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【発明の名称】 食品加工用台車
【発明者】 【氏名】水梨 潤一
【住所又は居所】愛知県豊橋市西七根町字上相待ヶ谷29番地 高技工業株式会社内

【要約】 【課題】蒸気を効率よく供給して食品を効率よく略均等に蒸して加工することができる食品加工用台車を提供すること。

【解決手段】食品加工用台車は、水蒸気を噴射する噴射パイプ13の噴射孔14とカートリッジ40内部に水蒸気を導入する導入口44とが連通する位置に、上面が開口46により開放されたカートリッジ40が支持部材20に支持されて配置され、その上方に食品を内部に収納すると共に底面に水蒸気を通す複数のパンチング孔35が穿設された食品収納ケース30が配置される。そのため、噴射パイプ13から噴射され導入口44を介してカートリッジ40内部に導入された水蒸気は、開口46から上方に放出され、食品収納ケース30内部に効率よく侵入する。また、蓋33により食品収納ケース30内に水蒸気が充満するので、食品に対して水蒸気が略均等に浸透する。よって、水蒸気を効率よく供給して食品を効率よく略均等に蒸して加工することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を蒸気で蒸して加工する食品加工用台車において、
前記蒸気を供給する供給部材と、
その供給部材により供給された蒸気を噴射する噴射口を有する噴射部材と、
前記噴射口と連通し前記噴射部材により噴射される蒸気を内部に導入する導入口と、その導入口から導入された蒸気が流通する中空部と、その中空部と外部とを連通する上面が開放された開口とを有する箱状の箱部材と、
その箱部材の上方に配置され、前記食品を収納すると共に底面に蒸気を通す複数の貫通孔が穿設された収納部材とを備えていることを特徴とする食品加工用台車。
【請求項2】
前記箱部材は、その箱部材の周囲を囲む側壁の内一端面が開放され、その側壁の内側には、前記上面に開放された開口の外縁から前記箱部材の側壁方向に亘って、前記収納部材の底面の外縁部を支持する台部が形成されており、その台部の外形と前記収納部材の底面の外形とが略同等に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の食品加工用台車。
【請求項3】
前記箱部材は、その箱部材の側壁の1つに前記導入口が形成され、その導入口が形成された側壁と対向する側壁下部又はその側壁近傍の底面に前記中空部と外部とを連通する連通孔が少なくとも1以上穿設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品加工用台車。
【請求項4】
前記収納部材は、周囲を側壁で囲まれた箱状に形成され、その箱状に形成された収納部材の上面を塞ぐ板状の蓋部材を備え、その蓋部材は、前記収納部材内部の蒸気を外部に放出する少なくとも1以上で前記収納部材の底面に穿設された貫通孔より少ない数の放出孔が穿設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の食品加工用台車。
【請求項5】
棒状部材からなる枠組で略直方体に構成された枠部材と、
その枠部材の空間を垂直方向に略2等分する位置に接合されると共に、前記供給部材から供給される蒸気を前記噴射部材へ供給する連通路である中空状の枠組で構成された中間枠部材と、
前記箱部材を下方から支持し、一端部が前記枠部材と接合されると共に他端部が前記中間枠部材と接合され、前記枠部材の略2等分された空間内に前記中間枠部材を基準として対称に複数段配設された支持部材とを備え、
前記噴射部材は、前記支持部材に支持されて配置される前記箱部材に対応して前記中間枠部材に連通しつつ複数接合されると共に、水平方向に噴射口が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の食品加工用台車。
【請求項6】
前記支持部材は、一方が垂直方向へ向いた垂直板部材と他方が前記枠部材の内側へ向いた水平板部材とのL字状の板部材が水平方向に対向して接合された一対のL字状板部材で構成されると共に、前記垂直板部材の高さは、前記箱部材の開放された一端面の底面からの高さより低く構成されていることを特徴とする請求項5に記載の食品加工用台車。
【請求項7】
前記支持部材には、前記枠部材と接合された端部に、前記箱部材の位置ズレを防止する位置ズレ防止部材が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の食品加工用台車。
