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【発明の名称】 超音波処置装置
【発明者】 【氏名】山田 典弘
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】上野 晴彦
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】▲高▼橋 裕之
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】岡田 光正
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】鈴木 啓太
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】渡辺 浩良
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】中村 剛明
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【要約】 【課題】内視鏡観察下、低侵襲で各種処置を適切に行うことが可能な超音波処置装置を提供する。

【解決手段】体腔内に挿入される内視鏡4の挿入部6の先端部に処置ユニット保持部14を設け、超音波振動子に処置部を連結させた処置ユニット16を前記処置ユニット保持部14に装着すると共に、前記超音波振動子に電気信号を伝達するケーブル18と前記挿入部6とを結束する少なくとも1つの結束部材20を設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に挿入される内視鏡の挿入部の先端部に処置ユニット保持部を設け、超音波振動子に処置部を連結させた処置ユニットを前記処置ユニット保持部に装着すると共に、前記超音波振動子に電気信号を伝達するケーブルと前記挿入部とを結束する少なくとも1つの結束部材を設けたことを特徴とする超音波処置装置。
【請求項2】
前記超音波振動子は、前記処置ユニット保持部に形成されている振動子孔内に密封されていることを特徴とする請求項1の超音波処置装置。
【請求項3】
前記処置ユニット保持部は、前記処置ユニットの超音波振動の節位置に固定されていることを特徴とする請求項1又は2の超音波処置装置。
【請求項4】
前記処置部の先端部は、前記固定されている節位置から前記処置ユニットの超音波振動の1/2波長の距離に位置していることを特徴とする請求項3の超音波処置装置。
【請求項5】
前記処置ユニット保持部には、前記処置ユニットとは別の第2の処置ユニットが装着されており、前記第2の処置ユニットは、第2の超音波振動子と、この第2の超音波振動子に連結され前記処置部と共同して処置対象を把持する第2の処置部とを有し、前記第2の超音波振動子に電気信号を伝達する第2のケーブル及び前記ケーブルと前記挿入部とを前記結束部材により結束し、前記ケーブルと前記第2のケーブルとは、前記超音波振動子と前記第2の超音波振動子とを互いに逆位相に駆動させる超音波発振装置に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の超音波処置装置。
【請求項6】
前記超音波振動子と前記第2の超音波振動子とは、互いに異なった周波数で駆動されることを特徴とする請求項5の超音波処置装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡観察下、超音波振動を利用して処置対象に処置を行う超音波処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡観察下、超音波振動を利用して処置対象に処置を行う超音波処置具が用いられている。このような超音波処置具の一例として、特許文献1に示された内視鏡用超音波処置具がある。この内視鏡用超音波処置具は、内視鏡のチャンネルに挿通される可撓性ワイヤを有する。この可撓性ワイヤの先端部は、ループ状の処置部であり、手元端部は、操作部に内蔵された超音波振動子に接続されている。処置対象に処置を行う際には、可撓性ワイヤを内視鏡のチャンネルに挿入して処置部を内視鏡先端部から導出し、処置部によって処置対象を保持する。この後、超音波振動子によって発生された超音波振動を可撓性ワイヤを介して処置部に伝達し、伝達された超音波振動を利用して処置部により処置対象に処置を行う。
【0003】
