トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 脇接ぎのないブラジャー
【発明者】 【氏名】井上 則明
【住所又は居所】大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番46号 株式会社ユニオン野木大阪支社内

【要約】 【課題】前身頃と後身頃を接続する縫合線による肌への摩擦、過度の圧迫感、ライン跡が残る、等の着用時における不快感を解消したブラジャーを提供する。

【解決手段】前身頃1と後身頃2をそれぞれの下縁側を対向させる形で連続して一枚の布地で形成し、その基本布地9上に、前身頃1と後身頃2が対向する方向に直交する境界Xを引き、その境界X上の二点から前身頃1、後身頃2それぞれの側にその二点を両端とする円弧状の曲線5、6を定め、両曲線を併せた一つの閉曲線を縫製後の着用口7としてその部分をカットする。以上のように立体裁断された基本布地9において、アームホール3の上縁部3C及び4の上縁部4Cと、後身頃2の上縁部2dを縫い合わせて接続することにより完成したブラジャーは、脇部8に縫合線がないものとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃と後身頃とアームホールから成るブラジャーにおいて、前身頃と後身頃をそれぞれの下縁側を対向させる形で連続して一枚の布地で形成し、その布上に前記前身頃と後身頃が対向する方向に直交する向きに、前身頃と後身頃の直線状の境界を引き、その境界上の二点から前身頃、後身頃それぞれの側にその二点を両端とする円弧状の曲線を定め、両曲線を併せた一つの閉曲線に沿って布地を立体裁断し、その布地の前身頃と後身頃の上縁側がアームホールを介して接続したことを特徴とするブラジャー。
【請求項2】
請求項1に記載のブラジャーにおいて、経編みの生地、丸編みの生地にかかわらず、また、柄を施したレース、柄なしのストレッチ生地等、全ての広巾の素材を、上記前身頃と後身頃が連続して一枚の布地で形成したことにより、一体型で脇部に縫合線のないことを特徴とするブラジャー。
【請求項3】
前身頃と後身頃それぞれの下縁側、つまりアンダー部分に、レース機械のピエゾジャカード組織を使用し、パワー切り替えでこの部分にパワーを持たせた上、付帯加工としてカップ部分にモールド加工を施されている請求項1に記載のブラジャー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャー、ブラジャータイプのトップス下着に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のブラジャーの一例としてソフトブラタイプのトップス下着を取り上げると、それは一般に縫製前の形状として、図3に示すように、前身頃11と前身カップ部12、前身カップ台部13、前立て14、後身頃15の複数の布片より成り、前身頃11は前身カップ部12、前身カップ台部13、前立て14とそれぞれ縫合部を有し、上縁部19aは後身頃15の一端の縁部19bと対応し、後身頃15との縫合部となっている。
また、前身カップ台部13の端部に、直線状に連続して脇部を形成する17aが設けられ、後身頃15における17bと対応して脇部の縫合部となっている。
【0003】
他方、後身頃15は、上縁部19bに、前記前身頃11における19aに対応する縫合部を有する。そして、端部に直線状に連続して脇部を形成する17bが設けられ、前身カップ台部13における17aと対応して脇部の縫合部となっている。
【0004】
一般にブラジャーは、以上のような縫製前の形状の複数に及ぶ布片を縫い合わせて接続することにより形成され、その接続部は縫合線を有することとなる。図4に、その完成状態のものを正面図と背面図で示す。
【0005】
そこで従来より、前身頃と後身頃を接続する縫合線による着用時の不快感を抑えるために、いくつかの提案がなされている。
【0006】
例えば、特開平10−310907号公報や、特開2002−309405号公報では、胸部を覆う前身頃と背中部を覆う後身頃とが一続きの環状生地によって形成されることにより、脇部に縫合線が入らず、それまでより着用感に優れたブラジャーが提案されている。
【0007】
また、特開2003−221705号公報では、成形の丸編機を使用し、乳房部の乳首周辺の頂上部に相当する範囲が平面的な二次元形状で、頂上部周囲から乳房の基底部までの範囲が立体的な三次元形状を具備する、脇部に縫合線がないスポーツブラタイプのものがある。
