| 【発明の名称】 |
電磁調理器用調理器具 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 太一
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| 【要約】 |
【課題】アルミ合金中に磁性材料を埋設した電磁調理器用調理器具において、アルミ合金は熱伝導率が高いため、熱による膨張が大きい一方、鉄やステンレス等の磁性材料はそれと比較して熱膨張が小さく、熱が加えられたとき両者間に膨張差が生じ、調理器具の底部が大きく湾曲したり、打ち付けた部分やブレージングした部分及び埋設材とアルミ合金との間に分離現象を生じていた。
【解決手段】アルミ合金製電磁調理器用調理器具の底部に一面を外部に露出して磁性材料を埋設した電磁調理器用調理器具において、該磁性材料は、外周の外環状体、内側の内環状体及び両環状体を連結する放射状の連結部材とよりなる有孔盤状体とし、該内・外環状体及び連結部材とによりアルミ合金を囲繞しながら磁性材料を埋設してなることを特徴とする電磁調理器用調理器具。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルミ合金製電磁調理器用調理器具の底部に一面を外部に露出して磁性材料を埋設した電磁調理器用調理器具において、該磁性材料は、外周の外環状体、内側の内環状体及び両環状体を連結する放射状の連結部材とよりなる有孔盤状体とし、該内・外環状体及び連結部材とによりアルミ合金を囲繞しながら磁性材料を埋設してなることを特徴とする電磁調理器用調理器具。 【請求項2】 磁性材料を円形或いは楕円形としたことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用調理器具。 【請求項3】 内・外環状体及び連結部材の各々の両側縁を断面溝形形状となるように折り曲げて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を調理器具の内側に位置するように埋設してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器用調理器具。 【請求項4】 外環状体の外側縁の折り曲げ部に、切欠部を形成してなることを特徴とする請求項3に記載の電磁調理器用調理器具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電磁手段により調理するための調理器具に関するもので、特に高周波電磁手段で使用されるアルミニウムを基材とし、その底部に磁性材料を埋設した電磁調理器用調理器具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 調理器具の素材としてアルミニウムが使用されているが、該アルミニウム製調理器具は、加工性に優れ、軽量で取り扱い易く、且つ熱伝導率が良く、調理器具として優れている。しかし、アルミニウムは透磁率が低く、且つ抵抗が低いため電磁調理器用調理器具としては使用できなかった。 【0003】 上記事情により、アルミニウム製調理器具を加熱可能な電磁調理器用調理器具として使用するためには、該調理器具の底部に発熱体を設ける必要があり、その材料として鉄、ステンレス等の磁性材料が使用されている。 【0004】 上記磁性材料は、アルミニウム製調理器具の底部に打ち付け取着したり、ブレージングにより貼り付けたり、埋設したりして、底部の外面に露出するようにして取着している。 【特許文献1】特許第2806635号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上記のように、アルミニウム或いはアルミニウム合金(以下それらを総称してアルミ合金という)は熱伝導率が高いため、熱による膨張が大きい一方、鉄やステンレス等の磁性材料はそれと比較して熱膨張が小さく、熱が加えられたとき両者間に膨張差が生じ、調理器具の底部が大きく湾曲したり、打ち付けた部分やブレージングした部分及び埋設材とアルミ合金との間に分離現象を生じていた。 【0006】 また、アルミ合金中に磁性材料を埋設する手段として、アルミ鋳造法が行なわれているが、キャビティー内に生じるガスの排出が鋳造品質の大きなポイントの1つとなっている。しかし、上記した埋設材の分離を回避するべく、該埋設材を該アルミ合金中に強固に銜え込ます必要から該埋設材にアンカー部を設け、両者の結合が強固となるようにしているため、そのアンカーの形状により両者間にガス溜まりが生じていた。 【0007】 その結果、湯廻り不良が発生して安定した製品が製造できなかった。