【請求項8】
前記連通孔が穿設された側壁の前記連通孔から前記導入口方向の厚みは、前記枠部材の垂直方向に構成された棒状部材の水平方向の厚みと比較して、少なくとも同等以上の厚みに構成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の食品加工用台車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品加工用台車に関し、特に、蒸気を効率よく供給して食品を効率よく略均等に蒸して加工することができる食品加工用台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍食品を解凍又は蒸すなどの加工をするために、食品を積載して蒸し庫内へ運搬する食品加工用台車があった。この食品加工用台車に積載された食品の加工は、蒸し庫内で蒸気吹出口から噴射される蒸気を食品加工用台車に向けて吹き掛けることにより行われるが、食品加工用台車周縁付近に位置する食品については、蒸気が直接吹き掛けられるため加工の進行が早いのに対して、中央付近に位置する食品については、蒸気が直接吹き掛けられない上に食品に掛かる蒸気は周縁付近に位置する食品に熱を奪われたものとなり加工に適した温度に満たない。そのため、蒸し庫内の食品全てが略均等な状態に加工できなかった。
【0003】
そこで、本出願人は、特許第2632503号公報において、積載した食品を略均等な状態で加工することができる食品加工用台車を提案した。この食品加工用台車は、食品を収納する網状のケースを備えており、このケースは両側下部から支持するL字鋼により支持され、ケースの下方には食品から発生する水分及び蒸気が冷えて発生する水分を受けて食品加工用台車外へ排出する排水板が設けられている。蒸気は、ケースと排出板との間に配置された噴射パイプにより水平方向に向かって噴射され、その噴射された蒸気は高温であるため進行方向が上方向に変更され、その蒸気がケースの網目を通って食品の下方から上方に向かって移動する。よって、積載された食品は、周縁方向からの蒸気と下方からの蒸気とが吹き掛けられることにより略均等に加工することができる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第2632503号公報(図1及び図5等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した食品加工用台車は、ケース下方の空間が開放されているので、噴射パイプから噴射される蒸気は、扇状に横方向にも広がりながら進行し、全ての蒸気を下方から食品に吹き掛けることができなかった。そのため、大きな食品(例えば、肉まんやジャガイモなど)では、食品同士の間の隙間が大きくその隙間を蒸気が簡単に通過するので、略均等に蒸して加工することができるが、小さな食品(例えば、赤飯やちりめんじゃこなど)では、食品同士の間の隙間が小さくなるので、ケース下方から吹き掛けられる蒸気のほとんどが侵入を阻害されてケース下部から周縁部へ逃げてしまうという問題点があった。このため、食品への蒸気の供給効率が悪くなり、小さな食品を加工する場合には、長時間蒸気を吹き掛けることが必要となっていた。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、蒸気を効率よく供給して食品を効率よく略均等に蒸して加工することができる食品加工用台車を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の食品加工用台車は、食品を蒸気で蒸して加工するものであり、前記蒸気を供給する供給部材と、その供給部材により供給された蒸気を噴射する噴射口を有する噴射部材と、前記噴射口と連通し前記噴射部材により噴射される蒸気を内部に導入する導入口とその導入口から導入された蒸気が流通する中空部とその中空部と外部とを連通する上面が開放された開口とを有する箱状の箱部材と、その箱部材の上方に配置され前記食品を収納すると共に底面に蒸気を通す複数の貫通孔が穿設された収納部材とを備えている。
【0008】
この請求項1記載の食品加工用台車によれば、供給部材により供給された蒸気は噴射部材の噴射口から噴射され、その噴射口から噴射された蒸気は箱部材の導入口から箱部材内部に導入される。箱部材内部に導入された蒸気は中空部を流通し、その中空部内の蒸気は上面が開放された開口から箱部材の上方に配置された収納部材の下部へ放出される。箱部材の開口から放出された蒸気は、収納部材の底面に穿設された複数の貫通孔を通って収納部材内部へ侵入し、収納部材内部に収納された食品に浸透して食品が蒸して加工される。
