トップ :: A 生活必需品 :: A45 手持品または旅行用品




【発明の名称】 ランドセル
【発明者】 【氏名】澤浦 正
【住所又は居所】埼玉県越谷市赤山町2丁目244番地8 らんどーる株式会社内

【要約】 【課題】変形や劣化の度合いが少ないランドセルを提供する。

【解決手段】背板部11に、前板部12が側片部及び底片部を介して取り付けられたランドセル本体15を有し、ランドセル本体15の出し入れ口を開閉可能覆う蓋板部17が設けられ、かつ背負うための肩ベルト18が設けられているランドセル10において、側片部13及び底片部14と背板部11とを結合している箇所を覆う、縁材21の整形のためのきざみ部22を背板側に配置し、きざみ部22をカバー片24によって覆うととも
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板部に、前板部が側片部及び底片部を介して取り付けられたランドセル本体を有し、ランドセル本体の出し入れ口を開閉可能に覆う蓋板部が設けられ、かつ背負うための肩ベルトが設けられているランドセルにおいて、側片部及び底片部と背板部とを接合している箇所を覆う、縁材の整形のためのきざみ部を背板部側に配置し、きざみ部をカバー片によって覆うとともに背板部に縫い着けたことを特徴とするランドセル。
【請求項2】
背板部に、前板部が側片部及び底片部を介して取り付けられたランドセル本体を有し、ランドセル本体の出し入れ口を開閉可能に覆う蓋板部が設けられ、かつ背負うための肩ベルトが設けられているランドセルにおいて、肩ベルトのベルト部に縫い付けられている、縫い糸の縫い始め部と縫い終わり部を肩ベルトの端部の裏側に配置し、縫い始め部と縫い終わり部とを同じトリマーによって覆い、かつ裏面の側でトリマーを肩ベルトの構成部材の端を回して内側に入れ込むようにしたことを特徴とするランドセル。
【請求項3】
背板部に、前板部が側片部及び底片部を介して取り付けられたランドセル本体を有し、ランドセル本体の出し入れ口を開閉可能に覆う蓋板部が設けられ、かつ背負うための肩ベルトが設けられているランドセルにおいて、ランドセル本体に、フック部材を取り付けるための軸部が設けてあり、軸部と交差方向に所定以上の外力が加わったときに変形し、軸部から抜け出し可能な離脱機構をフック部材に設けるとともに、軸部の軸端部側にフック部材の軸方向へ抜け止めを取り付けたことを特徴とするランドセル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドセルの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ランドセルは小学生になくてはならぬものであり、6年間使用される。いわゆるランドセルはほぼ一定の形態を有しているが、製造メーカーは多々存在し、各社様々な工夫を行っている。出願人会社も様々な工夫を実施し、より使用し易く、軽くて丈夫な製品を提供するように努力を続けて来ており、その結果、ランドセルの品質感を高め、より使い易くする改良を完成した。その内容は他社によって未だ実施されていない。
【0003】
【特許文献1】特開2001−161422
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記の事情によりなされたもので、ランドセルの課題は、ランドセルのコストバリューを高めるとともに、使用後年数を経ても変形や劣化の度合いの少なくて済むランドセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するため、本発明は、背板部に、前板部が側片部及び底片部を介して取り付けられたランドセル本体を有し、ランドセル本体の出し入れ口を開閉可能に覆う蓋板部が設けられ、かつ背負うための肩ベルトが設けられているランドセルにおいて、側片部及び底片部と背板部とを接合している箇所を覆う、縁材の整形のためのきざみ部を背板部側に配置し、きざみ部をカバー片によって覆うとともに、背板部に縫い着けるという手段を講じたものである(請求項1の発明)。
【0006】
背板部と前板部、及び、これらの間に介在する側片部と底片部とは、上部を出し入れ口とする、箱状のランドセル本体の主要部を構成している。側片部と底片部とは、通常、襠(マチ)部と呼ばれる箇所である。この襠の部分を背板部に縫着するときに、従来は、細長い縁材によって縫着部を覆い隠すとともに、隅で縁材を曲げ手整形し多時に、縁材に生じるきざみと称する襞をそのままにしていたため、見映えが悪く、またごみやほこりが入り込むと取り除きにくいという問題があった。
【0007】
そこで本発明では、縁材に、整形により背板部の側で生じたきざみ部をカバー片によって覆うという手段を講じ、品質感を高めるものである(図3、図4(a))。カバー片はきざみ部だけを覆えば十分である。またきざみ部を背板部側に配置することにより、襠部の側にはきざみ部を発生させず、滑らかな曲面となり、すっきりした外観となる(図4(b)の矢印Cの部分の処理)。
