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【発明の名称】 ベンチレーション機能付き衣服
【発明者】 【氏名】伊東 敏行
【住所又は居所】名古屋市中村区名駅南二丁目11番44号 有限会社イーストファッションジャパン内

【要約】 【課題】効率的なベンチレーション機能を有し、快適性の高い衣服を提供すること。

【解決手段】ブルゾン1は、ブルゾン1内の空気を排出するための玉縁やハトメやメッシュ等よりなる通気孔10を、後身頃13における襟みつ130に近い位置に配設してなる。通気孔10は、レギュラーカラー形状の襟17によって覆うことができるようにしてある。雨天時には、襟17を折り畳むことで、通気孔10からの雨滴等の侵入を抑止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服内の空気を排出するための玉縁やハトメやメッシュ等よりなる通気孔を、後身頃における襟みつに近い位置に配設してなることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【請求項2】
請求項1において、上記衣服は、上記通気孔の上部側の位置に該通気孔を覆うためのカバーを有してなることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【請求項3】
請求項2において、上記カバーは、上記後身頃に取り付けたフラップであり、該フラップは、略水平方向に延びると共に、上記通気孔よりも鉛直方向の上方に位置した縫合線に沿って上記後身頃に縫合してあり、かつ、上記縫合線を中心軸線として上下方向に回動可能であることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【請求項4】
請求項2において、上記カバーは、上記襟みつに取り付けた折り畳み可能な襟であることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、上記衣服は、上記衣服内に空気を取り入れるための空気取り入れ口を、上記通気孔よりも鉛直方向に低い位置に設けてなることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、上記衣服の内側に開口する上記通気孔は、通気性を有する裏地によって覆ってあることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項において、上記通気孔は、ファスナーを用いて封止できるように構成してあることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は,ベンチレーション機能を備え、快適性を高めた衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ジャンバーや、ブルゾンや、コートや、ウィンドブレーカーや、レインウェア等の長袖の衣服では、該衣服内部の蒸れ等が生じるおそれがある。
そこで、例えば、図24に示すごとく、背ヨーク93の上下方向の中央付近に切り替え920を設けたブルゾン9や、脇下部等に外気取り込み用のハトメやメッシュ等を配置した衣服など、外部と連通する箇所を設けた衣服がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、上記従来の衣服では、次のような問題がある。すなわち、上記背ヨーク93の切り替え920や脇下部のハトメ等は、外気を取り込むのに一定の効果を奏するものの、衣服(ブルゾン9)内で蒸れた空気を効率良く排出するのに有効に作用しないおそれがある。
そのため、上記従来の衣服(ブルゾン9)では、該衣服内の蒸れ等を生じることがあり、快適性を十分に向上できないおそれがある。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3045913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、効率的なベンチレーション機能を有し、快適性の高い衣服を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、衣服内の空気を排出するための玉縁やハトメやメッシュ等よりなる通気孔を、後身頃における襟みつに近い位置に配設してなることを特徴とするベンチレーション機能付き衣服にある(請求項1)。
【0007】
本発明の衣服において後ろ身をなす上記後身頃では、該後身頃の襟付け部分である上記襟みつに近い位置に、上記空気を排出するための上記通気孔を形成してある。
ここで、上記後身頃における上記襟みつに近い位置とは、換言すれば、左右の袖ぐりの中間に当たる位置であり、上記衣服の着用者における左右の肩甲骨の中間の位置に対応している。
【0008】
