前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出する統計量算出手段と、 算出された前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出する指標値算出手段と、 前記指標値に基づいて画質調整メッセージを生成するメッセージ生成手段と、 前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを表示する表示手段と、 表示された前記画素値統計量の情報の情報あるいは前記画質調整メッセージに基づいて設定された画質条件に基づいて前記画像データに対して所定の画素値演算を行なう画素値演算手段を備え、 前記表示手段は、前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを画素値演算後の画像データと共に表示することを特徴とする画像表示装置。 【請求項11】 被検体に対して超音波送受信を行なって得られた画像データを保存するステップと、 前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出するステップと、 算出された前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出するステップと、 前記指標値に基づいて画質調整メッセージを生成するステップと、 前記画素値統計量の情報及び前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを表示するステップと、 表示された前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージに基づいて画質条件を設定するステップと、 前記画質条件に基づいて前記画像データに対して所定の画素値演算を行なうステップと 画素値演算後の画像データを表示するステップを 有することを特徴とする画像表示方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、超音波画像データに対して画質調整を行なうためのナビゲーション機能を有した超音波診断装置、画像表示装置及び画像表示方法に関する。 【背景技術】 【0002】 超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された圧電振動子から発生する超音波を被検体内に放射し、被検体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる反射信号を前記圧電振動子によって受信してモニタ上に表示するものである。この診断方法は、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの2次元画像データが容易に得られるため、心臓などの臓器の機能診断や形態診断に広く用いられている。 【0003】 被検体の組織あるいは血球からの反射波により生体情報を得る超音波診断法は、超音波パルス反射法と超音波ドプラ法の2つの大きな技術開発により急速な進歩を遂げ、上記技術を用いて得られるBモード画像データとカラードプラ画像データは、今日の超音波診断において不可欠なものとなっている。 【0004】 この超音波診断において良好な画質を得るためには、例えばBモード画像データにおけるダイナミックレンジ(階調)やγ特性、カラードプラ画像データにおけるダイナミックレンジやベースラインシフト、更には、上記画像データの合成表示における白黒・カラーバランス等の多くの画質パラメータ(画質条件)について調整を行なう必要がある。 【0005】 従来、超音波診断装置を使用する医師や検査技師(以下では、操作者と呼ぶ。)は、装置の表示部に表示される画像とそのスケールバーを観察しながら画質調整を行なってきたが、画質調整機能の種類は多く、更に、画質の良否を判断するための指標が装置において示されなかったため、画質調整における操作者の負担は大きく、検査効率を低下させる要因になっていた。 【0006】 このような問題点に対して、超音波の生体減衰を補正するための画質調整を画像データの輝度(画素値)に基づいて自動的に行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。 【特許文献1】特開平6−114060号公報(第3−5頁、第1−5図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 上述のように、従来の画質調整法は、操作者の主観と経験に依存する部分が多く、所望の画質条件が設定されるまでに多くの時間を要した。従って、この方法によれば検査効率は著しく低下し、更に、操作者に与える負担は大きかった。一方、特許文献1の方法によれば、検査効率は改善されるが、画質調整は操作者の判断を介さずに全て自動的に行なわれるため、操作者は、画質調整後の画像データに対して不安感や違和感を抱く場合があった。 【0008】 本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検体から得られた超音波画像データの画素値に関する統計量あるいはこの統計量に基づいて生成された画質調整メッセージを表示部に表示することによって、良質な超音波画像データを表示するための画質調整を容易かつ短時間で行なうことが可能な超音波診断装置、画像表示装置及び画像表示方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の超音波診断装置は、被検体に対して超音波送受波を行なう圧電振動子を備えた超音波プローブと、前記圧電振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対して超音波走査を行なう超音波送受信手段と、この超音波送受信手段によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出する統計量算出手段と、算出した前記画素値統計量の情報を表示する表示手段を備えたことを特徴としている。 【0010】 又、請求項2に係る本発明の超音波診断装置は、被検体に対して超音波送受波を行なう圧電振動子を備えた超音波プローブと、前記圧電振動子を駆動して前記被検体の複数の方向に対して超音波走査を行なう超音波送受信手段と、この超音波送受信手段によって得られた受信信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出する統計量算出手段と、算出された前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値に基づいて画質調整メッセージを生成するメッセージ生成手段と、前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを表示する表示手段を備えたことを特徴としている。 