| 【発明の名称】 |
バルーン付きアブレーションカテーテル |
| 【発明者】 |
【氏名】高岡 元紀 【住所又は居所】滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株式会社瀬田工場内
【氏名】山崎 善治 【住所又は居所】滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
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| 【要約】 |
【課題】バルーンを標的病変部位へスムーズに導入できるようにする。
【解決手段】この発明のバルーン付きアブレーションカテーテルは、高周波通電用コイル電極5であるコイル体はその中心軸5aがカテーテル1の中心軸1aに略沿っている配置でバルーン2内に設置されていて、患者体内にバルーン2を導入する際、コイル電極5を芯として収縮したバルーン2にコイル電極5が包まれ、バルーン2とコイル電極5がコンパクトに纏まったかたちで導入されるのに加え、コイル電極5としてのコイル体は平電線5Aが平電線5Aの厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回されて整形されていて、厚みの薄い平電線5Aの使用で収縮状態のバルーン2の外径が従来より小さくなっている。その結果、バルーン2を患者体内の標的病変部位へスムーズに導入できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カテーテルの先端側に配置されている膨張・収縮可能なバルーンと、電線が螺旋状に巻き回されてコイル体に整形されていると共にコイル体の中心軸がカテーテルの中心軸に略沿っている配置でバルーンの内に設置されている高周波通電用コイル電極と、バルーンの内に設置された温度センサとを備えているバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、高周波通電用コイル電極のコイル体は、厚みの薄い幅広の平電線が該平電線の厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回されて整形されているコイル体であることを特徴とするバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項2】 請求項1に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、平電線の厚みが0.05mm〜0.2mmの範囲であるバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項3】 請求項1または2に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、カテーテルが外筒シャフトと内筒シャフトとが軸方向に移動可能なかたちで同心的に通し合わされている二重筒式カテーテルであって、バルーンの先端部が内筒シャフトの先端に固定されていて、バルーンの後端部が外筒シャフトの先端に固定されており、かつ高周波通電用コイル電極が内筒シャフトに同心的に外挿されているバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項4】 請求項3に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、高周波通電用コイル電極は内筒シャフトを拘束しないかたちで外挿されていると共に外筒シャフト側に固定されているのに加えて、温度センサが高周波通電用コイル電極に固定されているバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、高周波通電用コイル電極に高周波電力を送給する電力送給用リード線と温度センサから測温信号を取り出すセンサ用リード線とが、いずれも、電気絶縁性保護被覆付きでカテーテルに引き通されているバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項6】 請求項5に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、電力送給用リード線の電気絶縁性保護被覆がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなるバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項7】 請求項5に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、センサ用リード線の電気絶縁性保護被覆がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなるバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、カテーテルの強制冷却機構が配備されていないバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項9】 請求項1から8のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、膨張状態のバルーンが、先端側で直径が小さくなる円錐状の外形を有しているバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、バルーンの内にカテーテル経由で液体を送給する液体送給手段と、温度センサの測温結果に応じた供給量で高周波通電用コイル電極より高周波電力を供給する電力供給手段を備えているバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項11】 請求項10に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、液体送給手段により送給される液体が外筒シャフトと内筒シャフトの間のクリアランスを通るバルーン付きアブレーションカテーテル。 