| 【発明の名称】 |
乳腺領域閾値決定方法および装置並びにプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】武尾 英哉 【住所又は居所】神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】施 超 【住所又は居所】川崎市麻生区万福寺1−2−2 新百合トゥエンティワン 富士フイルムソフトウェア株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】乳房の側面画像において乳腺領域を精度よく分離することが可能な乳腺領域の濃度の閾値を算出する。
【解決手段】ヒストグラム作成手段130が、サンプリング領域設定手段120により設定された、乳房の側面画像P中の胸筋末端領域上のサンプリング領域Sにおける濃度値のヒストグラムHsを作成し、閾値算出手段140が、乳腺領域の濃度値の閾値Thを、ヒストグラムHs上の胸筋を表す分布Haと脂肪を表す分布Hbとの境界に相当する濃度値p1と、胸筋を表す分布Haにおける平均濃度値p2とを用いた次式に従って算出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データが表す該側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定し、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定することを特徴とする乳腺領域閾値決定方法。 【請求項2】 前記略胸筋と脂肪とからなる領域が、胸筋の末端を表す胸筋末端領域であることを特徴とする請求項1記載の乳腺領域閾値決定方法。 【請求項3】 前記側面画像が、前記胸筋末端領域を該側面画像中の所定の場所に配置したものであり、 該所定の場所を前記サンプリング領域として設定することを特徴とする請求項2記載の乳腺領域閾値決定方法。 【請求項4】 前記サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて、上記p1およびp2を求めることを特徴とする請求項1、2または3記載の乳腺領域閾値決定方法。 【請求項5】 前記式が、a=0.4であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の乳腺領域閾値決定方法。 【請求項6】 前記側面画像が、医用画像であることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の乳腺領域閾値決定方法。 【請求項7】 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、 前記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段とを備えたことを特徴とする乳腺領域閾値決定装置。 【請求項8】 前記略胸筋と脂肪とからなる領域が、胸筋の末端を表す胸筋末端領域であることを特徴とする請求項7記載の乳腺領域閾値決定装置。 【請求項9】 前記側面画像が、前記胸筋末端領域を該側面画像中の所定の場所に配置したものであり、 前記サンプリング領域設定手段が、該所定の場所を前記サンプリング領域として設定するものであることを特徴とする請求項8記載の乳腺領域閾値決定装置。 【請求項10】 前記閾値算出手段が、前記サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて、前記p1およびp2を求めるものであることを特徴とする請求項7、8または9記載の乳腺領域閾値決定装置。 【請求項11】 前記式が、a=0.4であることを特徴とする請求項7から10いずれか記載の乳腺領域閾値決定装置。 【請求項12】 前記側面画像が、医用画像であることを特徴とする請求項7から11いずれか記載の乳腺領域閾値決定装置。 【請求項13】 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、前記被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、 前記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、 前記閾値に基づいて、前記被写体領域から前記胸筋領域を除いた乳房領域を、前記乳腺領域と前記脂肪領域とに分離する乳腺脂肪領域分離手段とを備えたことを特徴とする乳房画像領域分離装置。 【請求項14】 前記胸筋領域分離手段が、前記画像データに基づいて、前記側面画像中の前記胸筋領域と前記乳房領域との境界線上の境界点を1個以上抽出する境界点抽出手段と、 該抽出された境界点の個数に応じた所定の手法により前記胸筋ラインを抽出する胸筋ライン抽出手段とを備えたことを特徴とする請求項13記載の乳房画像領域分離装置。 【請求項15】 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、前記被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、 前記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、 前記閾値に基づいて、前記被写体領域から前記胸筋領域を除いた乳房領域において、前記乳腺領域を抽出する乳腺領域抽出手段と、 前記被写体領域または前記乳房領域に対して前記乳腺領域が占める割合に応じて、前記側面画像を分類する画像分類手段とを備えたことを特徴とする乳房画像分類装置。 【請求項16】 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、前記被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、 前記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、 前記閾値に基づいて、前記被写体領域から前記胸筋領域を除いた乳房領域を、前記乳腺領域と前記脂肪領域とに分離する乳腺脂肪領域分離手段と、 前記画像データに基づいて、分離された前記乳腺領域および前記脂肪領域における平均濃度をそれぞれ算出する平均濃度算出手段とを備えたことを特徴とする乳腺脂肪領域平均濃度算出装置。 【請求項17】 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、 前記画像データに基づいて、前記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、前記被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、 前記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、 前記閾値に基づいて、前記被写体領域から前記胸筋領域を除いた乳房領域を、前記乳腺領域と前記脂肪領域とに分離する乳腺脂肪領域分離手段と、 前記画像データに基づいて、分離された前記乳腺領域および前記脂肪領域における平均濃度をそれぞれ算出する平均濃度算出手段と、 前記乳腺領域と前記脂肪領域における濃度を、該各領域毎に算出された前記平均濃度に置き換えることにより、前記側面画像の乳腺分布マップを作成する乳腺分布マップ作成手段とを備えたことを特徴とする乳腺分布マップ作成装置。 【請求項18】 コンピュータに、 乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データが表す該側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定する手順と、 前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、前記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求める手順と、 前記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する手順とを実行させるためのプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乳房の側面画像において乳腺領域を抽出するための濃度の閾値を算出して決定する乳腺領域閾値決定方法、装置およびそのためのプログラム、並びにこの方法を利用した装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、医療分野では、乳癌を検出するための一つの手法として、マンモグラフィが行われている。