また、特許文献2には、超音波処置装置としての超音波手術装置が開示されている。この超音波手術装置では、トロッカー内に挿入される保持棒の先端部に超音波振動子が装着されている。超音波振動子には、超音波振動を利用して処置を行うブレードが一体的に設けられ処置ユニットを形成している。処置対象に処置を行う際には、保持棒をトロッカーに挿入し、処置ユニットを体腔内に挿入する。この状態で、超音波振動子により発生される超音波振動を利用してブレードにより処置対象に処置を行う。
【特許文献1】米国特許6,231,578号
【特許文献2】特開平11−56867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の内視鏡用超音波処置具では、処置部がループ状であるため適用範囲が極めて限られている。例えば、ループより大きい腫瘍を切除することができず、また、突出していない腫瘍、血管等を切断、止血等することもできない。
【0005】
また、手元側の超音波振動子で発生された振動を長尺の可撓性ワイヤのプローブを介して先端の処置部まで伝達させる構成となっている。このため、可撓性ワイヤのプローブにおいて発熱などで振動エネルギーが損失し、処置部では所望の振動振幅を得られない可能性がある。
【0006】
さらに、この内視鏡用超音波処置具を軟性内視鏡と組み合わせて使用する場合、通常、内視鏡を湾曲させた状態で使用されることが多い。この際、可撓性ワイヤのプローブは、内視鏡を湾曲させた状態で超音波発振を行うため、軟性内視鏡の先端湾曲部に対応した部分以外においても超音波プローブにかかる振動的応力が大きく、耐性面が劣る上に、内視鏡のチャンネルの内周面を傷つける可能性がある。
【0007】
一方、特許文献2の超音波手術装置では、保持棒は可撓性ではないので軟性鏡では使用できない。また、保持棒は処置ユニットの超音波振動の節位置以外の場所で処置ユニットに固定されている。このため、処置ユニットの超音波振動の振動エネルギーが損失して、ブレードで所望の振動振幅が得られない可能性がある。さらに、超音波振動子として使用される圧電素子もしくは磁歪素子が被検体に対して露出している。これは、超音波振動子が患者の体腔内に挿入されることから患者にとって好ましいことではない。一般に、圧電素子又は磁歪素子は人体に有害である場合が多いので被覆される必要がある。
【0008】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、内視鏡観察下、低侵襲で各種処置を適切に行うことが可能な超音波処置装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、体腔内に挿入される内視鏡の挿入部の先端部に処置ユニット保持部を設け、超音波振動子に処置部を連結させた処置ユニットを前記処置ユニット保持部に装着すると共に、前記超音波振動子に電気信号を伝達するケーブルと前記挿入部とを結束する少なくとも1つの結束部材を設けたことを特徴とする超音波処置装置である。
【0010】
そして、本請求項1の発明では、処置ユニット保持部によって内視鏡の挿入部の先端部と処置ユニットとを一体的に保持し、少なくとも1つの結束部材によって挿入部とケーブルとを結束することにより、内視鏡と処置ユニット及びケーブルとを一体化したものである。
【0011】
請求項2の発明は、前記超音波振動子は、前記処置ユニット保持部に形成されている振動子孔内に密封されていることを特徴とする請求項1の超音波処置装置である。
【0012】
そして、本請求項2の発明では、処置ユニット保持部に形成されている振動子孔内に超音波振動子を密封したものである。
【0013】
請求項3の発明は、前記処置ユニット保持部は、前記処置ユニットの超音波振動の節位置に固定されていることを特徴とする請求項1又は2の超音波処置装置である。
【0014】
そして、本請求項3の発明では、処置ユニットの超音波振動の節位置に処置ユニット保持部を固定したものである。
【0015】
請求項4の発明は、前記処置部の先端部は、前記固定されている節位置から前記処置ユニットの超音波振動の1/2波長の距離に位置していることを特徴とする請求項3の超音波処置装置である。
【0016】
そして、本請求項4の発明では、処置部の先端部を、固定されている節位置から、処置ユニットの超音波振動の1/2波長の距離に位置させたものである。
【0017】