【請求項12】 請求項10または11に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、液体送給手段によって液体導入口から送り込まれた液体により膨張状態にあるバルーンの内の液体をカテーテルとバルーンの間で出入りさせてバルーンの内の液体を攪拌する液体攪拌手段を備えているバルーン付きアブレーションカテーテル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、カテーテルの先端側に配置されているバルーンを患者体内の標的病変部位へ密着させた状態で高周波誘電加熱およびジュール熱で加熱をおこなって標的病変部位を加温することにより標的病変部位を焼灼(アブレーション)するバルーン付きアブレーションカテーテルに係り、特に患者体内の標的病変部位へバルーンを導入するための技術に関する。 【背景技術】 【0002】 特開2002−78809号公報に記載の肺静脈電気的隔離用バルーン付きアブレーションカテーテルは、心臓不整脈治療を行う為のアブレーションカテーテルである。このバルーン付きアブレーションカテーテルを使って肺静脈の電気的隔離を行う場合、図10に示すように、カテーテル51の先端側に配置されている膨張・収縮可能なバルーン52を経皮的に下大静脈QAへ導入し、カテーテル51で後押ししながら心臓HAの右心房Haから心房中隔Hwを刺貫して左心房Hbへとバルーン52を到達せしめる。そして、バルーン内への造影剤を含む液体の送給により膨張したバルーン52を肺静脈口Qaに当てがって密着させておいて、直径0.5mm程の断面真円形の丸電線を螺旋状に巻き回してコイル体に整形しバルーン52内に設置した高周波通電用コイル電極53に高周波電源55より高周波電力を与え、高周波通電用コイル電極53と患者体外に配置した高周波通電用外電極(対電極)54の間で高周波通電を行わせる。 【0003】 高周波通電用コイル電極53と高周波通電用外電極54との間の高周波通電に伴って起こる高周波誘電加熱およびジュール熱による加温により肺静脈口Qaの環状周縁部が全体的に焼灼される。肺静脈口Qaに対する焼灼に引き続き、左心房Hbの内壁に開いている残りの3個の肺静脈口Qb〜Qdに対する焼灼を順次同様にして実施する。各肺静脈口Qa〜Qdの環状周縁部が焼灼されることで4個の各肺静脈が全て電気的隔離状態となる。各肺静脈口Qa〜Qdの環状周縁部が焼灼されて、4個の各肺静脈がそれぞれ電気的隔離のかたちになると、不整脈を引き起こす電気信号が遮断され、心臓不整脈がほほ解消される。 【0004】 このように、特開2002−78809号公報に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルによれば、各肺静脈口Qa〜Qdの環状周縁部が全体的に焼灼されるので、何度も焼灼を繰り返さずに済むと共に、焼灼されるのが各肺静脈口Qa〜Qdの環状周縁部だけであるので、余分な処(例えば健常部分)まで焼灼せずに済む。 【特許文献1】特開2002−78809号公報(詳細な説明の全頁、図1−図6) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記公報記載のバルーン付きアブレーションカテーテルの場合、バルーン52を肺静脈口Qaへスムーズには導入できないという問題がある。バルーン52がスムーズに導入できないと、患者にとっては苦痛が大きく、また医師にとっては治療に時間を要し、治療を受ける側も治療を施す側も負担は大変に大きなものになる。 【0006】 断面真円形の丸電線を螺旋状に巻き回してコイル体に整形してある高周波通電用コイル電極53の場合、コイル体の中心軸がカテーテル51の中心軸に略沿っている配置でバルーン52の内に設置されており、バルーン52を肺静脈口Qaへ導入する際は、高周波通電用コイル電極53を芯として収縮したバルーン52に高周波通電用コイル電極53が包まれ、バルーン52と高周波通電用コイル電極53がコンパクトに纏まったかたちで導入されるのではあるが、高周波通電用コイル電極53を内に包み込むかたちで収縮したバルーン52全体としてみると、やはり相当な太さ(外径)があって、バルーン52をスムーズに導入できないのである。 【0007】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、患者体内の標的病変部位へバルーンをスムーズに導入することができるバルーン付きアブレーションカテーテルを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。 【0009】 即ち、請求項1に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルは、カテーテルの先端側に配置されている膨張・収縮可能なバルーンと、電線が螺旋状に巻き回されてコイル体に整形されていると共にコイル体の中心軸がカテーテルの中心軸に略沿っている配置でバルーンの内に設置されている高周波通電用コイル電極と、バルーンの内に設置された温度センサとを備えているバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、高周波通電用コイル電極のコイル体は、厚みの薄い幅広の平電線が該平電線の厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回されて整形されているコイル体であることを特徴とするものである。 【0010】 (作用・効果)請求項1の発明のバルーン付きアブレーションカテーテル(以下、適宜「アブレーションカテーテル」と略記)を用いて患者体内の標的病変部位を焼灼する場合、カテーテルの先端側に配置されている膨張・収縮可能なバルーンを収縮させた状態で経皮的に患者体内に導入しカテーテルで後押ししながら標的病変部位までバルーンを到達せしめると共に、カテーテル経由でバルーンの内に液体を導入して膨張させる。