| 【発明の名称】 |
放射線診断装置用天板 |
| 【発明者】 |
【氏名】黒田 義人 【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
【氏名】中野 亮 【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
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| 【要約】 |
【課題】高強度であって、かつロール上に等分布荷重がかかることのできる放射線診断装置用天板を提供する。
【解決手段】コアの外周がスキンで包囲された放射線診断装置用天板であり、前記スキンは、上面スキンと、二つの側面スキンと、下面スキンとで構成されており、側面スキンの厚みをtS、下面スキンの厚みをtLとするとき、側面スキンの厚みtSは、tS<tLの関係にある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コアの外周がスキンで包囲された放射線診断装置用天板において、前記スキンは、上面スキンと、二つの側面スキンと、下面スキンとで構成されており、側面スキンの厚みをtS、下面スキンの厚みをtLとするとき、側面スキンの厚みtSは、 tS<tL の関係にあることを特徴とする放射線診断装置用天板。 【請求項2】 側面スキンの厚みtSは、 tS<tL/2 の関係にあることを特徴とする、請求項1に記載の放射線診断装置用天板。 【請求項3】 側面スキンの長手方向弾性率をES,0度、長手方向に直交する方向の弾性率をES,90度とするとき、両者の比ES,0度/ES,90度は、 ES,0度/ES,90度≧3 の関係にあることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の放射線診断装置用天板。 【請求項4】 コアの弾性率が、20MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の放射線診断装置用天板。 【請求項5】 コアが、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、アクリルフォーム、ポリメタクリルイミドフォーム、酢酸セルロースフォーム、エポキシフォーム、またはフェノールフォーム等の硬質プラスチックフォームであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の放射線診断装置用天板。 【請求項6】 スキンが、FRPを含んでいることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の放射線診断装置用天板。 【請求項7】 FRPが、CFRPを含んでいることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の放射線診断装置用天板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、例えばX線撮影装置やCTスキャナ等の放射線診断装置に好適な天板に関する。 【0002】 【従来の技術】 近年、X線撮影装置やCTスキャナ等の放射線診断装置の天板は、その上に載置する患者の広い範囲を一度に撮影すべく長尺化と、例えば200kgもの体重の患者を載置して繰り返し使用するような場合でも撮影に支障をきたさないよう耐荷重値アップの要求が強い。 【0003】 一般に天板の通常の使用状態は、一端が放射線診断装置本体または本体に取り付けられた可動部に固定され、他端が自由端の片持ち状態であり、たわみ量の抑制や位置決め、スムーズな搬送等を実現するために、前記固定部と天板他端との間を本体側に取り付けられたロールで支持することが多い。このような天板の多くは、その断面がコアの表面にスキンが位置する、いわゆるサンドイッチ構造として構成されている。 【0004】 従来、図2に示すような断面形状をもつ天板は、その形状から、二つの側面スキン2bと下面スキン2cをひとまとめに見なされ、それぞれのスキンに用いる材料や厚みは、天板が所定の強度や剛性を満足するように同一の構造設計にて設計されてきた。つまり、両側面スキン2bは、下面スキン2cと同一の高い剛性を持つ設計となっていた。 【0005】 その場合のロール4への負荷状態は、図6(A)に示すように、上面に負荷された荷重のほとんどが、低剛性のコア3からではなくて、高剛性の側面スキン2bから下面スキン2cへ伝達するため、均一な力でロール4を押し付けることができず、ロール4の反力は同図(B)に示すように側面スキン2bと下面スキン2cの境界部分で局所的に高くなるため、結果的にこの部分で強く押し付けてしまうことになる。 【0006】 かかる場合、ロール4を押し付ける力は、そのまま天板に対して反力として作用するために、側面スキン2bと下面スキン2cの境界部はロール4から局所的に大きな力を受けることになり、使用中に当該部分が破損しやすいという問題があった。また、ロール4表面の硬度が低い場合には、ロール4側に損傷を与えることもあった。さらなる長尺化や耐荷重値アップの要求によりこのような危険性は増してきている。 【0007】 このような問題を解決せんとして、特許文献1には、側面スキン2bと下面スキン2cを別々の部材で設計して機械的強度を上げてもよい旨の記述があるが、前記特許文献1の目的は、片持ち状態で天板の長手方向に大きな曲げモーメントが作用していても大きなたわみを生じさせないことであり、この目的に則して側面スキン2bを高剛性に設計すると、やはり上記のようなメカニズムにより、天板またはロール4が損傷してしまう可能性が高い。 