【0011】 更に、請求項10に係る本発明の画像表示装置は、被検体に対して超音波送受波を行なって得られた画像データを保存する画像データ記憶手段と、前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出する統計量算出手段と、算出された前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値に基づいて画質調整メッセージを生成するメッセージ生成手段と、前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを表示する表示手段と、表示された前記画素値統計量の情報の情報あるいは前記画質調整メッセージに基づいて設定された画質条件に基づいて前記画像データに対して所定の画素値演算を行なう画素値演算手段を備え、前記表示手段は、前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを画素値演算後の画像データと共に表示することを特徴としている。 【0012】 一方、請求項11に係る本発明の画像表示方法は、被検体に対して超音波送受信を行なって得られた画像データを保存するステップと、前記画像データの画素値を用いて画素値統計量を算出するステップと、算出された前記画素値統計量に基づいて画質特性の指標値を算出するステップと、前記指標値に基づいて画質調整メッセージを生成するステップと、前記画素値統計量の情報及び前記画質調整メッセージの少なくとも何れかを表示するステップと、表示された前記画素値統計量の情報あるいは前記画質調整メッセージに基づいて画質条件を設定するステップと、前記画質条件に基づいて前記画像データに対して所定の画素値演算を行なうステップと画素値演算後の画像データを表示するステップを有することを特徴としている。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、被検体から得られた超音波画像データの画素値に関する統計量あるいはこの統計量に基づいて生成された画質調整メッセージを表示部に表示することによって、良質な超音波画像データを表示するための画質調整を容易かつ短時間で行なうことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。 【実施例1】 【0015】 以下に述べる本発明の第1の実施例の第1の特徴は、被検体に対する超音波送受波によって生成されたBモード画像データあるいはカラードプラ画像データを表示する際に、これらの画像データの画素値の統計量(画素値統計量)を算出し、算出した画素値統計量の情報をBモード画像データのグレースケールバーあるいはカラードプラ画像データのカラーバーに対応させて表示することにある。 【0016】 又、本実施例の第2の特徴は、画像の特性を示す指標値を、前記画素値統計量を用いて算出し、この指標値に対応する画質調整メッセージを予め保管された画質調整ナリッジのデータベースに基づいて生成して表示することにある。 【0017】 (装置の構成) 以下では、本発明の第1の実施例における超音波診断装置の構成につき図1乃至図3を用いて説明する。尚、図1は、本実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2は、この超音波診断装置を構成する送受信・信号処理部のブロック図である。 【0018】 図1に示す超音波診断装置100は、被検体に対して超音波の送受波を行なう超音波プローブ201と、超音波プローブ201に対して駆動信号の送信と反射信号の受信を行ない、更に、得られた受信信号を信号処理してBモード信号及びカラードプラ信号を生成する送受信・信号処理部200と、送受信・信号処理部200において生成されたBモード信号及びカラードプラ信号を順次保存してBモード画像データ及びカラードプラ画像データを生成する画像データ生成・記憶部207を備えている。 【0019】 又、超音波診断装置100は、画像データ生成・記憶部207に一旦保存された画像データに対する画素値統計量の算出と、この画素値統計量を用いて算出した指標値に基づいて画質調整メッセージの生成を行なうとともに、上記画像データに対して画素値統計量の情報及び画質調整メッセージを重畳して表示用データを生成する画質調整部230を備え、更に、上述の表示用データを表示する表示部208と、画質条件の設定及び更新や各種コマンド信号の入力を行なう入力部209と、これら各ユニットを統括して制御するシステム制御部210を備えている。 【0020】 超音波プローブ201は、被検体の表面に対してその前面を接触させ超音波の送受信を行なうものであり、例えば、1次元に配列された複数個(N個)の圧電振動子をその先端部分に有している。この圧電振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、又受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する機能を有している。この超音波プローブ201は小型、軽量に構成されており、Nチャンネルのケーブルを介して送受信・信号処理部200に接続されている。超音波プローブ201は、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等があり、これらの超音波プローブの中から診断部位に応じて任意に選択されるが、以下ではセクタ走査対応の超音波プローブ201を用いた場合について述べる。 【0021】 次に、送受信・信号処理部200は、図2に示すように超音波プローブ201から送信超音波を発生するための駆動信号を生成する超音波送信部202と、超音波プローブ201の圧電振動子から得られる複数チャンネルの受信信号に対して整相加算を行なう超音波受信部203と、整相加算した受信信号に対してBモード信号を生成するための信号処理を行なうBモード信号生成部204と、上記受信超音波信号に対してドプラ信号のIQ信号を検出するドプラ信号検出部205と、検出されたIQ信号に対してカラードプラ信号を生成するための信号処理を行なうカラードプラ信号生成部206を備えている。 【0022】 そして、超音波送信部202は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、パルサ213を備えている。