続いて、焼灼対象の標的病変部位に膨張したバルーンを密着させておいて、高周波通電用コイル電極から高周波電力を供給し、高周波通電用コイル電極と別途に患者体外の適当な位置にセットした高周波通電用外電極との間で高周波通電を行わせる。高周波誘電加熱およびジュール熱による加温実行中、加温温度がバルーン内の温度センサによって検出されると共に、温度センサの測温結果に応じた供給量で高周波電力が供給されることで、高周波誘電加熱およびジュール熱の加温温度がコントロールされる。この高周波通電により加熱がバルーンまわりで起こるのに伴って、標的病変部位のバルーン密着個所の処だけがバルーン共々加温されて局所的に焼灼されてゆく。例えば、標的病変部位が心臓の左心房にある肺静脈口であれば、肺静脈口の環状周縁部だけが全体的に焼灼されてゆく。 【0011】 そして、請求項1の発明のアブレーションカテーテルの場合、高周波通電用コイル電極としてのコイル体は中心軸がカテーテルの中心軸に略沿っている配置でバルーンの内に設置されており、患者体内の標的病変部位にバルーンを導入する際、高周波通電用コイル電極を芯として収縮したバルーンに高周波通電用コイル電極が包まれ、バルーンと高周波通電用コイル電極がコンパクトに纏まったかたちで導入されるのに加え、さらに高周波通電用コイル電極としてのコイル体は厚みの薄い幅広の平電線が平電線の厚み方向をコイル体の径方向(半径方向)とする巻き方で螺旋状に巻き回されて整形されていて、厚みの薄い平電線の使用でコイル体の外径が小さくなっており、コイル体の外径の縮小分だけ収縮状態のバルーンの外径も小さくなるので、患者体内の標的病変部位へバルーンを従来よりスムーズに導入することができる。なお、バルーンの内に設置する電極をコイル体とする理由は、電極に可撓性をもたせて血管等の導入路の曲がりに追随して電極も曲がるようにさせる必要性からである。したがって、本発明で言うコイル体は電気的な意味でのコイル体ではなく、機械的な意味でのコイル体である。 【0012】 付言すれば、断面真円形の丸電線を螺旋状に巻き回して整形してある従来の高周波通電用コイル電極としてのコイル体の場合、コイル体の外径は丸電線の厚みの直径の2倍の寸法にコイル体の内径を加えたものとなる。これに対し、厚みの薄い幅広の平電線が平電線の厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回して整形してある本発明の高周波通電用コイル電極としてのコイル体の場合、コイル体の外径は平電線の厚みの2倍の寸法にコイル体の内径を加えたものとなる。したがって、厚みの薄い平電線を用いた本発明のコイル体の方が、丸電線を用いた従来のコイル体よりも、丸電線の直径と平電線の厚みの差の2倍の寸法だけ、高周波通電用コイル電極の外径が縮まる勘定となると同時に、高周波通電用コイル電極の外径が縮まった分だけ収縮状態のバルーンの外径も小さくなる。 【0013】 なお、丸電線の直径と平電線の厚みの差は、それほど大きなものではないから、収縮状態のバルーンの外径も従来と比べてそれほど小さくなるわけではない。しかし、元々、収縮したバルーンであっても血管内を極めて窮屈な状況で押し進められるので、バルーンの外径が僅かでも小さくなれば、バルーンの導入は、格段にスムーズになる。なお、丸電線を単に細くすると高周波によって生じる電流が電線を流れたときに発熱するので、このようなコイル体は不都合である。 【0014】 また、請求項2の発明は、請求項1に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、平電線の厚みが0.05mm〜0.2mmの範囲であるものである。 【0015】 (作用・効果)請求項2の発明によれば、平電線の厚みが0.05mm〜0.2mmと十分に薄いので、コイル体の外径および収縮状態のバルーンの外径が十分に小さくなり、患者体内の標的病変部位へバルーンを非常にスムーズに導入することができる。なお、平電線の厚みが0.20mmを上回ると、平電線によるコイル体の縮径効果が得難くなり、逆に平電線の厚みが0.05mmを下回ると、電極として必要な強度を確保し難くなる。 【0016】 また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、カテーテルが外筒シャフトと内筒シャフトが軸方向に移動可能なかたちで同心的に通し合わされている二重筒式カテーテルであって、バルーンの先端部が内筒シャフトの先端に固定されていて、バルーンの後端部が外筒シャフトの先端に固定されており、かつ高周波通電用コイル電極が内筒シャフトに同心的に外挿されているものである。 【0017】 (作用・効果)請求項3の発明によれば、外筒シャフトあるいは内筒シャフトを軸方向に移動させることにより、バルーンの形状を多様に変化させることができるのに加え、高周波通電用コイル電極が内筒シャフトに同心的に外挿されることで、コイル体の中心軸がカテーテルの中心軸に自動的に合うことになるのに加え、高周波通電用コイル電極が実質的に内筒シャフトに一体化したかたちとなるので、バルーンの導入がよりスムーズとなる。 【0018】 また、請求項4の発明は、請求項3に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、高周波通電用コイル電極は内筒シャフトを拘束しないかたちで外挿されていると共に外筒シャフト側に固定されているのに加えて、温度センサが高周波通電用コイル電極に固定されているものである。 【0019】 (作用・効果)請求項4の発明によれば、内筒シャフトが高周波通電用コイル電極の拘束を受けずにスムーズに移動できる。さらに、バルーンの後端部が固定されている外筒シャフトに高周波通電用コイル電極が固定されていると共に、温度センサが高周波通電用コイル電極に固定されているので、バルーン内での高周波通電用コイル電極と温度センサの設置位置が安定する。 