| 【発明の名称】 |
便座ユニット固定具およびこれに用いられる筒状体 |
| 【発明者】 |
【氏名】青山 啓司 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区関目6丁目7番31号 青山金属工業株式会社内
【氏名】塚原 康弘 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区関目6丁目7番31号 青山金属工業株式会社内
【氏名】山田 義孝 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区関目6丁目7番31号 青山金属工業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】便座ユニットを便器に容易に固定することができ、且つ優れた緩み止め効果を有する便座ユニット固定具を提供すること。
【解決手段】便座ユニット固定具11は、ねじ軸14と筒状体15とを備えている。ねじ軸14は、第1の端部12が便座ユニット5の基部6に固定されている。筒状体15は、全体が熱可塑性エラストマーにより一体に形成され、そのねじ無し孔29がねじ軸14の第2の端部13と嵌合している。ねじ無し孔29が、ねじ軸14の外形にぴったりと合うねじ孔に変形してねじ軸14と係合するので、ねじ軸14の緩みを確実に防止することができる。また、便器1の後部フランジ2の底面からねじ軸14に取り付ける部品は、筒状体15のみでよく、取付に手間がかからない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便座ユニットの基部を便器の後部フランジの取付面に固定するための便座ユニット固定具であって、 第1および第2の端部を有し、便器の後部フランジのねじ挿通孔に遊嵌されると共に第1の端部が便座ユニットの基部に固定されるねじ軸と、 ねじ軸の第2の端部に嵌合し、全体が熱可塑性エラストマーにより一体に形成される筒状体とを備え、 筒状体の外周は、工具係合部と、工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記ねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部とを含み、 筒状体の中心孔は、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔と、ねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔とを含むことを特徴とする便座ユニット固定具。 【請求項2】 便座ユニットの基部を便器の後部フランジの取付面に固定するための便座ユニット固定具であって、 第1および第2の端部を有し、便器の後部フランジのねじ挿通孔に遊嵌されると共に第1の端部が便座ユニットの基部に固定されるねじ軸と、 ねじ軸の第2の端部に嵌合する筒状体とを備え、 筒状体の外周は、工具係合部と、工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記ねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部とを含み、 筒状体の中心孔は、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔と、ねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔とを含み、 筒状体は、少なくとも上記ねじ無し孔を含む熱可塑性エラストマーからなる第1の部分と、第1の部分の少なくとも一部が埋設された第2の部分とを含む一体の部材からなることを特徴とする便座ユニット固定具。 【請求項3】 請求項1または2において、上記ねじ軸のねじは複数条ねじを含むことを特徴とする便座ユニット固定具。 【請求項4】 請求項1記載の便座ユニット固定具に用いられる筒状体であって、 全体が熱可塑性エラストマーにより一体に形成されて外周および中心孔を備え、上記外周は、工具係合部と、工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記便器の後部フランジのねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部とを含み、上記中心孔は、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔と、ねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔とを含むことを特徴とする筒状体。 