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【発明の名称】 家庭用衛生薄葉紙
【発明者】 【氏名】アブドレザ ネザモルエスラミ
【住所又は居所】静岡県富士宮市野中町329番地 大宮製紙株式会社内

【氏名】平沢 朗
【住所又は居所】静岡県富士宮市野中町329番地 大宮製紙株式会社内

【氏名】大野 浩
【住所又は居所】静岡県富士宮市野中町329番地 大宮製紙株式会社内

【氏名】石川 繁夫
【住所又は居所】愛媛県伊予三島市紙屋町2番60号 大王製紙株式会社内

【要約】 【課題】坪量が高い場合であっても、柔軟で手触り感が良好でありながら、強度特性(湿潤強度、乾燥強度及び表面特性等)が良好で、かつ吸水性に優れた家庭用衛生薄葉紙を得る。

【解決手段】1枚当たりの米坪が15〜50g/mであり、かつ吸水度が0.1〜1.5秒である家庭用衛生薄葉紙とする。具体的には、フリーネス(CSF)を630cc以上、好ましくは650cc以上とし、繊維の破壊を抑え繊維間のポーラス性を確保するようにし、湿潤紙力増強剤を2.0〜20.0kg/t、カチオン系柔軟剤を0.1〜20.0kg/t添加し、かつエーテル化度0.3〜0.9のCMC(カルボキシメチルセルロース)又はその塩を0.1〜20.0kg/t添加して抄造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚当たりの米坪が15〜50g/mであり、かつ吸水度が0.1〜1.5秒であることを特徴とする家庭用衛生薄葉紙。
【請求項2】
{(湿潤紙力(縦方向)×湿潤紙力(横方向))}1/2/ソフトネスの値が100〜3000である請求項1記載の家庭用衛生薄葉紙。
【請求項3】
(湿潤紙力(縦方向)×湿潤紙力(横方向))/(乾燥紙力(縦方向)×乾燥紙力(横方向))の値が0.15〜0.25である請求項1,2いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙。
【請求項4】
乾燥紙力(縦方向)が400〜1400cN、乾燥紙力(横方向)が200〜500cNであり、湿潤紙力(縦方向)が150〜500cN、湿潤紙力(横方向)が50〜300cNである請求項1〜3いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙。
【請求項5】
摩擦係数の平均偏差(摩擦子を移動させたときの表面粗さの変動:MMD)は10.0〜20.0である請求項1〜4いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙。
【請求項6】
湿潤紙力増強剤を2.0〜20.0kg/t、カチオン系柔軟剤を0.1〜20.0kg/t添加してある請求項1〜5いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙。
【請求項7】
エーテル化度0.3〜0.9のCMC(カルボキシメチルセルロース)又はその塩を0.1〜20.0kg/t添加してある請求項1〜6いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールペーパー、ティッシュペーパー、ちり紙等の家庭用衛生薄葉紙に係り、詳しくは高米坪でありながら、柔軟で手触り感が良好で、かつ吸水性に優れるとともに、強度特性に優れた衛生薄葉紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家庭用衛生薄葉紙として、ティッシュペーパー等が市場に多く提供されている。この種の衛生薄葉紙の場合には特に、柔らかさ、手触り感が良好であると同時に、吸水性が良好であり、使用時に破れが生じない程度の紙強度が要求される。
【0003】
一般的に柔らかさ、手触り感を向上させるには、パルプスラリーに脂肪酸エステル系柔軟剤、ポリリン酸塩、ポリシロキサン、第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤などの紙用柔軟剤を添加する方法が採用され、シート強度を向上させるには、ポリアクリルアマイド、ポリアミン、エピクロロヒドリン樹脂等の紙力増強剤を添加する方法が採用されているが、前記柔らかさ、手触り感などの感触性能と、強度性能とは相反する特性であり、両者をバランス良く両立させることは難しいのが現状である。
【0004】
