| 【発明の名称】 |
便器の着座検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】曽我部 伸雄 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式会社INAX内
【氏名】松田 宏 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式会社INAX内
【氏名】高羽 利明 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式会社INAX内
【氏名】尾野 久雄 【住所又は居所】東京都港区芝浦4丁目12番33号 ユピテル工業株式会社内
【氏名】澤田 元司 【住所又は居所】東京都港区芝浦4丁目12番33号 ユピテル工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】便座への使用者の着座を高い精度で確実に検出し、或いはまた便座からの使用者の離座を精度高く確実に検出することのできる着座検出装置を提供する。
【解決手段】便座への着座を検出する着座検出装置を、ドップラセンサ28と便蓋位置検出手段と制御手段とを備えて構成する。そして便蓋位置検出手段からの便蓋開情報とドップラセンサ28からのドップラ信号とに基づいて、制御手段が便座への使用者の着座を検出する。またドップラセンサ28からの信号により使用者の接近か離反かの移動方向を判別する移動方向判別手段46,50及び48,52と、設定レベル以上の信号強度のドップラ信号の波数をカウントするカウント手段とを更に備えておき、制御手段が便蓋開情報と移動方向判別手段及びカウント手段からの情報とに基づいて便座への着座検出を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便座への着座を検出する着座検出装置であって、 ドップラセンサと、便蓋位置検出手段と、該便蓋位置検出手段からの便蓋開情報と該ドップラセンサからのドップラ信号とに基づいて制御手段が前記便座への使用者の着座を検出することを特徴とする便器の着座検出装置。 【請求項2】 請求項1において、前記ドップラセンサからのドップラ信号により使用者の接近か離反かの移動方向を判別する移動方向判別手段と、設定レベル以上の信号強度のドップラ信号の波数をカウントするカウント手段とを更に備え、前記制御手段は、前記便蓋開情報と前記移動方向判別手段及びカウント手段からの情報とに基づいて前記便座への着座検出を行うことを特徴とする便器の着座検出装置。 【請求項3】 請求項2において、前記制御手段は、前記便蓋開情報を得てからの前記接近方向の合計のカウント値が設定した基準値を超えたことをもって着座有りと判定することを特徴とする便器の着座検出装置。 【請求項4】 請求項2,3の何れかにおいて、前記便蓋開情報の下に、前記ドップラセンサによる検知の感度を低く切り替えることを特徴とする便器の着座検出装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は便器の使用者の便座への着座を検出する着座検出装置に関し、詳しくはドップラセンサを用いた便器の着座検出装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、トイレに設置された便器(洋風便器)において、使用者が便座に着座したか否かを着座検出装置によって検出することが行われている。 そのための着座検出装置として、従来赤外線式センサにて人体感知するものが用いられていた。 【0003】 しかしながらこの赤外線式センサを用いた着座検出装置は、使用者が便座上の検知エリアにいるときに、その使用者によって反射された反射光の受光に基づいて着座検知するものであり、前後の一連の使用者の動きを追跡して着座検知するものではなく、単に反射光量の大小に基づいて着座の有無を判断するにすぎないものであることから、検出精度の点で必ずしも十分でないといった問題があった。 例えば使用者の着ている服の色等によっても反射光量は変化してしまう。 【0004】 またこの種赤外線式センサを用いた着座検出装置では、洗浄タンクその他の箇所に透光性の窓部を設けて、その窓部に望むように赤外線式センサを埋設することが必要であり、この窓部によって洗浄タンクその他便器周りの美感が損なわれたり、或いは便器その他のデザインの自由度が制限されるといった問題があった。 【0005】 このようなことから、近年ドップラセンサによる人体検知に基づいて着座を検出するようになしたものが提案されている(例えば下記特許文献1,特許文献2)。 