マンモグラフィとは、乳癌の診断を目的として撮影されたマンモグラム(乳房を被写体とした診断用放射線画像)において、その画像から癌化部分の特徴の一つである腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を検出する手法である。 【0003】 マンモグラムでは、乳腺と病変とが近い濃度で現れるため、乳腺と病変のコントラストがつきにくく、乳腺領域中に病変がある場合には、その病変の検出が難しくなる。従って、例えば、マンモグラムにおける乳腺領域の分布を把握することや、マンモグラムの乳腺量に応じて分類された種別を知ることは、病変検出の難易度を知る上で有用であり、病変の検出性能の向上に繋がる。 【0004】 このようなことから、乳房内の乳腺実質の量と分布をコンピュータにより定量的に解析し、マンモグラムを自動分類する手法が提案されている(非特許文献1)。この手法は、分散ヒストグラム解析と判別分析法を用いて乳房領域内を乳腺実質の量に応じて3つの領域に分割し、分割された領域の割合でマンモグラムを4つのタイプ(マンモグラフィガイドラインに規定されている、1.脂肪性,2.乳腺散在,3.不均一高濃度,4.高濃度の4種)に分類する自動分類法である。 【非特許文献1】松原友子,山崎大輔,加藤雄大,他:乳腺濃度評価に基づくマンモグラムのコンピュータ自動分類法,電子情報通信学会誌,MI2000−79,11−15,2001−01. 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記マンモグラムの自動分類法では、乳房領域を乳腺実質の量に応じた複数の領域に分割することはできるが、乳腺領域のみを抽出することはできない。また、同分類法では、各領域を抽出するために用いる濃度の閾値を、胸筋の濃度だけに基づいて算出したり、また、濃度がばらつき易い乳腺と脂肪が混在する領域における濃度のヒストグラムから、判別分析法により算出したりしているので、算出された閾値は、乳腺や脂肪あるいは胸筋の濃度分布のばらつきによる影響を受け易く、抽出された領域やマンモグラムの分類結果の精度が安定しないという問題がある。 【0006】 本発明は、上記事情に鑑み、乳房の画像において乳腺領域を精度よく抽出することが可能な濃度の閾値を決定することができる乳腺領域閾値決定方法および装置並びにそのためのプログラム、さらにこの方法を利用した、乳房の画像における異常陰影の検出に有用な情報を生成する装置を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の乳腺領域閾値決定方法は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データが表す当該側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域としてを設定し、上記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、胸筋部分の平均濃度p2とを求め、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、前記求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定することを特徴とする方法である。 【0008】 そして、本発明の乳腺領域閾値決定装置は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、上記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、前記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、前記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0009】 ここで、「胸筋領域」とは、乳房の側面画像中に表れる体側(体幹)部(図3Pa)を示すものであり、「乳腺領域」とは、乳房の側面画像中の乳頭から乳房中央にかけて広がる乳腺を表す部分(図3Pc)であり、「脂肪領域」とは、乳房の側面画像中の被写体領域(背景以外の領域)のうち、胸筋領域と乳腺領域を除いた脂肪を表す部分(図3Pb)である。 【0010】 なお、この「乳腺領域」と「脂肪領域」の形状や割合は、被写体である乳房によって大きく異なるものであり、図3は、その一例を模式的に表した図に過ぎない。 【0011】 「濃度」は、画像における黒化の程度を表すものであり、例えば、画像を構成する各画素が有する濃度値(画素値)を考えることができる。画素が有する濃度値の高低とその画素の黒化の程度との対応関係はどのように定義してもよいが、本明細書中では、濃度値が大きいほど黒くなり、濃度値が小さいほど白くなるものとする。 【0012】 「略胸筋と脂肪とからなる領域」としては、例えば、胸筋と脂肪との境界を含む領域を考えることができる。このような領域は、濃度がばらつく傾向にある乳腺と脂肪が混在する領域ではないため、乳房の画像の中で濃度のばらつきが少なく安定した領域である。上記の「略胸筋と脂肪とからなる領域」には、乳腺はできるだけ含まれない方が好ましいが、上記p1、p2を求める上で悪影響を及ぼさない程度であれば、若干の乳腺は含まれていても構わない。 【0013】 本発明の乳腺領域閾値決定方法および装置において、「略胸筋と脂肪とからなる領域」は、胸筋の末端を表す胸筋末端領域であってもよい。 【0014】 「胸筋末端領域」とは、胸筋領域とそれ以外の乳房領域との境界線である胸筋ラインの胸部上側(鎖骨寄り)の末端付近の領域のことである。 【0015】 このとき、本発明の乳腺領域閾値決定方法において、側面画像は、胸筋末端領域を当該側面画像中の所定の場所に配置したものとし、当該所定の場所をサンプリング領域として設定するようにしてもよい。また、同様に、本発明の乳腺領域閾値決定装置において、側面画像は、胸筋末端領域を当該側面画像中の所定の場所に配置したものとし、サンプリング領域設定手段が、当該所定の場所をサンプリング領域として設定するものとしてもよい。 【0016】 「所定の場所」としては、例えば、側面画像中の右下部または左下部とすることができ、この場合、「サンプリング領域」は、側面画像中の右下部または左下部の所定の座標位置において、所定の枠で囲まれる領域として設定することができる。なお、マンモグラムは、通常、乳房の配置を規定したガイドラインに沿って撮影されるため、胸筋末端領域が画像中の所定の場所に配置される。 【0017】 また、本発明の乳腺領域閾値決定方法において、サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて、上記p1およびp2を求めるようにしてもよく、同様に、本発明の乳腺領域閾値決定装置において、閾値算出手段は、サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて、上記p1およびp2を求めるものであってもよい。 【0018】 上記p1およびp2を求める方法としては、上記の他に、サンプリング領域における濃度の累積ヒストグラムを用いる方法や、上記画像データのうちサンプリング領域に対応するデータを入力とし、上記p1,p2を出力とするようなニューラルネットワークを用いる方法などを考えることができる。 【0019】 なお、上記p1およびp2を求める具体的な方法としては、例えば、サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて求める場合、下記のような方法が考えられる。 