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【発明の名称】 内視鏡
【発明者】 【氏名】鈴木 啓太
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内

【要約】 【課題】鉗子口から処置具を抜去する際に処置具に付着した水や体液等が術者等に付着したり床や周囲に垂れ落ちたりすることを抑制し、手技の容易化を図ることができる内視鏡を提供すること。

【解決手段】内視鏡1は、挿入部2と操作部3との内部を連通し、先端が挿入部2の先端に開口され基端が操作部3に配された鉗子口5に接続されて内部に処置具6を挿通可能な鉗子チャンネル7と、鉗子口5近傍に開口端8Aを有する吸引管路8とを備えている。。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部と操作部との内部を連通し、先端が前記挿入部の先端に開口され基端が前記操作部に配された鉗子口に接続されて内部に処置具を挿通可能な鉗子チャンネルと、
前記鉗子口近傍に開口端を有する吸引管路とを備えていることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記処置具が貫通可能に設けられ、一端が前記鉗子口と係合可能とされ他端が開口された挿通路と、一端が前記挿通路の他端側から分岐され、他端が前記吸引管路の前記開口端と連通可能な連通路とを有する栓部と、
前記吸引管路又は前記鉗子チャンネルの何れか一方を選択して内部を吸引可能な吸引源と連通可能とする切換部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記挿通路の前記一端側に配され前記処置具が貫通可能な第1の弁部と、
前記挿通路の前記他端側に配され前記処置具が貫通可能な第2の弁部と、
前記第1の弁部と前記第2の弁部との間の前記挿通路と前記栓部の外部とを連通する連通孔とを備え、
前記連通路が、前記第1の弁部と前記第2の弁部との間の前記挿通路から分岐されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡の可撓性の挿入部を体腔内に挿入して患部を観察しながら、この内視鏡挿入部に設けられた鉗子チャンネルに鉗子口に装着された鉗子栓から挿通して様々な処置を行う把持鉗子等の処置具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−76244号公報 (第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の処置具を鉗子チャンネルに挿入した状態で、体内の水や血液等の体液等を鉗子チャンネルを介して吸引した場合、鉗子チャンネル内が体液等で濡れた状態であるために、水や体液等の液体が挿入部の外周面であるコイル状の巻線間に溜まってしまうことがある。そのため、鉗子栓から抜去する際に液体が内視鏡外で垂れ落ちることがあり、この処理等のために手技が煩雑になってしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、鉗子口から処置具を抜去する際に処置具に付着した水や体液等が術者等に付着したり床や周囲に垂れ落ちたりすることを抑制し、手技の容易化を図ることができる内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る内視鏡は、挿入部と操作部との内部を連通し、先端が前記挿入部の先端に開口され基端が前記操作部に配された鉗子口に接続されて内部に処置具を挿通可能な鉗子チャンネルと、前記鉗子口近傍に開口端を有する吸引管路とを備えている。
この内視鏡は、鉗子チャンネル内に挿通した処置具の外周面に付着した水や体液等を、処置具から取り除いて鉗子口近傍から吸引管路に吸引することができ、吸引によってこれらを処置具周囲から取り除いた後で処置具を抜去することができる。
【0005】
また、本発明に係る内視鏡は、前記内視鏡であって、前記処置具が貫通可能に設けられ、一端が前記鉗子口と係合可能とされ他端が開口された挿通路と、一端が前記挿通路の他端側から分岐され、他端が前記吸引管路の前記開口端と連通可能な連通路とを有する栓部と、前記吸引管路又は前記鉗子チャンネルの何れか一方を選択して内部を吸引可能な吸引源と連通可能とする切換部とを備えている。
【0006】
