| 【発明の名称】 |
吸水性,携帯性及び画像鮮明性に優れた作戦ボードタオル |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 勝司
【氏名】佐藤 正樹
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| 【要約】 |
【課題】引張りや折り曲げによる亀裂や脱落のないスポーツ用コート平面図模様を付した、吸水性,携帯性及び画像鮮明性に優れた作戦ボードタオルを提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維が50質量%以上の割合で混紡され、かつ印刷面のループ長及び毛足長さが3.0mm以下である布地1に、昇華性染料で染着したスポーツ用コート平面図模様(昇華性染料染着層2)が表示された作戦ボードである。布地1の繊維として、10質量%以上の繊維に太さ20μm以下の極細繊維を使用すると、合成繊維の欠点であった吸水性が改善されて綿布に匹敵する吸水性が付与され、携帯性にも優れる。極細の合成繊維が昇華性染料で染着されているために、布地が引っ張られ、或いは折り曲げられても、模様に亀裂,脱落が生じることなく、画像鮮明性を長期にわたって維持でき、かつ汚染物質を除去する際のクリーニング性能も優れている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維が50質量%以上の割合で混紡され、かつ印刷面のループ長及び毛足長さが3.0mm以下である布地に、昇華性染料で染着した作戦ボード模様が印刷表示されていることを特徴とする吸水性,携帯性及び画像鮮明性に優れた作戦ボードタオル。 【請求項2】 布地を構成する繊維のうち、10質量%以上の繊維が太さ20μm以下の極細繊維からなる織布又は不織布を布地とする請求項1記載の吸水性,携帯性及び画像鮮明性に優れた作戦ボードタオル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、少量多品種生産に適し、多種多様な色柄でスポーツのコート平面が印刷表示された作戦ボードタオルに関する。 【背景技術】 【0002】 サッカー,ラグビー、バレーボール等のボールゲームをチーム戦で行う場合、作戦ボードを用いて、各選手のフォーメイションチェックや試合のシミュレーションの検討がなされている。そしてこのために、サッカー,ラグビー、バレーボール等のコート平面図がスクリーン印刷されたホワイトボードが市販されている。 また、例えば特許文献1には、鉄箔を内蔵し、表面に合成樹脂製のシートが貼り合わせた盤体と、この盤体に磁力で吸着する磁石駒とから構成された作戦ボードが提案されている。さらに、特許文献2には、磁性を有し、かつ可撓性を有する平板上の基材とその基材の一方の面を被う軟質性のコーティング材とからなり、このコーティング材の表面に筆記面が形成された作戦ボードが提案されている。 【0003】 【特許文献1】特開平7−299182号公報 【特許文献2】特開平9−675号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 磁性盤からなる作戦ボードやホワイトボードにスクリーン印刷された作戦ボードは、試合の戦略を詳細に検討する場合には好適である。しかしながら、重量が重く、しかも嵩張るために、試合中のハーフタイム、試合前あるいは練習中に戦術を再度確認するために使用するには適していない。 また、個人で戦術を確認したりするにも出し入れが面倒であり、運搬も不便であることから、広範に使用されるに到っていないのが現状である。 また一般に、スポーツ選手はプレー中やプレー後に汗を拭くためにタオルを使用する。このため、タオルはスポーツをする人のほとんどが所持する必需品である。 【0005】 本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、スポーツタオルにそれぞれスポーツの戦略やフォーメーションのチェックを可能とするコート平面図を、布地の繊維に昇華性染料を染着させて発現させることにより、表面が平滑で布地の風合いを損なうことなく、少量多品種生産に適した吸水性,携帯性及び画像鮮明性に優れた作戦ボードタオルを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の作戦ボードタオルは、このような問題を解消すべく案出されたものであり、ポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維が50質量%以上の割合で混紡され、かつ印刷面のループ長及び毛足長さが3.0mm以下である布地に、昇華性染料で染着した作戦ボード模様が印刷表示されていることを特徴とする。 