| 【発明の名称】 |
便器着座設備 |
| 【発明者】 |
【氏名】井戸田 貴則 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式会社INAX内
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| 【要約】 |
【課題】介助機能及び清掃便宜機能を有した便器着座設備を提供する。
【解決手段】便座ボックス2を昇降させるための駆動装置10は、ステップモータと、該ステップモータが入力側に接続された変速機12と、該変速機12の出力側に接続されたピニオン14と、該ピニオンが噛合したラック16とを有している。変速機12は、便座ボックス2のフロントベースプレート2aに固設されている。ラック16は、洋風便器本体1上に配置されたリアベースプレート8から立設されたフレーム18に固設されている。変速機12により、該駆動装置10の出力トルクは、人体が便座4に着座した状態であっても、この人体からの荷重に抗して該人体ごと便座ボックス2を押し上げ得る大きさまで増幅可能となっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洋風便器の後部上面に設置されており、少なくとも前部が昇降可能な昇降体となっているケース部材と、 該昇降体に上下方向回動可能に取り付けられた便座と、 該昇降体を昇降させる駆動装置と を有する便器着座設備において、 該駆動装置は、便座に着座荷重が加えられているときでも着座荷重に抗して該昇降体を上昇させ得るものであることを特徴とする便器着座設備。 【請求項2】 請求項1において、該便座は、昇降体が上昇するときには便座先端側を洋風便器の前部上面に当接させ、便座後端側が昇降体と共に上昇するものであることを特徴とする便器着座設備。 【請求項3】 請求項1又は2において、該駆動装置は、該昇降体を任意位置で停止させ、且つ便座に着座荷重が加えられていても該昇降体をこの停止位置に保持可能であることを特徴とする便器着座設備。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項において、該駆動装置は、該昇降体の昇降速度を変更可能であることを特徴とする便器着座設備。 【請求項5】 請求項4において、該駆動装置は、モータと、該モータによって昇降体を押し上げる押し上げ機構とを備えていることを特徴とする便器着座設備。 【請求項6】 請求項5において、該モータはステップモータであることを特徴とする便器着座設備。 【請求項7】 請求項5又は6において、便座への着座を検知する着座検知手段が設けられており、 着座が検知されているときにはモータ回転数を小さくし、着座が検知されないときにはモータ回転数を大きくするよう制御する制御手段が設けられていることを特徴とする便器着座設備。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、便座を上下動可能に支持する便器着座設備に関する。 【背景技術】 【0002】 洋風便器の上面に設置された便座は、便座ボックスやタンクカバー等のケース部材を介して洋風便器に対し上下方向に回動可能に取り付けられている。 【0003】 このケース部材と洋風便器上面との間に尿などの汚れが染み込んで臭気の原因となり易い。そこで、ケース部材をガイド部材によって洋風便器に対し上下動可能とし、洋風便器の清掃時にケース部材を上昇させるようにした便器着座設備が開発されている(例えば特開平9−28619号公報)。 【0004】 また、足腰に不自由のある人でも便座への着座、起立を容易に行うことができるようにするために、便座を駆動装置によって上下動させるようにした便座昇降装置が特開平11−239549号公報に記載されている。 【特許文献1】特開平9−28619号公報 【特許文献2】特開平11−239549号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特開平9−28619号公報の便座支持昇降装置によれば、タンクカバーを上昇させることにより、洋風便器の後部上面を入念に清掃することが可能となるが、便座に人が座っているときに人体ごと便座を上昇させる介助機能は有していない。 【0006】 特開平11−239549号公報の便座昇降装置は、かかる介助機能は有しているが、ケース部材を上昇させて該ケース部材下側の洋風便器上面を清掃するという清掃便宜機能は有していない。 【0007】 本発明は、かかる介助機能及び清掃便宜機能を有した便器着座設備を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の便器着座設備は、洋風便器の後部上面に設置されており、少なくとも前部が昇降可能な昇降体となっているケース部材と、該昇降体に上下方向回動可能に取り付けられた便座と、該昇降体を昇降させる駆動装置とを有する便器着座設備において、該駆動装置は、便座に着座荷重が加えられているときでも着座荷重に抗して該昇降体を上昇させ得るものであることを特徴とするものである。 