| 【発明の名称】 |
トレー取付部材 |
| 【発明者】 |
【氏名】服部 雅昭 【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内
【氏名】木下 洋二郎 【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】トレーを任意の箇所に選択可能に設置することにより、収納家具の有するレイアウト性能を向上させる。
【解決手段】トレー取付部材3a、3bは、開放された収納空間Sに用いる板状のものであって、一方の板面たる添接面31a、31bにおいて収納空間Sの立面たる側板13、14及び縦仕切2、20に着脱可能に添接され、他方の板面たるレール面33a、33bにおいて収納空間Sの奥行き方向に延びるレール34a、34bを有することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開放された収納空間に用いる板状のものであって、一方の板面が収納空間内の立面に着脱可能に添接され、他方の板面に収納空間の奥行き方向に延びるレールを有することを特徴とするトレー取付部材。 【請求項2】 一方の板面に、収納空間の立面に開口する棚取付孔に係合可能な係合部を有する請求項1に記載のトレー取付部材。 【請求項3】 レールが他方の板面に複数段に亘って設けられ、レール同士の間隔が前記棚取付孔同士の間隔に等しいものである請求項2に記載のトレー取付部材。 【請求項4】 レールに平行な方向に分割することが可能な破断誘発部を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のトレー取付部材。 【請求項5】 前記破断誘発部がレール単位で分割することが可能な位置に設けられているものである請求項4に記載のトレー取付部材。 【請求項6】 樹脂により一体成形されている請求項1〜5のいずれかに記載のトレー取付部材。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、収納空間にトレーを収納可能にするトレー取付部材に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より収納家具において、家具本体に形成された収納空間内に棚板等を配置することにより収納空間を仕切って複数に区画するようにしたものが種々考えられている。例えば、家具本体の左右の対向壁に、相対向させた棚取付孔を複数形成し、そのうちいずれか一対の対向する棚取付孔を利用して棚板を取り付けるようにした構成のものが挙げられる。 【0003】 一方、収納空間内に複数のトレーを設置することにより該トレーを引出とした収納家具も存在する。このようなものとしては、家具本体の左右の対向壁に、奥行き方向に延びるレールを相対向させて複数形成し、その対向するレールにトレーの両側面に設けられた突条を係合させることにより、該トレーを奥行き方向へスライド可能に設置している構成のものが挙げられる。 【0004】 また、特許文献1のように、棚板と略同様の構造を有する底板を具備するトレーユニットを左右の対向壁間に架設することにより、上記2つの機能を併せて実現しようとする収納家具も考えられている。 【特許文献1】実開平2−127222号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 棚板とトレーとでは上記のようにその取付構造が異なるため、棚板を具備するものとトレーを具備するものとの相互の用途転換を行うには、棚板を取り付ける棚取付孔を設けた側板とトレーを取り付けるレールを設けた側板とを相互に交換しなければならず、それらの側板は通常一枚の板材であるため、そのような交換には多大な労力を必要とするとともに任意の箇所のみを交換するということはできない。そのため使用者は収納家具を購入する時点で収納家具の用途に関し、どちらかの選択を迫られるか、必要であれば両方の収納家具を購入しなければならなかった。 【0006】 そこで、特許文献1のような収納家具を用いればそのような事態はある程度回避できるが、従来のトレーユニットは予め決められた数のトレーを具備している箱形のものであり、取り付けるトレーの数はこのトレーユニットの外箱の大きさによって予め決定されている。このようなものでは収納家具にトレーを収納に必要な数のみ取り付けるということができず、収納家具のレイアウトパターンも限られたものとなってしまう。また、レイアウトパターンを増やすためには収納するトレーの形状・数がそれぞれ異なるトレーユニットを多数設定しなければならず、その種類と同じだけ外箱も用意しなければならない。このようなものでは、いきおい収納家具を構成する品種数が増大してしまう。 