【0020】 また、請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、高周波通電用コイル電極に高周波電力を送給する電力送給用リード線と温度センサから測温信号を取り出すセンサ用リード線とが、いずれも、電気絶縁性保護被覆付きでカテーテルに引き通されているものである。 【0021】 (作用・効果)請求項5の発明によれば、温度センサから測温信号を取り出すセンサ用リード線と高周波通電用コイル電極に高周波電力を送給する電力送給用リード線とがカテーテルに引き通されているので、カテーテルにリード線の配管を兼ねさせられる。また、センサ用リード線と電力送給用リード線が共に電気絶縁性保護被覆付きであるので、リード線同士のショート(短絡)が起こる心配がなくなると同時に、高周波電力の漏れ・侵入が抑えられる結果、高周波電力の漏れ・侵入に伴うカテーテルの発熱が抑えられ、カテーテルの強制冷却機構を省くことを可能とする。 【0022】 また、請求項6の発明は、請求項5に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、電力送給用リード線の電気絶縁性保護被覆がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなるものである。 【0023】 (作用・効果)請求項6の発明によれば、電力送給用リード線の電気絶縁性保護被覆がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなり、電気絶縁性保護被覆の電気絶縁性が向上するので、高周波電力の漏れ・侵入がいっそう抑えられ、高周波電力の漏れ・侵入によるカテーテルの発熱が十分抑えられる。 【0024】 また、請求項7の発明は、請求項5に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、センサ用リード線の電気絶縁性保護被覆がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなるものである。 【0025】 (作用・効果)請求項7の発明によれば、センサ用リード線の電気絶縁性保護被覆がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなり、電気絶縁性保護被覆の電気絶縁性が増すので、漏れ・侵入によるカテーテルの発熱が十分抑えられる。 【0026】 また、請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、カテーテルの強制冷却機構が配備されていないものである。 【0027】 (作用・効果)請求項8の発明によれば、カテーテルの強制冷却機構が省かれているので、その分、カテーテルを細くして、カテーテルを患者体内へ挿入し易くすることができる。 【0028】 また、請求項9の発明は、請求項1から8のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、膨張状態のバルーンが、先端側で直径が小さくなる円錐状の外形を有しているものである。 【0029】 (作用・効果)請求項9の発明によれば、バルーンは先端側で直径が小さくなる円錐状の外形を有しているので、例えば焼灼対象の標的病変部位が肺静脈口の環状周縁部である場合、バルーンの先端を肺静脈口に少し挿し込むことによって、バルーンを肺静脈口にきっちり密着させられるので、肺静脈口の環状周縁部の全体を確実に焼灼することができる。また、肺静脈内部へ挿入されることが防止されるので、内部の焼灼が原因で起こる狭窄を防止できる。 【0030】 また、請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかに記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、バルーンの内にカテーテル経由で液体を送給する液体送給手段と、温度センサの測温結果に応じた供給量で高周波電力を供給する電力供給手段を備えているものである。 【0031】 (作用・効果)請求項10の発明によれば、液体送給手段によりカテーテル経由でバルーンの内に液体導入口から液体を送給させることによってバルーンを膨張させられる。また、電力供給手段によって温度センサの測温結果に応じた供給量で高周波電力を供給させることで、高周波誘電加熱およびジュール熱の加温温度を的確にコントロールすることができる。 【0032】 また、請求項11の発明は、請求項10に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、液体送給手段により送給される液体が外筒シャフトと内筒シャフトの間のクリアランスを通るものである。 【0033】 (作用・効果)請求項11の発明によれば、外筒シャフトと内筒シャフトの間のクリアランスを液体送給手段による液体送給用の流路として使用することができる。 【0034】 また、請求項12の発明は、請求項10または11に記載のバルーン付きアブレーションカテーテルにおいて、液体送給手段によって液体導入口から送り込まれた液体により膨張状態にあるバルーンの内の液体をカテーテルとバルーンの間で出入りさせてバルーンの内の液体を攪拌する液体攪拌手段を備えているものである。 【0035】 (作用・効果)請求項12の発明によれば、高周波誘電加熱およびジュール熱による加温実行中、液体の導入で膨張状態にあるバルーンの内の液体を液体攪拌手段によってカテーテルとバルーンの間で出入りさせてバルーンの内の液体を攪拌すると、温度の違う液体が交じり合ってバルーンの内の液温が均一となり、高周波誘電加熱およびジュール熱による加温ムラを抑えることができる。 