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【発明の名称】 医療用具保持装置
【発明者】 【氏名】大塚 聡司
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内

【氏名】植田 昌章
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内

【氏名】村上 勝
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内

【要約】 【課題】この発明は、簡易な構成で、且つ、使い勝手を含む取扱い操作性の向上を図り得るようにすることにある。

【解決手段】アーム5の第1及び第2アーム5b、5cにチューブ固定部材9を設け、このチューブ固定部材9を用いて延出材であるチューブ10及びテレビカメラケーブル12を固定配置するように構成し、初期の目的を達成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用具を保持して移動・固定可能に設けられる保持部と、
前記医療用具より延出される線状の延出材と、
前記延出材を前記保持部に固定配置する固定手段と、
を具備することを特徴とする医療用具保持装置。
【請求項2】
前記固定手段は、前記保持部に設けられることを特徴とする請求項1記載の医療用具保持装置。
【請求項3】
前記固定手段は、前記保持部に着脱可能に設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の医療用具保持装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば神経内視鏡や腹腔鏡等の内視鏡や処置具等の医療用具を保持するのに用いる医療用具保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、神経内視鏡や腹腔鏡等の内視鏡を使用した手術においては、一度に複数の硬性鏡や処置具が使用される。このうち硬性鏡には、送気、送水及び吸引等を行うチューブ類や照明光供給用ライトガイド、TVカメラケーブル等の線状の延出材がそれぞれ接続される。そして、他方の処置具においても、送水や吸引を行う為のチューブ類が接続されるものがある。
【0003】
また、顕微鏡を使用した手術においても、同様に送水管や吸引管、または超音波診断装置のUSプローブ等が用いられ、手術部近傍に複数のチューブ類等の線状の延出材が接続配置された状態で進められる。このようなチューブ類等の延出材が手術部近傍に散乱すると手術の邪魔になるため、従来、患者を覆う滅菌布に布カンシ等で固定する方法が取られている。
【0004】
ところが、上記布カンシで固定する方法では、その取付作業自体がやりにくく、手術の準備や後片付けの度に延出材を着脱する煩雑な作業を伴うために、その取扱い操作が面倒で、手術効率の低下を招いていた。また、これによると、布カンシには、先端部に鋭利な爪が構成されていることにいより、延出材であるチューブ類を保持する際に、誤ってチューブ類を破損してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、延出材を位置決め固定する手段として、TVカメラケーブルやライトガイド等を、内視鏡保持アームの内部に収納することにより、手術中に邪魔にならないようにしたもの(例えば、特許文献1参照)や、ドレープに取り付けるフック部とケーブル固定部を有する内視鏡ケーブル固定具を使用することにより、ケーブルを誤って破損することなく、ドレープに固定可能に構成したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、上記内視鏡や顕微鏡を使った手術においては、手術が進むに従って、手術部位への内視鏡の導入や顕微鏡の設置及び退避が行われたり、その手術中に、観察位置や観察方向を変更したりと、頻繁に内視鏡や顕微鏡の位置や向きを変える操作が行われる。
【0007】
そこで、このような操作の操作性を向上させる方法として、複数のアーム部と関節部及びブレーキからなる移動機構と、前記内視鏡や顕微鏡の質量を相殺するバランス機構とを備えた医療用具保持装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このブレーキは、予め手術室に配管されているエアーバルブと接続して、このエアーバルブを介して供給されるエアーの圧力によりブレーキのオン・オフが行われる。
【特許文献1】特開平6−63003号公報
【特許文献2】実開平5−86301号公報