【0009】
請求項2記載の食品加工用台車は、請求項1記載の食品加工用台車において、前記箱部材は、その箱部材の周囲を囲む側壁の内一端面が開放され、その側壁の内側には、前記上面に開放された開口の外縁から前記箱部材の側壁方向に亘って、前記収納部材の底面の外縁部を支持する台部が形成されており、その台部の外形と前記収納部材の底面の外形とが略同等に構成されている。
【0010】
請求項3記載の食品加工用台車は、請求項1又は2に記載の食品加工用台車において、前記箱部材は、その箱部材の側壁の1つに前記導入口が形成され、その導入口が形成された側壁と対向する側壁下部又はその側壁近傍の底面に前記中空部と外部とを連通する連通孔が少なくとも1以上穿設されている。
【0011】
請求項4記載の食品加工用台車は、請求項1から3のいずれかに記載の食品加工用台車において、前記収納部材は、周囲を側壁で囲まれた箱状に形成され、その箱状に形成された収納部材の上面を塞ぐ板状の蓋部材を備えており、その蓋部材は、前記収納部材内部の蒸気を外部に放出する少なくとも1以上で前記収納部材の底面に穿設された貫通孔より少ない数の放出孔が穿設されている。
【0012】
請求項5記載の食品加工用台車は、請求項1から4のいずれかに記載の食品加工用台車において、棒状部材からなる枠組で略直方体に構成された枠部材と、その枠部材の空間を垂直方向に略2等分する位置に接合されると共に、前記供給部材から供給される蒸気を前記噴射部材へ供給する連通路である中空状の枠組で構成された中間枠部材と、前記箱部材を下方から支持し、一端部が前記枠部材と接合されると共に他端部が前記中間枠部材と接合され、前記枠部材の略2等分された空間内に前記中間枠部材を基準として対称に複数段配設された支持部材とを備えており、前記噴射部材は、前記支持部材に支持されて配置される前記箱部材に対応して前記中間枠部材に連通しつつ複数接合されると共に、水平方向に噴射口が形成されている。
【0013】
この請求項5記載の食品加工用台車は、請求項1から4のいずれかに記載の食品加工用台車と同様に作用する上、棒状部材からなる枠組で略直方体に構成された枠部材に、その枠部材の空間を垂直方向に略2等分する位置に中空状の枠組で構成された中間枠部材が接合されている。その中空状の中間枠部材は、供給部材から供給される蒸気を噴射部材へ供給する連通路となる。支持部材は、一端部が枠部材と接合されると共に他端部が中間枠部材と接合され、枠部材の略2等分された空間内に中間枠部材を基準として対称に複数段配設されている。この支持部材に支持されて配置される箱部材に対応して中間枠部材に連通しつつ複数の噴射部材が接合され、その噴射部材は水平方向に噴射口が形成されている。そのため、複数の箱部材と収納部材とが配置されて同時に多くの食品が加工される。
【0014】
請求項6記載の食品加工用台車は、請求項5記載の食品加工用台車において、前記支持部材は、一方が垂直方向へ向いた垂直板部材と他方が前記枠部材の内側へ向いた水平板部材とのL字状の板部材が水平方向に対向して接合された一対のL字状板部材で構成されると共に、前記垂直板部材の高さは、前記箱部材の開放された一端面の底面からの高さより低く構成されている。
【0015】
請求項7記載の食品加工用台車は、請求項5又は6に記載の食品加工用台車において、前記支持部材には、前記枠部材と接合された端部に、前記箱部材の位置ズレを防止する位置ズレ防止部材が設けられている。
【0016】
請求項8記載の食品加工用台車は、請求項5から7のいずれかに記載の食品加工用台車において、前記連通孔が穿設された側壁の前記連通孔から前記導入口方向の厚みは、前記枠部材の垂直方向に構成された棒状部材の水平方向の厚みと比較して、少なくとも同等以上の厚みに構成されている。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の食品加工用台車によれば、供給部材により供給される蒸気は噴射部材の噴射口から噴射され、その噴射口から噴射された蒸気は箱部材の導入口から導入され中空部を流通する。中空部を流通する蒸気は、箱部材の上面が開放された開口から上方に放出される。箱部材の上方には、底面に蒸気を通す複数の貫通孔が穿設された収納部材が配置されるので、供給部材により供給された蒸気を無駄なく収納部材内部に侵入させ、内部に収納された食品に下方から上方に均等に浸透させることができる。