| 【発明の名称】 |
ヒップアップ用スラックス |
| 【発明者】 |
【氏名】二畠 直敏 【住所又は居所】広島県福山市駅家町大字万能倉566 日本デリバリーサービス 株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】各種サイズのスラックスに適応でき、また外衣の素材に関係なく窮屈さや圧迫感が解消される広範なヒップ矯正機能を可能としたスラックスの提供。
【解決手段】複数枚のパワーネット片4a〜4d,5a〜5dを接いでヒップ矯正被覆部2を形成し、このヒップ矯正被覆部2の股下側パワーネット片4d、5dの側縁部及び脇側パワーネット片4a、5aの上方側縁部をスラックス本体1に縫着させると共に、このヒップ矯正被覆部2の縫着されない周縁部の複数箇所に紐部材3を取り付けて、この紐部材3によりヒップ矯正被覆部2を左右後身頃1aの内側へ張設させる。この際、各パワーネット片の側縁部に凹部を形成したり、夫々れの張力に変化をもたせる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数枚のパワーネット片を接いで形成した左帯体と右帯体の各股上側端縁部を後中心接ぎ部で接いでV字状のヒップ矯正被覆部を形成し、該ヒップ矯正被覆部の股下側パワーネット片の側縁部及び脇側パワーネット片の上方側縁部を夫々れスラックス本体の股下部及び脇部へ縫着させると共に、該ヒップ矯正被覆部は、その縫着されない周縁部の複数箇所にスラックス本体に連結させるための紐部材を取り付け、該紐部材を介して左右後身頃の内側へ張設されるものとなしてあることを特徴とするヒップアップ用スラックス。 【請求項2】 複数枚のパワーネット片は、脇側、股下側及びこれらの間の中央側からなるものを横方向に接いだ構成となし、且つ、これらの隣接し合う側縁部のヒップライン下方側からワタリライン付近には緩やかな凹部が形成されるものとなしてあることを特徴とする請求項1記載のヒップアップ用スラックス。 【請求項3】 複数枚のパワーネット片は、脇側、股下側及びこれらの間の中央側で伸縮強度の異なるものを横方向に接いだ構成となし、且つ、脇側及び股下側のパワーネット片の伸縮強度がこれらの間の中央側のものよりも大きくなしてあることを特徴とする請求項1又は2記載のヒップアップ用スラックス。 【請求項4】 紐部材は、ヒップ矯正被覆部の上縁側では中央部及び両端部付近とスラックス本体のウエスト部に於ける後中心部及び両脇部とを夫々れ連結させ、その下縁側では両端部とスラックス本体に於ける両脇縫合部とを夫々れ連結させるものとなしてあることを特徴とする請求項1〜3何れか1つに記載のヒップアップ用スラックス。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ヒップアップ機能を有するスラックスに関する。詳しくは、引きつり皺が少なく、形の良いヒップ形状に整えることができるヒップアップ用スラックスに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、ヒップアップされ脚長に見えるなどのヒップアップ機能付きスラックスとして、外衣であるスラックス本体の内側にガードル若しくはガードルと同機能を有するアンダーパンツ型裏地を一体的に縫着させるようになしたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。 また、本出願人による、伸縮性織編布地からなるV字状の左右帯体の中央交差線の谷底を内股上方箇所で且つヒップラインと同等若しくはそれより下方となる配置状態になして、該帯体の左右側端縁全体を左右身頃地の脇線やウエストラインに縫着させるようになしたものもある(特許文献3)。 【0003】 【特許文献1】 特許第2670567号公報 【特許文献2】 特許第2794626号公報 【特許文献3】 特願2002−63808号明細書 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記製品の内、前者のものには、外衣とガードル若しくはガードルと同機能を備えたアンダーパンツ型裏地との寸法差による縫着作業上の問題が生じたり、或いは伸縮強度の違いによる外観上の不具合が生じたりすることがあった。 これに対し、後者のものは、これら問題点を改善させるべく本出願人が発明したものであり、これによれば、縫着作業が簡易となり、また着用時には適正なヒップラインに沿った二つの山の臀部の盛り上がりやその間の凹みが顕著に顕出されるものとなるが、張力の強い伸縮性織編布地からなる左右帯体の側辺部全体を脇線やウエストラインへ縫着して張設させることから、薄手素材の外衣の場合に脇線などに引きつり皺が生じたり、また特定方向の張力が制限されることによる圧迫感や均整のとれたヒップ矯正機能の低下は否めなかった。 