| 【発明の名称】 |
放射線画像撮影方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】荘司 たか志 【住所又は居所】神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】放射線固体検出器を使用して被写体の放射線画像を得る放射線画像撮影方法および装置において、暗電流の蓄積に起因するS/Nの劣化を抑制する。
【解決手段】放射線固体検出器10と、記録モード時に使用する記録電圧印加用電源56aおよび待機モード時に使用する待機電圧印加用電源56b等からなる電流検出回路50と、電流検出回路50と接続された制御手段70等とを備えた放射線画像撮影読取装置1において、待機電圧印加用電源56bの電圧を、記録電圧印加用電源56aの電圧よりも低くして、待機モード中に蓄積される暗電流の量を少なくする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録電圧を印加した状態で、画像情報を担持する放射線の照射を受けて前記画像情報を記録し、記録した前記画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器を用いて前記画像情報を得る放射線画像撮影方法において、 前記記録電圧よりも低い待機電圧を前記固体検出器に印加し、 前記待機電圧が印加された状態で前記固体検出器に前記放射線を入射させ、 該放射線の入射により前記固体検出器に流れる明電流を検出し、 該明電流を検出した際に、前記固体検出器に前記記録電圧を印加して前記画像情報の記録を行うことを特徴とする放射線画像撮影方法。 【請求項2】 記録電圧を印加した状態で、画像情報を担持する放射線の照射を受けて前記画像情報を記録し、記録した前記画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器と、該固体検出器に電圧を印加する電圧印加手段と、前記固体検出器から出力された前記画像信号を読み取る読取手段とを備えてなる放射線画像撮影装置において、 前記電圧印加手段により前記固体検出器に前記記録電圧より低い待機電圧が印加された状態で前記放射線が前記固体検出器に入射された際に該固体検出器に流れる明電流を検出する明電流検出手段と、 前記固体検出器に前記待機電圧を印加し、該待機電圧印加状態において前記明電流検出手段により前記明電流が検出された際に、前記固体検出器に前記記録電圧を印加して前記画像情報を記録させるように、前記電圧印加手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする放射線画像撮影装置。 【請求項3】 前記待機電圧が、前記記録電圧の10%〜50%の電圧であることを特徴とする請求項2記載の放射線画像撮影装置。 【請求項4】 前記制御手段が、前記読取手段による前記画像信号の読取終了後、前記電圧印加手段に、前記待機電圧を前記固体検出器に印加させるものであることを特徴とする請求項2または3記載の放射線画像撮影装置。 【請求項5】 前記固体検出器が、第1の導電層、少なくとも1つの光導電層、第2の導電層をこの順に積層してなり、画像情報を担持する放射線が照射されることにより前記画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより前記静電潜像に応じた電流を画像信号として発生するものであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は放射線画像撮影方法および装置に関し、より詳細には被写体を透過した放射線を放射線固体検出器で検出することにより被写体の放射線画像情報を得る放射線画像撮影方法および装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 今日、医療診断等を目的とする放射線撮影において、被写体を透過した放射線を放射線固体検出器(半導体を主要部とするもの;以下単に「固体検出器」ともいう)により検出して被写体に関する放射線画像を表す画像信号を得る放射線画像撮影装置が各種提案、実用化されている。 【0003】 この装置に使用される固体検出器としても、種々の方式が提案されている。例えば、放射線を電荷に変換する電荷生成プロセスの面からは、放射線が照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を固体検出素子としての光電変換素子で検出して得た信号電荷を光電変換素子の蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を画像信号(電気信号)に変換して出力する光変換方式の放射線固体検出器(例えば特許文献1等)、或いは、放射線が照射されることにより放射線導電体内で発生した信号電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を電気信号に変換して出力する直接変換方式の放射線固体検出器(例えば特許文献2等)等がある。この方式における固体検出素子は、放射線導電体と電荷収集電極を主要部とするものである。 