この内視鏡は、挿通路の一端を鉗子口と係合して、及び、連通路の他端を吸引管路の開口端と接続して栓部を装着し、切換部を操作して吸引管路と吸引源とを連通させると挿通路の他端から吸引源に繋がる流路を形成することができる。この状態で吸引源を駆動することによって、挿通路の他端から挿通路内に空気が吸い込まれて連通路から吸引管路を介して吸引源へと向かう空気の流れを形成することができる。したがって、この流れの中に処置具を配することによって、空気の流れが挿通路内の処置具に付着した水や体液等を処置具周囲から剥がして処置具の周囲から取り除くことができる。
【0007】
また、本発明に係る内視鏡は、前記内視鏡であって、前記挿通路の前記一端側に配され前記処置具が貫通可能な第1の弁部と、前記挿通路の前記他端側に配され前記処置具が貫通可能な第2の弁部と、前記第1の弁部と前記第2の弁部との間の前記挿通路と前記栓部の外部とを連通する連通孔とを備え、前記連通路が、前記第1の弁部と前記第2の弁部との間の前記挿通路から分岐されていることを特徴とする。
【0008】
この内視鏡は、上記の構成を備えているので、挿通路の一端を鉗子口と係合して栓部を鉗子口に装着し、連通路の開口端と吸引管路の開口端とを接続し、切換部を操作して吸引管路と吸引源とを連通させると、第1の弁部と第2の弁部との間に配された連通孔から吸引源に繋がる流路を形成することができる。この状態で吸引源を駆動することによって、連通孔から吸い込まれ挿通路を横断して連通路へ向かう空気の流れを形成することができる。したがって、この流れの中に処置具を配することによって、この流れが処置具の周囲に付着した水や体液等を処置具周囲から剥がして処置具の周囲から取り除くことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鉗子口から処置具を抜去する際に処置具の周囲から水や体液等が床や周囲に垂れ落ちたり、体液等が術者等に付着したりすることを抑制し、手技の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る第1の実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。
本実施形態に係る内視鏡1は、挿入部2と操作部3との内部を連通し、先端が挿入部2の先端に開口され基端が操作部3に配された鉗子口5に接続されて内部に処置具6を挿通可能な鉗子チャンネル7と、鉗子口5近傍に開口端8Aを有する吸引管路8とを備えている。
【0011】
鉗子口5には、処置具6が貫通可能に設けられ一端10Aが鉗子口5と係合可能とされ他端10Bが開口された挿通路10と、一端11Aが挿通路10の他端10B側から分岐され、他端11Bが吸引管路8の開口端8Aと連通可能な連通路11とを有する鉗子栓(栓部)12が配されている。
挿通路10の途中には、処置具6が挿入可能とされるとともに、挿通路10と鉗子栓12の外部とを封止可能な弁部13が配されている。連通路11は、弁部13と挿通路10の他端10Bとの間から分岐されて配されている。
【0012】
操作部3には、吸引管路8又は鉗子チャンネル7の何れか一方を選択して内部を吸引可能なポンプからなる吸引源14と連通可能とされ、一端が吸引源14と連通され他端が操作部3にて開口端15Aを有して配された吸引通路15と、吸引通路15に介挿された吸引切換弁(切換部)16とが配されている。
鉗子チャンネル7は、操作部3の途中から分岐されて鉗子口5に向かう分岐間7Aを備えている。吸引管路8の基端8B及び鉗子チャンネル7の基端7Bは、それぞれ吸引通路15に開口して接続されている。
【0013】
吸引切換弁16は、一端側が吸引通路15内に摺動可能に嵌挿され、他端側にボタン部17が配されたピストン18と、ピストン18が貫通可能に形成されて吸引通路15の開口端15Aに接続された接続部20と、ピストン18が貫通可能とされて接続部20に着脱可能に配された支持部材21と、ボタン部17と支持部材21との間で伸縮可能に配されたバネ22とを備えている。
【0014】
ピストン18には、下端が開口された有底孔23からなる中空部25と、吸引管路8の基端8B、或いは、鉗子チャンネル7の基端と中空部25とを連通可能な通気孔26とが形成されている。
支持部材21には、ボタン部17を係止する位置決め部27が形成されている。
通気孔26は、初期状態及びバネ22が復元した場合には吸引管路8の基端8Bと連通可能とされ、ボタン部17が位置決め部27に係止されるまでボタン部17を押してバネ22を縮める方向にピストン18を吸引通路15内で移動させた際には、鉗子チャンネル7の基端7Bと連通可能とされる位置に配されている。
【0015】