よって、蒸気を効率よく供給して食品を効率よく略均等に蒸して加工することができるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の食品加工用台車によれば、請求項1記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、収納部材を箱部材の側壁の開放された一端面側から押し込むことにより、その収納部材を箱部材の側壁により誘導しつつ所定の位置に位置決めして配置できる。しかも、箱部材の台部の外形と収納部材の底面の外形とは略同等に構成されているので、収納部材を箱部材の台部に配置した場合には、箱部材の開口を収納部材の底面で覆い被せることができる。よって、確実に箱部材の開口を収納部材の底面で覆い被せることができるので、収納部材と箱部材との密封性を向上して、より効率よく蒸気を供給することができるという効果がある。
【0019】
請求項3記載の食品加工用台車によれば、請求項1又は2に記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、蒸気が冷めて発生する水分及び冷凍食品を解凍して発生する水分は、導入口から導入される蒸気の勢いによりその導入口の対向側へ移動する。導入口が形成さえた側壁と対向する側壁下部又はその側壁近傍の底面には少なくとも1以上の連通孔が穿設されているので、箱部材内に発生した水分をその連通孔から外部へ排出することができるという効果がある。
【0020】
請求項4記載の食品加工用台車によれば、請求項1から3のいずれかに記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、収納部材の上面を塞ぐ蓋部材には、収納部材内部の蒸気を外部へ放出する少なくとも1以上で収納部材の底面に穿設された貫通孔より少ない数の放出孔が穿設されているので、貫通孔から侵入した蒸気に対して放出孔から放出される蒸気を制限することができる。よって、収納部材内部に蒸気を充満させ食品に浸透させることができるので、食品を効率よく蒸して加工することができるという効果がある。
【0021】
請求項5記載の食品加工用台車によれば、請求項1から4のいずれかに記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、支持部材が枠部材の略2等分された空間内に中間枠部材を基準として対称に複数段配設されており、その支持部材に下方から支持されて箱部材が複数配置される。噴射部材は、配置された箱部材に対応して中間枠部材に連通しつつ複数接合されると共に水平方向に噴射口が形成されている。そのため、供給部材により供給される蒸気は、中間枠部材の連通路を介して複数の噴射部材に共通に供給され、噴射部材の噴射口から中間枠部材を基準として対称に配置された2つの箱部材に同時に噴射される。よって、同時により効率よく蒸気を供給することができると共に、複数の食品を同時に略均等に蒸して加工することができるという効果がある。
【0022】
請求項6記載の食品加工用台車によれば、請求項5記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、支持部材の垂直板部材の高さは箱部材の台部の底面からの高さより低く構成されているので、箱部材を支持部材に支持した状態で、箱部材の開放された一端面側から収納部材を押し込むことにより、収納部材を所定の位置に配置することができる。よって、複数の箱部材と収納部材とを所定の位置に配置する配置作業の作業効率を向上することができるという効果がある。
【0023】
請求項7記載の食品加工用台車によれば、請求項5又は6に記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、支持部材には、枠部材と接合された端部に、箱部材の位置ズレを防止する位置ズレ防止部材が設けられているので、噴射部材の噴射口と箱部材の導入口とが連通した位置に箱部材を固定することができる。よって、噴射部材と箱部材との接触面からの蒸気の漏れを低減することができるので、噴射口から噴射される蒸気を無駄なく箱部材内部に導入することができるという効果がある。
【0024】