【0007】 本発明は、このような不具合に着目したものであり、本発明の所期の目的とするところは棚等の収納空間において、トレーを任意の箇所に選択可能に設置することにより、収納家具の有するレイアウト性能を向上させることにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するためになされた本発明は、開放された収納空間に用いる板状のものであって、一方の板面において収納空間内の立面に着脱可能に添接され、他方の板面において収納空間の奥行き方向に延びるレールを有することを特徴とするトレー取付部材を提供するものである。 【0009】 このようなものであれば、トレー取付部材を収納空間内の立面に適宜取り付けることにより、予めレールを具備していない収納空間においてもトレーを充填することができるので、収納空間のレイアウトのバリエーションを向上させることができる。また、従来のトレーユニットのような、トレーの形状・数に合わせた外箱が不要になるため、外箱の位置・大きさに制限されることなくトレーを自由に配置することができるとともに、トレー取付部材のみ用意すれば、収納家具を構成する品種数を増やすことなく様々なレイアウトパターンを実現することができる。 【0010】 本発明に係るトレー取付部材の具体的な実施の態様としては、一方の板面が、収納空間内に棚板を取り付けるための棚取付孔に係合可能な係合部を有するものが挙げられる。このようなものであれば、棚取付孔を利用して収納空間内に棚板を取り付けるかトレーを取り付けるかの選択を行うことができるので、別途トレーユニットを取り付けるための加工をすることなく収納空間内のレイアウトのバリエーションを向上させることができる。 【0011】 また、レールが他方の板面に複数段に亘って設けられる場合には、レール同士の間隔が前記棚取付孔同士の間隔に等しくなるように構成しておくことが好ましい。このようなものであれば、複数のレール同士の間隔に従ってトレーを配置すれば、棚取付孔同士の間隔に基づいてトレーを配置することができるので、収納空間内に棚板とトレーを混在させた状態においても規則正しく配列させることが可能となる。そうすることにより意匠的効果を向上させるとともに収納空間の収納効率を高めることができる。 【0012】 本発明に係るトレー取付部材は、レールに平行な方向に分割することが可能な破断誘発部を有するものであっても良い。このようなものであれば、破断誘発部の箇所で分割することによりレールの本数の少ないトレー取付部材とすることもできる。そうすることによりトレーと棚板とを収納空間内に混在させる際の自由度が増すため、レイアウトのバリエーションをさらに向上させることが可能となる。また、前記破断誘発部がレール単位で分割することが可能な位置に設けられているものであっても良い。このようなものであればトレー取付部材が有するレールの数を1つ単位で変更することもでき、トレーを取り付けたい箇所にのみレールを設けることができるので、レイアウトのバリエーションをさらに広げることが可能となる。 【0013】 そして生産コストを低減させるために、本発明に係るトレー取付部材は樹脂により一体成形されているものであることが望ましい。 【発明の効果】 【0014】 本発明によれば、棚等の収納空間において、別途トレーユニットを取り付けるための加工をすることなくトレーを取り付けることが可能となるとともに、棚板及びトレーを任意の箇所に選択可能に設置することが可能となるので、収納空間内のレイアウトのバリエーションを向上させることができる。また、従来のトレーユニットのような、トレーの形状・数に合わせた外箱が不要になるため、外箱の位置・大きさに制限されることなくトレーを自由に配置することができるとともに、収納家具を構成する品種数を増やすことなく様々なレイアウトパターンを実現することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。 【0016】 図1に示すように、本実施形態に係る収納家具1は、前面に開放された収納空間Sを有する収納家具本体10と、該収納空間Sを上下方向に仕切る棚板Pと、収納空間Sを幅方向に仕切る縦仕切2とを具備しており、これら棚板P及び縦仕切2を用いて収納空間Sを上下方向・幅方向に区成することにより複数の棚空間を形成するものである。本実施形態において収納家具本体10、棚板P及び縦仕切2はそれぞれ金属板を折り曲げ加工等することにより作成されている。 【0017】 また、本実施形態に係る収納家具1は前記収納空間Sに幅や深さ(高さ)のそれぞれ異なるトレー41、42、43、44を配置している。 【0018】 収納家具本体10は上側に位置する頂板11、下側に位置する底板12及び両側に起立している1対の側板13、14及び収納家具1の後方を閉鎖する背板15により構成されている。 【0019】 収納空間Sの上端に位置する頂板11は、その両側端が1対の側板13、14に、後端が背板15にそれぞれ接続されている。