一般的に、人間の背中の表面は、肩甲骨が背面に向けて隆起している一方、左右一対の肩甲骨の間が低く窪んでいる。
そのため、左右の肩甲骨の中間に当たる位置では、上記後身頃をなす服地と身体の外表面との間に鉛直方向に延びる窪み形状が形成される。
それ故、この鉛直方向に延びる窪みが、あたかも煙突のように作用し、上記衣服内に滞留する空気を上記通気孔から効率良く排出することができる。
【0009】
したがって、上記のように配置した通気孔を設けた本発明の衣服は、該衣服内に空気が滞留するおそれの少ない快適性の高いものとなる。
なお、上記襟みつに近い位置に配設した通気孔とは、上記鉛直方向に延びる窪み形状の上部付近に当たる位置に配置した通気孔を意味している。さらに言えば、上記窪み形状を利用して上記のごとく衣服内の空気を効率良く排出し得るような位置に配置された通気孔を意味している。
このような点を考慮すれば、上記通気孔は、上記後身頃の鉛直方向の中心線から2〜5cm程度、左右にずれていても良い。また、同様に、上記襟みつから0〜10cm程度の範囲で下方にずらして上記通気孔を配置しても良い。
【0010】
なお、上記玉縁とは、例えば、布の切れ目にバイアス布等の別布を付けて細く形成した縁のことをいい、一般的に、ポケット等の開口部として形成されるものである。
上記ハトメとは、例えば、円形状の穴を打ち抜いた布地に対して、この穴の縁部を保護するようにはめ込む中空リング状の金具を意味している。
上記メッシュとは、例えば、縦糸と横糸とを粗く編み込みしてなり、編み目の隙間を介して通気性を向上した布地によるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の衣服は、例えば、ジャンバーや、ブルゾンや、コートや、ウィンドブレーカーや、レインウェア等の長袖のものであることが好ましい。
これらの衣服は、一般に、通気性が低い、緻密な織物あるいは化学繊維、皮、更には通気性の全くないシート等により作製される場合が多い。そのため、衣服内の通気性を十分に確保するのが難しく、蒸れ等を生じて快適性が低下し易い。
したがって、上記の衣服の場合には、本発明の作用効果が特に有効となる。
【0012】
また、上記通気孔は、内側の開口部を上記襟みつに設けると共に、襟の立ち上がり部分であって、襟みつに連なる襟こし部分に外側の開口部を設けることも良い。
また、上記衣服は、上記通気孔の上部側の位置に該通気孔を覆うためのカバーを有してなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、雨天時等の悪天候時においては、上記カバーを用いて上記通気孔を覆うことにより、雨滴等の侵入を抑止することができる。
【0013】
また、上記カバーは、上記後身頃に取り付けたフラップであり、該フラップは、略水平方向に延びると共に、上記通気孔よりも鉛直方向の上方に位置した縫合線に沿って上記後身頃に縫合してあり、かつ、上記縫合線を中心軸線として上下方向に回動可能であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記フラップを回動させて上記通気孔を開口することにより、上記衣服内の空気を積極的に排出させることができる。
一方、上記フラップを回動させて上記通気孔を覆うように位置させた場合には、上記通気孔を介した通気性をある程度確保しつつ、例えば、雨滴等が外部から侵入するおそれを抑制することができる。
【0014】
また、上記カバーは、上記襟みつに取り付けた折り畳み可能な襟であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記折り畳み可能な襟を活用し、天候や外気温等に応じて適宜、上記通気孔を開口したり、覆ったりすることができる。
【0015】
また、上記衣服は、上記衣服内に空気を取り入れるための空気取り入れ口を、上記通気孔よりも鉛直方向に低い位置に設けてなることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記空気取り入れ口と、上記通気孔との組み合わせにより、上記衣服内の空気を効率良く循環させることができる。特に、上記空気取り入れ口よりも高い位置に設けた上記通気孔によれば、上記衣服内の高温多湿となった空気等を効果的に排出することができる。
【0016】
また、上記衣服の内側に開口する上記通気孔は、通気性を有する裏地によって覆ってあることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記通気孔を上記衣服の内部に開口させることなく、該衣服の通気性を十分に確保することができる。
そして、上記裏地と上記後身頃をなす表地との間で空気を循環させることで、上記着用者に直接的に触れる上記裏地の表面(上記衣服の内側を向く面。)をさらっとした肌触りに保持できる。
【0017】