これら問題点を解決するために本発明は、ヒップアップ機能を備えたスラックスを作成するに当たり、厚手或いは薄手など様々な素材の外衣に対して着用時に於ける不自然な引きつり皺を生じさせず、且つ窮屈な圧迫感のない状態で適正にヒップアップされ均整のとれた外観を呈することができるようになさしめることを目的とする。即ち、幅広い素材の外衣に適用し得る優れたヒップアップ機能を備えたヒップアップ用スラックスを提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、本発明のヒップアップ用スラックスは、複数枚のパワーネット片を接いで形成した左帯体と右帯体の各股上側端縁部を後中心部で接いでV字状のヒップ矯正被覆部を形成し、このヒップ矯正被覆部の股下側パワーネット片の側縁部及び脇側パワーネット片の上方側縁部を夫々れスラックス本体の股下部及び脇部へ縫着させると共に、このヒップ矯正被覆部を、その縫着されない周縁部の複数箇所にスラックス本体に連結させるための紐部材を取り付けて、この紐部材を介して左右後身頃の内側へ張設させるものとなしてある。 これによれば、ヒップ矯正被覆部が複数枚のパワーネット片で形成されるので、各パワーネット片に適宜、形態と張力の変化をもたせ、これらを自由自在に組み合わさせることにより、ヒップ矯正機能を様々のスラックスに対応し得るように向上させるのである。また、この伸縮性のあるパワーネット片からなるヒップ矯正被覆部の縫着に関し、縫着される箇所と縫着されない箇所を選定し、縫着されない箇所は紐部材を介して張設状になされるのであり、これにより従来品のように特定方向のみに張力を制限させないで、ヒップの扁平化や着用者への圧迫感を解消させるものとなる。 【0006】 この際、複数枚のパワーネット片を、脇側、股下側及びこれらの間の中央側からなるものを横方向に接いだ構成となし、且つ、これらの隣接し合う側縁部のヒップライン下方側からワタリライン付近に緩やかな凹部が形成されたものとなしたりする。 これによれば、ヒップ矯正被覆部を形成する左帯体及び右帯体自体が夫々れ立体的に構成されるものとなり、これにより、被覆保持される臀部の贅肉の扁平化現象を抑制し、形の良い山形のヒップを簡便に形成させるのである。 【0007】 また、複数枚のパワーネット片では、脇側及び股下側のパワーネット片の伸縮強度を、これらの間の中央側のものよりも大きくなさしめる。 これによれば、ヒップ矯正被覆部のスラックス本体に縫着させる股下側や両脇側に比較的伸縮強度の大きいパワーネット片が配設されることから、この縫着箇所により制限される張力を緩和させるものとなる。これにより、該箇所に於ける過度の圧迫感を防止したり、また引きつり皺を発生し難くさせるのである。 【0008】 また、ヒップ矯正被覆部を張設するようになす紐部材は、ヒップ矯正被覆部の上縁側では中央部及び両端部付近とスラックス本体のウエスト部に於ける後中心部及び両脇部とを夫々れ連結させ、その下縁側では両端部とスラックス本体に於ける両脇縫合部とを夫々れ連結させるものとなすのである。 これによれば、ヒップ矯正被覆部の縫着されない周縁部がスラックス本体の腰部両脇からウエストラインに向けて自由な開放状態に連結されることから、直接縫着により制限された股下側から両脇への上がり傾斜の張力を股下側から上方へ向かうものに分散させるものとなり、これにより、臀部の贅肉を均整のとれたヒップ形状として安定的に被覆保持させるものとなる。 【0009】 【発明の実施の形態】 以下、本発明に於ける一実施の形態を図面を参照して説明する。 図1は、本発明に係るヒップアップ用スラックスを裏返した状態の背面図、図2は、該スラックスの股下側の内股はぎ部を解体させた概略展開図である。 これらの図に於いて、1はスラックス本体、2は該スラックス本体1の左右後身頃1aの内側へ取り付けられたヒップ矯正被覆部であり、3は該ヒップ矯正被覆部をスラックス本体1に固定させるための紐部材である。 【0010】 ヒップ矯正被覆部2は、左帯体4と右帯体5の各股上側端縁部を後中心接ぎ部pで接いでV字状に形成し、その股下側の側縁部2a、2a及び脇側の上方側縁部2b、2bをスラックス本体1に於ける股下部及び脇部の脇縫合部へ夫々れ縫着させて、臀部の贅肉を股下側から脇部へ向けて上がり傾斜に保持するように取り付けられている。