請求項8記載の食品加工用台車によれば、請求項5から7のいずれかに記載の食品加工用台車の奏する効果に加え、連通孔が穿設された側壁の連通孔から導入口方向の厚みは、枠部材の垂直方向に構成された棒状部材の水平方向の厚みと比較して、少なくとも同等以上の厚みに構成されている。箱部材の台部の外形と収納部材の底面の外形とは略同等に構成されており、収納部材は箱部材の配置進行方向と直行する方向から配置される。そのため、収納部材を配置する場合には、棒状部材により配置作業が阻害されることがないので、作業効率をより向上することができる。しかも、連通孔が穿設された側面と収納部材との間に、少なくとも棒状部材の水平方向の厚み分の距離が生じるので、連通孔から排出される水分が下方に配置された収納部材に掛かることが防止され、食品の加工不良の発生を防止することができる。よって、収納部材の配置作業の作業効率を向上すると共に食品の加工不良の発生を防止することができるという効果がある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例における食品加工用台車1の構成を概略的に示した構成図であり、図2は、食品加工用台車1の枠組を示した斜視図である。なお、図2に示したように、食品加工用台車1の底面長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とし、高さ方向をZ方向とする。
【0026】
食品加工用台車1は、底部にX方向と平行となる横フレーム2a、2cとY方向と平行となる横フレーム2b、2dとにより構成された略長方形の底枠部2と、その底枠部2の4つの角からZ方向と平行に設けられた縦フレーム3a、3b、3c、3dと、その縦フレーム3a〜3dの上面に底枠部2に対向するようにX方向と平行となる横フレーム4a、4cとY方向と平行となる横フレーム4b、4dとにより構成された略長方形の天枠部4とによって、略直方体の枠組が形成されている。また天枠部4には、枠組の強度を大きくするために、横フレーム4aのX方向における略中間位置と横フレーム4cのX方向における略中間位置との間に、補強フレーム4eが設けられている。なお本実施例では、枠組を構成する各フレームは、断面が略四角形の中空状であり材質がスレンレスで構成されいる。各フレームの材質をステンレスで構成することにより、水蒸気が冷えて発生する水分及び食品が解凍されて発生する水分の影響によるサビを防止できる。
【0027】
底枠部2の4つの角の下方には、車輪5a、5b、5c、5dの4つの車輪が固定され、縦フレーム3bのY方向における略中間位置と縦フレーム3cのY方向における略中間位置との間に亘って把手部15が接合されており、食品加工用台車1の移動を容易としている。なお、把手部15側を食品加工用台車1の正面側とし、対向する面を奥面側として以降説明する。
【0028】
また、正面側と奥面側との略中間位置には、縦フレーム6a、6bと横フレーム6cとにより構成され、上方が開放された凹状の中間枠部6が略直方体の枠組の空間を垂直方向(Z方向)に略2等分するように接合されている。この中間枠部6は、その他のフレームと同様に、中空状の断面が略四角形のステンレスで構成されたフレームであり、フレーム6a〜6cはそれぞれ連通している。
【0029】
中間枠部6の下部略中央からは、中間枠部6内部に水蒸気を供給する供給パイプ12が接合され、その供給パイプ12の中間枠部6と接合された端とは反対の端の先端に水蒸気を発生する水蒸気発生器(図示せず)と接続するジョイント11が取り付けられている。
【0030】
中間枠部6の内側には、横フレーム6cに平行で且つ縦フレーム6aと縦フレーム6cとの間に亘って、供給パイプ12から供給された水蒸気を噴射する噴射パイプ13が縦フレーム6a、6cにそれぞれ連通しつつ接合されている。噴射パイプ13は、水蒸気を水平方向(X方向及び反X方向)に噴射する出口としての噴射孔14が正面側と奥面側(図示せず)とにY方向に略等間隔に複数形成されている。
【0031】
縦フレーム3aと縦フレーム6aとの間には、一端が縦フレーム3aと接合されると共に他端が縦フレーム6aと接合された支持部材20aが配設されており、この支持部材20aは、一方が食品加工用台車の内側(反Y方向)へ向いた水平板状部材と他方が垂直方向(Z方向)へ向いた垂直板状部材とのL字状のL字状板部材で構成されている。支持部材20aの縦フレーム3aと接合された端部には、支持部材20a上方に配置されるカートリッジ40(図3参照)の位置ズレを防止する位置ズレ防止部材21が設けられている。
【0032】