布地の繊維として、10質量%以上の繊維が太さ20μm以下の極細繊維を使用すると、合成繊維の欠点である吸水性が改善され、綿布に匹敵する吸水性が付与される。極細繊維は、汚染物質を除去する際のクリーニング性能を向上させる上でも有効である。 【発明の効果】 【0007】 本発明では、50質量%以上の割合でポリエステル繊維,ナイロン繊維が混紡された布地に昇華性染料の熱転写でスポーツ用コート平面図模様が付与されているので、布地が引っ張られ、或いは折り曲げられても繊維の伸びや変形と一体化してコート平面図模様が伸びたり変形したりする。このため、スクリーン印刷やオフセット印刷でインク層を付着させて付与した模様と比べて、引張りや折り曲げを加えてもコート平面図模様に亀裂,脱落が生じることなく、画像鮮明性に優れた作戦ボードとなる。 【0008】 また、一般にタオル地として使用される綿と比較すると吸水性に劣る合成繊維も、髪の毛の約1/100の細さのマイクロファイバーにすると、その毛細管現象により吸水性は綿の3〜7倍にも向上する。したがって、昇華性染料で染色される合成繊維からなるマイクロファイバータオルは、綿タオルと比較して重量当りの吸水性が優れるため素材を薄くすることができ、軽量コンパクトで携帯性に優れる。しかも、マイクロファイバータオルは単位面積当りの表面積が飛躍的に増大しているので水分の揮発性にも非常に優れる。さらに、繊維が細かく密度が高いので、ダニ等の微生物が侵入し難い。このような特性を有するマイクロファイバータオルに作戦ボードの機能を付与すると、汗拭き機能や携帯性を高めるだけでなく、スポーツをより楽しくすることが可能になる。 【0009】 試合中あるいは試合後、タオルとして使用し、汗に濡れ、泥にまみれても、そのまま折り畳んでバッグに入れられるほどに取扱い性や携帯性にも優れ、しかもその後のクリーニング時にあっても、コート平面図模様に亀裂,脱落が生じることなく、鮮明性を維持した模様を長期間にわたって保持可能な作戦ボードが提供できる。 本発明の作戦ボードタオルは、各種スポーツに使用可能である。例えば、野球,ソフトボール,サッカー,ラグビー,テニス,バスケットボール,バレーボール,フットサル,ラケットボール,バドミントン,スカッシュ,カーリング,ハンドボール,雪合戦,アイスホッケー等、種々のボールゲームに適用可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明の好ましい態様について、図1に基づいて説明する。 布地1には、ポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維を50質量%以上の割合で綿,絹,ウール等の天然繊維と混紡した織布,不織布が使用される。天然繊維は、昇華性染料により染色しがたい繊維であるが、合成繊維より耐熱性,吸水性に優れている。合成繊維の比率を50質量%以上とし残部を綿等の天然繊維とすると、昇華性染料により染色が可能で、耐熱性や吸水性をも備えたタオル地となる。この際、合成繊維の比率が50質量%に満たないと昇華性染料による染色が不十分で使用に耐えない。染色性の観点からは、ポリエステル繊維及び/又はナイロン繊維だけから作られた布地1も使用できる。 【0011】 ポリエステル繊維,ナイロン繊維の割合が多くなるほど昇華性染料の染着性が向上し、50質量%以上で実用に耐える濃度でスポーツ用コート平面図模様(昇華性染料染着層2)が布地1に転写印刷され、80質量%以上で特に鮮明度の良好なスポーツ用コート平面図模様が発現する(図1)。スポーツタオルの吸水性は、布地1の構成繊維が細くなるほど向上する。吸水性向上効果は、ポリエステル繊維,ナイロン繊維に占める太さ20μm以下の極細繊維の割合が10質量%以上でみられ、布地1全体の20質量%以上に太さ20μm以下の極細繊維を使用すると綿布を凌駕する吸水性が得られる。 【0012】 ポリエステルやナイロン製のマイクロファイバータオルに昇華熱転写する場合、タオル地としてそのループ長及び毛足長さが3.0mm以下のものを用いる必要がある。