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【発明の名称】 暖房便座
【発明者】 【氏名】丹羽 孝
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】金澤 成寿
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】宇野 克彦
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】白井 滋
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】梅景 康裕
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】中村 一繁
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】古林 満之
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】省エネルギーでかつ長寿命で立ち上がりの早い便座暖房を実現する。

【解決手段】便座内部に設置された輻射型発熱体であるランプヒータと、ランプヒータと直列に接続される抵抗と、抵抗とランプヒータを接続する接続手段と、ランプ近傍にサーミスタを設置し、ランプヒータの立ち上がり時に抵抗をランプヒータと直列接続することによって突入電流を抑制し、ランプヒータの長寿命化を図るとともに、ランプヒータ近傍の温度の急峻な立ち上がりも抑制することによってサーミスタでの温度検知の制度も向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞が形成された便座と、前記便座内部に設置された輻射型発熱体であるランプヒータと、前記ランプヒータと直列に接続される抵抗と、前記抵抗とランプヒータを接続する接続手段と、前記ランプヒータ近傍にサーミスタを設置した暖房便座。
【請求項2】
抵抗値の異なる複数の抵抗とその接続手段を設置した請求項1記載の暖房便座。
【請求項3】
抵抗とランプヒータが直列接続している時間を制御するタイマー手段を有する請求項1または2記載の暖房便座。
【請求項4】
ランプヒータ近傍に設置されたサーミスタは時定数が1秒から2秒である請求項1記載の暖房便座。
【請求項5】
ランプヒータの下部に表面にサーミスタを有する反射鏡を設置した請求項1記載の暖房便座。
【請求項6】
ランプヒータの下部と上部に回動する反射鏡回動手段を有する暖房便座。
【請求項7】
回動する反射鏡はランプヒータの上部に位置した時とランプヒータの下部に位置した時とでランプヒータから反射鏡面までの距離を違えた請求項6記載の暖房便座。
【請求項8】
回動する反射鏡の表面には温度ヒューズを設置した暖房便座。
【請求項9】
人体の検出時に検出信号を出力する人体検出手段と、内部に空洞が形成された便座と、便座内部に設置された輻射型発熱体であるランプヒータと、前記ランプヒータと直列に接続される抵抗と、前記抵抗とランプヒータを接続する接続手段と、前記ランプ近傍にサーミスタを設置した暖房便座。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は便座を短時間で暖房する速温暖房便座のヒータ制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の暖房便座では、図12に示すように内部に空洞部101を持つ便座102の着座部103を透明ポリプロピレン樹脂で構成し、ランプヒータ104からの輻射熱を着座面にすばやく伝え、採暖面をすばやく昇温させるというものであった。またヒータの温度制御はランプヒータ104近傍に置かれたサーモスタット105で行い、温度ヒューズ106で異常加熱の危険を防ぐようにしたものであった(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−14598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ランプヒータ104の抵抗値はフィラメントが冷めている時には定格電力消費時の1/10以下と小さく、通電初期には大きな突入電流が流れる。もちろん、フィラメントの抵抗値は短時間に定格抵抗に達して突入電流はすぐに抑止されるのであるが、便座ヒータとしての性格上、通電時間は短くても、何度もオン、オフが繰り返される。そのため、連続点灯に比してフィラメントの寿命が短くなる懸念があった。