【発明の効果】 【0036】 以上に述べたように、請求項1の発明のバルーン付きアブレーションカテーテルによれば、高周波通電用コイル電極としてのコイル体は中心軸がカテーテルの中心軸に略沿っている配置でバルーンの内に設置されていて、患者体内の標的病変部位にバルーンを導入する際、高周波通電用コイル電極を芯として収縮したバルーンに高周波通電用コイル電極が包まれて、バルーンと高周波通電用コイル電極がコンパクトに纏まったかたちで導入されるのに加え、高周波通電用コイル電極としてのコイル体は厚みの薄い幅広の平電線が平電線の厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回されて整形されていて、コイル体の径が厚みの薄い平電線の使用で従来よりも小さくなって、コイル体の径の縮小分だけ収縮したバルーンの外径も小さくなるので、患者体内の標的病変部位へバルーンを従来よりも遥かにスムーズに導入することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0037】 以下、この発明のバルーン付きアブレーションカテーテルの実施形態を説明する。図1は実施形態に係るアブレーションカテーテルの全体の構成を示す平面図、図2は実施形態のアブレーションカテーテルのバルーンの内部を示す断面図、図3は実施形態のアブレーションカテーテルのバルーンの膨張時の外形を示す正面図である。本実施形態のアブレーションカテーテルは、心臓不整脈治療としての肺静脈電気的隔離をおこなうのに好適なものである。 【0038】 実施形態のアブレーションカテーテルでは、カテーテル1の先端側に膨張・収縮可能なバルーン2が配置されている。カテーテル1は、外筒シャフト3と内筒シャフト4を軸方向の移動が可能に同心的に通し合わせた二重筒式カテーテルであって、バルーン2の先端部が内筒シャフト4の先端に固定されていて、バルーン2の後端部が外筒シャフト3の先端に固定されており、バルーン後端には液体導入口2Aが設けられている。二重筒式のカテーテル1の場合、外筒シャフト3あるいは内筒シャフト4を軸方向に移動させることにより、バルーン2の形状を多様に変化させることができる。したがって、本発明では、カテーテル1が二重筒式カテーテルであることが好ましいが、カテーテル1は必ずしも二重筒式カテーテルに限られるものではなく、治療の種類によっては単一管式カテーテルが好ましいこともある。 【0039】 外筒シャフト3と内筒シャフト4の長さは、1m前後〜1m数十cm程度である。外筒シャフト3の外径は3mm〜5mm程度であり、内径は2mm〜4mm程度である。内筒シャフト4の外径は1mm〜3mm程度であり、内径は0.5mm〜2mm程度である。外筒シャフト3や内筒シャフト4の材料は、抗血栓性に優れる可撓性のある材料が用いられる。具体的には、例えばフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。 【0040】 バルーン2は、図3に示すように、膨張状態において先端側で直径が小さくなる円錐状(先すぼみ円錐状)の外形を有している。バルーン2は、長さ(バルーン先端とバルーン後端を仮想的に結ぶバルーン中心軸2aに沿う長さd)が、20mm〜40mm程度であって、後端側の最大外直径が10mm〜40mm程度であり、膜厚みが100μm〜300μmである。バルーン2の外径が先すぼみの円錐状の外形である場合、バルーンが肺静脈内部に入り込むのを防止できるうえ、バルーン2の先端を肺静脈口に少し挿し込むことによりバルーンを肺静脈口にきっちり密着させられるので、肺静脈口の環状周縁部の全体を確実に焼灼することができる。 【0041】 バルーン2の材料は、抗血栓性に優れた伸縮性のある材料が用いられる。特にポリウレタン系の高分子材料が好ましく、具体的には、熱可塑性ポリエーテルウレタン,ポリエーテルポリウレタンウレア,フッ素ポリエーテルウレタンウレア,ポリエーテルポリウレタンウレア樹脂,ポリエーテルポリウレタンウレアアミド等が挙げられる。 【0042】 さらに、実施形態のアブレーションカテーテルの場合、バルーン2の内に高周波通電用コイル電極(以下、適宜「コイル電極」と略記)5が設置されていると共に、バルーン2の内に液体導入口2Aから液体をカテーテル1経由で送給する液体送給装置(液体送給手段)6がカテーテル1の末端側に四方コネクタCNを介して接続配設されている。 【0043】 高周波通電用コイル電極5は、厚みの薄い幅広の平電線5Aが螺旋状に巻き回されてコイル体に整形されていると共にコイル体の中心軸5aがカテーテル1の中心軸1aに略沿っている配置でバルーン2の内に配置されているのに加えて、コイル電極5としてのコイル体では、平電線5Aが該平電線5Aの厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回されている。 【0044】 したがって、図6および図7に示すように、コイル電極5であるコイル体の外径Pは平電線5Aの厚みP1の2倍の寸法にコイル体の内径P2を加わえたものとなる。なお、従来のコイル電極53は、図8および図9に示すように、断面真円形の丸電線53Aを螺旋状に巻き回して整形してあるので、コイル電極53としてのコイル体の外径Qは丸電線53Aの直径Q1の2倍の寸法にコイル体の内径Q2(=P2)を加えたものとなる。したがって、平電線5Aを用いたコイル電極5のコイル体の方が、丸電線53Aを用いた従来のコイル電極53のコイル体と比べて、丸電線53Aの直径Q1と平電線5Aの厚みP1の厚みの差(Q1−P1)の2倍の寸法だけ、コイル電極5の外径が小さくなっている。 【0045】 平電線5Aの厚みP1は平電線5Aによるコイル体の縮径効果を確保すると同時に電極として必要な強度を確保するという観点から、0.05mm〜0.2mmの範囲が適当である。平電線5Aの厚みP1が0.20mmを上回ると、平電線5Aによるコイル体の縮径効果が得難くなり、逆に平電線5Aの厚みP1が0.05mmを下回ると、電極として必要な強度を確保し難くなる。平電線5Aの幅は特定の幅に制限されるものではないが、通常、0.5mm〜3mm程度が適当である。平電線5Aの線材としては、銀線や金線,プラチナ線,銅線などの高導電率金属線が用いられる。 