ドップラセンサの場合、電波が透過する樹脂製品や木製品の内部にこれを隠れた状態で設置しておくことが可能である。 【0006】 しかしながらこれら特許文献に開示のものは、着座前後におけるドップラ信号の振幅の変化や、信号強度の変化に基づいて着座の有無を判断するものであり、着座の検知制度の点でなお十分とは言えないものであった。 【0007】 【特許文献1】特開2002−70119号公報 【特許文献2】特開2002−285624号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明はこのような事情を背景とし、便座への使用者の着座を高い精度で確実に検出し、或いはまた便座からの使用者の離座を精度高く確実に検出することのできる着座検出装置を提供することを目的としてなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 而して請求項1のものは、便座への着座を検出する着座検出装置であって、ドップラセンサと、便蓋位置検出手段と、該便蓋位置検出手段からの便蓋開情報と該ドップラセンサからのドップラ信号とに基づいて制御手段が前記便座への使用者の着座を検出することを特徴とする。 【0010】 請求項2のものは、請求項1において、前記ドップラセンサからのドップラ信号により使用者の接近か離反かの移動方向を判別する移動方向判別手段と、設定レベル以上の信号強度のドップラ信号の波数をカウントするカウント手段とを更に備え、前記制御手段は、前記便蓋開情報と前記移動方向判別手段及びカウント手段からの情報とに基づいて前記便座への着座検出を行うことを特徴とする。 【0011】 請求項3のものは、請求項2において、前記制御手段は、前記便蓋開情報を得てからの前記接近方向の合計のカウント値が設定した基準値を超えたことをもって着座有りと判定することを特徴とする。 【0012】 請求項4のものは、請求項2,3の何れかにおいて、前記便蓋開情報の下に、前記ドップラセンサによる検知の感度を低く切り替えることを特徴とする。 【発明の作用・効果】 【0013】 以上のように本発明は、便蓋位置検出手段からの便蓋開情報とドップラセンサからのドップラ信号とに基づいて便座への使用者の着座を検出するものである。 便蓋が開いたことを知らせる便蓋開情報は、とりも直さず便器の使用者が便器に接近して便器前方に立ったことを意味するものであり、従ってこの便蓋開情報に基づき、その後のドップラセンサからのドップラ信号に基づいて便座への使用者の着座を精度高く検出できるようになる。 【0014】 即ち従来のドップラセンサを用いた着座検出装置は、単にドップラセンサからのドップラ信号のみに基づいて着座の有無を判定していたのが、本発明では便座開情報とドップラセンサからのドップラ信号を組み合せて着座の有無を判定するもので、従来に増して高い精度で便座への使用者の着座を検出することが可能となる。 例えば女性がストッキング履き替え等の行為をする際に便蓋に着座していると、従来着座検出装置によれば着座ありと判定されてしまうが、本発明の着座検出装置によればこのような誤検知を防止することが可能となる。 而して着座検出を高い精度で行えることから便器の自動洗浄等の機器制御の精度も高くすることができる。 【0015】 次に請求項2は、ドップラセンサからのドップラ信号により使用者の接近か離反かの移動方向を判別する移動方向判別手段と、設定レベル以上の信号強度のドップラ信号の波数をカウントするカウント手段とを更に備え、それら移動方向判別手段及びカウント手段からの情報と便蓋開情報とに基づいて着座検出を行うようになしたもので、この請求項2によれば、便座への使用者の着座を更に精度高く検出することが可能となる。 【0016】 ここでドップラ信号は、受信部で受信された送信波と、移動する検知対象からの反射波との重ね合せによって生ずる低周波のうなりの波であり(送信波と反射波とは周波数が極めて近いために重ね合せによってうなりの波を発生する)、このドップラ信号の周波数は、例えば送信波の周波数が10GHz程度の極めて高い周波数であるのに対し、3〜70Hz程度の極めて低い周波数である。 【0017】 ここで送信波の波長が例えば2.8cm程度の波長であるとき、1波長を位相の変化で考えると、位相が360度変化するのに2.8cm必要であることになる。一方ドップラ信号は送信波と反射波の位相差がその出力に現われるため、反射波の位相が360度変化すればドップラ信号の位相も360度変化することになる。 