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【発明の名称】 耐火・耐熱性面ファスナー及び該面ファスナーを使用した防火服及び消防用装具
【発明者】 【氏名】石鍋 孝夫

【要約】 【課題】耐炎・耐火・耐熱に優れ、強く軽量で作業性に優れ、防火作業中にも高い物性と高い係合強さを維持できる素材で構成させタ面ファスナーを提供する。

【解決手段】織布の表面にフック状係合素子を設けたフック面ファスナーと、織布の表面にループ状係合素子を設けたループ面ファスナーとにより構成される面ファスナーにおいて、該織布及びフック状係合素子、ループ状係合素子が耐熱性・超高強力繊維で構成され、織布に織込み或いは編込まれた該係合素子を可撓性エポキシ樹脂により被覆した耐火・耐熱性面ファスナーに構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織布の表面にフック係合素子を設けたフック面ファスナーと、織布の表面にループ係合素子を設けたループ面ファスナーとにより構成される面ファスナーにおいて、該織布及びフック係合素子、ループ係合素子が耐熱性・超高強力繊維で構成され、織布に織込み或いは編込まれた該係合素子は200℃以上の耐熱性を有する材料により被覆された耐火・耐熱性面ファスナー。
【請求項2】
請求項1に記載した面ファスナーの織布、フック係合素子及びループ係合素子を構成する耐熱性・超高強力繊維が、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維、又はポリベンゾビスイミダゾール繊維からなる耐火・耐熱性面ファスナー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した面ファスナーの織布、フック係合素子及びループ係合素子を構成する耐熱性・超高強力繊維が、50〜300d./10〜200f.の超高強力・耐熱性繊維のマルチフィラメント糸、又はこれに該当する超高強力・耐熱性繊維の紡績糸を経糸及び緯糸とした織物形成用繊維を撚り合わせた糸を用い、基布一面上に高さ0.5〜4.0mmのフック係合素子と、該フック係合素子より0.2〜2.0mm高い、高さ0.7〜4.2mmのループ係合素子とにより構成された耐火・耐熱性面ファスナー。
【請求項4】
請求項1に記載した耐熱性を有する材料は、弗素系樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂又は可撓性エポキシ樹脂及びセラミック系コーティング剤の1種又は2種以上の混合物からなる耐火・耐熱性面ファスナー。
【請求項5】
請求項4に記載した弗素系樹脂コーティング剤が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/テトラフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロプロプロピルビニールエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)である耐火・耐熱性面ファスナー。
【請求項6】
請求項1に記載したフック係合素子を設けたフック面ファスナーは、可撓性エポキシ樹脂により含浸され、熱処理されてフック係合素子を硬質仕上げ加工し、ループ状係合素子を設けたループ面ファスナーは、可撓性エポキシ樹脂によりループ面ファスナーの裏面をバックコートした耐火・耐熱性面ファスナー。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか一つに記載した面ファスナーを、係合手段として使用して構成された防火服及び消防用装具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、耐炎・耐火・耐熱性に優れ、迅速な係合特性を有する係合機構、即ち、耐熱性面ファスナーに関するものであり、また、該優れた耐熱性と迅速係合性を有する面ファスナーを使用して作製された、耐熱性・迅速係合着装性を有する消防服及び消防用装具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近来における化学技術の発展は、より高性能・安全な消防服の提供に対しても、目的達成のために必須機能を満足せしめる構成素材の提供面においても、その進歩は目覚しく、消防服構成素材用生地として(特許文献1)にも代表されるように、超高強力で耐炎・耐火・耐熱性メタ系芳香族ポリアミド又はパラ系芳香族ポリアミド繊維のフィラメント糸からなる布帛に難燃性コート剤(即ち、クロロスルホ化ポリエチレン)をコートした布帛で消防服用生地を構成させることにより、耐熱・耐炎・耐火性に優れた消防服を得ることのみならず、生地構成繊維が高強力であることによって極めて低い布帛目付けで消防服の作成を可能とし、その結果防火作業性・安全性の向上においても成果を挙げつつある。