【0004】 また、蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面からは、該蓄電部と接続されたTFT(薄膜トランジスタ)を走査駆動して読み出すTFT読出方式のものや、読取光(読取用の電磁波)を検出器に照射して読み出す光読出方式のもの等がある。 【0005】 また本願出願人は、特許文献3や特許文献4において改良型直接変換方式の放射線固体検出器を提案している。改良型直接変換方式の放射線固体検出器とは、直接変換方式、且つ光読出方式のものであり、記録用の放射線の照射を直接または間接的に受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層、潜像電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取用の電磁波の照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電層、をこの順に積層して成るものであり、記録用光導電層と電荷輸送層との界面(蓄電部)に、画像情報を担持する信号電荷(潜像電荷)を蓄積するものである。これら3層の両側には電極(第1の導電体層および第2の導電体層)が積層される。また、この方式における固体検出素子は、記録用光導電層、電荷輸送層および読取用光導電層を主要部とするものである。 【0006】 ところで、上記のような固体検出器を用いた放射線画像撮影装置においては、放射線源からの放射線の照射と固体検出器による放射線の検出のタイミングを同期させる必要がある。そのため、一般的な装置においては、放射線源に設けられた2段式の曝射スイッチと連動するように構成されており、具体的には、1段目が押下された時点で固体検出器をリセットして画像信号の蓄積動作を開始し、曝射スイッチの2段目が押下されて放射線源から照射された放射線を検出した後、蓄積動作を停止するようになっている。 【0007】 また、撮影装置(固体検出器)と放射線源とが独立したものもあり、そのような撮影装置において、固体検出器に適正なタイミングで検出を行わせるものとしては、例えば特許文献5において、撮影者の指示に基づいて固体検出器に予め所定の電圧を印加して画像信号の蓄積動作を開始しておき、その際に固体検出器内に流れる電流をモニタし、放射線源から照射された放射線を受けて固体検出器内に流れる明電流を検出したときに、照射開始と判断して放射線の検出を開始する装置および方法が開示されている。 【0008】 【特許文献1】 特開平2−164067号公報 【0009】 【特許文献2】 特開平1−216290号公報 【0010】 【特許文献3】 特開2000−105297号公報 【0011】 【特許文献4】 特開2000−162726号公報 【0012】 【特許文献5】 特開平11−155847号公報 【0013】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、放射線源に設けられた2段式の曝射スイッチと連動するように構成されたものや、上記特許文献5に記載されているような、予め蓄積動作を開始して暗電流をモニタするようなものの場合、蓄積動作を行っている間は暗電流が蓄積され続けるため、待機時間が長引くと、暗電流の蓄積が多くなり、画像信号のS/Nが低下するという問題がある。 【0014】 本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、暗電流の蓄積に起因するS/Nの劣化を抑制した放射線画像撮影方法および装置を提供することを目的とするものである。 【0015】 【課題を解決するための手段】 固体検出器内に蓄積される暗電流の量は、固体検出器に電圧を印加している時間、および印加する電圧の高さに応じて多くなる。特に電圧については、図5のグラフに示すように、印加する電圧を高くする程、蓄積される暗電流は指数的に増加する。しかしながら、潜像を良好な感度で記録するためにはある程度の電圧が必要であり、潜像の記録の際には動作に必要な電圧を印加する必要があるが、それ以外の時に固体検出器に高い電圧を印加しておくのは、暗電流の蓄積の面から好ましくない。 【0016】 本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、本発明による放射線画像撮影方法は、記録電圧を印加した状態で、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器を用いて画像情報を得る放射線画像撮影方法において、記録電圧よりも低い待機電圧を固体検出器に印加し、待機電圧が印加された状態で固体検出器に放射線を入射させ、放射線の入射により固体検出器に流れる明電流を検出し、明電流を検出した際に、固体検出器に記録電圧を印加して画像情報の記録を行うことを特徴とするものである。 