【請求項5】 請求項2記載の便座ユニット固定具に用いられる筒状体であって、 工具係合部、および工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記ねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部を含む外周と、 ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔、およびねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔を含む中心孔とを備え、 少なくとも上記ねじ無し孔を含む熱可塑性エラストマーからなる第1の部分と、第1の部分の少なくとも一部が埋設された第2の部分とを含む一体の部材からなることを特徴とする筒状体。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、便座ユニット固定具およびこれに用いられる筒状体に関する。 【背景技術】 【0002】 通例、洋式便器の便座ユニットは、この洋式便器の上面に設置されており、洋式便器に固定される基部(ベース)と、基部に回動可能に連結される便座とを有している。便座ユニットの基部は、洋式便器に対して下記のように固定されている。すなわち、洋式便器の後端部に、上下方向に延びるねじ挿通孔を有するフランジ部が設けられ、このねじ挿通孔に、便座ユニットの基部に固定されたねじ軸が挿通されている。そして、フランジ部の底面に突出するねじ軸の先端にナットが螺合される。 【0003】 上記フランジ部のねじ挿通孔は、ねじ軸よりも大径に形成されており、ねじ軸と干渉して周縁部分が割れ等の損傷を生じることを防止している。したがって、フランジ部のねじ挿通孔に挿通されたねじ軸は、そのままではねじ挿通孔に対して遊動してしまい、便座ユニットが洋式便器に対して位置ずれするおそれがある。 そこで、ねじ軸の先端に、球面状部を有する第1のパッキンを設けると共に、この第1のパッキンとナットとの間に環状薄板の第2のパッキンを設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、第1のパッキンによりねじ挿通孔とねじ軸との隙間を詰めて、便座ユニットの位置ずれを防止している。 【特許文献1】特開2001−81832号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 通例、洋式便器は、後方および左右両側方がトイレの壁等に取り囲まれた比較的狭いスペースに配置されている。このため、便座ユニットを洋式便器に固定するには、洋式便器の前方に立って洋式便器の後部に手を伸ばす不自然な姿勢で、第1のパッキン、第2のパッキンおよびナットといった複数の部品をねじ軸に通さなければならず、便座ユニットの固定に手間がかかっていた。また、長年の使用により、ナットが緩んでしまい、便座ユニットが洋式便器に対して位置ずれを起こすおそれがあった。 【0005】 そこで、本発明は、便座ユニットを便器に容易に固定することができ、且つ優れた緩み止め効果を有する便座ユニット固定具およびこれに用いられる筒状体を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、便座ユニットの基部を便器の後部フランジの取付面に固定するための便座ユニット固定具であって、第1および第2の端部を有し、便器の後部フランジのねじ挿通孔に遊嵌されると共に第1の端部が便座ユニットの基部に固定されるねじ軸と、ねじ軸の第2の端部に嵌合し、全体が熱可塑性エラストマーにより一体に形成される筒状体とを備え、筒状体の外周は、工具係合部と、工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記ねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部とを含み、筒状体の中心孔は、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔と、ねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔とを含むことを特徴とする。 【0007】 本発明によれば、テーパ状部がねじ挿通孔に押し込まれてこのねじ挿通孔とねじ軸との隙間を詰めることで、便座ユニットの位置ずれを防止できる。また、熱可塑性エラストマーで形成されるねじ無し孔が、ねじ軸の外形にぴったりと合うねじ孔に変形してねじ軸と係合するので、ねじ軸の緩みを確実に防止することができる。しかも、ねじ軸に取り付ける部品が筒状体のみでよく、便座ユニットの固定にかかる手間を格段に低減することができる。さらに、大径孔にねじ軸を挿通することで、ねじ軸の筒状体への導入を容易に達成できる。 