レートパルス発生器211は、被検体に放射する超音波パルスの繰り返し周期(Tr)を決定するレートパルスを送信遅延回路212に供給する。一方、送信遅延回路212は、超音波プローブ201において送信に使用される圧電振動子と同数(Nチャンネル)の独立な遅延回路から構成されており、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに超音波を収束するための集束用遅延時間と、所定の方向に超音波を送信するための偏向用遅延時間を前記レートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。 【0023】 パルサ213は、送信に使用される圧電振動子と同数(Nチャンネル)の独立な駆動回路を有しており、超音波プローブ201に内蔵されたN個の圧電振動子を駆動し、被検体に対して送信超音波を放射するための駆動パルスを生成する。 【0024】 一方、超音波受信部203は、Nチャンネルのプリアンプ214と、受信遅延回路215と、加算器216を備えている。プリアンプ214は、圧電振動子によって電気信号に変換された微小な受信信号を増幅し十分なS/Nを確保する。又、受信遅延回路215は、所定の深さからの受信超音波を集束して細い受信ビーム幅を得るための収束用遅延時間と、所定の方向に超音波ビームの受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をプリアンプ214の出力に与えた後、加算器216に送り、加算器216において圧電振動子からのNチャンネルの受信信号は加算されて1つに纏められる。 【0025】 次に、Bモード信号生成部204は、包絡線検波器217と、対数変換器218と、A/D変換器219を備えている。Bモード信号生成部204の入力信号は、包絡線検波器218によって包絡線検波が行なわれた後対数変換器217で対数変換され、弱い信号が相対的に強調される。そして、対数変換器217の出力はA/D変換器219においてA/D変換されてBモード信号が生成される。 【0026】 一方、ドプラ信号検出部205は、基準信号発生器220、π/2移相器221、ミキサ222−1及び222−2、LPF(ローパスフィルタ)223−1及び223−2を備え、更に、A/D変換器224−1及び224−2、ドプラ信号記憶回路225を備えている。そして、超音波の受信信号に対して直交位相検波を行なってドプラ成分のIQ信号を検出する。 【0027】 即ち、超音波受信部203から供給されるドプラ信号検出部205の入力信号は、ミキサ222−1及び222−2の第1の入力端子に入力される。一方、この入力信号の中心周波数とほぼ等しい周波数を有し、レートパルス発生器211のレートパルスと同期した基準信号発生器220の連続波出力は、ミキサ222−1の第2の入力端子に直接供給されると共に、π/2移相器221に供給され、π/2移相器221において位相が90度シフトされてミキサ222−2の第2の入力端子に送られる。そして、ミキサ222−1及び222−2の出力は、ローパスフィルタ223−1及び223−2に供給され、ドプラ信号検出部205の入力信号周波数と基準信号発生器220の出力信号周波数との和の成分が除去されて差の成分のみが検出される。 【0028】 次いで、A/D変換器224−1及び224−2は、LPF223−1及び223−2の出力信号、即ち、直交位相検波されたアナログ信号をサンプリング周期Tsでサンプリングした後デジタル信号に変換し、ドプラ信号記憶回路225に保存する。 【0029】 この場合、ドプラ信号検出部205は、所定の走査方向に対して行なわれる連続した複数回(L回)の超音波送受信において得られる受信信号に対して直交位相検波を行なう。そして、この直交位相検波によって得られたI成分(ドプラ信号の実数成分)及びQ成分(ドプラ信号の虚数成分)を順次ドプラ信号記憶回路225に保存する。 【0030】 次に、カラードプラ信号生成部206は、MTIフィルタ226と、自己相関器227と、演算器228を備えている。そして、ドプラ信号検出部205のドプラ信号記憶回路225に保存されている同一走査方向におけるL個のIQ信号を用いて周波数解析を行ない、更に、この解析結果に基づいてカラードプラ信号を生成する。 【0031】 前記カラードプラ信号生成部206のMTIフィルタ226は、高域通過用のデジタルフィルタであり、ドプラ信号記憶回路225に一旦保存されたIQ信号に対して臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ信号成分(組織ドプラ成分)の除去を行なう。 【0032】 又、自己相関器227は、MTIフィルタ226によって血流情報のみが抽出されたドプラ信号に対して自己相関処理を行ない、演算器228は、この自己相関処理結果に基づいて血流の平均流速値、分散値、更にはパワー値などを2次元的に算出してカラードプラ信号を生成する。 【0033】 次に、図1に戻って、画像データ生成・記憶部207は、Bモード画像データ記憶領域とカラードプラ画像データ記憶領域を備え、所定方向の超音波送受波によって得られたBモード信号あるいはカラードプラ信号は、その付帯情報である走査方向の情報(以下、走査情報と呼ぶ。)と共に各々の記憶領域に順次保存されてBモード画像データ及びカラードプラ画像データ(第1のBモード画像データ及び第1のカラードプラ画像データ)を生成する。 【0034】 一方、画質調整部230は、画像データ生成・記憶部207に保存された第1のBモード画像データ及び第1のカラードプラ画像データをその走査情報に基づいて扇状の表示形態に対応した第2のBモード画像データ及び第2のカラードプラ画像データを生成する走査変換部232と、走査変換して得られた第2の画像データに対して画質調整のための演算を行なう画素値演算部233を備えている。 【0035】 画素値演算部233は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、前記演算回路は、入力部209において操作者が初期設定あるいは更新したダイナミックレンジやγ特性等の画質条件をシステム制御部210を介して受信し、これらの画質条件に基づいて前記第2の画像データ(即ち、第2のBモード画像データ及び第2のカラードプラ画像データ)の各画素における画素値に対して所定の演算を行なう。そして、演算後の第2の画像データを前記記憶回路に保存する。 【0036】 又、画質調整部230は、ROI情報記憶部231と、統計量算出部234と指標値算出部235と、画質調整ナリッジ検索部236と、表示用データ生成部237を備えている。