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【発明の名称】 トモシンセシス用途における対象物を走査するためのシステム及び方法
【発明者】 【氏名】ジェフリー・エーベルハルト

【氏名】アブドゥルラーマン・アル−カリディ

【要約】 【課題】X線源の新しい走査軌道及び検出器の画像収集ポイントを用いて改良された対象物の画像をもたらす。

【解決手段】対象物(18)の領域(54)を走査するトモシンセシス・システム(50)は、複数の位置(70)を横断して複数の走査方向(72)をもたらすように構成された放射線源(12)を備える。複数の位置の各々は、それぞれの走査方向に対応する。更に、複数の走査方向は、第1の軸(60)に沿った走査方向と第1の軸を横断する第2の軸(62)に沿った方向とを少なくとも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(18)内の領域(54)を走査するトモシンセシス・システム(50)であって、
複数の位置(70)を横断して複数の走査方向(72)をもたらすように構成された放射線源(12)を備え、
前記複数の位置の各々がそれぞれの走査方向に対応し、前記複数の走査方向が、第1の軸(60)に沿った走査方向と該第1の軸を横断する第2の軸(62)に沿った走査方向とを少なくとも含むシステム。
【請求項2】
前記対象物により減弱された放射線ビーム(20)から前記対象物(18)内の領域(54)の複数の投影画像を収集するように構成された検出器(22)を更に備え、前記検出器が前記線源(12)に対して離間した関係で且つ前記対象物から所定距離の位置に配置されている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の位置(70)のうちの少なくとも1つは、前記第1の軸(60)に沿った方向の前記検出器(22)の縁部(64)により定められる請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の位置(70)のうちの少なくとも2つは、前記検出器(22)の2つの縁部(64)により定められる請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記対象物(18)内の前記領域(54)が、前記検出器(22)を越えて延びている請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の走査方向(72)は、それぞれ前記検出器(22)の複数の所定の寸法により定められる複数の領域を包含する方向を含み、前記複数の所定の寸法は、前記検出器の高さ(68)及び幅(66)を少なくとも含む請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記検出器(22)は、該検出器の複数の所定の収集ポイント(78)において前記複数の投影画像を収集するように構成されている請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の所定の収集ポイント(78)は、前記検出器の中心(82)と前記検出器の縁部(64)とにより定められる異なる距離におけるポイントを少なくとも含む請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の所定の収集ポイント(78)は、前記検出器(22)の外側の複数のポイントを少なくとも含み、前記検出器(22)の外側の複数のポイントが、前記第2の軸(62)に沿った走査方向の間前記放射線源の位置(70)に対応する請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出器(22)は、複数の方向を横断するように構成されており、該複数の方向の各々は、前記放射線源(12)の複数の位置(70)の各々にそれぞれ対応する請求項2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にイメージング分野に関し、より具体的には、トモシンセシスの分野に関する。詳細には、本発明は、X線源の新しい走査軌道及び検出器の画像収集ポイントを用いて改良された対象物の画像をもたらすトモシンセシス・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
断層撮影は、工業用途及び医療用途の双方において公知である。従来の断層撮影は、X線源、検出器、及び対象物の相対運動に基づいている。典型的には、X線源及び検出器は、円上を同期して移動するか、或いは単純に反対の方向に並進移動する。この相関運動により、対象物内の各ポイントの投影画像の位置も移動する。一般に焦点スライスと呼ばれる特定のスライスからのポイントのみが、常に検出器上の同じ位置に投影されることになり、従って、鮮鋭に撮像されることになる。焦点スライスの上方及び下方の対象物構造は、異なる位置に常に投影されることになる。そのため、これらは鮮鋭に撮像されず、焦点スライスに対する背景強度として重畳されることになる。個別の数の投射を用いて焦点(焦点スライス)内の1つのスライスを用いて3D画像を生成するこの原理は、トモシンセシスと呼ばれる。