【0020】 設定された「サンプリング領域」には、胸筋部分と脂肪部分とが含まれることになるが、胸筋部分と脂肪部分とではその濃度値が異なるため、サンプリング領域における濃度の「ヒストグラム」には、「胸筋を表す分布」と「脂肪を表す分布」とが異なる濃度で表れることになる。なお、どちらの分布が胸筋、脂肪のどちらに対応するかは、その側面画像における胸筋と脂肪に対応する濃度の高低関係から判断することができる。例えば、側面画像が一般的なX線画像等である場合には、胸筋領域は濃度が低く、脂肪領域は濃度が高く現れるので、濃度の低い方の分布が胸筋を表し、濃度の高い方の分布が脂肪を表すと判断することができる。 【0021】 「濃度p1」は、上記ヒストグラム上の胸筋を表す分布と脂肪を表す分布との間付近で、最も頻度が低い濃度を採用する手法や、これら2つの分布の形状を近似した2曲線の交点の位置に対応する濃度を採用する手法などにより求めることができる。 【0022】 「平均濃度p2」は、上記ヒストグラム上の胸筋を表す分布、すなわち濃度が濃度p1からの所定の方向に高い側または低い側の領域における分布に寄与する濃度に対して、平均を算出することにより求めることができる。 【0023】 上記式は、本出願人が、「乳腺領域の濃度の閾値が、上記濃度p1と上記濃度p2との間の所定の範囲にあること」を実験によって見出し、その結果に基づいて決められたものである。 【0024】 なお、本出願人が行った実験では、上記式において、a=0.4のとき最も適した閾値を得ることができた。したがって、上記乳腺領域閾値決定方法および装置において、上記式は、a=0.4であることが望ましい。 【0025】 上記乳腺領域閾値決定方法および装置において、側面画像は、医用画像であってもよい。 【0026】 「医用画像」とは、病変部の検出や疾患の進行状況の把握などの診断に供される画像のことであり、X線画像やCT画像、MRI画像などが考えられる。医用画像である乳房の側面画像としては、一般的に乳癌の検査を目的として撮影された乳房のX線画像いわゆるマンモグラムが考えられる。マンモグラムには、通常、乳房を圧迫板で上下方向から挟み込んで上から撮影された正面画像と、乳房を圧迫板で左右方向から挟み込んで横から撮影された側面画像とがあり、このうち後者の側面画像を、上記「乳房の側面画像」として用いることができる。 【0027】 本発明の乳房画像領域分離装置は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、上記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、上記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、上記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、上記閾値に基づいて、被写体領域から胸筋領域を除いた乳房領域を、乳腺領域と脂肪領域とに分離する乳腺脂肪領域分離手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0028】 「被写体領域抽出手段」としては、例えば、側面画像が、背景領域が高濃度で、被写体領域が低濃度であるような場合には、側面画像における濃度のヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラム上の背景部分に対応する分布を除く最大濃度を閾値とし、この閾値より低濃度の領域を被写体領域として抽出するものを考えることができる。 【0029】 「胸筋領域分離手段」は、画像データに基づいて、側面画像中の胸筋領域と乳房領域との境界線上の境界点を1個以上抽出する境界点抽出手段と、抽出された境界点の個数に応じた所定の手法により胸筋ラインを抽出する胸筋ライン抽出手段とを備えたものとすることができる。 【0030】 「境界点抽出手段」は、画像データに基づいて側面画像のエッジ画像を作成し、作成されたエッジ画像中の乳房上部領域において複数の走査ラインを設定し、設定された走査ライン上を走査してエッジ点を抽出し、抽出されたエッジ点を境界点とするものとすることができる。 【0031】 また、「胸筋ライン抽出手段」は、抽出された境界点の個数が3個のとき、この3個の境界点を通る2次曲線を胸筋ラインとし、抽出された境界点の個数が2個のとき、この2個の境界点を通る1次直線を胸筋ラインとし、抽出された境界点の個数が1個のとき、この1個の境界点と、乳房の略最上位置の点から下ろした垂線の最下点とを通る1次直線を胸筋ラインとするものとすることができる。 【0032】 なお、「境界点抽出手段」と「胸筋ライン抽出手段」とにより胸筋ラインを抽出する手法の詳細については、特開2003−115041号公報を参照されたい。 【0033】 本発明の乳房画像分類装置は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、上記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、胸筋部分の平均濃度p2とを求め、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、上記閾値に基づいて、被写体領域から胸筋領域を除いた乳房領域において、乳腺領域を抽出する乳腺領域抽出手段と、被写体領域または乳房領域に対して乳腺領域が占める割合に応じて、上記側面画像を分類する画像分類手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0034】 「分類」する種別としては、例えば、マンモグラフィガイドラインにて提案されている4タイプが考えられ、乳腺領域の占める割合が多い順に、「高濃度」、「不均一高濃度」、「乳腺散在」、「脂肪性」とすることができる。なお、上記4タイプは、同ガイドラインにて以下のように規定されている。 1)高濃度:乳腺実質内に脂肪の混在はほとんどなく、病変検出率は低い。 2)不均一高濃度:乳腺実質内に脂肪が混在し、不均一な濃度を呈する。病変が正常乳腺に隠される危険性がある。 3)乳腺散在:脂肪に置き換えられた乳房内に乳腺実質が散在している。病変の検出は比較的容易である。 4)脂肪性:乳房はほぼ完全に脂肪に置き換えられている。病変が撮影範囲に入っていれば、病変の検出は容易である。 上記タイプの「高濃度」、「不均一高濃度」における“濃度”とは、画像上での黒化の程度を表すものではなく、乳房内の乳腺の量を示すものである。 【0035】 本発明の乳腺脂肪領域平均濃度算出装置は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、上記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、上記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、上記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、上記閾値に基づいて、被写体領域から胸筋領域を除いた乳房領域を、乳腺領域と脂肪領域とに分離する乳腺脂肪領域分離手段と、上記画像データに基づいて、分離された乳腺領域および脂肪領域における平均濃度をそれぞれ算出する平均濃度算出手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0036】 