【0046】 また、コイル電極5は内筒シャフト4を拘束しない状態で内筒シャフト4に同心的に外挿されている。コイル電極5の内径が内筒シャフト4の外径より僅かに大きくて、コイル電極5の内面と内筒シャフト4の外面の間に少し隙間が明いている。このようにコイル電極5が内筒シャフトに同心的に外挿されていると、コイル体の中心軸5aがカテーテル1の中心軸1aに自動的に合うことになるのに加え、コイル電極5が実質的に内筒シャフト4に一体化したかちとなる。またコイル電極5は内筒シャフト4を拘束しないので、内筒シャフト4をスムーズに移動させられる。 【0047】 なお、コイル電極5の対電極として別途に患者体外の適当な位置にセットされる高周波通電用外電極(以下、適宜「外電極」と略記)7には、面状電極が用いられる。外電極7の材料には、銅やアルミニウムの高導電率金属薄板が挙げられる。高周波誘電加熱およびジュール熱による加温実行中、コイル電極5と外電極7の間で高周波通電が行われることにより、加温がおこなわれる。高周波誘電加熱およびジュール熱の加温による際の組織焼灼の適温は、通常、50℃〜70℃の範囲にある。 【0048】 一方、液体送給装置6は、送液用ローラポンプ(図示省略)を備えていて、送液用ローラポンプにより送給される液体が外筒シャフト3と内筒シャフト4の間のクリアランスを通って液体導入口2Aからバルーン2の内に送り込まれる。液体送給装置6からの液体がバルーン2の内に送り込まれるのに伴ってバルーン2は膨張する。つまり、外筒シャフト3と内筒シャフト4の間のクリアランスが液体送給装置6による液体送給用の流路として利用されているのである。 【0049】 また、実施形態のアブレーションカテーテルの場合、液体送給により膨張状態にあるバルーン2の内の液体をカテーテル1経由でバルーン2を出入りさせることによりバルーンの内の液体を攪拌するダイヤフラム式液体攪拌機構(液体攪拌手段)8が配設されている。この攪拌機構8による攪拌で、温度の違う液体が交じり合ってバルーンの内の液温が均一となり、高周波誘電加熱およびジュール熱による加温ムラを抑えることができる。 【0050】 さらに、実施形態のアブレーションカテーテルでは、バルーン2の内に設置されている温度センサ9と、温度センサ9の測温結果に応じた供給量で高周波電力を供給する高周波電源(電力供給手段)10とを備えている。高周波電力の周波数は、数MHz〜数百MHzの範囲であり、通常、10MHz前後である。高周波誘電加熱およびジュール熱による加温実行中、加温温度がバルーン2内の温度センサ9によって検出されて高周波電源10へフィードバックされると共に、高周波電源10により温度センサ9の測温結果に応じた供給量で高周波電力が供給されることによって、高周波誘電加熱およびジュール熱による加温温度がコントロールされる。 【0051】 加えて、コイル電極5はバルーン2の後端部が取り付けられている外筒シャフト3に固定されていると共に、温度センサ9がコイル電極5に固定されている。その結果、バルーン2の内でのコイル電極5と温度センサ9の設置位置が安定する。なお、温度センサ9としては、熱電対が例示されるが、熱電対に限られるものではなく、例えば半導体タイプの測温素子なども使用可能である。 【0052】 また、図4にも示すように、温度センサ9から測温信号を取り出すセンサ用リード線11と高周波通電用コイル電極に高周波電力を送給する電力送給用リード線12は共に電気絶縁性保護被覆13,14付きでカテーテル1の外筒シャフト3と内筒シャフト4の間のクリアランスに引き通されている。つまり、外筒シャフト3と内筒シャフト4の間のクリアランスをセンサ用リード線11や電力送給用リード線12の配管として利用されているのである。それにセンサ用リード線11と電力送給用リード線12は共に電気絶縁性保護被覆13,14付きであるので、リード線同士のショート(短絡)が起こる心配がなくなると同時に、高周波電力の漏れ・侵入が抑えられ、高周波電力の漏れ・侵入による外筒シャフト3や内筒シャフト4の発熱が抑えられる結果、実施形態のアブレーションカテーテルの場合、カテーテル1の強制冷却機構が省かれている。しかし、必要に応じてカテーテル1の強制冷却機構をカテーテル1に内設してもよい。 【0053】 センサ用リード線11や電力送給用リード線12の材料としては、銅,銀,白金,タングステン,合金などの線材が挙げられる。 【0054】 また、電気絶縁性保護被覆13,14がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなる場合は、電気絶縁性保護被覆13,14の電気絶縁性が向上するので、高周波電力の漏れ・侵入がいっそう抑えられ、高周波電力の漏れ・侵入による外筒シャフト3や内筒シャフト4の発熱がしっかり抑えられる。また、外筒シャフト3や内筒シャフト4がポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料からなることも、高周波電力の漏れ・侵入による外筒シャフト3や内筒シャフト4の発熱を防止する上で有効である。 【0055】 なお、実施形態の場合、電力送給用リード線12もコイル電極5と同一の平電線を用いているが、電力送給用リード線12は丸電線を用いるようにしてもよい。 【0056】 ポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料としては、10MHzの比誘電率が3以下、さらに好ましくは10MHzの比誘電率が1以下のものが挙げられる。この比誘電率εは、以下のようにして測定できる。 【0057】 ε=Cx/Co 但し、Cxはブリッジが平衡になった時の測定用コンデンサCsの容量 但し、Coは主電極の面積及び試験片の厚さから算出したε=1の静電容量で次の式で算出する。 