| 【発明の名称】 |
手袋、及び手袋の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢野 泰三
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| 【要約】 |
【課題】ハンドケア効果を持続的に発揮することができ、且つ低コストな手袋及び手袋の製造方法を提供する。
【解決手段】ゴム又は樹脂からなる基体層の最内面に滑性層が積層されてなる手袋において、該滑性層に、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着した微粒子状担持体が、その表面が露呈し、且つ略均一に分散した状態で固着されたものである。手肌と接触する滑性層に微粒子状担持体が表面が露呈された状態で固着されることにより、各微粒子状担持体から効率的且つ持続的に炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを放出させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴム又は樹脂からなる基体層の最内面に滑性層が積層されてなる手袋において、 該滑性層に、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着した微粒子状担持体が、その表面が露呈し、且つ略均一に分散した状態で固着されたことを特徴とする手袋。 【請求項2】 前記微粒子状担持体は、コラーゲン、多孔質合成ゼオライト、又は多孔質アクリル系樹脂からなるものである請求項1記載の手袋。 【請求項3】 前記微粒子状担持体は、平均粒径が5乃至15μmである請求項1又は2記載の手袋。 【請求項4】 手型を樹脂ゾル中に浸漬して手型表面に該樹脂ゾルを付着させる工程と、該手型を加熱して手型表面に基体層を成膜する工程と、該手型を樹脂エマルジョン中に浸漬して前記基体層の表面に樹脂エマルジョンを付着させる工程と、該手型を加熱して半固化状態の滑性層を形成した後、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着させた微粒子状担持体を均一に分散させた懸濁液を、該滑性層に噴霧又はシャワー状に噴水して該滑性層の表面に均一に付着し、再び加熱して該滑性層を成膜する工程と、前記基体層及び滑性層の積層体を手型から反転脱離する工程と、を有することを特徴とする手袋の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、手袋最内面の滑性層に炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着した微粒子状担持体が固着された手袋、及び手袋の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より天然ゴム又は合成樹脂からなる手袋の装着感を向上させるために、滑性の優れた滑性層を手袋の内面側に積層したものが知られている。しかし、該手袋は装着感が向上されるものの通気性が悪いため、使用者の手肌が発汗し易く、該発汗に伴って細菌等が繁殖し易い環境が作られ、使用者の手に肌荒れや湿疹等が生じることがある。 【0003】 これに対し、手袋の基体層や滑性層にアロエ等の植物性エキスを含有させた手袋が考案されている(特許文献1参照)。該手袋によれば、アロエ等の植物性エキスが手袋へ抗菌性や脱臭性等を付与するとともに、使用者の手肌に潤い感、すべすべ感、つるつる感をもたせて手荒れを防止し、所謂ハンドケア効果を高めることができる。 【0004】 【特許文献1】 特開平11−229211号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 前記手袋は、基体層や滑性層に含有された植物エキスが内面へ滲み出す所謂ブリードにより、該植物エキスが使用者の手肌に接触してハンドケア効果を奏するものであるが、手袋製造後から使用開始までの在庫期間等にも前記植物エキスが内面へ滲み出ており、使用するまでに植物エキスが手袋内に過剰に溜まって却って装着感を損ねることがある。また、内面側に滑性層を有しない基体層のみの1層構造の手袋とした場合には、該基体層から内面だけでなく外面にも植物エキスが滲み出すので、手袋を装着して取り扱う物品を汚したり、滑り易くなって物品の取扱いが悪くなることもある。 【0006】 一方、手袋を成形した後、その内面に植物性エキスを塗布する方法もあり、該方法によれば植物エキスが過剰に内面に溜まることはないが、手袋の装着により該植物エキスが手肌に移って損失するため、装着回数の増加とともにハンドケア効果が急激に失われ、また、水洗等により容易に植物エキスが剥離するので、ハンドケア効果に持続性がないという欠点がある。 