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【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】河野 一典
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】炊飯性能を向上させるために、水の沸点以上の蒸気を利用する炊飯器において、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段の位置をご飯に近づけることにより、十分に温度の高い過熱蒸気により米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給し、期待する炊飯性能を確保する。

【解決手段】鍋2を鍋加熱手段3により加熱し、炊飯量を炊飯量判定手段6により判定し、大気圧下の水の沸点以上の蒸気を過熱蒸気発生手段5により発生させて鍋2内に供給し、鍋加熱手段3を制御手段4により制御する。制御手段4は、炊飯量に応じて、過熱蒸気発生手段5の位置を変化させるよう構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋加熱手段を制御する制御手段と、炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、大気圧下の水の沸点以上の蒸気を発生させて前記鍋内に供給する過熱蒸気発生手段とを備え、前記制御手段は、炊飯量に応じて、前記過熱蒸気発生手段の位置を変化させるよう構成した炊飯器。
【請求項2】
過熱蒸気発生手段の位置を設定する位置設定手段を備え、使用者が任意に過熱蒸気発生手段の位置を設定できるようにした請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
過熱蒸気発生手段は、過熱蒸気発生手段より上部に過熱蒸気が回り込まないよう構成した請求項1または2記載の炊飯器。
【請求項4】
過熱蒸気発生手段は、保温時に炊飯量より十分に高い位置にあるようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
使用者に炊飯器の状態を知らせる表示手段を備え、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段の位置が低い場合、前記表示手段に表示するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】
表示手段に加え、音声により報知する報知手段を備えた請求項5記載の炊飯器。
【請求項7】
制御手段は、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段の位置が低い場合、その位置を適正な位置にするようにした請求項2〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯性能を向上させるために、水の沸点以上の蒸気を利用する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な家庭用の炊飯器においては、鍋内の米と水を加熱するために鍋底部に配置した鍋加熱手段が主であり、蓋内の加熱手段は鍋内の米、水の上方の空間を介するため、結果的に補助的な加熱となる。よって、鍋内上層の米は加熱量が不足し、鍋内の米、水を均一な加熱をすることができなかった。
【0003】
さらに、本来、炊飯においては、水がほぼなくなり米の流動性がなくなる、炊飯の最終工程である蒸らし工程で、それまでの加熱を継続し、米澱粉の糊化を完成させることが美味なるご飯を炊くために必須であるが、この工程で加熱を継続すると鍋底付近の米飯が焦げてしまうため加熱を弱めることが多かった。
【0004】
加熱を弱めることに伴う糊化不足を防止し、炊飯性能を向上させるための手段としては、蓋体に高熱源である誘導加熱コイルを設けて鍋の開口部の上方から米を加熱するようなものがあった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
図7は、特許文献1に記載の炊飯器を示すもので、以下、その構成について説明する。
【0006】
図7に示すように、本体ケース1は、下面に支持脚2を有する底板3を固着している。保護枠4は耐熱性を有するプラスチックスによって構成し、上部周縁部に設けたつば部5を本体ケース1の上面に固着している。底面加熱用誘導コイル6は保護枠4の下底部に装着し、側面加熱用誘導コイル7は保護枠4の下方側部に設置して、保護枠4に収容された磁性金属層をもつ鍋8を底面加熱用誘導コイル6と側面加熱用誘導コイル7とによって加熱し、鍋8内の米と水との内容物を加熱調理するよう構成している。
【0007】
温度センサ9は保護枠4の底面の中心に設けた貫通孔に装着している。蓋体10はつまみ11を有し、保護枠4の上端部のつば部5上に着脱自在に載置されており、耐熱性を有するプラスチックスによって構成した内カバー12を断熱材13を介して固着している。内蓋14は内カバー12にピン20によって着脱自在に装着し、その周縁部は鍋8のつば部に載置し、鍋8を覆蓋するものである。
【0008】
本体側上部誘導コイル15は保護枠4のつば部5の内面に設置し、本体ケース1内の電源部(図示せず)に接続している。蓋体側誘導コイル16は蓋体10内の本体側誘導コイル15に対向する部分に装着しており、本体側上部誘導コイル15によって励磁され、この蓋体側誘導コイル16に励起された電流が誘導加熱コイル19に流れ、誘導加熱コイル19の磁束により磁性金属板で形成された加熱板17が誘導加熱され、鍋8内の上部よりの炊飯加熱または保温加熱ができるよう構成している。
【0009】
特許文献2についても、その基本構成は特許文献1と同様であるので、ここでは詳細は省略する。
【特許文献1】特許第2988050号公報