この際、各左帯体4及び右帯体5は、夫々れ複数枚のパワーネット片を接いで、通常のサイズのスラックスのもので、縦幅寸法H1を12cm〜20cm、股下側寸法H2を6cm〜12cm程度となし、またこれらを後中心接ぎ部pで接いだ際のヒップ矯正被覆部2の大きさをスラックス本体1の左右後身頃1aよりも小さくしてある。 【0011】 上記左帯体4及び右帯体5は、夫々れ少なくとも脇側、股下側及びこれらの間の中央側に配置されるパワーネット片から形成される。この際、中央側を構成するパワーネット片の枚数は任意に設定することができ、例えば、図に示す如く、中央側に2枚のパワーネット片を配置させて、各帯体を夫々れ4枚のパワーネット片4a、・・・、4d、5a、・・・、5dを脇側から股下側へ横方向に接いだ構成となしたりする。 【0012】 また、上記各パワーネット片の形状も任意に設計されるものとなるが、図3に示すように、隣接し合う各パワーネット片の側縁部に於けるヒップラインL1の下方側からワタリラインL2付近に架けて緩やかな凹部を適宜形成させ、縦横に伸縮するヒップ矯正被覆部2が立体的に形成されるようにする(図には右帯体5を分解したものを示す)。この場合、臀部の贅肉の扁平化現象が防止されると共に、ヒップの下方側の張力を増大させることにより、臀部の贅肉を持ち上げる矯正力を向上させるものとなる。 【0013】 また、脇側及び股下側のパワーネット片4a、4d、5a、5dの伸縮強度をこれらの間の中央側のパワーネット片4b、4c、5b、5cの伸縮強度よりも夫々れ大きくなるようにする。この場合、ヒップ矯正被覆部2は、比較的伸縮強度の大きい股下側パワーネット片4d,5dで垂れ下がった臀部の贅肉を股下側から上方へ持ち上げ、同様の脇側パワーネット片4a,5aで脇サイドへ流れる贅肉をヒップの中央側へ寄せ集め、そして比較的伸縮強度の小さい中央側のパワーネット片4b、4c、5b、5cにより寄せ集めた贅肉を安定的に被覆保持させるものとなる。 【0014】 これによれば、ヒップ矯正被覆部2は、張力が制限されるスラックス本体1への縫着箇所に比較的伸縮強度の大きいパワーネット片を配置させてあるので、該箇所の張力の制限が緩和され、引きつり皺を防止させると共に着用者への圧迫感を抑制することができる。 【0015】 この際、垂れ下がった股下側の贅肉を持ち上げるヒップアップ機能を効果的に発揮させるために、比較的伸縮強度の大きい各股下側のパワーネット片4d、5dをワタリラインL2の下方側付近へ配置させるようになしてもよい。 【0016】 上記ヒップ矯正被覆部2に於ける周縁部の一部は、紐部材3を使用して適宜左右後身頃1aの内側へ張設させるのであり、該紐部材3の長さは任意に設計されるが、ヒップ矯正被覆部2をスラックス本体1へ直接縫着させる縫着箇所との関係がある。本例のヒップ矯正被覆部2の上縁側に於ける中央部2cと、両端部付近2d、2dとは、前者がスラックス本体1のウエスト部に於ける後中心部1bに、後者が両脇部1c、1cへ夫々れ連結させ、これに対し下縁側は両端部2e,2eをスラックス本体1の両脇縫合部1d、1dに連結させる。 【0017】 この場合、ヒップ矯正被覆部2は、上記紐部材3とスラックス本体1へ直接縫着させた股下側パワーネット片4d、5dの側縁部及び脇側パワーネット片4a、5aの上方側縁部とにより、股下側から両脇に向けての上がり傾斜の張力を最も強く制限されながら左右後身頃1aの内側へバランス良く張設されるものとなる。 本発明では、このように、伸縮性のあるパワーネット片の縫着固定による張力の制限作用を紐部材を介して張設させることにより緩和させ、これによりヒップの扁平化現象や圧迫感を抑制すると共に、引きつり皺を防止させるのである。 【0018】 また、ヒップ矯正被覆部2を、上記紐部材3によりスラックス本体1の腰部両脇辺りからウエストラインへ向けて略対称的に取り付けることにより、上がり傾斜方向に制限されている張力を股下側から上方へ向けて略均等に分散させるのであり、これにより、特定方向への張力の偏りを緩和させると共にこの張力を臀部の贅肉を上方へ持ち上げるように作用させるのである。ここに、紐部材3としては、伸縮性のないテープ紐やゴム紐など任意のものが使用可能である。 【0019】 また、この際、図4に示す如く、股下側パワーネット片4d、5dの側縁部の下方側を一部未縫着状態となし、この下端縁2f、2fを紐部材3を介してスラックス本体1の股下部へ連結させるものとし、内股部分の張力を緩和させるようになしてもよい。 【0020】 上記実施例に於いて説明した、本発明に係る提案はスラックスの素材及び形状を問わず適用可能であり、例えば、カジュアルパンツ、ジーンズ、カルソンパンツ、ジャンプスーツ、キュロットスカートなど各種スラックスに適用可能である。