| 【発明の名称】 |
真空掃除機 |
| 【発明者】 |
【氏名】橋本 恒彦 【住所又は居所】東京都北区岸町1丁目6番19号 三立機器株式会社内
【氏名】吉田 勇 【住所又は居所】東京都北区岸町1丁目6番19号 三立機器株式会社内
【氏名】草間 明彦 【住所又は居所】東京都北区岸町1丁目6番19号 三立機器株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】粉塵ならびに液滴その他の目的物の集塵効率を高め、小型化を実現し、またリカバリーフィルターを必要としないサイクロン式の真空掃除機を提供する。
【解決手段】真空吸引された気流を器内に設けたサイクロンにより過流とし、気流中に含まれている異物に対して遠心分離作用を行う真空掃除機について、器内に気流を導入する流入口18を過流に沿うように設け、流入口18から流入した気流が外周面に沿って流れる位置に、上部より下部に向かって先細となるサイクロン21と、その内側に位置する任意数個のサイクロン22、23から成る多重サイクロン部12を設置し、多重サイクロン部12の下流の流路に過流方向に流出口34を設け、流出口34を真空吸引部13に管路36によって接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空吸引された気流を器内に設けたサイクロンにより渦流とし、気流中に含まれている異物に対して遠心分離作用を行う真空掃除機であって、器内に気流を導入する流入口を渦流に沿うように設け、流入口から流入した気流が外周面に沿って流れる位置に、上部より下部に向かって先細となったサイクロンと、その内側に位置する任意数個のサイクロンから成る多重サイクロン部を設置し、多重サイクロン部の下流の流路に渦流方向に流出口を設け、流出口を真空吸引部に管路によって接続した構成を有している真空掃除機。 【請求項2】 多重サイクロン部は、流入口から流入した気流が旋回する位置に設けた第1のサイクロンと、第1のサイクロンの内側かつ下流側に重ねるように設けられたほぼ相似形の任意数個のサイクロンから成る請求項1記載の真空掃除機。 【請求項3】 流出口と真空吸引部とを管路によって連絡し、その管路に、多重サイクロン部のサイクロンよりも小型のサイクロンを設けた構成を有する請求項1記載の真空掃除機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、真空吸引された気流を器内に設けたサイクロンにより渦流とし、気流中に含まれている異物に対して遠心分離作用を行う真空掃除機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来の除塵方法には、フィルターを用いる濾過式(フィルター式)、水膜通過、飛沫内通過、湿式ロールフィルター通過等からなる湿式、静電気による電極板吸着方式である吸着式(静電式)、及び旋回流による遠心式(サイクロン式)などがあり、工場プラントのような大規模設備では幾つかの方式を組み合わせることによって欠点を補い、非常に効果的な除塵も可能である。一方真空掃除機という大きさの限られたものにおいては、高い収塵効率を望むことが困難である。しかしながら、前記の除塵方法の中でも遠心式は、可動部がないためメインテナンスを必要とせず、乾湿共使用可能であり、粉塵捕集量も多く取れるという特徴があり、真空掃除機にも適用されている。 【0003】 一般にサイクロンにおける捕集率は小型になるほど優秀となり、図6に示すように、サイクロンcを、3連式若しくはそれ以上の多連式とすることによっても効率の上昇を期待することができるものとなる。しかしながら、粉塵濃度が非常に高い場合であるとか、或いは吸引対象物の大きさが著しく変化する可能性があるというような場合には、図7に示すように多段式かつ多連式の構成を援用しなければならなくなる。しかもこの場合には、捕集効率と圧力損失が比例する関係にあるために、圧力損失の著しい上昇を覚悟しなければならない。これだけではなく、図7に示すように多種のサイズにわたる多くのサイクロンc1、c2、c3を使用して、真空掃除機を構成することの困難性は指摘するまでもなく明らかなことであろう。 【0004】 一方サイクロンを使用する真空掃除機の発明に関すると考えて良いものに特表2003−524522号があり、同号の明細書、従来の技術の欄には、1次サイクロン集塵部の内側に配置した2次サイクロン集塵部を有する多重サイクロン集塵装置に関する記載があり、1次サイクロン集塵部の内側に2次サイクロン集塵部を配置したので、1次サイクロン集塵部の許容集塵量が少なくならざるを得なかったこと、2次サイクロン集塵部の許容集塵容量を超えた超過分の微塵は、2次サイクロン集塵部を通過してファンモーターへ流入することなどの問題点が記載されている。