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【発明の名称】 浴室内の洗浄方法
【発明者】 【氏名】小泉 茂
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】市川 真
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【氏名】田能村 真里
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内

【要約】 【課題】浴槽面、その他の浴室付帯設備の汚垢を効率よく洗浄し、その作業の手間や労力を低減することができる浴室内の洗浄方法を提供すること。

【解決手段】本発明の浴室内の洗浄方法は、10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa〜1.7MPaの範囲の圧力を、吹き掛け液によって与えることのできる液吐出手段で界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液を浴槽及び/又は浴室付帯設備に吹き掛けることを特徴とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa〜1.7MPaの範囲の圧力を、吹き掛け液によって与えることのできる液吐出手段で界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液を浴槽及び/又は浴室付帯設備に吹き掛けて洗浄を行う浴室内の洗浄方法。
【請求項2】
上記液吐出手段における吐出ノズル孔の吐出口の総面積が0.1mm2以上である請求項1記載の浴室内の洗浄方法。
【請求項3】
上記吐出ノズル孔の個々の吐出口の吹き掛け液は、10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa以上の圧力を与えることができるものである請求項2記載の浴室内の洗浄方法。
【請求項4】
上記界面活性剤及びキレート剤は液溶解可能な固形洗剤に含まれ、該固形洗剤を上記液吐出手段における吐出ノズル孔までに至る吹き掛け液の流路に配してなる請求項1〜3の何れかに記載の浴室用の洗浄方法。
【請求項5】
上記界面活性剤及びキレート剤は液体洗剤に含まれ、該液体洗剤の供給口を上記液吐出手段における吐出ノズル孔までに至る吹き掛け液の流路に配してなる請求項1〜3の何れかに記載の浴室内の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽及び浴室付帯設備を清掃洗浄する浴室内の洗浄方法に関するものであり、より詳細には、水道等を利用した所定性能を有する液吐出手段で、洗浄効果の高い洗浄液を被洗浄面に吹き掛けることで汚れを落とす浴室内の洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浴室掃除は、屈み、中腰、しゃがみ等の姿勢が多く強いられ苦痛であり、床面が濡れていると転倒等の危険がある。また、浴槽掃除では浴槽外部から洗浄する場合上半身を深く前屈しなければならない。浴槽内部に入って掃除する場合、裸足になるか靴を履く必要がある。このように浴室掃除は身体的苦痛や面倒くささが存在し、各種清掃補助手段が提案されている。洗剤とスポンジを用いて多くの家庭で掃除がされているが、スポンジに柄が付いた掃除姿勢が楽になるものが提案されている。しかしながら、洗浄対象面(被洗浄面)に力が十分に伝達せず、洗浄力が不足したり、浴槽手前面では反って柄を持つことで清掃行為自体を困難にしている。
【0003】
従来の清掃方法から脱した新たな清掃方法として水流を活用した洗浄方法がいくつか提案されている。例えば、薬剤を含む水またはお湯を吐出可能である吐水装置が提案され、その吐出装置で薬剤を界面活性剤に代えることで浴槽の洗浄ができることを提案している(例えば、特許文献1を参照。)。液体洗剤を吸引して水と混合する吸引混合機構を有し、その洗浄液をシャワーヘッドより出して洗浄をするシャワーヘッドが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。また、浴槽洗浄用途に使用するものではないが、それぞれ洗浄液を吹き掛けて吐出する為の機構を有するシャワーヘッドが提案されている(例えば、特許文献3及び4を参照)。これらはシャワーヘッド、洗浄剤導入機構について記載されるが、その洗浄効果は示されていない。
【0004】
上記各先行技術によれば、シャワー装置より吐出される水流に洗剤が供給され洗浄液がシャワー装置より吐出されれば身体や頭髪、浴槽などが洗浄可能であるとしている。しかしながら、前述の先行特許技術において洗浄作業を行う場合、界面活性剤を浴槽洗浄用途に用いているが、洗浄剤として界面活性剤のみでは十分な洗浄効果は得られない。また液体洗剤を用いているが、洗剤が規定されてなく、汚垢に対する水圧も規定されていない。このため、洗剤と水を混合した洗浄液を掛けるだけの洗浄効果に留まる。また、浴室・浴槽洗浄用途ではなく身体・頭髪洗浄用としているため、浴室や浴槽に対する洗浄力は期待できない。
【0005】
このように、洗剤と水を混合し洗浄液として吐出することで洗浄をする手段は手間や労力の低減、利便性の向上は図られているが、現在まで浴槽および浴室付帯設備の汚れを充分に洗浄できない。
