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【発明の名称】 便座装置
【発明者】 【氏名】田中 栄一
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】便座に座るときショックを受けずに座ることができる便座装置を提供する。

【解決手段】便器2の後部上面に配置した便座装置本体1と、便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座7と、便器の後部上面に取り付けたプレートと便座装置本体との間に配設したクッション性の弾性体5と、便座装置本体を上下動自在にプレートに連結する連結部6と、便器の上面に対する便座裏板の後脚部9に設け、着座時のショックを吸収する弾性体10を備え、人体が便座に座った時に弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにした便座装置で、人体が着座した場合、弾性体が圧縮して着座時のショックを和らげ、クッションとなるようにすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の後部上面に配置した便座装置本体と、前記便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座と、便器の後部上面に取り付けたプレートと前記便座装置本体との間に配設したクッション性の弾性体と、前記便座装置本体を上下動自在に前記プレートに連結する連結部と、便器の上面に対する便座裏板の支持部に設け、着座時のショックを吸収する弾性体を備え、人体が前記便座に座ったときに前記弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにしてなる便座装置。
【請求項2】
連結部は、人体が便座に座り一定の体重がかかった場合に便座装置本体がプレートにロックされるロック機構部を設けてなる請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
ロック機構部は、人体が便座から立ち上がり便座に体重がかからなくなった場合にロックを解除するロック解除機構部を有する請求項2に記載の便座装置。
【請求項4】
便器の後部上面に配置した便座装置本体と、前記便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座と、前記便座の便器上面に対する便座裏板の支持部に設け、着座時のショックを吸収する弾性体を備え、人体が前記便座に座ったときに前記弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにしてなる便座装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、便座装置に関し、特に使用者が便座に座ったときのクッション性に係るものである。
【背景技術】
【0002】
一般にトイレに設置してある便器上の便座は、通常、プラスティックの素材でできた硬質のものである。これは、排便時に力が入ることもあり、しっかりした座が必要であるために、このように硬質の素材で便座が形成されている。しかし、座る時には硬い感覚があり、決して座りやすいものではなかった。また、便座には裏側に便器の上面にあたるところに脚ゴムを有していた。しかし、この脚ゴムは便器の上面に倒立自在に設けてある便座が便器の上面に倒れて降りてくるときの衝突を和らげるものとして使用されてきた。
【0003】
一方、便座から立ち上がる時に足腰に負担がかかることを排除するためのものとして昇降装置が付いた便座装置がある。従来、この種の便座装置は上プレートと下プレートとの間に、空気を給気および排出することによって膨張収縮する空気袋を設け、上プレートと下プレートとを左右のリンクバーにより連結して構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3および図4は、特許文献1に記載された従来の便座装置を示すものである。図3および図4に示すように、下プレート101と上プレート102とがリンクバー103により連結されており、下プレート101と上プレート102との間に設けた空気袋104が膨張収縮することにより上プレート102が上昇下降し、上プレート102の上に載置した便座本体105が昇降する。図中、107は便器、108は便座である。
【0005】
しかしながら、上記したプラスティックの硬質の便座では、座ったときに人体をしっかりと受けとめてくれるものの、一方、座るときに勢いよくドンと座るとショックを受けるので、座りやすいとは言い難い。また、便座の裏側の脚ゴムがクッション性を有していたといえども、これも便座が便器の上面に倒れて降りてくるときの衝突を和らげるものとして使用されてきただけで、人体が座るときのクッションの役目は果たしていなかった。
【0006】
また、上記昇降装置付の便座装置の構成では、上プレート102と下プレート101とを連結するリンクバー103が便座装置の左右外側に存在するため、便座装置の横幅が大きくなっていた。さらに、リンクバー103に指等を挟み込んだりしないようにするためのカバー106も必要で、便座装置の横幅がさらに大きくなっていた。昨今の住宅事情を勘案するとトイレ室を広く作ることは困難であり、大きな便座装置を設置すると、トイレ室内の掃除がしにくいという課題を有していた。この昇降装置付便座装置は、あくまでも老人などの足腰の弱った人の介護用として設けてあり、座りやすくするものとしては装置が大がかりになってしまっていた。