【0009】 かかる本発明の便器着座設備は、昇降体を上昇させることにより、洋風便器後部上面を容易に清掃することができる。また、便座に人が座ったままで昇降体を上昇させることができるので、足腰の不自由な人でも起立動作を楽に行うことができ、同様に、昇降体を上昇させておくことにより、着座動作も楽に行うことが可能となる。 【0010】 本発明では、便座は、昇降体が上昇するときには便座先端側を洋風便器の前部上面に当接させ、便座後端側が昇降体と共に上昇するよう構成されていることが好ましい。これにより、昇降体上昇時には便座は前部と後部とが支承された両持ち構造となるので、便座枢支部に加えられる荷重が例えば半減程度にまで小さくなる。 【0011】 本発明では、駆動装置は、昇降体を任意位置で停止させ、且つ便座に着座荷重が加えられていても該昇降体をこの停止位置に保持可能であるよう構成されていることが好ましい。これにより、身長の大小(特に脚の長さ)に応じて便座上昇高さを変更し、着座、起立動作を一層容易に行うことが可能となる。 【0012】 本発明では、駆動装置は、昇降体の昇降速度を変更可能であることが好ましい。これにより、便座着座者をゆっくりと押し上げ又は下降させることができると共に、清掃時には昇降体を機敏に昇降させることが可能となる。 【0013】 本発明の一態様では、駆動装置は、モータと、該モータによって昇降体を押し上げる押し上げ機構とを備えている。このモータとしてステップモータを採用した場合には、パルスレートやパルス数の制御により、昇降体の昇降速度を制御することができる。また、ステップモータの停止トルクを利用して、昇降体を任意高さに停止させることもできる。 【0014】 この場合、便座への着座を検知する着座検知手段が設けられており、着座が検知されているときにはモータ回転数を小さくし、着座が検知されないときにはモータ回転数を大きくするよう制御する制御手段が設けられている構成としてもよい。 【発明の効果】 【0015】 本発明によると、洋風便器後部上面の清掃を容易化する清掃便宜機能と、便座に対する起立、着座動作を容易化する介助機能の双方を有した便器着座設備が提供される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 【0017】 第1図及び第2図は、それぞれ、本発明の実施の形態に係る便器着座装置を備えた洋風便器の便座起立時及び便座倒伏時の側面図であり、各々の(a)図は便座ボックスが下降した状態を示し、(b)図は便座ボックスが上昇した状態を示している。また、第3図はこの洋風便器の斜視図であり、第4図は便座ボックスを昇降させるための駆動装置の斜視図である。 【0018】 陶器製の洋風便器本体1の後部上面にケース部材としての便座ボックス2が昇降可能に設置されており、この便座ボックス2に便座4及び便蓋6が起倒方向回動可能に取り付けられている。 【0019】 この実施の形態では、便座ボックス2は、昇降可能なフロントベースプレート2aと、該フロントベースプレート2aに取り付けられた無底箱状の合成樹脂製のカバー2bとによって外殻が形成されている。このフロントベースプレート2aとカバー2bとが浮上可能な昇降体を構成する。該フロントベースプレート2aは、カバー2bの底部の前部側に配置されている。図示はしないが、このフロントベースプレート2aに、人体臀部を温水で洗浄するための温水洗浄ノズル及びモータ駆動式温水切替弁装置が設置されている。また、このフロントベースプレート2aの底面には、便座ボックス2が浮上したときにその下側領域Sを照らすための照明が設けられている。この照明としてはLEDが好適であるが、これに限定されない。 【0020】 また、図示は省略するが、このフロントベースプレート2a上には、便座4及び便蓋6を開閉させる電動開閉ユニット、人体臀部に向けて温風を吹き出してその乾燥を行う温風ファン、便鉢内から臭気を含んだ空気を吸引して脱臭する脱臭ファン及び脱臭カートリッジが設けられている。また、カバー2bには、人体の便器本体1への接近及び便座4への着座を検知するための人体検知センサが設けられている。 【0021】 便器本体1の最後部上面には、カバー2bの後部側が上方から被さるようにリアベースプレート8が設けられている。このリアベースプレート8に、便座ボックス2を押し上げたり、降下させるためのモータ駆動式の駆動装置10が設置されている。この実施の形態では、該駆動装置10は、リアベースプレート8の左右の側部にそれぞれ設けられている。また、図示はしないが、このリアベースプレート8には、前記温水洗浄ノズルへ温水を供給するためのヒータ付き温水タンク、ヒータ及び電動ファンよりなる部屋暖房ファン、電源基板、各機器を制御する制御回路基板、便鉢やトラップ部へ水を供給するためのバルブユニット等が設けられている。 