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【発明の名称】 ベルト付き妊婦帯
【発明者】 【氏名】池原 由季
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内

【氏名】古田 真紀子
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内

【要約】 【課題】ベルト同士の着脱を妊婦が簡単に行うことができ、しかも妊婦の腹部だけではなく腰部や臀部の上方の保護および保温をも行うことができるベルト付き妊婦帯を提供する。

【解決手段】筒状とされて、少なくとも筒が広がる方向への伸縮性を有する妊婦帯本体12と、妊婦帯本体12の背面側上方に配置されて、妊婦帯本体12より伸縮しづらい構成とされた腰支え部14と、妊婦の下腹部に沿って配置される第1ベルト部材21と第2ベルト部材22であって、腰支え部14で第1ベルト部材21の一方の端部81と第2ベルト部材22の一方の端部91が固定され、腰支え部14から斜め下方に延伸されており、第1ベルト部材21の他方の端部82と第2ベルト部材22の他方の端部92が前面側で着脱可能とされ、妊婦帯本体12より伸縮しづらい構成とされた第1ベルト部材21と第2ベルト部材22とからなり、妊婦帯本体12が背面側も下方に延伸されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状とされて、少なくとも前記筒が広がる方向への伸縮性を有する妊婦帯本体と、
前記妊婦帯本体の背面側上方に配置されて、前記妊婦帯本体より伸縮しづらい構成とされた腰支え部と、
妊婦の下腹部に沿って配置される第1ベルト部材と第2ベルト部材であって、前記腰支え部で前記第1ベルト部材の一方の端部と前記第2ベルト部材の一方の端部が固定され、前記腰支え部から斜め下方に延伸されており、前記第1ベルト部材の他方の端部と前記第2ベルト部材の他方の端部が前面側で着脱可能とされ、前記妊婦帯本体より伸縮しづらい構成とされた前記第1ベルト部材と前記第2ベルト部材と、からなり、
前記妊婦帯本体が前記背面側における前記腰支え部よりも下方に延伸されていることを特徴とするベルト付き妊婦帯。
【請求項2】
前記第1ベルト部材における前面側となる前記他方の端部の外面には、面テープの一方の部材が配置され、前記第2ベルト部材における前面側となる前記他方の端部の内面には、前記面テープの他方の部材が配置されて、前記第1ベルト部材の前記他方の端部と前記第2ベルト部材の前記他方の端部が着脱可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のベルト付き妊婦帯。
【請求項3】
前記腰支え部には、少なくとも2本の骨格部が形成されており、前記腰支え部の側縁に沿って前記第1ベルト部材の前記一方の端部と前記第2ベルト部材の前記一方の端部が固定されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト付き妊婦帯。
【請求項4】
前記妊婦帯本体の内面には、少なくとも背面の上方と前面の下方を連結するように配置された補強部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト付き妊婦帯。
【請求項5】
前記腰支え部に固定された前記第1ベルト部材の前記一方の端部近傍と前記腰支え部に固定された前記第2ベルト部材の前記一方の端部近傍における少なくとも上縁側が、下方に窪む方向の曲線形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト付き妊婦帯。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、妊婦の腹部に装着して特に膨らんだ腹部を支えるためのベルト付き妊婦帯に関する。
【背景技術】
【0002】
妊婦帯は、妊婦の腹部を保護したり保温するために使用されている。特に膨らんだ妊婦の腹部は、ベルト付きの妊婦帯により支える構造のものが提案されている。
このベルトは支え帯とも呼ばれており、妊婦帯に対して部分的に補強部材を配置したもの(例えば特許文献1)が利用されている。
また妊婦帯と一体とされたベルトが前方に固定されて、背面側でベルトの端部を着脱するタイプのものも提案されている(例えば特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−88518号公報(第1頁、図11)