即ち、ドップラ信号が1波長発生するということは反射波の移動距離が2.8cm分変化したこと、言い換えれば使用者が1.4cm移動したことと等しい。 従ってドップラ信号の波数をカウントする(数える)ことによって、検知対象である使用者の移動距離を知ることができる。 そして移動方向判別手段からの移動方向の情報、詳しくは使用者が接近移動しているのか離反移動しているのかの情報と組み合わせることによって検知対象、即ち使用者の移動距離を正確に検知することができる。 【0018】 具体的には、例えばドップラセンサを便座への使用者の着座位置の後方に設置しておいた場合、便座開となった後の接近方向のカウント数が増えるということは、とりも直さず使用者が便器前方の位置からドップラセンサにより近付いた、即ち着座位置に向ったことを意味するものであり、従ってそのカウント手段によるカウント値と、移動方向判別手段からの情報とに基づいて、使用者が便座に着座したか否かを正確に検出することが可能となる。 【0019】 また一方、その着座位置から使用者が立ち上がって離れて行くときには、その動きを移動方向判別手段によって知ることができるとともに、離れて行く距離をカウント手段によるカウント値に基づいて知ることができ、これに基づいて使用者が便座から離座したことを知ることができる。 【0020】 この場合において、便蓋開情報を得てからの前記接近方向の合計のカウント値が設定した基準値を超えたことをもって、着座有りと判定することができる(請求項3)。 このようにしておくことによって、使用者が便器前方の立姿勢の位置から僅かに動いたことをもって直ちに着座有りと判定してしまうといった誤りを犯すことなく、着座に必要な移動距離を予め求めておき、それに基づいて基準値を定めておくことで、確実に着座したか否かを判定することが可能となる。 【0021】 また着座中に使用者が便座の上で動いても、カウント値を加算,減算することにより、カウント値がプラス側の基準値或いはマイナス側の基準値を超えなければ、依然として着座中であると判定することができる。 【0022】 次に請求項4は、便蓋開状態の下でドップラセンサによる人体、つまり使用者の検知の感度を低く切り替えるものである。 その理由は次の点にある。 ドップラセンサからのドップラ信号は、使用者がドップラセンサに近付けば近付く程振幅は大となり、信号強度は大きくなる。 この場合、便蓋開状態の下でもドップラセンサによる検知の感度をそれまでの検知の感度、即ち便器への接近或いは便器からの離反を検知する際の検知の感度と同じ感度に維持しておくと、便座への使用者の着座の動き或いは着座中の動き、更には便座から立ち上がる際の動きによって発生するドップラ信号の振幅,信号強度が強過ぎて、大きな動きも小さな動きも区別がつきにくくなり、ひいては便座上などでの使用者の動きを正しく把握できなくなってしまう。 【0023】 そこでこの請求項4では、便座に使用者がまさしく着座し或いは便座から立ち上がろうとする動き、更には便座上での使用者の動きを正しく把握すべく、それまでよりもドップラセンサによる検知の感度を低くするもの、いわば検知エリアを便座上のエリアにエリア切替えするものであり、このことによって便座開後における使用者の動きを正確に把握し認識できるようになる。 これによって誤った着座検出に基づき様々な機器を誤動作させてしまうといったことを未然に防ぐことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。 図1において、10はトイレ室12内に設置された洋風便器で、14は便器本体、16,18はそれぞれ開閉可能な便座及び便蓋、20は便器洗浄水を貯える洗浄タンクである。 この例の洗浄タンク20は、樹脂製のタンクカバー22と内部タンク(図示省略)とを有しており、洗浄水を貯えた内部タンクをタンクカバー22で覆った形態をなしている。 【0025】 この例の洋風便器10は、洗浄ノズル23から洗浄水をシャワー噴射して人体局部を洗浄する局部洗浄装置付きのもので、壁Wに各種機器、具体的には図3に示す便蓋開閉モータ24-1,便座開閉モータ24-2,便器洗浄機構24-3,シャワーバルブ24-4,便座ヒータ24-5,脱臭ファン24-6,温水ヒータ24-7等の各種機器を遠隔操作するためのリモコン26が取り付けられている。 【0026】 この例の洋風便器10はまた、人体検知即ち使用者の検知に基づいて自動的に便蓋18を開閉動作させ、また便座16を閉動作させる機能を有するもので、タンクカバー22の内側の隠れた位置に使用者検知のためのドップラセンサ28を含むドップラセンサユニット(以下センサユニット)29及びドップラセンサ28からの信号に基づいて各種制御を行うマイコン30を搭載した基板32が設けられている(図2,図3参照)。 