【0008】 請求項2記載の発明は、便座ユニットの基部を便器の後部フランジの取付面に固定するための便座ユニット固定具であって、第1および第2の端部を有し、便器の後部フランジのねじ挿通孔に遊嵌されると共に第1の端部が便座ユニットの基部に固定されるねじ軸と、ねじ軸の第2の端部に嵌合する筒状体とを備え、筒状体の外周は、工具係合部と、工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記ねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部とを含み、筒状体の中心孔は、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔と、ねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔とを含み、筒状体は、少なくとも上記ねじ無し孔を含む熱可塑性エラストマーからなる第1の部分と、第1の部分の少なくとも一部が埋設された第2の部分とを含む一体の部材からなることを特徴とする。 【0009】 本発明によれば、テーパ状部がねじ挿通孔に押し込まれてこのねじ挿通孔とねじ軸との隙間を詰めることで、便座ユニットの位置ずれを防止できる。また、熱可塑性エラストマーで形成されるねじ無し孔が、ねじ軸の外形にぴったりと合うねじ孔に変形してねじ軸と係合するので、ねじ軸の緩みを確実に防止することができる。しかも、ねじ軸に取り付ける部品が筒状体のみでよく、便座ユニットの固定にかかる手間を格段に低減することができる。さらに、大径孔にねじ軸を挿通することで、ねじ軸の筒状体への導入を容易に達成できる。また、例えば工具係合部を合成樹脂により形成して十分な剛性をもたることができ、工具を係合させたときの節度感をより高めることができる。 【0010】 請求項3記載の発明は、請求項1または2において、上記ねじ軸のねじは複数条ねじを含むことを特徴とする便座ユニット固定具である。本発明によれば、筒状体がねじ軸に対して一回転したときの筒状体の移動量(リード)を、格段に多くすることができる。その結果、便座ユニットを固定するために筒状体を回す回数をより少なくでき、便座ユニットの固定作業をより容易に行うことができる。 【0011】 請求項4記載の発明は、請求項1記載の便座ユニット固定具に用いられる筒状体であって、全体が熱可塑性エラストマーにより一体に形成されて外周および中心孔を備え、上記外周は、工具係合部と、工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記便器の後部フランジのねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部とを含み、上記中心孔は、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔と、ねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔とを含むことを特徴とする。本発明によれば、筒状体を単一の材料で一体に形成することで、筒状体の強度を十分に確保できる。 【0012】 請求項5記載の発明は、請求項2記載の便座ユニット固定具に用いられる筒状体であって、工具係合部、および工具係合部に連なり先細りテーパ状をなして一部が上記ねじ挿通孔に押し込まれるテーパ状部を含む外周と、ねじ軸の外径よりも小さい内径を有するねじ無し孔、およびねじ軸の外径よりも大きい内径を有しテーパ状部の少なくとも一部に対応する大径孔を含む中心孔とを備え、少なくとも上記ねじ無し孔を含む熱可塑性エラストマーからなる第1の部分と、第1の部分の少なくとも一部が埋設された第2の部分とを含む一体の部材からなることを特徴とする。本発明によれば、第2の部分を熱可塑性エラストマー以外の材料で形成することができ、筒状体に用いる材料の自由度をより高くすることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。 図1は、本発明の一実施の形態にかかる便座ユニット固定具によって便座ユニットが固定された洋式便器の模式的な側面図である。図2は、図1の便座ユニット固定具、便座ユニットおよび洋式便器の一部分解斜視図である。図3は、図1の便座ユニット固定具周辺の一部断面図である。 【0014】 図1および図2を参照して、例えば陶器により形成される洋式便器1は、その後方および左右両側方が、例えばトイレの壁に取り囲まれた比較的狭いスペースに配置されている(図1において、洋式便器1の後方の壁のみを図示)。洋式便器1(以下、単に「便器」という)の後端部には、上下方向に所定の厚みを有する後部フランジ2が備えられている。後部フランジ2は、上面の少なくとも一部、例えば全面が取付面3とされており、この取付面3に、1ないし複数(本実施の形態においては、2つ)のねじ挿通孔4が形成されている。