これらの問題点を解決し、1次サイクロン集塵部で最大限多量の異物のみならず微塵までを集塵できるようにして、ファンモーターの損傷を防止することが同号の発明の目的である。しかし同号の発明の場合、わざわざ効率を低下させてファンモーターへの異物の流入を止める発想であり、同号の従来の技術におけるサイクロンには改良の余地がある。 【0005】 【特許文献1】特表2003−524522号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、粉塵並びに液滴その他の目的物の集塵効率を高め、小型化が可能であり、またリカバリーフィルターを必要としないサイクロン式の真空掃除機を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前記の課題を解決するため、本発明は、真空吸引された気流を器内に設けたサイクロンにより渦流とし、気流中に含まれている異物に対して遠心分離作用を行う真空掃除機であって、容器内に気流を導入する流入口を渦流に沿うように設け、流入口から流入した気流が外周面に沿って流れる位置に、上部より下部に向かって先細となったサイクロンと、その内側に位置する任意数個のサイクロンから成る多重サイクロン部を設置し、多重サイクロン部の下流の流路に渦流方向に流出口を設け、流出口を真空吸引部に管路によって接続するという手段を講じたものである。 【0008】 本発明に係る真空掃除機は、前述の分類によればサイクロン式の除塵方法を実施するものであり、気流に含まれている異物を遠心分離作用により除去ないし回収する。このため回収する対象物は固体に限られず、液滴、油滴等の液体も含まれる。サイクロンによって回収した異物を貯溜するための回収容器は、サイクロンを設けるために円筒状部分を有していることが望ましく、真空吸引された気流の流入口、及びサイクロンを経て異物を分離された気流を外部へ排出する流出口は、サイクロンよりも相対的に上部に位置し、分離された回収対象物は回収容器の底に溜められる。 【0009】 本発明におけるサイクロンは、多重サイクロン部として設置される。多重サイクロン部には、上部から下部に向かって先細となった第1のサイクロンがまず必要であり、さらにその内側に重ねるようにして設けられた任意数個少なくとも1個のサイクロンも必要である。これらの2個以上のサイクロンは、円錐面の下端に位置する最小口径の頚部を上下に気流方向にずらせて配置し、より内側の、下流に位置するサイクロンでも十分な捕捉能力を保持し得るようにする。このサイクロンにより過流を形成するために、流入口が過流方向に設けられているものであり、流入口から流入した気流が外周面に沿って流れる位置に最外部のサイクロン、即ち第1サイクロンが配置されるものである。 【0010】 本発明における多重サイクロン部が最小限2個、望ましくは3個、或いはそれ以上の個数のサイクロンによって構成されることは以上説明したとおりであるが、これら複数個のサイクロンは、先細形状という意味で、ほぼ相似形であり、上流よりも下流のものの方が小型になっていることが望ましい。さらに、複数個のサイクロンを構成している円錐面の中心軸からの傾斜角度は、第1のサイクロンのそれが最も急傾斜で、次第に緩傾斜とすることにより好ましい結果を得ている。本発明においてはサイクロンを重ねるように設けることが望ましい、と請求項2に記載されているが、重ねるとは、2個のサイクロンの内、上流側のサイクロンの円錐内に下流側のサイクロンの円錐の頸部が入り込むことと言えるので、重ねるようにとは、重ねるほど近くの意味である。接近し過ぎて重なり過ぎると、サイクロン効果を期待できないまま気流を通過させてしまうことになり、離れ過ぎると、やはりサイクロン効果を期待できず収塵効率が低下することになるので、不即不離の位置関係にあることが必要である。 【0011】 多重サイクロン部における過流の強弱を左右する圧力の損失を補うために、多重サイクロン部の下流の流路に、過流方向に流出口が設けられる。流出口は、真空吸引部に管路によって接続され、流出口に到達した気流を強力な真空吸引エネルギーにより吸引することに大きく影響するものであり、真空吸引部による遠心分離作用を最高度に保持する。流出口が設けられる下流の流路は、回収容器等と同様に円筒形の内周面を有している必要がある。また、本発明に係る真空掃除機の動力源である真空吸引部は、多重サイクロン部と一体に設けても良いし(図1に示す例)、多重サイクロン部とは別に設けても良い(図2に示す例)。 