ループ長及び毛足長さが3.0mmを超えるほどに長いと、毛足やループの根本部分を十分に染色することが困難になるため、文字の輪郭がボケて読み難くなってしまうだけでなく、ベタ地の色ムラの原因にもなってしまう。風合いや汗拭き機能保持の観点からは、ループ長及び毛足長さは0.2〜2.0mm程度にすることが好ましい。ループ長及び毛足長さが0.2mmに満たないとタオルとしての質感が損なわれる感になる。 【0013】 また、ループ長及び毛足長さが影響するのは印刷面のみであるので、非印刷面である裏面のループ長及び毛足長さは3.0mm以上に長くしてより汗拭き機能を高めることも可能である。 なお、本明細書中では、タオル地のループ長は、図2に示すように、ループ3の内側先端a点から基布の端部を構成する最外の緯糸4の外側b点までの長さRをいう。また、毛足長さは図3に示すように基布5の外に出ている糸6の長さをいう。 【0014】 スポーツ用コート平面図模様は、図1に示すように、布地1に昇華転写された昇華性染料染着層2で表示される。昇華転写法では、昇華性染料を所定パターンで塗布した転写シートを布地1に重ね合わせ、加熱・加圧する。転写シートから昇華した昇華性染料が布地1の厚み方向に浸透し、布地1の構成繊維が昇華性染料で染着された昇華性染料染着層2が形成される。転写シートは、グラビア印刷,オフセット印刷,スクリーン印刷等で所定パターンに沿って昇華性染料を紙,樹脂フィルム等に塗布することにより用意される。小ロット印刷用には、製版工程を必要としないコンピュータグラフィックスを用いた電子写真法,静電記録法,インクジェット法,感熱転写法等で作製した転写シートも使用できる。さらには、ホームメードの転写シートも使用可能である。 【0015】 昇華転写法によるとき、昇華性染料の厚み方向の染着でスポーツ用コート平面図模様が表示されるため、布地1が多少減耗してもスポーツ用コート平面図模様の色調がほとんど変化しない。また、昇華性染料染着層2が形成された印刷部は、非印刷部と同様な平滑表面であるため、スクリーン印刷やオフセット印刷でスポーツ用コート平面図模様を表示したスポーツタオルと異なり、布地1の風合いが損なわれない。 紙,樹脂フィルム等の基材に塗布される昇華性染料は、加熱により昇華,揮発して転移する染料であり、キノフタロン誘導体,アントラキノン誘導体,アゾ系色素等の分散染料が好適に使用される。従来から昇華熱転写,昇華転写捺染等で用いられる染料も制限なく使用でき、たとえば以下の昇華性染料が例示される。 【0016】 〔イエロー系昇華性染料〕 Kayacet Yellow AG,Kayaset Yellow TDN(日本化薬株式会社製),RTY 52,Dianix Yellow 5R-E,Dianix Yellow F3G-E,Dianix Brilliant Yellow 5G-E(三菱化学株式会社製),ブラスト Yellow 8040,DY108(有本化学株式会社製),Sumikaron Yellow EFG,Sumikaron Yellow E-4GL(住友化学株式会社製),FORON Brilliant Yellow SGGLPI(Sand社製)、PS イエローGG(三井東圧染料株式会社製) 【0017】 〔マゼンタ系昇華性染料〕 Kayaset Red 026,Kayaset Red 130,Kayaset Red B(日本化薬株式会社製),Oil Red DR-99,Oil Red DK-99(有本化学株式会社製)、Diacelliton Pink B(三菱化学株式会社製),Sumikaron Red E-FBI(住友化学株式会社製),Latyl Red B(Du Pont社製),Sudan Red 7B(BASF社製),Resolin Red FB,Ceres Red 7B(Bayer社製) 【0018】 〔シアン系昇華性染料〕 Kayalon Blue FG,Kayalon Blue FR,Kayacet Blue 136,Kayacet Blue 906(日本化薬株式会社製),Oil Blue 63(有本化学株式会社製),HSB9,RTB 31(三菱化学株式会社製),Disperse Blue #1(住友化学株式会社製),MS Blue 50(三井東圧染料株式会社製),Ceres Blue GN(Bayer社製),Duranol Brilliant Blue 2G(ICI社製) 各色用の昇華性染料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。