【特許文献3】特開2003−116876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示される構成では、ケーブル類を内視鏡保持アームの内部に収納する方式が開示されているが、ケーブル類がアームの内部に収納されていると、既にアームの内部に収納されているケーブル類を、手術の度に変更したりすることができないという不都合を有する。
【0009】
仮に、変更できるようにするには、あらかじめ複数のケーブル類をアームの内部に収納しておく必要があるが、これはアームの大型化、重量増加になる。また、これによると、送水や吸引を行うチューブ等のように、滅菌域で使用されるチューブ類の場合には、不潔域のアーム内部に収納することが困難であるという不都合を有する。
【0010】
また、上記特許文献2に開示される複数のケーブル固定具を用いてチューブ類をドレープに固定する方法では、内視鏡保持アームにドレープを被せる場合、アームに対しドレープを固定するのにドレープ固定手段(テープ等)が用いられるために、チューブ類の固定手段に加え、ドレープ固定手段が存在することで、アームまわりが煩雑になるという不都合を有する。
【0011】
さらに、上記特許文献3に開示される医療器具保持装置では、その構成上、エアーが供給されていない状態で、その移動調整ができないために、手術前の準備や手術後の後片付けの際に、その都度、ブレーキをエアーバルブに接続しなければならないことで、その取扱い操作が非常に面倒であるという問題を有する。
【0012】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、且つ、使い勝手を含む取扱い操作性の向上を図った治療用具保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、医療用具を保持して移動・固定可能に設けられる保持部と、前記医療用具より延出される線状の延出材と、前記延出材を前記保持部に固定する固定手段とを備えて医療用具保持装置を構成した。
【0014】
上記構成によれば、線状の延出材は、医療用具を保持する保持部に固定配置されることにより、保持部とともに一体的に移動・固定されて、医療用具の高精度な移動調整を可能とする。これにより、延出材の取扱い性の向上が図れると共に、保持部の高精度な取扱い操作が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、簡易な構成で、且つ、使い勝手を含む取扱い操作性の向上を図った治療用具保持装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る医療用具保持装置としての内視鏡保持装置を示すもので、体腔内に挿入される内視鏡部1には、TVカメラ2が接続される。この内視鏡部1には、取り付けアダプタ3が設けられ、この取り付けアダプタ3は、取り付けネジ4によってアーム5に構成された先端部5aに着脱自在に取り付けられる。
【0018】
アーム5は、第1アーム5b、第2アーム5c及び垂直アーム5dによって構成され、これら第1及び第2アーム5b、5c、垂直アーム5dは、関節部5e,5fを介して回転自在に結合される。これら関節部5e,5fには、図示しない電磁石の吸引力やエアーの圧力により、自在にロック・フリーが可能なブレーキが設けられる。
【0019】
また、上記第2アーム5cの端部には、内視鏡部1、TVカメラ2及びアーム5の質量を相殺しバランスを保つバランス錘6が設けられる。そして、上記垂直アーム5dは、ベース7に立設される。このベース7の底面には、移動用の複数のキャスター8が設けられる。
【0020】
上記アーム5の第1アーム5b及び第2アーム5cには、例えばプラスチックやゴム等の弾力性を持った材質からなるケーブル、チューブ等の線状の延出材の固定手段としてのチューブ固定部材9が設けられる。このチューブ固定部材9は、例えば図2に示すように筒状に形成され、その内部に上記第1及び第2アーム5b,5cが挿入されて該第1及び第2アーム5b,5cの外周部に取り付けられる。
【0021】
また、チューブ固定部材9の外周部には、弾性変形自在な一対のチューブ保持部9a及び9bが所定の間隔に2個設けられる。この一対のチューブ保持部9a、9bは、お互いに向き合う側を中心とする円弧状に形成され、その内径が、線状の延出材である例えば送水管や吸引管等のチューブ10やテレビカメラケーブル12の外径寸法とほぼ同等の寸法に形成される。そして、これらチューブ保持部9a及び9bには、その先端部に着脱用の開口9cが設けられる。この開口9cの間隔tは、チューブ10やテレビカメラケーブル12の外径寸法よりも僅かに小さい寸法に設定される。
【0022】