また、上記通気孔は、ファスナーを用いて封止できるように構成してあることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記通気孔を封止してベンチレーション機能をほぼ停止することで、例えば、上記衣服をウィンドブレーカーとして活用することができる。
なお、上記通気孔を封止する方法としては、上記通気孔を塞ぐように配設した上記ファスナーにより封止する方法のほか、マジックテープやボタン等を用いて封止する方法などがある。
【0018】
上記ファスナーとしては、例えば、玉縁よりなる上記通気孔では、該通気孔に沿ってファスナーを配置することができる。
さらに、例えば、ハトメやメッシュ等よりなる上記通気孔では、該通気孔を覆うような布地を配設しておき、この布地の端部に沿ってファスナーを配置することができる。この場合には、上記布地によって上記通気孔を完全に近く覆うよう、上記ファスナーを閉じることにより上記通気孔を介しての通気性を抑止することができる。
【実施例】
【0019】
(実施例1)
本例は、ベンチレーション機能を有するブルゾン1に関する例である。この内容について、図1〜図7を用いて説明する。
本例のブルゾン1は、図1に示すごとく、ブルゾン1内の空気を排出するための玉縁よりなる通気孔10を、後身頃13における襟みつ130に近い位置に配設してなる。
以下に、この内容について詳しく説明する。
【0020】
本例のブルゾン1は、前身頃の左右合わせにファスナー14を配置してなる長袖の上着である。このブルゾン1は、ファスナー14の開閉により右前身頃11と左前身頃12とを合わせて前面を閉じたり、両者を分離して前面を開けたりできるように構成してある。そして、裾部にはゴム編み15を配設してなり、上記ファスナー14を閉じたときに裾部からの外気等の侵入を抑止できるよう構成してある。
また、襟17としては、立てたり、折り畳むことができるレギュラーカラー形状のものを採用してある。
【0021】
さらに、上記ブルゾン1の後身頃13には、上背ヨーク131と下背ヨーク132とを完全に縫合することなく重ね合わせた切り替え20を形成してある。この切り替え20は、上背ヨーク131の下端部が外側となるように重ね合わせてなり、ブルゾン1内部への雨滴等の侵入を抑止しつつ通気性を向上できるように構成してある。
【0022】
本例のブルゾン1では、図1に示すごとく、着用者の左右の肩甲骨の中間に当たる背部、すなわち背ヨーク13における襟みつ130に近い位置であって、かつ、折り畳まれた襟17によって覆われる位置に通気孔10を設けてある。
具体的には、本例では、襟みつ130の上端縁に沿った位置(襟みつ130の上端から下方0cmの位置。)に、横幅W=12.5cmの開口部を有する通気孔10を設けてある。
【0023】
本例では、後身頃13をなす表地を貫通するように形成された玉縁よりなる通気孔10を設けた。なお、本例の玉縁に代えて、ハトメや、メッシュ生地等によって通気孔を形成することもできる。
本例の通気孔10では、図2に示すごとく、玉縁よりなる開口部をその内側から覆うようにメッシュ生地109を配置してある。メッシュ生地109によって覆った通気孔10によれば、ブルゾン1の外表面に大きな開口部を形成することなく、通気性を良好に確保することができる。
メッシュ生地109としては、縦糸と横糸とを織り目を粗くしてメッシュ状に編み込みした通気性の高い布地を利用することができる。本例では、メッシュ生地109としては、縦2〜5mm、横2mm〜5mm程度の穴を多数配置してなるものを用いている。
【0024】
ここで、一般に、着用者5の背中の表面形状は、図3に示すごとく、左右の肩甲骨51が背面側502に向けて隆起する一方、該左右の肩甲骨51の中間が鉛直方向に窪む形状を呈している。すなわち、着用者5の背中の略中央には、鉛直方向に延びる窪みBが形成されている。
それ故、本例のように、左右の袖ぐりの中間であって、かつ、折り畳まれた襟17によって覆われるような位置、すなわち、後身頃13における襟みつ130に近く通気孔10を配置すれば、上記着用者5の身体の上記窪みBがあたかも煙突のように機能する。そして、この窪みBを利用すれば、ブルゾン1内の空気を効果的に循環させ、さらに、通気孔10から効率良く排出させることができる。
【0025】
本例のブルゾン1では、図4に示すごとく、後身頃13の切り替え20から外気を取り込むと共に、通気孔10からブルゾン1内の空気を排出(図中、経路点Aから経路点Cに至る通気経路。)できる。それ故、本例のブルゾン1は、高いベンチレーション効果を奏することができ、着用者5(図3)にとって快適なものとなる。
また、図5に示すごとく、上記ファスナー14を開けて、右前身頃11と左前身頃12とを分離して開口すれば、その開口箇所から導入した空気を通気孔10から排出(図中、経路点Dから経路点Cに至る通気経路。)して、さらに効率高くブルゾン1内の空気を循環(ベンチレーション)させることができる。
【0026】