【特許文献2】特開平10−266002号公報(第4頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載されている妊婦帯では、妊婦帯に設けた補強部材により補強する構造であるので、ベルトに対して一定の伸縮性を持たせなければ妊婦帯を装着できない。しかし、ベルトに一定の伸縮性を持たせてしまうと、妊婦の腹部を十分に支えることが困難であった。
特許文献2に記載されている妊婦帯と一体とされたベルトを用いる場合には、ベルトの端部の着脱が妊婦の背中側で行わなければならないので、妊婦はその着脱作業は行いにくく、ベルトの端部を適切な位置で固定できないという問題があった。
そこで本発明は上記課題を解消し、ベルト同士の着脱を妊婦が簡単に行うことができ、しかも妊婦の腹部だけではなく腰部や臀部の上方の保護および保温をも行うことができるベルト付き妊婦帯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、第1の発明によれば、筒状とされて、少なくとも前記筒が広がる方向への伸縮性を有する妊婦帯本体と、前記妊婦帯本体の背面側上方に配置されて、前記妊婦帯本体より伸縮しづらい構成とされた腰支え部と、妊婦の下腹部に沿って配置される第1ベルト部材と第2ベルト部材であって、前記腰支え部で前記第1ベルト部材の一方の端部と前記第2ベルト部材の一方の端部が固定され、前記腰支え部から斜め下方に延伸されており、前記第1ベルト部材の他方の端部と前記第2ベルト部材の他方の端部が前面側で着脱可能とされ、前記妊婦帯本体より伸縮しづらい構成とされた前記第1ベルト部材と前記第2ベルト部材と、からなり、前記妊婦帯本体が前記背面側における前記腰支え部よりも下方に延伸されていることを特徴とするベルト付き妊婦帯により、達成される。
【0006】
第1の発明では、妊婦帯本体は、筒状とされていて、少なくとも筒の広がる方向への伸縮性を有する。
腰支え部は、妊婦帯本体の背面側上方に配置されている。この腰支え部は、妊婦帯本体よりも伸縮しづらい構成である。
第1ベルト部材と第2ベルト部材は、妊婦の下腹部に沿って配置される。腰支え部で第1ベルト部材の一方の端部と第2ベルト部材の一方の端部が固定されて第1ベルト部材と第2ベルト部材は、腰支え部から斜め下方に延伸される。第1ベルト部材の他方の端部と第2ベルト部材の他方の端部は前面側で着脱可能であり、妊婦帯本体よりも伸縮しづらい構成である。そして、妊婦帯本体は、前面側だけでなく背面側も下方に延伸されている。
【0007】
これにより、腰支え部が、ベルトを通じて腹部の荷重を支えることができる。これとともに、第1ベルト部材と第2ベルト部材が妊婦帯本体の前面側で着脱可能に開閉することができるために、第1ベルト部材と第2ベルト部材の装着を行って妊婦の腹部を支える作業が容易に行え、適切な位置でセットできる。
そして、腰支え部に各一方の端部が固定された第1ベルト部材と第2ベルト部材を用いていることから、妊婦帯本体の前面側において、左右のバランスを良くした状態で妊婦の腹部を支えることができる。
しかも、妊婦帯本体が前面側だけでなく背面側における腰支え部よりも下方に延伸されていることから、妊婦帯本体は、妊婦の腹部だけでなく腰部や臀部上方の保護および保温を同時に行うことができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記第1ベルト部材における前面側となる前記他方の端部の外面には、面テープの一方の部材が配置され、前記第2ベルト部材における前面側となる前記他方の端部の内面には、前記面テープの他方の部材が配置されて、前記第1ベルト部材の前記他方の端部と前記第2ベルト部材の前記他方の端部が着脱可能とされていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明の構成によれば、第1ベルト部材における前面側となる他方の端部の外面には、面テープの一方の部材が配置されている。第2ベルト部材における前面側となる他方の端部の内面には、面テープの他方の部材が配置されている。第1ベルト部材の他方の端部と第2ベルト部材の他方の端部が着脱可能である。
これにより、妊婦は、第1ベルト部材側の面テープの一方の部材と、第2ベルト部材側の面テープの他方の部材を着脱するだけで着脱できるため、各ベルト部材の開閉を容易に行えるだけでなく、妊婦帯本体よりも伸縮しづらい各ベルト部材同士を結合させるため、妊婦の腹部をバランスよく確実に、しかも第1ベルト部材と第2ベルト部材の支える機能を十分に生かすことができる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明の構成において、前記腰支え部には、少なくとも2本の骨格部が形成されており、前記腰支え部の側縁に沿って前記第1ベルト部材の前記一方の端部と前記第2ベルト部材の前記一方の端部が固定されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、腰支え部には少なくとも2本の骨格部が形成されている。腰支え部の側縁に沿って、第1ベルト部材の一方の端部と第2ベルト部材の一方の端部が固定されている。