この課題を解決するために、例えば下記特許文献1では、パルプ成分の60重量%以上が広葉樹化学パルプからなるパルプスラリーに、対パルプ当り0.05〜0.5重量%のカチオン化変成澱粉を配合して抄紙し、次いでソフトカレンダー処理することで柔軟性、手触り感およびシート強度に優れたティッシュペーパーを得る製造方法が提案されている。また、下記特許文献2では、ヤンキー抄紙機によりリグノセルローズ繊維を原料としてティシュウエブを抄紙し、次いでヤンキー抄紙機でのオンマシンカレンダー処理及び/又はプライマシンによるカレンダー処理によってトータルで2スタック以上のソフトカレンダー処置を行い、次いで折り板方式加工機で加工することにより、製品紙箱容積基準の嵩密度が0.12g/cm以上である圧縮ティッシュペーパー束を形成し、箱詰めした2枚重ねの圧縮ティッシュペーパー製品の製造方法が提案されているが十分な効果は得られていない。
【0005】
さらに、一般家庭において、ティッシュペーパーの使用用途を改めてアンケート調査してみると、例えば風邪などの際に鼻をかんだりしたり、化粧落しなどに使用されていることはもちろんであるが、かなりの割合で、テーブルや床などにこぼした液体の拭き取りに使用されている実態が浮き彫りとなった。
【特許文献1】特開平5−76464号公報
【特許文献2】特開平10−179441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記使用用途のアンケート調査に鑑み、一般家庭におけるティッシュペーパーの強度を使用実態に沿うように上げる必要がある。さらに、ワイプとしての機能をも持たせるようにするには、ティッシュペーパーの強度を上げるとともに、液体の吸水性を向上させる必要性が生じる。これを解決する手段として米坪を上げる方法が考えられるが、単に米坪を上げるとシートは硬くなってしまい、鼻をかんだり、化粧落しなどの際に非常に使用感に支障がでるようになる。したがって、米坪を上げても、ティッシュペーパーとして十分な柔軟性と肌触り感を満足するものでなくてはならない。
【0007】
シートの柔軟性や手触り感を向上させる手段としては、前記特許文献1や特許文献2に記載された方法が存在する。しかし、これらの製造方法は、1枚当たりの米坪が11〜16g/mの一般的なティッシュペーパーに対するものであり、1枚当たりの米坪が例えば15〜50g/mとしたティッシュペーパーに適用した場合には、紙の表面において繊維同士の水素結合が弱まる傾向を示すため、ワイプとして十分な表面強度特性を得ることができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、米坪量が高い場合であっても、柔軟で手触り感が良好でありながら、強度特性(湿潤強度、乾燥強度及び表面特性等)が良好で、かつ吸水性に優れた家庭用衛生薄葉紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、1枚当たりの米坪が15〜50g/mであり、かつ吸水度が0.1〜1.5秒であることを特徴とする家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【0010】
先ず、本請求項1においては、家庭用衛生薄葉紙の抄造に当たり、1枚当たりの米坪を15〜50g/mとする際に、吸水度が0.1〜1.5秒となるように抄造条件を調整する。なお、本発明における「吸水度」は、後述する試験要領に従った試験値であり、数値が小さいほど吸収性が良好となる。従来の一般的なティッシュペーパーの吸水度は1.8〜3秒程度であり、これと比較すると、本発明に係る衛生薄葉紙の場合には、0.1〜1.5秒の吸水度となっており、テーブルや床などにこぼした液体を迅速に、かつ手際良く拭き取りできるようになっている。
【0011】
前記吸水度の制御は、種々の抄造条件を調整することにより達成することが可能である。主たる因子の一つとして、叩解フリーネス(CSF)を挙げることができる。一般的なティッシュペーパーの場合のフリーネスは600cc未満であるが、本衛生薄葉紙においては、フリーネス(CSF)を630cc以上、好ましくは650cc以上とし、繊維の破壊を抑え吸水性の向上を図るようにし、低叩解によるため強度向上が望めないデメリットは紙力増強剤の添加により補うようにする。なお、叩解フリーネスと紙をミキサーで離解した時の離解フリーネスはほぼ同等となる。また、カレンダー処理条件におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数、マシンスピードなども制御条件である。
【0012】
請求項2に係る本発明として、{(湿潤紙力(縦方向)×湿潤紙力(横方向))}1/2/ソフトネスの値が100〜3000である請求項1記載の家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【0013】
請求項3に係る本発明として、(湿潤紙力(縦方向)×湿潤紙力(横方向))/(乾燥紙力(縦方向)×乾燥紙力(横方向))の値が0.15〜0.25である請求項1,2いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【0014】