各ねじ挿通孔4は、後部フランジ2を上下方向に貫通している。 【0015】 便器1の上面には、便座ユニット5が設置されている。この便座ユニット5は、後部フランジ2の取付面3上に配置される基部6と、支軸(図示せず)を介して基部6に回動可能に連結され、便器1の上面に当接可能な便座8と、支軸(図示せず)を介して基部6に回動可能に連結され、便座8および便器1の上面を閉塞可能なカバー10とを備えている。 【0016】 図2および図3を参照して、便座ユニット5の基部6は、便座ユニット固定具11によって、便器1の後部フランジ2の取付面3に固定されている。便座ユニット固定具11は、後部フランジ2のねじ挿通孔4の数に対応する数だけ(例えば2つ)設けられている。各便座ユニット固定具11は、基端部としての第1の端部12および先端部としての第2の端部13を有する長尺のねじ軸14と、後部フランジ2の底面に配置されてねじ軸14の第2の端部13に嵌合する筒状体15とを備えている。 【0017】 ねじ軸14のねじは、複数条ねじ(例えば、2条ねじ)により形成されている。ねじ軸14の第1の端部12には、方形薄板状の頭部16が一体に設けられている。頭部16およびねじ軸14の外周部は、ポリプロピレンやポリアミド等の合成樹脂によって形成されており、ねじ軸14が便器1に衝突した際に、便器1に割れ等の損傷が生じることを防止している。また、上記合成樹脂の内部には、補強部材としての金属棒17が挿入されている。金属棒17の材料として、ステンレス材や、表面にクロームメッキ処理を施した金属を例示することができる。なお、ねじ軸14および頭部16を上記の合成樹脂のみで形成して、金属棒17を用いない構成としてもよい。 【0018】 ねじ軸14は、第1の端部12が便座ユニット5の基部6に固定されると共に、大部分が後部フランジ2のねじ挿通孔4に遊嵌されている。具体的には、便座ユニット5の基部6の背面の例えば2箇所にそれぞれ、便器1の前方に向かって延びる収容孔18と、収容孔18の周縁の下部の一部を切り欠いて形成された挿通溝19とが設けられている。 各収容孔18には、対応するねじ軸14の頭部16が収容されており、各ねじ軸14は、対応する挿通溝19およびパッキン20の長孔を通り、ねじ挿通孔4に向けて延びている。これにより、ねじ軸14を挿通溝19に対して前後に移動させて、便器1に対する便座ユニット5の前後位置を調整でき、また各ねじ軸14の頭部16と対応する収容孔18の下部の周縁との当接により各ねじ軸14が基部6から抜けることを防止している。ねじ軸14の頭部16は、その角部が収容孔18の周面に当接して回動が規制されている。ねじ軸14の第2の端部13は、後部フランジ2のねじ挿通孔4の底面から突出している。 【0019】 後部フランジ2のねじ挿通孔4の内径は、ねじ軸14の外径よりも大きくされており、各ねじ軸14と対応するねじ挿通孔4の周面とが互いに接触しないようになっている。 図4(a)は、筒状体15の平面図、図4(b)は筒状体15の一部断面側面図、図4(c)は、筒状体15の底面図である。 図3および図4(b)を参照して、筒状体15は、対応するねじ軸14の第2の端部13と結合して、便座ユニット5の基部6および便器1の後部フランジ2を締結するためのものであり、全体が単一の部材としての熱可塑性エラストマーにより一体に形成されている。なお、以下では、各筒状体15の構成は同様であるので、一方の筒状体15のみについて説明する。 【0020】 筒状体15に用いる熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを例示することができる。ポリウレタン系エラストマーとしては、ポリエーテル系エラストマー、ポリエステル系エラストマーを例示することができる。さらに、筒状体15に用いる材料として、D硬度45〜65を有していることが、耐久性等の点で好ましい。 【0021】 筒状体15の外周には、工具係合部21、テーパ状部22およびこれら工具係合部21とテーパ状部22とを互いに接続する接続部23が設けられている。図4(a)および図4(b)に示すように、テーパ状部22は、筒状体15の一端部から中間部にかけて形成されており、その基端部と先端部とが互いに同心である。側面視において、このテーパ状部22は、一定の傾斜角を有しており、筒状体15の軸方向一端部に向かうにつれて外径が小さくなる先細りテーパ状をなしている。 【0022】 図4(b)に示すように、接続部23は、筒状体15の中間部に形成されており、テーパ状部22の基端部と連なっている。この接続部23は、テーパ状部22の基端部と同径の円筒面からなる。 図4(b)および図4(c)に示すように、工具係合部21は、筒状体15の中間部から他端部にかけて形成されており、接続部23と連なっている。