これにより、第1ベルト部材と第2ベルト部材にかかる妊婦の腹部の荷重は、第1ベルト部材と第2ベルト部材を介して腰支え部に確実に伝えられ、骨格部を含めた腰支え部全体でバランスよく支えることができる。
【0011】
第4の発明は、第1の発明の構成において、前記妊婦帯本体の内面には、少なくとも背面の上方と前面の下方を連結するように配置された補強部が形成されていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、妊婦帯本体の内面には、少なくとも背面の上方と前面の下方を連結するように配置された補強部が形成されている。
これにより、妊婦帯本体は補強部によって、第1ベルト部材と第2ベルト部材と相まって妊婦の腹部をより確実に支持することができる。
【0012】
第5の発明は、第1の発明の構成において、前記腰支え部に固定された前記第1ベルト部材の前記一方の端部近傍と前記腰支え部に固定された前記第2ベルト部材の前記一方の端部近傍における少なくとも上縁側が、下方に窪む方向の曲線形状に形成されていることを特徴とする。
第5の発明では、第1ベルト部材の一方の端部近傍と第2ベルト部材の一方の端部近傍における少なくとも上縁側が、下方に窪む方向の曲線形状に形成されている。
これによって、第1ベルト部材と第2ベルト部材は、妊婦帯本体により保持されている腹部の曲線に沿って腹部をより確実に保持することができ、さらに腹部の曲線に沿って各ベルト部材がフィットすることで、衣類等における外観に影響を与えることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、腹部を確実に支えるためのベルトの着脱を妊婦が簡単に行うことができ、しかも妊婦の腹部だけではなく腰部や臀部の上方の保護および保温をも行うことが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0015】
図1は、本発明のベルト付き妊婦帯の好ましい実施形態を示す斜視図であり、図2は、ベルト付き妊婦帯10の側面図である。
図1と図2では、ベルト付き妊婦帯10は、妊婦である使用者Mの腹部に装着された例を示している。
図3は、ベルト付き妊婦帯10の正面側から見た展開図であり、図4は、ベルト付き妊婦帯10の背面側から見た展開図である。
【0016】
図1と図2に示すように、ベルト付き妊婦帯10は、妊婦の腹部を保温しかつ保護するために用いられる。
図1と図2に用いられるベルト付き妊婦帯10は、妊婦帯本体12と、腰支え部14と、2本のベルト部材である第1ベルト部材21と第2ベルト部材22を有している。
妊婦帯本体12は、筒状になっていて、少なくとも筒が広がる方向に関して伸縮性を有している。この妊婦帯本体12の身生地は、例えばポリエステルとポリウレタンを混ぜたメッシュ状の部材や、フライス等の各種ニット材料等を用いることができる。
これにより、妊婦帯本体12は、前面側も背面側も下方に延伸された形状を有しており、使用者Mが腹部Fを通した時に、妊婦帯本体12は筒が広がる方向へ伸縮自在である。妊婦帯本体12は、使用者Mの腹部Fだけでなく、図2に示す腰部G、および臀部Dの少なくとも上方の部分の保護および保温を行うことができるような筒形状を有している。
【0017】
図3と図4に示すように、妊婦帯本体12は筒状体である。図3に示すように、妊婦帯本体12の前面部70は、上下方向に長いほぼ長方形状である。前面部70の上縁71は、Z1方向に突出するような凸状形状になっている。これに対して前面部70の下縁72は、Z1方向に対して直交するような直線状になっている。
図4に示すように、妊婦帯本体12の背面部80も上下方向に長いほぼ長方形状であるが、背面部80の上縁89は、Z2方向である下方向に向けて凹形状になるようになっている。これに対して背面部80の下縁83は、前面部70の下縁72に比べてZ1方向に凹形状になるように形成されており、上下方向において背面部80よりも前面部70が僅かに大きく形成されている。
【0018】
この妊婦帯本体12には、図3と図4に示すように、破線と実線で示すように補強部100が形成されている。補強部100は、妊婦帯本体12の内面側であって、少なくとも背面部80の上方と前面部の下方を連結するように配置されている。この補強部100は、補強部の背面の上方部分101、補強部の背面の中央部分102、補強部の背面の下方部分103とそして図3に示す補強部の前面の下方部分104を有している。