上記構成において、アーム5には、その全体を覆うように減菌用のドレープ11が被され、その第1及び第2アーム5b、5cのチューブ固定部材9が、図2に示すようにドレープ11の内側に位置される。この状態で、送水管や吸引管のチューブ10及びテレビカメラケーブル12は、図3に示すように上記ドレープ11内のチューブ固定部材9のチューブ保持部9a、9bの各開口9cに該ドレープ11を介在させた状態で、その弾性力を利用して押し込むように挿入して収容する。ここで、これら送水管や吸引管等ののチューブ10及びテレビカメラケーブル12は、ドレープ11とともにチューブ保持部9a及び9bによって挟まれ保持され、アーム5に位置決め固定される。
【0023】
また、上記チューブ固定部材9のチューブ保持部9a、9bに保持されたチューブ10やテレビカメラケーブル12を取り外す場合には、チューブ10及びテレビカメラケーブル12を手で持って引っ張ると、チューブ固定部材9のチューブ保持部9a及び9bが弾性変形して開口9cが広がり、チューブ固定部材9から離脱される(図2参照)。
【0024】
このように、上記内視鏡保持装置は、アーム5の第1及び第2アーム5b、5cにチューブ固定部材9を設け、このチューブ固定部材9を用いてチューブ10及びテレビカメラケーブル12を固定配置するように構成した。
【0025】
これによれば、チューブ10及びテレビカメラケーブル12をアーム5に固定する場合、チューブ固定部材9に押し込むだけで弾性係合されて簡単に固定配置することができて、取り外す場合には、これらチューブ10及びテレビカメラケーブル12を手で持ってチューブ固定部材9の弾性力に抗して引っ張るだけで簡単に取り外すことができる。
【0026】
また、これによれば、送水管や吸水管のような手術の減菌領域で使用するチューブ10及びテレビカメラケーブル12を、ドレープ11を介在してチューブ固定部材9に固定配置することとなるため、ドレープ11をテープや輪ゴムで固定する必要が無いことで、種出の準備や後片付け等に作業が簡便化されて、使い勝手を含む取扱い操作性の向上が図れる。従って、手術の前後、または途中でのCTスキャン等の準備や収納を短時間で行うことができるので患者及び手術スタッフへの負担を軽くすることができる。
【0027】
さらに、これによれば、上記第1及び第2アーム5b、5cに配された複数のチューブ固定部材9の間隔に合わせて、チューブ10及びテレビカメラケーブル12の保持される位置に、例えばテープやペイント等により目印を付けておくように構成することで、例えば操作に習熟していな使用者でも、迅速にして容易にチューブ10及びテレビカメラケーブル12を所定の位置に固定することができ、さらに使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、チューブ固定部材9に円弧形状をした一対のチューブ保持部9a,9bを2箇所設けるように構成した場合で説明したが、この構成及び数に限るものではなく、チューブ固定部材9に構成されるチューブ保持部9a,9bの数を多くしたり、形状を変えたりするように構成することも可能である。このようにチューブ保持部9a,9bの数を多くしたり、形状を変えたりすることにより、さらに、複数の手術機器を使ったり、いろいろな形状のチューブに対応するように構成することが可能となり、さらに使い勝手の向上を図ることができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、チューブ固定部材9の内径を第1及び第2アーム5b,5cの外径に固定するようにしたが、これに限ることなく、その他、チューブ固定部材9の内径と第1及び第2アーム5b,5cの外径に隙間を確保することによって第1及び第2アーム5b,5cの軸中心に回転自在に構成するようにしても良い。このように構成することで、第1及び第2アーム5b、5cを動かした場合、チューブ10やテレビカメラケーブル12の曲げ硬さや引っ張り力に応じて、チューブ固定部材9は第1アーム5bや第2アーム5cに対して回転し、チューブ10やテレビカメラケーブル12に無理な力を与えないことで、第1及び第2アーム5b、5cの操作力量に影響を与えることなくなり、さらに良好な効果が期待される。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4乃至図7は、この発明の第2の実施の形態に係る内視鏡保持装置を示すもので、上記第1の実施の形態と略同様の効果が期待される。但し、この図4乃至図7においては、上記第1の実施の形態と同一部分について、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0031】
即ち、第2の実施の形態においては、例えばプラスチックやゴム等の減菌可能な弾力性を持った材質からなる固定手段であるチューブ固定部材100を、アーム5を覆うように被着した減菌用ドレープ11の外側に配置するよう構成される(図4参照)。このチューブ固定部材100は、上記第1及び第2アーム5b、5cの外径に対応して略半円形状の第1及び第2固定部の基端が回動ピン15を介して回動自在に取付けられ、これら第1及び第2固定部13,14の先端部には、爪部13d,14aが対向して設けられる。