すなわち、工具係合部21とテーパ状部22とは、接続部23を介して互いに連なっている。この工具係合部21は、円筒部25と、円筒部25の外周面に円周等配に設けられる複数個(本実施の形態では、4個)の突起部26とを有している。 【0023】 円筒部25は、接続部23の一端においてこの接続部23と直交する段部24から軸方向一方に延びている。この円筒部25は、接続部23の外径よりも小径で且つ接続部23と同心に形成されている。 各突起部26は、板状に形成されており、段部24から軸方向一方に円筒部25と同じ長さだけ延びている。また、筒状体15の径方向に関する各突起部26の外側面は、接続部23と面一に形成されている。これにより、各突起部26に例えばボックスレンチ等からなる工具27(図4(c)において、一部を2点鎖線で図示)を係合して、筒状体15を回転させることができる。また、各突起部26は、段部24および円筒部25の両方と接続されており、工具27から各突起部26に付与されるトルクが筒状体15全体に確実に伝達されるようになっている。 【0024】 図3および図4(b)を参照して、筒状体15には、ねじ軸14を挿通可能な中心孔28が形成されている。中心孔28は、工具係合部21の円筒部25と同心に配置され、筒状体15を貫通している。この中心孔28は、ねじ軸14に結合されるねじ無し孔29と、テーパ状部22の少なくとも一部に対応し、ねじ軸を導入するための大径孔30とを含んでいる。 【0025】 大径孔30は、筒状体15の一端部に形成されており、テーパ状部22の先端から基端部に向けて延びている。筒状体15の軸方向に関して、大径孔30は、テーパ状部22の長さよりも若干短く形成されている。大径孔30の内径は、ねじ軸14の外径よりも大きくされており、ねじ軸14を容易に挿通できるようになっている。また、大径孔30の内径とテーパ状部22の先端部の外径とは概ね等しくされており、これにより、テーパ状部22の先端部が薄肉にされて弾性変形し易くなっている。 【0026】 筒状体15の軸方向に関して、ねじ無し孔29は、テーパ状部22の途中部から工具係合部21の円筒部25に向けて延びている。大径孔30とねじ無し孔29とは、すり鉢状の調心部36を介して互いに滑らかに連なっている。これにより、ねじ軸14の第2の端部13は、大径孔30からねじ無し孔29に通される際、調心部36に当接してねじ無し孔29と心合わせされる。このねじ無し孔29は、内面がねじ山を設けない面からなり、自由状態(筒状体15がねじ軸14に嵌合していない状態)における内径が、ねじ軸14のねじ山の外径よりも小さく、且つこのねじ山の内径より大きくされている。 【0027】 以上の構成を有する筒状体15は、下記のようにしてねじ軸14と結合される。すなわち、筒状体15は、その大径孔30からねじ軸14の第2の端部13が挿通され、この第2の端部13がねじ無し孔29に当接した時点から、工具27等を用いてねじ軸14に対して回転される。これにより、筒状体15のねじ無し孔29にねじ軸14が嵌合され、ねじ無し孔29の内面が弾性変形してねじ軸14のねじ山に係合するねじ溝が形成され、筒状体15とねじ軸14との結合が達成される。 【0028】 筒状体15は、さらに、ねじ軸14に対して回転されて後部フランジ2のねじ挿通孔4の周縁31に向けて上側に進み、テーパ状部22の一部(先端部)がねじ挿通孔4に押し込まれてその周縁31に締め付けられる。 以上の次第で、本実施の形態によれば、各筒状体15のテーパ状部22が、後部フランジ2の対応するねじ挿通孔4に押し込まれてこのねじ挿通孔4とねじ軸14との隙間を詰めることで、便座ユニット5の位置ずれを防止できる。また、熱可塑性エラストマーで形成されるねじ無し孔29が、ねじ軸14の外形にぴったりと合うねじ孔に変形してねじ軸14と係合するので、ねじ軸14の緩みを確実に防止することができる。しかも、後部フランジ2の底面からねじ軸14に取り付ける部品が筒状体15のみでよく、トイレの壁に取り囲まれた比較的狭い場所で作業する場合でも、便座ユニット5の固定にかかる手間を格段に低減することができる。さらに、筒状体15をねじ軸14に取り付ける際に、大径孔30にねじ軸14を挿通することで、ねじ軸14の筒状体15への導入を容易に達成できる。 【0029】 また、ねじ軸14のねじに複数条ねじを用いることで、筒状体15がねじ軸14に対して一回転したときの筒状体15の移動量(リード)を、格段に多くすることができる。その結果、便座ユニット5を固定するために筒状体15を回す回数をより少なくでき、便座ユニット5の固定作業をより容易に行うことができる。さらに、筒状体15を単一の材料で一体に形成することで、筒状体15の強度を十分に確保できる。 【0030】 図5(a)は、本発明の他の実施の形態にかかる筒状体32の一部断面側面図であり、図5(b)は、筒状体32の底面図である。