請求項5の発明は、前記処置ユニット保持部には、前記処置ユニットとは別の第2の処置ユニットが装着されており、前記第2の処置ユニットは、第2の超音波振動子と、この第2の超音波振動子に連結され前記処置部と共同して処置対象を把持する第2の処置部とを有し、前記第2の超音波振動子に電気信号を伝達する第2のケーブル及び前記ケーブルと前記挿入部とを前記結束部材により結束し、前記ケーブルと前記第2のケーブルとは、前記超音波振動子と前記第2の超音波振動子とを互いに逆位相に駆動させる超音波発振装置に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の超音波処置装置である。
【0018】
そして、本請求項5の発明では、処置ユニット保持部に第2の処置ユニットを装着し、結束部材によって挿入部とケーブル及び第2のケーブルとを結束することにより、内視鏡と処置ユニット、第2の処置ユニット、ケーブル及び第2のケーブルとを一体化すると共に、処置部と第2の処置部とによって処置対象を把持し、超音波振動子と第2の超音波振動子とを互いに逆位相で駆動させて、把持された処置対象に処置部と第2の処置部とによって共同して処置を行わせるようにしたものである。
【0019】
請求項6の発明は、前記超音波振動子と前記第2の超音波振動子とは、互いに異なった周波数で駆動されることを特徴とする請求項5の超音波処置装置である。
【0020】
そして、本請求項6の発明では、超音波振動子と第2の超音波振動子とを互いに異なった周波数で駆動させることにより、把持された処置対象において、超音波振動子と第2の超音波振動子との超音波振動の周波数の差の周波数で振動する超音波振動をうなり現象により発生させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内視鏡観察下、低侵襲で各種処置を適切に行うことが可能となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明の超音波処置装置2の全体の概略構成を示す。この超音波処置装置2は、被険体を観察するための内視鏡4を有する。この内視鏡4は、体腔内に挿入される細長の挿入部6を有する。この挿入部6の基端部には、術者に把持される本体部8が配設されている。この本体部8には、挿入部6の先端部を前後左右に操作するための湾曲操作部10が配設されている。また、本体部8からユニバーサルコード12が延出されており、このユニバーサルコード12には、後述するイメージガイド及びライトガイドが挿通されている。
【0023】
内視鏡4の挿入部6の先端部には、処置ユニット保持部14が配設されている。この処置ユニット保持部14には、超音波振動を利用して処置を行う処置ユニット16が装着されている。
【0024】
図2に示されるように、本実施形態では、処置ユニット保持部14は円柱状である。処置ユニット保持部14は、中心軸方向に延設されている2つの孔(挿入部孔26及び振動子孔28)を有する。挿入部孔26には、内視鏡4の挿入部6が着脱自在に挿入されている。また、振動子孔28には、処置ユニット16が収容されている。
【0025】
内視鏡4の挿入部6の先端部には、被険体を観察するための観察系レンズ30が配設されている。また、挿入部6の先端部には、被険体を照明するための照明系レンズ32が、観察系レンズ30に並設されている。観察系レンズ30には、挿入部6に挿通されているイメージガイドの先端部が、照明系レンズ32には、挿入部6に挿通されているライトガイドの先端部が接続されている。イメージガイド及びライトガイドは、挿入部6、本体部8及びユニバーサルコード12内を挿通され、イメージガイドの手元端部はビデオに接続され、また、ライドガイドの手元端部は光源に接続される。
【0026】
図3に示されるように、処置ユニット16は、超音波振動を発生する超音波振動子34を有する。この超音波振動子34は、互いに並設された先端側の圧電素子35aと後端側の圧電素子35bとを有する。これら圧電素子35a,35bの間には、+電極38が配設されている。また、圧電素子35aの先端部及び圧電素子35bの後端部には、夫々、−電極36a、36bが配設されている。超音波振動子34の後端部には、金属部材である裏打板40が配設されている。
【0027】
超音波振動子34の先端側には、超音波振動を伝達するホーン(処置部)42が連結されている。このホーン42の先端部には、伝達された超音波振動を利用して処置対象に処置を行う先端処置部44が配設されている。ホーン42の基端部には、フランジ部46が配設されている。このフランジ部46は、振動子孔28に設けられた段差部にレーザー溶接によって固定されている。なお、処置ユニット16の振動子孔28への固定方法として、ネジによる螺合等の他の方法を用いてもかまわない。