【0032】
これにより、第1及び第2固定部13,14は、回動ピン15を介して回動されて筒状の閉塞位置(図5及び図6参照)と開いた開位置(図4参照)に回動自在に構成され、その開位置において第1及び第2アーム5b、5cの周囲に取り付けられ、その後、反転され、互いの爪部13d,14aが弾性係合されることで、閉塞位置において位置規制される。
【0033】
また、上記第1固定部13の外周部には、弾性変形自在な一対のチューブ保持部13a及び13bが所定の間隔に2個設けられる。この一対のチューブ保持部13a、13bは、お互いに向き合う側を中心とする円弧状に形成され、その内径が、線状の延出材である例えば送水管や吸引管等のチューブ10やテレビカメラケーブル12の外径寸法とほぼ同等の寸法に形成される。そして、これらチューブ保持部13a及び13bには、その先端部に着脱用の開口13dが設けられる。この開口13dの間隔tは、チューブ10やテレビカメラケーブル12の外径寸法よりも僅かに小さい寸法に設定される。
【0034】
上記構成において、アーム5には、その第1及び第2アーム5b、5cにドレープ11が被される。そして、このドレープ11上には、図4に示すように滅菌済みのチューブ固定部材100が、その第1及第2固定部13,14を開位置に開いた状態で、その一方を第1及び第2アーム5b、5cの周囲に取り付け、その後、これら第1及び第2固定部13,14の他方を図5に示すように閉塞位置まで反転させて、相互の爪部13d,14aを弾性係合させることで、固定配置される。ここで、ドレープ11は、チューブ固定部材100を介して第1及び第2アーム5b、5cに位置決め固定される。
【0035】
次に、このチューブ固定部材100には、そのチューブ保持部13a,13bにその開口13dから送水管や吸引管のチューブ10及びテレビカメラケーブル12が押し込まれると、チューブ保持部13a、13bが弾性変形してチューブ10及びテレビカメラケーブル12が収容され保持される(図6参照)。ここで、チューブ固定部材100は、滅菌処理がされているのでチューブ類の清潔が保たれる。
【0036】
この第2の実施の形態では、ドレープ11をアーム5を覆うように被せた状態で、チューブ固定部材100を第1及び第2アーム5b、5cに取り付けるように構成していることにより、手術の途中でチューブ固定部材100の着脱が可能となり、手術の進行に合わせて、必要なチューブ類に適した形状のチューブ固定部材100を自由に選択できるので、さらに使い勝手の向上を図ることができる。
【0037】
(第3の実施の形態)
図8乃至図10は、この発明の第3の実施の形態に係る内視鏡保持装置の要部を取り出して示すものである。但し、図8乃至図10においては、上記第1及び第2の実施の形態と同一部分について、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0038】
即ち、上記ベース7には、ホース16が接続される。このホース16の端部は、第1の制御手段としての図示しない手術室の壁などに設置されているエアーバルブに接続され、ある一定の圧力によりエアーが供給される。このベース7の内部には、一端が上記ホース16に連通される第1チェックバルブ17が設けられ、この第1チェックバルブ17に他端は、第1分岐点18にて2つの配管に分岐される。
【0039】
この第1分岐点18の一方には、第2チェックバルブ19と手動バルブ20が並列に接続され、その第2チェックバルブ19と手動バルブ20から出た配管は再び合流し、第2の制御手段としてのチャンバー21に接続される。ここで、第1チェックバルブ17及び第2チェックバルブ19の構成は、パッキン22と移動弁23からなり、エアーの圧力が図8中の矢印A方向に働いた場合に、移動弁23が図8中、右方向に移動されてエアーを矢印A方向に流し、エアーの圧力が矢印B方向に働いた場合に、移動弁23が図中左方向に移動してパッキン22と当接しエアーの流れを遮断する。
【0040】
また、上記手動バルブ20は、矢印C及び矢印D方向に移動可能に設けられ、矢印C方向に移動した場合に、配管内のエアーの流れを遮断し、矢印D方向に移動した場合に、エアーを流すように構成される。なお、上記手動バルブ20と上記ベース7の接触部には、手動バルブ20内部の気密性を保つ為のパッキン24が配される。
【0041】
上記第1分岐点18により分岐された配管のもう一方は、ベース7の内部を経由し、中間ホース25を経てブレーキ解除スイッチ26を経由して負作動ブレーキとしてのエアーブレーキ27に配管される。これらブレーキ解除スイッチ26及びエアーブレーキ27は、上記アーム5の垂直アーム5dの関節部5fに収容配置される。