請求項4に係る本発明として、乾燥紙力(縦方向)が400〜1400cN、乾燥紙力(横方向)が200〜500cNであり、湿潤紙力(縦方向)が150〜500cN、湿潤紙力(横方向)が50〜300cNである請求項1〜3いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【0015】
請求項5に係る本発明として、摩擦係数の平均偏差(摩擦子を移動させたときの表面粗さの変動:MMD)は10.0〜20.0である請求項1〜4いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【0016】
請求項6に係る本発明として、湿潤紙力剤を2.0〜20.0kg/t、カチオン系柔軟剤を0.1〜20.0kg/t添加してある請求項1〜5いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【0017】
請求項7に係る本発明として、エーテル化度0.3〜0.9のCMC(カルボキシメチルセルロース)又はその塩を0.1〜20.0kg/t添加してある請求項1〜6いずれかに記載の家庭用衛生薄葉紙が提供される。
【発明の効果】
【0018】
上記本発明によれば、米坪量が高くても、柔軟で手触り感が良好でありながら、強度特性(湿潤強度、乾燥強度及び表面特性等)が良好で、かつ吸水性に優れた家庭用衛生薄葉紙を得ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を所定の割合で配合したパルプスラリー原料により、ロールペーパー、ティッシュペーパー、ちり紙等の家庭用衛生薄葉紙を1枚当たりの米坪が15〜50g/mとなるように抄造するに当たり、各種の操業条件を調整することにより、吸水度が0.1〜1.5秒となるように抄紙するものである。
【0020】
主原料となるパルプは、前記広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)などの化学パルプの他、古紙を脱墨処理して得られる脱墨パルプを用いてもよい。また、これらのパルプは未晒パルプ、晒パルプの状態で用いても良い。また、パルプは叩解又は未叩解の状態で用いてもよいが、フリーネス(CSF)は630cc以上、好ましくは650cc以上とし、繊維の破壊を抑え繊維間のポーラス性を確保するようにする。また、低叩解によるため紙力強度が望めない点については紙力増強剤の添加によってこれを補うようにする。また、カレンダー処理条件におけるカレンダー種別、ニップ線圧、ニップ数、マシンスピードなども制御要因として抄紙を行うようにする。具体的には、カレンダー種別はソフトカレンダー又は金属カレンダーとし、ニップ線圧は7〜30kgf/cm、ニップ数は1〜3、マシンスピードは300〜2000m/分として操業するのが望ましい。
【0021】
本発明における「吸水度」は、測定器具としてデジタルマイクロピペット、ストップウォッチ、三脚台を使用し、試料2枚重ねを一組として中央部直径40mm以上の穴のある支持台に置き、デジタルマイクロピペットに蒸留水を取り、約10mmの高さから試験片に蒸留水を1滴(0.1ml)滴下し、水滴が試験片に接触した瞬間から、水が完全に吸収されて紙表面の反射が消えるまでの時間をストップウォッチで0.01秒単位で測定する。試験は5回行い、その平均値を小数点第1位まで記録する試験要領によって得た数値とする。
【0022】
前記広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を配合する場合には、針葉樹クラフトパルプを20〜80重量%、広葉樹クラフトパルプを80〜20重量%の割合で配合するのが望ましい。この場合、本発明ではフリーネスを制限している関係上、広葉樹クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプを同量とするか、強度増加を強く望む場合は、針葉樹クラフトパルプを多く配合するようにし、柔らかさを強く望む場合には、広葉樹クラフトパルプを多く配合するようにするのが望ましい。
【0023】
本発明に係るティッシュペーパーの1枚当たりの米坪は、15〜50g/m、好ましくは18〜30g/mとされる。従来一般のティッシュペーパーの坪量は11〜16g/mであることを考慮すると、かなり厚手のものとなる。米坪が15g/m未満の場合には、拭き取りに適した十分な厚み、丈夫さが得られない。また、米坪が50g/mを超える場合には、拭き取りに適したしなやかさが得られない。このティッシュペーパーは単体シートとして、または2〜4枚重ねとして提供される。
【0024】