特に、本例のブルゾン1では、図6に示すごとく、通気孔10の内側の開口部を裏地16によって覆ってある。そのため、ブルゾン1では、裏地16と後身頃13をなす表地との間を空気が流動する。それ故、ブルゾン1の裏地16は、さらっとした肌触りを呈することができる。
なお、これに代えて、ブルゾン1の内側に通気孔10が開口するよう、裏地16を貫通させて通気孔10を形成することもできる。
【0027】
なお、図4〜図6には、通気孔10を活用して、積極的に空気の循環を行う場合を示した。一方、雨天時など、通気孔10からの雨滴の侵入を抑止したい状況や、強風時や寒い季節など、ブルゾン1内のベンチレーションを行いたくない状況がある。
本例のブルゾン1によれば、図7に示すごとく、襟17を折り畳むことにより上記のような状況に適切に対応することができる。すなわち、通気孔10に覆い被せるよう襟17を折り畳めば、通気孔10からの雨滴等や冷気等の侵入を抑止することができる。
なお、同図に示すごとく、後身頃13を覆う襟17の形状を、下方に向けて突出する湾曲形状(例えば、ラウンドカット形状。)に形成すれば、さらに、確実性高く通気孔10からの雨滴等の侵入を防止できる。
【0028】
以上のように、本例のブルゾン1によれば、後身頃13の略中央の上部付近(襟みつ130に近い位置。)に配置した通気孔10を介して、ブルゾン1内の空気を積極的に排出することができる。そして、このようにブルゾン1内の空気を循環させることにより、ブルゾン1の快適性を向上することができる。
それ故、ベンチレーション機能を備え、快適な本例のブルゾン1は、様々な天候や季節に対応できる使い勝手の良好なものとなる。
【0029】
なお、本例のブルゾン1では、後身頃13の切り替え20と上記通気孔10とを組み合わせて高いベンチレーション効果を実現しているが、これに代えて、上記切り替え20を廃して、上記通気孔10のみを配置することもできる。
この場合にも、上記通気孔10を介してブルゾン1内部の蒸れた空気を排出して、快適性を向上することができる。
【0030】
さらに、図8に示すごとく、本例の玉縁による通気孔10に代えて、ハトメ金具101を利用してなるハトメによる通気孔10を設けることもできる。中空リング状を呈するハトメ金具101によれば、服地に開口した穴の縁部を保護できると共に、通気孔10の開口部を確実性高く確保することができる。なお、このハトメ金具101としては、内径3〜6mm程度のものを、3〜4個程度設けることが好ましい。
【0031】
さらに、縦糸と横糸とを織り目を粗くしてメッシュ状に編み込みしてなり、通気性の高いメッシュ生地を用いて上記後身頃13の一部を形成することにより本例の通気孔10に代わる通気孔を形成することもできる。なお、メッシュ生地としては、縦2〜5mm、横2〜5mm程度の穴を多数、配置してなる布地を用いることができる。
【0032】
(実施例2)
本例のブルゾン1は、実施例1のブルゾン1を基にして、外気取り入れ口(上記切り替え18に相当。)の配置を変更した例である。この内容について、図9〜図15を用いて説明する。
本例のブルゾン1は、実施例1において後身頃13に形成した切り替え20に代えて、図9に示すごとく、袖の付け根部分における肩線に沿う位置にハトメ部18を設けたものである。該ハトメ部18は、図10に示すごとく、服地を2重に重ね合わせた袖の付け根部分の内側に、3個のハトメ金具189を肩線に沿って一列に配置してなる。
【0033】
本例のブルゾン1では、図11に示すごとく、袖の付け根部分に配置したハトメ部18から通気孔10に向けて(図中、経路点Eから経路点Cに至る通気経路。)、積極的に空気を循環させることができる。
特に、レギュラーカラー形状の襟17を立てれば、通気孔10を外部に向けて開口できる。この場合には、ブルゾン1内の空気の排出を積極的に行うことができ、ベンチレーション効果をさらに高めることができる。
一方、雨天時においては、襟17を折り畳むことで、通気孔10からの雨滴等の侵入を抑止することができる。
【0034】
さらに、図12に示すごとく、ファスナー14を開けたときには、右前身頃11と左前身頃12との間の開口箇所から上記通気孔10に向かう循環経路(図中、経路点Dから経路点Cに至る通気経路。)と、上記ハトメ部18に向かう循環経路とが形成される。この場合には、ブルゾン1のベンチレーション機能をさらに高めることができる。
【0035】
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
また、図13に示すごとく、実施例1の後身頃13の切り替え20と、本例の袖の付け根部分のハトメ部18とを組み合わせることも有効である。この場合には、後身頃13に設けた切り替え20から通気孔10に向かう循環経路(図中、経路点Aから経路点Cに至る通気経路。)と、袖の付け根部分に形成したハトメ部18から通気孔10に向かう循環経路(図中、経路点Eから経路点Cに至る通気経路。)との2系統の循環経路を形成できる。そして、該2系統の循環経路を介して、一層、積極的に空気を循環させることができる。