また、これらに使用する素材は、伸縮性を有する素材でも、伸縮性を有しない素材でもよく、また厚手のものでも薄手のものであってもよい。 【0021】 また、上記実施例では、裏地のないスラックスの場合について説明したが、裏地のあるスラックスに適用する場合には、本発明に係るヒップ矯正被覆部はスラックス本体の左右後身頃と裏地との間に設けられる。 【0022】 また、上記実施例では、中央側を構成するパワーネット片に伸縮強度が同等の2枚のものを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1枚或いは3枚以上のパワーネット片となし、これらの伸縮強度を夫々れ異ならしめるようになしてもよい。但し、この場合にも、脇側及び股下側のパワーネット片の伸縮強度を中央側のものよりも大きくする。 【0023】 本発明では、ヒップ矯正被覆部を複数枚のパワーネット片で構成し、単独又は全体の形態や伸縮強度、並びにその取付について工夫することで、広範なヒップ矯正機能を可能になし、またこれは各種サイズのスラックスの適応化の図れるものとなる。 【0024】 【発明の効果】 以上のように構成した本発明によれば次のような効果が得られる。 請求項1記載の発明によれば、複数枚のパワーネット片を接いで形成されるので、各パワーネット片に適宜、形態と張力の変化をもたせ、これらを自由自在に組み合わさせることにより、ヒップ矯正機能を様々のスラックスに対応し得るように向上させることができる。また、この伸縮性のあるパワーネット片からなるヒップ矯正被覆部の縫着に関し、縫着される箇所と縫着されない箇所を選定し、縫着されない箇所は紐部材を介して張設状にさせるのであり、これにより従来品のように特定方向のみに張力を制限させないで、ヒップの扁平化や着用者への圧迫感を解消させることができる。 【0025】 請求項2記載の発明によれば、ヒップ矯正被覆部を形成する左帯体及び右帯体自体が夫々れ立体的に構成されるものとなり、これにより、被覆保持される臀部の贅肉の扁平化現象を抑制し、形の良い山形のヒップを簡便に形成させることができる。 【0026】 請求項3記載の発明によれば、ヒップ矯正被覆部のスラックス本体に縫着させる股下側や両脇側に比較的伸縮強度の大きいパワーネット片が配設されることから、この縫着箇所により制限される張力を緩和させるものとなる。これにより、該箇所に於ける過度の圧迫感を防止したり、また引きつり皺を発生し難くさせることができる。 【0027】 請求項4記載の発明によれば、ヒップ矯正被覆部の縫着されない周縁部がスラックス本体の腰部両脇からウエストラインに向けて自由な開放状態に連結されることから、直接縫着により制限された股下側から両脇への上がり傾斜の張力を股下側から上方へ向かうものに分散させるものとなり、これにより、臀部の贅肉を均整のとれたヒップ形状として安定的に被覆保持させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るヒップアップ用スラックスを裏返した状態を示す背面図である。 【図2】上記スラックスを内股はぎ部で解体させた状態を示す概略展開図である。 【図3】本発明に係るヒップ矯正被覆部の右側部を各パーツに解体させた状態を示す部分詳細図である。 【図4】本発明に係るヒップアップ用スラックスの変形例を裏返した状態を示す背面図である。 【符号の説明】 1 スラックス本体 1a 左右後身頃 2 ヒップ矯正被覆部 2a 股下側端縁部 2b 上方側縁部 3 紐部材 4 左帯体 4a、4b、4c、4d パワーネット片(左帯体を構成する) 5 右帯体 5a、5b、5c、5d パワーネット片(右帯体を構成する) L1 ヒップライン L2 ワタリライン
|
| 【出願人】 |
【識別番号】501109172 【氏名又は名称】日本デリバリーサービス 株式会社 【住所又は居所】広島県福山市駅家町大字万能倉566
|
| 【出願日】 |
平成15年6月24日(2003.6.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065721 【弁理士】 【氏名又は名称】忰熊 弘稔
|
| 【公開番号】 |
特開2005−15930(P2005−15930A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月20日(2005.1.20) |
| 【出願番号】 |
特願2003−178920(P2003−178920) |
|