そして、ROI情報記憶部231は、入力部209において初期設定された所望の関心領域(以下、ROI(region of interest)と呼ぶ。)の位置や形状に関する情報を保存する。 【0037】 一方、統計量算出部234は、ROI情報記憶部231に保存されたROI情報と画素値演算部233の記憶回路に保存された第2の画像データを読み出し、このROI情報に基づいて第2の画像データに設定したROIの画素値を用いてヒストグラムを生成する。更に、得られたヒストグラムからその平均値、最大値、最小値、分散値等の画素値統計量を算出する。 【0038】 次いで、指標値算出部235は、統計量算出部234において得られた画素値統計量を用いて画質特性の指標値を算出する。例えば、Bモード画像データやカラードプラ画像データのダイナミックレンジ(階調)に対する指標値βa及び指標値βcや、画素値に対する表示輝度を設定するγ特性に対する指標値βb、更には、カラードプラ画像データの中心周波数(平均流速値)の表示位置を設定するベースラインシフトに対する指標値βd等が、例えば、式(1)及び式(2)によって算出される。但し、Zbmax、Zbminは、Bモード画像データを表示部208のモニタに表示する際の表示ダイナミックレンジの最大値及び最小値を示し、Zcmax、Zcminは、カラードプラ画像データに対する表示ダイナミックレンジの最大値及び最小値を示す。 【数1】
【数2】
【0039】 一方、画質調整ナリッジ検索部236は、図示しないCPUと記憶回路を備え、前記記憶回路には、指標値算出部235によって算出された各指標値が所定の正常範囲から逸脱した場合に好適な画質調整の情報が画質調整ナリッジとして予め保管されている。尚、この画質調整ナリッジは、過去の臨床経験あるいは基礎実験等に基づいて予め登録される。図3は、画質調整ナリッジ検索部236の記憶回路に保管されている画質調整ナリッジの具体例を示したものであり、例えば、画質調整が必要な指標値の範囲(指標値範囲)401、画質調整に使用する画質調整機能402及び調整量(ステップ数)403が保存されている。 【0040】 そして、上記CPUは、指標値算出部235から供給される指標値と前記記憶回路に保存されている指標値範囲を比較し、指標値が画質調整を必要とする範囲にある場合には、この指標値範囲に対応した画質調整機能とその調整量に基づいて画質調整メッセージを生成する。 【0041】 一方、表示用データ生成部237は、図示しない演算回路と記憶回路を備え、この演算回路は、画素値演算部233の記憶回路に一旦保存された第2の画像データを読み出し、統計量算出部234から供給された画素値統計量の情報や画質調整ナリッジ検索部236から供給された画質調整メッセージ、更には、入力部209からシステム制御部210を介して供給された被検体情報や各種設定条件等を前記第2の画像データに重畳して表示用データを生成する。尚、Bモード画像データの表示においては、第2のBモード画像データが表示用データ生成部237に供給され、カラードプラ画像データの表示においては、第2のBモード画像データと第2のカラードプラ画像データが表示用データ生成部237に供給され合成される。 【0042】 そして、表示部208は、図示しない変換回路とモニタを備え、画質調整部230の表示用データ生成部237において生成された表示用データは、変換回路においてD/A変換とテレビフォーマット変換によって映像信号に変換された後、CRTあるいは液晶などのモニタに表示される。 【0043】 一方、入力部209は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等の入力デバイスと表示パネルを備え、患者情報や各種コマンド信号の入力、画像データ生成モードの選択、ROIの設定、画質条件の初期設定及び更新が上記入力デバイスと表示パネルを用いて行なわれる。尚、上述の画質条件として、既に述べたBモード画像データやカラードプラ画像データのダイナミックレンジ、Bモード画像データのγ特性、カラードプラ画像データのベースラインシフト、更には、カラードプラ画像データとBモード画像データを合成する際の優先度を決定する白黒・カラーバランス等がある。 【0044】 又、システム制御部210は、図示しないCPUと記憶回路を備え、入力部209から供給される各種の入力情報や設定情報等は前記記憶回路に保存される。そして、前記CPUはこれらの情報に基づいて、送受信・信号処理部200、画質調整部230、更には表示部208などの各ユニットの制御やシステム全体を統括して制御する。 【0045】 (画像データの生成手順) 次に、本実施例の超音波診断装置100における送受信・信号処理部200の基本動作と、この超音波診断装置100によるBモード画像データ及びカラードプラ画像データの生成手順につき図1乃至図5を用いて説明する。尚、図4は、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データの生成手順と後述する前記画像データに対する画質調整手順を示すフローチャートである。 【0046】 被検体に対する超音波検査に先だって、操作者は、入力部209の入力デバイスを用いて被検体情報の入力、画像データ生成モードの選択、画質調整用ROIの位置と形状の設定、及び画質条件の初期設定を行なう。この場合、画像データ生成モードとしてBモード画像データとカラードプラ画像データの生成モードが選択され、画質条件としてBモード画像データのダイナミックレンジやγ特性、カラードプラ画像データのダイナミックレンジやベースラインシフトが設定される(図4のステップS1)。そして、初期設定されたROIの情報は画質調整部230のROI情報記憶部231に保存され、その他の入力情報、選択情報及び設定情報はシステム制御部210の記憶回路に保存される。 【0047】 上記の入力、選択及び初期設定が終了したならば、システム制御部210は、図2に示した超音波送信部202のレートパルス発生器211に対して送信制御信号を供給し、レートパルス発生器211は、システム制御部210からの制御信号に同期して被検体に放射する超音波パルスの繰り返し周期(Tr)を決定するレートパルスを送信遅延回路212に供給する。 【0048】 次いで、送信遅延回路212は、所定の深さに超音波を集束するための集束用遅延時間と、第1の走査方向(θ1)に超音波を送信するための偏向用遅延時間をレートパルスに与え、このレートパルスをパルサ213に供給する。そして、パルサ213は、レートパルスの駆動によって生成される駆動信号を、ケーブルを介して超音波プローブ201におけるN個の圧電振動子に供給し、被検体のθ1方向に超音波パルスを放射する。 