ティッシュペーパーの抄造に当たっては、湿潤紙力増強剤の添加により湿潤紙力の向上を図るようにする。一般紙の場合には、例えば尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等の湿潤紙力増強剤が用いられるが、ティッシュペーパーの場合には人体への影響を考慮してホルムアルデヒド樹脂は避け、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂が主として用いられる。添加量は、乾燥重量で2.0〜20.0kg/t、好ましくは2.5〜5.0kg/tとするのが望ましい。添加量が2.0kg/t未満の場合は、十分な湿潤紙力強度が得られず、20.0kg/tを超える場合にはシートが硬く成りすぎて拭取り性が低下するようになる。
【0025】
また、シートには前記湿潤紙力剤と共に、柔らかさや手触り感をもたせるために、紙用柔軟剤を添加することができる。この紙用柔軟剤としては、例えば脂肪酸エステル系柔軟剤(米国特許第3,296,065号明細書)、第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤(特開昭48−22701号公報)、ウレタンアルコール若しくはその塩、またはカチオン化物(特開昭60−139897号公報)、非陽イオン系界面活性剤(特開平2−99690号公報、同2−99691号公報)、ポリリン酸塩(特開平2−36288号公報)、ポリシロキサン(特開平2−224626号公報、同3−900号公報)などを挙げることができる。これらの中でも、カチオン系柔軟剤を使用するのが望ましい。その添加量は、0.1〜20.0kg/t、好ましくは0.5〜5.0kg/tとするのが望ましい。添加量が0.1kg/t未満の場合は、風合いを向上させ、柔らかくする十分な効果が得られない。また、20.0kg/tを超える場合には、乾燥紙力の低下が顕著となり拭き取り時に破れやすくなる。
【0026】
さらに、本衛生薄葉紙においては、前記湿潤紙力剤、柔軟剤と共に、若しくはこれら添加剤の1種と共に、CMC(カルボキシメチルセルロース)又はその塩を添加するのが望ましい。CMC又はその塩を原料パルプに添加した場合、乾燥紙力剤として働くと同時に、湿潤紙力剤(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂)がスラリー中に存在している場合には、これと結合して湿潤紙力を向上させるようになる。また、スラリー中にカチオン系柔軟剤が存在している場合にはこれと結合してパルプに定着し、柔軟性(フレキシビリティ)を向上させるようになる。また、一般的な湿潤紙力剤はカチオン性が高く微細繊維(アニオン性)を凝縮して紙を硬くする性質があるが、アニオン性のCMCが存在すると、微細繊維の凝集は相対的に抑制され、紙が硬くなり難い。
【0027】
ティッシュペーパーの抄紙機としては、丸網、短網、ツインワイヤー等の抄紙機にヤンキー乾燥機を組み合わせたごく一般的に使用されるものとすることができる。
【0028】
本発明に従って抄紙された衛生薄葉紙1枚当たりの乾燥紙力(縦方向)は400〜1400cN、好ましくは500〜1100cN、乾燥紙力(横方向)は200〜500cN、好ましくは250〜400cNとされる。乾燥紙力が上記数値未満の場合には拭き取りの丈夫さが十分ではなく、上記数値を超える場合には拭き取り時の柔軟性が十分でない。
【0029】
また、衛生薄葉紙1枚当たりの湿潤紙力(縦方向)は150〜500cN、好ましくは250〜400cN、湿潤紙力(横方向)は50〜300cN、好ましくは100〜250cNとされる。湿潤紙力が上記数値未満の場合は湿潤時における丈夫さが十分ではなく、上記数値を超える場合には湿潤時の拭き取り時の柔軟性が十分ではない。
【0030】
一方で、{(湿潤紙力(縦方向)×湿潤紙力(横方向))}1/2/ソフトネスの値が100〜3000、好ましくは300〜1200であることが望ましい。上記値が100未満の場合は拭き取り時の柔らかさが十分でなく、3000を超える場合には柔らかすぎて拭き取り時に安心感が得られない。
【0031】
前記ソフトネスは、JIS L1096 ハンドルオーメーター法により準拠した測定方法によって測定する。具体的には、ペーパーシート(100×100mm)を一定の隙間(5mm)に押し入れるのに必要な仕事量を測定する原理のハンドルオーメーターによる測定値を以下の手順で得る。
(1)ペーパーシートを100×100mmに裁断する。
(2)ペーパーシートは加圧板が試料の中心を折り曲げるように受板の上に置く。
(3)試験は縦方向、横方向各4回測定する。
(4)縦横の平均値
・縦横各平均値
・ソフトネス(cN)=0.9807×(縦のソフトネス(g)×横のソフトネス(g))1/2
【0032】
他方で、前記(湿潤紙力(縦方向)×湿潤紙力(横方向))/(乾燥紙力(縦方向)×乾燥紙力(横方向))の値は0.15〜0.25、好ましくは0.16〜0.20であることが望ましい。上記値が0.15未満の場合には拭き取りの湿潤紙力が十分ではなく、0.25を超える場合は拭き取り時に強度が強すぎて拭き取り時の柔軟性が悪くなる。