頂板11の上面は、図1のように平板状の化粧面として意匠的要素を担っているとともに、図示しない下側面は収納空間Sを幅方向に2等分する箇所と3等分する箇所に後述する縦仕切2、20を接続することができるようになっている。 【0020】 収納空間Sの下端に位置する底板12は、その両側端から1対の側板13、14が起立するとともに、後端が背板15に接続されている。また、底板12の上面には収納空間Sを幅方向に2等分する箇所と3等分する箇所に円形状のハーフパンチhpが前端付近及び後端付近の2箇所にそれぞれ設けられている。 【0021】 1対の側板13、14は上端を頂板11に、下端を底板12に、後端を背板15にそれぞれ接続した状態で左右略対称に起立しており、底板12の外側面はそれぞれ平板状の化粧面として意匠的要素を担っているとともに、収納空間Sに臨む内側面には、それぞれ棚板Pを取り付けるための棚取付孔hが設けられている。 【0022】 棚取付孔hは、同じ高さにおいて立面の奥方と前方に2箇所ずつ設けられた前後方向に延びるスリット状の孔であり、該孔の両端は半円状に処理されている。この棚取付孔hは側板13、14の上端付近から下端付近に亘り所定ピッチで配列されている。なお、本実施形態において、ピッチ幅は23.4mmに設定されており、棚取付孔hの位置は両側板13、14において位相が等しくなるよう設定されている。 【0023】 背板15は、前記頂板11、底板12及び1対の側板13、14の後端と接続することにより収納空間Sの背面を閉鎖するとともに収納家具1全体の強度を向上させる役割を果たしている。 【0024】 また、本実施形態の収納家具1は、1対の側板13、14間に架設することにより、収納空間Sの全幅を仕切る棚板Pを設けることができる他に、図2(A)に示すように、1対の側板13、14のいずれかと後述する縦仕切20との間に架設することにより、その間に区成された収納空間Sを仕切る棚板P1、P2、P3を設けることができるようにしている。 【0025】 収納空間Sの全幅を仕切る棚板Pは、上面に前述した底板12と同じく縦仕切2を取り付けることができるよう、空間を幅方向に2等分する箇所と3等分する箇所に円形状のハーフパンチhpが前後2箇所にそれぞれ設けられている。 【0026】 また、図2(A)では、側板13、14と後述する縦仕切20との間に棚板P1および棚板P3が架設されており、縦仕切20の位置を変更することで、破線で示した幅寸法違いの棚板P2を取り付けることも可能としている。これらの棚板P1、P2、P3は、前述の棚板Pのようにハーフパンチhpは設けられていないが、その他の基本的な構造は前述の棚板Pと同様である。 【0027】 なお、上述した各棚板P、P1、P2、P3を棚取付孔hに取り付ける態様として、図2(B)に示す、金属製の板材である棚爪Qを用い、図2(C)のようにその上部q1を棚取付孔hに挿入し、その際に棚取付孔hより水平方向に突出する下部q2の箇所に、図2(D)に示す棚板(図においては棚板P3)の側縁に設けた切込pの箇所を合わせて棚板P3を載置するものとしている。このように、棚板P3の側縁に切込pを設けることにより適切な位置に棚板P3を設置することができるのみならず、切込pは、棚板P3が前後に動くことを防止するストッパとしての役割を果たしている。 【0028】 図1における縦仕切2は、棚板Pにより上下方向に3等分された収納空間Sを幅方向に仕切るために配置可能なものである。また、図2(A)における縦仕切20は収納空間Sの頂板11から底板12までの全丈を幅方向に仕切るために配置可能なものである。これら縦仕切2、20の両側面には側板13、14と同じ棚取付孔hが設けられている。また、縦仕切2、20に設けられた棚取付孔hは、上下方向に前記側板13、14のそれと同一ピッチで設けられており、収納空間Sに取り付けた際に相対する面に設けられた棚取付孔hと位相が等しくなるようにその位置が設定されている。 【0029】 トレー41、42、43、44はそれぞれ前面に鏡板410、420、430、440を有するとともに上面に開口を有する、いわゆる引出として機能するものである。また、トレー41、42、43は、収納空間Sを3等分した棚空間Rの幅寸法に略対応するとともに前記所定ピッチの2倍、4倍及び6倍の有効高さ寸法にそれぞれ略対応したものであり、トレ―44は収納空間Sの3分の2の幅寸法に略対応するとともに前記所定ピッチの2倍の有効高さ寸法に略対応したものである。また、トレー41、42、43、44の側面からは、それぞれ奥行き方向に延び、上下方向に互いに平行な2本の突条t1、t2がそれぞれ突出している(図6)。 【0030】 以上のような収納家具1に対して、本実施形態は、棚取付孔hを設けた箇所にトレー41、42、43或いは44を設置するため、その箇所にトレー取付部材3a、3bを添接するようにしている。トレー取付部材3a、3bは、1対の左右対称の板状部材であり、棚取付孔hを有する側板13、14及び縦仕切2、20にそれぞれ添接することにより配置可能なものである。