【0022】 該駆動装置10は、ステップモータ(図示略)と、該ステップモータが入力側に接続された変速機12と、該変速機12の出力側に接続されたピニオン14と、該ピニオン14が噛合したラック16とを有している。該変速機12は前記フロントベースプレート2aに固着されている。リアベースプレート8からは該駆動装置10のフレーム18が立設されており、このフレーム18に対してラック16が上下方向に延在するように固着されている。また、該フレーム18には上下方向に延在した1対のガイドレール(図示略)が設けられており、フロントベースプレート2aに設けられたスライダ(図示略)がこのガイドレールに沿って移動可能とされている。ステップモータが正転又は逆転することにより、フロントベースプレート2aが上昇又は下降する。 【0023】 変速機12は、入力側のステップモータの駆動軸の回転速度に対し出力側の駆動軸の回転速度を減速させることにより出力トルクを増幅する遊星歯車機構を備えている。図示はしないが、該遊星歯車機構は、内歯を有したリング歯車と、該リング歯車の内側に該リング歯車と同心状に配置された太陽歯車と、該リング歯車と太陽歯車との間に配置され且つ両者に噛合すると共に、該太陽歯車と同軸に回転するキャリアアームに枢支されている複数の遊星歯車とから構成されている。該キャリアアームに対し、ステップモータの駆動軸が接続され、該太陽歯車にピニオン14が接続されている。この遊星歯車機構により該ステップモータの回転トルクが大幅に増幅されてピニオン14に出力される。 【0024】 なお、この遊星歯車機構は、人体が便座4に着座した状態であっても、この人体からの荷重に抗して人体ごと便座ボックス2を押し上げ得る大きさまでステップモータの回転トルクを増幅することができるようになっている。 【0025】 ラック16は、第1図及び第2図に示す通り、洋風便器本体1の上面の前端部付近(便座4が倒伏した姿勢となっているときに該便座4の先端側が当接する部分)が曲率中心となるように略円弧状に湾曲している。また、前記ガイドレールも、洋風便器本体1の上面の前端部付近が曲率中心となるように、且つ該ラック16と同一の曲率半径となるように略円弧状に湾曲している。 【0026】 従って、便座ボックス2が下降しており且つ便座4が洋風便器本体1の上面に倒伏した姿勢となっている第2図(a)の状態から該便座ボックス2を上昇させた場合には、第2図(b)に示すように、洋風便器本体1の上面の前端部付近に便座4の先端部が当接した状態のまま該便座4の後端側を持ち上げるように便座ボックス2が上昇する。 【0027】 この駆動装置10は、トイレルームの壁面に取り付けられたリモコンによって操作される。このリモコンには、便座ボックス2が上昇するように駆動装置10を動作させるための便座ボックス上昇スイッチと、便座ボックス2が下降するように駆動装置10を動作させるための便座ボックス下降スイッチとが設けられている。なお、便座ボックス2を任意の位置で停止させることができるようにするための昇降停止スイッチを設けてもよい。この便座ボックス上昇スイッチ及び便座ボックス下降スイッチからの信号は、前記制御回路基板に設けられた駆動装置制御回路に入力される。 【0028】 この駆動装置制御回路は、該便座ボックス上昇スイッチが操作されている間は、便座ボックス2を上昇させるよう駆動装置10の動作を継続させる。ガイドレールの上端部にはリミットスイッチが設けられており、便座ボックス2が上昇限まで上昇したときには、このリミットスイッチによって駆動装置10の動作が自動的に終了する。また、この駆動装置制御回路は、該便座ボックス2が上昇限まで上昇する前に便座ボックス上昇スイッチの操作が中止された場合又は昇降停止スイッチを押した場合には、駆動装置10の動作を即座に終了させ、便座ボックス2を上昇途中位置において停止させる。 【0029】 便座ボックス2が上昇した状態において便座ボックス下降スイッチが操作されると、該駆動装置制御回路は、この便座ボックス下降スイッチが操作されている間は、便座ボックス2を下降させるよう駆動装置10の動作を継続させる。ガイドレールの下端部にもリミットスイッチが設けられており、便座ボックス2が下降限まで下降したときには、このリミットスイッチによって駆動装置10の動作が自動的に終了する。また、該便座ボックス2が下降限まで下降する前に便座ボックス下降スイッチの操作が中止された場合又は昇降停止スイッチを押した場合には、該駆動装置制御回路は駆動装置10の動作を即座に終了させ、便座ボックス2を下降途中位置において停止させる。 【0030】 駆動装置10が便座ボックス2の上下動の途中で停止した場合には、該便座ボックス2は、ステップモータの停止トルクによって停止位置に固定される。