【0058】 Co=r2 /3.6t r:主電極の半径(cm),t:試験片の厚さ(cm) ポリ塩化ビニルより比誘電率の小さい材料の具体的なものには、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)や4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系高分子化合物の他、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリイミド樹脂,ポリアミド樹脂などが挙げられる。なお、比誘電率εの測定に用いられる機器としては、例えばヒューレットパッカード社製のRFインピーダンス/マテリアルアナライザ(HP4291A)が挙げられる。 【0059】 また、外筒シャフト3と内筒シャフト4の先端には、放射線遮蔽性金属パイプ3A,4Aが取り付けられており、バルーン2の先端部と後端部は各金属パイプ3A,4Aにそれぞれ取り付けられて外筒シャフト3と内筒シャフト4に固定されている。放射線遮蔽性金属パイプ3A,4Aを具備することにより、X線透視を行った場合、X線透視画像上に放射線遮蔽性金属パイプ3A,4Aが出現するので、患者体内におけるバルーン2の位置を正確に把握することが可能となる。放射線遮蔽性金属パイプ3A,4Aの材料としては、金,プラチナ,ステンレス等が挙げられる。 【0060】 なお、実施形態のアブレーションカテーテルを用いて肺静脈口の環状周縁部を焼灼する場合は、従来の場合と同様、図5に示すように、先に経皮的に患者体内に導入したガイドワイヤGWに沿って収縮状態のバルーン2をカテーテル1で押し進めながら下大静脈から左心房へ到達せた後、膨張状態のバルーン2を肺静脈口Qaに当てがって密着させておき、コイル電極5と外電極7の間で高周波通電を行わせて肺静脈口Qaの環状周縁部を焼灼する。 【0061】 以上に述べた構成を有する実施形態のアブレーションカテーテルの場合、高周波通電用コイル電極5としてのコイル体はその中心軸5aがカテーテル1の中心軸1aに略沿っている配置でバルーン2の内に設置されており、患者体内の標的病変部位にバルーン2を導入する際、コイル電極5を芯として収縮したバルーン2にコイル電極5が包まれ、バルーン2とコイル電極5がコンパクトに纏まったかたちで導入されるのに加え、さらにコイル電極5としてのコイル体は平電線5Aが平電線5Aの厚み方向をコイル体の径方向とする巻き方で螺旋状に巻き回されて整形されていて、コイル体の外径が厚みの薄い平電線5Aの使用で従来よりも小さくなっており、コイル体の外径の縮小分だけ収縮状態のバルーン2の外径も小さくなるので、患者体内の標的病変部位へバルーン2を従来よりスムーズに導入することができる。 【0062】 なお、収縮したバルーン2の外径はそれほど小さくなるわけではない。しかし、元々、収縮したバルーン2であっても血管内を極めて窮屈な状況で押し進められるので、バルーン2の外径が僅かでも小さくなれば、バルーン2の導入は格段にスムーズになる。すなわち、カテーテルは、その用途によって様々なサイズを有しているが、一般的には、3Fr〜9Frである(3Fr=1mm)。従って、カテーテル分野において、1mmの縮径をすることは非常に困難なことであるとともに、その導入抵抗軽減に対する効果は非常に大きいものとなる。 【0063】 また、実施形態のバルーン付きアブレーションカテーテルの場合、コイル電極5が内筒シャフト4に同心的に外挿されているので、コイル体の中心軸5aがカテーテル1の中心軸1aに自動的に合うことになるのに加え、コイル電極5が実質的に内筒シャフト4に一体化したかたちとなってバルーン2の導入がよりスムーズに行える。 【0064】 続いて、本発明のアブレーションカテーテルの具体的な実施例について説明する。 【0065】 〔実施例〕 先ず、バルーン先端とバルーン後端の長さが30mm、後端側の最大外直径が30mm、膜厚みが160μmの先すぼみの円錐形状を有するバルーン2を次のようにして作成した。即ち、所望のバルーン形状に対応する型面を有するガラス製バルーン成形型を濃度13%のポリウレタン溶液に浸漬し、熱をかけて溶媒を蒸発させて、成形型表面にウレタンポリマー被膜を形成するディッピング法によりバルーン2を作製した。 【0066】 一方、カテーテル1の外筒シャフト3として外径3.8mm、内径2.7mm、全長80cmのポリアミド樹脂製チューブを用い、直径3.1mm、長さ7mmでサンドブラスト仕上げの外表面を有するステンレスパイプを金属パイプ3Aとしてチューブの先端に内挿嵌着した後0.1mmのナイロン製糸で縛り固定すると共に、後端に四方コネクタCNを内挿嵌合した後0.1mmのナイロン製糸で縛り固定した。 【0067】 他方、内筒シャフト4として外径1.5mm、内径1.1mm、全長90cmのポリアミド樹脂製チューブを用い、直径1.2mm、長さ6mmでサンドブラスト仕上げの外表面を有するステンレスパイプを金属パイプ4Aとしてチューブの先端に内挿嵌着後0.1mmのナイロン製糸で縛り固定した。そして、内筒シャフト4を四方コネクタCNを介して挿入してから四方コネクタCNのキャップを締め付けることにより二重筒式のカテーテル1を作製した。 【0068】 また銀メッキを0.1μm施した厚み0.15mm,幅1.3mm,長さ1m電気用軟平銅線(平電線)の先端部分を螺旋状に巻き回して整形した内径1.6mm、長さ10mmのコイル体をコイル電極5とすると共に、コイル電極5の後の部分に4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)を用いて電気絶縁性保護被覆14を施し電力送給用リード線12とした。さらに、温度センサ9として、ポリ4フッ化エチレンを用いて電気絶縁性保護被覆13を施した極細熱電対ダブル(銅−コンスタンタン)線をセンサ用リード線11付きのものとして作製した。 【0069】 温度センサ9をコイル電極5に固定した後、コイル電極5を内筒シャフト4の先端に嵌挿してから、センサ用リード線11と電力送給用リード線12を外筒シャフト3と内筒シャフト4の間のクリアランスを引き通してセンサ用リード線11と電力送給用リード線12の後端を四方コネクタCNより引っ張り出し、さらにセンサ用リード線11と電力送給用リード線12の先端のところをアラミド繊維製の固定具でもって金属パイプ3Aに固定した。