【0049】 被検体に放射された超音波パルスの一部は、音響インピーダンスの異なる臓器間の境界面あるいは組織にて反射する。又、この超音波が心臓壁や血球などの動きのある反射体で反射する場合、その超音波周波数はドプラ偏移を受ける。 【0050】 被検体の組織や血球にて反射した超音波反射波(受信超音波)は、超音波プローブ201の圧電振動子によって受信されて電気信号(受信信号)に変換され、この受信信号は、超音波受信部203におけるNチャンネルの独立なプリアンプ214にて増幅されてNチャンネルの受信遅延回路215に送られる。 【0051】 受信遅延回路215は、所定の深さからの超音波を収束するための集束用遅延時間と、前記第1の走査方向に強い受信指向性をもたせて受信するための偏向用遅延時間を前記受信信号に与えた後、加算器216に送る。そして、加算器216は、受信遅延回路215から出力されるNチャンネルの受信信号を加算合成し、1つの受信信号に纏めた後、Bモード信号生成部204とドプラ信号検出部205に供給する。 【0052】 次いで、Bモード信号生成部204に供給された加算器216の出力信号は、包絡線検波、対数変換、A/D変換がなされた後、図1の画像データ生成・記憶部207におけるBモード画像データ記憶領域にBモード信号として保存される。このとき、走査情報(θ1)も上記出力信号の付帯情報として保存される。 【0053】 一方、カラードプラ画像データの生成においては、受信信号のドプラ偏移を求めるために上述と同様な手順によって、前記第1の走査方向に連続した複数回(L回)の超音波送受信を行ない、このとき得られる受信信号に対して周波数解析を行なう。 【0054】 即ち、図2のドプラ信号検出部205に供給された前記加算器216の出力信号は、ミキサ222−1、222−2及びLPF223−1、223−2によって直交位相検波されて2チャンネルのIQ信号に変換される。そして、このIQ信号のI成分、及びQ成分の各々はA/D変換器224−1、224−2にてデジタル信号に変換された後、ドプラ信号記憶回路225に保存される。前記第1の走査方向に対するL回の超音波送受波によって得られた受信信号について同様な処理を行なってIQ信号を収集し、ドプラ信号記憶回路225に保存する。 【0055】 図5は、ドプラ信号記憶回路225に保存された第1の走査方向のIQ信号を模式的に示したものであり、図5(a)には、第1の走査方向に対するL回の超音波送受信によって得られたIQ信号のI成分A−1乃至A−Lが、又、図5(b)にはIQ信号のQ成分B−1乃至B−Lが示されている。尚、この図5における縦軸(Z方向)は超音波送受信方向に対応し、横軸(X軸)は第1の走査方向に対する送受信番号1乃至Lに対応している。そして、各IQ信号のX方向におけるサンプリング間隔はレートパルス周期(Tr)、又、Z方向のサンプリング間隔はドプラ信号検出部205のA/D変換器224におけるサンプリング周期(Ts)に対応している。 【0056】 即ち、前記第1の走査方向に対する最初の超音波送受信によって得られたIQ信号のI成分A−1及びQ成分B−1は、サンプリング間隔Tsのa11乃至a1nx及びb11乃至b1nxの一連のデータから構成され、同様にして、前記第1の走査方向に対する第L番目の超音波送受信によって得られたIQ信号のI成分A−L及びQ成分B−Lは、サンプリング間隔TsのaL1乃至aLnx及びbL1乃至bLnxから構成されている。そして、これらのI成分及びQ成分が送受信番号に対応してドプラ信号記憶回路225に保存される。 【0057】 第1の走査方向(θ1)に対するL回の超音波送受信によって得られたIQ信号のドプラ信号記憶回路225への保存が終了したならば、システム制御部210は、ドプラ信号記憶回路225に保存されているIQ信号の中から所定位置Pに対応したI成分及びQ成分(図4におけるa1n乃至aLn及びb1n乃至bLn)を順次読み出し、カラードプラ信号生成部206のMTIフィルタ226に供給する。そして、MTIフィルタ226は、供給された前記I成分及びQ成分に対して送受信番号方向でフィルタ処理を行ない、例えば心筋などの組織の運動によって生ずる組織ドプラ成分(クラッタ成分)を排除し、血流の流れによって生ずるドプラ成分のみを抽出する。 【0058】 血流情報が抽出されたIQ信号の供給を受けた自己相関器227は、このIQ信号を用いて自己相関処理を行ない、演算器228は、自己相関処理結果に基づいて血流の平均速度値や分散値、あるいはパワー値などを算出する。このような演算を、位置P以外の反射体からのIQ信号に対しても行ない、算出した第1の走査方向における血流の平均速度値、分散値あるいはパワー値などを図1の画像データ生成・記憶部207におけるカラードプラ画像データ記憶領域にカラードプラ信号としてその走査情報(θ1)と共に保存する。 【0059】 次いで、システム制御部210は、第2の走査方向乃至第Mの走査方向に対しても同様な超音波送受信を行なう。そして、このとき得られたBモード信号及びカラードプラ信号は、画像データ生成・記憶部207におけるBモード画像データ記憶領域、及びカラードプラ画像データ記憶領域に走査情報と共に順次保存される。 【0060】 即ち、画像データ生成・記憶部207のBモード画像データ記憶領域及びカラードプラ画像データ記憶領域には、第1の走査方向乃至第Mの走査方向において生成された1画像分のBモード信号とカラードプラ信号が順次保存され、第1のBモード画像データと第1のカラードプラ画像データが生成される(図4のステップS2)。 【0061】 (画質調整手順) 次に、上述の画像データ生成・記憶部207において生成された第1のBモード画像データ及び第1のカラードプラ画像データに対する画質調整の手順につき図1乃至図7を用いて説明する。 【0062】 Bモード画像データの表示に際して、図1に示した画質調整部230の走査変換部232は、画像データ生成・記憶部207のBモード画像データ記憶領域において保管されている第1のBモード画像データを構成するM個のBモード信号とその走査情報を読み出し、前記Bモード信号を、その走査情報に基づいて実際の走査形態に対応した扇状(セクタ)配列に変換して第2のBモード画像データを生成する(図4のステップS3)。 【0063】 次いで、画素値演算部233の演算回路は、初期設定されたダイナミックレンジやγ特性等の画質条件をシステム制御部210から受け、これらの情報に基づいて前記第2のBモード画像データの各画素値に対して所定の演算を行なう。そして、演算後の第2のBモード画像データを自己の記憶回路に一旦保存する(図4のステップS4)。 