【0003】
医用トモシンセシス・システムは、一般に、X線源を用いて扇状又は円錐状のX線のビームを生成し、該ビームがコリメートされて患者を透過し、次いで検出器素子のセットにより検出される。検出器素子は、X線ビームの減弱に基づいて信号を生成する。該信号を処理して放射線投影を生成することができる。次いで、線源、患者、又は検出器は、通常はX線源を移動させることにより互いに対して相対的に移動して次の照射が行われ、これにより各投影が異なる角度で収集される。
【0004】
次いで、フィルタ補正逆投影法のような再構成技術を用いることにより、収集された投影のセットを再構成して、診断上有用な三次元画像を生成することができる。三次元情報はトモシンセシス中にデジタル方式で取得されるため、画像は、オペレータが選択するどのような観察平面においても再構成することができる。典型的には、被撮像対象物の幾らかの関心ボリュームを表す一組のスライスが再構成され、各スライスは、検出器の平面に対して平行な平面内の構造を表す再構成画像であり、各スライスは、検出器の平面からの異なる距離の平面に相当する。
【0005】
更に、トモシンセシスは、各投影から三次元データを再構成することから、重畳している解剖学的構造を除去し、及び焦点平面内のコントラストを強調することにおいて、1回のX線放射線写真を用いる場合と比較して迅速でコスト効果の高い技法を提供する。更に、トモシンセシス・データは、多くの場合、患者に対してX線源の単一の掃引で迅速に収集される比較的少ない投射放射線写真から構成されることから、患者が受け取るX線の総量は、従来の1回のX線照射線量に相当し、通常は、コンピュータ断層撮影(CT)検査から受ける線量よりも有意に少ない。更に、トモシンセシスに用いられる検出器の分解能は、CT検査に用いられる検出器の分解能よりも一般に高い。これらの品質により、肺の結節又は撮像困難な病理を検出するような放射線作業においてトモシンセシスは有益なものとなる。
【0006】
トモシンセシスはこれらの重要な利点を提供するが、トモシンセシスに関連する技法は欠点もある。
【0007】
トモシンセシスにおいて再構成されたデータセットは、トモシンセシス・データを収集するために用いられた投射の方向における構造のボケを示すことが多い。これは、3D再構成の深さ分解能不足又は深さのボケと表現される。被撮像構造に関連するこれらのアーチファクトは、収集ジオメトリに対する構造の向きに応じて変化することになる。例えば、線形X線トモシンセシス・システムの線形運動と整合する線形構造は、関心ボリュームの深さ全体にわたってボケて見えることになり、このような構造は、円形X線トモシンセシス・システムの円形運動によりボケがかなり低減されるようになる。構造のボケは、好ましくない画像アーチファクトを生成し、被撮像ボリュームの再構成の際に異なる高さに位置する構造の分離を妨げる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、被撮像対象物の深さ方向のボケに対処するために、新しい走査軌道及び画像収集ポイントを与えるように現在のトモシンセシス・システムを適合させる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
対象物内の領域を走査するトモシンセシス・システムは、複数の位置を横断して複数の走査方向が得られるように構成された放射線源を備える。複数の位置の各々が、それぞれの走査方向に対応する。更に、複数の走査方向は、少なくとも第1の軸に沿った走査方向と、第1の軸を横断する第2の軸に沿った走査方向とを含む。
【0010】
トモシンセシス・システムを用いて対象物内の領域を走査する方法は、第1の軸に沿い、及び第1の軸を横断する第2の軸に沿って対象物内の領域を走査する段階を含む。更に、走査する段階は、各々がそれぞれの走査方向に対応する複数の位置を放射線源に横断させる段階を含む。本方法は、対象物から所定の距離を置いた位置に配置された検出器を用いて対象物内の領域の複数の投影画像を収集する段階をも含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の上述及び他の利点並びに特徴は、図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【0012】
図1は、画像データを収集して処理するのに用いることができるイメージング・システム10の概要図である。図示の実施形態において、システム10は、本発明の方法によって原画像データを収集し、該画像データを処理して表示及び分析するように設計されたトモシンセシス・システムである。図1に示す実施形態において、イメージング・システム10は、トモシンセシスにおいては通常X線の放射線である放射線源12を含み、線源12は、ほぼ平面内を自由に移動することができる。この例示的な実施形態において、X線の放射線源12は通常、X線管と、関連する支持体及びフィルタ処理要素とを含む。