なお、以下では、図4(b)に示す実施の形態と異なる点について説明し、同様の構成については図に同一の符号を付してその説明を省略する。図5(a)および図5(b)を参照して、本実施の形態の特徴とするところは、筒状体32が、少なくともねじ無し孔29を含む熱可塑性エラストマーからなる第1の部分33と、第1の部分33の少なくとも一部が埋設固定された第2の部分34とを含む一体の部材からなる点にある。 【0031】 第1の部分33は、筒状体15(図3参照)に用いられる熱可塑性エラストマーと同様の材料により例えば筒状に形成されており、内面がねじ無し孔29とされている。 再び図5(a)および図5(b)を参照して、第2の部分34は、例えば合成樹脂により形成されている。この合成樹脂として、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂を例示することができる。 【0032】 第2の部分34の段部24には、収容凹部35が形成されており、第1の部分33の一部が収容されている。第1の部分33のうち、収容凹部35から突出する部分の外周は、工具係合部21の円筒部25とされている。 第1の部分33と第2の部分34との相互の結合は、例えば、第2の部分34の樹脂成形時に第1の部分33がインサートされることで達成されてもよいし、2色成形により両者が一括して形成されることで達成されてもよいし、第2の部分34の収容凹部35に第1の部分33を圧入することで達成されてもよいし、接着剤を用いて達成されてもよい。 【0033】 この場合、工具係合部21の突起部26を合成樹脂により形成して十分な剛性をもたることができ、工具27を係合させたときの節度感をより高めることができる。また、第2の部分34を熱可塑性エラストマー以外の材料で形成することができ、筒状体32に用いる材料の自由度をより高くすることができる。 本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、図5(a)に示す実施の形態において、筒状体32の工具係合部21の円筒部25を第2の部材34で形成し、ねじ無し孔29のみを第1の部分33で形成してもよい。また、図6に示すように、工具係合部21およびその近傍のみを第2の部分34で形成し、ねじ無し孔29を含む残りの部分を第1の部分33で形成してもよい。 【0034】 さらに、上記各実施の形態において、ねじ軸14のねじの条数は、3以上でもよい。また、大径孔30を、テーパ状部22の軸方向全域に亘って形成してもよいし、テーパ状部22の軸方向長さより長く形成してもよい。さらに、筒状体15,32の工具係合部21の突起部26の数は2個、3個または5個以上でもよい。また、工具係合部21を断面多角形形状に形成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】本発明の一実施の形態にかかる便座ユニット固定具によって便座ユニットが固定された洋式便器の模式的な側面図である。 【図2】図1の便座ユニット固定具、便座ユニットおよび洋式便器の一部分解斜視図である。 【図3】図1の便座ユニット固定具周辺の一部断面図である。 【図4】(a)は、筒状体の平面図、(b)は筒状体の一部断面側面図、(c)は、筒状体の底面図である。 【図5】(a)は、本発明の他の実施の形態にかかる筒状体の一部断面側面図であり、(b)は、筒状体の底面図である。 【図6】本発明のさらに他の実施の形態にかかる筒状体の一部断面側面図である。 【符号の説明】 【0036】 1 便器 2 後部フランジ 3 取付面 4 ねじ挿通孔 5 便座ユニット 6 基部 11 便座ユニット固定具 12 第1の端部 13 第2の端部 14 ねじ軸 15 筒状体 21 工具係合部 22 テーパ状部 28 中心孔 29 ねじ無し孔 30 大径孔 32 筒状体 33 第1の部分 34 第2の部分
|
| 【出願人】 |
【識別番号】502325661 【氏名又は名称】青山金属工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区関目6丁目7番31号
|
| 【出願日】 |
平成16年3月12日(2004.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087701 【弁理士】 【氏名又は名称】稲岡 耕作
【識別番号】100101328 【弁理士】 【氏名又は名称】川崎 実夫
|
| 【公開番号】 |
特開2005−253794(P2005−253794A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月22日(2005.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−71501(P2004−71501) |
|