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【発明の名称】 取付け用手洗い器
【発明者】 【氏名】上田 和弘
【住所又は居所】滋賀県甲賀郡信楽町大字長野763番地 株式会社三彩内

【氏名】守岡 孝三
【住所又は居所】滋賀県甲賀郡信楽町大字長野763番地 株式会社三彩内

【要約】 【課題】本発明は、オーバーフロー流路を備える取付け用手洗い器であって、特に、轆轤を使用して造形を行った場合であっても、オーバーフロー流路を設けることが可能となる取付け用手洗い器を提供することを目的とする。

【解決手段】一の開口縁10と、一の開口縁10から下方に延びる一の側壁12と、一の側壁12に連接する一の底壁14とを備える小容器4と、一の開口縁10を囲む他の開口縁20と、他の開口縁20から下方に延びる他の側壁22と、他の側壁22に連接する他の底壁24とを備える大容器6とを含んで成り、一の底壁14及び他の底壁24に、それぞれ排水口18、28が形成され、一の側壁12を、他の側壁22が囲むように、小容器4と大容器6とが重ねられ、且つ、一の側壁12と他の側壁22との間に隙間Sが設けられる取付け用手洗い器2である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の開口縁と、該一の開口縁から下方に延びる一の側壁と、該一の側壁に連接する一の底壁とを備える小容器と、
前記一の開口縁を囲む他の開口縁と、該他の開口縁から下方に延びる他の側壁と、該他の側壁に連接する他の底壁とを備える大容器と
を含んで成り、
前記一の底壁及び前記他の底壁に、それぞれ排水口が形成され、
前記一の側壁を、前記他の側壁が囲むように、前記小容器と前記大容器とが重ねられ、且つ、前記小容器と前記大容器との間に隙間が設けられることを特徴とする取付け用手洗い器。
【請求項2】
前記一の底壁の下面に高台を備え、該高台を前記他の底壁の上面に載置することにより、前記小容器と前記大容器との間に隙間が設けられることを特徴とする請求項1に記載の取付け用手洗い器。
【請求項3】
前記高台が環状を成し、且つ、該高台の下縁に少なくとも一の切り欠き部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の取付け用手洗い器。
【請求項4】
前記他の開口縁の外側、又は前記他の側壁の外周面に、鍔部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の取付け用手洗い器。
【請求項5】
前記一の側壁の上端縁の少なくとも一部が、前記隙間を覆うように外側方向に延出されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の取付け用手洗い器。
【請求項6】
前記他の側壁の上端縁の一部が、前記隙間を覆うように内側方向に延出されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の取付け用手洗い器。
【請求項7】
前記一の側壁にオーバーフロー孔が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の取付け用手洗い器。
【請求項8】
前記小容器及び/又は前記大容器が、陶磁器製であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の取付け用手洗い器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、主にカウンターに設けられた開口に、カウンター上面側から挿入して設置される取付け用手洗い器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の取付け用手洗い器、或いは取付け用洗面器としては、図6(a)〜(c)に示すように、碗状の洗面ボウル52と、洗面ボウル52の底部に設けられた排水口54と、洗面ボウル52の内周壁に設けられたオーバーフロー孔56と、排水口54及びオーバーフロー孔56を連通するオーバーフロー流路58とにより構成された取付け用手洗い器50が一般的に使用されている。また、その他の手洗い器、或いは洗面器として、種々の態様のものが多数開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
【0003】
これらの手洗い器及び洗面器は、その殆どが泥漿鋳込み成形によって造形され、得られた成形体は、その後、乾燥、施釉、焼成の各工程を経て製品が完成する。
【0004】
一方、陶磁器製の手洗い器等としては、図7に示すように、円形の手洗い鉢60に排水口62のみを備えたものがある。この手洗い鉢60は、轆轤(ろくろ)を使用して造形されるため、造形が比較的容易であると共に、製品のサイズ変更にも容易に対応できる。更に、陶磁器製の手洗い器等は、手洗い鉢60の質感によって和の雰囲気を強調することができるため、トイレや洗面所といった空間を和風に演出する際には、好適に用いられている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−104179号公報(図1)