更に、該磁性材料とアルミ合金との間に空気層ができることにより、熱伝導が悪化し、熱効率が低下していた。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、上記課題を解決したもので、アルミ合金と磁性材料との熱伝導率の差に基づく膨張差を吸収して両者間に分離現象が生じるのを防止し、且つ製造時において生じるガス溜まりを防止することを可能としたもので、その具体的な手段として、アルミ合金製電磁調理器用調理器具の底部に一面を外部に露出して磁性材料を埋設した電磁調理器用調理器具において、該磁性材料は、外周の外環状体、内側の内環状体及び両環状体を連結する放射状の連結部材とよりなる有孔盤状体とし、該内・外環状体及び連結部材とによりアルミ合金を囲繞しながら磁性材料を埋設してなる電磁調理器用調理器具を特徴とする。 【0009】 また、上記磁性材料を円形或いは楕円形とした電磁調理器用調理器具を特徴とする。 【0010】 更に、内・外環状体及び連結部材の各々の両側縁を断面溝形形状となるように折り曲げて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を調理器具の内側に位置するように埋設してなる電磁調理器用調理器具を特徴とする。 【0011】 また、上記外環状体の外側縁の折り曲げ部に、切欠部を形成してなる電磁調理器用調理器具を特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 本発明は、磁性材料を盤状体とし、該盤状体の形状において、囲繞された空間を設けたので、該磁性材料により該空間内のアルミ合金は分断され、該空間内のアルミ合金の膨張範囲を限定できるようになった。また、磁性材料の中央部を大きな空洞とすることにより、鋳造時において中央部からの注湯を可能とし、更に、磁性材料の中央部付近の熱歪を減少させることを可能とした。 【0013】 また、該盤状体を構成する内・外環状体及び連結部材の溝幅を変えることにより、必要とする入力電力に対応することが可能となり、熱源の調整が容易となった。 【0014】 更に、内・外環状体及び連結部材を断面溝形形状とすることにより、該溝の立ち上げ部分がアルミ合金へのアンカー効果となり両者が強固に固定され、且つ鋳造時の熱歪を防止することが可能となった。 【0015】 また、アルミ鋳造法により、アルミ合金が凝固するときに発生するキャビティー内のガスの排出を磁性材料の外側縁の折り曲げ部に形成した切欠部により行うことができ、ガス溜まりを防止することができ、磁性材料とアルミ合金との密着性を高め、分離現象の防止及び熱効率の低下を防止することが可能となった。 【0016】 更に、本発明の磁性材料を埋設したアルミ鋳造調理器具は、製品安全基準協会の安全基準の入力電力規格を満たすことができ、また、調理器具底部の湾曲率も規定の検査方法において基準以下に押えることが可能となった。それらにより、調理器具のセンサー感度が良好となり、温度制御が安定することとなった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、実施例に添って説明する。 【実施例1】 【0018】 図1は、本発明の電磁調理器用調理器具の底部に埋設される磁性材料よりなる有孔盤状体を示す平面図、図2は同A−A線の断面図、図3は同B−B線の断面図を示している。 有孔盤状体1は、鉄、ステンレス等の有磁性の材料からなり、それらを盤状体として形成し、全体が円形状とされている。該有孔盤状体1は、外周を形成する外環状体2、内側のリングを形成する内環状体3及び両環状体を連結する放射状の連結部材4並びに該外環状体2の内側縁5、内環状体3の外側縁6及び連結部材4.4の側縁7.7とによって囲まれた略扇型形状の周辺部空間8、該内環状体3の内側に形成された円形の中心部空間9とにより構成されている。 【0019】 図2、3の断面図に示すように、有孔盤状体1の外環状体2、内環状体3及び連結部材4の各々の断面形状は、電磁調理器用調理器具の内側となる背面方向へ両側縁を折り曲げた断面溝形形状10を構成している。 【0020】 上記背面方向への折り曲げは、プレス機械により行なわれることになるが、平板状の部材を打ち抜いて有孔盤状体を形成することになるので、図4に示すように打ち抜かれた側縁先端部は、その背面側にバリ11が生じることになる。該側縁は、折り曲げて溝形形状10を形成することになるが、該溝形形状のコ字形の内側に、該バリ11が位置することになり、当該部分がアンカーの役割をし、鋳造時にアルミ合金との固定度をより強固なものとすることが可能となる。 【0021】 図5は、外環状体2の外側縁12に形成した切欠部13、14を示している。