【特許文献1】特開平10−310907号 公報
【特許文献2】特開2002−309405号 公報
【特許文献3】特開2003−221705号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
まず、前身頃11と前身カップ部12、前身カップ台部13、前立て14、後身頃15の裁断時の形状とそれに基づく接続仕様が上記のようであると、縫製されたブラジャーには図4に示すように、前身カップ台部13の端部17a及び後身頃15における17bによる脇部の縫合部が存在するので、着用時にその接続部の縫合線が素肌に触れる、肌へ摩擦による擦れを生じる、ライン跡が残る、等の不快感を与えるという不具合がある。
【0009】
次に、特開平10−310907号公報、特開2002−309405号公報及び特開2003−221705号公報に示す従来のブラジャーは、脇部やカップ廻りに縫合線をなくし、又は少なくし、着用感をよくするべく改善されている。しかし、いずれも丸編みの生地に限り作ることができるものの、経編みの生地、柄を施したオールオーバーレースや、環状ではない広巾のストレッチ生地等では同様のものが作れないという問題があった。
【0010】
本発明は、係る実情に鑑みて、既存の縫製仕様のブラジャーにおける不具合を解消しようとするものであり、全ての生地、レースについて、編み方、組成、柄の有無にかかわらず、一体型で脇部に縫合線をなくし、着用感に優れたブラジャーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、前身頃と後身頃とアームホールから成るブラジャーにおいて、前身頃と後身頃をそれぞれの下縁側を対向させる形で連続して一枚の布地で形成し、その布上に前記前身頃と後身頃が対向する方向に直交する向きに、前身頃と後身頃の直線状の境界を引き、その境界上の二点から前身頃、後身頃それぞれの側にその二点を両端とする円弧状の曲線を定め、両曲線を併せた一つの閉曲線に沿って布地を立体裁断し、その布地の前身頃と後身頃の上縁側がアームホールを介して接続したことを特徴とするブラジャーを第一の主旨とする。
【0012】
次に、上記ブラジャーにおいて、経編みの生地、丸編みの生地にかかわらず、また、柄を施したレース、柄なしのストレッチ生地等、全ての広巾の素材を、上記前身頃と後身頃が連続して一枚の布地で形成したことにより、一体型で脇部に縫合線のないことを特徴とするブラジャーを第二の主旨とする。
【0013】
また、本発明は、その中でも特に、前身頃と後身頃それぞれの下縁側、つまりアンダー部分に、レース機械のピエゾジャカード組織を使用し、パワー切り替えでこの部分にパワーを持たせた上、付帯加工としてカップ部分にモールド加工を施されているブラジャーを第三の主旨とする。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明によるブラジャーには、前身頃と後身頃の縫合線が脇部に形成されることがないので、既存製法のようにその部分に縫合線があったものと比べ、着用時の不快感がないことから、より着用感に優れたブラジャーを提供することができる。
【0015】
また、全ての生地、レースについて、編み方、組成、柄の有無にかかわらず適用可能であることから、どのような素材、デザインにも対応できるため、幅広いニーズに応えられるという効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図1〜図2に本発明の実施の形態を示し、従来例と同一部分については説明を省略する。
【0017】
第一の実施形態のブラジャーの縫製前の裁断片は、上記したように、前身頃と後身頃が連続した一枚ものとして裁断されるが、その全体の輪郭は図1に示すように、図の縦方向の一点鎖線Yを対称軸として左右対称となった気球形状をなしている。その対称軸Yの途中の、それに直交して左右方向に走る一点鎖線Xで仕切られた上側の部分が縫製後に前身頃1となる部分、下側の部分が後身頃2となる部分である。そして、前身頃1、後身頃2のこの境界X側がそれぞれの下縁側、つまりアンダー部で、3及び4はそれぞれ前身頃1、後身頃2を接続するアームホールとなっている。
【0018】