【特許文献2】特開平11−21961号公報(図1(b))
【特許文献3】特開平5−285923号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、陶磁器製の手洗い器等は轆轤を使用して造形されるため、手洗い鉢60には、取付け用手洗い器50が備えるオーバーフロー流路58を設けることができず、手洗い鉢60に水を溜める際には、オーバーフローすることがないように注意しなければならない。
【0007】
一方、泥漿鋳込み成形によって造形された手洗い器50は、オーバーフロー流路58が洗面ボウル52と一体に造形されるため、オーバーフロー流路58が密閉された状態となり、オーバーフロー流路58内の清掃は、実質的に不可能な状態である。また、オーバーフロー流路58を一体に造形するためには複雑な形状の鋳込み型の製造が必要となり、製造コストがかかる。
【0008】
更に、泥漿鋳込み成形による造形は、同一形状、同一サイズのものを大量生産する上では好ましいが、形状及びサイズを変更する際には鋳込み型から作り直す必要があり、変更への対応に時間がかかると共に、製造コストもかかる。
【0009】
そこで本発明は、オーバーフロー流路を備える取付け用手洗い器であって、特に、轆轤を使用して造形を行った場合であっても、オーバーフロー流路を設けることが可能となる取付け用手洗い器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明の要旨とするところは、一の開口縁と、該一の開口縁から下方に延びる一の側壁と、該一の側壁に連接する一の底壁とを備える小容器と、
前記一の開口縁を囲む他の開口縁と、該他の開口縁から下方に延びる他の側壁と、該他の側壁に連接する他の底壁とを備える大容器とを含んで成り、
前記一の底壁及び前記他の底壁に、それぞれ排水口が形成され、
前記一の側壁を、前記他の側壁が囲むように、前記小容器と前記大容器とが重ねられ、且つ、前記一の側壁と前記他の側壁との間に隙間が設けられる取付け用手洗い器であることにある。
【0011】
ここで、「取付け用手洗い器」とは、主に、カウンターやキャビネット等の上面に設けられた開口に、カウンター等の上面側から挿入して載置される手洗い器を意味するが、本発明は当該名称の意味する用途に限定されるものではなく、洗面器、洗髪用流し、掃除用流し、流し台用流し等としての使用も可能である。
【0012】
かかる取付け用手洗い器において、前記一の底壁の下面に高台を備え、該高台を前記他の底壁の上面に載置することにより、前記小容器と前記大容器との間に隙間が設けられることにある。
【0013】
かかる取付け用手洗い器において、前記高台が環状を成し、且つ、該高台の下縁に少なくとも一の切り欠き部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の取付け用手洗い器。
【0014】
かかる取付け用手洗い器において、前記他の開口縁の外側、又は前記他の側壁の外周面には、鍔部を備え得る。
【0015】
かかる取付け用手洗い器において、前記一の側壁の上端縁の少なくとも一部が、前記隙間を覆うように外側方向に延出され得る。
【0016】
或いは、かかる取付け用手洗い器において、前記他の側壁の上端縁の一部が、前記隙間を覆うように内側方向に延出され得る。
【0017】
更に、かかる取付け用手洗い器において、前記一の側壁にはオーバーフロー孔が形成され得る。
【0018】
また、かかる取付け用手洗い器において、前記小容器及び/又は前記大容器は陶磁器製であり得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の取付け用手洗い器は、小容器が備える側壁を、大容器が備える側壁が囲むように、小容器と大容器とを重ね、且つ小容器と大容器との間には隙間を設けるように構成することにより、該隙間がオーバーフロー流路として機能するため、小容器内に水を溜めた場合であっても、取付け用手洗い器の外部へ水がオーバーフローすることがない。
【0020】
特に、小容器が備える一の底壁の下面に高台を設けることによって、前記隙間の形成を容易に行うことができ、オーバーフロー流路を容易に形成することができる。
【0021】
また、本発明の取付け用手洗い器に係る大容器と小容器は、着脱自在に重ねられているため、オーバーフロー流路として機能する隙間の清掃を容易に行うことができ、非常に衛生的な取付け用手洗い器を提供することができる。
【0022】
更に、大容器が備える他の開口縁の外側、又は他の側壁の外周面に鍔部を設けることによって、本発明をカウンター等の上面に設けた開口へ挿入して設置する際、開口の周縁部に該鍔部を載置するのみで容易に設置することができる。
