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【発明の名称】 ウエストサイズ調節機構付衣服
【発明者】 【氏名】加藤 好司

【要約】 【課題】ウエストサイズ調節機構付衣服において、見た目は通常のパンツ等の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させられること。

【解決手段】ウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1は、上前ベルト部2の裏側に鉤構成体ホール5が設けられ、下前ベルト部3の表側にメンカン6が設けられて、上前ベルト部2内部に設けられた移動布に縫付けられたカギホック4が鉤構成体ホール5から外へ出ており、鉤構成体ホール5内で移動可能となっている。カギホック4をメンカン6に係合して、ファスナーを閉じることによって、婦人用パンツ1は連続的にウエストサイズが変化してゆったりとした着用感が得られる。そして、鉤構成体ホール5は、上前ベルト部2の裏側に設けられているため外部から見えることはなく、見た目は通常の婦人用パンツと何等変わるところがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、
衣服の上前ベルト部または下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、
前記移動布に取付けられた鉤構成体と、
前記衣服の上前ベルト部裏地または下前ベルト部表地に設けられ、前記鉤構成体が受構成体に嵌合可能に突出して、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記鉤構成体が移動可能な鉤構成体ホールとを具備し、
前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記鉤構成体ホール内から突出した鉤構成体と、前記衣服の下前ベルト部表地または上前ベルト部裏地に取付けられた受構成体とからなることを特徴とするウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項2】
衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、
前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に設けられた上下方向に伸びるタックと、
前記衣服の上前に設けられたタックに縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の下前に縫代となる他方のファスナーテープが縫付けられたファスナーと、
前記衣服の上前ベルト部または下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、
前記移動布に取付けられた鉤構成体と、
前記衣服の上前ベルト部裏地または下前ベルト部表地に設けられ、前記鉤構成体が受構成体に嵌合可能に突出して、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記鉤構成体が移動可能な鉤構成体ホールとを具備し、
前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記鉤構成体ホール内から突出した鉤構成体と、前記衣服の下前ベルト部表地または上前ベルト部裏地に取付けられた受構成体とからなることを特徴とするウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項3】
前記上前ベルト部または前記下前ベルト部に縦テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に横方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記縦テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項4】
前記上前ベルト部の裏側または前記下前ベルト部の表側の前記鉤構成体ホールに相当する位置に横テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に縦方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記横テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項5】
前記上前ベルト部の裏側または前記下前ベルト部の表側の前記鉤構成体ホールに相当する位置に横長のテープを左端だけ縫付け、前記弾性材または前記移動布の裏側に前記横長のテープの下側に縦方向テープを通して上下端を縫付け、前記鉤構成体ホールの右端に相当する位置に縦テープを取付けて前記弾性材または前記移動布の裏側に前記横長のテープを前記縦テープの下を通して前記横長のテープの右端を縫付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項6】
前記移動布の裏側の中央線に沿って「く」の字形に折り曲げたテープを折り曲げ線において縫付け、前記テープの両端は前記上前ベルト部または前記下前ベルト部に設けられた前記鉤構成体ホールの位置において前記上前ベルト部または前記下前ベルト部に縫付け、前記縫付けられた折り曲げ線の左右の余ったテープはタック状に折り畳んだことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項7】
前記移動布の裏側の前記「く」の字形に折り曲げたテープの下を一または二以上の横テープを通して前記横テープの両端を前記移動布の裏側に縫付けたことを特徴とする請求項6に記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項8】
前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記鉤構成体ホールを通して表側に出された前記鉤構成体と前記衣服の下前ベルト部の表側または上前ベルト部の裏側に取付けられた前記受構成体と、これらとは離して前記上前ベルト部の裏側に取付けられた受構成体または鉤構成体と前記下前ベルト部の表側に取付けられた鉤構成体または受構成体とからなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項9】
前記弾性材には、その最大伸びを制限する伸び止め材を並設したことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項10】
前記移動布と前記伸び止め材としてベルト部表地と同系色の裏地を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【請求項11】
前記衣服の前記鉤構成体ホールを設けた側のベルト部の上半分及び/または下半分及び/または移動布を硬めの芯で補強したことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載のウエストサイズ調節機構付衣服。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ズボン(パンツ)、スカートのウエスト部分の分割部分を結合するカギホックを取り付けたウエストサイズ調節機構付衣服に関するものであり、特に、着用する人の衣服のウエストサイズを調節できるウエストサイズ調節機構付ズボン、ウエストサイズ調節機構付スカート等のウエストサイズ調節機構付衣服に関するものであり、衣服全般に適用できるものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、先に、着用する人のウエストサイズに合わせてウエストサイズを調節できるとともに、着用する人のウエストサイズだけでなく腰近傍の寸法が多少変化しても、着用感や見栄えを損なわないズボン、スカート等のウエストサイズ調節機構付衣服であって、結合具としてボタン・ドット釦等も使用することができ、連続的にウエストサイズを変化させることができる状態とウエストサイズを固定した状態とを容易に切り替えられるウエストサイズ調節機構付衣服にかかる発明についての出願をしている(特許文献1)。