【特許文献1】特開2000−301031号公報
【特許文献2】特開平11−169751号公報
【特許文献3】特開平10−252121号公報
【特許文献4】特開平6−209873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は上記課題に鑑み、浴槽面、その他の浴室付帯設備の汚垢を効率よく洗浄し、その作業の手間や労力を低減することができる浴室内の洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa〜1.7MPaの範囲で圧力を与えることのできる液吐出手段で界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液を浴槽及び/又は浴室付帯設備に吹き掛けると、浴槽面、その他の浴室付帯設備の汚垢を効率よく確実に洗浄でき、その浴室内での作業の手間や労力を低減することができることを見出し、本発明に至ってものである。
即ち、本発明の浴室内の洗浄方法は以下の構成、又は構造を有することを特徴とするものである。
【0008】
(1).10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa〜1.7MPaの範囲の圧力を、吹き掛け液によって与えることのできる液吐出手段で界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液を浴槽及び/又は浴室付帯設備に吹き掛けて洗浄を行う浴室内の洗浄方法。
【0009】
(2).上記液吐出手段における吐出ノズル孔の吐出口の総面積が0.1mm2以上である上記(1)記載の浴室内の洗浄方法。
(3).上記吐出ノズル孔の個々の吐出口の吹き掛け液は、10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa以上の圧力を与えることができるものである上記(2)の浴室内の洗浄方法。
【0010】
(4).上記界面活性剤及びキレート剤は液溶解可能な固形洗剤に含まれ、該固形洗剤を上記液吐出手段における吐出ノズルまでに至る吹き掛け液の流路に配してなる上記(1)〜(3)の何れかに記載の浴室用の洗浄方法。
(5).上記界面活性剤及びキレート剤は液体洗剤に含まれ、該液体洗剤の供給口を上記液吐出手段における吐出ノズルまでに至る吹き掛け液の流路に配してなる上記(1)〜(3)の何れかに記載の浴室内の洗浄方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の浴室内の洗浄方法によれば、従来の掃除方法に比べ、シャワー装置等の液吐出手段より出る洗浄液を浴槽内や付帯設備等の被洗浄面に吹き掛けるだけの極めて簡単な操作で済む。掃除行動時の無理な体勢がなく、安全に清掃が完了できる。一般的に家庭に存在する吐出手段(いわゆるシャワー装置)を利用することができるので、大掛かりな改築や入浴行動を邪魔するような場所を占拠することなく利用者にとって負担が少ない。界面活性剤だけでなくキレート剤を洗浄液の必須成分としているためシャワー装置等の吐出手段にて十分な洗浄効果を発揮する。即ち、適度なシャワー水圧や水流量、及び界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗剤を組み合わせることで初めて効果的な洗浄ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る浴室内の洗浄方法の最良の形態を、図面を参照しながら詳説する。尚、本発明の浴室内の洗浄方法は以下の形態に限るものではない。
図1は、本発明に係る浴室内の洗浄方法に使用されるシャワー装置(吐出手段)の一部を切り欠いて断面を示した斜視図である。
図2は、本発明に係る浴室内の洗浄方法に使用されるシャワー装置及び別に洗剤の収容部が設けた吐出手段の図である。
図3(a)〜(c)は、本発明に係る浴室内の洗浄方法に使用されるシャワー装置(吐出手段)の斜視図、(a)のA−A線に沿った断面図、及び別の態様を示すシャワー装置の斜視図である。
図4(a)及び(b)は、図1〜図3のシャワー装置に使用される吐出部の平面図、及び吐出部から吐出態様を示す斜視図である。
図5は、本発明に係る浴室内の洗浄方法の実施例に使用されるシャワー装置(吐出手段)の概略図である。
【0013】
本発明の浴室内の洗浄方法は、図1〜図5に示すように、10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa〜1.7MPaの範囲の圧力を吹き掛け液で与えることのできるシャワー装置(液吐出手段)1、10、20、31、40で界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液を浴槽及び/又は浴室付帯設備に吹き掛けて洗浄を行うものである。また、上記シャワー装置ヘッド液吐出手段が10cmの距離をおいて吹き掛け面に98Pa以上の圧力を与えることのできる吐出口の総面積が0.1mm以上の吐出部(複数の吐出孔aの総面積)2を有することが好ましい。
【0014】
先ず、本発明の浴室内の洗浄方法に使用するシャワー装置の各態様について説明する。