【0042】
このうちブレーキ解除スイッチ26は、バネ28により矢印E方向に押圧されると共に、パッキン29によりスイッチ内部の気密性が確保されて配される。そして、上記垂直アーム5dには、上記ブレーキ解除スイッチ26が矢印E方向に移動した状態でブレーキ内部のエアーを排出するための排出口5gが設けられる。
【0043】
他方のエアーブレーキ27は、その本体部27aが、ビス30により上記垂直アーム5dに固定され、この本体部27aのフランジ部端面にはブレーキパット31が接着固定される。そして、この本体部27aの外周部には、シリンダ27bの内径が嵌合され、軸Oの方向に移動可能に設けられると共に、該シリンダ27bの本体部27a側の端面には、ブレーキパット32が接着固定されている。
【0044】
この本体部27aの外周部には、溝部27cが形成され、その溝部27cには、Oリング33が挿入されて、本体部27aの外周部に嵌合されたシリンダ27bとの間の気密性が確保される。また、本体部27aには、ガイド軸34が固定され、このガイド軸34とシリンダ27bとの間には、ブレーキバネ35が矢印G方向に付勢力を付与するように係着される。このブレーキバネ35は、シリンダ27bを矢印G方向に付勢して上記ブレーキパット32及び31の間に配置されたディスク36を挟持する。
【0045】
このディスク36は、ビス37によって上記第2アーム5cに固定される。第2アーム5cは、内径に挿入されている2つのベアリング38及び39を介して上記垂直アーム5dの円筒部の外径に支持される。このベアリング38及び39は、オサエカン40及び41とカラー42を介して第2アーム5c及び垂直アーム5dに固定される。
【0046】
上記構成において、アーム固定状態においては、図8に示すように上記エアーバルブ(図示せず)から供給されたエアーが、ベース7の内部の第1チェックバルブ17及び第2チェックバルブ19を経由してチャンバー21に貯蔵される。また、エアーブレーキ27は、ブレーキバネ35の押圧力によりディスク36が固定されることで、該ディスク36と一体的に結合されている第2アーム5cが、垂直アーム5dに対して固定されて位置決めされる。
【0047】
先ず、アーム65のブレーキを解除する場合には、図9に示すようにブレーキ解除スイッチ26を矢印F方向に押圧操作する。すると、上記エアーは、エアーブレーキ27のシリンダ27b内部に導入され、そのシリンダ27bがブレーキバネ35の押圧力に反して矢印H方向へ移動される。これによって、シリンダ27bに接着固定されたブレーキパット32がディスク36から離間され、ディスク36及び第2アーム5cは、軸O周りに自由に回転可能となる。
【0048】
また、再び、アームを固定する場合には、ブレーキ解除スイッチ26の押圧操作を解除すると、そのバネ28の押圧力によりブレーキ解除スイッチ26が矢印E方向に移動され、エアーブレーキ27へのエアーの供給を遮断すると共に、シリンダ27b内部のエアーをエアー排出口5gより排出する。これによって、シリンダ27bは、ブレーキバネ35の押圧力によって矢印G方向に移動され、上記ディスク36及び第2アーム5cが位置決め固定される。
【0049】
なお、上記説明では、便宜上、エアーブレーキをひとつの関節部5fに適用した場合を代表して説明したが、一般的には、複数の関節部にエアーブレーキを構成し、ひとつのブレーキ解除スイッチ26の操作によって全てのエアーブレーキにエアーが供給され、全ての関節の固定が同時に解除されるように構成される。
【0050】
また、第1及び第2アーム5b、5cを収納する場合には、先ず、図10に示すように上記エアーバルブ(図示せず)からホース16を取り外し、ベース7のキャスター8を利用して所望の収納場所へ移動する。この状態では、ベース7に構成されたチャンバー21の内部に貯蔵されたエアーの圧力により、第2チェックバルブ19の移動弁23は、矢印B方向に移動されてパッキン22と当接され、エアーの流れを遮断する。
【0051】
そして、収納場所において第1及び第2アーム5b、5cを、さらにコンパクトに収納する場合には、手動バルブ20を押圧操作して矢印D方向に移動させる。すると、チャンバー21内部に貯蔵されたエアーは、手動バルブ20を経由して、第1チェックバルブ17に供給され、第1チェックバルブ17の移動弁23が矢印B方向に移動され、パッキン22と当接してエアーの流れを遮断する。さらに、エアーは、第1分岐点18を経由して中間ホース25方向へと導入される。
【0052】