【0012】 本発明に係る真空掃除機は、回収容器に多重サイクロン部を設けたことを特徴とするものであるけれども、多重サイクロン部に加えて、更に別の小型のサイクロンを設けることができる。この小型サイクロンには、最終段階の遠心分離手段として設けるもので、前記の流出口と真空吸引部とを連絡する管路に設けられる。 【発明の効果】 【0013】 本発明は以上の如く構成され、かつ作用するものであるから、高い収塵効率を小型掃除機において実現することができ、フィルターを必要としないので圧力損失を抑制して、高い吸引性能を保持することが可能となり、捕集物を廃棄するにも回収容器を開ければ良いので非常に容易であり、固体、流体を問わずに確実に捕集することができるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、図示の実施形態により本発明をより詳細に説明する。図1は、一体型真空吸引機10に関するもので、回収容器11と、多重サイクロン部12及び真空吸引部13を積み上げて一体的にした例1を示している。 【0015】 回収容器11は、底14と開口縁15を有する、円筒型の容器であり、開口縁15に載せる真空吸引部13及び多重サイクロン部12を支える構造、強度を有している。多重サイクロン部12は、回収容器11の開口縁15に載るフランジ部16を有する外筒17を有し、外筒17には、内部に形成される渦流に沿うように方向を整えて気流を導入する流入口18が設けられている。流入口18の外側開口は、先端に吸引ノズルなどを有する吸引ホースの基端を接続する接続口19である。 【0016】 多重サイクロン部12は、流入口18から流入した気流が旋回する位置に設けた先細形状を有する第1サイクロン21と、第1サイクロン21の内側かつ下流側(上方)に重ねるように設けた、先細形状を有する第2サイクロン22と、第2サイクロン22の内側かつ下流側(上方)に重ねるように設けた、先細形状を有する第3サイクロン23とから構成されている。第1サイクロン21の最小頸部24は流入口18よりも下位に、第2サイクロン22の最小頸部25は第1サイクロン21の末端26とほぼ同位置に、第3サイクロン23の最小頸部27は第2サイクロン22の末端28とほぼ同じ位置に、夫々重ねるように配置されている。また、第1〜第3サイクロン中、円錐面の中心軸からの傾斜角度は、第1サイクロン21が最も急傾斜で、第2サイクロン22、第3サイクロン23はその順に緩傾斜に設定されている。また各サイクロン21、22、23の最小頸部24、25、26は円錐曲面20に沿うており、次第に絞り込まれるようになっているものとする(図1鎖線)。 【0017】 構造上、3個のサイクロン21、22、23は夫々独立した部材から成り、第1サイクロン21は外周のフランジ29にて外筒17の開口縁30に載り、第2サイクロン22は外周のフランジ31が第1サイクロン21のフランジ29の上に重なって載る。また、第3のサイクロン23は過小径のため外筒17の開口縁30の方向へ延長したフランジ32を有するカバー部33に取り付けられており、そのフランジ32を第2サイクロン22のフランジ31に重ねて載せる構造を有する。カバー部33は、真空吸引部13の載置台35によって上面を閉塞されているもので、渦流方向の流出口34がカバー部33の内周面に開口している。 【0018】 流出口34と真空吸引部13は管路36によって連絡しており、その管路36には多重サイクロン部12の最小のサイクロン23よりも小型のサイクロン部が設けられている。この小型サイクロン37は単一のサイクロン38を有する構造であり、フィルターと同等以上の微粒子を捕捉する目的で設けたものであるので、本発明のものではフィルターは不必要である。真空吸引部13は遠心ファンの1種であるターボファンからなり、載置台35に取り付けられていて、真空吸引した気流を排出する排気口39を有している。 【0019】 図2は、別体型真空吸引機40に関するもので、回収容器41と多重サイクロン部42は一体的構造となっているが、真空吸引部43は別構造とした例2を示している。別構造である以外の点については例1と例2はほぼ一致した構成を有しており、回収容器41の開口縁45に載るフランジ部46を有する外筒47の内部に渦流方向の流入口48が設けられ、接続口49から導入される気流を、第1サイクロン51、第2サイクロン52、第3サイクロン53から成る多重サイクロン部42によって遠心分離する。第1サイクロン51の最小頸部54、第2サイクロン52の最小頸部55、第3サイクロン53の最小頸部57の間隔、位置等の関係も例1の場合と同様であるが、第1サイクロン51の最小頸部54には絞りが設けてある。