図1に示すシャワー装置1は、握り本体の先端に吐出部2が形成され、アダプター6を介して供給ホース5が握り本体に接続されている。握り本体は中空に形成され、そのチャンバー3は供給ホース5内と連通されると共に吐出部2の吐出孔aと連通している。また、本体チャンバー3には固形の洗剤4が収容され、固形洗剤4は後述するように界面活性剤とキレート剤とを必須成分とするものである。従って、供給ホース5から供給された液体(水)は固形洗剤4の一部を溶解した後に洗浄液となり、上述したように吐出部2の吐出孔aから上述の条件の下で噴射される。尚、上述の条件を満たす限り、供給ホース5は水道管等に直接取り付けても良い。
【0015】
図2に示すシャワー装置10は、図1に示すシャワー装置1とほぼ同様な構造を採るが、シャワー装置10にはその握り本体内に固形洗剤4は収容されていない。
図2に示すように供給ホース5はホース11と連結され、ホース11は収納ボックス12の底部で連結される。収納ボックス12の上蓋には供給パイプ14が連結される。収納ボックス12内にはボックス内より一回り小径な固形洗剤4が収納されている。供給パイプ14からの液体(水)は収納ボックス12内に導入され、固形洗剤4の一部を溶解した後に洗浄液として、ホース11、供給ホース5を流通してシャワー装置10の握り本体内に導入される。そして、上述したように吐出部2の吐出孔aから上述の条件の下で噴射される。尚、上述の条件を満たす限り、供給パイプ5は水道管等に直接取り付けても良い。
【0016】
図3に示すシャワー装置20は、図1に示すシャワー装置1とほぼ同様な形状を採るが、シャワー装置20にはその握り本体内に界面活性剤及びキレート剤を含む液体洗剤25が収容される。
図3(b)に示すシャワー装置20の握り本体の外面には押ボタン21が設けられ、押ボタン21は握り本体内の押圧センサ22と接触している。押圧センサ22はリード線30を介して供給管28の開閉弁29に信号を送信している。押圧センサ22が押ボタン21からの押圧付勢を検知したとき、開閉弁29に信号を送信してその弁を解放する。
また、シャワー装置20の握り本体内には液体洗剤25の収容室24が設けられ、収容室24の底面には上記供給管28が取り付けられる。また、供給管28の液供給口は、供給ホース5内と吐出部2の吐出孔aとを連通させる本体内の通路26に突き出ている。また、供給管28の液供給口の近傍の通路を狭くするための絞り材27が設けられる。これにより、所定の速度で液が通路26を流れ、押ボタン21により開閉弁29を解放すると、その液流により生じる供給管28の供給口に負圧が生じ、その負圧により液体洗剤25が所定量分だけ通路26に流れ出る。
更に、図3(c)に示すシャワー装置31のように、図3(b)と同様な押ボタン33及び液体洗剤の収容部32を供給ホース5と34との間に設けても良い。
尚、図3に示すシャワー装置20、31は、押ボタン21、33によって液体洗剤25を通路26に注入できるようにしたが、このようなボタンを設けずに、自動的に一定量の液体洗剤25が供給管28から注入されるようにしても良い。
【0017】
図1〜図3に示すシャワー装置1、10、20、及び31では、吐出部2での吐出面をほぼ円形状としたが、図4(a)示す吐出面2’のように楕円形状としても良い。また、吐出部2のノズル孔aは単一孔でも良く、3個、4個、6個、それ以上の複数孔としても良い。好ましくは1〜144個の範囲、特に好ましくは、1〜69個の範囲とすると良い。更にそのノズル孔aの配置は図4(a)に示すように多様な位置に配することができ、また、ノズル孔aの吐出口の形状は円形に限らず、図4(b)に示すように三角形、正方形、長方形、その他の形状であっても良い。更に、図4(c)に示すように吐出部2の面に対してストレートに液を噴射するようにしても良く、また拡散するように液を噴射しても良い。
【0018】
上記ノズル孔aにおける吐出口総面積は0.1mm2以上、好ましくは0.1〜180mm2の範囲にあると良い。このノズル孔aの吐出口を有するシャワー装置1、10、20、31より、後述する界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液をノズル孔aの吐出口と吹き掛け面(又は被洗浄面)の距離が10cmになるようにした時、98Pa〜1.7Mpaの範囲で圧力を与えることで洗浄を十分に達成することができる。
【0019】
吐出口総面積に関しては、0.1mm2未満では洗浄時間が長く掛かるので0.1mm2以上が望ましいが、より良くは0.46〜32.6mm2がよい。さらには2〜10mm2がよい。また、10cmはなれた被洗浄面に対しての圧力に関しては、洗浄力の点で98Pa以上が望ましく、圧力はより高いほど良いが、強すぎると洗浄液がはね返り、服などを濡らしたり目に入る危険性があり、1.7MPa以下が望ましい。より良くは540Pa〜98kPa、さらには540Pa〜20kPaの範囲が良い。
【0020】
本発明に用いる固形洗剤4又は液体洗剤25の界面活性剤は、皮脂汚れ等に対して、効果的な洗浄力を発揮せしめるために使用するものである。本発明に用いることができる代表的な界面活性剤を下記(1)〜(4)に具体的に例示する。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