この停止トルクは、便座4に人が座っていても便座ボックス2を停止高さに保持することができる大きさとなっている。これにより、便座4に人が座った状態で便座ボックス2を任意の高さに保持することができる。 【0031】 なお、駆動装置10の作動に際し、該駆動装置制御回路は、ステップモータに入力されるパルスレート又はパルス数を制御することにより、前記人体検知センサが人体の便座4への着座を検知しているときにはステップモータの回転速度を小さくし、該人体検知センサが人体の便座4への着座を検知していないときには、ステップモータの回転速度を大きくする。これにより、便座4に人が座っているときには便座ボックス2がゆっくりと上昇又は下降するようになり、清掃時などにおいて便座4に人が座っていないときには、便座ボックス2が機敏に上昇又は下降するようになる。 【0032】 このように構成された便器着座装置にあっては、便座ボックス上昇スイッチを操作して便座ボックス2を上昇させることにより、第1図(b)の通り該便座ボックス2と洋風便器本体1の後部上面との間に空間Sが生じるため、洋風便器本体1の後部上面を容易に清掃することができる。 【0033】 また、この便器着座装置にあっては、便座4に人が座ったままでも人体ごと便座ボックス2を上昇させることができるので、便座4に座った人が起立動作を楽に行うことができる。また、この便座4に座る前に便座ボックス2を上昇させておくことにより、着座動作も楽に行うことが可能となる。 【0034】 この実施の形態では、前述の通り、便座ボックス2が下降しており且つ便座4が洋風便器本体1の上面に倒伏した姿勢となっている第2図(a)の状態から該便座ボックス2を上昇させた場合には、第2図(b)に示すように、洋風便器本体1の上面の前端部付近に便座4の先端側が当接した状態のまま該便座4の後端側を持ち上げるように便座ボックス2が上昇する。このように、便座ボックス2が上昇した状態にあっては、該便座4は先端側が洋風便器本体1に支承され、後端側が便座ボックス2に支承された両持ち構造となるので、着座荷重が分散され、便座4の枢支部に加えられる荷重が著しく小さくなる。 【0035】 この実施の形態では、前述の通り、駆動装置制御回路は便座ボックス上昇スイッチ又は便座ボックス下降スイッチが操作されている間だけ駆動装置10を動作させるようになっており、これらのスイッチの操作を中止することにより又は上昇スイッチを押した後の上昇中に昇降停止スイッチを押すことにより、便座ボックス2を任意の位置で停止させることができる。また、この停止位置において、該便座ボックス2はステップモータの停止トルクにより、便座4に着座荷重が加えられていても、便座ボックス2がしっかりと保持される。このため、便座4に座る人の身長の大小に応じて便座4の高さを変更し、着座、起立動作を一層容易に行うことが可能である。 【0036】 なお、上記の実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の形態に限定されるものではない。 【0037】 例えば、上記の実施の形態ではケース部材は便座ボックスであるが、タンクカバーであってもよい。便座ボックスやタンクカバーの形状、大きさは特に限定されるものではない。便座ボックスやタンクカバーは、前部のみが昇降するものであってもよく、前部から後部も含めて昇降するものであってもよい。 【図面の簡単な説明】 【0038】 【図1】実施の形態に係る便器着座装置を備えた洋風便器の便座起立時の側面図である。 【図2】図1の洋風便器の便座倒伏時の側面図である。 【図3】図1の洋風便器の斜視図である。 【図4】便座ボックスを昇降させるための駆動装置の斜視図である。 【符号の説明】 【0039】 1 便器本体 2 便座ボックス 2a フロントベースプレート 2b ケース 3 便座 4 便蓋 10 駆動装置 12 変速機 14 ピニオン 16 ラック 18 フレーム
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000479 【氏名又は名称】株式会社INAX 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成15年8月25日(2003.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086911 【弁理士】 【氏名又は名称】重野 剛
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| 【公開番号】 |
特開2005−66031(P2005−66031A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−300185(P2003−300185) |
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