【0013】
放射線16の流れが線源12により照射され、例えば医療用途においては患者である対象物18に入射する。放射線の一部20が対象物又はその周りを透過し、全体が参照番号22で示す検出器アレイに衝突する。アレイの検出器素子は、入射X線ビームの強度を表す電気信号を生成する。これらの信号が収集及び処理されて、対象物内の特徴画像が再構成される。コリメータ14は、X線源12から発生するX線ビーム16の大きさ及び形状を画定することができる。
【0014】
線源12は、対象物18及び検出器22に対する線源12の位置決めを含むトモシンセシス検査シーケンスのための電力及び制御信号の両方を供給するシステム制御装置24により制御される。更に、検出器22は、システム制御装置24に接続されており、システム制御装置24が、検出器22内で生成される信号の収集を指令する。システム制御装置24はまた、ダイナミック・レンジの初期調整、デジタル画像データのインターリーブなどに対するような種々の信号処理機能及びフィルタ処理機能を実行することができる。一般に、システム制御装置24は、イメージング・システムの操作が検査プロトコルを実行して収集したデータを処理するよう指令する。本発明の関連において、システム制御装置24はまた、通常は汎用デジタル・コンピュータ又は特定用途向けデジタル・コンピュータをベースとする信号処理回路構成、コンピュータにより実行されるプログラム及びルーチンを格納するための関連するメモリ回路、並びにコンフィギュレーション・パラメータ及び画像データ、インターフェース回路、などを含む。
【0015】
図1に示す実施形態において、システム制御装置24は、対象物18及び検出器22に対してX線源12を位置決めする位置決めサブシステム26に接続されている。別の実施形態において、位置決めサブシステム26は、線源12の代わりに又は線源12と共に、検出器22或いは対象物18でさえも移動させることができる。更に別の実施形態において、位置決めサブシステム26により制御される1つより多い構成要素を移動可能とすることができる。従って、以下に詳細に説明する種々の実施形態による位置決めサブシステム26を介して、線源12、対象物18、及び検出器22の相対位置を変えることにより、対象物18を通る放射線投影を種々の角度で取得することができる。
【0016】
更に、当業者には理解されるように、放射線の線源は、システム制御装置24内に配置されたX線制御装置30により制御することができる。詳細には、X線制御装置30は、X線源12に電力及びタイミング信号を供給するように構成されている。位置決めサブシステム26の移動は、モータ制御装置32を利用して制御することができる。
【0017】
更に、システム制御装置24はまた、データ収集システム34を備えて示されている。検出器22は通常、システム制御装置24、より詳細にはデータ収集システム34に接続されている。データ収集システム34は、検出器22の読み出し電子回路により収集されたデータを受信する。データ収集システム34は通常、サンプリングされたアナログ信号を検出器22から受信し、コンピュータ36による後続の処理のために、データをデジタル信号に変換する。
【0018】
コンピュータ36は通常、システム制御装置24に接続されている。データ収集システム34により収集されたデータは、コンピュータ36に転送され、更にはメモリ38に転送することができる。大量のデータを格納するように適合されたどのような種類のメモリも、このような例示的なシステム10で利用することができる点を理解すべきである。また、コンピュータ36は、通常、キーボード及び他の入力デバイスを備えたオペレータ・ワークステーション40を介してオペレータから指令及び走査パラメータを受信するように構成されている。オペレータは、入力デバイスを介してシステム10を制御することができる。従って、オペレータは、コンピュータ36からの再構成された画像及びシステムに関連する他のデータを観察し、イメージングを開始することなどを行うことができる。
【0019】
オペレータ・ワークステーション40に接続されたディスプレイ42を利用して再構成された画像を観察し、イメージングを制御することができる。更に、画像はまた、コンピュータ36及びオペレータ・ワークステーション40に接続することができるプリンタ44上で印刷することができる。更に、オペレータ・ワークステーション40はまた、医用画像保管管理システム(PACS)46に接続することもできる。PACS46を遠隔システム48、放射線部門情報システム(RIS)、病院情報システム(HIS)、又は内部ネットワーク若しくは外部ネットワークに接続し、これにより別の場所にいる他者が画像及び画像データにアクセスできることに留意されたい。
【0020】