(1)陰イオン性界面活性剤:アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩等が挙げられ、これら陰イオン性界面活性剤の対イオン(陽イオン)は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルカノールアミンイオン、アンモニウムイオン等である。
【0021】
(2)陽イオン性界面活性剤:アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンザルコニウム塩、アルキルベンゼトニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩等が挙げられ、これらの陽イオン性界面活性剤の対イオン(陰イオン)は、ハロゲンイオン等である。
(3)両性界面活性剤:アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
(4)非イオン性界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、アミドアミンオキサイド等が挙げられる。
これらの界面活性剤の疎水基の炭素鎖長は、C8〜C22が好ましく、より好ましくはC10〜C18である。
【0022】
これらの界面活性剤の含有量は、洗剤全量に対して、0.01〜15質量%(以下、「%」と略する)とすることが好ましく、更に好ましくは、0.1〜10%とすることが望ましい。これらの界面活性剤の含有量が0.01%未満であると、洗浄力が充分でなくなり、また、15%を越えると、それ以上の効果が得られず、経済的でなく、好ましくない。
【0023】
また、キレート剤は、複合した石鹸カス汚れ等に対して優れた洗浄性能を発揮せしめるものである。本発明に用いるキレート剤の具体例としては、金属イオン封鎖剤又はその塩が使用される。金属イオン封鎖剤としては、通常使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、有機カルボン酸類、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、ホスホノカルボン酸類、リン酸類等が挙げられる。有機カルボン酸類としては、酢酸、アジピン酸、モノクロル酢酸、シュウ酸、コハク酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸等、またグリコール酸、ジグリコール酸、乳酸、酒石酸、カルボキシメチル酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸物質を挙げることができる。アミノカルボン酸類としては、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミノペンタ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、エチレングリコールジエーテルジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸、ジエンコル酸等を挙げることができる。ホスホン酸類としては、エタン−1、1−ジホスホン酸、エタン−1、1、2−トリホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸およびその誘導体、1−ヒドロキシエタン−1、1、2−トリホスホン酸、エタン−1、2−ジカルボキシ−1、2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等を挙げることができる。ホスホノカルボン酸類としては、2−ホスホノブタン−1、2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2、3、4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等を挙げることができる。リン酸類としては、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸等の縮合リン酸等を挙げることができる。これら金属イオン封鎖剤は、酸の形でも使用可能であるし、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属との塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンとの塩等、塩基性物質との塩の形で使用することも可能である。これらのキレート剤は、単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
これらのキレート剤の含有量は、洗剤全量に対して、0.01〜15%とすることが好ましく、更に好ましくは、1〜10%とすることが望ましい。これらのキレート剤の含有量が0.01%未満であると、洗浄力が充分でなくなり、また、15%を越えると、それ以上の効果が得られず、経済的でなく、好ましくない。