また、支持部材20aと対向する位置には、一端が縦フレーム3dと接合されると共に他端が縦フレーム6bと接合され、一方が食品加工用台車の内側(Y方向)へ向いたL字状板部材で構成された支持部材20bが配設されている。この支持部材20a、20bで一対の支持部材20を構成している。この支持部材20は、噴射パイプ13に対応してZ方向に7段に構成されると共に、中間枠部材6を基準として対称に縦フレーム6aと縦フレーム3bとの間、及び、縦フレーム6bと縦フレーム3cとの間にも配設されている。
【0033】
支持部材20の上方には、噴射パイプ13から噴射される水蒸気を内部に導入して上方へ放出するカートリッジ40が支持部材20により下方から支持されて配置され、そのカートリッジ40の上方には、食品が内部に収納された食品収納ケース30が配置される。図3を参照して、食品収納ケース30とカートリッジ40とについて説明する。
【0034】
図3は、食品収納ケース30とカートリッジ40とを略直方体の枠組から取り外した状態を部分的に拡大して示した拡大斜視図である。
【0035】
ここで、カートリッジ40について説明する。カートリッジ40は、底面43と、3つの側壁部41a、41b、41cと、台部42とで主に構成され、内部は蒸気が流通するように中空状となっている。なお、側壁部が3つで構成されているので、カートリッジ40の外周部の一端面は開放された状態となっている。側壁部41aには、噴射パイプ13から噴射される水蒸気をカートリッジ40内部へ導入する導入口44が噴射孔14の全てと連通するよう側壁部41aの略全体に亘って形成され、その導入口44から導入された水蒸気は、カートリッジ内部で流通し、開口46a、46b、46c、46dで構成された開口46から上面方向に放出される。また、導入口44が形成された側壁部41aと対向する側壁部41cには、水蒸気が冷えて発生する水分及び冷凍食品が解凍されて発生する水分を外部へ水滴として排出する排出孔45がそれぞれ側壁41部cの略両側下部に合計2つ穿設されている。
【0036】
カートリッジ40の大きさは、側壁部41aと側壁部41cとの外面間の距離が支持部材20の長手方向(X方向)と略同等の距離であり、側壁部41bの外面と開放された一端面の端面との距離が噴射パイプ13の長手方向(Y方向)と略同等に形成されている。即ち、カートリッジ40は、カートリッジ40を支持部材20上方に配置した場合に、支持部材20と噴射パイプ13とからなる空間領域に略整合して配置される。なお、台部42の底面からの高さは、支持部材20の垂直板部材の高さより若干高く形成され、側壁部41a〜41cの厚みは、噴射パイプ13の厚みより若干高く形成されている。
【0037】
なお、カートリッジ40は、正面側(X方向)及び奥面側(反X方向)から差し込むため、奥面側から差し込むカートリッジ40は、正面側から差し込む図示したカートリッジ40とは異なり、側壁部41a側に排出孔45が穿設され、側壁部41c側に導入口44が形成され、噴射パイプ13を基準として水平方向に対称に構成されている(図示せず)。
【0038】
食品収納ケース30は、板状の蓋33と箱状の容器31とで構成され、蓋34は容器31に隙間なく嵌め込まれる。容器31は、その底面に、カートリッジ40の開口46から放出される水蒸気を食品収納ケース30内部へ通す複数のパンチング孔35が穿設され、側面に食品収納ケース30を引き出すための取手32が取り付けられている。また、蓋33は、食品収納ケース30内部の水蒸気を外部へ放出するための4つの放出孔34が穿設されており、その放出孔34は、蓋34の中心からそれぞれの角までの距離が略一定となる位置に穿設されている。
【0039】
食品収納ケース30の大きさは、その食品収納ケース30の底面の外形がカートリッジ40の台部42の外形と略同等であり、高さは台部42から上方に配設された支持部材20bとの垂直方向(Z方向)の距離より若干小さく構成されている。食品収納ケース30をカートリッジ40の上方に配置した場合には、カートリッジ40の開口46を食品収納ケース30の底面で覆い被す状態となる。
【0040】
カートリッジ40と食品収納ケース30との配置は、まず、正面方向から奥面方向(X方向)にカートリッジ40を一対の支持部材20上に導入口44と噴射孔14とが連通するように押し込みながら配置する。カートリッジ40の配置は、導入口44と噴射孔14とが連通する位置まで、支持部材20により誘導されながら位置決めして配置され、カートリッジ40が噴射パイプ13まで達すると、位置ズレ部材21により位置ズレも防止される。この場合、カートリッジ40の開放された一端面が、カートリッジ40の配置進行方向と直行する方向に配置される。同様に奥面方向から正面方向(反X方向)へもカートリッジ40が配置される。