更に、該超高強力で耐炎・耐火・耐熱性優秀な布帛構成用繊維は、前記メタ系芳香族ポリアミド又はパラ系芳香族ポリアミド繊維に留まらず、更にポリベンゾビスオキサゾール繊維等の出現もあり、より一層進展されつつある。
【0003】
また、該消防服の係合部の係合手段としても、作業の迅速・簡便化のために単に消防服のみならず、同じく作業に簡便・迅速化が強く求められる消防用装具の係合手段としても、係合強さも向上し耐久性・作業性も向上した面ファスナーの適用により実用化が進み、係合方式が進展し、かかる消防服・消防用装具の係合手段に多くの消防服規制規格にも面ファスナー使用が採用されるに至った。
【0004】
該面ファスナーは、大別して織布の同一表面にフック係合素子とループ係合素子が混在して設けられたフック・ループ混在型面ファスナー(特許文献2,3)と、織布表面にフック係合素子を設けたフック面ファスナーと、ループ係合素子を設けたループ面ファスナーとの組合せからなる面ファスナー(特許文献4)に分けられ、該面ファスナーは係合に対する作業性が容易・簡便・迅速であることより重用されるに至っているが、更にそれぞれその生産性の改善、性能の改善に多くの考案がなされ、係合強さが高く係合性能保持の耐久性が優れた性能の製品が提供されるに至り、適用用途が広がり使用量が増しつつある状況下にある。
【0005】
【特許文献1】特開平7―194720号公報
【特許文献2】特開平5−154010号公報
【特許文献3】特開2003−125813号公報
【特許文献4】特開2002−78511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のように、耐炎・耐火・耐熱に優れ、強く軽量で作業性に優れた消防服構成繊維素材で構成される消防服、並びに構成素材として消防服構成繊維と同一素材繊維が使用され、また同一系統の合成樹脂が使用されたため、同様の機能を有する手袋・靴ほか消防用装具などは、要求機能を満たすための使用素材による性能及び機能面での改良が達成され、該消防服や消防用装具着装時の係合手段への面ファスナーの適用は、装着作業の簡便・迅速化に進展を見せ、係合方式の改良をもたらすものであったが、適用された面ファスナーは、従来品を適用したので、主要部材ではなく使用(部位)面積・量が少ないが、消防服・消防用装具に耐火・耐炎・耐熱性付与・防火作業中の高い係合強さを維持するという機能を保証する面で、面ファスナーに起因する要求機能欠陥の難点を残すことになった。
そこで面ファスナーのかかる欠陥を改善するために、面ファスナーを要求機能即ち、耐炎・耐火・耐熱に優れ、強く軽量で作業性に優れ、防火作業中にも高い物性と高い係合強さを維持できる素材で構成させ、かかる課題を解消することが存在したのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる課題を解決するために、特許請求項に規定した手段にて面ファスナーを構成させ、該面ファスナーを用いて消防服及び消防用装具を作成することにより、課題解決に成功したのである。即ち、
1.織布の表面にフック係合素子を設けたフック面ファスナーと、織布の表面にループ係合素子を設けたループ面ファスナーとにより構成される面ファスナーにおいて、該織布及びフック係合素子、ループ係合素子が、耐熱性・超高強力繊維で構成され、織布に織込み或いは編込まれた該係合素子は200℃以上の耐熱性を有する材料により被覆された耐火・耐熱性面ファスナーからなる。
2.請求項1に記載した面ファスナーの織布及びフック係合素子、ループ係合素子を構成する耐熱性・超高強力繊維が、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維、又はポリベンゾビスイミダゾール繊維からなる耐火・耐熱性優秀な面ファスナーを構成する。
3.請求項1又は2に記載した面ファスナーの織布、フック係合素子及びループ係合素子を構成する耐熱性・超高強力繊維が、50〜300d./10〜200f.の超高強力・耐熱性繊維のマルチフィラメント糸、又はこれに該当する超高強力・耐熱性繊維の紡績糸を経糸及び緯糸とした織物形成用繊維からなる糸を用い、基布一面上に高さ0.5〜4.0mmのフック係合素子と、該フック係合素子より0.2〜2.0mm高い、高さ0.7〜4.2mmのループ係合素子とにより構成された耐火・耐熱性面ファスナーからなる。
【0008】
即ち、面ファスナー構成素材を全て常用230℃以上の高温下で使用できる超高強力、超高弾性率で且つ耐炎・耐火・耐熱性素材で構成させるものである。