【0023】
また更に、一の側壁の上端縁を外側方向に延出させるか、或いは他の側壁の上端縁を内側方向に延出させることによって、前記隙間を上方から覆うことができ、該隙間への物の落下を容易に防止できる。
【0024】
また、一の側壁にオーバーフロー孔を設けることによって、一の開口縁からオーバーフローすることを防止できると共に、小容器内における貯水量を任意に設定することもできる。
【0025】
更に、本発明の取付け用手洗い器に係る小容器及び/又は大容器を陶磁器製とすることにより、陶磁器独特の質感によって和の雰囲気を強調することができ、トイレや洗面所といった空間を和風に演出する際、非常に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の態様を図面に基づいて説明するが、本発明の態様は以下に示したものに限定されない。なお、本明細書において、各図にわたって記される同じ符号は、同一又は同様の部材やものを示す。
【0027】
図1(a)〜図1(e)に、本発明の取付け用手洗い器の一態様を示す。取付け用手洗い器2は、主に小容器4と大容器6とを含んで成る。小容器4は、一の開口縁10と、開口縁10から下方に延びる一の側壁12と、側壁12に連接する一の底壁14とを備える。一方、大容器6は、他の開口縁20と、開口縁20から下方に延びる他の側壁22と、側壁22に連接する他の底壁24とを備える。そして、小容器4は、大容器6の開口縁20の上方から大容器6の内部へと挿入され、側壁22が側壁12を囲むような状態で重ねられる。更にこの時、小容器4と大容器6との間には隙間Sが設けられる。つまり、取付け用手洗い器2は、側壁及び底壁が、隙間Sを備える二重構造となっており、この隙間Sがオーバーフロー流路として機能することとなる。
【0028】
ここで、小容器4と大容器6との間に隙間Sを設ける手段は特に限定されないが、簡単、且つ確実に隙間Sを設ける手段としては、小容器4が備える底壁14の下面に、予め高台16を形成しておく方法がある。高台とは、通常、茶碗等の底に設けられる脚部のことであるが、底壁14の下面に高台16を形成しておくことによって、小容器4を大容器6の内部に挿入して載置する際、小容器4が高台16を介して大容器6の底壁24の上面に載置されることとなる。つまり、小容器4と大容器6との間には、高台16の高さ分だけ隙間Sが形成され、オーバーフロー流路として機能する隙間Sを容易に確保することができる。
【0029】
その他の手段としては、例えば、小容器4が備える側壁12の外周面、或いは大容器6が備える側壁22の内周面や底壁24の上面に、複数の突起部を予め設けておく方法であってもよい。大容器6の内部に小容器4を挿入した際には、これらの突起部によって小容器4が大容器6の内部で浮いた状態となり、小容器4と大容器6との間には、突起部の高さ分だけ隙間Sが形成されることとなる。また更に、小容器4を大容器6の内部に挿入する際に、大容器6の底壁24の上面に別体のスペーサーを予め載置しておき、このスペーサーを介して小容器4を載置することによっても、小容器4と大容器6との間に隙間Sを形成することができる。
【0030】
一方、底壁14、24には、それぞれの中央部に排水口18及び排水口28が形成されている。なお、排水口18、28には排水器具(不図示)が装着されることとなるが、排水器具は特に限定されるものではない。つまり、排水口18、28には公知のあらゆる排水器具が装着可能であるが、例えば、特開平10−30263号公報に開示されている排水器具(図1乃至図3参照。)等は、本発明において特に好適に装着され得る。
【0031】
以上の構成から成る取付け用手洗い器2は、例えば、カウンターの上面に設けられた開口に、カウンター上面側から挿入されて設置され、小容器4は手洗い鉢として機能する。ここで、カウンター等に設けられた開口に取付け用手洗い器2を設置するに際して、図1(a)、(b)等にも示すように、大容器6の開口縁20の外側、或いは側壁22の外周面に、環状に形成された鍔部30を備えることによって、カウンター等に設けられた開口への設置を容易、且つ確実に行うことができる点で好ましい。具体的には、カウンター等に設けられた開口に取付け用手洗い器2を挿入し、鍔部30の下面を開口周縁に載置するのみで設置が可能となる。仮に鍔部30が無かったとしても、碗状の大容器6であれば、開口縁20より小さい径の開口には、側壁22の外周面によって取付け用手洗い器2を設置することは可能である。しかし、鍔部30を開口周縁に載置して取付け用手洗い器2を設置した方が、より確実に設置することができ、取付け用手洗い器2の安定感を増すこともできる。
【0032】