第1、第2サイクロン51、52は外周のフランジ59、61にて外筒47の開口縁60に載り、第3サイクロン53を取り付けたカバー部63がフランジ部62にてさらにその上に載る。 【0020】 流出口64は、渦流方向を向いたものである点、例1のものと一致するが、外筒内周面ではなく天面に180度離れて2箇所に設けられている。流出口64、64は、真空吸引部43と管路66によって連絡しており、管路66には小型サイクロン67が設けられている。図1及び図2に示した小型サイクロン37、67は単一のサイクロン68を有しているが、これを複数個のサイクロンによって構成することも勿論可能である。図3はサイクロン71を2個有する小型サイクロン77の例を示しており、気流は上方に突出する入口72より両サイクロン71、71の外周とケース内周との間に導入され、分離物をケース73、73の底74に落としたのち、両サイクロン内流路を経て、下向きの出口75より、管路66に到る。 【0021】 図2の例と同じ構造で示した、図4を参照して、本発明の真空掃除機10の作動について説明すると、接続口49を経て真空吸引された気流は流入口48により旋回速度を与えられ、第1サイクロン51の円錐面に沿って流れる内に運動量を失った異物が円錐面に付着し、或いは第1サイクロン51より落下して回収容器41の底44に溜まる。第1サイクロン51を通過した気流は第2サイクロン52の円錐面に沿う過流となり、運動量を失った異物は第2サイクロン52の円錐面に付着し、或いは第2サイクロン52から落下する。また第3サイクロン53においても同様の遠心分離による分離作用を受け、計3段階の処理を受ける内に、極めて効果的な異物除去作用を受ける。図2、従って図4の例の2個1対の流出口64、64は旋回速度の低下を抑えるとともに高効率の捕集を実現する上で効果的である。 【0022】 実験により、粒径40〜130μmの小麦粉を、本発明の実施例2の吸引掃除機40を用いて吸引したところ99.9%を捕集することができたことを記す。さらに、小型サイクロン67によって残りの0.1%を捕集することができており、上記粒径については100%の捕集率を達成したということができる。但し、粒径40μmに満たない粒子については捕集を免れた分もある。なお、本発明に係る真空吸引機40による作業時の圧力損失の例を図5によって示すと、単一のサイクロンを有する小型サイクロン67の上流における圧力水頭値は250〜260mm(P3)、小型サイクロン67と多重サイクロン部42との間では130〜140mm(P2)、回収容器内の第1サイクロン51付近では50mm(P1)であった。なお、図面中に示しているものではないが、容器とカバー等との合わせ部にはシールリングを設け、気密性を確保する。 【図面の簡単な説明】 【0023】 【図1】本発明に係る真空掃除機の例1を示す縦断面図。 【図2】同じく例2を示す縦断面図。 【図3】Aは小型サイクロンの1例を示す正面図、Bは側面図、Cは下面図。 【図4】例2による本発明の作用説明図。 【図5】本発明に係る真空掃除機の全体図と各部の圧力損失の説明のための流れ図。 【図6】従来の多段サイクロンの例を示した説明図。 【図7】同じく従来の多段サイクロンの他の例を示した説明図。 【符号の説明】 【0024】 10、40 真空掃除機 11、41 回収容器 12、42 多重サイクロン部 13、43 真空吸引部 17、47 外筒 18、48 流入口 21、51 第1サイクロン 22、52 第2サイクロン 23、53 第3サイクロン 24、25、27、54、55、57 最小頸部 33、63 カバー部 34、64 流出口 36、66 管路 37、67、77 小型サイクロン 38、68 サイクロン
|
| 【出願人】 |
【識別番号】397035221 【氏名又は名称】三立機器株式会社 【住所又は居所】東京都北区岸町1丁目6番19号
|
| 【出願日】 |
平成16年6月4日(2004.6.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072039 【弁理士】 【氏名又は名称】井澤 洵
【識別番号】100123722 【弁理士】 【氏名又は名称】井澤 幹
|
| 【公開番号】 |
特開2005−342334(P2005−342334A) |
| 【公開日】 |
平成17年12月15日(2005.12.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−167571(P2004−167571) |
|