従って、面ファスナーを構成する係合素子の植込み・固定・保持用の基布及びフック状係合素子又はループ状係合素子を、超高強力・超高弾性率を有し耐炎・耐火・耐熱性優秀な請求項2に記載するメタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維、又はポリベンゾビスイミダゾール繊維で構成させる。
【0009】
また、面ファスナーの基布に製織又は編成したフック係合素子又はループ係合素子の該基布からの脱落を防止・固定するためのバッキング用接着剤も、耐炎・耐火・耐熱性のあるもので、且つ、該面ファスナーを消防服或いは又消防用装具の係合部位に装着する際の接着性も配慮して、かかる全ての要件を満足する可能性を有するエポキシ系接着剤から可撓性(フレキシブル)を有するタイプのエポキシ系接着剤を選定し、該面ファスナーを構成させたものである。
【0010】
更に、面ファスナー植込み用基布に製織又は編成した係合用素子を構成する超高強力・超高弾性率で耐炎・耐火・耐熱性の繊維の弱点である、ヒートセットによる形状セット能に欠ける難点をカバーし、また該繊維がマルチファイバー状で使用される際の(ループ係合素子の場合)収束性を向上させるために、請求項4、5に記載したような耐炎・耐火・耐熱性を有する樹脂でコーティングを施したのである。
【0011】
即ち、
4.請求項1に記載した耐熱性を有する材料は、弗素系樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂又は可撓性エポキシ樹脂及びセラミック系コーティング剤の1種又は2種以上の混合物からなる耐火・耐熱性面ファスナーに構成するものである。
ここで、セラミック系コーティング剤は、アルコキシシランと無機フィラーとからなり、低温加熱又は常温嵌挿により硬化して不燃、耐熱、耐水、耐薬品性に優れている。
【0012】
5.更に、前記請求項4に記載した弗素系樹脂コーティング剤が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE 融点Tm=327℃)、テトラフルオロエチレン−テトラフルオロプロピレン共重合体(FEP 融点Tm=275℃)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロプロプロピルビニールエーテル共重合体(PFA 融点Tm=310℃)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE 融点Tm=270℃)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE融点Tm=245℃)である耐火・耐熱性優秀な面ファスナーとなすことを開発し、目的達成に成功したのである。
【0013】
6.また、請求項1に記載したフック係合素子を設けたフック面ファスナーは、可撓性エポキシ樹脂により含浸され、熱処理されてフック係合素子を硬質仕上げ加工し、ループ状係合素子を設けたループ面ファスナーは、可撓性エポキシ樹脂によりループ面ファスナーの裏面をバックコートした耐火・耐熱性面ファスナーに構成することができる。
【0014】
7.請求項1〜6に記載した面ファスナーを、係合手段として使用して構成させた消防服及び消防用装具を製作し、かくして本発明の面ファスナーを消防服及び消防用装具を作成時のその係合部位に装着して該製品を構成せしめることにより、消防服及び消防用装具の着装作業性が優秀で、迅速に係合装着でき、防火作業中高温に曝された際も係合部の係合力が低下せず、面ファスナー自体が溶融損傷したり、面ファスナーが消防服及び消防用装具の装着部からズレ落ちたりしない、真に高温下での作業に対応できる消防服及び消防用装具の提供を可能としたのである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記したように、
(1)面ファスナー全構成素材が、耐炎・耐火・耐熱性繊維又は耐火・耐熱性樹脂から構成されているため、防火作業中炎に包まれ高温に曝されても、着装した消防服及び消防用装具の係合部の係合力が低下し着装品の係合状態が緩んだり、更には係合部自体が損傷したりずり落ちたり剥離したりする危険性は全くなく、安心して消防服及び消防用装具に守られて消火作業に従事することができる。
(2)面ファスナー構成繊維は、耐炎・耐火・耐熱性であるのみならず超高強力であり、且つ超高(曲げ)弾性率であるため、従来品と同一レベルの係合強さを得るための係合素子の植設密度を低くすることや該フック系合素子・ループ係合素子のデニール(繊維太さ)を低くすることが可能となり、また一方、植設密度及び該係合素子デニールを従来品と同一にすれば、面ファスナーでは従来得られなかった係合強さを得ることが可能になるのである。