更に、コンピュータ36及びオペレータ・ワークステーション46は、汎用又は特定用途のコンピュータ・モニタ並びに関連する処理回路を含むことができる他の出力デバイスに接続することができる点に留意されたい。1つ又はそれ以上のオペレータ・ワークステーション40を更にシステム内でリンクさせることができ、システム・パラメータの出力、検査の要求、画像の観察などを行うことができる。一般に、システム内に提供されるディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、及び同様のデバイスは、データ収集構成要素に対してローカルであってもよく、或いは、インターネット、仮想専用ネットワークなどのような1つ又はそれ以上の構成可能なネットワークを介して画像収集システムにリンクされた研究機関又は病院内の他の場所、或いは全く別の場所のように、この構成要素から遠隔の位置にあってもよい。
【0021】
図2を全体的に参照すると、本発明の実施形態に利用される例示的なイメージング・システムは、トモシンセシス・イメージング・システム50とすることができる。上述と同様の構成において、患者18として示される対象物を間に配置することができる線源12及び検出器22と共に、トモシンセシス・イメージング・システム50が示されている。放射線源12は通常、焦点52からX線の放射線を照射するX線管を含む。放射線流は、患者18の特定領域54に向けられる。患者18の特定領域54は通常、オペレータにより最も有益な領域走査を行うことができるように選択されることに注目すべきである。
【0022】
一般的な操作においては、X線源12は、患者18の上方の所定距離で位置付けられ、焦点52から検出器アレイ22に向けてX線ビームを投射する。検出器22は、線源12に対して離間した関係で、且つ患者18から所定距離の位置に配置される。検出器22は一般に、特定の身体部分、例えば、胸部、肺などのような関心のある対象物54又はその周りを透過するX線を検出する、画素にほぼ対応する複数の検出器素子によって形成されている。一実施形態において、検出器22は、200μm×200μmの画素サイズに相当する2,048×2,048の素子の矩形アレイから構成されているが、検出器22と画素の両方を、他の構成及びサイズとすることは勿論可能である。各検出器素子が、ビームが検出器に衝突する時点での素子の位置におけるX線ビームの強度を表す電気信号を生成する。更に、線源12は、検出器22の平面である第2の平面58に対してほぼ平行な第1の平面56内で全体的に移動することができ、これにより異なるビュー角度からの複数の放射線ビューをコンピュータ36により収集することができる。図4の議論を参照して、X線源の移動を以下に詳細に説明する。一実施形態において、線源12と検出器22との間の距離は約180cmであり、線源12の合計移動範囲は、31.5cmと131cmの間であり、これは、0°を中心位置とした場合の±5°から±20°まで並進する。この実施形態においては、通常、全角度範囲を包含する少なくとも11の投影が収集される。
【0023】
コンピュータ36は、通常、トモシンセシス・システム50全体を制御するように用いられる。システムの動作を制御するメインコンピュータは、システム制御装置24により可能となった特徴を制御するように適合させることができる。更に、オペレータ・ワークステーション40は、コンピュータ36並びにディスプレイに接続されており、これにより再構成された画像を観察することができる。
【0024】
X線源12がほぼ平面56内で移動すると、検出器22は、減弱されたX線ビームのデータを収集する。検出器22から収集されたデータは、次いで、通常は、前処理及び較正されて、走査された対象物の減弱係数の線形積分を表すようにデータを調整する。次に、一般に投影と呼ばれる処理されたデータは通常、逆投影されて、走査された領域の画像を形成する。トモシンセシスにおいては、各々が対象物及び検出器に対して異なる角度にある、典型的には30以下の限定された数の投影が収集される。通常は、このデータに再構成アルゴリズムを用いて再構成が行われ、初期画像が再生される。
【0025】
再構成されると、図1及び図2のシステムにより生成された画像により、患者18の内部特徴の三次元関係が明らかになる。画像を表示し、これらの特徴及びこの三次元関係を示すことができる。再構成された画像は、被撮像ボリューム内の対応する位置の構造を表す単一の再構成スライスを含むことができるが、1つより多いスライスが一般的である。
【0026】
次に、図3を参照すると、典型的な線形トモシンセシス・システム及びこれに関連する問題の上面図が示される。通常、線源12は、患者18上方の平面内を線形的に移動して領域54を撮像し、投影画像は、固定検出器22により取り込まれる。線源12は、患者18の長体軸である第1の軸60に沿って移動し、この運動の間に、線源12は、全体を参照番号74で示す無関係領域を撮像し、全体が参照番号76で示される領域54の一部を除外する。従って、この従来のシステムにおいては、領域54の外部(上方及び下方)からのデータが投影に含まれることになり、そのため、再構成の際に、再構成問題に不整合性が取り込まれて画質を低下させる。