なお、鍔部30は、大容器6の開口縁20の外側、或いは側壁22の外周面に少なくとも一つ備えていればよいが、例えば、図2に示すように、側壁22の外周面に複数の鍔部30が形成されてもよい。このように予め複数の鍔部30を設けておくことによって、カウンター等に設けられた開口のサイズに合わせて、最適な鍔部30を開口周縁に載置することができ、取付け用手洗い器2の汎用性が増す。また、カウンター等の上方に露出した側壁22の外周面に形成されている鍔部30は、取付け用手洗い器2の確実な設置という観点では何ら機能しないが、取付け用手洗い器2の側面における装飾効果を発揮し、デザイン性が向上される。
【0033】
また、取付け用手洗い器2は、排水口18に装着された排水器具(不図示)が備える止水栓(不図示)によって、小容器4内に貯水することも可能である。更に、小容器4内に貯水する場合において、仮に小容器4から水がオーバーフローしたとしても、このオーバーフローした水は、小容器4と大容器6との間に設けられた隙間Sに流れ込んで、大容器6の底壁24に設けられた排水口28へと導かれ、排水口28を介して排水されることとなる。つまり、取付け用手洗い器2の周辺をオーバーフローした水で汚すことがなく、また、小容器4内に貯水する場合に、オーバーフローしないように特段の注意を要することもない。
【0034】
なお、上述した態様において、小容器4と大容器6との間に設けられた隙間Sと、大容器6に設けられた排水口28とは、オーバーフローした水を排水できるように導通されている必要がある。複数の突起部を設置したり、別体のスペーサーを載置したりして隙間Sを設ける態様においては、隙間Sと排水口28とは導通されているため、水の排水流路を確保することができる。しかし、小容器4の底壁14の下面に高台16を形成することによって隙間Sを設ける態様においては、高台16が通常は環状を成しているため、排水流路を確保することができない。そこで、高台16が環状を成している場合には、高台16の下縁16aに少なくとも一の切り欠き部32を形成することによって、隙間Sと排水口28とが導通され、排水流路が確保されることとなる。
【0035】
更に、取付け用手洗い器2は、小容器4と大容器6が着脱自在に重ねられて構成されているため、小容器4を取り外すことによってオーバーフロー流路として機能する隙間Sの清掃を容易に行うことができ、非常に衛生的である。
【0036】
以上、本発明の一態様である取付け用手洗い器2について詳述したが、本発明の態様は上述のものに限定されない。例えば、図3(a)〜図3(d)に示すように、大容器6に小容器4が挿入された際、小容器4の側壁12の上端縁12aが大容器6の開口縁20の外側に位置することとなるように、上端縁12aを外側方向へ延出させた小容器4を備える取付け用手洗い器2aのような態様であってもよい。側壁12の上端縁12aを外側方向へ延出させて、大容器6の開口縁20の外側に位置させることによって、小容器4と大容器6との間に形成された隙間Sの上方を覆うことができる。取付け用手洗い器2の態様では、隙間Sの上方が開口しており、取付け用手洗い器2の使用者が誤って隙間Sに物を落とし込む恐れがあるが、取付け用手洗い器2aの態様では、隙間Sの上方が覆われているため物を落とし込むことがない。
【0037】
但し、取付け用手洗い器2aの態様では、小容器4の側壁12にオーバーフロー孔34を設けておく必要がある。上端縁12aが隙間Sを覆って、大容器6の開口縁20の外側に位置しているため、小容器4内に貯水した水がオーバーフローした場合には、隙間Sに流れ込むことなく、取付け用手洗い器2aの外側へ流出してしまう。そこで、側壁12にオーバーフロー孔34を設けることにより、小容器4内に貯水された水はオーバーフロー孔34を介して隙間Sへと流れ込むことが可能となり、小容器4からオーバーフローすることを防止できる。なお、オーバーフロー孔34の形状、設置数、設置場所等は特に限定されず、任意に設定することが可能である。
【0038】
また、必ずしも側壁12の上端縁12aの全部が外側方向に延出されている必要はなく、例えば、図4(a)、(b)に示すように、上端縁12aの少なくとも一部が外側方向に延出されている取付け用手洗い器2bのような態様であってもよい。使用者は、隙間Sの覆われている部分を手前にして取付け用手洗い器2bを使用することにより、誤って隙間Sに物を落下する恐れがない。更に、取付け用手洗い器2bの材質や装飾によって大容器6の側壁22表面には模様が現れるが、取付け用手洗い器2bの態様では、側壁22の外周面のみだけでなく、隙間Sを介して側壁22の内周面も視認することができ、美的効果も高まる。なお、取付け用手洗い器2bの態様では、小容器4からオーバーフローした水は、上端縁12aが外側方向に延出していない部分から隙間Sへと流出可能なため、必ずしもオーバーフロー孔34を設けなくともよい。
【0039】