【0017】 また、本発明による放射線画像撮影装置は、記録電圧を印加した状態で、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力する固体検出器と、固体検出器に電圧を印加する電圧印加手段と、固体検出器から出力された画像信号を読み取る読取手段とを備えてなる放射線画像撮影装置において、電圧印加手段により固体検出器に記録電圧より低い待機電圧が印加された状態で放射線が固体検出器に入射された際に固体検出器に流れる明電流を検出する明電流検出手段と、固体検出器に待機電圧を印加し、待機電圧印加状態において明電流検出手段により明電流が検出された際に、固体検出器に記録電圧を印加して画像情報を記録させるように、電圧印加手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0018】 上記の放射線画像撮影方法および装置において「固体検出器」とは、被写体の画像情報を担持する放射線を検出して被写体に関する放射線画像を表す画像信号を出力する検出器であって、入射した放射線を直接または一旦光に変換した後に電荷に変換し、この電荷を一旦蓄電部に蓄積し、その後、この電荷を外部に出力させることにより、被写体に関する放射線画像を表す画像信号を得ることができるものである。 【0019】 この固体検出器には種々の方式のものがあり、例えば、放射線を電荷に変換する電荷生成プロセスの面からは、放射線が照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を光電変換素子で検出して得た信号電荷を光電変換素子の蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を画像信号(電気信号)に変換して出力する光変換方式の放射線固体検出器、あるいは、放射線が照射されることにより放射線導電体内で発生した信号電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を電気信号に変換して出力する直接変換方式の固体検出器等、あるいは、蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面からは、蓄電部と接続されたTFT(薄膜トランジスタ)を走査駆動して読み出すTFT読出方式のものや、読取光(読取用の電磁波)を検出器に照射して読み出す光読出方式のもの等、さらには、前記直接変換方式と光読出方式を組み合わせた本願出願人による上記特許文献3や上記特許文献4において提案している改良型直接変換方式のもの等がある。 【0020】 固体検出器内に蓄積される暗電流の量は、印加する電圧を低くする程指数的に減少するため、固体検出器に印加する電圧を通常の50%程度にするだけでも、暗電流の蓄積を相当減少させることができる。一方、放射線が固体検出器に入射された際に固体検出器に流れる明電流を確実に検出するためには、固体検出器に記録時に印加する電圧の10%程度は印加しておく必要がある。そのため、本発明による放射線画像撮影装置において、待機電圧は、記録電圧の10%〜50%の電圧とすることが好ましい。 【0021】 また、制御手段は、読取手段による画像信号の読取終了後、電圧印加手段に、待機電圧を固体検出器に印加させるものとしてもよい。 【0022】 また、固体検出器は、第1の導電層、少なくとも1つの光導電層、第2の導電層をこの順に積層してなり、画像情報を担持する放射線が照射されることにより画像情報を静電潜像として記録し、読取光で走査されることにより静電潜像に応じた電流を画像信号として発生するものとしてもよい。 【0023】 【発明の効果】 本発明による放射線画像撮影方法および装置によれば、記録電圧よりも低い待機電圧を固体検出器に印加し、待機電圧が印加された状態で固体検出器に放射線を入射させ、放射線の入射により固体検出器に流れる明電流を検出し、明電流を検出した際に、固体検出器に記録電圧を印加して画像情報の記録を行うようにして、撮影が終了するまでの間に蓄積される暗電流の量を少なくしたことにより、暗電流の蓄積に起因するS/Nの劣化を抑制することができる。 【0024】 【発明の実施の形態】 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明による放射線画像撮影方法および装置を適用した放射線画像撮影読取装置の概略図であり、図2は上記放射線画像撮影読取装置の主要な要素のブロック図である。 【0025】 図1に示すように、この放射線画像撮影読取装置1は、放射線固体検出器10と、検出器10に積層された面状光源30、面状光源30を制御する光源制御手段40および検出器10の電荷を読み取る電流検出回路50からなる読取部20と、電流検出回路50と接続された制御手段70を有している。 【0026】 制御手段70は、放射線画像撮影読取装置1の動作モードを、初期モード、放射線源61から放射線が照射されるまでの間待機する待機モード、検出器10に潜像電荷の記録を行う記録モード、検出器10から潜像電荷の読取りを行う読取モードの4つのモードに切り換えるべく、電流検出アンプ51に向けて制御信号C1を、スイッチ55に向けて制御信号C2を、フレームメモリ54に向けて制御信号C3を、光源制御手段40に向けて制御信号C4を夫々出力する。 【0027】 検出器10は、特許文献3に記載された改良型直接変換方式(直接変換且つ光読出方式)の静電記録体であって、被写体を透過した記録用の放射線(例えば、X線等;以下記録光という)が第1の導電体層11に照射されることにより記録用光導電層12内に電荷が発生し、この発生した電荷を記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部16に潜像電荷として蓄積し、読取用の電磁波(以下読取光と称す)で第2の導電体層15が走査されることにより読取用光導電層14内に電荷が発生し前記潜像電荷と電荷再結合して潜像電荷の量に応じた電流を発生するものである。