補強部の背面の上方部分101は、背面部80の上縁89であって、腰支え部14の内側に位置して背面部80の中央位置まで達している。補強部の背面の中央部分102は、背面部80の中央位置に位置し、補強部の背面の下方部分103は背面部80の下方部分に位置している。図3に示すように補強部の前面の下方部分104は、前面部70の下方位置に全周に沿って中央で窪む曲線状に形成されている。このような補強部100は、図3と図4では破線で示している。図2では、補強部の背面の下方部分103と補強部の前面の下方部分104が図示されており、補強部の背面の上方部分101から徐々に幅が広がり、補強部の前面の下方部分104では下縁72,83の全周に渡って配置されるよう配置されている。なお、補強部100は、腰支え部14の位置から、補強部の前面の下方部分104を結ぶよう配置されていれば良く、後述する各ベルト部材21,22に近似した形状となるよう配置されていることが好ましい。
【0019】
このような裏当て地となる補強部を設けることにより、妊婦帯本体12はこの補強部によっても、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22と相まって妊婦の腹部をより確実に支持することができる。
ベルト付き妊婦帯10を着脱できるよう補強部100の材質としては、例えばポリエステルや綿、ナイロン等にポリウレタンを混ぜた伸縮性を有する材質やフライス、天竺、2WAY素材等の伸縮素材により作られているが、妊婦帯本体よりも伸縮しづらい構成とされている。
【0020】
次に、図1と図2に示す腰支え部14について説明する。
図1と図2に示すように腰支え部14は、使用者Mの腰部Gに対応して配置されるものである。この腰支え部14は、図4に示すように妊婦帯本体12の背面部80の上方位置に対して外面側から例えば縫合により取り付けられている。この腰支え部14の材質としては、妊婦帯本体12の材質より伸縮しづらい材質により作られていれば、伸縮性を僅かに持たせて腰へのフィット性を高めたものでも良く、伸縮性を有さない構成として保持力を高めるよう構成しても良い。腰支え部14の材質としては、伸縮性を有するものとしてはストレッチラッセルを二重にしたものや、サテンネット、パワーネット、各種クッション材等の内、伸縮しづらいものを採用することができ、伸縮性を有さないものとしては、トリコットや不織布等によるものを使用することができる。なお、腰支え部14は強度が必要となるため比較的厚い構成となり、通気性を高めるための複数の通気孔を形成することや、通気素材を採用すること等による通気手段を有するものとしても良い。
図4に示す腰支え部14の形状は、図4の例では略逆台形状になっている。しかしこの腰支え部14の形状は略逆台形状に限らず長方形状あるいは正方形状または正立した台形状であっても勿論構わないし、その他の形状であっても良い。
【0021】
腰支え部14は、図4の例では2本のボーン150を有している。
このボーン150は、例えばプラスチックの平板状の部材である。ボーン150,150は、骨格部とも呼んでおり、その両者の間隔が上方へ行くほど狭まる形態となっており、下方へ行くほど広がっている。
このボーン150,150は、いわゆる「ハ」の字型に配置されることにより、腰部の背骨の両側にボーン150,150が配置できる。これによって、ボーン150,150は、腰支え部14とともに背骨を確実に支える機能を有している。しかもボーン150,150は、下側に向うほど広がった形状に配置されているので、ボーン150,150は、骨盤近い背骨の領域をより確実に支えることができる。但し、ボーン150,150を上下に伸び背骨の両側に配置されるよう構成すれば、平行となるよう配置してもよく、4本や6本としても良い。
【0022】
次に、図1と図2に示す第1ベルト部材21と第2ベルト部材22について説明する。
第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、図1に示すように妊婦である使用者Mの下腹部に沿って配置される2本のベルトである。これらの第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の一方の端部が腰支え部14に固定され、そこから斜め下方T方向に沿って延伸されている。