【0064】 一方、統計量算出部234は、初期設定され、ROI情報記憶部231に保管されているROI情報を読み出し、更に、このROIに対応した前記第2のBモード画像データの画素値を画素値演算部233の記憶回路から読み出す。そして、得られた画素値に基づいて生成したヒストグラムから、最大値Xbmax、最小値Xbmin及び平均値Xbav等の画素値統計量を算出し、得られたこれらの画素値統計量を指標値算出部235及び表示用データ生成部237に供給する(図4のステップS5)。 【0065】 統計量算出部234から上記画素値統計量の供給を受けた指標値算出部235は、これらの値に基づいて画質調整の指標値を算出し、得られた指標値を画質調整ナリッジ検索部236に供給する。尚、以下では、前記指標値として、ダイナミックレンジを調整するための指標値βaとγ特性を調整するための指標値βbについて述べるが、これらに限定されるものではない。尚、指標値算出部235は、例えば、既に示した式(1)によって指標値βa及び指標値βbの算出を行なう(図4のステップS6)。 【0066】 指標値βa及び指標値βbの供給を受けた画質調整ナリッジ検索部236は、これらの指標値に対応する画質調整ナリッジを検索する(図4のステップS7)。即ち、画質調整ナリッジ検索部236は、前記指標値と予め自己の記憶回路に保管されている画質調整が必要な指標値範囲を比較し、前記指標値を含む指標値範囲が存在する場合には、この指標値範囲に対応して予め設定されている画質調整機能と調整量(図2参照)に基づいて画質調整メッセージを作成し、表示用データ生成部237に供給する。 【0067】 例えば、ダイナミックレンジの指標値βaが画質調整ナリッジ検索部236の記憶回路に保管されている指標値範囲0<βa<0.1に該当する場合には、調整すべき画質調整機能「ダイナミックレンジ(Bモード)」とその調整量「+3ステップ」とから「ダイナミックレンジを+3ステップだけ更新することを推奨」のメッセージを作成する。又、γ特性の指標値βbが指標値範囲0.4<βb<0.8に該当する場合には、画質調整機能「γ特性」とその調整量「−2ステップ」とから「γ特性を−2ステップだけ更新することを推奨」のメッセージを作成する。尚、上記調整量(ステップ数)とダイナミックレンジあるいはγ特性の曲線関数の関係は、システム制御部210の記憶回路においてルックアップテーブルとして予め保管されている。 【0068】 一方、上記指標値βaあるいは指標値βbが含まれる指標値範囲が画質調整ナリッジに存在しない場合には、画質調整ナリッジ検索部236はその旨を表示用データ生成部237に供給する。 【0069】 次に、表示用データ生成部237は、画素値演算部233から供給された第2のBモード画像データ、統計量算出部234から供給された画素値統計量、更には、画質調整ナリッジ検索部236から供給された画質調整メッセージに基づいて表示用データを生成する。 【0070】 そして、表示部208の変換回路は、表示用データ生成部237において生成された表示用データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行なって映像信号に変換しモニタに表示する。 【0071】 図6は、このとき表示部208に表示されるBモード画像データの具体例を示したものであり、例えば、Bモード画像データ411の左上部にはBモード画像データのグレースケールバー412が表示され、このグレースケールバー412には表示ダイナミックレンジを示す最大値Zbmax及び最小値Zbminが示されている。更に、このグレイスケールバー412には、統計量算出部234によって算出された画素値ヒストグラムの最大値Xbmax、最小値bXmin、平均値Xbavが表示される。この場合、上記画素値統計量の値を表示してもよいが、通常は、図6に示すように夫々のマーカがグレースケールバー412の所定の位置に表示される。 【0072】 又、このグレースケールバー411の下方には、必要に応じて画素値ヒストグラム413が表示される。更に、Bモード画像データ411の下方には、上述の画素値統計量を用いて算出した指標値βa及びβbに基づいて画質調整ナリッジ検索部236が生成した画質調整メッセージ414が表示される(図4のステップS8)。 【0073】 尚、画質調整ナリッジ検索部236において指標値βaあるいは指標値βbが含まれる指標値範囲が存在しない場合には、上記画素値統計量の情報のみが表示され画質調整メッセージは表示されない(図4のステップS9)。 【0074】 次いで、この表示用データを観察した操作者は、表示部208のモニタにおけるBモード画像データのグレースケールに追加表示された画素値統計量の情報や画質調整メッセージを参考に画質条件の更新を入力部209において行なう(図4のステップS10)。そして、更新された画質条件は、システム制御部210を介して画素値演算部233に供給され、画素値演算部233は、走査変換部232から既に供給されている上記第2のBモード画像データ、あるいは新たに供給される第2のBモード画像データに対して所定の画素値演算を行なう(図4のステップS11)。そして、更新された画質条件によって画素値演算された第2のBモード画像データは、表示用データ生成部237を介して表示部208に表示される(図4のステップS12)。 【0075】 以上、Bモード画像データの画質調整について述べてきたが、カラードプラ画像データにおける画質調整も同様の手順によって行なうことが可能である。 【0076】 この場合、画素値演算部233の演算回路は、初期設定されたダイナミックレンジやベースラインシフトの画質条件をシステム制御部210から受信し、これらの画質条件に基づいて走査変換部232から供給される第2のカラードプラ画像データの画素値演算を行なう。そして、演算後の第2のカラードプラ画像データを自己の記憶回路に一旦保存する(図4のステップS4)。 【0077】 一方、統計量算出部234は、初期設定されたROIにおける前記第2のカラードプラ画像データの画素値(例えば、流速値)に基づいて生成したヒストグラムから、最大値Xcmax、最小値Xcmin及び平均値Xcavを算出する(図4のステップS5)。 【0078】 指標値算出部235は、これらの統計量に基づいてカラードプラ画像データのダイナミックレンジを調整するための指標値βcとベースラインシフトを調整するための指標値βdを、例えば既に示した式(2)によって算出する。但し、Zcmax、Zcminは、表示部208におけるカラードプラ画像データの最大流速値及び最小流速値に対応した画素値を示す(図4のステップS6)。 