【0027】
図4及び図5には、図3に示す問題に対処するための別の実施形態が示される。図4を参照すると、患者18内の領域54を走査するためのトモシンセシス・システム50の上面図が示されている。システム50は、複数の位置70を横断して複数の走査方向を与えるように構成された放射線源12を含む。この構成において、複数の位置の各々は、それぞれの走査方向に対応する。例示的な実施形態において、複数の位置70のうちの少なくとも1つは、第1の軸60、すなわち長体軸に沿った方向の検出器22の縁部64により定められる。この構成においては、X線源12が検出器22の縁部64まで移動するため、このことは、走査プロセスの間に無関係領域、すなわち領域54の重なり組織を含むという、図3に示す問題を克服する。別の例示的な実施形態において、複数の位置70のうちの少なくとも2つが検出器22の2つの縁部64により定められる。
【0028】
更に、図5に示す別の例示的な実施形態において、複数の走査方向は、少なくとも第1の軸60、すなわち長体軸に沿った走査方向と、第1の軸を横断する第2の軸62、すなわち短体軸に沿った走査方向とを含む。この場合、走査方向に検出器の域を越える体組織がないために、関心領域の外部から生じる組織の問題は完全に排除される。従って、参照番号60で示す長体軸方向の検出器の縁部まで、及び参照番号62で示す垂直方向の長い走査経路全体にわたって走査する二次元走査構成により、z方向の分解能が鮮鋭となること、及び関心領域以外から生じる重なり組織を排除できることの両方の利点が達成される。本実施形態が有用となる1つの実施例には、限定ではないが、患者18内の関心領域54が1つの方向に(例えば、軸60に沿って)検出器22を越えて延びる場合が含まれる。
【0029】
180cmの線源対検出器距離を有するトモシンセシス・システムにおいては、アクティブな検出器表面の前方7cmの位置に配置された、厚さが25cmで、検出器と同一の側方寸法(41cm×41cm)の対象物を走査すると、対象物が検出器と同じ幅を有し、且つX線ビームが焦点から広がる円錐状ビームであることから、従来のトモシンセシス・システムにおける長体軸(軸60)にぴったりと沿った走査に対して、対象物の両側の領域の約11%がいずれのX線投射にも包含されない。上述の実施形態を用いれば、検出器の縁部にある横方向のポイントを含む走査により、再構成における全ての被撮像要素が少なくとも1回のX線測定からの情報を確実に含むことになり、これにより、より良好な品質の画像が得られる。
【0030】
当業者には理解されるように、上述の実施形態は、幾つかの有用な走査構成並びに検出器22による関連する収集をもたらす。本明細書において図示した非限定的なこれらの実施例を図6及び図7を参照して以下に論じるが、他の幾つかの構成が可能である。
【0031】
図6には、上述の種々の実施形態に対する、全体が参照番号86、88、90、92、94、及び96で示される例示的な走査構成のセットを示す。一実施例において、複数の走査方向72は、検出器22の複数の所定の寸法によりそれぞれ定められる複数の領域を含む。例示的な実施形態において、複数の所定の寸法は、少なくとも検出器22の幅66と高さ68とを含む。別の実施例において、複数の領域は、少なくとも検出器22の幅66と高さ68とによって定められる領域を含む。更に別の実施例において、複数の領域は、少なくとも検出器の幅と検出器の高さの一部分とにより定められる領域を含む。別の実施例は、少なくとも検出器の高さと検出器の幅の一部分とにより定められる領域を含む。更に別の実施例は、少なくとも検出器の幅と検出器の複数の高さとにより定められる領域を含む。別の実施例は、少なくとも検出器の高さと検出器の複数の幅とにより定められる領域を含む。更に別の実施例は、少なくとも検出器の幅の一部と高さの一部とにより定められる領域を含む。
【0032】
図7には、全体が参照番号98、100、102、104、106、及び108で示される複数の投影画像を収集するための検出器22の例示的な複数の収集ポイント78のセットを示す。一実施例において、複数の所定の収集ポイントは、少なくとも検出器22の2つの対向する角80における2つのポイント78を含む。別の実施例において、複数の所定の収集ポイント78は、少なくとも検出器の2つの対向する角80における2つのポイント78と、検出器22の中心点82とを含む。更に別の実施例において、複数の所定の収集ポイントは、少なくとも検出器22の4つの角80における4つのポイント78を含む。別の実施例は、少なくとも検出器の4つの角80における4つのポイント78と、検出器22の中心点82とを含む。別の実施例は、少なくとも検出器の各縁部の中心点84と、検出器22の中心点82とを含む。更に別の実施例は、少なくとも検出器22の各縁部の中心点84を含む。別の実施例は、検出器の境界線に沿って、少なくとも4つより多いポイントを含む。更に別の実施例は、少なくとも検出器の中心82と検出器の縁部とにより定められる異なる距離におけるポイントを含む。別の実施例において、複数の所定の収集ポイント78は、検出器22の外側の複数のポイントを少なくとも含み、該検出器の外側の複数のポイントは、患者18の第1の軸60を横断する方向の第2の軸62に沿った走査方向の間の放射線源の位置70に対応する。