このトレー取付部材3a、3bは低コストでの生産を可能なものとするため、樹脂により一体成形されている。 【0031】 また、トレー取付部材3a、3bは、側板13、14及び縦仕切2、20に添接する一方の板面を添接面31a、31bとし、他方の板面をレール面33a、33bとしている。トレー取付部材3aの添接面31aは側板13及び縦仕切2、20の右側の立面に、トレー取付部材3bの添接面31bは側板14及び縦仕切2、20の左側の立面に添接するためのものである。 【0032】 このために、添接面31a、31bの棚取付孔hに対応する箇所には、図3に示すように、係合部32a、32bが突設してある。係合部32a、32bの形状は、棚取付孔hに差し込んでスライドさせることにより当該棚取付孔hに緊密に係合するように、立ち上がりの部分から奥行き方向に先端部を延出させた鉤形をなすもので、先端部と添接面31a、31bとの隙間で側板13、14及び縦仕切2、20を構成する板材sを挟持する挟持部xとなしている。この実施形態における前記挟持部xの隙間は0.6mm、有効深さは5mm程度に設定されている(図6)。 【0033】 一方、レール面33a、33bには、奥行き方向ほぼ全幅に亘って延びるレール34a、34bが複数段に亘って設けられている。レール34a、34bは一定突出高さの突条であり、その前端側に突条をさらに高く突出させることによりトレー止め35a、35bを形成している。 【0034】 なお、前記係合部32a、32b及びレール34a、34bは棚取付孔hが上下方向に設けられているピッチと同じく23.4mmピッチで設けられている。 【0035】 次に、トレー取付部材3a、3bを収納空間Sへ取り付ける態様について図4及び図5に基づいて説明する。 【0036】 まず、図4は収納家具本体10に、棚板P及び縦仕切2を用いて上下方向及び幅方向に仕切った収納空間Sにトレー取付部材3a、3bを取り付ける態様を例示している。このように収納空間Sの前面からトレー取付部材3a、3bをそれぞれ搬入し、トレー取付部材3aを縦仕切2の右側面に、トレー取付部材3bを側板14の左側面に添接させている。 【0037】 図5に係合部32aが棚取付孔hを利用して板材sに固定される原理を示す。同図はレール34aの前端に位置するトレー止め35a付近における模式的な断面図である。まず、係合部32aをそれぞれ棚取付孔hの近傍に位置づけ(図5(A))、棚取付孔hに係合部32aを挿入する(図5(B))。そして挟持部xの端点x1が板材sに当接するまで奥方へスライドさせる(図5(C))。この位置において、挟持部xは板材sを確実に挟持することにより、トレー取付部材3aが板材sに確実に固定された状態となる。 【0038】 次に、トレー取付部材3a、3bにトレー41を取り付ける態様について図6に基づいて説明する。同図はその取付状態におけるレール34a付近の模式的な断面図である。なお、レール34b付近については図6と左右対称の態様をなすとともに、他のトレー42、43或いは44を収納する場合においても勿論同様である。 【0039】 まず、1対のトレー取付部材3a、3bを前述の通り取り付けた状態において、レール面33a、33bに挟まれた空間にトレー41を入れる。ここで、図6に示すようにトレー41が有する上下2本の突条t1、t2の外寸はレール34a、34a間の内寸よりやや小さく設定されているため、上下2本の突条t1、t2は上下のレール34a、34a間に挟まれることによりトレー41が上下方向に規制されるとともに奥行き方向へのスライドが可能となる。このとき、トレー41が有する突条t1、t2の内、トレー41を支持するのは下側の突条t2のみであるが、トレー41を移動させる際に上側の突条t1が上側のレール34aに必要に応じて接することによりトレー41の上下方向の動きが制限され、スライド移動時のがたつきが抑制される。また、トレー止め35aがトレー41の鏡板410と当接することにより、トレー41が誤って奥方へ行き過ぎることはなくトレー41が位置決めされた状態となる。そうすることにより、トレー41を複数配列させた状態においても鏡板410の前端面が前後にばらつくことなく面一となるため、トレーユニットとしての意匠的な効果を保持することができる。 【0040】 また、トレー41をスライドさせることに伴う、トレー取付部材3a、3bとトレー41との摩擦によりトレー取付部材3a、3bが板材sに対してスライドする力が僅かに働くこととなる。そのため、挟持部xと板材sとを隔離させる方向にも僅かに前記摩擦力が加わることとなるが、トレー取付部材3a、3bは挟持部xの挟持力及び板材sと添接面31a、31bとの摩擦力により確実に固定されているとともに、トレー41はレール34a、34bに沿って円滑にスライドするため、トレー41がトレー取付部材3a、3bに加える摩擦力は相対的に僅かなものであり、その摩擦力によりトレー取付部材3a、3bがスライドして棚取付孔hから外れてしまうということはない。