読取用電極としての導電体層15は、多数の線状電極(図中の斜線部)がストライプ状に配列されて成るものである。以下導電体層15の電極をストライプ電極15といい、各線状電極をエレメント15aという。 【0028】 面状光源30は、導電層31,EL層32,導電層33から成るEL発光体であり、上述のように検出器10に積層されている。検出器10のストライプ電極15と導電層31との間には絶縁層34が設けられる。導電層31は、多数のエレメント(図中の斜線部)31aがストライプ状に配列されて成るものであり、各エレメント31aは、検出器10のストライプ電極15の各エレメント15aと交差(本例では略直交)するように配列されており、これにより、エレメント31aによるライン状の光源が面状に多数配列するように構成される。各エレメント31aは光源制御手段40に接続されている。 【0029】 光源制御手段40は、エレメント31aとそれに対向する導電層33との間に、エレメント31a個別に、或いは複数または全てのエレメント31aを同時に、所定の電圧を印加するものであり、エレメント31aを順次切り替えながら夫々のエレメント31aと導電層33との間に所定の直流電圧を印加するものである。 【0030】 例えば、エレメント31aを順次切り替えながら、夫々のエレメント31aと導電層33との間に所定の直流電圧を印加すると、エレメント31aと導電層33とに挟まれたEL層32からEL光が発せられ、エレメント31aを透過したEL光はライン状の読取光(以下ライン光という)として利用される。すなわち、面状光源30としては、ライン状の微小光源を面状に多数配列したものと等価となり、ストライプ電極15の長手方向の一方の端から他方の端までの全部についてエレメント31aを順次切り替えてEL発光させることにより、ライン光でストライプ電極15の全面を電気的に走査することになる。なお、エレメント15aの長手方向が副走査方向に対応し、ライン光の延びる方向が主走査方向に対応する。 【0031】 一方、複数または全てのエレメント31aに同時に電圧を印加すると、この電圧の印加によりEL層32からストライプ電極15の全面に亘って略一様にEL光が発せられ、このEL光が前露光用の電磁波(以下前露光光という)として利用される。つまり、面状光源30は読取光源としてだけでなく、前露光用の光源としても機能するように構成されている。 【0032】 光源制御手段40には、制御手段70から制御信号C4が入力されるようになっており、制御信号C4がLのときには前露光モード、Hのときには記録光モードとなるように構成されている。制御信号C4がハイインピーダンス状態のときには面状光源30からはEL光が発せられない。 【0033】 電流検出回路50は、ストライプ電極15の各エレメント15a毎に、反転入力端子に接続された電流検出アンプ51を多数有している。検出器10の導電体層11は記録電圧印加用電源(電圧印加手段)56aの負極、待機電圧印加用電源(電圧印加手段)56bの負極、およびスイッチ55の第3の入力に接続されており、記録電圧印加用電源56aの正極はスイッチ55の第1の入力に接続されており、待機電圧印加用電源56bの正極はスイッチ55の第2の入力に接続されている。図示していないが、スイッチ55の出力は各電流検出アンプ51の非反転入力端子に共通に接続されている。面状光源30から読取光としてのライン光がストライプ電極15側に露光されることにより、各電流検出アンプ51は、各エレメント15aに流れる電流を、接続された各エレメント15aについて同時(並列的)に検出する。 【0034】 検出器10内に蓄積される暗電流の量は、検出器10に電圧を印加している時間、および印加する電圧の高さに応じて多くなる。特に電圧については、図5のグラフに示すように、印加する電圧を高くする程、蓄積される暗電流は指数的に増加する。しかしながら、潜像を良好な感度で記録するためにはある程度の電圧が必要であり、潜像の記録の際には動作に必要な電圧を印加する必要があるが、それ以外の時に検出器10に高い電圧を印加しておくのは、暗電流の蓄積の面から好ましくない。そのため、待機電圧印加用電源56bの電圧は、記録電圧印加用電源56aの電圧の20%の電圧に設定されている。 【0035】 スイッチ55には、制御手段70から制御信号C2が入力されるようになっており、制御信号C2がHのときには記録電圧印加用電源56a側に切り換え、検出器10(詳しくは導電体層11とストライプ電極15との間)に記録電圧印加用電源56aから直流の記録電圧を印加させ、制御信号C2がLのときには待機電圧印加用電源56b側に切り換え、検出器10に待機電圧印加用電源56bから直流の待機電圧を印加させ、制御信号C2がGのときには導電体層11側に切り換えるように構成されている。さらに、制御信号C2がハイインピーダンス状態のときには中点に設定し、電源56の正極をフローティング状態とし、検出器10への電圧印加を行わない。 