最後に、バルーン2の先端部を金属パイプ4Aに0.1mmのナイロン製糸で縛り固定すると共に、バルーン2の後端部を金属パイプ3Aに0.1mmのナイロン製糸で縛り固定して、実施例のアブレーションカテーテルを完成した。 【0070】 〔比較例〕 銀メッキを0.1μm施した直径0.5mmの電気用軟銅線(丸電線)の先端部分を螺旋状に巻き回して整形した内径1.6mm、長さ10mmのコイル体をコイル電極53とした外は、実施例と同様にして比較例のアブレーションカテーテルを完成した。 【0071】 〔外径計測テスト〕 次に作製した実施例と比較例のアブレーションカテーテルの各々について、収縮状態(つまり患者体内への導入時の状態)にして収縮状態のバルーンの外径(直径)をノギスで計測した。計測は5回行って平均値を算出した。 【0072】 そして、両者の差を求出したところ、バルーンの外径は約0.7mmだけ実施例の方が小さいという結果が得られた。 【0073】 〔加温テスト〕 続いて実施例のアブレーションカテーテルについて、それぞれ高周波通電を行うことによって、高周波誘電加熱およびジュール熱による加温テスト試験を実施した。正常に加温が行えるものかどうかチェックしたのである。生理食塩水を十分大きな水槽(図示省略)に入れて攪拌機能付きヒータで37℃の液温にすると共に、外電極を容器の周壁表面にセットした。そして、実施例のアブレーションカテーテルのバルーン2をカテーテル1ごと水槽に入れた。一方、センサ用リード線11を高周波電源10の測温信号入力端子に接続すると共に、コイル電極5の電力送給用リード線12と外電極7の電力送給用リード線15を高周波電源10の高周波電力出力端子にそれぞれ接続した。高周波電源10は、温度センサ9の測温信号の強度に応じて加温温度が70℃となるように高周波電力の供給量を制御するようにセットされている。高周波電力の周波数は、約13.6MHzである。 【0074】 また、液体送給装置6を四方コネクタCNに接続し液体として造影剤をカテーテル1経由でバルーン2に送り込んでバルーン2を膨らませた。そして、ダイヤフラム式攪拌機構8を稼働させながら高周波電源10から高周波電力を供給した。さらに、高周波電力の供給中、温度センサ9の測温信号の強度をレコーダで継続的に記録した。レコーダの記録から、初期の変動期間経過後は、加温温度が70℃を中心とする適当な温度範囲になっていることが確認できた。すなわち、平線にした場合も、コイル表面積がほぼ同じであるので、加温効果は変わらないことが確認できた。 【0075】 したがって、上記の外径計測テストと加温テストにより、実施例のアブレーションカテーテルによれば、平電線5Aを使用したコイル電極5によってバルーン2の外径が小さくなる結果、患者体内の標的病変部位へバルーン2を従来よりスムーズに導入できるようになったことが裏付けられた。 【0076】 この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。 【0077】 (1)実施形態のアブレーションカテーテルは、液体送給装置6や高周波電源10あるいは外電極7も全て備えた構成であったが、液体送給装置6や高周波電源10あるいは外電極7は実際に使用する際に別途調達することが可能であるので、本発明のアブレーションカテーテルは、液体送給装置6や高周波電源10あるいは外電極7は備えていないカテーテルであってもよい。 【図面の簡単な説明】 【0078】 【図1】実施形態のアブレーションカテーテルの全体の構成を示す平面図である。 【図2】実施形態に係るバルーンの内部を示す断面図である。 【図3】実施形態に係るバルーンの膨張時の外形を示す正面図である。 【図4】実施形態に係るカテーテルの横断面図である。 【図5】実施形態のバルーンによる肺静脈口の焼灼状況を示す模式図である。 【図6】実施形態に係る高周波通電用コイル電極の平面図である。 【図7】実施形態に係る高周波通電用コイル電極に用いる平電線の断面図である。 【図8】従来の高周波通電用コイル電極の平面図である。 【図9】従来の高周波通電用コイル電極に用いる丸電線の断面図である。 【図10】バルーン付きアブレーションカテーテルによる肺静脈口の環状周縁部の焼灼状況を示す模式図である。 【符号の説明】 【0079】 1 … カテーテル 1a … カテーテルの中心軸 2 … バルーン 3 … 外筒シャフト 4 … 内筒シャフト 5 … 高周波通電用コイル電極 5A … 平電線 5a …(高周波通電用コイル電極である)コイル体の中心軸 6 … 液体送給装置(液体送給手段) 7 … 高周波通電用外電極 8 … ダイヤフラム式攪拌機構(液体攪拌手段) 9 … 温度センサ 10 … 高周波電源(電力供給手段) 11 … センサ用リード線 12 … 電力送給用リード線 13,14 … 電気絶縁性保護被覆 15 … 電力送給用リード線
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成15年8月13日(2003.8.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093056 【弁理士】 【氏名又は名称】杉谷 勉
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| 【公開番号】 |
特開2005−58503(P2005−58503A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月10日(2005.3.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−293096(P2003−293096) |
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