尚ドップラセンサ28は、これから発するビームが便器から見て正面方向を向くようにその取付けの向きが選ばれている。 【0027】 通常、ドップラセンサとしては送信周波数と反射波の受信周波数との差の周波数を出力するものが用いられるが、ここではかかるドップラセンサ28として2出力センサ、即ち使用者で反射された反射波を受信する第1受信部と第2受信部とを有し、第1受信部を基準としたときに第2受信部からのドップラ信号が、使用者が接近する場合と離反する場合とで逆転する(逆位相となる)ことを利用したもの、即ち接近と離反とで逆位相の信号を出力する2出力式センサが用いられている。 【0028】 図4はこのドップラセンサ28を模式的に表している。 同図において34は発振器で、アンテナ36(送信部)から検知対象38(ここでは使用者)に向けてマイクロ波(ここでは10GHz程度の高周波数の送信波)が送信される。 40,42は第1受信部及び第2受信部で、検知対象38からの反射波が共通のアンテナ36を通じて、これら第1受信部40と第2受信部42とで受信される。 【0029】 ここで第2受信部42は、第1受信部40に対し、発振器からの発振波の波長のλ/4(π/2)分だけ検知対象38から遠い側(図中右側)に位置をずらせて配置してある(λ:波長)。 但しこの例において、第1受信部40と第2受信部42とは導線43で連絡されており、この導線43を通じて第2受信部42で受信されるドップラ信号が、第1受信部40に対して丁度λ/4分だけ位相がずれた状態となるように、その第2受信部42の第1受信部40に対する相対位置が選ばれている。 但し第2受信部42は、第1受信部40に対して±λ/4+n・λ(n=0,±1,±2,±3・・・)ずらしておけば良い。 尚図4において41は位相差を与えるための位相器である。 【0030】 この例において、アンテナ36は送信用のアンテナと受信用のアンテナとを共通のアンテナが兼用している。 またこのアンテナ36は、ここから発せられる送信波のビームの放射角が、上下方向に大きく左右方向に小さい楕円形のビームとなるように、パターンアンテナの素子39(図5参照)が配置されている。 【0031】 このように縦長の楕円形でビームを正面方向に照射するようにしているのは、出入口の左右の可動物(人以外の可動物)をできるだけ検知エリアから外す一方、使用者が大人であっても子供であっても、また背の高い人であっても小さい人であっても確実に検知できるようにするためである。 【0032】 前記送信部としてのアンテナ36からの送信波は、これら第1受信部40,第2受信部42にも直接受信される。 具体的には、ここでは発振器34からの発振波が直接第1受信部40,第2受信部42にも受信される。 【0033】 このドップラセンサ28では、これら第1受信部40,第2受信部42にて受信された送信波と反射波とが、それぞれミキサ44-1,44-2によって重ね合わせ処理され、それらの重ね合せによって生じた低周波のうなりの波がドップラ信号として取り出される。 【0034】 これらミキサ44-1,44-2から出力された第1受信部40,第2受信部42からのドップラ信号は、それぞれ図2のセンサユニット29における低周波アンプ46,48に通され、使用者を検出する以外の不要な周波数成分(例えば換気扇等の影響)を除去して出力される。 【0035】 第1受信部40を通じて取り出されたドップラ信号(受信部1信号)と、第2受信部42を通じて取り出されたドップラ信号(受信部2信号)とは、図6(イ),(ロ),(ハ)に示しているようにその波形が丁度λ/4(λ:波長)だけ位相がずれた波形となる。 詳しくは、(イ)に示す受信部1信号の波形に対し(ロ),(ハ)に示す受信部2信号の波形がλ/4分だけ位相が進み或いは遅れた波形となる。 【0036】 この受信部2信号の波形は、(ロ),(ハ)に示すように検知対象(使用者)38が接近する場合と離反する場合とで丁度反転した波形となる。 本例では、この受信部2信号の波形に基づいて使用者が接近移動しているのか、離反移動しているのか、即ちその移動方向を判別する。 【0037】 その移動方向の判別はここでは次のようにして行う。 即ちこの例では、受信部1信号及び受信部2信号はそれぞれ図2のセンサユニット29におけるコンパレータ50,52によって信号処理され、ぞれぞれ図6(ニ),(ホ),(ヘ)に示す矩形波に波形変換される。 尚各矩形波は、図6(イ),(ロ),(ハ)に示す正弦波のピークが設定した第1レベル(しきい値)を超えたときに生ずる。 