【0003】
この発明のウエストサイズ調節機構付衣服においては、中央タブをゴムテープを介してズボン(パンツ)の下前のベルト部に取付け、ゴムテープはオーバーベルトで隠してベルト方向に移動可能な中央タブにボタンやドット釦等を取付け、上前のベルト部に対応するボタンホールやドット釦を設けて、さらに下前のベルト部にも直接ボタンやドット釦等を取付けることによって、中央タブのボタンやドット釦等を上前のベルト部のボタンホールやドット釦等に嵌合させた場合には、ウエストサイズはゴムテープが伸縮可能な範囲内でフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。また、下前のベルト部に直接取付けられたボタンやドット釦等を上前のベルト部のボタンホールやドット釦等に嵌合させた場合には、ウエストサイズが固定された状態となる。
【特許文献1】特開2002−339113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明においては、中央タブやオーバーベルトといった余分な部材が外から見えるため、見た目がすっきりとせず、人によっては見栄えを損なうと感じる。また、カギホックとメンカンを結合具としてウエストサイズを調節できるようにする場合でも、中央タブやオーバーベルトといった余分な部材が必要になるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、カギホックとメンカン(鉤構成体と受構成体)を結合具として、見た目は通常のズボン(パンツ)等の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができる、さらには連続的にウエストサイズを変化させることができる状態とウエストサイズを固定した状態とを容易に切り替えることができるウエストサイズ調節機構付衣服の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、衣服の上前ベルト部または下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に取付けられた鉤構成体と、前記衣服の上前ベルト部裏地または下前ベルト部表地に設けられ、前記鉤構成体が受構成体に嵌合可能に突出して、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記鉤構成体が移動可能な鉤構成体ホールとを具備し、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記鉤構成体ホール内から突出した鉤構成体と、前記衣服の下前ベルト部表地または上前ベルト部裏地に取付けられた受構成体とからなるものである。
【0007】
請求項2の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服を分離自在に結合し、前記衣服のウエストサイズを所定の範囲で調節自在とする結合具と、前記結合具により前記衣服のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在とし、前記衣服の上前に設けられた上下方向に伸びるタックと、前記衣服の上前に設けられたタックに縫代となる一方のファスナーテープが縫付けられ、かつ、前記衣服の下前に縫代となる他方のファスナーテープが縫付けられたファスナーと、前記衣服の上前ベルト部または下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布と、前記移動布に取付けられた鉤構成体と、前記衣服の上前ベルト部裏地または下前ベルト部表地に設けられ、前記鉤構成体が受構成体に嵌合可能に突出して、前記弾性材の弾性力に抗して前記移動布がベルト方向に移動するのに伴って前記鉤構成体が移動可能な鉤構成体ホールとを具備し、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記鉤構成体ホール内から突出した鉤構成体と、前記衣服の下前ベルト部表地または上前ベルト部裏地に取付けられた受構成体とからなるものである。
【0008】
請求項3の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1または請求項2の構成において、前記上前ベルト部または前記下前ベルト部に縦テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に横方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記縦テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。
【0009】
請求項4の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1または請求項2の構成において、前記上前ベルト部の裏側または前記下前ベルト部の表側の前記鉤構成体ホールに相当する位置に横テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に縦方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記横テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。
【0010】
請求項5の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1または請求項2の構成において、前記上前ベルト部の裏側または前記下前ベルト部の表側の前記鉤構成体ホールに相当する位置に横長のテープを左端だけ縫付け、前記弾性材または前記移動布の裏側に前記横長のテープの下側に縦方向テープを通して上下端を縫付け、前記鉤構成体ホールの右端に相当する位置に縦テープを取付けて前記弾性材または前記移動布の裏側に前記横長のテープを前記縦テープの下を通して前記横長のテープの右端を縫付けたものである。
【0011】
請求項6の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1または請求項2の構成において、前記移動布の裏側の中央線に沿って「く」の字形に折り曲げたテープを折り曲げ線において縫付け、前記テープの両端は前記上前ベルト部または前記下前ベルト部に設けられた前記鉤構成体ホールの位置において前記上前ベルト部または前記下前ベルト部に縫付け、前記縫付けられた折り曲げ線の左右の余ったテープはタック状に折り畳んだものである。
【0012】
請求項7の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項6の構成において、前記移動布の裏側の前記「く」の字形に折り曲げたテープの下を一または二以上の横テープを通して前記横テープの両端を前記移動布の裏側に縫付けたものである。
【0013】