他のトレー41、42或いは43が取り付けてある状態ではなおさらである。 【0041】 次に、本実施形態に係る収納家具1において構成される収納空間Sのレイアウトパターンについて説明する。 【0042】 本実施形態に係る収納家具1は、図1に示すように、先ず棚板Pを架設し、さらに縦仕切2を取り付けることにより収納空間Sを区成したレイアウトを構成することができる。また、図2(A)に示すように、先ず全丈の縦仕切20を取り付け、さらに棚板P1、P2或いはP3を架設することにより収納空間Sを区成したレイアウトを構成することも可能である。縦仕切2、20で仕切られた収納空間Sにはトレー41、42、43、44がそれぞれ取り付けられている。 【0043】 そして、収納家具1の他のレイアウトパターンを図7〜10に例示する。図7〜9のように、トレー41、42、43、44と棚板P、P1、P2、P3を適宜並べ替えて配置しても上下方向に無駄な隙間空間を生ずることなく配列させることができる。このことは、トレー取付部材3a、3bが有するレール34a、34bが上下方向に棚取付孔hのそれと同一ピッチで設けられるとともに、収納空間Sの有効高さ寸法及びトレー41、42、43、44の高さ寸法もそのピッチの倍数にそれぞれ基づいて設定されていることに起因している。ここで上述した、「基づいて」とは、それらの寸法のみを指し示すのみならず、それらの寸法に設計上の都合を加味した寸法をも含むことを意味する。例えば、トレー41、42、43、44の高さ寸法は、前記所定ピッチの倍数寸法から隙間寸法が差し引かれて設定されており、このような寸法も前記所定ピッチの倍数寸法に「基づいて」いる。また、トレー41、42、43、44及び棚板P、P1、P2、P3をそれぞれ所望の高さ位置に設定することにより、図7〜9に示す以外にも多様なレイアウトを構成することが可能である。さらに、図10のように収納空間Sの全面にトレー41、42及び43を充填することも可能である。 【0044】 以上のような構成とすることにより、本実施形態に係るトレー取付部材3a、3bは、予めレール34a、34bを具備していない収納空間Sにおいてもトレー41、42、43或いは44を充填することができるので、収納空間Sのレイアウトのバリエーションを向上させることができる。また、従来のトレーユニットのようなトレートレー41、42、43或いは44の形状・数に合わせた外箱が不要になるため、外箱の位置・大きさに制限されることなくトレー41、42、43或いは44を収納空間S内に自由に配置することができるとともに、本実施形態に係るトレー取付部材3a、3bのみ用意すれば、収納家具1を構成する品種数を増やすことなく様々なレイアウトパターンを実現することができる。 【0045】 また、本実施形態に係るトレー取付部材3a、3bの具体的な構成として、一方の板面たる添接面31a、31bが、収納空間S内に棚板P、P1、P2或いはP3を取り付けるための棚取付孔hに係合可能な係合部32a、32bを有している。そうすることにより、棚取付孔hを利用して収納空間S内に棚板P、P1、P2、或いはP3を取り付けるかトレー41、42、43或いは44を取り付けるかの選択を行うことができ、別途トレーユニットを取り付けるための加工をすることなく収納空間S内のレイアウトのバリエーションを向上させることができる。 【0046】 さらに、本実施形態に係るトレー取付部材3a、3bは、他方の板面たるレール面33a、33bにおいて複数段に亘ってレール34a、34bを有し、レール34a、34b同士の間隔が、棚取付孔h同士の間隔に等しいものとしている。このようなものであれば、棚取付孔h同士の間隔に基づいてトレー41、42、43或いは44を配置することができるので、収納空間S内に棚板P、P1、P2、或いはP3とトレー41、42、43或いは44を混在させた状態においても無駄な空間を作らずに規則正しく配列させることが可能となり、意匠的効果を向上させるとともに収納空間Sの収納効率を高めることができる。 【0047】 なお、本発明は、以上に示した以外にも、種々変形が可能である。 【0048】 例えば、本発明の他の実施形態に係るトレー取付部材3cを図11に示す。このトレー取付部材3cの基本的な構成については上記実施形態におけるトレー取付部材3a、3bと略同様であるが、溝状の破断誘発部36をレール34cに平行な方向に設け、トレー取付部材3cを適宜分割することができるものである。破断誘発部36はレール34cと同じく23.4mmピッチで設けられており、レール34cごとに分割することが可能である。 