また、サーモスタット105や温度ヒューズ106などの安全装置が設置してあるものの、ランプヒータ104の温度立ち上がりが早いために、サーモスタット105、温度ヒューズ106が働いた時には、すでに便座102の着座部103の温度が熱くなり過ぎているという懸念があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記従来の課題を解決するために、本発明は、内部に空洞が形成された便座と、便座内部に設置された輻射型発熱体であるランプヒータと、ランプヒータと直列に接続される抵抗と、抵抗とランプヒータを接続する接続手段と、ランプ近傍にサーミスタを設置したものであり、ランプヒータに通電された直後の通電立ち上がり時に一定時間、ランプヒータと直列に抵抗を接続して突入電流を抑制し、フィラメントの抵抗値が通電にともなって上昇してきた時、抵抗を切り離し、定格電圧をランプヒータのフィラメントに印加する。このようにすることによって、突入電流によるランプヒータの破壊を防ぎ、かつヒータ周囲の雰囲気温度の上昇も急峻になることを避けることができるので、安全装置の時定数に伴う追従遅れも抑制でき、安全性の向上も図ることが可能になる。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、便座内部に設置したランプヒータによって便座の暖房を行い、ランプヒータの立上がり時に抵抗を直列に挿入することによって突入電流を防止し、ランプヒータの長寿命化を図るとともに、ランプヒータ周囲の雰囲気温度の上昇も急峻になることを避けることができるので、サーミスタの時定数による追従遅れも抑制でき、安全性の向上も図ることが可能になり、省エネルギーで快適な暖房便座を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
第1の発明は、内部に空洞が形成された便座と、便座内部に設置された輻射型発熱体であるランプヒータと、ランプヒータと直列に接続される抵抗と、抵抗とランプヒータを接続する接続手段と、ランプヒータ近傍にサーミスタを設置したものであり、ランプヒータに通電された直後の通電立ち上がり時に一定時間、ランプヒータと直列に抵抗を接続して突入電流を抑制し、フィラメントの抵抗値が通電にともなって上昇してきた時、抵抗を切り離し、定格電圧をランプヒータのフィラメントに印加する。このようにすることによって、突入電流によるランプヒータの破壊を防ぎ、かつヒータ周囲の雰囲気温度の上昇も急峻になることを避けることができるので、安全装置の時定数に伴う追従遅れも抑制でき、安全性の向上をも図ることが可能になる。
【0007】
第2の発明は、抵抗値の異なる複数の抵抗とその接続手段を設置したものであり、突入電流の大きさに応じて直列抵抗値を変動させることにより、よりフィラメントの負担にならない電流制御が可能になる。
【0008】
第3の発明は、抵抗をランプヒータが直列接続している時間を制御するタイマー手段を有するものであり、抵抗をつないでおく時間を制御するものである。
【0009】
第4の発明は、ランプヒータ近傍に設置されたサーミスタを時定数が1秒から2秒としたものであり、ランプヒータの温度の急激な変化を即座に検出するものである。
【0010】
第5の発明は、ランプヒータの下部に表面にサーミスタを有する反射鏡を設置したものであり、反射鏡表面での温度を検知制御するものである。
【0011】
第6の発明は、ランプヒータの下部と上部に回動する反射鏡回動手段を有するものであり、反射鏡が回動して輻射を遮り異常発熱を防止するものである。
【0012】
第7の発明は、回動する反射鏡はランプヒータの上部に位置した時とランプヒータの下部に位置した時とでランプヒータから反射鏡面までの距離を違えたものであり、よりランプヒータの近傍で熱輻射を遮り、温度上昇を抑制するものである。
【0013】
第8の発明は、回動する反射鏡の表面には温度ヒューズを設置したものであり、一層の安全性の向上を図るものである。
【0014】
第9の発明は、人体の検出時に検出信号を出力する人体検出手段と内部に空洞が形成された便座と、便座内部に設置された輻射型発熱体であるランプヒータと、ランプヒータと直列に接続される抵抗と、抵抗とランプヒータを接続する接続手段と、ランプ近傍にサーミスタを設置したものであり、トイレに人が入った時のみ便座ヒータを付勢することにより、省エネルギーの便座を実現することが可能となる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における暖房便座の回路構成図であり、図2は暖房便座回路の制御出力のタイミングチャートである。