【0033】
別の例示的な実施形態(図示せず)は、平面58内で複数の方向を横断するように構成された検出器22を備え、複数の方向の各々が、それぞれ放射線源12の複数の位置70の各々に対応する。当業者には理解されるように、上述の走査構成及び収集は、検出器が移動するように構成されたこの実施形態にも同等に適用することができる。
【0034】
本技法の別の態様は、トモシンセシス・システム50を用いて対象物18内の領域54を走査する方法である。該方法は、対象物18内の領域54を第1の軸60に沿って且つ第1の軸を横断する第2の軸62に沿って走査する段階を含む。この走査する段階は更に、各々が走査方向72のそれぞれに対応する複数の位置70で放射線源12を横断させる段階と、対象物から所定の距離を置いて配置された検出器22を用いて対象物内の領域の複数の投影画像を収集する段階とを含む。
【0035】
上述の方法の別の態様は、対象物から所定の距離を置いて配置された検出器22を用いて、対象物18内の領域54の複数の投影画像を収集する段階を含む。この態様において、複数の位置のうちの少なくとも1つは、第1の軸60に沿った方向にある検出器の縁部により定められる。
【0036】
当業者には理解されるように、本技法はまた、上述の本発明の種々の実施形態を用いて走査及び画像を収集する方法を含む。
【0037】
上述の実施形態はまた、これらの非限定的な実施例が、例えばマンモグラフィ・イメージング・システムにおけるステレオタクシ、立体イメージングを含む他のイメージング診断装置にも同様に有用であることが当業者には理解されるであろう。更に、医用イメージングにおいて有用であることに加え、上述の実施形態は、工業用イメージング、例えば、多層プリント回路基板のような平坦な部品又は大きな部品の溶接継ぎ目の試験においても同様に有用である。
【0038】
本発明には、種々の修正及び代替的形態が可能であるが、特定の実施形態を例証として図示し、且つ本明細書において詳細に説明してきた。しかしながら、本発明は開示した特定の形態に限定されることを意図されていないことを理解すべきである。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲により特定される本発明の精神及び範囲に含まれる全ての修正、等価物、及び代替物を包含すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本技法の態様による対象物を走査するトモシンセシス・システムの形態の例示的なイメージング・システムの概略図。
【図2】図1のトモシンセシス・システムの物理的実施形態の概略図。
【図3】従来のトモシンセシス・システム及び該システムの関連する問題の上面図。
【図4】図3に示す問題を解決するための本技法の一実施形態の上面図。
【図5】患者の長手方向軸に沿った、また該長軸を横断するX線源の移動を示す本技法の別の実施形態の上面図。
【図6】本技法の態様によるX線源の複数の走査方向の上面図の集合。
【図7】本技法の態様による検出器による収集ポイントの上面図の集合。
【符号の説明】
【0040】
12 放射線源
16 放射線
18 対象物
20 放射線の一部
22 検出器
24 システム制御装置
36 コンピュータ
40 オペレータ・ワークステーション
42 ディスプレイ
50 トモシンセシス・システム
52 焦点
54 対象物内の領域
56 第1の平面
58 第2の平面
60 第1の軸
62 第2の軸
64 検出器の縁部
66 検出器の幅
68 検出器の高さ
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成16年6月25日(2004.6.25)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一

【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博

【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和

【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久

【公開番号】 特開2005−13738(P2005−13738A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2004−187274(P2004−187274)