【0079】 そして、指標値βc及び指標値βdの供給を受けた画質調整ナリッジ検索部236は、前記指標値に対応する画質調整ナリッジを検索し(図4のステップS7)、これらの指標値を含む指標値範囲が存在する場合には、この指標値範囲に対応して予め設定されている画質調整機能と調整量(図2参照)に基づいて画質調整メッセージを作成する。 【0080】 例えば、ダイナミックレンジの指標値βcが指標値範囲0.1<βc<0.2に該当する場合には、更新すべき画質調整機能「ダイナミックレンジ(カラードプラモード)」とその調整量「+3ステップ」とから「ダイナミックレンジを+3ステップだけ更新することを推奨」の画質調整メッセージを生成する。又、ベースラインシフトの指標値βdが指標値範囲0.8<βd<1.0に該当する場合には、画質調整機能「ベースラインシフト」とその調整量「+3ステップ」とから「ベースラインシフトを+3ステップだけ更新することを推奨」の画質調整メッセージを生成する。 【0081】 そして、表示用データ生成部237は、画素値演算部233から供給された第2のカラードプラ画像データ及び第2のBモード画像データ、統計量算出部234から供給された画素値統計量、更には、画質調整ナリッジ検索部236から供給された画質調整メッセージに基づいて表示用データを生成し、この表示用データは表示部208において表示される。尚、このときカラードプラ画像データは同一の時相において得られたBモード画像データと合成されて表示される(図4のステップS8)。 【0082】 図7は、このとき表示部208において表示されるカラードプラ画像データの具体例を示したものであり、例えば、Bモード画像データ411と合成されたカラードプラ画像データ511の左上部にはカラードプラ画像データの表示におけるカラーバー(流速値バー)512が表示され、このカラーバー512には表示ダイナミックレンジを示す最大値Zcmax及び最小値Zcminが示されている。更に、このカラーバー512には、統計量算出部234によって算出された画素値ヒストグラムの最大値Xcmax、最小値cXmin、平均値Xcavを示すマーカ(即ち、画素値統計量の情報)が表示される。 【0083】 又、このカラーバー512の下方には、上記画素値統計量の算出に用いた画素値ヒストグラム513が表示され、更に、カラードプラ画像データ511の下方には、画素値統計量を用いて算出した指標値βdに基づいて画質調整ナリッジ検索部236が生成した画質調整メッセージ514が表示される。 【0084】 尚、表示部208に表示された画素値統計量の情報や画質調整メッセージに基づく画質条件の設定(図4のステップS10)、この画質条件による画素値演算(図4のステップS11)、そして画素値演算後の画像データの表示(図4のステップS12)はBモード画像データの場合と同様であるため詳細な説明は省略する。 【0085】 以上述べた本発明の第1の実施例によれば、被検体に対する超音波の送受波によって生成されたBモード画像データあるいはカラードプラ画像データの表示において、これらの画像データにおける画素値の統計量を表示することにより、操作者による画質調整を容易かつ正確に行なうことができる。 【0086】 更に、画素値の統計量から算出した指標値に基づいて予め保管された画質調整ナリッジを検索することにより、好適な画質調整メッセージを得ることができ、上記画質調整の作業を効率よく行なうことが可能となる。特に、上記画質調整メッセージには、調整すべき画質調整機能とその調整量が含まれているため、経験の浅い操作者であっても正確かつ短時間の画質調整が可能となる。 【0087】 又、本実施例では、予め設定した画質条件によって画質調整が行なわれた後の画像データに対して画素値統計量の情報や画質調整メッセージが示されるため、画質条件を順次最適な状態に更新することが可能となる。 【0088】 更に、本実施例における画質調整は、画像データに対する客観的な統計量あるいはこの統計量に基づいて得られる画質調整メッセージを参考に操作者自身が行なうため、自動化された画質調整に対してこれまで操作者が抱いた不安感や違和感を排除することができる。 【0089】 (変形例) 次に、上述の第1の実施例の変形例につき図8及び図9を用いて説明する。尚、図8は、本変形例における超音波診断装置110の全体構成を示すブロック図であり、図9は、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データの生成手順と画質調整手順を示すフローチャートである。 【0090】 この超音波診断装置110の、図1に示した第1の実施例における超音波診断装置100に対する差異は、画像データ生成・記憶部207において生成された第1の画像データを用いて画素値統計量の算出、画質調整メッセージの生成、更には画質調整のための画素値演算を行なうことにある。 【0091】 即ち、画質調整部630の統計量算出部234は、上記実施例と同様の手順により画像データ生成・記憶部207において生成された(図9のステップS21)第1の画像データの画素値を読み出し、この画素値に基づいて生成したヒストグラムから画素値統計量を算出する(図9のステップS22)。そして、図9のステップS23にて指標値算出部235が前記画素値統計量を用いて算出した指標値に基づいて画質調整ナリッジ検索部236は画質調整メッセージを生成し、前記画素値統計量の情報と画質調整メッセージは表示部208において表示される(図9のステップS24乃至S25又は図9のステップS24乃至S26)。 【0092】 一方、画素値演算部233は、表示された前記画素値統計量の情報あるいは画質調整メッセージに基づいて操作者が入力部209より設定あるいは更新(図9のステップS27)した画質条件に従って前記第1の画像データの画素値演算を行ない(図9のステップS28)、走査変換部232は、画素値演算後の第1の画像データを走査変換して第2の画像データを生成する。そして、得られた第2の画像データは、前記画素値統計量の情報及び画質調整メッセージと共に表示部208に表示される(図9のステップS29)。上述の変形例によれば、画質条件の設定に依存しない第1の画像データに基づいて画質調整を行なうことができるため、画質調整ナリッジの設定が容易となる。 【実施例2】 【0093】 次に、本発明の第2の実施例につき図9を用いて説明する。上述の第1の実施例とその変形例では、生成されたBモード画像データやカラードプラ画像データに対する画質調整を行なう画質調整部230は超音波診断装置100に内蔵されている場合について述べたが、図9に示すように独立した画像表示装置であってもよい。 