【0017】
図1において、ランプヒータ1はAC100V電源より電圧が供給され、リレー2のN.O.接点が閉じることによって通電される。また断続手段としてのリレー3はN.O.接点が閉じた時には抵抗4がランプヒータ1と直列につながり、N.C.接点が閉じた時には、抵抗4はランプヒータ1から切り離される。
【0018】
リレー2およびリレー3の接点の開閉はマイコン5のOUT端子からの出力でリレー2およびリレー3のコイル6およびコイル7が励磁されることによって実行される。マイコン5から通電開始の信号が出力されると、遅延回路8で信号が遅延され、反転回路9で出力が反転されてNPNトランジスタ10のベースに入力される。一方マイコン5のOUT端子からの信号はNPNトランジスタ11のベースに入力される。リレー2のN.O.接点が閉じた時、リレー3はN.O.接点が閉じており、ランプヒータ1と抵抗4は直列に接続された状態で100Vが印加される。従って、ランプヒータ1を流れる電流は抵抗4で規制され、突入電流は抑制される。その後、遅延回路8で規定された時間が経過(図2で示す0.5秒)すると、今度はリレー3のN.C.接点が閉じて抵抗4はバイパスされ、AC100Vはランプヒータ1に印加される。しかし、その時点ではランプヒータ1のフィラメントは抵抗4を通じて流れた電流によって過熱され、フィラメントの抵抗値も大きくなっているので、抵抗4が切り離されても大きな突入電流は流れない。その後サーミスタ12がランプヒータ1の熱を受けて温度上昇すると抵抗値が下がりコンパレータ13の+端子の電圧が上昇していく、+端子の電圧が、−端子の設定電圧14を超えるとHIGH電圧が出力され、マイコン5のIN端子に入力される。IN端子のHIGH電圧を検出すると、OUT信号がLOWになり、その結果リレー2のN.O.端子が開いてAC100Vのランプヒータ1への印加が停止する(図2ではマイコン5からの通電指令は3秒間であったことを示している)。
【0019】
上記の構成により、ランプヒータ1の突入電流は抑止され、ランプヒータ1の長寿命化を図ることが可能となる。またランプヒータ1の立ち上がり時に抵抗4を直列につないで電流を抑制することによって、ランプヒータ1の近傍温度の急峻な立ち上がりを抑止でき、サーミスタ12の持つ熱時定数による反応の遅れ時間も短くなるので、追従遅れも抑制でき、安全性の向上も図ることが可能になる。
【0020】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における暖房便座の回路構成図であり、図4は同暖房便座の回路の制御出力のタイミングチャートである。実施の形態1との差は、リレー15によって、抵抗16(抵抗値は抵抗4よりも小さい)を、抵抗4を切り離した後にランプヒータ1と直列に入る構成としたことである。マイコン5のOUTからの信号は第二の遅延回路17(遅延時間0.8秒)を経由し、反転回路18、NPNトランジスタ19を介してリレー15のコイル20を励磁する。そしてリレー3のN.C.接点を介して抵抗16をランプヒータ1と直列接続する(図4ではマイコン5からの通電指令は3.2秒間であったことを示している)。
【0021】
上記構成によって、ランプヒータ1に流れる電流をよりきめ細かく制御でき、フィラメントへの負担が減少する。この構成によってランプヒータ1の一層の長寿命化を図ることができる。
【0022】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3におけるタイマー手段の回路構成図である。input端子から入力されたステップ信号はコンデンサ21と抵抗22で構成されたCRの充電回路23のコンデンサ22を充電していき、コンパレータ25の+端子入力になる。コンパレータ25の−端子には比較電圧24が入力されており、+端子電圧が−端子電圧を超えた時、コンパレータ25の出力端にはステップ入力より、CRの時定数で決まる遅延時間だけ遅れた信号が出力される。遅延時間は、コンデンサ21の容量と抵抗22の大きさの組み合わせで任意に選択することが可能で、ランプヒータ1の突入電流を抑止するのに最適な定数を選ぶことができる。
【0023】
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4におけるサーミスタの断面図である。サーミスタ12は感熱部26を薄いガラス製の耐熱被覆27で覆われており、樹脂モールドに比して熱時定数が小さく、雰囲気温度の変動をすばやく抵抗値の変動として伝えることができる。時定数が1〜2秒はランプヒータ1の温度の急激な変動を確実に捉えるのに必須な速度である。