【0036】 また、電流検出アンプ51は、動作モードに併せて利得を可変できるように構成されているが、この電流検出アンプ51の構成の詳細については、周知の構成を種々適用することが可能であり、例えば、図3(a)に示すように、容量の異なる複数のコンデンサを接続した態様や、図3(b)に示すように、容量の異なる複数の抵抗を接続した態様とすることができる。なお、電流検出アンプ51の構成によっては、スイッチ55および電源56並びに各エレメント15aとの接続態様が上記とは異なるものとなるのは勿論である。 【0037】 待機モード時においては、検出器10に対して記録モードよりも低い電圧を印加し、その状態において検出器10内に流れる微弱な暗電流を検出する必要があるため、電流検出アンプ51の利得を大きくする必要がある。また、記録モード時においては、検出器10に対して高電圧を印加するため、電流検出アンプ51の利得を小さくする必要がある。また、読取モード時においては、検出器10に蓄積された電荷を読み取るのに最適な利得(以後、便宜上中程度の利得)とする必要がある。 【0038】 上記のように利得を変化させるべく、電流検出アンプ51には、制御手段70から制御信号C1が入力されるようになっており、制御信号C1がHのときには電流検出アンプ51の利得が大となり、制御信号C1がLのときには電流検出アンプ51の利得が中となり、制御信号C1がGのときには電流検出アンプ51の利得が小となるように構成されている。 【0039】 電流検出アンプ51の出力は、AD変換器52に接続されており、AD変換器52によりデジタル変換された信号は、曝射判定手段53およびフレームメモリ54に出力される。曝射判定手段53は、入力された信号値が所定の値を超えた際に、その旨を示す信号S1を制御手段70へ出力する。フレームメモリ54には、制御手段70から制御信号C3が入力されるようになっており、制御信号C3がHのときには画像信号の取得を開始し、制御信号C3がLのときには画像信号の取得を停止するように構成されている。 【0040】 また、放射線画像撮影読取装置1に対して放射線を照射する放射線照射部60は、放射線を発する放射線源61、放射線源61を駆動する電力を発生する高電圧発生器62、高電圧発生器62と接続された撮影をコントロールするスイッチ63とからなる。スイッチ63は、スイッチ63a、63bから成る2段スイッチとなっており、スイッチ63aがオンしなければスイッチ63bはオンしないように構成されている。 【0041】 以下、放射線画像撮影読取装置1の動作モードを制御手段70によって制御する方法について詳細に説明する。図4は各動作モードにおける放射線画像撮影読取装置1の主要な要素の動作のタイミングチャートである。 【0042】 放射線画像撮影読取装置1が初期モードにある際に、放射線画像撮影読取装置1に設けられた不図示のボタンが押下されると、制御手段70は、撮影に先立って、光源制御手段40に入力される制御信号C4をL(前露光モード)にして前露光を行い、蓄電部16に蓄積されている不要な電荷を放出させた後、制御信号C4をハイインピーダンス状態としてEL光の発光を停止させる。このとき、スイッチ52はどのような状態にあってもよい。 【0043】 次に、放射線画像撮影読取装置1を待機モードとし、放射線の照射により検出器10内に明電流を発生させるべく、スイッチ55に入力される制御信号C2をLにして、スイッチ55を待機電圧印加用電源56b側に切り換えて導電体層11とストライプ電極15との間に待機電圧印加用電源56bから直流の待機電圧を印加して、両者を帯電させる。併せて、電流検出アンプ51に入力される制御信号C1をHにして、電流検出アンプ51の利得を大にする。検出器10に待機電圧を印加すると検出器10内に暗電流が発生するため、この暗電流を電流検出アンプ51により検出し、AD変換器52によりデジタル変換した信号を、曝射判定手段53およびフレームメモリ54に出力させる。 【0044】 この後、スイッチ63aをオンして高電圧発生器62から高圧HVを発生させ、高電圧発生器62に設けられた不図示のスタンバイランプが点灯し高圧HVが安定した後、スイッチ63bをオンすると高電圧発生器62から高圧HVが放射線源61に供給され、放射線源61から放射線が照射される。 【0045】 待機モード中に検出器10に放射線が照射されると検出器10内に明電流が発生する。明電流の信号値は暗電流の信号値と比較して明らかに大きく、曝射判定手段53は、入力された信号値が所定の値を超えた際に、その旨を示す信号S1を制御手段70へ出力する。 【0046】 制御手段70は、曝射判定手段53から信号S1を受信すると、放射線画像撮影読取装置1を待機モードから記録モードとし、検出器10内の記録用光導電層12で発生した電荷を蓄電部16に蓄積させることができるように、スイッチ55に入力される制御信号C2をHにして、スイッチ55を記録電圧印加用電源56a側に切り換えて導電体層11とストライプ電極15との間に記録電圧印加用電源56aから直流の記録電圧を印加する。併せて、電流検出アンプ51に入力される制御信号C1をGにして、電流検出アンプ51の利得を小にする。 【0047】 すると、検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が所定の電界分布に沿ってストライプ電極15の各エレメント15aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部16に潜像電荷として蓄積される。