本発明の他の態様としては、図5(a)、(b)に示すように、大容器6の側壁24の上端縁24aの一部が、隙間Sを覆うように内側方向に延出された取付け用手洗い器2cのような態様であってもよい。上端縁24aの一部が、隙間Sを覆うように内側方向に延出されて、大容器6内に挿入された小容器4の開口縁10の内側に位置する構成とすることにより、隙間Sが覆われた部分を手前にして取付け用手洗い器2cを使用する際、使用者が誤って隙間Sに物を落下する恐れがない。また、上端縁24aが内側方向に延出されている部分以外は隙間Sの上方が開口されているため、隙間Sを介して大容器6の内周面にも現れる模様を視認することができ、美的効果も高まる。
【0040】
なお、本発明の取付け用手洗い器は、大容器6内に小容器4が挿入されて構成されるため、内側方向に延出される部分は、大容器6の開口縁20の少なくとも二分の一以下としておくことが好ましい。大容器6の上端縁24aにおいて、内側方向に延出される部分が二分の一以下であれば、小容器4を大容器6に対して斜め上方から滑り込ませることにより、小容器4の上端縁12aの一部を、内側方向に延出された大容器6の上端縁24aの下側に位置させることができ、隙間Sが覆われた部分を形成することができるからである。
【0041】
以上、本発明の取付け用手洗い器の種々の態様について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。例えば、各図に示した取付け用手洗い器は、何れも横断面形状が円形であり、これは轆轤による造形に起因するものであるが、本発明は円形に限定されるものではなく、横断面形状は楕円形、矩形、正方形等、何れであってもよい。
【0042】
また、本発明の取付け用手洗い器に係る小容器や大容器の材質も特に限定されず、金属製、樹脂製等、何れであってもよいが、陶磁器製であることが、轆轤による造形の容易性、陶磁器独特の質感による和の雰囲気の演出効果等の点で好ましい。
【0043】
更に、本発明の取付け用手洗い器の造形方法は、轆轤によるものに限定されず、従来の泥漿鋳込み成形によるものであってもよい。特に本発明では、小容器及び大容器の鋳込み型を製造するのみで、容易にオーバーフロー流路を備えた取付け用手洗い器を製造することができ、従来のような複雑な鋳込み型を製造する必要がなく、製造コストを抑えることができる。
【0044】
また更に、上述した取付け用手洗い器2、2b、2c等の態様においても、貯水量を予め設定しておくために、小容器4の側壁12にオーバーフロー孔34が設けられてもよく、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1(a)】本発明の取付け用手洗い器の一態様を示す斜視図である。
【図1(b)】図1(a)に示す取付け用手洗い器の側面図である。
【図1(c)】図1(b)に示す取付け用手洗い器の縦方向断面図である。
【図1(d)】図1(a)に示す取付け用手洗い器の平面図である。
【図1(e)】図1(a)に示す取付け用手洗い器の底面図である。
【図2】本発明に係る大容器の他態様を示す側面図である。
【図3(a)】本発明の取付け用手洗い器の他態様を示す側面図である。
【図3(b)】図3(a)に示す取付け用手洗い器の縦方向断面図である。
【図3(c)】図3(a)に示す取付け用手洗い器の平面図である。
【図3(d)】図3(a)に示す取付け用手洗い器の底面図である。
【図4】(a)は、本発明の取付け用手洗い器のまた別の態様を示す側面図であり、(b)は、(a)に示す取付け用手洗い器の縦方向断面図である。
【図5】(a)は、本発明の取付け用手洗い器の更に別の態様を示す側面図であり、(b)は、(a)に示す取付け用手洗い器の縦方向断面図である。
【図6】(a)は、従来の取付け用手洗い器を示す斜視図、(b)は、(a)に示す取付け用手洗い器の側面図、(c)は、(b)の縦方向断面図である。
【図7】従来の手洗い鉢を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
2、2a、2b、2c:取付け用手洗い器
4:小容器
6:大容器
10:一の開口縁
12:一の側壁
12a:一の側壁の上端縁
14:一の底壁
16:高台
18、28:排水口
20:他の開口縁
22:他の側壁
22a:他の側壁の上端縁
24:他の底壁
30:鍔部
32:切り欠き部
34:オーバーフロー孔
S:隙間

【出願人】 【識別番号】591013045
【氏名又は名称】株式会社三彩
【住所又は居所】滋賀県甲賀市信楽町長野763番地
【出願日】 平成16年6月7日(2004.6.7)
【代理人】 【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義

【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建

【識別番号】100129207
【弁理士】
【氏名又は名称】中越 貴宣

【公開番号】 特開2005−342417(P2005−342417A)
【公開日】 平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願番号】 特願2004−168571(P2004−168571)