【特許文献2】特開平6−62956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記構成の従来の炊飯器では、鍋8内の上層の米が直接、誘導加熱コイル19の熱放射により加熱されることになるため、蒸らし工程においては、ご飯の水分が蒸発して乾燥するという現象が生じる。したがって、鍋8内の米飯全体が十分な炊飯性能を確保できる温度まで鍋8の上方から誘導加熱コイル19で加熱すると、鍋8の上層では乾燥して逆に食味が落ちてしまうため、結局、十分な加熱が行えず、鍋8内全体にわたっての食味は完全なものではなかった。
【0011】
さらに、炊飯量が多いほど、加熱量を多くしなければならないにも拘わらず、炊飯量が多くなるほど、上層の米は誘導加熱コイル19に接近するので乾燥しやすくなるため、加熱を弱めなければならないという矛盾を生じていた。
【0012】
この第1の課題は、大気圧下の水の沸点(100℃)以上の過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生手段を備えた炊飯器とすることにより解決することができる。すなわち、大気圧下の水の沸点(100℃)以上の過熱蒸気を鍋8の開口部上方から米に供給することにより、まず、蒸気が供給されるがゆえにご飯の乾燥を伴わない、しかも、100℃以下の蒸気供給では米粒表面に水が付着して溜まるが、100℃以上の蒸気であるので、米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーをもち、アルファ化を促進し、炊飯性能を向上することができる。
【0013】
しかしながら、上記の構成にした場合、新たに第2の課題が生じる。つまり、少量の炊飯時、鍋8内部の空間が大きく、ご飯上部の空間に過熱蒸気を加えるのに大きなエネルギーを必要とし、不足していた場合には、鍋内のご飯に当たる過熱蒸気温度が十分に上がらず、期待する炊飯性能を得ることができないということである。
【0014】
本発明は上記第2の課題を解決するもので、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段の位置をご飯に近づけることにより、十分に温度の高い過熱蒸気により米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給し、期待する炊飯性能を確保することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するために、鍋を鍋加熱手段により加熱し、炊飯量を炊飯量判定手段により判定し、大気圧下の水の沸点以上の蒸気を過熱蒸気発生手段により発生させて鍋内に供給し、鍋加熱手段を制御手段により制御するよう構成し、制御手段は、炊飯量に応じて、過熱蒸気発生手段の位置を変化させるよう構成したものである。
【0016】
これにより、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段の位置をご飯に近づけることにより、十分に温度の高い過熱蒸気により米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給することができ、期待する炊飯性能を確保することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の炊飯器は、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段の位置をご飯に近づけることにより、十分に温度の高い過熱蒸気により米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給することができ、期待する炊飯性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
第1の発明は、鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋加熱手段を制御する制御手段と、炊飯量を判定する炊飯量判定手段と、大気圧下の水の沸点以上の蒸気を発生させて前記鍋内に供給する過熱蒸気発生手段とを備え、前記制御手段は、炊飯量に応じて、前記過熱蒸気発生手段の位置を変化させるよう構成したものであり、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段の位置を変えることができるため、炊飯量が少ない場合、過熱蒸気発生手段をご飯に近づけることにより、米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給することができ、期待する炊飯性能の確保することができる。
【0019】
第2の発明は、上記第1の発明において、過熱蒸気発生手段の位置を設定する位置設定手段を備え、使用者が任意に過熱蒸気発生手段の位置を設定できるようにしたものであり、使用者が位置設定手段により過熱蒸気発生手段の位置を設定することで、炊飯中のご飯と過熱蒸気発生手段の位置を調整することができ、使用者の好みの炊飯性能および保温性能を実現できる。
【0020】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、過熱蒸気発生手段は、過熱蒸気発生手段より上部に過熱蒸気が回り込まないよう構成したものであり、過熱蒸気発生手段より上部の空間を加熱するという米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーとは関係のないエネルギー消費を低減することができ、不必要な電力消費を低減することができる。
【0021】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、過熱蒸気発生手段は、保温時に炊飯量より十分に高い位置にあるようにしたものであり、使用者がご飯をほぐすことでご飯の高さが高くなった場合にも、過熱蒸気発生手段にご飯が付着しその機能が低下するのを防ぐことができる。
【0022】