本発明の乳腺分布マップ作成装置は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データを入力する画像データ入力手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において乳房を表す被写体領域を抽出する被写体領域抽出手段と、上記画像データに基づいて、上記側面画像において胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域から胸筋を表す胸筋領域を分離する胸筋領域分離手段と、上記側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定するサンプリング領域設定手段と、上記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、上記胸筋部分の平均濃度p2とを求め、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する閾値算出手段と、上記閾値に基づいて、被写体領域から胸筋領域を除いた乳房領域を、乳腺領域と脂肪領域とに分離する乳腺脂肪領域分離手段と、上記画像データに基づいて、分離された乳腺領域および脂肪領域における平均濃度をそれぞれ算出する平均濃度算出手段と、乳腺領域と脂肪領域における濃度を、当該各領域毎に算出された平均濃度に置き換えることにより、上記側面画像の乳腺分布マップを作成する乳腺分布マップ作成手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0037】 本発明のプログラムは、コンピュータに、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像を担持する画像データが表す当該側面画像において、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定する手順と、上記サンプリング領域における濃度の分布に基づいて、上記サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、上記胸筋部分の平均濃度p2とを求める手順と、上記側面画像中の乳腺を表す乳腺領域と脂肪を表す脂肪領域とを分離する濃度の閾値を、求められたp1およびp2を用いた次式: 閾値=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) に従って算出して決定する手順とを実行させるためのプログラムである。 【0038】 このプログラムを、コンピュータが読取り可能な記録媒体に記録して供給するようにしてもよいし、コンピュータが接続可能なサーバに保存しておき、ダウンロードにより供給するようにしてもよい。 【発明の効果】 【0039】 本発明の乳腺領域閾値決定方法および装置によれば、乳房の側面画像中の、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定し、設定されたサンプリング領域における濃度の分布に基づいて、サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、この胸筋部分の平均濃度p2とを求め、求められたp1およびp2を用いた所定の計算式に従って、上記側面画像中の乳腺領域と脂肪領域とを分離する濃度の閾値を算出するので、濃度がばらつく傾向にある乳腺と脂肪が混在する領域の濃度の分布を利用せず、また、胸筋の濃度だけでなく脂肪の濃度も利用することにより、精度よく安定した上記閾値を算出することができ、乳腺領域を精度よく抽出することが可能な乳腺領域の濃度の閾値を決定することができる。 【0040】 なお、上記乳腺領域閾値決定方法および装置において、略胸筋と脂肪とからなる領域を、胸筋の末端を表す胸筋末端領域とすれば、濃度のばらつきがより少なくさらに安定した領域をサンプリング領域として設定することができ、より正確な濃度の閾値を算出することができる。 【0041】 また、上記乳腺領域閾値決定方法において、上記側面画像を、胸筋末端領域を当該側面画像中の所定の場所に配置したものとし、上記所定の場所をサンプリング領域として設定するようにすれば、胸筋末端領域を検出しなくても、容易に、胸筋末端領域上にサンプリング領域を設定することができる。 【0042】 上記乳腺領域閾値決定装置において、上記側面画像を、胸筋末端領域を当該側面画像中の所定の場所に配置したものとし、サンプリング領域設定手段を、上記所定の場所をサンプリング領域として設定するものとすれば、同様に、胸筋末端領域を検出しなくても、容易に、胸筋末端領域上にサンプリング領域を設定することができる。 【0043】 上記乳腺領域閾値決定方法において、サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて、上記p1およびp2を求めるようにすれば、サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分の分布の山が比較的明確に分離して現れるので、簡単な方法で精度よく上記p1およびp2を求めることができる。 【0044】 同様に、上記乳腺領域閾値決定装置において、閾値算出手段を、サンプリング領域における濃度のヒストグラムに基づいて、上記p1およびp2を求めるものとすれば、サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分の分布の山が比較的明確に分離して現れるので、簡単な方法で精度よく上記p1およびp2を求めることができる。 【0045】 上記乳腺領域閾値決定方法および装置において、上記の閾値を算出する式を、a=0.4であるものとすれば、実験結果から最適とされた計算式に従って閾値を算出することができるので、乳腺領域をより高い精度で抽出することができる。 【0046】 本発明の乳房画像領域分離装置によれば、上記乳腺領域閾値決定方法により決定される、乳腺領域を精度よく抽出することが可能な乳腺領域の濃度の閾値に基づいて、乳房領域を乳腺領域と脂肪領域とに分離しているので、乳房の側面画像中の被写体領域を、胸筋領域、乳腺領域および脂肪領域の各領域に、精度よく分離することができる。また、この分離結果から、各領域の正しい分布が分かるので、特に、異常陰影の検出処理においては、検出の難易度を局所的に知ることができ、その検出性能を向上させることができる。 【0047】 本発明の乳房画像分類装置によれば、乳腺分布を把握する際の人間の感覚により近い状態で示された、乳腺そのものを表す乳腺領域が抽出され、その乳腺領域の占める割合によって、乳房の側面画像を分類するので、マンモグラフィガイドラインの基準通りに自動分類することができる。また、その分類結果から、乳腺実質の量が分かるので、特に、異常陰影の検出処理においては、乳房画像毎に検出の難易度を知ることができ、その検出性能を向上させることができる。 【0048】 本発明の乳腺脂肪領域平均濃度算出装置によれば、精度よく分離された乳腺領域と脂肪領域において平均濃度を算出するので、病変を検出する際の有用な情報となる、当該各領域における濃度の概略を正しく把握することができ、異常陰影の検出性能を向上させることができる。 【0049】 本発明の乳腺分布マップ作成装置によれば、精度よく分離された乳腺領域と脂肪領域の濃度を、各領域毎の平均濃度に置き換えた乳腺分布マップを作成するので、病変を検出する際の有用な情報となる、当該各領域における2次元的な分布と濃度の概略とを同時に把握することができ、異常陰影の検出性能を向上させることができる。また、作成された乳腺分布マップは、左右乳房の乳腺分布マップを比較して左右非対称陰影を検出する際にも有用となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0050】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0051】 (実施形態1) 図1は、本発明の乳腺領域閾値決定装置の一実施形態による概略構成を示す図である。 【0052】 図1に示す乳腺領域閾値決定装置100は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像Pを担持する画像データPを入力する画像データ入力手段110と、側面画像Pにおいて、略胸筋と脂肪とからなる胸筋の末端を表す胸筋末端領域をサンプリング領域Sとして設定するサンプリング領域設定手段120と、画像データPに基づいて、サンプリング領域Sにおける濃度のヒストグラムHs を作成するヒストグラム作成手段130と、作成されたヒストグラムHs に基づいて、サンプリング領域S中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、この胸筋部分の平均濃度p2とを求め、側面画像P中の乳腺を表す乳腺領域Pc と脂肪を表す脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを、求められたp1およびp2を用いた次式(1)に従って算出して決定する閾値算出手段140とを備えている。 