【0028】
ここで、フランジ部46は、処置ユニット16の超音波振動の節位置に位置している。また、フランジ部46と先端処置部44の先端部との間の距離は、処置ユニット16の超音波振動の1/2波長の長さとなっている。このため、先端処置部44の先端部は処置ユニット16の振動の腹位置となっている。
【0029】
+電極38及び−電極36a,36bには、+導線48及び−導線50が夫々接続されている。これら+導線48及び−導線50は、絶縁被覆された配線ケーブル18中へとまとめられている。この配線ケーブル18は、振動子孔28の後端部に固定されている隔壁52に形成された貫通孔54を通過している。配線ケーブル18と隔壁52との隙間には、シリコーン等が充填されている。このため、処置ユニット16は、ホーン42を除いた全ての構成部品が外部と遮断されている。
【0030】
再び図1を参照すると、配線ケーブル18は、内視鏡4の挿入部6に沿って延設されている。挿入部6と配線ケーブル18とは、複数の結束部材20によって結束されている。結束部材20の数は、内視鏡4の挿入部6の長さに応じて任意に選択される。
【0031】
配線ケーブル18の後端部には、コネクタ22が配設されている。このコネクタ22は、超音波発振装置24に着脱自在に接続される。この超音波発振装置24には、図示しない操作手段、例えばフットスイッチやハンドスイッチが接続されている。
【0032】
図4に示されるように、本実施形態では、結束部材20は円柱形状である。結束部材20は、中心軸方向に延設されている2つの孔(挿入部孔26、配線孔56)を有する。挿入部孔26には、内視鏡4の挿入部6が着脱自在に挿通されている。また、配線孔56には、配線ケーブル18が着脱自在に挿通されている。
【0033】
次に、上記構成の本実施形態の超音波処置装置2の作用について説明する。処置ユニット16及び配線ケーブル18と一体化されている内視鏡4の挿入部6を体腔内に挿入する。そして、照明系レンズ32で被険体を照らしながら、観察系レンズ30を通して被険体をビデオで観察し、患部を確認する。この後、観察を続けながら、湾曲操作部10を操作して挿入部6の先端部を前後左右に操作して、処置ユニット16を患部付近に移動させる。さらに湾曲操作部10を操作して、処置を行おうとする処置対象の適当な場所に先端処置部44を配置する。
【0034】
そして、超音波発振装置24の操作手段を操作し電気信号を発生させる。発生された電気信号は、配線ケーブル18、+導線48、−導線50を介して超音波振動子34に送信される。超音波振動子34は、電気信号を機械的振動に変換して、超音波振動を発生させる。発生された超音波振動は、ホーン42に伝達され、先端処置部44に伝達される。処置ユニット16の超音波振動を利用して、先端処置部44によって処置対象に破砕、乳化、止血等の処置を行う。
【0035】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。即ち、本実施形態では、処置ユニット保持部14が内視鏡4の挿入部6の先端部と処置ユニット16とを一体的に保持し、結束部材20が挿入部6と配線ケーブルとを結束していることにより、内視鏡4、処置ユニット16及び配線ケーブル18が一体化されている。このため、体腔内において、内視鏡4による観察と処置ユニット16による切開、凝固等の各種処置を組み合わせて行うことが可能となっている。さらに、体腔内の治療を低侵襲に行うことが可能となっている。
【0036】
また、処置ユニット16は、ホーン42を除いた全ての構成部品が外部と遮断されている。即ち、体腔内に挿入される処置ユニット16の圧電素子35a,35bは密封された状態にある。これは患者にとって好ましい。
【0037】
そして、処置ユニット16は、超音波振動の節位置に形成されたフランジ部46において処置ユニット保持部14に固定されている。このため、処置ユニット16を超音波振動させて処置部により処置対象に処置を行う際には、処置ユニット16の超音波振動の損失が充分に小さくなる。
【0038】