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか1つの発明において、使用者に炊飯器の状態を知らせる表示手段を備え、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段の位置が低い場合、前記表示手段に表示するようにしたものであり、過熱蒸気発生手段の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせることができ、過熱蒸気を利用した炊飯に不具合があるため過熱蒸気発生手段の位置を上げることを使用者に促すことができる。
【0023】
第6の発明は、上記第5の発明において、表示手段に加え、音声により報知する報知手段を備えたものであり、過熱蒸気発生手段の位置が炊飯量より低いことを、炊飯器を見ていない場合、または炊飯器から離れている場合においても、使用者に知らせることができ、過熱蒸気を利用した炊飯に不具合があるため過熱蒸気発生手段の位置を上げることを使用者に促すことができる。
【0024】
第7の発明は、上記第2〜6のいずれか1つの発明において、制御手段は、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段の位置が低い場合、その位置を適正な位置にするようにしたものであり、過熱蒸気発生手段の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせるとともに、過熱蒸気発生手段の位置を炊飯量に対して適正な位置に調整し、使用者の手を煩わすことなく炊飯性能および保温性能の低下を防止することができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図を示すものであり、図2は、炊飯量に応じた過熱蒸気発生手段の位置を示す状態図である。
【0027】
図1に示すように、炊飯器本体1は、鍋2を着脱自在に内装し、鍋加熱手段3により鍋3を加熱するようにしている。過熱蒸気発生手段5は、大気圧下の水の沸点以上の蒸気を発生させ、鍋2内に供給するもので、炊飯量判定手段6は、炊飯量を判定するものである。
【0028】
制御手段4は、炊飯量判定手段6により判定された炊飯量に応じて、所定の炊飯工程に基づき鍋加熱手段3を制御するとともに、炊飯量判定手段6により判定された炊飯量に応じて、過熱蒸気発生手段5の位置を上下に変化させるよう構成している。
【0029】
上記構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2に入れ、炊飯器本体1に所定の状態に内装する。使用者が炊飯開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御手段4により炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋2内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。
【0030】
そのため、制御手段4は所定のシーケンスに応じて、鍋加熱手段3、過熱蒸気発生手段5を駆動する。過熱蒸気発生手段5を駆動することにより、発生した過熱蒸気は鍋2内部に放出される。つまり、米と水の状態から熱量を加え、米のアルファ化を促進する炊き上げの工程においては、炊き上げの工程の後半において水はなくなっており、鍋加熱手段3により加熱しにくいご飯の上部においては、過熱蒸気を鍋2内部に放出することにより、ご飯のアルファ化を一層促進することができ、炊飯性能を向上することができる。
【0031】
このとき、本発明における炊飯器では、図2に示すように、炊飯器の炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段5の位置を変化する。つまり、炊飯量判定手段6により炊飯量が少ないと判定した場合、制御手段4は、図2(a)に示すように、過熱蒸気発生手段5の位置を炊飯量(ご飯20の量)に応じた低い位置にあるように制御する。また、炊飯量判定手段6により炊飯量が多いと判定した場合、制御手段4は、図2(b)に示すように、過熱蒸気発生手段5の位置を炊飯量(ご飯20の量)に応じた高い位置にあるように制御する。
【0032】
したがって、鍋2内に供給される過熱蒸気とご飯の位置関係およびご飯に供給される過熱蒸気からの熱量は炊飯量にかかわらず一定とすることができるので、炊飯量にかかわらず所定の炊飯性能の向上を得ることができる。
【0033】
また、この動作は蒸らし工程においても同様である。すなわち、蒸らし工程においては、水分が少ないため、鍋2を底から加熱すると鍋2の加熱される面付近のご飯は焦げる。また、鍋2上面のご飯は水分の蒸発が活発となるので乾燥しやすい状態となる。したがって、蒸らし工程においても、上面からの蒸気による加熱を行うことで、鍋全体の加熱の局部的な温度上昇と、上面とその近傍の米の乾燥を防止することができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段5の位置を変化させるよう構成したので、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段5の位置を変えることができるため、炊飯量が少ない場合、過熱蒸気発生手段5をご飯に近づけることにより、米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給することができ、期待する炊飯性能の確保することができる。
【0035】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0036】
図3に示すように、位置設定手段7は、過熱蒸気発生手段5の位置を設定するもので、使用者が任意に過熱蒸気発生手段5の位置を設定できるようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