【0053】 Th=a×p1+(1−a)×p2 (0.2≦a≦0.5) (1) なお、本実施形態では、乳房の側面画像として、医用画像である右乳房のマンモグラムを用いることとし、また、式(1)は、これまでの実験結果に基づいて最も適した条件として、係数a=0.4であるものとする。また、このマンモグラムは、濃度値を有する複数の画素からなる画像であり、濃度値が高いほど黒くなるものとする。なお、このマンモグラムでは、胸筋や乳腺の濃度(値)は低く、脂肪の濃度(値)は高く表現されるものとする。 【0054】 次に、上記のように構成された乳腺領域閾値決定装置の作用について説明する。図2は、乳腺領域閾値決定装置100における処理フローを示す図である。 【0055】 画像データ入力手段110は、デジタル画像が取得可能なCRシステムや、デジタル画像が保存されているデータベース等から、乳房の側面画像であるマンモグラムPを表す画像データPを入力する(ステップS11)。図3は、このマンモグラムPを模式的に表した図である。図中Pa,Pb,Pc,Pdは、それぞれ、胸筋領域、脂肪領域、乳腺領域、背景領域を示している。 【0056】 画像データ入力手段110により画像データPが入力されると、サンプリング領域設定手段120が、マンモグラムP中の胸筋末端領域をサンプリング領域Sとして設定する(ステップS12)。図4は、マンモグラムP上にサンプリング領域が設定された状態を示した図である。マンモグラムは、通常、マンモグラフィガイドラインに沿って撮影されるため、画像上での乳房の配置がほぼ決められており、したがって、予め決められた場所をサンプリング領域として設定することができる。上記ガイドラインに沿って撮影された右乳房側面のマンモグラムの場合は、胸筋末端領域は画像の右下部に位置する。そこで、画像上の右下部の所定の座標位置において所定のサイズ・形状の枠をもって特定される領域をサンプリング領域Sとして設定することができる。なお、このように予め決められた場所をサンプリング領域として設定するのではなく、胸筋末端領域をその都度検索して設定するようにしてもよい。例えば、抽出した胸筋ライン上で、画像の端部から所定の距離に位置する場所を、サンプリング領域として設定するようにしてもよい。 【0057】 サンプリング領域設定手段120によりサンプリング領域Sが設定されると、ヒストグラム作成手段130が、サンプリング領域Sに対応する画素の濃度値のヒストグラムHs を作成する(ステップS13)。図5は、作成されるヒストグラムHs の一例を示した図である。設定されたサンプリング領域Sには、胸筋領域Pa の一部である胸筋部分と、脂肪領域Pb の一部である脂肪部分とが含まれることになるが、胸筋部分と脂肪部分とではその濃度値が異なるため、作成されたヒストグラムHs には、胸筋を表す分布の山Ha と脂肪を表す分布の山Hb とが表れることになる。マンモグラムでは、上述のように、通常、胸筋は濃度値が低く、脂肪は濃度値が高く現れるので、濃度値の低い方の山が胸筋部分に対応し、濃度値の高い方の山が脂肪部分に対応すると判断することができる。 【0058】 ヒストグラム作成手段130によりヒストグラムHs が作成されると、閾値算出手段140は、マンモグラムP中の乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とを分離する濃度値の閾値Thを、上記式(1)に従って算出して決定する(ステップS14)。この式(1)は、本出願人による実験結果に基づいて導かれたものであり、閾値Thを、胸筋領域Pa と脂肪領域Pb との境の濃度と胸筋領域Pa の平均濃度との間における、所定の濃度に設定することを意味している。ここで、濃度値p1は、ヒストグラムHs 上の胸筋を表す分布の山Ha と脂肪を表す分布の山Hb との間付近で、最も頻度が低い濃度値を採用する。また、平均濃度値p2は、ヒストグラムHs 上の、胸筋を表す分布Ha 、すなわち濃度値p1から低濃度側の領域における分布に寄与する濃度値に対して平均を算出することにより求める。なお、濃度値p1は、上記2つの分布の山Ha,Hbを近似した2つの曲線の交点の位置に対応する濃度値を採用するようにしてもよい。 【0059】 このような乳腺領域閾値決定装置100によれば、乳房の側面画像中の、略胸筋と脂肪とからなる領域をサンプリング領域として設定し、設定されたサンプリング領域における濃度の分布に基づいて、サンプリング領域中の胸筋部分と脂肪部分との境界に相当する濃度p1と、この胸筋部分の平均濃度p2とを求め、求められたp1およびp2を用いた所定の計算式に従って、上記側面画像中の乳腺領域と脂肪領域とを分離する濃度の閾値を算出するので、濃度がばらつく傾向にある乳腺と脂肪が混在する領域の濃度の分布を利用せず、また、胸筋の濃度だけでなく脂肪の濃度も利用することにより、精度よく安定した上記閾値を算出することができ、乳腺領域を精度よく抽出することが可能な乳腺領域の濃度の閾値を決定することができる。 【0060】 (実施形態2) 図6は、本発明の乳房画像領域分離装置の一実施形態による概略構成を示す図である。 【0061】 図6に示す乳房画像領域分離装置200は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像Pを担持する画像データPを入力する画像データ入力手段210と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて乳房を表す被写体領域Pabc を抽出する被写体領域抽出手段220と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域Pabc から胸筋を表す胸筋領域Pa を分離する胸筋領域分離手段230と、側面画像P中の乳腺を表す乳腺領域Pc と脂肪を表す脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを算出して決定する乳腺領域閾値決定手段240と、閾値Thに基づいて、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcを、乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離する乳腺脂肪領域分離手段250とを備えている。 【0062】 胸筋領域分離手段230は、さらに、画像データPに基づいて、側面画像P中の胸筋領域と乳房領域との境界線上の境界点を1個以上抽出する境界点抽出手段231と、抽出された境界点の個数に応じた所定の手法により胸筋ラインを抽出する胸筋ライン抽出手段232とを備えている。 【0063】 乳腺領域閾値決定手段240は、さらに、サンプリング領域設定手段241と、ヒストグラム作成手段242と、閾値算出手段243とを備えており、これら各手段241〜243は、実施形態1の乳腺領域閾値決定装置100における、サンプリング領域設定手段120、ヒストグラム作成手段130、閾値算出手段140とそれぞれ同じ作用をもたらすものとする。 【0064】 なお、本実施形態におけるその他の条件は、実施形態1と同様とする。 【0065】 次に、上記のように構成された乳房画像領域分離装置200の作用について説明する。図7は、乳房画像領域分離装置200における処理フローを示す図である。 【0066】 画像データ入力手段210は、デジタル画像が取得可能なCRシステムや、デジタル画像が保存されているデータベース等から、乳房の側面画像である、図3に示すようなマンモグラムPを表す画像データPを入力する(ステップS21)。 