さらに、処置ユニット保持部14に固定されている処置ユニット16のフランジ部46は、処置ユニット16の超音波振動の節位置であり、処置ユニット16の先端処置部44の先端部は、フランジ部46から処置ユニット16の超音波振動の1/2波長の距離にある。即ち、先端処置部44の位置は、フランジ部46から最も近い超音波振動の腹位置である。このため、処置ユニット16の全長が小さくなっている。
【0039】
図5乃至7は、本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と同様な構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。図5に示されるように、本実施形態の超音波処置装置60のホーン62及び超音波振動子34には、中空の吸引路64が中心軸方向に形成されている。先端処置部44の先端部には、吸引路64の先端部をなす開口66が形成されている。また、裏打板40には、吸引路64の後端部をなす接続部68が突設されている。この接続部68に、可撓性を有する吸引管70が接続されている。この吸引管70は、隔壁52に形成されている第2の貫通孔72に挿通されている。配線ケーブル18と同様に、吸引管70と隔壁52との隙間は密閉されている。
【0040】
図6に示されるように、結束部材74は、挿入部孔26及び配線孔56に沿って中心軸方向に延設されている吸引管孔76を有する。この吸引管孔76には、吸引管70が着脱自在に挿通されている。
【0041】
図7に示されるように、吸引管70の後端部は吸引装置78に接続される。あるいは、薬剤が充填されているシリンダ80に接続される。
【0042】
次に、上記構成の本実施形態の超音波処置装置60の作用について説明する。本実施形態の超音波処置装置60の作用は、第1実施形態の超音波処置装置2の作用と基本的に同じである。先端処置部44により処置対象に破砕、乳化、止血等の処置を行った後には、吸引装置78を作動させることにより、破砕、乳化された不要な組織を先端処置部44の先端部の開口66から吸引回収する。
【0043】
一方、患部に薬剤を注入したい場合には、吸引管70の後端部をシリンダ80に接続する。そして、先端処置部44の先端部の開口66を薬剤を注入したい患部に向ける。処置ユニット16に超音波振動をさせながら、シリンダ80を押し込むことによって、薬剤を吸引管70及び吸引路64を介して開口66から目的とする患部へと噴出させる。
【0044】
そこで、上記構成のものにあっては、第1実施形態の効果に加えて次の効果を奏する。即ち、本実施形態では、先端処置部44の先端部に形成されている開口66が、吸引路64及び吸引管70を介して、吸引装置78あるいはシリンダ80に接続される。このため、超音波振動を利用した先端処置部44による処置により破砕・乳化された不要な組織を吸引回収することが可能となっており、また、患部へ薬剤を散布、注入することが可能となっている。
【0045】
図8(A)乃至(C)は、本発明の第3実施形態を示す。第1実施形態と同様な構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。図8(A)に示されるように、本実施形態の超音波処置装置82は、先端処置部44と共同して生体組織を把持する把持具84を有する。
【0046】
この把持具84の先端部には、L字型の把持部86が配設されている。この把持部86の後端側には、処置ユニット保持部88の中心軸方向に沿って延びている第1の部分が配設されている。この第1の部分は、処置ユニット保持部88の中心軸方向に沿って形成されている把持具孔90内に進退自在に収容されている。
【0047】
把持部86の先端側には、第2の部分が配設されている。この第2の部分は、第1の部分の先端部から処置ユニット保持部88の先端面に沿って処置ユニット16の先端処置部44に向かって延びている。第2の部分の先端部は、先端処置部44の前方にアラインメントされている。第2の部分の先端部は、第1の部分を処置ユニット保持部88に対して把持具孔90に沿って進退させることにより、先端処置部44に接触され得る構成となっている。また、把持部86の後端部には、可撓性シース92が接続されている。
【0048】
図8(B)に示されるように、処置ユニット保持部88において、把持具孔90は、挿入部孔26及び振動子孔28に沿って中心軸方向に延設されている。また、図8(C)を参照すると、各結束部材94は、挿入部孔26及び振動子孔28に沿って結束部材94の軸方向に沿って延設されているシース孔96を有する。このシース孔96には、可撓性シース92が着脱自在に挿通されている。
【0049】