【0033】
次いで、シートの表面特性に関して、摩擦係数の平均偏差(摩擦子を移動させたときの表面粗さの変動:MMD)は10.0〜20.0、好ましくは10.0〜16.5とするのが望ましい。前記MMDは、カトーテック株式会社製「摩擦感テスター KESSE」を用いて測定した値である。測定に際しては、図1に示されるように、直径5mmのピアノ線を10本隣接させ、先端の曲率半径が0.25mmの単位膨出部を隣接して有し、全幅が5mmの連続した接触面を有し、その接触面の長さは5mmである摩擦子を、紙試料に50gの接触圧で接触させながら、移動方向に20g/cmの張力を紙試料に与えつつ、0.1cm/秒の速度で2cm移動させたときの摩擦係数を測定し、この摩擦係数を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値とする。
【0034】
前記MMDが10.0未満の場合は、拭き取り時の摩擦が小さく、拭き取りに適さないシートとなり、20.0を超える場合には、表面性が粗くガサガサしてフェイシャル用途に適さないものとなる。
【実施例】
【0035】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例中の部、%は特に断らない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。
【0036】
(実施例1)
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を50:50の比率で配合したパルプスラリーをフリーネス670mlに調整し、湿潤紙力剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を4.0kg/t添加するとともに、カチオン性柔軟剤を1.0kg/t添加し、丸網抄紙機、ヤンキー乾燥機にて米坪26.0g/mの衛生薄葉紙(ティッシュペーパー)を製造した。
【0037】
(実施例2)
カチオン系柔軟剤を1.3kg/tとした以外は、実施例1と同様として衛生薄葉紙を製造した。
【0038】
(実施例3)
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を70:30の比率とし、湿潤紙力剤を3.0kg/tとし、カチオン系柔軟剤を4.5kg/tとした以外は実施例1と同様として衛生薄葉紙を製造した。
【0039】
(実施例4)
カチオン系柔軟剤を3.0kg/tとし、CMCを2.0kg/t添加した以外は、実施例1と同様として衛生薄葉紙を製造した。
【0040】
(比較例1)
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を40:60の比率で配合したパルプスラリーをフリーネス450mlに調整し、湿潤紙力剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を1.7kg/t添加するとともに、カチオン性柔軟剤を2.8kg/t添加し、丸網抄紙機、ヤンキー乾燥機にて米坪12.2g/mの衛生薄葉紙(ティッシュペーパー)を製造した。
【0041】
(比較例2)
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を50:50の比率で配合したパルプスラリーをフリーネス590mlに調整した以外は、比較例1と同様として衛生薄葉紙を製造した。
【0042】
これらの衛生薄葉紙(ティッシュペーパー)の各種試験結果は下表1のとおりである。
【0043】
なお、表中、乾燥紙力はJIS P 8113(引張特性試験方法)に従って試験を行い、湿潤紙力はJIS P 8135(湿潤引張強さ試験方法)に従って試験を行った。また、官能評価は、男女5人づつにより、非常に良い:◎、良い:○、普通:△、劣る:×の4段階で評価した。
【0044】
【表1】


【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】MMDの試験要領を示す図である。
【出願人】 【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
【住所又は居所】愛媛県四国中央市三島紙屋町2番60号
【出願日】 平成15年10月24日(2003.10.24)
【代理人】 【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志

【公開番号】 特開2005−124884(P2005−124884A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2003−364469(P2003−364469)