液体洗剤25に使用する溶剤の具体例としては、特に制限されないが、例えば、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、プロピレングリコ−ルジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコ−ルジエチレングリコ−ルモノイソブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルエチレングリコ−ルモノイソブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノ−s−ブチルエ−テル、プロピレングリコ−ルジエチレングリコ−ルモノ−s−ブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルエチレングリコ−ルモノ−s−ブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノ−t−ブチルエ−テル、プロピレングリコ−ルジエチレングリコ−ルモノ−t−ブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルエチレングリコ−ルモノ−t−ブチルエ−テル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノシクロペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノシクロペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールプロピレングリコールモノシクロペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ヘキサエチレングリコールプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ(1,3−ジメチルブチル)エーテル、テトラエチレングリコールモノ(1,3−ジメチルブチル)エーテル、ペンタエチレングリコールモノ(1,3−ジメチルブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールプロピレングリコールモノ(1,3−ジメチルブチル)エーテル、トリエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ヘキサエチレングリコールプロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ヘプタエチレングリコールプロピレングリコールモノヘプチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ヘプタエチレングリコールプロピレングリコールモノイソヘプチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ(3−メチルーヘキシル)エーテル、ペンタエチレングリコールモノ(3−メチルーヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールモノ(3−メチルーヘキシル)エーテル、ヘプタエチレングリコールプロピレングリコールモノ(3−メチルーヘキシル)エーテル、テトラエチレングリコールモノ(5−メチルーヘキシル)エーテル、ペンタエチレングリコールモノ(5−メチルーヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールモノ(5−メチルーヘキシル)エーテル、ヘプタエチレングリコールプロピレングリコールモノ(5−メチルーヘキシル)エーテル、テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノオクチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノオクチルエーテル、オクタエチレングリコールプロピレングリコールモノオクチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ(1−メチルヘプチル)エーテル、ペンタエチレングリコールモノ(1−メチルヘプチル)エーテル、ヘキサエチレングリコールモノ(1−メチルヘプチル)エーテル、オクタエチレングリコールプロピレングリコールモノ(1−メチルヘプチル)エーテル、テトラエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、ペンタエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、オクタエチレングリコールプロピレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、ジエチレングリコ−ルモノフェニルエ−テル、トリエチレングリコ−ルモノフェニルエ−テル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で、または、2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
これらの溶剤の含有量は、洗剤全量に対して、0.1〜30%とすることが好ましく、更に好ましくは、1〜20%とすることが望ましい。これらの溶剤の含有量が0.1%未満であると、洗浄力が充分でなくなり、また、30%を越えると、それ以上の効果が得られず、経済的でなく、好ましくない。
【0026】