【0038】 そして図2及び図6(ニ),(ホ),(ヘ)に示すように、それら矩形波がコンパレータ50,コンパレータ52からカウント出力A,カウント出力B1,B2(B1:接近時カウント出力B,B2:離反時カウント出力B)として出力され、図3に示すマイコンへと入力される。 そしてマイコン30は、次のようにして使用者が接近移動しているのか離反移動しているのかの移動方向の判定を行う。 【0039】 図6(イ),(ロ),(ハ)に示しているように、受信部1信号の波形がマイナスレベルにあるとき、接近時の受信部2信号は、(ロ)に示しているように立上り波形となり、また逆に離反時における受信部2信号は、(ハ)に示しているように立下り波形となる。 【0040】 従ってこれらをコンパレータ50,52にて矩形波に波形変換した信号は、(ニ),(ホ),(ヘ)に示しているようにカウント出力AがLレベルであるときに、カウント出力B1がL→Hレベルに変化し、またカウント出力B2がH→Lレベルに変化する。 【0041】 従ってカウント出力A且つそのL信号を基準として、カウント出力Bの立上り信号又は立下り信号の出る回数をカウントすることによって、「ドップラ信号の波数」を知ることができる。 即ちカウント出力Bの立上り信号又は立下り信号の発生回数はそのまま「ドップラ信号の波数」ということになる。 【0042】 そしてこのとき立上り信号の発生回数(カウント出力B1の立上り信号の発生回数)が使用者の接近方向の移動距離を表し、また立下り信号の発生回数(カウント出力B2の立下り信号の発生回数)が離反方向の移動距離を表すことになる。 【0043】 従って立上り信号の発生回数と立下り信号の発生回数とを加減算した結果の波数は、接近及び離反移動の距離を加減算した結果の、全体の接近方向又は離反方向の移動距離を表すことになる。 マイコン30は以上のような演算処理を行って、使用者の最終的な移動距離及び方向を判別する。 【0044】 受信部1信号はまた、図2に示しているように低周波アンプ54及びコンパレータ56によって信号処理され、図7(A)に示すような矩形波(レベル出力A)に変換される。 低周波アンプ54は、低周波アンプ46,48に比べてその感度が低くされており、従って受信部1信号の波形が上記第1レベルよりも高いレベルに設定された第2レベル以上の信号強度となったときにのみ、図7(A)に示す矩形波、即ちそのHレベル信号が出力される(そのようにしきい値が設定されている)。 【0045】 この図7(A)に示す波形のレベル出力Aは、使用者がドップラセンサ28に対して正面方向から接近せず、側方から接近したときにこれを検知するためのもので、このレベル出力Aは常時マイコン30へと入力されるようになっている。 【0046】 一方受信部2信号は、更に高感度の低周波アンプ58及びコンパレータ60にて信号処理され、図7(B)に示す矩形波(レベル出力B)に波形変換される。 この高感度の低周波アンプ58を通って出力された図7(B)のレベル出力Bは、便座16が開動作したときに便器の直前位置に立っている使用者の僅かな動きを検知するためのもので、このレベル出力Bもまた、常時マイコン30へと入力されるようになっている。 【0047】 本例の洋風便器10では、使用者が正面方向から接近して来ると、発生するドップラ信号の波数のカウント値に基づいてマイコン30が便蓋18を自動的に開動作させる。 また使用後において使用者が便器からその正面方向に立ち去ると、同じくドップラセンサ28による検知に基づいて、即ちドップラ信号の波数カウント値に基づいて所定時間後に便蓋18及び便座16(便座16が開いているとき)を閉動作させる。 【0048】 また一方、トイレの出入口が便器の側面にあって、使用者が側方から接近したときにはレベル出力Aに基づいて便蓋18の開動作を行い、また使用後において使用者が立ち去ると所定時間後に便蓋18及び便座16を閉動作させる。 【0049】 その制御内容が図8に具体的に示してある。 先ず使用者が便器に向って正面方向から接近すると、ステップS10において移動方向の判別が行われるとともに、ステップS12において発生するドップラ信号の波数、具体的には図6(ホ),(ヘ)に示す矩形波の立上り信号の発生回数或いは立下り信号の発生回数がカウントされる。 【0050】 このとき接近方向のカウント値をプラス、離反方向のカウント値をマイナスとして、ステップS14においてそれらの加減算が行われ、トータルとしてのカウント値Kが算出される。 このKの値がプラスであれば全体として接近であり、またマイナスであれば全体として離反である。 