【0067】 マンモグラムPが入力されると、被写体抽出手段220は、マンモグラムPを構成する画素の濃度値のヒストグラムを作成し、背景領域Pd (濃度値が高い部分)に対応する分布を除く最大濃度値pmax を求め(図8参照)、この最大濃度値pmax を閾値としてマンモグラムPを2値化する。すなわち、この閾値よりも低濃度の領域を被写体領域Pabc として抽出する(ステップS22)。この領域は、胸筋領域Pa 、脂肪領域Pb および乳腺領域Pc を合わせた領域となる。 【0068】 境界点抽出手段231は、胸筋領域Pa の濃度が乳房領域Pbcよりも低く、さらにその境界の濃度勾配が周囲と比較して高くなる傾向があることから、濃度勾配ベクトルの強度を利用してエッジ画像P′を作成する(ステップS23)。このエッジ画像P′では、胸筋領域Pa と乳房領域Pbcの境界線が濃度の低い(白い)陰影として示される。境界点抽出手段231は、さらに、被写体抽出手段220により抽出された被写体領域Pabc と、上記エッジ画像P′の情報を利用して、胸筋領域Pa と乳房領域Pbcの境界線上の境界点を抽出する(ステップS24)。以下、図9に示すエッジ画像P′の模式図を利用して境界点の抽出方法について説明する。なお、実際のエッジ画像P′においては、各エッジ(胸筋領域Pa と乳房領域Pbcとの境界線PLや、乳房領域Pbcと背景領域Pd の境界線)は濃度の低い(白い)陰影で示されているが、この模式図においては簡単のため黒い線で示す。 【0069】 まず、作成されたエッジ画像P′中の被写体領域内の右方領域(乳房上部領域)に縦方向の方向性を有する3本の走査ラインL1,L2,L3を設定する。この際、最も右側の第1走査ラインL1を画像右端から200pixelの位置に設定し、さらに、300pixel間隔で第2走査ラインL2、第3走査ラインL3をそれぞれ設定する。なお、本実施形態における各画像データは、10bit、10pixel/mmのものであるとする。 【0070】 次に、抽出された被写体領域Pabc の範囲を表す情報に基づいて、図9に示すように各走査ラインL1,L2,L3上の被写体領域内20〜80%の範囲を求め、この範囲内において各走査ラインL1,L2,L3上で方向性エッジ検索を行う。方向性エッジ検索とは、上から下に向けて走査する場合、濃度立下りのエッジのみを検索することを意味し、そして、この方向性エッジ検索によって、所定の閾値を満たす(所定の閾値よりも立下りが大きい)エッジ点が見つかったときに、そのエッジ点を境界点として抽出する(図9の×印)。なお、所定の閾値を満たすエッジ点が見つからなかったときには、その走査ライン上に境界点は存在しないものとする。つまり、3本の走査ラインL1,L2,L3を走査した結果、0〜3個の境界点が抽出される。 【0071】 境界点抽出手段231において境界点が抽出されると、胸筋ライン抽出手段232は抽出された境界点の数と位置情報を入力し、胸筋ラインを抽出する(ステップS25)。ここで、抽出された境界点が3個のときには3個の境界点を通る2次曲線を引いて胸筋ラインとし、抽出された境界点が2個のときには2個の境界点を通る1次直線を引いて胸筋ラインとする。また、抽出された境界点が1個のときには、画像中の乳房の最上点から垂線を下ろして垂線上の最下点(画像の下端位置の点)を求め、この点と、抽出された1個の境界点とを通る1次直線をひいて胸筋ラインとする(図10参照)。なお、抽出された境界点が0個の場合には、胸筋ラインが存在していないものとする。 【0072】 胸筋ライン抽出手段232において胸筋ラインが抽出されると、サンプリング領域設定手段241が側面画像P中の胸筋末端領域をサンプリング領域Sとして設定し(ステップS26)、ヒストグラム作成手段242がサンプリング領域Sに対応する濃度値のヒストグラムHs を作成し(ステップS27)、閾値算出手段243がヒストグラムHs に基づいて、マンモグラムP中の乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とを分離する濃度値の閾値Thを算出して決定する(ステップS28)。なお、ステップS26〜28の過程は、実施形態1のステップS12〜14と同様なので、詳細な説明を省略する。 【0073】 閾値算出手段243により閾値Thが決定されると、乳腺脂肪領域分離手段50が、閾値Thに基づいて、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcを、乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離する(ステップS29)。すなわち、乳房領域Pbc内で、閾値Thを上回る濃度値の画素からなる領域を脂肪領域Pb として抽出し、閾値Thを下回る濃度値の画素からなる領域を乳腺領域Pc として抽出する(図11参照)。その結果、被写体領域Pabc を乳腺領域Pc 、脂肪領域Pbおよび胸筋領域Pa にそれぞれ分離することができる。 【0074】 このような乳房画像領域分離装置200によれば、本発明の乳腺領域閾値決定方法により決定される、乳腺領域を精度よく抽出することが可能な乳腺領域の濃度の閾値に基づいて、乳房領域を乳腺領域と脂肪領域とに分離しているので、乳房の側面画像中の被写体領域を、胸筋領域、乳腺領域および脂肪領域の各領域に、精度よく分離することができる。また、この分離結果から、各領域の正しい分布が分かるので、特に、異常陰影の検出処理においては、検出の難易度を局所的に知ることができ、その検出性能を向上させることができる。 【0075】 (実施形態3) 図12は、本発明の乳房画像分類装置の一実施形態による概略構成を示す図である。 【0076】 図12に示す乳房画像分類装置300は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像Pを担持する画像データPを入力する画像データ入力手段310と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて乳房を表す被写体領域Pabc を抽出する被写体領域抽出手段320と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域Pabc から胸筋を表す胸筋領域Pa を分離する胸筋領域分離手段330と、側面画像P中の乳腺を表す乳腺領域Pc と脂肪を表す脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを算出して決定する乳腺領域閾値決定手段340と、閾値Thに基づいて、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcにおいて、乳腺領域Pc を抽出する乳腺領域抽出手段350と、乳房領域Pbcに対して乳腺領域Pc が占める割合に応じて、側面画像Pを分類する画像分類手段360とを備えている。 【0077】 胸筋領域抽出手段330は、さらに、境界点抽出手段331と、胸筋ライン抽出手段332とを備えており、また、乳腺領域閾値決定手段340は、さらに、サンプリング領域設定手段341と、ヒストグラム作成手段342と、閾値算出手段343とを備えている。 【0078】 上記の各手段310〜340は、実施形態2の乳房画像領域分離装置200における各手段210〜240とそれぞれ同じ作用をもたらすものとする。 【0079】 なお、本実施形態におけるその他の条件は、実施形態1と同様とする。 【0080】 次に、上記のように構成された乳房画像分類装置300の作用について説明する。図13は、乳房画像分類装置300における処理フローを示す図である。 【0081】 画像データ入力手段310が、マンモグラムPを表す画像データPを入力し(ステップS31)、被写体抽出手段320が、マンモグラムP中の被写体領域Pabc を抽出する(ステップS32)。 【0082】 境界点抽出手段331は、マンモグラムPのエッジ画像P′を作成し(ステップS33)、被写体領域Pabc とエッジ画像P′の情報を利用して、胸筋領域Pa と乳房領域Pbcの境界線上の境界点を抽出する(ステップS34)。 【0083】 胸筋ライン抽出手段332は、抽出された境界点の個数に応じた所定の手法により、胸筋ラインを抽出する(ステップS35)。 