【0007】 さらには、植物エキスの有効成分の分解や変色を防止するためには、手袋の製造工程を100℃以下とする必要があり、架橋やゲル化、溶融工程を高温且つ短時間で行うことができず、手袋の生産性が悪く、生産コストが高くなるという欠点もある。 【0008】 本発明は、これらの問題を鑑みてされたものであり、ハンドケア効果を持続的に発揮することができ、且つ低コストな手袋及び手袋の製造方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、重炭酸土類泉の有効化学成分である炭酸水素マグネシウムが湿潤性の皮膚を乾燥させて慢性湿疹や痒疹に効果があること、重曹泉(アルカリ泉)の有効化学成分である炭酸水素ナトリウムが皮膚の脂肪や分泌物を分解するとともに皮膚に滑らか感を与える効果があること、及びこれら有効化学成分が安価に工業生産できることに着眼し、また、これら有効化学成分を微粒子状の担持体に吸着させ、該担持体の表面ができるだけ滑性層に覆われないようにすることにより、担持体から有効化学成分を効果的に放出させ、且つ該放出を持続できることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0010】 即ち、本発明は、ゴム又は樹脂からなる基体層の最内面に滑性層が積層されてなる手袋において、該滑性層に、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着した微粒子状担持体が、その表面が露呈し、且つ略均一に分散した状態で固着されたものである。手肌と接触する滑性層に微粒子状担持体が表面が露呈された状態で固着されることにより、各微粒子状担持体から効率的且つ持続的に炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを放出させることができる。各微粒子状担持体からの炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムの放出は、手肌が微粒子状担持体と接触することにより、また手袋内の湿度との関係により惹き起こされると考えられ、滑性層内に炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを含有させて所謂ブリードにより放出させるものではないので、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムの水溶液が必要以上に内面に溜まることがない。また、手袋の外面となる基体層には炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムが含まれないので、これら物質が手袋の外面にブリードすることもない。さらに、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを用いることにより、手袋の製造工程において加熱工程を一定温度以下に管理する等特別な温度管理をする必要がなく、通常と同様に架橋やゲル化、溶融工程を高温且つ短時間で行って基体層及び滑性層を形成することができる。 【0011】 本発明において、微粒子状担持体の表面が露呈し、且つ略均一に分散した状態とは、微粒子状担持体が手袋本体の表面から突出し、個々の微粒子状担持体が相互に独立して所謂海島状に散らばった状態のことをいう。また、微粒子状担持体の表面の一部は、固着のために手袋の滑性層と接触しているので、本発明における露呈とは、微粒子状担持体の全表面が完全に露呈された状態をいうものではなく、固着のために手袋の滑性層と接触している部分以外が露呈された状態をいう。このような微粒子状担持体の固着は、滑性層が半ゲル状の際に、該滑性層表面に微粒子状担持体を付着して、該微粒子状担持体の微細な凹凸に半ゲル状の滑性層を浸透させ、その後の加熱により滑性層が固化して、微粒子状担持体の凹凸に対してアンカーのように作用する所謂投錨効果により、実現できる。このように、微粒子状担持体を滑性層内に埋没させるのではなく、表面が露呈したものとすることにより、各微粒子状担持体から炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを効率的に放出させることができる。 【0012】 手袋の基体層の原料としては、天然ゴム、合成ゴム若しくはこれらの混合物、又は塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂等の合成樹脂を用いることができるが、手袋の強度やコストの面からは、塩化ビニル樹脂が好適である。勿論、ゴムラテックスや樹脂ゾル中には、周知の可塑剤や加硫促進剤、ゲル化剤、酸化防止剤、安定剤、顔料、界面滑性剤、増粘剤、消泡剤、分散剤等の各種配合剤を必要に応じて添加してもよい。