図5(a)に示す切欠部13は長方形状に切欠形成され、図5(b)に示す切欠部14は半円形状に切欠形成している。該切欠部はノコギリ歯状、半割楕円形状、三角形状等、溝の内側と外側とが連通する形状であれば適宜な形状が採用できる。該切欠部13、14は、適宜間隔を有して外側縁12の先端部から切除されるが、実施例のものは8箇所ある連結部材4の延長線上に各々1箇所及び該連結部材4間に2箇所形成している。 【0022】 該切欠部13、14は、アルミ合金に有孔盤状体1を埋設する鋳造時に、該アルミ合金が凝固する際に発生するガスが該有孔盤状体1の溝形形状10部に溜まるのを防止し、当該ガスを外部へ逃すためのガス抜き用となる。また、当該箇所よりアルミ合金との接触面を多くすることができ、より強固な固定状態を達成することが可能となる。 また、磁性材料の中心部空間9を大きく形成することにより、鋳造時において中央部からの注湯を可能とし、且つ磁性材料の中央部付近の熱歪を減少させることが可能である。 【実施例2】 【0023】 図6は、本発明の電磁調理器用調理器具の底部に埋設される磁性材料よりなる他の実施例の有孔盤状体を示す平面図、図7は同正面図、図8は同A−A線の断面図を示している。 有孔盤状体15は、実施例1と同様、有磁性の材料からなり、盤状体として形成し、全体が楕円形状とされている。該有孔盤状体15は、外周を形成する外環状体16、内側のリングを形成する内環状体17及び両環状体を連結する放射状の連結部材18並びに該外環状体16の内側縁19、内環状体17の外側縁20及び連結部材18.18の側縁21.21とによって囲まれた変形台形状の周辺部空間22、該内環状体17の内側に形成された円形(或いは楕円形)の中心部空間23とにより構成されている。 【0024】 該有孔盤状体15の外環状体16、内環状体17及び連結部材18の各々の断面形状は、上記実施例1と同様、背面方向へ両側縁を折り曲げた溝形形状24を構成している。 【0025】 該有孔盤状体15の製造方法は、上記実施例1と同様、プレス機により打ち抜きされ、該打ち抜き箇所の背面側の側縁先端部にはバリが形成されることになる。 【0026】 また、外環状体16の外側縁25には、上記実施例1と同様、ガス抜き或いはアンカーのための長方形状或いは半円形状等の様々な形状の連通切欠部26が形成される。 【0027】 上記実施例1、2では連結部材4、18を各々8箇所形成しているが、これは必要に応じて例えば4箇所でも12箇所でも適宜の数とすることができる。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明の電磁調理器用調理器具の底部に埋設される磁性材料を有孔盤状体に形成した平面図。 【図2】図1のA−A線の断面図。 【図3】図1のB−B線の断面図。 【図4(a)】打ち抜き部を示す断面図。 【図4(b)】同打ち抜き部を折り曲げた状態を示す断面図。 【図5(a)】切欠部の側面図。 【図5(b)】切欠部の他の実施例の側面図。 【図6】本発明の電磁調理器用調理器具の底部に埋設される磁性材料を有孔盤状体に形成した他の実施例の平面図。 【図7】図6の正面図。 【図8】図6のA−A線の断面図。 【符号の説明】 【0029】 1、15 有孔盤状体 2、16 外環状体 3、17 内環状体 4、18 連結部材 5、19 内側縁 6、20 外側縁 7、21 側縁 8、22 周辺部空間 9、23 中心部空間 10、24 溝形形状 11 バリ 12、25 外側縁 13、14、26 切欠部
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| 【出願人】 |
【識別番号】597053371 【氏名又は名称】ダイヤアルミ株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年4月12日(2004.4.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109966 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 哲夫
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| 【公開番号】 |
特開2005−296320(P2005−296320A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−116624(P2004−116624) |
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