(3)上記植設密度を低く設定できることの可能性は、面ファスナーの製造をより容易にする利点があり、生産性を向上させ、植設密度低減又は係合素子構成繊維デニールを低減の可能性は、高価な超高強力・耐熱性繊維の使用量を必要係合強さに応じた商品設計を行うことにより使用量節減の可能性を意味し、コスト面の圧迫からの対応に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明における面ファスナーは、面ファスナーの構成形態(構造)及びその製造方法自体は、公知の面ファスナーと異なるものではなく、単に該面ファスナーを構成する構成素材が、超高強力・超高弾性率で、耐炎・耐火・耐熱性繊維又は樹脂から構成されていることに特徴があるものであり、結果的にかかる構成素材の差が耐熱性を付与するだけでなく、面ファスナーを構成する構成繊維の太さ(デニール)や係合素子植設密度や係合強さなどに差異をもたらすことになるのであり、面ファスナーの製造は、従来通りに行うのであるが、構成に特徴発揮のための配慮・考案があるのである。また、使用する耐熱性超高強力繊維のヒートセットによる形状セット能面から耐熱性コート剤によるコーティングが必要に応じて行われるのである。
【0017】
次に実際に作成される面ファスナーの構成状態の概要を示す。
面ファスナーは、織布の表面にループ状係合素子を設けたループ面ファスナーと、織布の表面にフック状係合素子を設けたフック面ファスナーされの組合せにより構成される面ファスナーが対象となる。なお、織布の同一表面にフック状係合素子とループ状係合素子が混在して設けられたフック・ループ混在型面ファスナーとであってもよい。
【0018】
ループ面ファスナーとフック面ファスナーの組合せにより構成される面ファスナーにつき述べると、50〜300d./10〜100f.の超高強力・耐熱性繊維のマルチフィラメント糸、又はこれに該当する超高強力・耐熱性繊維の紡績糸を経糸及び緯糸とした織物形成用繊維を撚り合わせた糸を用い、基布一面上に高さ0.5〜4.0mmのフック係合素子(1)を設けたフック面ファスナーと、フック係合素子(1)より0.2〜2.0mm高い、高さ0.7〜4.2mmのループ係合素子(2)を設けたフック面ファスナーを、係合素子植設密度40〜150ケ/cmの密度で面ファスナーを作成させる。
【0019】
織布の表面にループ面ファスナーとフック面ファスナーの組合せにより構成される面ファスナーは、従来作成され用いられているものとファスナーの形態、構造や製造方法が異なるものではなく、従来どおり作成できる。
【0020】
フック係合素子をフック状とする場合は、基布にフック係合素子形成用該超高強力・耐熱性繊維のモノフィラメントを先ず所定列数ループ状に織込み、面ファスナー用フィラメントループ部材の切断装置を用いカットしてフック状係合素子列を形成せしめ、次いで前記と同様にループ係合素子列を編込み、バッキング処理をして面ファスナーを作成することができる。
この際、フック係合素子として使用する超強力・耐熱性繊維のモノフィラメントは、ヒートセットによる形状セット能に欠ける傾向があるので、必要に応じて予めコーティング剤でコーティングを施しておくことが望ましい。
【0021】
図2に示すように、織布の表面にフック状係合素子とループ状係合素子を設けたフック・ループ混在型面ファスナーの製造方法の例を示すと、先ず、該ファスナーにおけるフック係合素子として用いられる膨頭状先端部を有する、即ち、マッシュルーム型又は傘状等のフック係合素子を植設された織物(T)は、2枚の基布を適当な間隔を開けて重ね合わせ、接結2重織り法で列状にフック係合素子用フィラメントを織込み、次いで該2重に接結された織物を該織物間で切り離し、基布上に設定した列間隔を開けて織り込まれた列状パイルを有する織物を得る。次いでこの織物のパイル頭頂部に500〜600℃に加熱した加熱板を当てて列状の膨頭状先端部を有する、即ち、マッシュルーム型又は傘状等のフック係合素子(1)が植込まれた織物を得る。
また、マルチフィラメントよりなるループ状係合用繊維を編込みループ係合素子(2)列を設けループ面ファスナーを得るのである。
更に、植設されたフック及びループを基布に固着・固定するため所望の可撓性を有する可撓性エポキシ樹脂(例えば日本ペルノックス(株)製エポタック4538)を、該フック・ループ植設織物の裏面から、ロールコーター、リバースロールコータ又はドクターナイフコーター等を用い定法通りコーティングし、該バッキング剤(接着剤)を加熱固化させて面ファスナーが作成される。