また、手袋の最内面の滑性層の原料としては、前記基体層の原料に合わせて、基体層との接着性及び追従性のよい周知且つ任意のものを適宜選択することができる。例えば、基体層が塩化ビニル樹脂であれば、滑性層には該塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂やこれらの混合物等を用いることができる。 【0013】 前記微粒子状担持体は、その表面の微細な凹凸により炭酸水素マグネシウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液を吸着保持するものであり、好ましくはコラーゲン、多孔質合成ゼオライト、又は多孔質アクリル系樹脂である。また、その平均粒径が5乃至15μmであることが好ましい。平均粒径が5μm未満のものは、微粒子状担持体の吸着性能が劣り、所望の効果が得られず、一方、平均粒径が15μmより大きいものでは、滑性層への均一な分散が難しく、また、微粒子状担持体が滑性層の表面から突出する幅が大きくなり、手肌との接触等により外力が加わった場合に剥離するおそれがある。 【0014】 また、前記微粒子状担持体は、コラーゲン粉であることが特に好ましい。手肌と接触する滑性層にコラーゲン粉が略均一に固着されることにより、無機粒子や硬質樹脂のようなザラザラした凹凸によるドライ感でなく、皮革状の滑らか感があり、手肌に優しくフィットし馴染み易い装着感を実現することができる。また、コラーゲン粉の吸放湿性能により、手肌が乾燥していれば炭酸水素マグネシウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液が放湿され、発汗等は吸湿されることにより、手袋を装着した手を適度に保湿することができる。 【0015】 前記コラーゲン粉は、腐敗性やゼラチン質への変性を考慮すると疎水性のものが好ましく、牛やブタ等の天然皮革から精製して得られたコラーゲン繊維と、メタクリル酸メチル及びグリジルモノマーとの共重合によるグラフトポリマー等の樹脂成分とをグラフト共重合したコラーゲン繊維束を粉砕してなるハイブリッドコラーゲン粉が好適である。 【0016】 前記微粒子状担持体への炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムの吸着は、炭酸水素マグネシウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液中に微粒子状担持体を混合して所定時間撹拌することにより行い、該炭酸水素マグネシウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液中に微粒子状担持体が分散した水性の懸濁液を、半固化状態の滑性層に噴霧又はシャワー状に噴水することにより、微粒子状担持体を滑性層の表面に均一に付着させる。前記懸濁液中の微粒子状担持体含有量は、使用する微粒子状担持体の種類により異なるが、疎水性のハイブリッドコラーゲン粉を用いた場合には0.75〜2.5%が好適である。0.75%より低ければハンドケア効果を奏するに十分な量のハイブリッドコラーゲン粉を滑性層に付着することができず、2.5%より高ければ炭酸水素マグネシウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液中でハイブリッドコラーゲン粉が均一に分散せず、懸濁液とすることが困難だからである。 【0017】 また、本発明に係る手袋の製造方法は、手型を樹脂ゾル中に浸漬して手型表面に該樹脂ゾルを付着させる工程と、該手型を加熱して手型表面に基体層を成膜する工程と、該手型を樹脂エマルジョン中に浸漬して前記基体層の表面に樹脂エマルジョンを付着させる工程と、該手型を加熱して半固化状態の滑性層を形成した後、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着させた微粒子状担持体を均一に分散させた懸濁液を、該滑性層に噴霧又はシャワー状に噴水して該滑性層の表面に均一に付着し、再び加熱して該滑性層を成膜する工程と、前記基体層及び滑性層の積層体を手型から反転脱離する工程と、を有するものである。 【0018】 例えば、塩化ビニル樹脂を基体層として手袋を製造する場合について説明するに、50〜60℃に予熱された金属製又は陶磁器製の手型を、塩化ビニルを主成分とし、可塑剤等が適宜配合された樹脂ゾル中に浸漬して手型表面に樹脂ゾルを付着させる。手型表面に付着させる塩化ビニル樹脂ゾルの量は粘度や浸漬回数等によって調整する。浸漬後、樹脂ゾルが付着した手型を、約190〜200℃の加熱炉内で約15〜20分間加熱して基体層を形成する。 