上記構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2内に入れ、炊飯器本体1に所定の状態に内装する。使用者が炊飯開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御手段4により炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋2内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。
【0038】
そのため、制御手段4は所定のシーケンスに応じて、鍋加熱手段3、過熱蒸気発生手段5を駆動する。過熱蒸気発生手段5を駆動することにより、発生した過熱蒸気は鍋2内部に放出される。つまり、米と水の状態から熱量を加え、米のアルファ化を促進する炊き上げ工程において、炊き上げ工程の後半においては水はなくなっており、鍋加熱手段3により加熱しにくいご飯の上部に、過熱蒸気を鍋2内部に放出することにより、ご飯のアルファ化を一層促進することができ、炊飯性能を向上することができる。
【0039】
このとき、過熱蒸気発生手段5は位置設定手段7により設定された位置にあり、そこから過熱蒸気をご飯に対して供給する。したがって、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が離れている場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が少なめになり、ご飯のアルファ化の促進が弱めになり、歯ごたえのある固めのご飯になる。また、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が近い場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が多めになり、ご飯のアルファ化の促進が強めになり、粘りのあるもちもち感のあるご飯になる。
【0040】
また、この動作は保温中においても同様である。すなわち、保温中においても、過熱蒸気発生手段5の位置を変え、その効果を調整することにより、上面とその近傍のご飯の乾燥を防止でき、使用者の好みの味を実現することができる。
【0041】
以上のように、本実施の形態においては、過熱蒸気発生手段5の位置を設定する位置設定手段7を備え、使用者が任意に過熱蒸気発生手段5の位置を設定できるようにしたので、使用者が位置設定手段7により過熱蒸気発生手段5の位置を設定することで、炊飯中のご飯と過熱蒸気発生手段5の位置を調整することができ、使用者の好みの炊飯性能および保温性能を実現できる。
【0042】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における炊飯器の要部構成図を示すものである。
【0043】
図4に示すように、過熱蒸気発生手段5は鍋2の内周に合う大きさとし、過熱蒸気発生手段5より上部に過熱蒸気が回り込まないよう構成している。他の構成は上記実施の形態1または2と同じである。
【0044】
上記構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2内に入れ、炊飯器本体1に所定の状態に内装する。使用者が炊飯開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御手段4により炊飯工程が実施される。炊飯工程は浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋2内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。
【0045】
そのため、制御手段4は所定のシーケンスに応じて、鍋加熱手段3、過熱蒸気発生手段5を駆動する。過熱蒸気発生手段5を駆動することにより、発生した過熱蒸気は鍋2内部に放出される。
【0046】
このとき、過熱蒸気発生手段5は鍋2の内周に合う大きさをし、過熱蒸気発生手段5より上部に過熱蒸気が回り込まないよう構成しているため、過熱蒸気発生手段5からご飯20に対して発生した過熱蒸気は過熱蒸気発生手段5より上部に回り込むことはなく、過熱蒸気発生手段5の上部空間に熱量が逃げにくくなる。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、過熱蒸気発生手段5は、過熱蒸気発生手段5より上部に過熱蒸気が回り込まないよう構成したので、過熱蒸気発生手段5より上部の空間を加熱するという米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーとは関係のないエネルギー消費を低減することができ、不必要な電力消費を低減することができる。
【0048】
(実施の形態4)
図1または図2に示す過熱蒸気発生手段5は、保温時に炊飯量より十分に高い位置にあるようにしている。他の構成は上記実施の形態1〜3と同じである。
【0049】
上記構成において動作を説明する。炊飯動作終了後、保温に入るが、このとき、炊飯量判定手段6により判定された炊飯量に対し、十分に高い位置に過熱蒸気発生手段5があるように過熱蒸気発生手段5を上昇する。炊飯が終了後、ご飯をほぐすのが一般的であるが、このとき、鍋2内のご飯の高さは炊飯時より高くなる。これは、ほぐしたときにご飯上部が均一な高さではなく、ご飯の間に空気を含むので体積が大きくなるためである。
【0050】
これにより、過熱蒸気発生手段5が炊飯中と同じ高さにある場合、ご飯と過熱蒸気発生手段5が接触するため、過熱蒸気発生手段5からの過熱蒸気の発生が妨げられる等の不具合が発生する。そこで、過熱蒸気発生手段5の位置を上昇させることにより、ご飯と過熱蒸気発生手段5の間の空間を確保することで、この不具合を避けることができる。
【0051】
以上のように、本実施の形態においては、過熱蒸気発生手段5は、保温時に炊飯量より十分に高い位置にあるようにしたので、使用者がご飯をほぐすことでご飯の高さが高くなった場合にも、過熱蒸気発生手段5にご飯が付着しその機能が低下するのを防ぐことができる。
【0052】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0053】