更に、本発明の洗剤4、25には、本発明の効果を損なわない範囲で、その目的や用途に応じて、種々の任意成分を含有することが可能である。用いることができる任意成分としては、安息香酸塩などの芳香族カルボン酸や、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸などに代表される芳香族スルホン酸などのハイドロトロープ剤も好適に含有することができる。また、エタノール、種々の香料変性エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシレングリコールなどの水溶性溶剤も好適に含有することができる。更に、防汚効果を発揮する高分子化合物、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、除菌剤、pH調整剤なども好適に含有することができる。また、本発明の洗剤は、複合した石鹸カス汚れ等に有効に洗浄効果を発揮せしめる点等から、組成物中に含有するキレート剤の解離平衡定数による至適pHに設定することが必要であり、pHを2.0〜10.0とすることが望ましい。
【0027】
このような洗浄液及び吐出手段を使用する本発明の浴室内の洗浄方法にあっては、そのシャワー装置の上記範囲での圧力調整をしながら被洗浄面に対して3〜80cmの範囲、更には5〜30cmの範囲の距離をおいて洗浄することが良い。上記範囲未満の距離では洗浄面積が狭くなり、上記範囲を超える距離では、吹き掛け圧が上記範囲を下回って来るおそれがあり、十分に洗浄されない部分が生じるおそれがある。
【0028】
本発明の浴室内の洗浄方法にあっては洗浄機能を有する流体は家庭の浴室に存在するいわゆるシャワー装置を利用する形態を採ることができるが、シャワー装置でなくとも薬剤散布装置(蓄圧式農薬散布装置など)やスプレー(洗剤等霧状・泡状に吐出させるトリガースプレーや洗浄剤散布装置など)でも構わない。また、洗浄機能を有する流体は供給される流体自体の勢いで吐出させても電動または手動ポンプを用いて吐出させても良い。
【実施例】
【0029】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<モデル汚垢板の作成>
下記表1に記載の組成物を使用し、以下の操作にしたがってモデル汚垢板を作成した。1.テストピース(FRP板)を10枚スライドガラス立てに立て掛け、2L容のモデル浴槽内に置く。
2.モデル汚垢A成分を強攪拌して分散させた42℃水溶液1Lをモデル浴槽に投入し、その後モデル汚垢B成分を投入。
3.スライドガラス立てに立て掛けられたテストピースをスライドガラス立てと一緒に手で5分程度振盪し、モデル汚垢をテストピースに付着させる。
4.空気中に一晩放置した汚垢板を評価用に使用する。
【0030】
【表1】


【0031】
(実施例1〜6及び比較例1〜7)
<洗浄力評価方法>
種々の孔数・面積を備えた各種吐出部の接続された液体循環ポンプ(三相電機株式会社製PMD−611B)に下記表2に示した組成の各種洗剤の20%水溶液を供給し、吐出部より出る吐出液を10cmの距離から垂直にモデル汚垢板に5秒間吹き掛け、引き続き水道水により10秒間すすいだ。その後水滴を充分振り落として水洗後モデル汚垢板表面の汚れの除去状態を下記の評価基準で目視評価した。
評価基準:5点:汚れがすべて落ちている。4点:汚れがかなり落ちている。3点:汚れが半分以上落ちているが残っている部分がある。2点:汚れがあまり落ちていない。1点:汚れがほとんど落ちない。
この評価基準において、3点以上であれば洗浄能力があると判断した。
【0032】
<浴槽内部を洗浄する場合の簡便さの評価>
洗浄方法の違いによる洗浄力以外の掃除行動における利便性の指標として、使用時の疲労の無さ、洗浄液のはね返り等の使用性が挙げられる。
以下の評価法にて浴槽内部を洗浄する場合の簡便さ評価を行った。すなわち、パネル10名を用いて、FRP浴槽内部をスポンジ、柄付きスポンジ、水流洗浄のそれぞれの手段で掃除してもらった。掃除方法は、スポンジおよび柄付きスポンジでは市販の風呂用洗剤(ライオン(株)製ルックおふろの洗剤)を浴槽全体に適量掛け、スポンジおよび柄付きスポンジを水道水で濡らした物で浴槽内部をこすって掃除してもらった。水流洗浄では、先に述べた洗浄力評価方法に記載した方法で行なってもらった。清掃行動終了後、官能で以下の基準に従い評価してもらった。
洗浄時の疲労の無さとして以下の基準で判断した。
×…疲れる
△…どちらともいえない
○…疲れない。
表2に、洗剤の組成を種々組み合わせて洗浄力を検討した結果を示す。また、表2にあっては洗剤の原液組成(評価には5倍に希釈した洗浄液を使用)と洗浄力を示した。また、その洗浄方法による使用性を下記表3に示した。
【0033】
【表2】


【0034】
【表3】


【0035】
結果を表2および表3に示す。従来のスポンジを用いた方法では洗浄力は満足いくものであるが、すでに記述しているとおり掃除の手軽さ、姿勢の楽さ、疲労の無さといった洗浄の簡便さの面で満足のいかないものである。また、柄付スポンジを用いた方法では洗浄の簡便さを多少改善してはいるが、かえって掃除しにくい場面や力の伝達の不十分さから、洗浄力を弱めてしまっている。本発明で使用する洗浄液では洗浄力を十分に得ることができるが、従来の界面活性剤(例えば、特開2000−301031号公報に示されている界面活性剤)を用いただけの洗浄では、洗浄力を十分に得ることができない。上記結果より、洗浄液として界面活性剤とキレート剤の組合せ、更には界面活性剤とキレート剤と溶剤の組合せがシャワーを用いた洗浄に効果があることを見出した。