次に、本実施形態に係る内視鏡1の操作方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、鉗子栓12の挿通路10の一端10Aを鉗子口5と係合して、及び、連通路11の他端11Bを吸引管路8の開口端8Aと接続して、鉗子栓12を鉗子口5に装着する。
装着後、吸引源14を駆動して待機状態とする。
このとき、ピストン18の通気孔26は、吸引管路8の基端8Bと連通される位置に配されているので、鉗子栓12の挿通路10の他端10Bと、連通路11、吸引管路8、ピストン18の中空部25、吸引通路15とが流路として連通され、外気が吸引されて空気が流路内を流れる。
そして、挿入部2を体腔内に挿入する。
【0016】
処置具6による処置の際、観察部位の洗浄するために水、又は、生理食塩水を充填した図示しないシリンジを鉗子口5に装着して鉗子チャンネル7を介して送水する。また、観察部位の病変を見やすくする場合には、インジゴカルミン等の液体状の色素を充填した図示しないシリンジを鉗子口5に装着して鉗子チャンネル7を介してさらに送液する。
【0017】
次に、ボタン部17を位置決め部27に係止するまで押し込んでピストン18を移動させて、体腔内に溜まった水や体液、色素等の液体を吸引して排出する操作を行う。
このとき、通気孔26の配設位置が吸引管路8との連通位置から鉗子チャンネル7との連通位置まで移動して、鉗子チャンネル7と吸引通路15とが連通される。
こうして、水や他の液体等が鉗子チャンネル7内から吸引通路15内へと吸引される。
そして、処置具6を鉗子栓12の挿通路10の他端10Bから鉗子チャンネル7内に挿入する。しかし、鉗子チャンネル7の内面には水や他の液体等が付着しているため、処置具6の挿入時に処置具6の外周面に水や体液等が付着する。
【0018】
処置を終了して処置具6を鉗子チャンネル7から抜去する場合には、吸引源14を駆動状態としたままボタン部17を離して待機状態とする。
このとき、バネ22が復元してピストン18が位置決め部27から離間して吸引通路15内を移動し、通気孔26位置が鉗子チャンネル7との連通位置から吸引管路8との連通位置に移動する。このとき、上述の待機状態と同様の状態とされて吸引管路8と吸引通路15とが連通され、挿通路10の他端10Bと吸引源14とを繋ぐ流路が形成されて外気が再び吸引通路15内を流れる。
この際、弁部13と挿通路10の他端10Bとの間の挿通路10内に配された処置具6に沿って空気が流れる状態とされるので、この空気が処置具6の周囲に付着した水や他の液体等をひき剥がして処置具6から取り除き、取り除かれた水や他の液体等が連通路11から吸引管路8内へと吸引される。
こうして、表面に水や他の液体等の付着がない状態で処置具6を挿通路10から外部に抜去することができる。
【0019】
この内視鏡1によれば、鉗子チャンネル7内に挿通した処置具6に付着した水や体液等を、体液等の吸引に使用する吸引源14を用いて鉗子口5近傍から吸引管路8に吸引することができ、内視鏡1の操作性を損なうことなく吸引によってこれらを取り除いた後で処置具6を抜去することができる。
【0020】
次に、第2の実施形態について図3を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第2の実施形態に係る内視鏡30の鉗子栓31が、挿通路32の一端32A側に配され処置具6が貫通可能な第1の弁部33と、挿通路32の他端32B側に配され処置具6が貫通可能な第2の弁部35と、第1の弁部33と第2の弁部35との間の挿通路32と鉗子栓31の外部とを連通する連通孔36とを備え、連通路11が、第1の弁部33と第2の弁部35との間の挿通路32から分岐されているとする点である。
第2の弁部35は、挿通路32に対して着脱可能とされている。
【0021】
次に、本実施形態に係る内視鏡30の使用方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、鉗子栓31を第1の実施形態と同様に鉗子口5に装着し、吸引源14を駆動して待機状態とし、挿入部2を体腔内に挿入後、送水、或いは、送液処置を行い、これらを吸引後、再び待機状態として処置具6を鉗子チャンネル7に挿入して所定の処置を行う。
ここで、内視鏡30の待機状態は、吸引通路15が吸引管路8と連通された状態とされるので、鉗子栓31の連通孔36から、第1の弁部33と第2の弁部35とで挟まれた挿通路32を横切って連通路11、吸引管路8、吸引通路15と繋がる流路が形成され、この流路内を外部から吸引された空気が流れる。