【0051】 そしてそのKの値がカウント基準値n(n=20)を超えたときには(ステップS18)、ステップS20において便蓋の開動作を行う。 ここでnの値は、図11に示しているように使用者がドップラセンサ28による検知エリアに入ってから便器の使用位置、即ち便器の直前位置に到るまでの接近移動距離に対応した値で選定されている。 また一方カウント値Kがnに達しない間は、ステップS22においてレベル出力AがHレベルであるかの判定を行う。 【0052】 そしてステップS22においてレベル出力AがHレベルになったと判定されたとき、ここにおいて使用者有りと判定されてステップS24において便蓋開動作が行われる。 他方ステップS22においてレベル出力AがHレベルでないとき、ステップS10に戻って再び後続の各ステップが実行される。 【0053】 ここで第1レベルよりも高い第2レベル以上の強度のドップラ信号、つまりレベル出力Aに基づいて便蓋開動作を行う際、先ずカウント値Kがn未満であるかどうかを判定しているのは、使用者の接近移動が側方からの接近移動か正面からの接近移動かを正しく判定するためである。 【0054】 例えば図11に示しているように使用者が正面から便器に向って接近した場合、ドップラ信号が第2レベルを超えるまでにかなりの距離接近移動しなければならず、その間にドップラ信号の波は多数発生する。 そのときの波数がnを超えていれば、その使用者の挙動が正面からの接近移動と判定できる。 従ってこの場合、単にドップラ信号の波数のカウント値のみに基づいて使用者の接近を検知することで、十分正確にこれを検知することができる。 【0055】 一方側方から使用者が接近して来た場合には、第2レベルを超える強い信号強度のドップラ信号が出力されるまで、即ちレベル出力AがHレベルとなるまでの「ドップラ信号の波数」は少ないものであり(n未満)、その状態でレベル出力AがHレベルになったときには、これは使用者が側方から便器に接近したことによるものと判定でき、その場合にはそのレベル出力Aに基づいてステップS24において便蓋開動作を行うのである。 【0056】 本例では、図9に示すように便蓋開動作の制御を実行した後、便蓋位置検出手段からの便蓋開情報に基づきドップラセンサユニット29による検知の感度を低く切り替える(ステップS25,S26)。 尚この便座位置検出手段は様々な形態で構成することができる。例えば便座の開,閉に基づいてオンオフするリミットスイッチや光電スイッチ、或いは便蓋を開閉駆動するモータの回転数を検知するセンサ,便蓋の開閉に連動して回転する軸の回転数ないし回転角度位置を検知するセンサ等にてこれを構成することができる。 その切替えは、例えば低周波アンプ46,48の増幅率を低くすることによって行うこともできるし、またコンパレータ50,52におけるしきい値を高く設定切替えすることによって行うこともできる。 【0057】 このステップS26において検知の感度を低く切り替えるのは次の理由による。 即ち、便蓋開動作が行われるということは、そのとき図11に示しているように便器の直前位置に使用者がいることを意味するものであり、従って使用者のその後の動き(直前位置とドップラセンサ28間での動き)によって得られるドップラ信号は、使用者がドップラセンサ28の至近距離にいることから非常に強い強度の信号となる。 【0058】 この場合、使用者が僅かに動いても、大きく動いても図6に示すカウント出力A,カウント出力B1,B2は波形として大差のないものとなり、従って小さな動きも大きな動きも同様にカウントしてしまうことになる。 【0059】 即ち使用者が手等を僅かに動かしたり、体を捻ったりする等の小さな動きをした場合も、便座16に着座すべく体全体を大きく前方に移動させた場合も同等に検知してしまう。 そこで使用者の僅かな或いは小さな動きを排除し、便座16に着座しようとする大きな動きだけを正しく検知すべく、このステップS26において検知の感度を低く切り替えるのである。 【0060】 ステップS26の実行によって感度を低く切り替えた後、ステップS28において移動方向判別を行うとともに、併せてステップS30において波数カウントし、便蓋18が開いてからの接近方向のドップラ信号の波数或いは離反方向のドップラ信号の波数をカウントする。 【0061】 そしてステップS32において、接近方向のカウント値と離反方向のカウント値とを加減算し、その結果としての便蓋18開後の合計のカウント値kが接近方向の第2基準カウント値αを超えたか否かがステップS34において判定される。 