【0008】 【特許文献1】実開平5−62208号公報(請求項1、第2図) 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、従来の天板の上述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より高強度で、しかもロール上には等分布荷重が作用する放射線診断装置用天板を提供するにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明の放射線診断装置用天板は、コアの外周がスキンで包囲された放射線診断装置用天板において、前記スキンは、上面スキンと、二つの側面スキンと、下面スキンとで構成されており、側面スキンの厚みをtS、下面スキンの厚みをtLとするとき、側面スキンの厚みtSは、 tS<tL の関係にあることを特徴とするものである。 【0011】 かかる構成、すなわち図7(A)に示すように、下面スキンの厚みよりも側面スキンの厚みを小さくすることにより、側面スキンの剛性が下がり、側面スキンから下面スキンへ伝達される荷重が軽減されるために、同図(B)に示すように、側面スキンと下面スキンの境界部でロールを強く押し付ける力、すなわちロールから受ける反力を小さくすることが可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の一実施例の図面を用いて、本発明の内容を説明する。 【0013】 図1は、一部破断部を有する本発明の天板の斜視図、図2〜5は図1の天板の縦断面における各種具体例図である。 【0014】 図1において、天板1は、コア3と、このコア3を包囲するように設けたスキン2とで構成される。また、スキン2は、上面スキン2aと、二つの側面スキン2bと、下面スキン2cとで構成され、それぞれのスキンの厚みは、X線透過性の観点から、1〜8mm程度が好ましい。各スキンの形状は、上面スキン2aは、その上に患者を載置させるために凹形の曲面状、他の3面は平板状となっており、これら3スキンでその断面形状が概ね台形状となっている。 【0015】 本発明の適用により大きな効果を得ることのできる天板の断面形状は、上述した台形や矩形を基本とした形状であり、図2〜5に示す断面形状のものが例示できる。すなわち、図2の天板は上面スキン2aが平板状のもの、図3のものは図1のものに似ているが側面スキンが鈍角をなす二つの平面からなっている。図4のものは側面スキンの一部乃至は全体が凸形の曲面状になっているところ、図5のものは断面が矩形であることころが図1のものに比べて特徴点である。 【0016】 ところで、上述したように側面スキンと下面スキンの境界部の損傷、乃至は前記境界部に相対する位置のロール表面の損傷の問題を改善するためには、通常の使用状態下で、側面スキン2bの剛性を下げ、側面スキン2bから下面スキン2cへ伝達される荷重を軽減し、側面スキン2bと下面スキン2cの境界部でロールを強く押し付ける力、すなわちロールから受ける反力を小さくすることが必要になるが、このためには、側面スキン2bの厚みを下面スキン2cの厚みよりも小さくすることが必要であり、本発明の効果を十分に得るためには下面スキン2cの厚みの2分の1以下であることが好ましい。 【0017】 さらに、側面スキン2bの剛性を下げるために、側面スキン2bの長手方向弾性率をES,0度、長手方向に直交する方向(幅方向)の弾性率をES,90度とするとき、両者の比ES,0度/ES,90度は、 ES,0度/ES,90度≧3 の関係にあることが好ましく、より好ましくはES,0度/ES,90度≧5の関係にあることである。 【0018】 一方、側面スキン2bや下面スキン2cの長手方向弾性率は、片持ち状態の天板の長手方向に曲げモーメントが作用しても自由端のたわみ量が所定の範囲内となるように高剛性に設計するのが好ましい。また、所定のX線透過率が得られる範囲内で、下面スキン2cの厚みを特定して設計するのが好ましい。このように、長手方向と幅方向とを別個に剛性設計できるように、スキン2は、異方性を有するFRP(繊維強化プラスチック)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を含むことが好ましい。 【0019】 上記FRPは、強化繊維とマトリクス樹脂を含んで構成される。 【0020】 強化繊維としては、炭素繊維(黒鉛繊維を含む)、アラミド繊維、高強度ポリエチレン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の少なくとも1種を用いることができるが、X線透過性に優れている炭素繊維であるのが最も好ましい。これらの強化繊維は、ストランドや、平織、朱子織、綾織等の織物の形態で用いられる。 【0021】 マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これらのなかでも、炭素繊維と、それとの接着性に優れるエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂との組み合わせが好ましい。 【0022】 FRPの厚みや弾性率は、強化繊維の種類、特性、形態や、マトリクス樹脂の種類や、強化繊維とマトリクス樹脂の割合等によって変更することができる。 【0023】 コアは、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、アクリルフォーム、ポリメタクリルイミドフォーム、酢酸セルロースフォーム、エポキシフォーム、フェノールフォーム等の硬質プラスチックフォームのようなものである。 【0024】 硬質プラスチックフォームは、20MPa以上の高い弾性率を有することが好ましい。これにより、上面スキンに負荷された荷重が、側面スキンだけでなくコアからも下面スキンへ伝達するため、側面スキンと下面スキンの境界部で生じる局所的に大きな反力が軽減される。 