ここで、図9に示すようにブレーキ解除スイッチ26を矢印F方向に押圧操作する。すると、エアーは、エアーブレーキ27に導入され、該エアーブレーキ27の固定がフリーとなり第1及び第2アーム5b、5cが自由に移動可能となり、所望の状態に収納される。このように第1及び第2アーム5b、5cを収納状態にした後、ブレーキ解除スイッチ26の押圧操作を解除すると、ブレーキ解除スイッチ26は、矢印E方向に移動してエアーブレーキ27へのエアーの供給が遮断され、該エアーブレーキ27が、再び固定される。その後、再び、手動バルブ20を矢印C方向に移動させてチャンバー21からのガスの通過を遮断し、操作が完了される。
【0053】
以上の操作を行うことにより、チャンバー21内のエアーが無くなるまで、エアーブレーキ27の解除が可能となる。この操作によるエアーブレーキ27の解除は、収納時に限らず、機器の故障等により手術中にエアーの供給が停止した場合の、非常用ブレーキ解除手段として使用することができる。
【0054】
この第3の実施の形態によれば、エアーの供給口にホース16を繋がなくてもエアーブレーキ27の操作が可能であることにより、手術の準備や内視鏡保持装置を収納する場合にも、いつでも制約を受けることなく、容易に行うことができるため、その使い勝手を含む取扱い操作の向上が図れる。
【0055】
また、これによれば、機器の故障や停電などによりエアーの供給が停止した場合の非常用として使うこともできることで、この点からも使い勝手を含む取扱い操作性の向上が図れる。
【0056】
なお、上記第3の実施の形態においては、駆動源としてエアーを用いるブレーキについて説明したが、これに限るものではなく、エアーの代わりにオイルや水等を駆動源としたブレーキを用いて構成することも可能で、略同様の効果を得ることができる。
【0057】
(第4の実施の形態)
図11及び図12は、この発明の第4の実施の形態に係る内視鏡保持装置を示すものである。この第4の実施の形態においては、上記際1乃至第3の実施の形態と同一部分について、同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0058】
即ち、第4の実施の形態では、上記負作動ブレーキとしてのエアーブレーキ27のシリンダ27bの外周部にフランジ部27dが設けられる。そして、上記第2アーム5cの側面にな、レバー支持部5hが設けられ、このレバー支持部5hには、第2の制御手段としてのレバー43が回転ピン44を介して回転自在に支持される。
【0059】
上記構成において、アーム5を収納する場合には、レバー43を矢印J方向に押圧操作する。すると、レバー43は、図12に示すように回転ピン44回りに回転してエアーブレーキ27のフランジ部27dに当接され、さらにレバー43が押し込まれると、フランジ部27dを、矢印K方向に押圧して、シリンダ27bを矢印H方向に移動させて上記ディスク36を開放する。これによって、エアーブレーキ27は、フリーになり上記第2アーム5cを自由に開放し、該第2アーム5cが所望の位置に移動可能となる。
【0060】
また、上記レバー43は、押圧操作が解除されると、ブレーキバネ35の押圧力によりシリンダ27bを元の状態に復帰させてディスク36を固定し、第2アーム5cのエアーブレーキ27は固定される。
【0061】
この第4の実施の形態によれば、上記第3の実施の形態と同様の効果の他、チャンバー21内のエアー残量に関係なくいつでもエアーブレーキ27の解除が可能であることにより、さらに取扱い操作性の向上を図ることができる。
【0062】
なお、上記第4の実施の形態では、レバー43を用いて押圧力をエアーブレーキ27のシリンダ27bに伝えるように構成した場合で説明したが、これに限るものではなく、例えばレバー43の代わりにネジを用いて、ネジの推力によりシリンダ27bを移動させてエアーブレーキ27を解除するように構成することも可能で、略同様の効果が期待される。そして、ブレーキの解除構成としては、その他、各種の構成が可能である。
【0063】
また、上記第1乃至第4の実施の形態においては、医療用具として内視鏡を用いて構成した場合で説明したが、この内視鏡に限ることなく、その他、処置具等の各種の医療用具に適用することが可能で、略同様の効果が期待される。
【0064】
さらに、上記第1乃至第4の実施の形態においては、保持部として2関節構造のアーム5に適用するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、各種関節構造の保持アームおいても適用可能で、略同様の効果が期待される。
【0065】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0066】
例えば実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0067】
また、この発明は、上記各実施の形態によれば、その他、次のような構成を得ることもできる。
【0068】
(付記1)