【0041】
カートリッジ40が配置された状態で、食品収納ケース30を台部42に嵌め込むように押し込みながら配置する。収納部材30の配置は、収納部材の側面が側壁部41bに接触する位置まで、側壁部41aと側壁部41cとにより誘導されながら位置決めして配置される。カートリッジ40の台部42の底面からの高さは、支持部材20bの垂直板部材の高さより若干高く構成されているので、食品収納ケース30を容易に押し込んで配置することができる。
【0042】
なお、食品収納ケース30内に食品を収納しない場合であっても、水蒸気を供給して食品を加工する場合には、カートリッジ40と食品収納ケース30とは、略直方体の枠組内に配置するものとする。これは、水蒸気は、全ての噴射パイプ12に供給されるため、カートリッジ40と食品収納ケース30とを配置しないと、その配置されていない位置に対応する噴射パイプ13から噴射される水蒸気の噴射に対する抵抗がなくなり、より多くの水蒸気が噴射され、その他の噴射パイプ13からカートリッジ40内部への水蒸気の供給が低下してしまうためである。そのため、食品収納ケース30内が空であってもカートリッジ40と食品収納ケース30とは、常に配置するものとする。
【0043】
次に、図4を参照して、カートリッジ40と食品収納ケース30とが配置された状態での食品の加工について説明する。図4は、図3に示したIII−III断面線における噴射パイプ13及びカートリッジ40、食品収納ケース30を拡大して示した拡大断面図であり、噴射パイプ13から噴射された水蒸気の流れを示している。
【0044】
ジョイント11と接続された水蒸気発生器(図示せず)より発生した水蒸気は、供給パイプ12を介して中間枠部6に供給され、その中間枠部6からそれぞれの噴射パイプ13に供給される。この供給された水蒸気は、加圧された状態の水蒸気であり、本実施例では、「0.1キログラム/平方センチメートル〜10キログラム/平方センチメートル」の圧力となる。
【0045】
噴射パイプ13に供給された水蒸気は、噴射パイプ13の噴出孔14から噴射され、カートリッジ40の導入口44を介してカートリッジ40内部へ導入される。図4に示すように、噴射孔14から噴射された水蒸気は、加圧状態であると共に噴射孔14の噴射口が絞られているので、側壁部41aから側壁部41cの方向へ勢いよく移動する。また、噴出パイプ13は、Y方向に略等間隔に噴出孔14が形成されているので、カートリッジ40内部の全体に、略均等に水蒸気が流通する。
【0046】
カートリッジ40内の水蒸気は高温であるため、その水蒸気の一部が上方に向きを変えて移動し、パンチング孔35を介して食品収納ケース内部へ侵入して、食品に浸透する。さらに、カートリッジ40内に充満した水蒸気は、常に噴射パイプ13から新たな水蒸気が供給されるため、その水蒸気は外部と連通した孔方向へ流動する。カートリッジ40には、2つの排出孔45が穿設されており、この排出孔45から若干の水蒸気が外部へ放出されるが、排出孔45は複数穿設されたパンチング孔35に対して小さい孔となっているため、水蒸気の大部分は、パンチング孔35を介して食品収納ケース30内部へ侵入して、食品に浸透する。そのため、大きな食品だけでなく、小さな食品が隙間なく詰められた状態であっても、水蒸気は食品収納ケース30内部に効率よく侵入する。
【0047】
食品に浸透した水蒸気は、蓋33により上方が塞がれているために、食品収納ケース30内部に充満することとなる。その食品収納ケース30内に充満した水蒸気は、新たに下方から浸透してくる水蒸気により上方へ押されて、放出孔34より外部へ放出される。放出孔34は、蓋33の中心から角へ向かって略均等に配置されているので、パンチング孔35から侵入した水蒸気は、その略均等に配置された放出孔34方向へ移動するので、食品収納ケース30内部に収納された食品は、略均等に蒸して加工される。
【0048】
なお、排出孔45は、水蒸気が冷めて発生する水分及び冷凍食品が解凍されて発生する水分を排出するための孔であり、その水分は、噴射口14から噴射される水蒸気の勢いにより排出孔45方向へ移動され、排出孔45より水滴Xとして外部に排出される。また、カートリッジ40の外形より食品収納ケース30の外形が小さく構成されているので、排出孔45から排出された水滴Xは、下方に配置された食品収納ケース30に掛かることはない。そのため、食品に余分な水分が浸透するのが防止される。