【0036】
さらに、図14に示すごとく、ファスナー14を開けたときには、右前身頃11と左前身頃12との間の開口箇所から上記通気孔10に向かう循環経路(図中、経路点Dから経路点Cに至る通気経路。)と、上記ハトメ部18に向かう循環経路とを形成できるため、ブルゾン1の快適性を一層、向上することができる。
【0037】
なお、図15に示すごとく、本例のハトメ部18に代えて、重ね合わせた服地の間の隙間を覆うようにメッシュ生地181を配置してメッシュ部188を形成することも好ましい。この場合には、袖の付け根部分の通気性を高めて、ブルゾン1のベンチレーション効果をさらに向上することができる。
【0038】
(実施例3)
本例は、実施例1のブルゾン1に基づいて、通気孔10を覆うためのフラップ19を追加した例である。この内容について、図16〜図18を用いて説明する。
本例のブルゾン1の襟17は、スタンドカラー形状の折り畳むことができないものである。
【0039】
そこで、本例のブルゾン1では、図16に示すごとく、襟17と後身頃13との合わせ目、すなわち襟みつ130の上端縁部に沿って、フラップ19の端部を縫合してある。
該フラップ19は、図17に示すごとく、ブルゾン1の表地と同材質の生地よりなる略矩形状を呈する小片である。上記のごとく端部を縫合されたフラップ19によれば、その縫合線191を回動軸とし、該回動軸を中心として上下方向に回動可能である。なお、同図では、裏地や、玉縁の細部処理の図示を省略し、簡略化して示してある。
【0040】
図16に示すごとく、フラップ19を回動させて通気孔10を開口すれば、ブルゾン1内の空気の排出を積極的に行うことができ、ベンチレーション機能をさらに高めることができる。
一方、雨天時においては、図18に示すごとく、通気孔10を覆うようにフラップ19を回動させることで、通気孔10からの雨滴等の侵入を効果的に抑止することができる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
【0041】
(実施例4)
本例は、実施例1の通気孔10及び切り替え20を封止可能に構成した例である。この内容について、図19及び図20を用いて説明する。
本例のブルゾン1は、図19及び図20に示すごとく、実施例1のブルゾンについて、通気孔10における外部側の開口部を封止するためのファスナー105と、切り替え20の開口部を封止するファスナー205とを追加して設けた例である。
【0042】
図19に示すごとく、通気孔10の外部側の開口部には、通気孔10に沿ってファスナー105を配設してある。そして、このファスナー105は、外部側からの操作により通気孔10を開けたり閉じたりすることができるように構成してある。
なお、図20に示すごとく、本例のブルゾン1では、ファスナー105を閉じたときに、通気孔10の開口部を形成する玉縁の上下合わせの内部にファスナー105が隠れるようにして美観を高めてある。
【0043】
さらに、図20に示すごとく、完全に縫合された2箇所の縫合部207の中間に位置してなり、切り替え部20の外気取り入れ口として機能する開口部206には、ファスナー205を配設してある。このファスナー205は、ブルゾン1の内側から操作可能なように取り付けてあり、該ファスナー205を閉じることで開口部206を封止できるように構成してある。
【0044】
本例のブルゾン1によれば、ファスナー105及びファスナー205を閉じることにより、ベンチレーション機能をほぼ完全に停止させることができる。
そのため、このブルゾン1は、ウィンドブレーカーとして高い性能を発揮し得るものとなる。それ故、このブルゾン1は、広範な天候状況に幅広く対応し得る、使い勝手の良好な衣服となる。
【0045】
さらに、ファスナー105あるいはファスナー205のどちらか一方を開けると共に、他方を閉めるというように組み合わせれば、ブルゾン1のベンチレーション効果の高低を好みに合わせて調節することも可能である。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
さらに、本例のブルゾン1のファスナーに代えて、マジックテープや、ボタン等によって通気孔10や切り替え20を封止するように構成することもできる。
【0046】
(実施例5)
本例は、実施例1の通気孔10をブルゾン以外の衣服に適用した例である。この内容について、図21〜図23を用いて説明する。
図21及び図22は、膝上丈のコート101に実施例1の通気孔10を適用した例である。裾にゴム編み等を設けてないコート101では、裾から外気を取り込むと共に、コート101内の空気を通気孔10から排出(図中、経路点Aから経路点Cに至る通気経路。)することができる。
【0047】