把持具84の手元端部には、操作部98が配設されている。この操作部98によって可撓性シース92を操作して、処置ユニット保持部88に対して把持部86の第1の部分を把持具孔90に沿って進退させる構成となっている。
【0050】
次に、上記構成の本実施形態の超音波処置装置82の作用について説明する。本実施形態の超音波処置装置82の作用は、第1実施形態の超音波処置装置2の作用と基本的に同じである。内視鏡4観察下、湾曲操作部10を操作して、処置を行おうとする患部の適当な場所に先端処置部44及び把持部86を配置する。そして、操作部98を手前に引いて、処置ユニット保持部88に対して把持部86の第1の部分を把持具孔90に沿って手元側へと移動して、先端処置部44と把持部86の第2の部分とによって処置対象を把持する。この後、超音波発振装置24の操作手段を操作して、処置ユニット16を超音波振動させ、この超音波振動を利用して把持された処置対象に先端処置部44によって各種処置を行う。
【0051】
そこで、上記構成のものにあっては、第1実施形態の効果に加えて次の効果を奏する。即ち、本実施形態では、先端処置部44と把持部86とによって処置対象を把持した状態で、超音波振動を利用して先端処置部44によって把持された処置対象に処置を行うことが可能となっている。
【0052】
図9及び図10は、本発明の第4実施形態を示す。第3実施形態と同様な構成には、同一の参照符号を付して説明を省略する。図9(A)に示すように、本実施形態の超音波処置装置100の処置ユニット保持部102には、第3実施形態と同様な構成の処置ユニット16が配設されている。この処置ユニット16を第1の処置ユニット16と称し、また、第1の処置ユニット16に関する第3実施形態と同様な構成を「第1の…」と称する。
【0053】
処置ユニット保持部102は、第1の振動子孔28及び挿入部孔26(図8(B)参照)に沿って中心軸方向に延設されている第2の振動子孔106を有する。この第2の振動子孔106には、第2の処置ユニット104が収容されている。
【0054】
第2の処置ユニット104の先端処置部は、第3実施形態の把持部の先端側と同様な構成の把持部126となっている。また、第2の処置ユニット104のホーン108の基端部には、第2のフランジ部110が配設されている。
【0055】
第2の振動子孔106には、拡径となっている拡径部112が形成されている。この拡径部112内には、移動部材(駆動手段)114が配設されている。この移動部材114に、第2の処置ユニット104の第2のフランジ部110が固定されている。本実施形態では、第2のフランジ部110は、移動部材114にナットによって螺合で締め付けて固定されている。
【0056】
移動部材114は、ほぼ円管状であり、拡径部112とほぼ同軸で、拡径部112の内径とほぼ等しい外径を有する。移動部材114の外周面には、周方向に周溝が延設されており、この周溝にはO−リング116が収納されている。このため、移動部材114の外周面は、拡径部112の内周面に摩擦力が作用する状態でかつ水密の機能を保つ状態で係合している。
【0057】
また、移動部材114の後端部には駆動を伝達するための操作ワイヤ118の先端が固定されている。即ち、操作ワイヤ118の先端部は、二叉に分かれており、各先端は移動部材114の中心軸に対して対向する位置において移動部材114に固定されている。操作ワイヤ118は、第2の処置ユニット104の第2の配線ケーブル120と共に中空の可撓性シース122内に挿通されている。この可撓性シース122は、第2の振動子孔106の後端部に配置されている処置ユニット保持部102の後端壁に形成された貫通孔124を通過している。可撓性シース122は、後端壁に水密的に固定されている。
【0058】
図9(B)に示されるように、可撓性シース122の手元端部には、操作部128が配設されている。この操作部128には、分岐部分130が配設されている。分岐部分130の端部から第2の配線ケーブル120が導出されている。第2の配線ケーブル120は超音波発振装置24に接続される。なお、超音波発振装置24は、第1及び第2の配線ケーブル18,120を介して、第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104とに異なった周波数及び位相の電気信号を伝達することが可能な構成となっている。
【0059】