請求項8の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記結合具は、前記移動布に縫付けられ前記鉤構成体ホールを通して表側に出された前記鉤構成体と前記衣服の下前ベルト部の表側または上前ベルト部の裏側に取付けられた前記受構成体と、これらとは離して前記上前ベルト部の裏側に取付けられた受構成体または鉤構成体と前記下前ベルト部の表側に取付けられた鉤構成体または受構成体とからなるものである。
【0014】
請求項9の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項8のいずれか1つの構成において、前記弾性材には、その最大伸びを制限する伸び止め材を並設したものである。
【0015】
請求項10の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記移動布と前記伸び止め材としてベルト部表地と同系色の裏地を用いたものである。
【0016】
請求項11の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、請求項1乃至請求項10のいずれか1つの構成において、前記衣服の前記鉤構成体ホールを設けた側のベルト部の上半分及び/または下半分及び/または移動布を硬めの芯で補強したものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服の上前ベルト部または下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布に鉤構成体を縫付け、上前ベルト部裏地または下前ベルト部表地に設けられた鉤構成体ホールから鉤構成体を表に出し、下前ベルト部または上前ベルト部に設けられた受構成体に鉤構成体を係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内で鉤構成体が鉤構成体ホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。そして、鉤構成体ホールは、上前ベルト部の裏側に設けた場合には外からは見えず、下前ベルト部の表側に設けた場合には鉤構成体が上前ベルト部の裏側の受構成体に係合することによって、そのまま上前ベルト部に、或いは下前ベルト部に持ち出しを付けたり、上前ベルト部にポイントを設けることによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。
【0018】
このようにして、鉤構成体と受構成体を結合具として、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0019】
請求項2の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるズボン等の上前にタックを設けるとともに、上前ベルト部または下前ベルト部に弾性材を介してベルト方向に移動可能に取り付けられた所定長さの移動布に鉤構成体を取付け、上前ベルト部裏地または下前ベルト部表地に設けられた鉤構成体ホールから鉤構成体を表に出し、下前ベルト部または上前ベルト部に取付けられた受構成体に鉤構成体を係合することによって、弾性材が伸縮可能な範囲内で鉤構成体が鉤構成体ホール内を移動してフリーサイズとなり、ゆったりとした着用感が得られる。
【0020】
そして、鉤構成体ホールは、上前ベルト部の裏側に設けた場合には外からは見えず、下前ベルト部の表側に設けた場合には鉤構成体が上前ベルト部の裏側の受構成体に係合することによって、そのまま上前ベルト部に、或いは下前ベルト部に持ち出しを付けたり、上前ベルト部にポイントを設けることによって隠れるので、見た目は通常の衣服と何等変わるところがない。しかも、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
【0021】
ここで、上前ベルト部の裏側に鉤構成体ホールを設けた場合でも、ファスナーテープを移動させるためのスライディングテープは上前ベルト部の表側に取付けられ、薄い生地で仕切って、上前ベルト部の裏側に弾性材と移動布と鉤構成体を取付けて鉤構成体ホール内を移動させることができ、スライディングテープの動きを妨げることがない。
【0022】
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズの変化に伴ってウエスト近傍に皺等が生じることもないウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0023】
請求項3の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、上前ベルト部または下前ベルト部に縦テープの両端を縫付けて、移動布の裏側に横方向に一または二以上の噴き出し防止テープを縦テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。したがって、鉤構成体に無理な力が掛かって上方に引張られても、鉤構成体が縫付けられている移動布や弾性材が鉤構成体ホールから外へ引き出されてしまう所謂「噴き出し」が防止される。
【0024】
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに噴き出しを防止することができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0025】
請求項4の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、上前ベルト部の表側または前記下前ベルト部の裏側の前記鉤構成体ホールに相当する位置に横テープの両端を縫付けて、前記移動布の裏側に縦方向に一または二以上の噴き出し防止テープを前記横テープの下を横方向に移動可能に通して縫付けたものである。したがって、鉤構成体に無理な力が掛かって上方に引張られても、鉤構成体が縫付けられている移動布や弾性材が鉤構成体ホールから外へ引き出されてしまう噴き出しが防止される。
【0026】
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに噴き出しを防止することができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0027】
請求項5の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、上前ベルト部の裏側または下前ベルト部の表側の鉤構成体ホールに相当する位置に横長のテープを左端だけ縫付け、弾性材または移動布の裏側に横長のテープの下側に縦方向テープを通して上下端を縫付け、鉤構成体ホールの右端に相当する位置に縦テープを取付けて弾性材または移動布の裏側に横長のテープを縦テープの下を通して横長のテープの右端を縫付けたものである。これによって、鉤構成体の移動範囲が左端でも右端でも限定され、弾性材に無理な力が掛かる恐れがなく、しかもスムーズに鉤構成体を鉤構成体ホール内で移動させることができる。
【0028】
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに、弾性材を長持ちさせることができ、噴き出しを防止することができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0029】
請求項6の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布の裏側に「く」の字形に折り曲げたテープを折り曲げ線において縫付け、テープの両端は上前ベルト部に設けられた鉤構成体ホールの位置において上前ベルト部に縫付け、縫付けられた折り曲げ線の左右の余ったテープはタック状に折り畳んだものである。これによって、鉤構成体が鉤構成体ホール内でウエストサイズが緩む方向に引張られたとき、テープの中央のタック状部分が上下に分散されるので、遊びが少なくなる。したがって、鉤構成体を無理に鉤構成体ホール外へ引張っても、噴き出しが起こり難い。また、テープの中央部分がタック状に折りたたまれているため、弾性材の引張り力が強い場合の戻りが良くなる。