また、前記前身頃1、後身頃2との境界Xを境にしてその上側と下側、すなわち前身頃1側と後身頃2側に、その境界X上に共通に両端を有する円弧状の曲線5と6が定められており、その両曲線5、6を繋いで形成される閉曲線に沿って楕円状の穴7が空けられている。この楕円状の穴7は縫製後、アンダー部着用口周縁となるものである。以下、このような形状に裁断された裁断片を基本布地9と称して説明する。
【0019】
この実施形態のブラジャーは、以上のような形状に裁断された基本布地9において、アームホール3の上縁部3C及び4の上縁部4Cと、後身頃2の上縁部2dを縫い合わせて接続し、以下のように縫製される。
【0020】
先ず、図2のBに示すように、前記基本布地9の後身頃2の上縁部2dとそれに対応するアームホール3の上縁部3Cとを縫い合わせて接続し、続いて、後身頃2の他端の縁部2dと基本布地9のアームホール4の上縁部4Cとを縫い合わせて接続する。図2のAに示す完成したブラジャーには一点鎖線で示した脇部8に縫合線がないものとなる。
【0021】
この実施形態では、アームホール3の方を先に後身頃2と接続したが、アームホール4の方を先に接続しても支障はなく、接続の順番は本発明の要点ではない。
【0022】
この実施形態のブラジャーの基本的な縫製仕様は以上述べた通りであり、最終的な製品に仕上げるには、着用口7に伸縮性のあるレースやゴム紐を取り付けたり、アームホールを含む外周部分に飾り縁やマイクロテープ、ゴム紐等を取り付けたりする工程も経なければならないし、アームホール以外の脇くりに縫製時微調整をする必要があるが、これらのことは公知の事柄であり、前述のアームホールの接続の場合と同様、本発明の要点ではないので、これらの工程との関わりでこの実施形態のブラジャーの作製を説明することは省略する。
【0023】
本発明は、出来上がったブラジャーの脇部8に縫合線がない形にし、それによってその縫合線が存在する場合の前述のような不快感をなくすことを目的とするものであり、そのために基本布地9を上記のような裁断形状にして脇部8に接続部をなくし、裁断片の接続はアームホール3、4と後身頃2の上縁部2dとの接続だけにしたので、脇部8には縫合線が存在せず、着用感に優れ心地よいものとなるのである。
【0024】
第二の実施形態では、図2に示すように、前記第一の実施形態で前身頃1と後身頃2それぞれの下縁側、つまりアンダー部分の下縁から0.04mに渡り、パワー切り替えでこの部分にパワーを持たせたレース機械のピエゾジャカード組織を使用した上、付帯加工として一点鎖線で示したカップ部分10にモールド加工を施したもので、これにより更に自然な着用感を得ることができる。
【0025】
第二の実施形態の他の内容については、第一の実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。この実施形態でも勿論、出来上がったブラジャーはその脇部に縫合線がなく、着用感に優れ心地よいものとなる。
【0026】
なお、以上の実施形態ではソフトタイプブラジャーを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、スポーツブラやチューブトップ等、他のトップス下着にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態を示す平面図
【図2】本発明の縫製工程を示すA斜視図とB背面図
【図3】従来例を示す展開図
【図4】従来例の縫製工程を示すA斜視図とB背面図
【符号の説明】
【0028】
1 前身頃
2 後身頃
1a、2b 側縁
3、4 アームホール
2d、3c、4c 上縁
5,6 下縁
7 穴(着用口)
8 脇部
9 基本布地
10 カップ部分
X 境界線
Y 対称軸
11、12 前身カップ部
13 前身カップ台部
14 前立て部
15 後身頃
16a、16b、16c、16d アームホール部
17a、17b 脇部
18a、18b アンダー部
19a、19b 肩接合部
【出願人】 【識別番号】503163136
【氏名又は名称】株式会社ユニオン野木
【住所又は居所】徳島県板野郡土成町吉田字北門22番3号
【出願日】 平成16年4月27日(2004.4.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−314856(P2005−314856A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−160313(P2004−160313)