このような状態で第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の他方の端部が、着脱可能にしかも妊婦帯本体12の前面部側において固定されている。第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、妊婦帯本体12の材質よりも伸縮しづらい材質の材料により作られている。第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の表面側は、例えば伸縮性を有するポリエステルとポリウレタンを混ぜた材料を用い、裏面側はパワーネットを使用したものや、それぞれを単独で使用したもの以外にもフライス等を使用することができる。
なお、上述したいずれの素材も伸縮性を有しているものを使用することができるが、妊婦帯本体12、各ベルト部材21,22、腰支え部14の順で伸縮しやすい材料を選択して使用することが好ましく、補強部100は妊婦帯本体12よりも伸縮しづらく、各ベルト部材21,22よりも伸縮するよう構成することが好ましい。
【0023】
図3と図4は、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の構造例を示している。
第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、図4において例えばほぼ中心軸CLを中心として左右対称形状を有している。第1ベルト部材21の一方の端部81は基端と呼ばれており、この一方の端部81は、腰支え部14の左側の側縁14Aとともに、背面部80の上方位置において縫合により固定されている。第2ベルト部材22の一方の端部91は基端とも呼ばれ、この一方の端部91は、腰支え部14の右側の側縁14Bが背面部80の上方位置に縫合して固定されているが、腰支え部14の上端となる上縁89の位置で固定され、基端81,91近傍が交差するよう配置されていても良い。
【0024】
第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、それぞれT方向に沿って斜め下方向に向いている。第1ベルト部材21の他方の端部82は、曲線部分82Aを有している。同様にして第2ベルト部材22の他方の端部92も、曲線部分92Aを有している。
第1ベルト部材21の他方の端部82の付近であって、外面側には面テープの一方の部材300が形成されている。これに対して図3に示すように第2ベルト部材22の内面には、面テープの他方の部材301が形成されている。この面テープの他方の部材301の付近には保護用の部材303が形成されている。面テープの他方の部材301の形成面積は、保護用の部材303の形成用の面積よりもやや小さい。この面テープは面ファスナともいう。
【0025】
図3と図4に示す面テープの一方の部材300は、例えばメス部材を使用することができる。これに対して図3と図4に示す面テープの他方の部材301は、オス部材を採用することができる。保護用の部材303は、メス部材を採用することができる。
これにより、第1ベルト部材21の外面側の面テープの一方の部材300は、第2ベルト部材22の他方の端部92の内面側の面テープの他方の部材301に対して、つまり各ベルト部材21,22を前面部70の下縁72側で着脱可能に固定することができる。
【0026】
例えばベルト付き妊婦帯10を使用せずに畳んでしまっておく場合や、洗濯する場合には、面テープの他方の部材301は例えば面ファスナのオス部材であるので、このオス部材にはごみが付着したりあるいは面テープの他方の部材301が前面部70等に付着して前面部70の表面等を傷めてしまう場合がある。このようなことを防ぐために、面テープの他方の部材301は、保護用の部材303に対して着脱可能に、図3の部分Wに示すように、保護用の部材303に対して着脱可能になるように折り曲げて貼り付けておくことができる。このため保護用の部材303は面ファスナのメス部材である。
これによって面テープの他方の部材301に対してごみが付着したり、面テープの他方の部材301が前面部70側等に不用意に貼り付いたりするのを確実に防げる。
なお、各ベルト部材21,22の着脱手段として、面テープを逆に使用しても良く、また、面テープ以外にも、複数列設けられたフックとループや、ボタン、長さ調整が可能なバックル等の各種着脱手段を使用することができる。
【0027】