潜像電荷の量は照射放射線量に略比例するので、この潜像電荷が静電潜像を担持することとなる。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は導電体層11に引き寄せられて、記録電圧印加用電源56aから注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。 【0048】 制御手段70は、曝射判定手段53から信号S1を受信してから所定時間経過すると、放射線画像撮影読取装置1を記録モードから読取モードとし、電流検出アンプ51に入力される制御信号C1をLにして、電流検出アンプ51の利得を中にする。さらに、光源制御手段40に入力される制御信号C4をHにし、スイッチ52を光源制御手段40により、エレメント31aを順次切り替えながら、夫々のエレメント31aと導電層33との間に所定の直流電圧を印加して、EL層32から発せられるライン光で検出器10の全面を電気的に走査する。 【0049】 このライン光による走査により副走査位置に対応するライン光が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部16に蓄積された負電荷(潜像電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部16で潜像電荷と電荷再結合し消滅する。一方、光導電層14に生じた負電荷は電源53から導電体層15に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、検出器10に蓄積されていた負電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が検出器10内に生じる。この電流を各エレメント15a毎に接続された各電流検出アンプ51が同時に検出する。読取りの際に検出器10内を流れる電流は、潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであるから、この電流を検出することにより静電潜像を読み取る、すなわち静電潜像を表す画像信号を取得することができる。 【0050】 上記の読取モードが終了した後、初期モードに移行して処理を終了してもよいし、また、直ちに、即ち読取モード終了と実質的に同時に待機モードに移行させることにより、連続的に自動撮影を行うことが可能となる。 【0051】 上記のように構成された放射線画像撮影読取装置1によれば、待機モード中に印加する電圧を、記録モード時に印加する電圧よりも低くして、撮影が終了するまでの間に検出器10に蓄積される暗電流の量を少なくしたことにより、暗電流の蓄積に起因するS/Nの劣化を抑制することができる。 【0052】 以上、本発明による放射線画像撮影方法および装置の好適な実施の形態について説明したが、上述したタイミングチャートの態様に限らず、発明の要旨を変更しない限りにおいて、使用する検出器に応じて適切なタイミングとなるように種々変更することが可能である。 【0053】 また、固体検出器としては、特許文献3等に記載の光読出方式の静電記録体を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、TFT読出方式の静電記録体であっても同様の効果を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による放射線画像撮影方法および装置を適用した、放射線画像撮影読取装置の概略図 【図2】上記放射線画像撮影読取装置の主要な要素のブロック図 【図3】上記放射線画像撮影読取装置の電流検出アンプの構成図 【図4】上記放射線画像撮影読取装置の各動作モードにおける主要な要素の動作のタイミングチャート 【図5】検出器における印加電圧と暗電流との関係を示すグラフ 【符号の説明】 1 放射線画像撮影読取装置 10 放射線固体検出器 20 読取部 30 面状光源(読取光および前露光光を発する手段として機能する) 40 光源制御手段 50 電流検出回路 56a 記録電圧印加用電源 56b 待機電圧印加用電源 60 放射線照射部 70 制御手段
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成15年6月27日(2003.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468 【弁理士】 【氏名又は名称】佐久間 剛
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| 【公開番号】 |
特開2005−13536(P2005−13536A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月20日(2005.1.20) |
| 【出願番号】 |
特願2003−183812(P2003−183812) |
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