【0025】 天板1の大きさは、用途等にもよるが、厚み30〜70mm程度、幅200〜500mm程度であり、また、長さは2,000mmを超えるものもある。 【0026】 このような天板は、たとえば、コアに強化繊維のプリプレグを巻き付け、加熱、加圧してコアとスキンとを一体成形したり、コアの表面に強化繊維のプリプレグを配し、同様に一体成形することによって製造することができる。別途成形したスキンとコアとを貼り合わせることによってもよい。 【0027】 【実施例および比較例】 (実施例) 図1に示したような、スキン2とコア3とで構成される天板1を製作した。 【0028】 天板1の外形寸法は、上面スキン幅420mm、下面スキン幅180mmのものであり、上面は半径500mmの曲面を有しており、長手方向の天板長は2300mm、最大厚みは42mmとした。 【0029】 スキン2は、複数のCFRP層で構成し、強化繊維として炭素繊維の朱子織物と平織物を用い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。ただし、上面スキン2a、下面スキン2c、側面スキン2bの長手方向弾性率、幅方向弾性率、厚みが以下のようになるよう、炭素繊維の種類や織密度、マトリクス樹脂の種類を選定した。 【0030】 上面スキン: 長手方向弾性率80GPa、幅方向弾性率40GPa、厚み1.3mm 下面スキン: 長手方向弾性率80GPa、幅方向弾性率40GPa、厚み3.6mm 側面スキン: 長手方向弾性率120GPa、幅方向弾性率20GPa、厚み1.5mm また、コア3には、厚み50mm、幅500mm、長さ2,000mmの硬質アクリルフォーム(弾性率:70MPa)を用いた。前記硬質アクリルフォームをNC加工により所定の形状に削り出し、放射線診断装置本体との固定部に相当する部分には、アルミニウム合金製のブロックを挿入できるように加工した。 【0031】 天板1は、コア3に炭素繊維の織物を巻き付け、マトリクス樹脂を含浸させたものを真空バッグ後、加熱、加圧することにより成形した。 【0032】 この天板を、図8に示すように、直径65mm、長さ250mmのステンレス製で表面が高硬度ゴムで覆われたロール4を具備する放射線診断装置本体6に取り付け、上面スキン2aに鋼製の重りをその長手方向に均一に置くことで180kgを等分布加重させ、前後(図面の左右方向)に繰り返し往復移動させた。 【0033】 その結果、側面スキン2bと下面スキン2cの境界部に大きな損傷なく、11万回往復させることができた。 【0034】 (比較例1) 実施例において、下面スキンと側面スキンをまとめて一体にした下面スキンと見なし、それぞれのスキンに用いる材料や厚みは同一の設計を行うというこれまでの設計方法にしたがい、長手方向弾性率、幅方向弾性率、厚みを以下のとおりとした。 【0035】 上面スキン: 長手方向弾性率80MPa、幅方向弾性率40MPa、厚み1.3mm 下面スキン: 長手方向弾性率80MPa、幅方向弾性率40MPa、厚み3.6mm 側面スキン: 長手方向弾性率80MPa、幅方向弾性率40MPa、厚み3.6mm この天板に対して、実施例と同様の試験を行ったところ、2万回往復で側面スキンと下面スキンの境界部に亀裂が入り、試験続行が不能となった。 【0036】 (比較例2) 実施例において、コアに低密度ポリウレタンフォーム(弾性率8MPa)を用いて実施例と同様の試験を行ったところ、6万回往復で異音が発生するとともに、側面スキンと下面スキンの境界部に亀裂が入り、試験続行が不能となった。 【0037】 【発明の効果】 本発明は、側面スキンと下面スキンを別個に設計し、側面スキンの厚みを下面スキンより小さくしたり、幅方向の弾性率を小さくすることにより、側面スキンの剛性が下がり、側面スキンから下面スキンへ伝達される荷重が軽減されるために、側面スキンと下面スキンの境界部でロールを強く押し付ける力、すなわちロールから受ける反力を小さくすることが可能となる。その結果、天板下面の幅方向にはロールから均一な反力が作用することになり、天板の長尺化や耐荷重値アップの要求に対しても、使用中に損傷を受けることのない高強度な天板を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態に係る天板の一部破断部を有する概略斜視図である。 【図2】本発明に係る天板の断面形状の他の例である。 【図3】本発明に係る天板の断面形状の他の例である。 【図4】本発明に係る天板の断面形状の他の例である。 【図5】本発明に係る天板の断面形状の他の例である。 【図6】従来設計による天板に荷重が負荷されたときのロールへの荷重の伝達状況を示したモデル図である。 【図7】本発明に係る天板に荷重が負荷されたときのロールへの荷重の伝達状況を示したモデル図である。 【図8】天板を放射線診断装置に取り付けたモデル図である。 【符号の説明】 1:天板 2:スキン 2a:上側スキン 2b:側面スキン 2c:下面スキン 3:コア 4:ロール 5:可動部 6:放射線診断装置本体
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成15年7月29日(2003.7.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−46182(P2005−46182A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月24日(2005.2.24) |
| 【出願番号】 |
特願2003−202940(P2003−202940) |
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