【0019】 つぎに、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を含有する樹脂エマルジョンを用いて滑性層を形成する。詳細には、前記樹脂層が形成された手型を鉛直軸周りに回転させながら樹脂エマルジョンをシャワー状に噴水する所謂シャワーコーティング法により手型の樹脂層の表面に均一に付着させる。その後、約160〜180℃の加熱炉内で約5分間加熱して半固化状態の滑性層を形成する。なお、樹脂エマルジョンはシャワーコーティング法に代えて浸漬法により手型に付着させることとしてもよい。 【0020】 半固化状態とは、手型に付着された樹脂エマルジョンが重力の作用等により垂れ下がらない程度であって、且つ、樹脂エマルジョンが完全には固化されておらず、その表面が微粒子状担持体を付着するに十分な粘着性及び柔軟性を有する程度の状態をいう。樹脂エマルジョンを半固化状態にするために要する加熱温度及び時間は、合成樹脂の種類や可塑剤の配合量によって異なるので、使用する樹脂エマルジョンの組成等に合わせて適宜設定する。また、最適な半固化状態を判断する指標として、手型に付着された樹脂エマルジョンの流動状態や光沢、製造された合成樹脂手袋における滑性層からの微粒子状担持体の剥離程度を用いることができる。 【0021】 手型に付着された樹脂エマルジョンが重力の作用等により垂れ下がらない程度を判断するには、加温による樹脂エマルジョンの流動性を目視観察し、例えば手型の指先部等に樹脂エマルジョンが垂れ下がっていないか等を確認する。また、固化が進むと、手型に付着された樹脂エマルジョンから光沢性が失われるので、固化の進行度を樹脂エマルジョンの光沢を目視観察することにより判定できる。また、固化が進行すると、半固化状態の滑性層表面の粘着性及び柔軟性が低下するので、微粒子状担持体と滑性層との固着力が低下すると考える。従って、例えば、手指との摩擦や伸縮が最も多いと考えられる親指と人差し指との間に相当する滑性層に、粘着性テープを貼り付けて一定時間、一定の圧力を加圧した後、該粘着テープを剥がして微粒子状担持体の剥離程度を観察することにより、微粒子状担持体と樹脂層との固着力を判定し、このような試験を、半固化状態とするための加熱温度及び時間を変動させて行い、最適な温度及び時間を設定すればよい。 【0022】 つぎに、半固化状態の滑性層に、炭酸水素マグネシウム水溶液又は炭酸水素ナトリウム水溶液中に微粒子状担持体を分散させた懸濁液をシャワー状に噴水するシャワーコーティング法、又は霧状に噴霧するスプレーコーティング法により均一に付着させ、再び、約160〜180℃の加熱炉内で加熱して滑性層を完全に固化する。滑性層が半固化状態の際に、その表面に微粒子状担持体を付着させると、該微粒子状担持体の微細な凹凸に半固化状態の滑性層の樹脂が浸入し、その後、滑性層が固化されることにより滑性層の樹脂がアンカーのように作用する所謂投錨効果により、微粒子状担持体が滑性層に埋もれない状態で、滑性層に強固に固着することができる。その後、手型を冷却し、基体層と滑性層との積層体を手型から反転脱離して手袋を得る。また、炭酸水素マグネシウムの懸濁液及び炭酸水素ナトリウムの懸濁液の双方を適当な配分で前記滑性層に噴水又は噴霧してもよい。この場合、両懸濁液を予め混合すると炭酸水素マグネシウムが析出するので好ましくない。従って、両懸濁液を別途に調整した後、各々をシャワーコーティング法又はスプレーコーティング法で滑性層に付着させる。両懸濁液の配分は、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素ナトリウムの夫々の効用を考慮して、所望の効果が奏するように適宜設定すればよい。 【0023】 【実施例】 以下、本発明の実施の形態に係る手袋について具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更できることは当然である。 【0024】 [実施例] (樹脂ゾル) 手袋の基体層を形成するための樹脂ゾルの主成分として塩化ビニルを用いた。詳細には、塩化ビニル樹脂(東リ:#815)を60重量部、塩化ビニル樹脂(東リ:#815)を40重量部を混合した塩化ビニル樹脂成分100重量部に対して、各種可塑剤(大日本インキ:W#620、ベルジコルケミカル:ベンゾフレックス9−88 2088、ジェイプラス:DINA D−640A)を全量で90重量部、減粘可塑剤(協和発酵:キョーワノールD)を8重量部、安定剤(旭電荷:AC−1072,O−130P)を2.6重量部、充填剤(J.M.Huber:ポリフィール)を3.0重量部、顔料(山陽色素)を4.8重量部配合した。 (樹脂エマルジョン) 手袋の滑性層を形成するための樹脂エマルジョンとして、ウレタン樹脂3.5%、アクリル樹脂3.5%、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂2.0%、マイカ2.0%を含有する内面処理液(ハニー化成:ハニクロン W−213M)を3倍の水で希釈して用いた。 (微粒子状担持体) 微粒子状担持体として、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸グリシルモノマーとグラフト共重合して微粉化した疎水性のハイブリッドコラーゲン粉(松岡化成:エルゴナP−100X)、平均粒径が8μm、吸油量が1.1cc/g、かさ比重が0.31g/ccのものを用いた。 (懸濁液) 炭酸水素マグネシウム(トクヤマ:工業用重炭酸マグネシウム)の10%水溶液に前記ハイブリッドコラーゲン粉を1.25%混合し、該ハイブリッドコラーゲン粉に炭酸水素マグネシウム水溶液が十分に浸潤するまで撹拌して懸濁させたものを用いた。 (手袋の製造) 前記樹脂ゾルを40℃に維持して、50〜60℃に予熱された手型を浸漬して付着させ、190〜200℃に温度調節された加熱炉内で15〜20分間加熱して基体層を成膜した。その後、該手型を鉛直軸周りに回転させながら前記樹脂エマルジョンをシャワーコーティング法により手型に均一に付着させ、160〜180℃に温度調節された加熱炉内で5分間加熱乾燥させて半固化状態とした。その後、前記懸濁液を半固化状態の滑性層にシャワーコーティング法で均一に塗布し、再び同条件で加熱して滑性層を成膜した。空冷後、積層体を反転脱型して手袋を得た。 【0025】 [実施例2] 実施例2では、前記懸濁液を、10%炭酸水素マグネシウム水溶液に代えて、10%炭酸水素ナトリウム(東ソー:工業用重炭酸ナトリウム)水溶液に前記ハイブリッドコラーゲン粉を混合した他は、実施例1と同様にして手袋を得た。 【0026】 [比較例] 比較例1では、前記樹脂ゾルに手型を浸漬して、190〜200℃に温度調節された加熱炉内で15〜20分間加熱して手袋の基体層を成膜した。更に、前記樹脂エマルジョンをシャワーコーティング法で基体層に付着させ、160〜180℃に温度調節された加熱炉内で10分間加熱、乾燥、成膜し、空冷後、手型から反転脱離して手袋を得た。 【0027】 〔評価〕 各実施例及び比較例の各手袋を10名の被験者に装着、使用させた評価結果を表1に示した。表1から明らかなように、実施例1,2では比較例より装着感がよく、手肌のひびや湿疹等の症状を改善するハンドケア効果が認められた。特に炭酸水素マグネシウムを吸着させた実施例1に係る手袋は湿疹や痒疹の症状の改善に有効であり、炭酸水素ナトリウムを吸着させた実施例2に係る手袋は手肌の乾燥を防止する効果が高いことがわかる。 【0028】 【表1】
【0029】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、手袋の滑性層に、炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを吸着した微粒子状担持体を、その表面が露呈し、且つ略均一に分散した状態で固着したので、各微粒子状担持体から効率的に炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムを放出させることができ、手肌に対するハンドケア効果を持続的に発揮し、且つ装着感を向上させることができる。また、手袋の製造工程において炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素ナトリウムの変性等を考慮した温度管理をする必要がなく、生産コストを低く抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501102715 【氏名又は名称】矢野 泰三
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| 【出願日】 |
平成15年7月15日(2003.7.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080182 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 三彦
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| 【公開番号】 |
特開2005−36325(P2005−36325A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月10日(2005.2.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−196994(P2003−196994) |
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