【0024】
(実施の形態5)
図7は本発明の実施の形態5における暖房便座の断面図である。
【0025】
ランプヒータ1の下部には反射鏡29が設置されランプヒータ1の輻射熱を着座面30に反射している。また反射鏡上にはサーミスタ12が設置され、ランプヒータ1の熱を受けて温度制御を行なっている。サーミスタ12を反射鏡29上のランプヒータ12近傍に置いたことによって、輻射熱を直接感じでサーミスタ12の検知感度が向上し、温度制御の精度が高まる。
【0026】
(実施の形態6)
図8は本発明の実施の形態6における暖房便座の構成図である。
【0027】
反射鏡29に加えて、可動反射鏡31が反射鏡回動手段であるモータ32の軸33に取り付けられており、軸33の回転によって着座面30へのランプヒータ1の輻射を防ぐことができるようになっており、着座面30がランプヒータ1の制御の誤動作によって温度が上がり過ぎた状態でも着座者の安全を守ることが可能となる。
【0028】
(実施の形態7)
図9は本発明の実施の形態7における暖房便座の構成図である。本実施の形態と実施の形態6との違いは可動反射鏡31の回転中心がランプヒータ1の中心よりも下部に位置することである。この構成により、稼動反射鏡31が上部へ回転したときには、ランプヒータ1に近いところで熱輻射を反射することになり、一層の遮蔽効果を得ることができる。
【0029】
(実施の形態8)
図10は本発明の実施の形態8における暖房便座の構成図である。
【0030】
可動反射鏡31の表面には温度ヒューズ34が設置してあり、可動反射鏡31がランプヒータ1に近づいた時には、熱輻射をより強く受けて、温度ヒューズ34が回路を開放する構成となっている。この構成によって、着座面30がランプヒータ1の制御の誤動作によって温度が上がり過ぎた状態でも着座者の安全を守ることが可能となる。
【0031】
(実施の形態9)
図11は本発明の実施の形態9における暖房便座の構成図である。
【0032】
CCDカメラ(人体検出手段)35で人体を検出した時、信号はマイコン5に入り、着座面30内部のランプヒータ1が付勢される。ランプヒータ1の温度はサーミスタ12(図示せず)で制御される。この構成によれば人がトイレに入っていないときには、ランプヒータ1は通電されず、人体を検知したときには、すぐに通電されるので、省エネルギー性と快適性を兼ね備えた暖房便座を実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる暖房便座は、省エネルギーで快適な暖房便座が実現でき、速温暖房便座に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1における暖房便座の回路構成図
【図2】本発明の実施の形態1における暖房便座回路の制御出力のタイミングチャート
【図3】本発明の実施の形態2における暖房便座の回路構成図
【図4】本発明の実施の形態2における暖房便座回路の制御出力のタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態3におけるタイマー手段の回路構成図
【図6】本発明の実施の形態4におけるサーミスタの断面図
【図7】本発明の実施の形態5における暖房便座の断面図
【図8】本発明の実施の形態6における暖房便座の構成図
【図9】本発明の実施の形態7における暖房便座の構成図
【図10】本発明の実施の形態8における暖房便座の構成図
【図11】本発明の実施の形態9における暖房便座の構成図
【図12】従来の暖房便座の構成図
【符号の説明】
【0035】
1 ランプヒータ
2、3 リレー
4、15 抵抗
8 遅延回路
12 サーミスタ
23 充電回路
29 反射鏡
31 可動反射鏡
32 モータ(反射鏡回動手段)
34 温度ヒューズ
35 CCDカメラ(人体検出手段)
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年10月3日(2003.10.3)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−110752(P2005−110752A)
【公開日】 平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願番号】 特願2003−345395(P2003−345395)