【0049】 このようなものであれば、例えば、上下を区切られた収納空間Sの上下寸法がトレー取付部材cより短い場合であっても破断誘発部36の位置で適宜破断して取り付けることができるので、トレー41、42、43或いは44と、棚板P、P1、P2、或いはP3とを収納空間S内にレイアウトする自由度を向上させることができる。また、破断誘発部36は棚取付孔h及びレール34cと同一ピッチで設けられているため、レール34cの段数を1つ単位で変更することもできる。このようなものであれば、例えば、トレー41、42、43或いは44を1つのみ取り付けたい場合を含めて、取り付けたい箇所にのみレール34cを設けることもできるので、収納空間Sのレイアウトのバリエーションはさらに広げられることとなる。 【0050】 さらに他の実施形態に係るトレー取付部材3dを図12及び図13に示す。トレー取付部材3dの基本的な構成はトレー取付部材3a、3bと略同様であるが、レール34dの両端にトレー止め35dを設けている(図12)とともに、添接面31dには係合部32dが突設してある(図13(A))。この係合部32dは立ち上がりの部分から下方向に先端部を延出させた鉤形をなすもので、先端部と添接面31a、31bとの隙間で側板13、14及び縦仕切2、20を構成する板材sを挟持する挟持部x2となしている。係合部32dが棚取付孔hを利用して板材sに固定される原理はスライドさせる方向が下側であることを除いては上述の係合部32a、32bと同様である(図13(B)〜図13(D))。 【0051】 このようなものであれば、トレー取付部材3dを左右どちら向きに取り付けてもトレー止め35dが手前側に位置するため、トレー取付部材3dを横向きに適宜反転させて用いることにより側板13、14及び縦仕切2、20の両側の立面に共通して添接させることができる。 【0052】 なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、係合部とレールの位置を調節することにより、上下方向がどちらの向きに取り付けても位相がずれることもピッチが乱れることもなくレールを取り付けることができるトレー取付部材を作成することも可能である。 【0053】 その他、所定ピッチの寸法や、棚爪の形状や棚板に設ける切込の形状など、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】本発明の実施形態に係るトレー取付部材を適用した収納家具を示す斜視図。 【図2(A)】同収納家具を他のレイアウトパターンにおいて示す斜視図。 【図2(B)】同実施形態に係る棚爪を示す斜視図。 【図2(C)】同実施形態に係る棚板の取付態様を示す断面図。 【図2(D)】同実施形態に係る棚板を示す模式図。 【図3】同実施形態に係るトレー取付部材を示す斜視図。 【図4】同実施形態に係るトレー取付部材の取り付け手順を示す斜視図。 【図5】同実施形態に係るトレー取付部材の取り付け手順を示す模式的な断面図。 【図6】同実施形態に係るトレー取付部材の取り付け手順を示す模式的な断面図。 【図7】同実施形態に係る収納家具のレイアウトパターンを示す模式図。 【図8】同実施形態に係る収納家具のレイアウトパターンを示す模式図。 【図9】同実施形態に係る収納家具のレイアウトパターンを示す模式図。 【図10】同実施形態に係る収納家具のレイアウトパターンを示す模式図。 【図11】本発明の他の実施形態に係るトレー取付部材を示す斜視図。 【図12】本発明のさらに他の実施形態に係るトレー取付部材を示す斜視図。 【図13】同実施形態に係るトレー取付部材の取り付け手順を示す模式図。 【符号の説明】 【0055】 1…収納家具 10…収納家具本体 11…頂板 12…底板 13、14…側板 2、20…縦仕切 3a、3b、3c、3d…トレー取付部材 31a、31b…添接面 32a、32b、32d…係合部 33a、33b…レール面 34a、34b、34c、34d…レール 35a、35b、35d…トレー止め 36…破断誘発部 41、42、43、44…トレー 410、420、430、440…鏡板 S…収納空間 P、P1、P2、P3…棚板 h…棚取付孔
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001351 【氏名又は名称】コクヨ株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
|
| 【出願日】 |
平成15年10月22日(2003.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085338 【弁理士】 【氏名又は名称】赤澤 一博
|
| 【公開番号】 |
特開2005−124747(P2005−124747A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月19日(2005.5.19) |
| 【出願番号】 |
特願2003−362397(P2003−362397) |
|