黒色はイエロー、マゼンタ、シアン色用の昇華性染料を適宜混合することにより得られる。その他の昇華性染料を使用する場合でも、60℃以上の昇華温度(液相からの揮発温度を含む)を示す染料が適当である。昇華性染料は、昇華温度が高いほど比較的分子量が大きく、耐光性,耐熱性に優れている。 【実施例】 【0019】 分散染料インクジェットプリンタインク(株式会社ミマキエンジニアリング製)を用い、インクジェット方式の画像プリントシステム(Gradess:株式会社マーキングマジック製)でインクジェット記録紙に10cm×10cmのシアン80%のベタ地上にブラック100%で「センターライン」の文字(フォント:平成角ゴシック)を18pointで出力し、転写シートを用意した。 繊維太さ約0.1デニール(1〜5μmの繊維径)のポリエステル−ナイロン極細繊維(ベリーマX:カネボウ合繊株式会社製)を5に対して、繊維太さ30デニール(100〜300μmの繊維径)のポリエステル繊維を1の割合で混紡し、ループ長及び毛足長さを種々に変えて厚さ1.0mmの布地を用意した。 種々のループ長及び毛足長さを有する布地に、前記シアンベタ地上に18pointの「センターライン」の文字を印刷した転写シートを重ね合わせ、200℃,0.5kg/cm2で60秒間加熱圧着した。 【0020】 圧着完了後、布地から転写シートを剥離すると、昇華性染料が記録紙から布地に転写されていた。その後、転写された部分の布地をブラシで4〜5回均一にブラッシングした後、文字の視認性及びベタ部の色ムラを確認した。 明らかに文字の輪郭がわからなくなっているものを×,多少輪郭がボケているものの視認性に問題がないものを△,文字の輪郭にボケがないものを○と評価した。 またベタ部について、最も色が濃く見える部分と最も淡く見える部分の反射濃度の差を測定した。ベタ部の昇華性染料の反射濃度は反射濃度計(RD-1200:マクベス社製)で測定し、反射濃度の差が0.3以上を×,0.2以上0.3未満を△,0.2以下を○と評価した。 その結果を、ループ長及び毛足長さの値とともに、表1に示す。 【0021】 表1の調査結果にみられるように、ループ長及び毛足長さが3.0mm以下のマイクロファイバータオルに昇華性染料を用いて熱転写で印刷模様を形成したものは、文字の視認性に優れ、色ムラも発生していない。 これに対して、マイクロファイバータオルのループ長及び毛足長さが3.0mmを超えていると、文字の視認性及び色ムラの双方で満足できる印刷模様が得られない。 昇華性染料の転写印刷を施したマイクロファイバータオルは、大部分が5μm以下の極細繊維から構成されている布地であり、手触りが良く、吸水性や携帯性にも優れていることが明らかである。 【0022】
【図面の簡単な説明】 【0023】 【図1】昇華性染料でスポーツ用コート平面図模様をつけたタオルの断面図 【図2】タオル地のループ長を説明する図 【図3】タオル地の毛足長さを説明する図
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| 【出願人】 |
【識別番号】500116409 【氏名又は名称】グラデスタオ株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年4月14日(2004.4.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092392 【弁理士】 【氏名又は名称】小倉 亘
【識別番号】100116621 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 萬里
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| 【公開番号】 |
特開2005−296429(P2005−296429A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−118770(P2004−118770) |
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