この際、連通孔36から取り込まれた空気が、挿通路32内の第1の弁部33と第2の弁部35との間に配された処置具6を横切って流れる。
【0022】
この内視鏡30によれば、連通孔36から吸い込まれ、挿通路32内の処置具6を横断して連通路10へ向かう空気の流れを形成することができ、この流れによって処置具6の周囲に付着した水や体液等を処置具周囲から剥がして取り除くことができる。
【0023】
次に、第3の実施形態について図4を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る内視鏡37の吸引管路38が、操作部39における鉗子口5近傍の鉗子チャンネル40の分岐管40Aの途中に開口端38Aを有して連通されているとする点である。
また、鉗子チャンネル40の分岐管40Aには、吸引管路38の開口端38Aよりも先端側の操作部39内で外部と連通され鉗子栓41が挿入可能な挿入口42が形成されている。鉗子栓41には、弁部43が途中に配された挿通路45が形成されている。
吸引管路38の基端38Bと、鉗子チャンネル40の基端40Bとは、吸引通路15に連通されている。
【0024】
本実施形態に係る内視鏡37の使用方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、鉗子栓41を挿入口42に挿入し、待機状態として挿入部2を体腔内に挿入後、送水、或いは、送液処置を行い、これらを吸引後、再び待機状態として処置具6を鉗子口5から鉗子チャンネル40内に挿入して所定の処置を行う。
このとき、内視鏡37の待機状態では、吸引通路15が、通気孔26を介して吸引管路38と連通された状態とされており、また、弁部43にて鉗子チャンネル40と外部とは封止されているので、鉗子口5から鉗子口5近傍の分岐管40Aを通って吸引管路38、吸引通路15と繋がる流路が形成され、この流路内を外気が流れる。
【0025】
したがって、第1の実施形態と同様に、鉗子口5と弁部43との間に配された処置具6に沿った空気の流れが形成されるので、この空気が処置具6の外周を処置具6に沿って流れる際に、処置具6の周囲に付着した液体等が空気の流れの中に取り除かれて吸引管路38内へと吸引される。
こうして、表面に水や体液等の付着がない状態で処置具6を挿通路45から外部に抜去することができる。
この内視鏡37によれば、第1の実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0026】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、バネ22によって通気孔26と、鉗子チャンネル40の基端40B、或いは、吸引管路38の基端38Bとの連通を選択させているが、これに限らず、他の弾性部材を使用しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の側面を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の鉗子栓を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の鉗子栓を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の側面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1、30、37 内視鏡
2 挿入部
3、39 操作部
5 鉗子口
6 処置具
7、40 鉗子チャンネル
8、38 吸引管路
10、32、45 挿通路
11 連通路
12、31 鉗子栓(栓部)
14 吸引源
16 吸引切換弁(切換部)
33 第1の弁部
35 第2の弁部
36 連通孔

【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成16年1月30日(2004.1.30)
【代理人】 【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄

【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100086379
【弁理士】
【氏名又は名称】高柴 忠夫

【公開番号】 特開2005−211453(P2005−211453A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−23837(P2004−23837)