術部を観察もしくは処置する医療用具を所望の位置に移動・固定する保持アームと、前記医療用具や保持アームの滅菌状態を維持する滅菌ドレープとを有する医療用具保持装置において、
前記医療用具から延出するチューブを前記保持アームに固定すると共に前記保持アームに掛けられた滅菌ドレープを前記保持アームに固定するチューブ固定手段を有することを特徴とする医療用具保持装置。
【0069】
(付記2)
前記固定手段が滅菌ドレープの内側より前記保持アームに固定配置されることを特徴とする付記1記載の医療用具保持装置。
【0070】
(付記3)
前記固定手段が前記滅菌ドレープの外側より前記滅菌ドレープを介在し、前記保持アームに固定配置されることを特徴とする付記1記載の医療用具保持装置。
【0071】
(付記4)
前記固定手段が滅菌可能な部材で構成されていることを特徴とする付記1又は3記載の医療用具保持装置。
【0072】
(付記5)
術部を観察もしくは処置する医療用具を所望の位置に移動・固定する保持アームを有する医療用具保持装置において、
前記保持アームは少なくとも2つ以上のアームと該アームを接続する関節部からなり、該関節部に前記2つのアームの相対移動を固定・解除する流体を駆動源とする負作動型ブレーキを設けるとともに、該負作動型ブレーキの動作する第1の制御手段と、該第1の制御手段とは別に前記負作動型ブレーキの動作を制御する第2の制御手段を有したことを特徴とする医療用具保持装置。
【0073】
(付記6)
前記第2の制御手段がブレーキ解除スイッチと保持アーム内部に設けられたチャンバーであることを特徴とする付記5記載の医療用具保持装置。
【0074】
(付記7)
前記第2の制御手段がエアー駆動ブレーキを移動させるブレーキ移動手段であることを特徴とする付記5記載の医療用具保持装置。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る医療用具保持装置の外観構成を示した斜視図である。
【図2】図1のチューブ及びテレビカメラケーブルをチューブ固定部材に取り付ける前の状態を示した断面図である。
【図3】図2の取付け後を示した断面図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態に係る医療用具保持装置の要部を分解して示した断面図である。
【図5】図4の組立て状態における取付け動作を説明するために示した断面図である。
【図6】図5の取付け状態を示した断面図である。
【図7】図4のアームにドレープを被せた状態を示した斜視図である。
【図8】この発明の第3の実施の形態に係る医療用具保持装置の要部を断面して示した断面図である。
【図9】図8の関節部のブレーキ動作を説明するために示した断面図である。
【図10】図8のベースのブレーキ動作を説明するために示した断面図である。
【図11】この発明の第4の実施の形態に係る医療用具保持装置の要部を断面して示した断面図である。
【図12】図11のブレーキ解除状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1…内視鏡部、2…TVカメラ、3…取り付けアダプタ、4…取り付けネジ、5…アーム、5a…先端部、5b…第1アーム、5c…第2アーム、5d…垂直アーム、5e,5f…関節部、6…バランス錘、7…ベース、8…キャスター、9…チューブ固定部材、9a、9b…チューブ保持部、9c…開口、10…チューブ、11…ドレープ、12…テレビカメラケーブル、100…チューブ固定部材、13…第1固定部、14…第2固定部、13d,14a…爪部、13a,13b…チューブ保持部、13c…開口、15…回動ピン、16…ホース、17…第1チェックバルブ、18…第1分岐点、19…第2チェックバルブ、20…手動バルブ、21…チャンバー、22…パッキン、23…移動弁、24…パッキン、25…中間ホース、26…ブレーキ解除スイッチ、27…エアーブレーキ、27a…本体部、27b…シリンダ、27c…溝部、27d…フランジ部、28…バネ、29…パッキン、30…ビス、31,32…ブレーキパッド、33…Oリング、34…ガイド軸、35…ブレーキバネ、36…ディスク、37…ビス、38,39…ベアリング、40,41…オサエカン、42…カラー、5h…レバー支持部、43…レバー、44…回動ピン。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成16年2月27日(2004.2.27)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【公開番号】 特開2005−237839(P2005−237839A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−54963(P2004−54963)