図5に示すように、表示手段8は、使用者に炊飯器の状態を知らせるもので、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、表示手段8に表示するようにしている。他の構成は上記実施の形態1または2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
上記構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2に入れ、炊飯器本体1に所定の状態に内装する。炊飯開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御手段4により炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋2内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。
【0055】
そのため、制御手段4は所定のシーケンスに応じて、鍋加熱手段3、過熱蒸気発生手段5を駆動する。過熱蒸気発生手段5が駆動することにより、発生した過熱蒸気は鍋2内部に放出される。つまり、米と水の状態から熱量を加え、米のアルファ化を促進する炊き上げの工程において、炊き上げの工程の後半においては水はなくなっており、鍋加熱手段3により加熱しにくいご飯の上部においては、過熱蒸気を鍋2内部に放出することにより、ご飯のアルファ化を一層促進することができ、炊飯性能を向上することができる。
【0056】
このとき、過熱蒸気発生手段5は位置設定手段7により設定された位置にあり、そこから過熱蒸気をご飯に対して供給する。したがって、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が離れている場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が少なめになり、ご飯のアルファ化の促進が弱めになり、歯ごたえのある固めのご飯になる。また、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が近い場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が多めになり、ご飯のアルファ化の促進が強めになり、粘りのあるもちもち感のあるご飯になる。
【0057】
このとき、炊飯量判定手段6による炊飯量に対して、位置設定手段7により設定された過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、過熱蒸気発生手段5からの過熱蒸気の発生が妨げられる等の不具合が発生する。そこで、表示手段8に表示することで、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせる。
【0058】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、表示手段8に表示するようにしたので、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせることができ、過熱蒸気を利用した炊飯に不具合があるため過熱蒸気発生手段5の位置を上げることを使用者に促すことができる。
【0059】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態5における炊飯器のブロック図を示すものである。
【0060】
図6に示すように、報知手段9は、使用者に炊飯器の状態を報知するもので、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、報知手段9により音声で報知するようにしている。他の構成は上記実施の形態5と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
上記構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2に入れ、炊飯器本体1に所定の状態に内装する。炊飯開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御手段4により炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋2内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。
【0062】
そのため、制御手段4は所定のシーケンスに応じて、鍋加熱手段3、過熱蒸気発生手段5を駆動する。過熱蒸気発生手段5が駆動することにより、発生した過熱蒸気は鍋2内部に放出される。つまり、米と水の状態から熱量を加え、米のアルファ化を促進する炊き上げの工程において、炊き上げの工程の後半においては水はなくなっており、鍋加熱手段3により加熱しにくいご飯の上部においては、過熱蒸気を鍋2内部に放出することにより、ご飯のアルファ化を一層促進することができ、炊飯性能を向上することができる。
【0063】
このとき、過熱蒸気発生手段5は位置設定手段7により設定された位置にあり、そこから過熱蒸気をご飯に対して供給する。したがって、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が離れている場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が少なめになり、ご飯のアルファ化の促進が弱めになり、歯ごたえのある固めのご飯になる。また、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が近い場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が多めになり、ご飯のアルファ化の促進が強めになり、粘りのあるもちもち感のあるご飯になる。
【0064】