【0049】
以上、説明したように、食品加工用台車1は、噴射パイプ13から噴射される水蒸気を確実にカートリッジ40内部に導入し、その導入した水蒸気をカートリッジ40の上方に配置された食品収納ケース30内部に効率よく侵入させ、食品収納ケース30内部に収納された食品に浸透させることができる。また、食品収納ケース30の蓋33は、その蓋33の中心から角に向かって略均等に4つの放出孔35が穿設されているので、食品収納ケース30内に水蒸気を充満させることができると共に水蒸気の流通を略均等とすることができる。よって、水蒸気を効率よく供給して食品を略均等に蒸して加工することができる。
【0050】
また、カートリッジ40と食品収納ケース30とを配置する場合には、それぞれ誘導されながら常に所定の位置に配置されるので、食品の加工状態のムラを防止して常に最適な状態で加工することができる。さらに、排出孔45から排出される水滴Xが下方に配置された食品収納ケース30に掛かることがないので、食品の加工不良の発生を防止することができる。
【0051】
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0052】
例えば、上記実施例では、カートリッジ40内部の水分を外部に排出する連通孔45は、側壁部41cに穿設されているが、側壁部41cの側面近傍の底面に穿設するものとしても良い。また、排出孔45の数は、噴射される水蒸気の圧力やカートリッジ40の大きさに合わせてその数を変更するものとしても良い。
【0053】
また、上記実施例では、各フレームの断面が略四角形で中空状のスレンレスで略直方体の枠組を構成するものとしたが、L字鋼を用いるものとしても良い。また、各フレームの材質は、蒸気が冷めて発生する水分及び食品が解凍されて発生する水分に対して優れる性能を持つ材質であれば、どのような材質を用いるものとしても良い。
【0054】
また、上記実施例では、噴射する水蒸気の圧力を「0.1キログラム/平方センチメートル〜10キログラム/平方センチメートル」とするものとしたが、加工する食品やカートリッジ40の大きさなどに合わせて変更するものとしても良い。
【0055】
また、上記実施例では、台部42の底面からの高さが支持部材20bの垂直板部材の高さより高く構成し、食品収納ケース30を容易に配置できるよう構成するものとしたが、支持部材20bの垂直板部材の高さを台部42の底面からの高さより若干高くするものとしても良い。この場合、食品収納ケース30の配置作業に若干の影響があるが、食品収納ケース30を配置した場合に、その食品収納ケース30の位置ズレを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における食品加工用台車の構成を概略的に示した構成図である。
【図2】食品加工用台車の枠組を示した斜視図である。
【図3】食品収納ケースとカートリッジとを略直方体の枠組から取り外した状態を部分的に拡大して示した拡大斜視図である。
【図4】図3に示したIII−III断面線における噴射パイプ及び誘導箱、食品収納ケースを拡大して示した拡大断面図である。
【符号の説明】
1 食品加工用台車
2a〜2d 横フレーム(底枠部)(枠組の一部)
3a〜3d 縦フレーム(枠組の一部)
4a〜4d 横フレーム(天枠部)(枠組の一部)
4e 補強フレーム(枠組の一部)
6a〜6c 中間枠部(連通路)
12 供給パイプ(供給部材の一部)
13 噴射パイプ(噴射部材)
14 噴射孔(噴射口)
20a、20b 支持部材
30 食品収納ケース(収納部材)
34 放出孔
35 パンチング孔(貫通孔)
40 カートリッジ(箱部材)
41a〜41c 側壁
45 排出孔(連通孔)
46a〜46d 開口
【出願人】 【識別番号】593080319
【氏名又は名称】高技工業株式会社
【住所又は居所】愛知県豊橋市曙町字測点198番地
【出願日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【代理人】 【識別番号】100103045
【弁理士】
【氏名又は名称】兼子 直久

【識別番号】100127605
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 愛

【公開番号】 特開2005−275(P2005−275A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2003−164650(P2003−164650)