【特許文献1】特開平9−206242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術の課題に鑑み、本発明が解決しようとするする課題は、コンパクトで狭いトイレ室に設置しても場所を取らず、かつ座ったときにクッション性を持つようにした便座装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の便座装置は、便器の後部上面に配置した便座装置本体と、前記便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座と、便器の後部上面に取り付けたプレートと前記便座装置本体との間に配設したクッション性の弾性体と、前記便座装置本体を上下動自在に前記プレートに連結する連結部と、便器の上面に対する便座裏板の支持部に設け、着座時のショックを吸収する弾性体を備え、人体が前記便座に座ったときに前記弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにしたものである。
【0009】
これによって、着座すると人体の体重が便座の下の弾性体と便座装置本体の下の弾性体を圧縮し、この圧縮により着座時のショックを吸収し、着座心地のよい装置にできる。
【0010】
また、本発明の便座装置は、便器の後部上面に配置した便座装置本体と、前記便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座と、前記便座の便器上面に対する便座裏板の支持部に設け、着座時のショックを吸収する弾性体を備え、人体が前記便座に座ったときに前記弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにしたもので、便座の弾性体が着座時のショックを吸収し、着座心地のよい装置にできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の便座装置は、便座装置本体と便座のそれぞれの弾性体、または便座の弾性体が圧縮により着座時のショックを吸収し、快適な座り心地の便座装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、便器の後部上面に配置した便座装置本体と、前記便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座と、便器の後部上面に取り付けたプレートと前記便座装置本体との間に配設したクッション性の弾性体と、前記便座装置本体を上下動自在に前記プレートに連結する連結部と、便器の上面に対する便座裏板の支持部に設け、着座時のショックを吸収する弾性体を備え、人体が前記便座に座ったときに前記弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにした便座装置である。
【0013】
これにより、着座すると人体の体重が便座の下の弾性体と便座装置本体の下の弾性体をそれぞれ圧縮し、この圧縮により着座時のショックを吸収する。
【0014】
第2の発明は、第1の発明の連結部に、人体が便座に座り一定の体重がかかった場合に便座装置本体がプレートにロックされるロック機構部を設けた便座装置で、これにより、ロック機構部が便座装置本体をプレートにロックし、圧縮された各弾性体の反発力で便座装置本体および便座が浮き気味になるのを感じることがなくなり、座り心地がよくなる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明のロック機構部に、人体が便座から立ち上がり便座に体重がかからなくなった場合にロックを解除するロック解除機構部を設けた便座装置で、これによりロック解除機構部でロック機構のロックを解除し、便座より離座すると次の着座の準備が行え、使い勝手がよくなる。
【0016】
第4の発明は、便器の後部上面に配置した便座装置本体と、前記便座装置本体に後端部を回転自在に取付け、便器の上面に配置した便座と、前記便座の便器上面に対する便座裏板の支持部に設け、着座時のショックを吸収する弾性体を備え、人体が前記便座に座ったときに前記弾性体の圧縮により便座裏面と便器面が略平行になるようにした便座装置で、これにより便座の弾性体が着座により圧縮されて着座時のショックを吸収する。
【0017】
本発明の目的は、第1の発明から第4の発明を実施の形態の要部とすることにより達成できるので、各請求項に対応する実施の形態の詳細を、以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0018】
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の第1の実施の形態における便座装置で、着座していない時の概略側面図で、図1(B)は便座装置の着座している時の概略側面図である。図1において、用便後の肛門等をノズルから噴射する温水で洗浄する機構等を内蔵している横長の便座装置本体1は、便器2の後部上面に取付けボルト3、プレート4により横方向に向けて固定されている。
【0019】
便座装置本体1は、その下面にプレート4との間に位置して使用者の着座時のショックを吸収する弾性体5が配置してある。この図では、プレート4と便座装置本体1との接続の詳細は図示していないが、図2にて便座装置本体1と便器2との固定の一例を示している。図2は便座装置本体1および便器2を後部からみた側面図である。プレート4は、2本の取付けボルト3で便器2に固定されている。