図4と図3に示すように、第1ベルト部材21の一方の端部81側の上側領域は、曲面形状部分400を有している。同様にして第2ベルト部材22の一方の端部91の上側領域には曲面形状部分400を有している。この曲面形状部分400は、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の一方の端部81,91の付近に形成されているが、曲面部分400は、例えば図1と図2に示すように、腰部Gから腹部F側に向けての側部側の膨らみに応じた形状である。これによって、直線状であるのに比べて、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、横腹部分の形状に応じて確実に支えることができる。このように、曲面形状部分400が、一方の端部81,91の近傍にそれぞれ形成されていることから、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の腰部から横腹部にかけてのフィット感をより確実に向上させることができる。
【0028】
次に、本発明のベルト付き妊婦帯10の装着使用例について説明する。
まず、使用者Mが図1と図2に示すように妊婦帯本体12の上部開口12Pから両足を入れて通すことにより、下部開口12Q側から足を出す。これによって上部開口12Pは乳房11A,11Bの下側付近にまで達し、下部開口12Qは両足の付け根よりもやや下側まで位置することになる。妊婦帯本体12は、前面側だけでなく背面側も全体にわたって下方に向けて伸びている形状でかつ筒形状であるので、このベルト付き妊婦帯10の妊婦帯本体12は、腹部だけではなく腰部や臀部の上方の保温や保護を確実に行うことができる。
【0029】
次に、使用者Mが手で第1ベルト部材21と第2ベルト部材22を前側に向けてT方向に回しつつ、第1ベルト部材21の面テープの一方の部材300に対して第2ベルト部材22の面テープの他方の部材301を着脱可能に重ね合わせる。
これによって、面テープの他方の部材301と面テープの一方の部材300が連結されることにより、第1ベルト部材21の他方の端部82と第2ベルト部材22の他方の端部92は、確実に腹部Fの下側部分、すなわち下腹部において固定される。第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、腰支え部14から斜め下方であるT方向に沿って伸びており、他方の端部82と他方の端部92は、妊婦帯本体12の前面側でかつ下腹部側で着脱される。
【0030】
そして、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の材質は、妊婦帯本体12の材質よりも伸縮しづらい材質により作られている。
これによって、腰支え部14が、ベルトを通じて腹部の荷重を確実に支えることができる。これとともに、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22が妊婦帯本体12の前面側70で着脱可能に開閉することができるために、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の装着を行って妊婦の腹部Fを前面側において左右のバランスを良くした状態で支える作業が容易に行える。
【0031】
使用者が第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の着脱を妊婦帯本体12の前面側で行うことができるので、背面側で着脱を行うのに比べて姿勢を崩さずに確実にかつ簡単に着脱作業を行うことができる。
【0032】
妊婦は、第1ベルト部材側の面テープの一方の部材と、第2ベルト部材側の面テープの他方の部材を着脱するだけで、妊婦帯本体の前面側において、妊婦の腹部を確実に、しかも第1ベルト部材と第2ベルト部材の支える機能を十分に生かすことができる。
この時、腰支え部14はこの状態では第1ベルト部材21と第2ベルト部材22からかかる下腹部の荷重を支えて、使用者Mの腰部G側に確実に伝えて支えることができる。妊婦帯本体12は、図3と図4に示すように補強部100を有していることから、妊婦帯本体は補強部によって、第1ベルト部材と第2ベルト部材と相まって妊婦の腹部をより確実に支持することができる。
【0033】
ところで本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば図1における第1ベルト部材21が、妊婦帯本体12の下腹部において、仮固定できるようにしても構わない。すなわち第1ベルト部材21の内面側が妊婦帯本体12の下腹部に設けられた仮固定用の例えば面ファスナに対して仮固定可能にすることができる。
これによって、使用者Mが第1ベルト部材21をまず下腹部側に位置させる時に、第1ベルト部材の位置ずれを防止することができる。このような仮固定の方式は、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22の両方において行っても勿論構わない。すなわち第2ベルト部材22は、下腹部における妊婦帯本体12の表面側に別の仮固定部材を配置することにより、第2ベルト部材22も妊婦帯本体12の下腹部側の表面に仮固定することができる。