【0036】
(実施例7〜16、比較例8、9)
実施例1〜6で示した洗浄力評価方法を用いて、吐出部におけるノズル孔数、孔の総吐出口面積を種々変えた場合の洗浄力を検討した。また、使用性として洗浄時の疲労の無さに加え、洗浄液のはね返りも検討した。評価基準は○:はね返りはない、×:はね返りがある。なお、洗浄液は表2にある実施例1を用いることとした。表中の水圧は汚垢板より10cmの距離から吐出口より洗浄液を吐出させたときの1cm四方の目標にあたる圧力を示している。吐出口面積は吐出部に存在するノズル孔の吐出口の総面積である。また、比較例9においては液体供給ポンプをサンフィールド貿易株式会社製SFJ−002パワージェットを用いた。表4に種々の吐出部による洗浄力評価を行った。
【0037】
【表4】


【0038】
表4の結果にあるように、汚垢にあたる水圧が98〜98kPaの範囲のときに本発明が示すように洗浄効果が発揮される。また表4の比較例9にあるように1.73MPaにおいても洗浄力は十分であるが、洗浄液のはね返りがあるため服を着ての洗浄では濡れる等の問題がある。また、実施例7〜実施例16において、吐出洗浄液流量は0.03〜22.5L/minであった。
【0039】
(実施例17)
<実家庭における実浴槽評価>
図5に示す簡易な吐出手段を用いて、上記表4の実施例10の吐出部2を備えたシャワー装置40、及び上記表2の実施例2で用いた洗剤25を用いて4家庭で実浴槽洗浄評価を行った。洗剤25の供給については、洗剤25を詰めた可撓性容器からなるカートリッジ41を逆止弁43を通して水流経路44に接続される密封槽42内に接続し、カートリッジ41を押すと一定量の洗浄剤25が逆止弁43を通して水流に流れ出る機構を採用した。
【0040】
<評価方法>
各家庭の家族(大人2名1軒、大人2名子供2名3軒)全員の入浴後、直ぐに図5に示す簡易な吐出手段を、上記条件で用いて浴槽の洗浄をしてもらった。洗浄方法および評価は、洗剤25の充填されたカートリッジ41を継続的に押しながら吐出部2を浴槽の汚れている部分に向け、洗浄してもらい、汚れ落ちを目視および手触りで総合的に評価してもらった。
4家庭における実浴槽洗浄評価の結果、3家庭において従来のスポンジを用いた洗浄と同等の洗浄力であると評価された。また、1家庭ではスポンジを用いたときと同等の洗浄力ではなかったが、ほぼ汚れは除去されたと評価された。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の浴室内の洗浄方法は、10cmの距離をおいた吹き掛け面に98Pa〜1.7MPaの範囲で圧力を与えることのできる液吐出手段で界面活性剤とキレート剤を必須成分として含有する洗浄液を浴槽及び/又は浴室付帯設備に吹き掛けると、浴槽面、その他の浴室付帯設備の汚垢を効率よく確実に洗浄でき、その浴室内での作業の手間や労力を低減することができる産業上の利用可能性のあるものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明に係る浴室内の洗浄方法に使用されるシャワー装置(吐出手段)の一部を切り欠いて断面を示した斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係る浴室内の洗浄方法に使用されるシャワー装置及び別に洗浄液の収容部が設けた吐出手段の図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明に係る浴室内の洗浄方法に使用されるシャワー装置(吐出手段)の斜視図、(a)のA−A線に沿った断面図、及び別の態様を示すシャワー装置の斜視図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、図1〜図3のシャワー装置に使用される吐出部の平面図、及び吐出部から吐出態様を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明に係る浴室内の洗浄方法の実施例に使用されるシャワー装置(吐出手段)の概略図である。
【符号の説明】
【0043】
1、10、20、31、40 シャワー装置
2吐出部
4固形洗剤
5供給ホース
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
【出願日】 平成15年12月24日(2003.12.24)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介

【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義

【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂

【公開番号】 特開2005−185352(P2005−185352A)
【公開日】 平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願番号】 特願2003−427889(P2003−427889)