【0084】 一方、サンプリング領域設定手段341は、マンモグラムP中の胸筋末端領域をサンプリング領域Sとして設定し(ステップS36)、ヒストグラム作成手段342がサンプリング領域Sに対応する濃度値のヒストグラムHs を作成し(ステップS37)、閾値算出手段343がヒストグラムHs に基づいて、側面画像中P中の乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを算出して決定する(ステップS38)。なお、ステップS31〜38の過程は、実施形態2のステップS21〜28と同様なので、詳細な説明を省略する。 【0085】 乳腺領域抽出手段350は、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcにおいて、濃度値が閾値Thを下回る領域を乳腺領域Pc として抽出する(ステップS39)。 【0086】 乳腺領域抽出手段350により乳腺領域Pc が抽出されると、画像分類手段360が、乳房領域Pbcに対して乳腺領域Pc が占める割合Rを算出し、この割合Rの大きさに応じて、マンモグラムPを以下のように4タイプに分類する(ステップS3A)。なお、割合Rは、R=(乳腺領域Pc の面積(画素数))/(乳房領域Pbcの面積(画素数)として算出することができる。 【0087】 1) R≧0.7: 高濃度 2) 0.7>R≧0.5: 不均一高濃度 3) 0.5>R≧0.2: 乳腺散在 4) 0.2>R : 脂肪性 ちなみに、これらの各タイプは、マンモグラフィガイドラインにて以下のように規定されている。 【0088】 1)高濃度:乳腺実質内に脂肪の混在はほとんどなく、病変検出率は低い。 【0089】 2)不均一高濃度:乳腺実質内に脂肪が混在し、不均一な濃度を呈する。病変が正常乳腺に隠される危険性がある。 【0090】 3)乳腺散在:脂肪に置き換えられた乳房内に乳腺実質が散在している。病変の検出は比較的容易である。 【0091】 4)脂肪性:乳房はほぼ完全に脂肪に置き換えられている。病変が撮影範囲に入っていれば、病変の検出は容易である。 【0092】 ここでの“濃度”とは、画像上での黒化度を表すものではなく、乳房内の乳腺の量を示すものである。 【0093】 このような乳房画像分類装置300によれば、乳腺分布を把握する際の人間の感覚により近い状態で示された、乳腺そのものを表す乳腺領域が抽出され、その乳腺領域の占める割合によって、乳房の側面画像を分類するので、マンモグラフィガイドラインの基準通りに自動分類することができる。また、その分類結果から、乳腺実質の量が分かるので、特に、異常陰影の検出処理においては、乳房画像毎に検出の難易度を知ることができ、その検出性能を向上させることができる。 【0094】 なお、側面画像P中の被写体領域Pabc における胸筋領域Pa の割合が個々の画像においてほぼ一定であるような場合には、上記割合Rは、被写体領域Pabc に対しての乳腺領域Pc の占める割合としてもよい。 【0095】 また、マンモグラムの分類は、上記割合Rだけでなく、乳腺領域Pc の輪郭形状にも基づいて分類するようにしてもよい。 【0096】 (実施形態4) 図14は、本発明の乳腺脂肪領域平均濃度算出装置の一実施形態による概略構成を示す図である。 【0097】 図14に示す乳腺脂肪領域平均濃度算出装置400は、乳腺、脂肪および胸筋からなる乳房の側面画像Pを担持する画像データPを入力する画像データ入力手段410と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて乳房を表す被写体領域Pabc を抽出する被写体領域抽出手段420と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を分離する胸筋領域分離手段430と、側面画像P中の乳腺を表す乳腺領域Pc と脂肪を表す脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを算出して決定する乳腺領域閾値決定手段440と、閾値Thに基づいて、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcを、乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離する乳腺脂肪領域分離手段450と、画像データPに基づいて、分離された乳腺領域Pc および脂肪領域Pb における平均濃度をそれぞれ算出する平均濃度算出手段460とを備えている。 【0098】 胸筋領域分離手段430は、さらに、境界点抽出手段431と、胸筋ライン抽出手段432とを備えており、また、乳腺領域閾値決定手段440は、さらに、サンプリング領域設定手段441と、ヒストグラム作成手段442と、閾値算出手段443とを備えている。 【0099】 上記の各手段410〜450は、実施形態2の乳房画像領域分離装置200における各手段210〜250と同じ作用をもたらすものとする。 【0100】 なお、本実施形態におけるその他の条件は、実施形態1と同様とする。 【0101】 次に、上記のように構成された乳腺脂肪領域平均濃度算出装置400の作用について説明する。図15は、乳腺脂肪領域平均濃度算出装置400における処理フローを示す図である。 【0102】 画像データ入力手段410が、マンモグラムPを表す画像データPを入力し(ステップS41)、被写体抽出手段420が、マンモグラムP中の被写体領域Pabc を抽出する(ステップS42)。 【0103】 境界点抽出手段431は、マンモグラムPのエッジ画像P′を作成し(ステップS43)、被写体領域Pabc とエッジ画像P′の情報を利用して、胸筋領域Pa と乳房領域Pbcの境界線上の境界点を抽出する(ステップS44)。 【0104】 胸筋ライン抽出手段432は、抽出された境界点の個数に応じた所定の手法により、胸筋ラインを抽出する(ステップS45)。 【0105】 一方、サンプリング領域設定手段441は、マンモグラムP中の胸筋末端領域をサンプリング領域Sとして設定し(ステップS46)、ヒストグラム作成手段442がサンプリング領域Sに対応する濃度値のヒストグラムHs を作成し(ステップS47)、閾値算出手段443がヒストグラムHs に基づいて、側面画像P中の乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを算出して決定する(ステップS48)。 【0106】 乳腺脂肪領域分離手段450は、閾値Thに基づいて、乳房領域Pbcを乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離する(ステップS49)。なお、ステップS41〜49の過程は、実施形態2のステップS21〜29と同様なので、詳細な説明を省略する。 【0107】 乳腺脂肪領域分離手段450により乳房領域Pbcが乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離されると、平均濃度算出手段460が、画像データPに基づいて、分離された乳腺領域Pc、脂肪領域Pbの各領域における画素の平均濃度値Ac 、Ab を算出する(ステップS4A)。 【0108】 このような乳腺脂肪領域平均濃度算出装置400によれば、精度よく分離された乳腺領域と脂肪領域において平均濃度を算出するので、病変を検出する際の有用な情報となる、当該各領域における濃度の概略を正しく把握することができ、異常陰影の検出性能を向上させることができる。 【0109】 (実施形態5) 図16は、本発明の乳腺分布マップ作成装置の一実施形態による概略構成を示す図である。 