【0008】
また本発明は、肩ベルトのベルト部に縫い付けられている、縫い糸の縫い始め部と縫い終わり部を肩ベルトの端部の裏側に配置し、縫い始め部と縫い終わり部とを同じトリマーによって覆い、かつ裏面の側でトリマーを肩ベルトの構成部材の端を回して内側に入れ込むという手段を講じたものである(請求項2の発明)。
【0009】
肩ベルトは、本来の目的であるベルトの機能を発揮する部材と、肩への当たりをやわらげるクッション機能を発揮する部材とを縫い合わせた構造となっており、縫い糸は太く、かなり目立つものである。従来の縫い糸に対する後処理は殆どなされておらず、ミシンのかけ始めとかけ終わりの縫い糸が重なる箇所では、縫い糸がずれて不良品となったり、使用中に縫い糸がほつれて見苦しくなりなりやすいという問題があった。
【0010】
そこで本発明では、縫い糸の縫い始めと縫い終わり部をベルト端部の裏側に集中し、これらをトリマーと称する小片によって覆い、縫い糸の処理がどうであろうとも、所期の目的を果たして、なお目触りでない外観を保つようになっている。またこの小片の裏面は、ベルトに腕を通すときなどに身体や衣類と接触し易く、外力の影響を受けて変形し易い箇所であることが分かり、裏面の側でトリマーを肩ベルトの構成部材の端を回して内側に入れ込むようにした。これによって、縫い糸の処理に用いたトリマーに予想される問題に前もって対処しておくことができる。
【0011】
さらに本発明は、ランドセル本体に、フック部材を取り付けるための軸部が設けてあ
り、軸部と交差方向に所定以上の外力が加わったときに変形し、軸部から抜け出し可能な離脱機構をフック部材に設けるとともに、軸部の軸端部側にフック部材の軸方向へ抜け止めを取り付けるという手段を講じている(請求項3の発明)。
【0012】
ランドセルには、携行品を吊り掛けるためのフックが、大襠と呼ばれる側面部分に、従来から設けられている。しかし従来のフックはランドセルに固定的に取り付けられてお
り、強い力で引っ張られたときに外れないため学童が引き擦られる危険がある。安全性のため、現在も、外れる構造とすべきことが規定されているが、簡単に外れると逆に不良品とみなされてしまうため、メーカーは簡単には外れないように設計値を高く取る結果、
30kgを越えるような力が加わらないと外れないようになっているというのが実情である。
【0013】
そこで本発明は、軸部に取り付けられているフック部材に設定値を超える外力が加わったときに、変形して軸部が抜け出す離脱機構をフック部材に設けている。変形式又は破断式の離脱機構であることにより、離脱を生じる数値をより確実に設定することができる
が、そのためには軸部から抜け出て外れてしまわないように、軸方向への抜け止めを取り付けるものである。これによりランドセル取り扱い上の安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、ランドセルの端部やベルトなどの処理がスマートに実施され、変形や劣化が減少して製品の品質が向上し、ごみなどで汚れが溜まり易いということがなくなり、また縫い糸のずれが問題とならないので不良品率が減少し、使用中に縫い糸がほつれる恐れがなく、耐久性が増し、さらに、所定の外力がフック部材に加えられた場合には、確実に外れるので、学童に危険が及ぶようなこともなく、ランドセルの品質、品位及び使用感を一段と高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図示の形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明を適用したランドセル10の全体を示しており、このランドセル10は、背板部11に、前板部12が側片部13及び底片部14を介して取り付けられたランドセル本体15を有し、その開口部16から前板部12を覆う蓋板部17と、背負うための肩ベルト18、18とをランドセル本体15に設けた構成を有している。なお、肩ベルトは左右共に同一符号を用いているが、これは同一形状、構造のものという意味ではなく、肩ベルトとして同等のものということである。
【0016】
図2ないし図4は、請求項1の発明に関する例示であり、側片部13と底片部14とから成る襠部を背板部11と接合する箇所の処理方法ということができる。襠部の一側は背板部11に縫い着けられており、その接合端縁は細長い縁材21によって包まれている。この縁材21には隅で曲げることによりきざみ部22と呼ばれる襞状の部分を生じるが、本発明ではきざみ部22を背板部側に配置し、襠部側は滑らかな整形部23とする。この縁材21は縫い着けによってランドセル本体15に取り付けられるが、その作業はカバー片24とともに行う。