操作部128の詳細な構成を図10に示す。可撓性シース122は、操作部128の先端側の筒状部分132の先端開口に挿入されている。この筒状部分132の先端部内で、可撓性シース122から第2の配線ケーブル120と操作ワイヤ118とが導出されている。第2の配線ケーブル120は、分岐部分130に挿通され、上述したように分岐部分130の出口開口から導出される。
【0060】
操作ワイヤ118は、筒状部分132の後端開口から導出されている。そして、操作ワイヤ118の手元端部は、操作部128の後端側に配設されているハンドル134に固定されている。このハンドル134は、操作部128に対して操作ワイヤ118の長手方向に摺動自在である。
【0061】
次に、上記構成の本実施形態の超音波処置装置の作用について説明する。本実施形態の超音波処置装置100の作用は、第3実施形態の超音波処置装置82の作用と基本的に同じである。内視鏡4観察下、湾曲操作部10を操作して、処置を行おうとする患部の適当な場所に先端処置部44及び把持部126を配置する。そして、操作部128に対してハンドル134を手前に引いて、操作ワイヤ118を手元側へと牽引し、第2の処置ユニット104を処置ユニット保持部102に対して拡径部112に沿って手元側へと移動して、先端処置部44と把持部126とによって処置対象を把持する。
【0062】
この後、超音波発振装置24の操作手段を操作して、第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104とを超音波振動させる。これら超音波振動を利用して、先端処置部44及び把持部126によって把持された処置対象に各種処置を行う。
【0063】
このとき、超音波発振装置24によって第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104とを逆位相で駆動することが可能である。この場合、先端処置部44と把持部126とは、互いに接近と乖離とを繰り返して、把持された処置対象に処置を行う。
【0064】
さらに、第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104とを異なった周波数で駆動することが可能である。この場合、先端処置部44と把持部126とに把持された処置対象において、第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104との周波数の差の周波数の超音波振動がうなり現象により発生する。このうなり現象により生じた超音波振動によって、把持された処置対象に処置を行う。
【0065】
例えば、第1の処置ユニット16を200kHzで、第2の処置ユニット104を170kHzで駆動させると、先端処置部44と把持部126とに把持された処置対象において、うなり現象により30kHzの超音波振動が発生する。
【0066】
そこで、上記構成のものにあっては、第3実施形態の効果に加えて次の効果を奏する。即ち、本実施形態では、第1の処置ユニット16の先端処置部44と第2の処置ユニット104の把持部126とによって処置対象を把持して、第1の処置ユニット16の超音波振動と第2の処置ユニット104の超音波振動とを利用して、先端処置部44と把持部126とによって処置対象に処置を行う。
【0067】
この際、第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104とを逆位相に駆動させることが可能である。この場合、先端処置部44と把持部126とは互いに接近と乖離を繰り返すため、1つの処置ユニットで処置する場合よりも大きな処置能を得ることが可能であり、処置対象に処置をより素早く行うこと可能である。
【0068】
ところで、第1及び第2の処置ユニット16,104は内視鏡4と共に体腔内で使用されるため充分に小さくなくてはならない。従って、第1及び第2の処置ユニット16,104の全長が制限されるため、第1及び第2の処置ユニット16,104の全長で決定される超音波振動の周波数は100kHz以上の高周波となる。しかしながら、結石等の硬い処置対象を処置する場合には、超音波振動の周波数は50kHz以下が望ましい。
【0069】
本実施形態では、第1の処置ユニット16と第2の処置ユニット104とを異なった周波数で駆動することが可能である。この場合、うなり現象によって、把持された処置対象において各々の周波数の差の周波数の超音波振動が発生する。従って、結石等の硬い処置対象であっても、効率よく破砕等の処置を行うことが可能である。