【0110】 図16に示す乳腺分布マップ作成装置500は、乳房の側面画像Pを担持する画像データPを入力する画像データ入力手段510と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて乳房を表す被写体領域Pabc を抽出する被写体領域抽出手段520と、画像データPに基づいて、側面画像Pにおいて胸筋ラインを抽出することにより、被写体領域Pabc から胸筋を表す胸筋領域Pa を分離するする胸筋領域分離手段530と、側面画像P中の乳腺を表す乳腺領域Pc と脂肪を表す脂肪領域Pb とを分離する濃度の閾値Thを算出して決定する乳腺領域閾値決定手段540と、閾値Thに基づいて、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcを、乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離する乳腺脂肪領域分離手段550と、画像データPに基づいて、分離された乳腺領域Pc および脂肪領域Pb における平均濃度Ac 、Ab をそれぞれ算出する平均濃度算出手段560と、乳腺領域Pc と脂肪領域Pb における濃度を、当該各領域毎に算出された平均濃度Ac 、Ab に置き換えることにより、側面画像Pの乳腺分布マップMを作成する乳腺分布マップ作成手段570とを備えている。 【0111】 胸筋領域分離手段530は、さらに、境界点抽出手段531と、胸筋ライン抽出手段532とを備えており、また、乳腺領域閾値決定手段540は、さらに、サンプリング領域設定手段541と、ヒストグラム作成手段542と、閾値算出手段543とを備えている。 【0112】 上記の各手段510〜550は、実施形態2の乳房画像領域分離装置200における各手段210〜250にそれぞれ対応し、同じ作用をもたらすものとする。 【0113】 なお、本実施形態おけるその他の条件は、実施形態1と同様とする。 【0114】 次に、上記のように構成された乳腺分布マップ作成装置500の作用について説明する。図17は、乳腺分布マップ作成装置500における処理フローを示す図である。 【0115】 画像データ入力手段510が、マンモグラムPを表す画像データPを入力し(ステップS51)、被写体抽出手段520が、マンモグラムP中の被写体領域Pabc を抽出する(ステップS52)。 【0116】 境界点抽出手段531は、マンモグラムPのエッジ画像P′を作成し(ステップS53)、被写体領域Pabc とエッジ画像P′の情報を利用して、胸筋領域Pa と乳房領域Pbcの境界線上の境界点を抽出する(ステップS54)。 【0117】 胸筋ライン抽出手段532は、抽出された境界点の数に応じた所定の手法により、胸筋ラインを抽出する(ステップS55)。 【0118】 一方、サンプリング領域設定手段541は、マンモグラムP中の胸筋末端領域をサンプリング領域Sとして設定し(ステップS56)、ヒストグラム作成手段542がサンプリング領域Sに対応する濃度値のヒストグラムHs を作成し(ステップS57)、閾値算出手段543がヒストグラムHs に基づいて、乳房領域Pbcにおいて乳腺領域を抽出するための閾値処理に用いる濃度値の閾値Thを算出して決定する(ステップS58)。 【0119】 乳腺脂肪領域抽出手段550は、被写体領域Pabc から胸筋領域Pa を除いた乳房領域Pbcにおいて、閾値Thを用いた濃度値の閾値処理により、マンモグラムP中の乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とを抽出する(ステップS59)。なお、ステップS51〜59の過程は、実施形態2のステップS21〜29と同様なので、詳細な説明を省略する。 【0120】 乳腺脂肪領域分離手段550により乳房領域Pbcが乳腺領域Pc と脂肪領域Pb とに分離されると、平均濃度算出手段560が、分離された乳腺領域Pc および脂肪領域Pb における画素の平均濃度値Ac 、Ab を算出する(ステップS5A)。 【0121】 そして、乳腺分布マップ作成手段570が、乳腺領域Pc と脂肪領域Pb における画素の濃度値を、それぞれ平均濃度値Ac とAb で置き換えて2値化することにより、乳腺分布マップMを作成する(ステップS5B)。図18は、このようにして作成された乳腺分布マップMの一例を示した図である。 【0122】 このような乳腺分布マップ作成装置500によれば、精度よく分離された乳腺領域と脂肪領域の濃度を、各領域毎の平均濃度に置き換えた乳腺分布マップを作成するので、病変を検出する際の有用な情報となる、当該各領域における2次元的な分布と濃度の概略とを同時に把握することができ、異常陰影の検出性能を向上させることができる。また、作成された乳腺分布マップは、左右乳房の乳腺分布マップを比較して左右非対称陰影を検出する際にも有用となる。 【0123】 なお、本発明のプログラムを、コンピュータが読取り可能な記録媒体に記録して供給するようにしてもよいし、コンピュータが接続可能なサーバに保存しておき、ダウンロードにより供給するようにしてもよい。このようなプログラムによれば、本発明の乳腺領域閾値決定方法と同様の手順をコンピュータに実行させるように記述されているので、当該プログラムをコンピュータにインストールして実行させることにより、上記乳腺領域閾値決定方法と同様の効果を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【0124】 【図1】本発明の乳腺領域閾値決定装置の一実施形態による概略構成を示す図 【図2】乳腺領域閾値決定装置における処理フローを示す図 【図3】マンモグラムPを模式的に表した図 【図4】マンモグラムP上にサンプリング領域が設定された状態を示した図 【図5】サンプリング領域における濃度値のヒストグラムHs の一例を示した図 【図6】本発明の乳房画像領域分離装置の一実施形態による概略構成を示す図 【図7】乳房画像領域分離装置における処理フローを示す図 【図8】マンモグラムにおける濃度値のヒストグラムを表す図 【図9】エッジ画像中において境界点を抽出する方法を説明する図 【図10】抽出された境界点が1個のときに抽出される胸筋ラインを示す図 【図11】乳腺領域および脂肪領域が抽出された状態のマンモグラムを示す図 【図12】本発明の乳房画像分類装置の一実施形態による概略構成を示す図 【図13】乳房画像分類装置における処理フローを示す図 【図14】本発明の乳腺脂肪領域平均濃度算出装置の一実施形態による概略構成を示す図 【図15】平均濃度算出装置における処理フローを示す図 【図16】本発明の乳腺分布マップ作成装置の一実施形態による概略構成を示す図 【図17】乳腺分布マップ作成装置における処理フローを示す図 【図18】乳腺分布マップの一例を示した図 【符号の説明】 【0125】 100 乳腺領域閾値決定装置 110 画像データ入力手段 120(241,341,441,541) サンプリング領域設定手段 130(242,342,442,542) ヒストグラム作成手段 140(243,343,444,543) 閾値算出手段 200 乳房画像領域分離装置 210(310,410,510) 画像データ入力手段 220(320,420,520) 被写体領域抽出手段 230(330,430,530) 胸筋領域分離手段 231(331,431,531) 境界点抽出手段 232(332,432,532) 胸筋ライン抽出手段 240(340,440,540) 乳腺領域閾値決定手段 250(450,550) 乳腺脂肪領域分離手段 300 乳房画像分類装置 350 乳腺領域抽出手段 360 画像分類手段 400 乳腺脂肪領域平均濃度算出装置 460(560) 平均濃度算出手段 500 乳腺分布マップ作成装置 570 乳腺分布マップ作成手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成15年8月21日(2003.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468 【弁理士】 【氏名又は名称】佐久間 剛
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| 【公開番号】 |
特開2005−65855(P2005−65855A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−297668(P2003−297668) |
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