【0094】 即ち、図9の画像表示装置120は、超音波診断装置によって生成された第1の画像データを保管する画像データ記憶部301と、この第1の画像データを用いて所望の解析や処理を行なう解析・処理部302と、解析・処理後の第1の画像データを走査変換して得られた第2の画像データにおける画素値統計量の算出と、この画素値統計量に基づいて得られた指標値に対応した画質調整メッセージを生成するとともに、前記第2の画像データに対して画素値統計量の情報及び画質調整メッセージを重畳して表示用データを生成する画質調整部230を備えている。 【0095】 更に、画像表示装置120は、上述の画像データ、画素値統計量の情報及び画質調整メッセージ等を表示する表示部303と、画質条件の初期設定や更新、被検体情報の入力、画像表示開始コマンド等のコマンド信号の入力を行なう入力部304と、これら各ユニットを統括して制御するシステム制御部305を備えている。 【0096】 そして、画像データ記憶部301には、図示しない超音波診断装置において得られたBモード画像データやカラードプラ画像データが記憶媒体あるいはネットワーク306を介して供給される。尚、上記画質調整部230の構成及び画質調整の手順は上述の第1の実施例と略同様であるため詳細な説明は省略する。 【0097】 上述のように、通常の臨床検査で使用される超音波診断装置に対して独立した画像表示装置200を用いることにより、研究を目的として画像処理あるいは解析された超音波画像データに対しても好適な画質調整を行なうことが可能となる。 【0098】 尚、上記画像表示装置120の統計量算出部234は、第1の実施例の変形例と同様にして画像データ記憶部301において保存されている第1の画像データを用いて画素値統計量の算出を行なってもよい。 【0099】 以上、本発明の実施例について述べたが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例では、ROIを初期設定した場合について述べたが、走査変換後の第2の画像データを表示部に表示し、表示された第2の画像データに対して操作者が入力部の入力デバイスを用いてROIの設定を行なってもよい。又、ROIを設定せずに第1の画像データあるいは第2の画像データ全体の画素値を用いて画素値統計量を算出してもよい。 【0100】 又、既に述べた実施例では、走査変換後の第2の画像データに対して画素値演算を行なう場合について述べたが、第1の画像データに対して画素値演算を行ない、演算後の第1の画像データに対する走査変換によって生成した第2の画像データを表示用データ生成部に供給してもよい。このとき統計量算出部は、画像データ生成・記憶部あるいは解析・処理部から供給される第1の画像データを用いて画素値統計量の算出が行なわれる。 【0101】 一方、画質調整ナリッジ検索部が検索した画質調整機能に基づいて入力部の当該調整キーを点滅表示することによって画質調整作業の効率を更に改善することができる。 【0102】 更に、上述の第1の実施例の超音波受信部はアナログ方式について述べたがデジタル方式であっても構わない。又、この超音波診断装置によって生成される画像データは2次元の画像データに限定されるものではなく、3次元画像データやこの3次元画像データから得られるMPR画像データ、ボリュームレンダリング画像データ、あるいはサーフェスレンダリング画像データ等であってもよい。そして、超音波プローブは、上記3次元画像データを生成するために圧電振動子が2次元配列されていてもよい。 【0103】 尚、リアルタイム表示される超音波画像データに対して本実施例を適用する場合、所定の周期でサンプリングして得られる画像データに基づいた画素値統計量の情報あるいは画質調整メッセージの表示が好適である。 【図面の簡単な説明】 【0104】 【図1】本発明の第1の実施例における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。 【図2】同実施例における送受信・信号処理部の構成を示すブロック図。 【図3】同実施例における画質調整ナリッジを示す図。 【図4】同実施例における画像データ生成手順及び画質調整手順を示すフローチャート。 【図5】同実施例のドプラ信号記憶回路に保存されるIQ信号の模式図。 【図6】同実施例においてBモード画像データと共に表示される画素値統計量の情報及び画質調整メッセージの具体例を示す図。 【図7】同実施例においてカラードプラ画像データと共に表示される画素値統計量の情報及び画質調整メッセージの具体例を示す図。 【図8】同実施例の変形例における超音波診断装置のブロック図。 【図9】同変形例における画像データ生成手順及び画質調整手順を示すフローチャート。 【図10】本発明の第2の実施例における画像表示装置のブロック図。 【符号の説明】 【0105】 100、110…超音波診断装置 120…画像表示装置 200…送受信・信号処理部 201…超音波プローブ 202…超音波送信部 203…超音波受信部 204…Bモード信号生成部 205…ドプラ信号検出部 206…カラードプラ信号生成部 207…画像データ生成・記憶部 208、303…表示部 209、304…入力部 210、305…システム制御部 230、630…画質調整部 231…ROI情報記憶部 232…走査変換部 233…画素値演算部 234…統計量演算部 235…指標値算出部 236…画質調整ナリッジ検索部 237…表示用データ生成部 301…画像データ記憶部 302…解析・処理部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号 【識別番号】594164542 【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社 【住所又は居所】栃木県大田原市下石上1385番地
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| 【出願日】 |
平成16年3月1日(2004.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109900 【弁理士】 【氏名又は名称】堀口 浩
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| 【公開番号】 |
特開2005−245503(P2005−245503A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−56166(P2004−56166) |
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