【0030】
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに噴き出しを防止することができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0031】
請求項7の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布の裏側の「く」の字形に折り曲げたテープの下を一または二以上の横テープを通して横テープの両端を移動布の裏側に縫付けたものである。したがって、移動布の移動がよりスムーズになるとともに、より噴き出しが起こり難くなる。
【0032】
このようにして、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに噴き出しを防止することができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0033】
請求項8の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、結合具として移動布に縫付けられ鉤構成体ホールを通して表側に出された鉤構成体と下前ベルト部または上前ベルト部に取付けられた受構成体と、これらから離して上前ベルト部に取付けられた受構成体または鉤構成体と下前ベルト部に取付けられた鉤構成体または受構成体とを併設したものである。
【0034】
したがって、鉤構成体ホール内の鉤構成体と受構成体のみを嵌合させた場合には、弾性材の伸縮可能な範囲内で連続的にウエストサイズを変化させることができる(フリーサイズ)。また、上前ベルト部の裏側に取付けられた鉤構成体または受構成体を下前ベルト部に取付けられた受構成体または鉤構成体に係止した場合には、ウエストサイズは一定のサイズに固定される。
【0035】
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるフリーサイズ状態とウエストサイズを固定した状態とを容易に切り替えることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0036】
請求項9の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、弾性材には、その最大伸びを制限する伸び止め材を並設したものである。
【0037】
したがって、鉤構成体が移動可能な鉤構成体ホールの長さ以上に引張られないように弾性材の伸びの長さを制限することができるから、皺がよったりしてウエスト周りの見栄えが損なわれることがない。また、弾性材に過度の引っ張り力がかかるのを防止することができるから、弾性材の寿命が長くなる。
【0038】
このようにして、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるとともに弾性材の寿命を長くすることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0039】
請求項10の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、移動布と伸び止め材としてベルト部表地と同系色の裏地を用いたものである。裏地は滑りが良く薄手なので嵩張らないため、弾性材の伸縮と移動布の移動が極めてスムーズに行われる。また、ベルト部表地と同系色としたため、衣服の前明を開いて鉤構成体ホールが見えた場合でも内部の移動布や伸び止め材が目立たないため、見栄えを損なわずに済む。
【0040】
このようにして、弾性材の伸縮と移動布の移動が極めてスムーズに行われ、鉤構成体ホールが目立たないウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【0041】
請求項11の発明にかかるウエストサイズ調節機構付衣服は、衣服の鉤構成体ホールを設けた側のベルト部の上半分及び/または下半分及び/または移動布を硬めの芯で補強したものである。これによって、移動布の移動がスムーズになり、また移動布が弾性材の伸びる方向に移動したときに衣服のベルト部に皺がよることが防止される。
【0042】
このようにして、弾性材の伸縮と移動布の移動が極めてスムーズに行われ、見た目は通常の衣服と変わることなく、連続的にウエストサイズを変化させることができるウエストサイズ調節機構付衣服となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明のウエストサイズ調節機構付衣服は、主に婦人用ズボン(婦人用パンツ)に適用されるものであるが、紳士用ズボンにも適用することができる。
【0044】
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1について、図1乃至図5を参照して説明する。本発明の実施の形態1は、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を主に婦人用パンツに適用した場合を例示するものである。
【0045】
図1は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の前明を外した状態を裏側から見て示す部分図である。図2は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前部分の構造を示す説明図である。図3は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における上前部分に設けられたタックの構造を示す斜視図である。図4(a)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の鉤構成体ホールが設けられた上前ベルト部を開いた状態を示す図、(b)は鉤構成体を弾性材の引張り力に抗して移動させた状態を示す図である。図5は本発明の実施の形態1の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前ベルト部を開いた状態を示す図である。
【0046】
図1に示されるように、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1は、上前ベルト部2の裏側に鉤構成体ホール5が設けられ、鉤構成体ホール5の周囲はコバステッチ押えされており、下前ベルト部3の表側に受構成体としてのメンカン6が設けられて、上前ベルト部2内部に設けられた移動布に縫付けられた鉤構成体としてのカギホック4が鉤構成体ホール5から外へ出ており、カギホック4は鉤構成体ホール5内で移動可能となっている。このカギホック4を下前ベルト部3のメンカン6に係合して、上前にファスナーテープFaが縫付けられたファスナーFbを下前に縫付けられた図示しないファスナーと合わせて閉じることによって、婦人用パンツ1は連続的にウエストサイズが変化してゆったりとした着用感が得られる。そして、鉤構成体ホール5は、上前ベルト部2の裏側に設けられているため外部から見えることはなく、見た目は通常のパンツと何等変わるところがない。
【0047】
しかも、以下に詳しく説明するように、ウエストサイズの変化に伴って上前のファスナーテープFaの下に設けられたタック30が伸縮して上前のファスナーテープFaが移動するため、ウエスト近傍に皺等が生じることもない。
【0048】