【0017】
このカバー片24は、きざみ部22を覆い隠すことにより、きざみ部内にごみなどが入り込むのを防止するとともに、縁材21が作る段差を軽減する。例示のカバー片24は、左右両隅を同時に覆うためにコ字型のもので、隅部25、25はきざみ部内側に延びて、背面クッション部に接し、隙き間を作らないようになっている。従って縁材21とカバー片24とは同じ1筋の縫い糸26によってランドセル本体15に縫着されている。
【0018】
図5ないし図8は、請求項2の発明に関する例を示しており、肩ベルト18の縫い糸の処理方法といって良い。例示の肩ベルト18はベルト部材27とクッション機能のためのパッド部材28とを縫い糸29を用いて縫い合わせ、1本のベルトを形成してある構造のもので、上端部は図5、6に示すように、また下端部は図7、8に示すようにしてランドセル本体15に取り付けられている。
【0019】
しかし、上下両方の端部共に肩ベルト18の処理方法は同じで良いので、同一構成は同一符号にダッシュを付けて区別し、上下両方一括して説明する。ベルト部材27、27′は肩ベルト18の表側に位置し、パッド部材28、28′はその裏側に位置する。肩ベルト18の端部は、ベルト部材側が外側(表側)に位置するようにして裏側に丸められ、一種の軸受け30、30′を作り、取り付け金具31、31′の軸枠32、32′に接続される。
【0020】
本発明では、肩ベルト18の縫製をベルト端部から始め、ベルト端部で終わるようにする必要がある。このことによって、縫い糸29、29′のずれはベルト端部に来るようになり、その部分をトリマー33、33′によって覆い、外観が損なわれるのを防止する。その際、切れ端が露出しないようにトリマー33、33′の端をベルト部材27,27′の内側に入れ込み、リベットで示された止め具34、34′により、丸めたベルト部材
27、27′とトリマー33、33′及びパッド部材28、28′を同時に止め着けるようになっている。これによりトリマー33、33′の切れ端がめくれないようになり、変形が防止される。
【0021】
図9及び図10は、請求項3の発明に関する例示であり、フック部材35は、ランドセル本体15の大襠と呼ばれる側面部分に取り付けられた細い帯状枠36の軸部37に取り付けられる。フック部材35は、軸部37に回転可能に取り付けられる軸孔38を有し、軸孔38の上方に、弾性変形可能な狭隘部39によって形成されている通口40が設けられている。軸部37と、狭隘部39は弾性変形式の離脱機構を構成する。
【0022】
そして、軸部37の軸端部側にフック部材35が軸端から抜け出すのを防止する抜け止め41が取り付けられている。抜け止め41は軸部37に止め具42の鋲によって止め付けられており、フック部材35の上部に位置する箇所には、軸部37が取り付けられている台座43の突部と係合して回転止めとなるための係合部44が設けられている。なお、フック部材35には、なす環などが付属している。これにより、フック部材35は設定値よりも過大な外力が加われば外れることになるので、安全性が向上し、かつまた設定値の変更も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用したランドセルの1例を示す斜視図。
【図2】同上下部構造を説明する分解斜視図。
【図3】同じく完成状態の斜視図。
【図4】(a)同じく正面図。(b)同じく側面図。
【図5】ベルト上端部取り付けに関する1例を示す分解斜視図。
【図6】同じく縦断面図。
【図7】ベルト下端部取り付けに関する1例を示す分解斜視図。
【図8】同じく縦断面図。
【図9】フック部材取り付けに関する1例を示す分解斜視図。
【図10】同じく正面図。
【符号の説明】
【0024】
10 ランドセル
11 背板部
12 前板部
13 側片部
14 底片部
15 ランドセル本体
16 開口部
17 蓋板部
18 肩ベルト
21 縁材
22 きざみ部
24 カバー片
26、29、29′縫い糸
33、33′トリマー
35 フック部材
37 軸部
38 軸孔
【出願人】 【識別番号】503390042
【氏名又は名称】らんどーる株式会社
【住所又は居所】埼玉県越谷市赤山町2丁目244番地8
【出願日】 平成15年10月23日(2003.10.23)
【代理人】 【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵

【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹

【公開番号】 特開2005−124816(P2005−124816A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2003−363513(P2003−363513)