【0070】
図11(A)及び(B)に、本実施形態の超音波処置装置100の先端処置部44及び把持部126の第1及び第2の変形例を示す。先端処置部44及び把持部126として、これら変形例以外に、処置対象を把持することが可能な任意の形状が使用され得る。
【0071】
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 被検体を観察する撮像系を有する内視鏡と、
超音波振動を発生させ、その超音波振動を先端処置部に伝達させることで被検体の処置をする超音波振動子と、
前記内視鏡を挿入する内視鏡孔と、前記超音波振動子を固定する振動子孔とを有する先端保持部材と、
前記内視鏡を挿入する内視鏡孔と、前記超音波振動子に電気信号を伝達する配線ケーブルを挿入する配線孔とを有する複数の保持部材と、
電気信号を発生して前記超音波振動子を駆動させる電源と、
を備えることを特徴とする超音波処置装置。
【0072】
(付記項2) 付記項1記載の超音波処置装置において、
上記超音波振動子は、先端処置部以外が先端保持部材の振動子孔に覆われていることを特徴とする超音波処置装置。
【0073】
(付記項3) 付記項1記載の超音波処置装置において、
上記先端保持部材は、上記超音波振動子の振動の節位置に固定されたことを特徴とする超音波処置装置。
【0074】
(付記項4) 付記項1記載の超音波処置装置において、
上記超音波振動子の処置部先端は、上記先端保持部材が固定される節位置から、1/2波長の距離にあることを特徴とする超音波処置装置。
【0075】
(付記項5) 被検体を観察する撮像系を有する内視鏡と、
超音波振動を発生させ、その超音波振動を先端処置部に伝達させることで被検体の処置をする2つの超音波振動子と、
前記内視鏡を挿入する内視鏡孔と、前記超音波振動子を固定する2つの振動子孔とを有する先端保持部材と、
前記内視鏡を挿入する内視鏡孔と、前記超音波振動子に電気信号を伝達する配線ケーブルを挿入する配線孔とを有する複数の保持部材と、
電気信号を発生して前記2つの超音波振動子をそれぞれ逆位相に駆動させる電源と、
を備えた上に、
被検体を前記2つの超音波振動子の先端処置部で把持して処置することを特徴とする超音波処置装置。
【0076】
(付記項6) 付記項5記載の超音波処置装置において、
上記2つの超音波振動子はそれぞれ異なる周波数で振動することを特徴とする超音波処置装置。
【産業上の利用可能性】
【0077】
内視鏡観察下、低侵襲で各種処置を適切に行うことが可能な、超音波振動を利用して処置対象に処置を行う超音波処置装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施形態の超音波処置装置の説明図
【図2】本発明の第1実施形態の超音波処置装置の先端部の説明図。
【図3】本発明の第1実施形態の超音波処置装置の先端部の断面図。
【図4】本発明の第1実施形態の超音波処置装置の結束部材の説明図。
【図5】本発明の第2実施形態の超音波処置装置の先端部の断面図。
【図6】本発明の第2実施形態の超音波処置装置の結束部材の説明図。
【図7】本発明の第2実施形態の超音波処置装置の説明図。
【図8】(A)は、本発明の第3実施形態の超音波処置装置の先端部の断面図、(B)は、本発明の第3実施形態の超音波処置装置の先端部の説明図、(C)は、本発明の第3実施形態の超音波処置装置の説明図。
【図9】(A)は、本発明の第4実施形態の超音波処置装置の先端部の断面図、(B)は、本発明の第4実施形態の超音波処置装置の説明図。
【図10】本発明の第4実施形態の超音波処置装置の操作部の説明図。
【図11】(A)は、本発明の第4実施形態の超音波処置装置の先端処置部及び把持部の第1の変形例を示す説明図、(B)は、本発明の第4実施形態の超音波処置装置の先端処置部及び把持部の第2の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0079】
2…超音波処置装置、4…内視鏡、6…挿入部、14…処置ユニット保持部、16…処置ユニット、18…ケーブル、20…結束部材。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【公開番号】 特開2005−46424(P2005−46424A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−282725(P2003−282725)