【0020】
プレート4の両側には、それぞれ連結部6の一端部が回転自在に連結してあり、この連結部6の他端部は便座装置本体1の側部と回転自在に連結してある。従って、便座装置本体1はプレート4と便座装置本体1との間に介在した弾性体5の圧縮、復元に対応して上下に昇降する時のガイドとなっている。
【0021】
連結部6は、3本の細長い弾生体の連結板を使用して軸部6aで便座装置本体1の側部に、軸部6dでプレート4に回転自在に連結し、さらに軸部6b、6cで連結板同士を回転自在に連結するとともに、相対向する軸部6aと6cおよび軸部6bと6dを凹凸嵌合する構造であるロック機構部11に形成して、便座7への着座による荷重を受けて弾性体5が圧縮され、便座装置本体1が便器2の上面と略平行に近接した時に軸部6aと6cおよび軸部6bと6dが係合し合って圧縮された弾性体5の反発力で便座装置本体1が浮き気味にならないようにしている。
【0022】
硬質のプラステイックで形成した略U字状の便座7は、図1に示すように便座装置本体1の前両側部に回動自在に取付けて、便器2の上面に倒立自在に設置してあり、便器2の上面に対向する裏面前に前脚部8と、左右側部裏面にそれぞれ支持部としての後脚部9が設けてある。後脚部9には使用者の着座時のショックを吸収する弾性体10を設けている。ロック解除機構部12は、嵌合して係合し合ったロック機構部である軸部6aと6cおよび軸部6bと6dのロックを解除するもので、ピンによりロック機構部11の嵌り込んでいる連結部6の軸部6aと6c、軸部6bと6dの係合をはずすようにしてあり、図2では一方のみを示している。
【0023】
なお、弾性体5はゴムのようなものでも、バネ性のものでもかまわないし、あるいはゴムボールに空気を入れて弾性力をつけたものでもかまわない。ただし、この時は着座の検知により空気を抜き、着座から離座した時には空気を入れるそれぞれの制御機構が必要である。また、弾性体10としてはバネ性のもの、発泡体で形成した弾性力をもったものなどでもかまわない。圧縮には最低限10mm程度の厚さは必要で、できれば20〜40mm程度あればクッション性があり、座ったときにショックを受けない。
【0024】
上記実施の形態の便座装置について、以下その動作、作用を説明する。まず、通常、人が使っていないときは図1(A)のように弾性体5により便座装置本体1および便座7は便器2面より浮いた状態にある。そして、便座7に使用者が用便のため着座すると、人体の体重が便座7にかかり、弾性体10が体重を受けて圧縮されて便座7が沈む。
【0025】
続いて、便座7は便座軸を介して便座装置本体1に連結してあるため、便座装置本体1も同様に荷重を受ける。荷重を受けた便座装置本体1は、弾性体5を圧縮させて沈む。これらが順次行われて、便座装置本体1および便座7が便器2の上面に固定されるまで沈む。従って、便座装置本体1および便座7が沈む間は便座7面からの人体への力は緩和され、弾性体5、10による弾性力によりクッション性を有し、楽に心地よく座ることができる。
【0026】
また、図2に示すように連結部6の軸部6aと6c、軸部6bと6dが圧縮により同一軸上にきた時に凹凸嵌合してロックするロック機構部11が作用し、圧縮し終わったらロックされ、便座装置本体1が沈み込んだ時に便器2の上面に固定され、圧縮された各弾性体の反発力で便座装置本体および便座が浮き気味になるのを感じることがなくなり、座り心地がよくなる。
【0027】
そして、用便が終わり便座7から離座する時にロック機構部11のロックをロック解除機構部12により解除し、すなわち軸部6aと6c、軸部6bと6dを少し離し、弾性体5、10の復元力も作用し合って便座装置本体1および便座7が浮上し、離座時点で再び弾性体がフリー状態になり次に座る準備ができる。
【0028】
なお、本実施の形態においては、便座装置本体1と便座7に対して弾性体5、10を設け、圧縮させてクッション性を有するようにしたが、便座装置本体1は便器2の後部上面に横方向に固定した形態の便座装置の場合には、便座7に対してのみ弾性体を施してクッション性を持たせることでも、本実施の形態と同様の作用効果を期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明にかかる便座装置は、コンパクトな構成で気持ちの良いクッション性を得ることができるため、一般の椅子等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(A)本発明の実施の形態1における便座装置の着座していない時の概略側面図(B)便座装置の着座している時の概略側面図
【図2】本発明の実施の形態1における便座装置本体の一部斜視図
【図3】従来の便座装置の分解斜視図
【図4】従来の便座装置の概略側面図
【符号の説明】
【0031】
1 便座装置本体
2 便器
4 プレート
5、10 弾性体
6 連結部
7 便座
9 後脚部(支持部)
11 ロック機構部
12 ロック解除機構部
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年4月8日(2004.4.8)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−296152(P2005−296152A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−113800(P2004−113800)