このとき、炊飯量判定手段6による炊飯量に対して、位置設定手段7により設定された過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、過熱蒸気発生手段5からの過熱蒸気の発生が妨げられる等の不具合が発生する。そこで、表示手段8に表示することで、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせ、さらに、音声による報知手段9により報知することで、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを、炊飯器を見ていない場合、あるいは炊飯器から離れている場合においても使用者に知らせることができる。
【0065】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、表示手段8に加え、報知手段9により音声で報知するようにしたので、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを、炊飯器を見ていない場合、または炊飯器から離れている場合においても、使用者に知らせることができ、過熱蒸気を利用した炊飯に不具合があるため過熱蒸気発生手段5の位置を上げることを使用者に促すことができる。
【0066】
(実施の形態7)
図5に示す制御手段4は、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、その位置を適正な位置にするようにしている。他の構成は上記実施の形態2、5または6と同じである。
【0067】
上記構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2に入れ、炊飯器本体1に所定の状態に内装する。炊飯開始スイッチ(図示せず)を操作すると、制御手段4により炊飯工程が実施される。炊飯工程は、浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋2内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。
【0068】
そのため、制御手段4は所定のシーケンスに応じて、鍋加熱手段3、過熱蒸気発生手段5を駆動する。過熱蒸気発生手段5が駆動することにより、発生した過熱蒸気は鍋2内部に放出される。つまり、米と水の状態から熱量を加え、米のアルファ化を促進する炊き上げの工程において、炊き上げの工程の後半においては水はなくなっており、鍋加熱手段3により加熱しにくいご飯の上部においては、過熱蒸気を鍋2内部に放出することにより、ご飯のアルファ化を一層促進することができ、炊飯性能を向上することができる。
【0069】
このとき、過熱蒸気発生手段5は位置設定手段7により設定された位置にあり、そこから過熱蒸気をご飯に対して供給する。したがって、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が離れている場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が少なめになり、ご飯のアルファ化の促進が弱めになり、歯ごたえのある固めのご飯になる。また、過熱蒸気発生手段5のご飯からの距離が近い場合、過熱蒸気からご飯へ与えられる熱量が多めになり、ご飯のアルファ化の促進が強めになり、粘りのあるもちもち感のあるご飯になる。
【0070】
このとき、炊飯量判定手段6による炊飯量に対して、位置設定手段7により設定された過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、過熱蒸気発生手段5からの過熱蒸気の発生が妨げられる等の不具合が発生する。そこで、表示手段8に表示することで、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせ、過熱蒸気を利用した炊飯に不具合があるため過熱蒸気発生手段5の位置を上げることを使用者に促すことができる。
【0071】
それとともに、制御手段4は、炊飯量判定手段6による炊飯量に対して適切な位置に過熱蒸気発生手段5の位置をあわせる。
【0072】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段4は、炊飯量に対して過熱蒸気発生手段5の位置が低い場合、その位置を適正な位置にするようにしたので、過熱蒸気発生手段5の位置が炊飯量より低いことを使用者に知らせるとともに、過熱蒸気発生手段5の位置を炊飯量に対して適正な位置に調整し、使用者の手を煩わすことなく炊飯性能および保温性能の低下を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、炊飯量に応じて過熱蒸気発生手段の位置をご飯に近づけることにより、十分に温度の高い過熱蒸気により米のアルファ化を進行させるのに必要なエネルギーを供給することができ、期待する炊飯性能を確保することができるので、水の沸点以上の蒸気を利用する炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器のブロック図
【図2】(a)同炊飯器のご飯が少ない場合の要部構成図(b)同炊飯器のご飯が多い場合の要部構成図
【図3】本発明の実施の形態2における炊飯器のブロック図
【図4】本発明の実施の形態3における炊飯器の要部構成図
【図5】本発明の実施の形態5における炊飯器のブロック図
【図6】本発明の実施の形態6における炊飯器のブロック図
【図7】従来の炊飯器の断面図
【符号の説明】
【0075】
2 鍋
3 鍋加熱手段
4 制御手段
5 過熱蒸気発生手段
6 炊飯量判定手段
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年10月24日(2003.10.24)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−124863(P2005−124863A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2003−364255(P2003−364255)