次に、本実施の形態1のウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1におけるファスナーテープ移動機構について、図2及び図3を参照して説明する。
【0049】
図2に示されるように、本実施の形態1の婦人用パンツ1においては、上前裏側31aにタック(フラシ)30を縦方向に設けて、このタック30にファスナーテープFaを縫付けている。図3に示すように、タック30は、上前31aの生地を外側の折り返し部分30aと内側の折り返し部分30bの2箇所で折り返すことによって、折り返し部分30aから折り返し部分30bの区間で折り重なり部分を生ぜしめ、この折り重なり部分が引き延ばされることによって婦人用パンツ1のウエストサイズを調節自在とする範囲で形状変化を自在としたものである。図に示すように、この折り重なり部分はタック30の上端で最も幅が大きく、下方に行くにしたがって小さくなり下端で消滅する。
【0050】
図3に示すように、一方のファスナーテープFaはタック30の折り重なり部分の上側において、上前31aに縫付けられる。一方のファスナーテープFaに沿って並ぶ複数のむしFbと噛み合う他方のファスナーテープFaは、図示しない下前に縫付けられる。そして、婦人用パンツ1の前明は、各ファスナーテープFaの複数のむしFbを噛み合わせて2つのファスナーテープFaを結合するスライダーFcを上下動することによって開閉できるようになっている。
【0051】
さらに、図2に示すように一方のファスナーテープFaの上端は、上前ベルト部2の裏地の内側でスライディングテープ32によって上前31aの上端に縫付けられている。スライディングテープ32は、上前31aの端縁の外方向に向かって傾斜した状態で上前ベルト部2の内側に挟んで縫付けられている。ここで、上前ベルト部2の裏側に鉤構成体ホール5が設けられているが、ファスナーテープFaを移動させるためのスライディングテープ32は上前ベルト部2の内部の表側に取付けられ、薄い生地で仕切って、上前ベルト部2の裏側に弾性材と移動布と鉤構成体4を取付けて鉤構成体ホール5内を移動させることができ、スライディングテープ32の動きを妨げることがない。
【0052】
このようにファスナーテープFaのタック30に縫付けられた部分は、折り重なり部分による余長分の長さの範囲内で、図3において矢印で示すように、上前31aの端縁の外方向に向かって、引いて移動させることができる。即ち、タック30がファスナーテープFaを介して上前31aの端縁の外側に引張られることで、タック30の折り重なり部分が引き延ばされ、ファスナーテープFaを上前31aの端縁の外方向に向かって移動させることができる。また、上前31aに縫付けられているスライディングテープ32は、上前31aの端縁の外方向に向かって傾斜した状態で上前ベルト部2の内側に挟んで縫付けられているので、ファスナーテープFaのタック30への縫付け部分が上前31aの端縁の外方向に向かって移動することが、ゆとり方向への移動となるから、その移動を妨げることがない。
【0053】
タック30によれば、スライダーFcを上げてファスナーFで前明を閉じた状態において、婦人用パンツ1のウエストベルトを広げる方向に外力を加えると、ファスナーテープFaの下にタック30が形成されている領域で、タック30の折り重なり部分を引き延ばせる長さの範囲内で婦人用パンツ1のウエストサイズが長くなり、ウエストベルトの下部もそのサイズが広くなる。これによって、着用する人の腰周り寸法に合わせてパンツ等の腰周り寸法を移動布によって調節し、同時に着用する人の腰の下部周りの寸法をタックによってファスナーテープを適宜動かすことによって調節することができる。
【0054】
次に、本実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツ1の内部構造について、図4を参照して説明する。
【0055】
図4(a)に示されるように、本実施の形態1にかかる婦人用パンツ1は、上前ベルト部2を上下に開いた上半分に鉤構成体ホール5が設けられ、下半分に弾性材としてのゴムテープ8が図示しない左端で縫付けられて、移動布としての図示しない硬めの芯で補強された裏地7aに右端を縫付けられ、裏地7aには上前ベルト部2の右端に縫付けられる裏地7bが接がれている。そして、裏地7aに鉤構成体としてのカギホック4が縫付けられており、上前ベルト部2を上下に合わせて縫付けることによって、カギホック4が鉤構成体ホール5から外へ出て、カギホック4は鉤構成体ホール5内で移動可能となる。
【0056】
さらに、上前ベルト部2を上下に開いた下半分には、鉤構成体ホール5の左端に相当する位置に縦テープ9が上下端を縫付けられており、横方向テープ10が縦テープ9の下を通して左右端を移動布としての裏地7a,7bの裏側に縫付けられている。これによって、図4(b)に示されるように、カギホック4がゴムテープ8の引張り力に抗して図示右方向へ移動する場合に、裏地7a,7bと横方向テープ10で縦テープ9を挟んだ状態で移動するのでスムーズに移動できるとともに、縦テープ9と横方向テープ10が噴き出し防止テープの役割をするので、カギホック4に大きな引張り力が掛かっても移動布としての裏地7a,7bやゴムテープ8が鉤構成体ホール5から噴き出すことはない。
【0057】
次に、本実施の形態1の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツの内部構造について、図5を参照して説明する。
【0058】
図5に示されるように、移動布としての図示しない硬めの芯で補強された裏地7aに上前ベルト部2の右端に縫付けられる裏地7bが接がれており、裏地7aに鉤構成体としてのカギホック4が縫付けられ、鉤構成体ホール5の左端に相当する位置に縦テープ9が上下端を縫付けられている点については、図4と同様である。異なるのは、弾性材としてのゴムテープ8が右方向に突出して縦テープ9の下を通して、左右端を裏地7aの裏側に縫付けられている点である。
【0059】
これによって、カギホック4がゴムテープ8の引張り力に抗して図示右方向へ移動する場合に、裏地7aとゴムテープ8の裏地7aに縫付けられた部分で縦テープ9を挟んだ状態で移動するのでスムーズに移動できるとともに、縦テープ9とゴムテープ8が噴き出し防止テープの役割をする。さらに、ゴムテープ8が右方向に突出しているために、全体の長さが短くなるという利点もある。
【0060】
このようにして、本実施の形態1及びその変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズの変化に伴ってウエスト近傍に皺等が生じることもなく、噴き出しも防止することができる。
【0061】
なお、図1に示される下前ベルト部3に上前ベルト部2側へ伸びる持ち出しを付けて、この持ち出しの先端付近にカギホック若しくはメンカンを縫付け、対応する上前ベルト部2の裏側にメンカン若しくはカギホックを縫付けて、これらを嵌合させれば婦人用パンツ1のウエストサイズが固定される。これによって、連続的にウエストサイズを変化させることができる状態とウエストサイズを固定した状態とを容易に切り替えることができる。
【0062】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について、図6を参照して説明する。本発明の実施の形態2も、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を主に婦人用パンツに適用した場合を例示するものである。図6(a)は本発明の実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の鉤構成体ホールが設けられた上前ベルト部を開いた状態を示す図、(b)は鉤構成体を弾性材の引張り力に抗して移動させた状態を示す図である。
【0063】