そしてその判定結果としてカウント値kがαを超えていれば、次のステップS36において使用者が便座16に着座したものと判定される。 【0062】 一方図10に示しているように着座判定後においてもドップラセンサ28による使用者の検知は続行され、使用者にて反射された反射波に基づき発生するドップラ信号の波数カウント及び演算が継続される(ステップS38,S40,S42)。 【0063】 そして着座判定後において離反方向の波数のカウント値kが着座位置から離反方向にβを超えたところで、使用者が便座16から離座したものと判定され、再び当初の検出の感度に切り替えられる。ここでαとβとは等しくしておいても良いが、使用者が便器から離れて行くのを見るため、判断する位置を異ならせるべくαとβは異なった値としておくことができる。 【0064】 尚、使用者は着座判定後において便座16への着座中に体を動かしたりすることがあり、この場合ドップラ信号の波数のカウントが行われるが、合計としてのカウント値kがβを超えない範囲内である限りは着座中とみなすことができる。 【0065】 尚、使用後において便器10の使用者が便器10から正面方向に立ち去ったときにはカウント値Kに基づいて一定時間後に便蓋18を閉動作させる。またそのとき便座16が開状態であれば、便蓋18と併せて便座18を閉動作させる。 一方使用者が側方に立ち去ったときには、カウント値Kに基づかないでレベル出力AがLレベルとなることによって、便蓋18或いは便蓋18と便座16とを閉動作させる。 【0066】 尚、本例においては低周波アンプ46,48、コンパレータ50,52及びマイコン30によって移動方向判別手段が構成され、またマイコン30によりカウント手段が構成されている。 【0067】 以上のような本例の着座検出装置では、便蓋開情報とドップラセンサ28からのドップラ信号に基づいて便座16への使用者の着座を検出するものであるため、精度高くその着座の有無を検出することができる。 【0068】 以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。 【図面の簡単な説明】 【0069】 【図1】本発明の一実施形態の着座検出装置を含む洋風便器を示す図である。 【図2】同実施形態におけるドップラセンサからの信号処理のための回路ブロック図である。 【図3】同実施形態における制御手段としてのマイコンを含むブロック図である。 【図4】同実施形態におけるドップラセンサの模式図である。 【図5】図4におけるアンテナの具体的構成を示す図である。 【図6】図2の低周波アンプから出力される信号波形と、コンパレータから出力される矩形波を示す図である。 【図7】図2のレベル出力A,レベル出力Bの矩形波を示す図である。 【図8】図3のマイコンによる制御の内容をフローチャートで示す図である。 【図9】図8の制御の後に行われる制御の内容をフローチャートで示す図である。 【図10】図9の制御の後に行われる制御の内容をフローチャートで示す図である。 【図11】便器使用に際しての使用者の動きを示す説明図である。 【符号の説明】 【0070】 16 便座 18 便蓋 28 ドップラセンサ 38 検知対象
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000479 【氏名又は名称】株式会社INAX 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 【識別番号】391001848 【氏名又は名称】ユピテル工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝浦4丁目12番33号
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| 【出願日】 |
平成15年9月11日(2003.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089440 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 和夫
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| 【公開番号】 |
特開2005−81033(P2005−81033A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願2003−319261(P2003−319261) |
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