また、面ファスナーに使用する耐熱性・超超強力モノフィラメントに対するコーティング剤のコーティングの実施や、ループ係合素子形成用耐熱性・超強力繊維マルチフィラメントに対するコーティング剤のコーティングの実施も、バッキング剤によるバッキングの実施についても、先のフック・ループ別体型面ファスナーの場合と本質的には差はないので説明は省略する。
【実施例1】
【0022】
以下に実施例にて本発明の実施態様と効果を具体的に説明する。
繊度200d./133フィラメントのパラ系アラミド繊維(デュポン(株)製商標名ケブラー)のマルチフィラメントを基布の経糸・緯糸とし、上記パラ系アラミド繊維に加撚したマルチフィラメントをフック用係合素子経糸とし、基布の一面に高さ2.5mm、植設密度60ケ/cmのフック用係合素子を作成し、次いで該面ファスナー前駆体を可撓性エポキシ樹脂接着剤(コトロニクス(製)製エポタック4538)に含浸して0.5g/cm塗布し、160℃、5分間熱処理した後、雄型にカットし、フック係合素子を有する面ファスナーを製作した。
一方、繊度200d./133フィラメントのパラ系アラミド繊維(デュポン(製)製商標名ケブラー)のマルチフィラメントを基布の経糸・緯糸とし、上記パラ系アラミド繊維の無撚のマルチフィラメントをループ用係合素子を経糸とし、基布の一面に高さ高さ1.5mm、植設密度120ケ/cmのループ状係合素子が存在する面ファスナー前駆体を作成し、次いでロールコーターを用いて該面ファスナー前駆体の裏面に、可撓性エポキシ樹脂接着剤(コトロニクス(株)製エポタック4538)1.0g/cm塗布し、160℃、5分間熱処理しエポキシ樹脂によるバッキングを完結し、係合素子を基布に固着・固定し面ファスナーを作製した。
得られた面ファスナーは、25℃、65%RH下において、押圧荷重200g/cmでピール強度60g/cmであり、高温下においても係合強さに大きな低下がなく消防服・消防用装具係合用ファスナーとして優れた性能を有することが証明された。
【実施例2】
【0023】
実施例1と同様に、繊度200d./133フィラメントのパラ系アラミド繊維(デュポン(株)製商標名ケブラー)のマルチフィラメントを基布の経糸・緯糸とし、繊度200d.のモノフィラメントをフック用係合素子経糸とし、繊度200d./133フィラメントのパラ系アラミド繊維(デュポン(製)製商標名ケブラー)のマルチフィラメントをループ用係合素子経糸とし、基布の一面に高さ1.15mmのフック用係合素子と該フック用係合素子より0.35mm高い高さ1.5mmのループ用係合素子が、幅方向に8列のフック用係合素子と7列のループ用係合素子が交互に配列して存在する面ファスナー前駆体を作成し、次いでロールコーターを用いて該面ファスナー前駆体の裏面に、可撓性エポキシ樹脂接着剤(コトロニクス(株)製エポタック4538)1.0g/cm塗布し、160℃、5分間熱処理しエポキシ樹脂によるバッキングを完結し、係合素子を基布に固着・固定しフック・ループ混在型面ファスナーを作製した。
得られた面ファスナーは、25℃、65%RH下において、押圧荷重200g/cmでピール強度60g/cmであり、高温下においても係合強さに大きな低下がなく消防服・消防用装具係合用ファスナーとして優れた性能を有することが証明された。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上説明したように、本発明の面ファスナーは、耐炎・耐火・耐熱性に優れ、係合強さが高く220℃という高温下においても係合強さが低下しないことが実証されたので、その着装作業の簡便・迅速性という利点も合わせ、消防服・消防用装具の係合機構部材(面ファスナー)として極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】フック面ファスナーとループ面ファスナーとから構成された面ファスナーの斜視図である。
【図2】フック・ループ混在型面ファスナーの正面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 フック係合素子
2 ループ係合素子
T 織物
HF フック面ファスナー
LF ループ面ファスナー
【出願人】 【識別番号】597060988
【氏名又は名称】株式会社サン・ディ・クロス
【識別番号】503418977
【氏名又は名称】日本ポリマー株式会社
【出願日】 平成16年7月23日(2004.7.23)
【代理人】 【識別番号】100096275
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 浩一

【公開番号】 特開2005−161012(P2005−161012A)
【公開日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願番号】 特願2004−215662(P2004−215662)