図6(a)に示されるように、本実施の形態2にかかる婦人用パンツにおいても、上前ベルト部2を上下に開いた上半分に鉤構成体ホール5が設けられ、下半分に弾性材としてのゴムテープ8が図示しない左端で縫付けられて、移動布としての図示しない硬めの芯で補強された裏地7aに右端を縫付けられ、裏地7aには上前ベルト部2の右端に縫付けられる裏地7bが接がれている。そして、裏地7aに鉤構成体としてのカギホック4が縫付けられており、上前ベルト部2を上下に合わせて縫付けることによって、カギホック4が鉤構成体ホール5から外へ出て、カギホック4は鉤構成体ホール5内で移動可能となる。
【0064】
さらに、鉤構成体ホール5に相当する位置において、鉤構成体ホール5より長い横長のテープ11が両端を下半分に縫付けられている。そして、この横長のテープ11の下を通して縦方向テープ12が上下端を裏地7aに縫付けられている。これによって、縦方向テープ12はカギホック4と一体に左右に移動可能となり、図6(b)に示されるように、カギホック4がゴムテープ8の引張り力に抗して図示右方向へ移動する場合に、裏地7aと縦方向テープ12で横長のテープ11を挟んだ状態で移動するのでスムーズに移動できるとともに、縦方向テープ12と横長のテープ11が噴き出し防止テープの役割をするので、カギホック4に大きな引張り力が掛かっても移動布としての裏地7a,7bやゴムテープ8が鉤構成体ホール5から噴き出すことはない。
【0065】
このようにして、本実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズの変化に伴ってウエスト近傍に皺等が生じることもなく、噴き出しも防止することができる。
【0066】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について、図7を参照して説明する。本発明の実施の形態3も、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を主に婦人用パンツに適用した場合を例示するものである。図7は本発明の実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の鉤構成体ホールが設けられた上前ベルト部を開いた状態を示す図である。
【0067】
図7に示されるように、本実施の形態3の上前ベルト部2は、上記実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせたような構造になっている。即ち、横長のテープ11が左端では下半分に縫付けられ、縦方向のテープ12が移動布を構成する裏地7aの裏側に上下端を縫付けられて、縦方向のテープ12と裏地7aとで横長のテープ11を挟んだ状態になっているのに対して、横長のテープ11の右端は移動布を構成する裏地7bの裏側に縫付けられ、縦テープ9が横長のテープ11の上を通って上下端が下半分に縫付けられて、横長のテープ11と裏地7bとで縦テープ9を挟んだ状態になっている。
【0068】
これによって、移動布を構成する裏地7aに縫付けられた鉤構成体としてのカギホック4を鉤構成体ホール5内で移動させる際に、より一層スムーズに真っ直ぐ移動するとともに、縦テープ9,横長のテープ11,縦方向のテープ12がいずれも噴き出し防止テープとしての役割を果たすので、より噴き出しが起こり難くなる。また、カギホック4が移動する範囲が2つの縦テープでしっかり限定されるので、ゴムテープ8に無理な力が掛かることがなく寿命が長くなる。
【0069】
このようにして、本実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズの変化に伴ってウエスト近傍に皺等が生じることもなく、噴き出しもより確実に防止することができる。
【0070】
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4について、図8及び図9を参照して説明する。
【0071】
図8(a)は本発明の実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部を上下方向に開いて示す図、(b)は「く」の字形テープの先端部分を拡大して示す図、(c)は鉤構成体としてのカギホックが移動したときの「く」の字形テープの先端部分を拡大して示す図である。図9は本発明の実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部を上下方向に開いて示す図である。
【0072】
図8(a)に示されるように、本実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機能付衣服においては、中央部にタック状部分を設けて「く」の字形に折り曲げたテープ14の上下を上前ベルト部2の下半分に縫付けて、テープ14の中央線に沿って移動布を構成する裏地7aを縫付け、裏地7aに鉤構成体としてのカギホック4を縫付けて、裏地7aの左端に弾性材としてのゴムテープ8を縫付けている。図8(b)の拡大図に示されるように、テープ14の「く」の字形に折り曲げた中央部分はタック状になっていて、カギホック4が図示右方向に引張られると、図8(c)に示されるように、中央のタック状部分が上下に分散してテープ14の遊びが小さくなり、カギホック4を上に持ち上げる力が働いても、カギホック4が取付けられている裏地7a、テープ14、ゴムテープ8等の中味が鉤構成体ホール5から外へ飛び出してしまう噴き出しが起こり難くなる。
【0073】
これまでに説明した実施の形態1〜3においては、カギホック4が取付けられる裏地7aが縦方向のテープ或いは横方向のテープによって上前ベルト部2の下半分に押し付けられていたので、カギホック4が引張られても噴き出しは起こり難くなっていたが、本実施の形態4のように移動布としての裏地7aを押し付けるものがない場合でも、「く」の字形に折り曲げて中央部分をタック状にしたテープ14で裏地7aを上前ベルト部2の下半分に取付けることによって、噴き出しを起こり難くすることができる。
【0074】
次に、本実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部の構造について、図9を参照して説明する。図9に示されるように、この変形例においては、移動布を構成する裏地7aを「く」の字形に折り曲げて中央部分をタック状にしたテープ14で上前ベルト部2の下半分に縫付けるとともに、横方向テープ13をテープ14の下を通して両端を移動布を構成する裏地7aと裏地7bの裏側にそれぞれ縫付ける。これによって、テープ14が横方向テープ13と裏地7a,7bで挟まれることになり、裏地7aに縫付けられたカギホック4の右方向への移動がスムーズになるとともに、噴き出しを一層起こり難くすることができる。
【0075】
ここで、噴き出しの起こる場合と起こらない場合について、図10を参照して説明する。図10は噴き出しの起こる場合と起こらない場合とを、上前ベルト部の断面として示した模式図である。図10(a)に示されるように弾性材8に引張り力がかからず、カギホック4が鉤構成体ホール5の左端に位置している状態から、図10(b)に示されるようにカギホック4に右方向への引張り力が掛かるとともに上方向に引き上げる力が掛かった場合でも、上記各実施の形態においては、裏地7aが縦方向のテープ或いは横方向のテープによって上前ベルト部2の下半分に押し付けられているので、噴き出しは起こり難い。これに対して、何の対策も取られていない場合には、図10(c)に示されるように、裏地7aが鉤構成体ホール5から引っ張り出され、さらに弾性材8,裏地7bも引き出されてしまう噴き出しが起こってしまう。
【0076】