なお、図21には、レギュラーカラー形状の襟17を有するコート101を示してある。該コート101では、襟17を立てたり、折り畳むことで上記通気孔10の開閉を行うことができる。
また、図22には、スタンドカラー形状の襟17を有するコート101を示してある。このコート101の後身頃13には、実施例3と同様のフラップ19を取り付けてある。
【0048】
図23は、頭部を覆うフード付きの襟なし、膝丈のレインウェア102に実施例1の通気孔10と実施例3のフラップ19との組み合わせを適用した例である。このレインウェア102は、実施例1のブルゾン1と同様、後身頃13に切り替え20を設けてある。
そのため、上記レインウェア102では、切り替え20から取り込んだ空気を、さらに通気孔10から外部に排出するというベンチレーション機能(図中、経路点Aから経路点Cに至る通気経路。)により、レインウェア102内部の蒸れ等を効果的に抑止することができる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1あるいは実施例3と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1における、ブルゾンの正面(前身頃側)及び裏面(後身頃側)を示す図。
【図2】実施例1における、通気孔の開口部の断面構造を示す断面図。
【図3】実施例1における、着用者の身体形状を示す上面図。
【図4】実施例1における、ブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図その1。
【図5】実施例1における、ブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図その2。
【図6】実施例1における、背ヨークに沿うベンチレーションの様子を説明する拡大説明図。
【図7】実施例1における、折り畳んだ襟によって通気孔を覆った状態を説明する説明図。
【図8】実施例1における、その他の通気孔を示す図。
【図9】実施例2における、ブルゾンの正面及び裏面を示す図。
【図10】実施例2における、ハトメ部を示す説明図。
【図11】実施例2における、ブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図その1。
【図12】実施例2における、ブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図その2。
【図13】実施例2における、その他のブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図その1。
【図14】実施例2における、その他のブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図その2。
【図15】実施例2における、ハトメ部に代わるメッシュ部を示す説明図。
【図16】実施例3における、ブルゾンのベンチレーションの様子を説明する説明図。
【図17】実施例3における、通気孔を覆うフラップの断面構造を示す断面図。
【図18】実施例3における、フラップによって通気孔を覆った状態を説明する説明図。
【図19】実施例4における、ファスナーを配設した通気孔の断面構造を示す断面図。
【図20】実施例4における、通気孔及び切り替えにファスナーを配設したブルゾンを示す背面図。
【図21】実施例5における、コートその1のベンチレーションの様子を説明する説明図。
【図22】実施例5における、コートその2のベンチレーションの様子を説明する説明図。
【図23】実施例5における、レインウェアのベンチレーションの様子を説明する説明図。
【図24】従来における、ブルゾン内部の空気循環の様子を説明する説明図。
【符号の説明】
【0050】
1 ブルゾン
10 通気孔
11 右前身頃
12 左前身頃
13 後身頃
130 襟みつ
14 ファスナー
17 襟
18 切り替え
19 フラップ
20 切り替え
5 着用者
A〜E 経路点
【出願人】 【識別番号】503444208
【氏名又は名称】有限会社イーストファッションジャパン
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅南二丁目11番44号
【出願日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【代理人】 【識別番号】100079142
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥泰

【識別番号】100110700
【弁理士】
【氏名又は名称】岩倉 民芳

【公開番号】 特開2005−163227(P2005−163227A)
【公開日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願番号】 特願2003−404941(P2003−404941)