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5について、図11を参照して説明する。図11(a),(b),(c)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットの作製方法を裏側から見て示す図、(d)は噴き出し防止テープの取付け方を示す図、(e)は噴き出し防止テープの変形例を示す図、(f)は噴き出し防止テープの別の変形例を示す図である。
【0077】
図11(a)に示されるように、ゴムテープ8、伸び止め材17、裏地7aを重ねて、ゴムテープ8と伸び止め材17の端をミシンステッチ16aで仮止めする。そして、ゴムテープ8と伸び止め材17を裏地7aの縫代で包んで2本のミシンステッチ18aを掛ける。次に、図11(b)に示されるように、補強用の硬めの芯19の周囲をミシンステッチ19aで押えて剥がれないようにし、さらに図11(c)に示されるように、裏地7a,7bの上に5cmの長さの2本の噴き出し防止テープ22をセットして、左端から1cmの位置で頑丈にミシンステッチ22aを掛けて止める。この段階では、右端から1cmの位置のミシンステッチ22bはまだ掛けないでおく。
【0078】
次に、図11(d)に示されるように、上前ベルト部2に縦方向の噴き出し防止テープ21を、前記2本の噴き出し防止テープ22を通すために、4本のステッチ21aで縫付ける。変形例として、図11(e)に示されるように横方向の噴き出し防止テープ22を1本としたり、図11(f)に示されるように3本としても良い。後は、図11(c)の移動布ユニット15Aを上前ベルト部2にセットしてゴムテープ8と伸び止め材17の端を2本ステッチで止め、所定位置にカギホック4を縫付ける。
【0079】
このようにして、本実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服としての婦人用パンツにおいては、見た目は通常のパンツと変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズの変化に伴ってウエスト近傍に皺等が生じることもなく、さらに伸び止め材を取付けたことによって弾性材の寿命も延び、噴き出しもより確実に防止することができる。
【0080】
実施の形態6
次に、本発明の実施の形態6にかかるウエストサイズ調節機能付衣服について、図12を参照して説明する。図12は本発明の実施の形態6にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部を上下方向に開いて示す図である。
【0081】
図12に示されるように、本実施の形態6にかかるウエストサイズ調節機能付衣服においては、弾性材としてのゴムテープ8を移動布を構成する裏地7aの奥深くまで縫付けて、鉤構成体ホール5の位置に鉤構成体ホール5よりも長く間を空けて下半分に両端を縫付けられた横長のテープ11をその下を通した縦方向テープ12の上下端を裏地7aに縫付けて、横方向に移動布7a,7bがスライド可能になっている。このように、ゴムテープ8を裏地7aの奥深くまで入り込ませることによって、上記実施の形態1の変形例と同様に、カギホック4を移動させる機構が短くなり、目立たなくなって通常のパンツと全く変わらなく見えるという効果がある。
【0082】
このようにして、本実施の形態6にかかるウエストサイズ調節機能付衣服としての婦人用パンツは、見た目は通常のパンツと変わることなく、見栄え良く連続的にウエストサイズを変化させることができ、ウエストサイズの変化に伴ってウエスト近傍に皺等が生じることもなく、噴き出しも防止することができる。
【0083】
以上説明したように、上記各実施の形態にかかるウエストサイズ調節機能付衣服は、弾性材としてのゴムテープ8を強力なものにすれば、指先でウエストサイズを緩めて手を離せば直ぐにまたぴったりフィットした元の状態に戻る。ここで、常にジャストフィットの状態を保てるパンツとするために、弾性材を強力にする方法について、図13を参照して説明する。図13(a),(b)は、いずれも2本の弾性材をカギホック4を取付ける裏地7aに縫付けた状態を示す図である。
【0084】
図13(a),(b)に示されるように、V字形に組み合わせたゴムテープ8a,8b或いは8c,8dをカギホック4を取付ける裏地7aの左端に縫付け、図示されないゴムテープ8a,8b或いは8c,8dの左端を上前ベルト部2の下半分に縫付ければ、2本のゴムテープ8a,8b或いは8c,8dによってより強力な弾性力が得られ、指先でウエストサイズを緩めても、手を離せば直ちにぴったりフィットした元の状態に戻る。
【0085】
実施の形態7
次に、本発明の実施の形態7について、図14及び図15を参照して説明する。本発明の実施の形態7も、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を主に婦人用パンツに適用した場合を例示するものである。
【0086】
図14は本発明の実施の形態7にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前ベルト部を上下に開いた状態を表側から見て示すものである。図15(a)は本発明の実施の形態7にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットを示す図、(b)〜(e)は移動布ユニットの変形例を示す図である。
【0087】
図14に示されるように、本実施の形態7にかかる婦人用パンツの上前ベルト部25は、中央線(一点鎖線)から上半分を向う側へ折り曲げて形成されるものである。これに対して、上記実施の形態1〜6の上前ベルト部2の展開図においては、上前ベルト部2を上下に開いた状態を裏側から見て示しており、中央線(一点鎖線)から上半分を手前側へ折り曲げて形成されるものである。したがって、図14に示される上前ベルト部25もやはり前明が左前になる。
【0088】
図14に示されるように、上前ベルト部25の上半分には鉤構成体ホール26が設けられているが、上記実施の形態1〜6の鉤構成体ホール5がいずれも細長い長円形であったのに対して、鉤構成体ホール26は一方が略直角の角を有している。この他にも、細長い長方形の鉤構成体ホール等、様々な形状とすることができる。鉤構成体ホール26の周囲はコバステッチ押えされており、その周囲には補強用にL字形の硬めの芯27が上前ベルト部25の上半分の裏側に貼り付けられている。さらに、上前ベルト部25の下半分の裏側にも補強用の幅3cmのインベル芯28が貼り付けられており、このインベル芯28の上に以下に説明するような様々な移動布ユニットが取付けられる。
【0089】
図15(a)に示されるように、本実施の形態7にかかる婦人用パンツの移動布ユニット第1の例としての移動布ユニット35Aは、幅1.5cmの弾性材としてのゴムテープ38、同じく幅1.5cmの伸び止め材37、そして移動布ユニットの中心となる補強用の硬めの芯36を内部に貼り付けた移動布としての裏地39aと補強部分に縫付けられた鉤構成体としてのカギホック4から構成されている。ここで、伸び止め材37と裏地39aとしては婦人用パンツの表地と同系色の裏地を用いて、裏地39aの幅は上前中心部に向かって拡がるようにしている。
【0090】
なお、ここでは婦人用パンツの表地と同系色の裏地を用いることによって鉤構成体ホール26が裏側から見えた場合にも目立たないようにしているが、場合によっては逆に婦人用パンツの表地とは異なる原色等の目立つ色の裏地を用いることによって、デザインとしても良い。
【0091】
図15(b)に示されるように、本実施の形態7の移動布ユニット第2の例としての移動布ユニット35Bは、移動布ユニット35Aと殆ど同じ構造であり、移動布としての裏地39が拡がらずに同一幅である点が異なるだけである。但し、伸び止め材37とゴムテープ38は幅が2.5cmと太くなっており、さらに伸び止め材37は輪にせずに1枚物として上下辺をロック始末している。
【0092】
図15(c)に示されるように、本実施の形態7の移動布ユニット第3の例としての移動布ユニット35Cは、移動布ユニット35Bと殆ど同じ構造であるが、移動布としての裏地39を輪にせずに1枚物として上下辺をロック始末している。
【0093】
さらに、図15(d)に示されるように、移動布ユニット第4の例としての移動布ユニット35Dは伸び止め材37を筒状に縫って、中にゴムテープ38を入れて2本のステッチ37aを掛けてシャーリングにしたものである。また、図15(e)に示されるように、移動布ユニット第5の例としての移動布ユニット35Eは伸び止め材37の上下辺をロック始末したものをゴムテープ38と合わせて2本のステッチ37aを掛けてシャーリングにしたものである。
【0094】
これらの移動布ユニットを図14に示される上前ベルト部25の下半分の裏側に取付けて、カギホック4を鉤構成体ホール26から表に出し、図示しない下前ベルト部に受構成体としてのメンカンを縫付ければ、本実施の形態7にかかる婦人用パンツが完成する。
【0095】
上記各実施の形態においては、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服を婦人用パンツに適用した場合のみについて説明したが、本発明のウエストサイズ調節機構付衣服は衣服全般について適用できるものであり、紳士用ズボン、Gパン、綿パン、スカート、学生服、子供服、ワンピース等にも適用することができる。
【0096】
また、上記各実施の形態においては、上前ベルト部2,25に鉤構成体ホールを設けた例のみについて説明したが、下前ベルト部に鉤構成体ホールを設けて上前ベルト部にメンカンを取付けることもできる。この場合には、鉤構成体ホールが外から見えないようにするためには上前ベルト部にポイントを設ければ良い。また、上述したように、わざと鉤構成体ホールが外から見えるようにして、内部の裏地に原色等の目立つ色を用いることによってデザインとすることもできる。
【0097】
また、上記各実施の形態においては、弾性材としてゴムテープ8,38を用いているが、その他のゴム板を所定寸法に裁ち切ったもの等を用いても良い。
【0098】
さらに、上記各実施の形態においては、ウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できるように、ファスナーテープを縫付けるパンツ等の上前にタックを設けた例について説明したが、必ずしもウエストサイズの変化に伴ってファスナーテープが移動できる構造でなくても構わない。
【0099】
ウエストサイズ調節機構付衣服のその他の部分の構造、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の前明を外した状態を裏側から見て示す部分図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前部分の構造を示す説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服における上前部分に設けられたタックの構造を示す斜視図である。
【図4】図4(a)は本発明の実施の形態1にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の鉤構成体ホールが設けられた上前ベルト部を開いた状態を示す図、(b)は鉤構成体を弾性材の引張り力に抗して移動させた状態を示す図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1の変形例にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前ベルト部を開いた状態を示す図である。
【図6】図6(a)は本発明の実施の形態2にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の鉤構成体ホールが設けられた上前ベルト部を開いた状態を示す図、(b)は鉤構成体を弾性材の引張り力に抗して移動させた状態を示す図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態3にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の鉤構成体ホールが設けられた上前ベルト部を開いた状態を示す図である。
【図8】図8(a)は本発明の実施の形態4にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部を上下方向に開いて示す図、(b)は「く」の字形テープの先端部分を拡大して示す図、(c)は鉤構成体としてのカギホックが移動したときの「く」の字形テープの先端部分を拡大して示す図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態4の変形例にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部を上下方向に開いて示す図である。
【図10】図10は噴き出しの起こる場合と起こらない場合とを、上前ベルト部の断面として示した模式図である。
【図11】図11(a),(b),(c)は本発明の実施の形態5にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットの作製方法を裏側から見て示す図、(d)は噴き出し防止テープの取付け方を示す図、(e)は噴き出し防止テープの変形例を示す図、(f)は噴き出し防止テープの別の変形例を示す図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態6にかかるウエストサイズ調節機能付衣服の上前ベルト部を上下方向に開いて示す図である。
【図13】図13(a),(b)は、いずれも2本の弾性材をカギホック4を取付ける裏地7aに縫付けた状態を示す図である。
【図14】図14は本発明の実施の形態7にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の上前ベルト部を上下に開いた状態を表側から見て示すものである。
【図15】図15(a)は本発明の実施の形態7にかかるウエストサイズ調節機構付衣服の移動布ユニットを示す図、(b)〜(e)は移動布ユニットの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
1 ウエストサイズ調節機構付衣服
2,25 上前ベルト部
3 下前ベルト部
4 鉤構成体
5,26 鉤構成体ホール
6 受構成体
7a,7b,39,39a 移動布
8,38 弾性材
8a,8b,8c,8d 2本の弾性材
9 縦テープ
10,13 横方向テープ
11 横長のテープ
12 縦方向テープ
14 折り曲げたテープ
17,37 伸び止め材
19,27,28,36 硬めの芯
21,22 噴き出し防止テープ
30 タック
F ファスナー
Fa ファスナーテープ
【出願人】 【識別番号】591169836
【氏名又は名称】加藤 好司
【出願日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【代理人】 【識別番号】100089738
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 武尚

【公開番号】 特開2005−146478(P2005−146478A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2003−388296(P2003−388296)