【0034】
これによって使用者Mは第1ベルト部材21と第2ベルト部材22を妊婦帯本体12の下腹部側において確実に仮固定しながら第1ベルト部材21と第2ベルト部材22を容易に着脱可能に連結することができるのである。
腰支え部14は、例えばクッション性を有する通気性素材または伸縮性素材を用いることができる。
また、面テープ等の係止手段を使用することで、妊婦帯本体12に対して、一体とされた腰支え部14と各ベルト部材21,22が着脱可能とされていても良い。
このように構成することで、妊娠状況に応じて、妊娠初期は通常の妊婦帯と同様に妊婦帯本体12のみを使用し、妊娠後期は腰支え部14、各ベルト部材21,22を取り付けて使用して確実に下腹部を支えるよう構成することができ、さらには、使用者の体形に応じて腰支え部14、各ベルト部材21,22の位置を微調整して使用することができる。
【0035】
上述したように図4に示すように曲面形状部分400を設けることにより、第1ベルト部材21と第2ベルト部材22は、使用者Mの体型に上手く合わせて下腹部を確実に保持することができる。
曲面形状部分400は、図4に示す一方の端部81,91から他方の端部82,92までそれぞれ全領域にわたって形成しても良いし、図示例のように一部領域であって一方の端部81と一方の端部91側の近傍のみに設けても勿論構わない。
【0036】
図5は、本発明のベルト付き妊婦帯の別の好ましい実施形態を示す背面図である。
図5に示すベルト付き妊婦帯500は、図1ないし図4に示すベルト付き妊婦帯10に比べて概略的な構造は似ているが、図5に示すベルト付き妊婦帯500は股下部700,700が妊婦帯本体612に対して下方に延長して形成されている点が異なる。また図5に示すベルト付き妊婦帯500の腰支え部714が、図4に示す腰支え部14に比べると異なる。
【0037】
図5のベルト付き妊婦帯500のその他の構成要素部分は、図4に示すベルト付き妊婦帯10の対応する構成要素部分と略同じものである。図5のベルト付き妊婦帯500は、妊婦帯本体612と、腰支え部714と、2本のベルト部材である第1ベルト部材521と第2ベルト部材522を有している。妊婦帯本体612が筒状になっていることは図4に示す妊婦帯本体12と同様であるが、さらに妊婦帯本体612の下の部分には、股下部700,700が形成されて、太腿の上部まで覆う形態の所謂ガードル状とされている。股下部700,700の下縁672は、下部開口513,513を有している。
【0038】
妊婦帯本体612は、使用者が腹部を通した時に、筒が広がる方向に伸縮自在である。妊婦帯本体612は、伸縮性を有しつつ、腰部、臀部を支えるだけではなくフィット感を持たせて保温することができるような形状になっている。
図5に示す妊婦帯本体612の股下部700は、所謂ロングタイプガードル状であって、上下方向長さを有しているものであるが、股下部700の上下方向長さがCL方向に沿って短く、股間部は形成されているものの、股下部700が形成されていない所謂ショートタイプのものであっても勿論構わない。
【0039】
図5に示す腰支え部714は、使用者の腰部に対応して配置されるものである。この腰支え部714は、妊婦帯本体612の背面部680の上方位置に対して外面側からたとえば縫合により取り付けられている。腰支え部714は、上辺部に対して下辺部が広がった形状になっていて、下辺部は下方向に突出している形状である。腰支え部714はこのような形状であるので、骨盤に近い領域を確実に支えることができる。
【0040】
しかも、腰支え部714の中には、たとえばプラスチックや、厚みを持たせてコシを出した織物や不織布等により作られた板状部材750が収容されて固定されている。この板状部材750は、破線で示している形状を有しているが、板状部材750は4つの突出部755,755,756,756を有している。このために、突出部755,755の間には凹部757を有しており、突出部756,756は上方の突出部755,755よりも大きく形成されて、その間には凹部758を有している。板状部材750の中心には楕円形状の穴751が形成されている。この穴751は、背骨の突出している部分を収めると共に通気性を確保する機能を有している。なお、穴751は複数の小孔としても良く、また各突出部の高さを均等にしたり、上方の突出部755側が大きく形成しても良い。
このことから板状部材750は、骨盤に似た形状であり腰支え部714とともに、背骨を確実に支えながら腰痛の軽減を図ることができる。
【0041】
図5に示す第1ベルト部材521と第2ベルト部材522について説明する。
第1ベルト部材521と第2ベルト部材522は、図4に示す第1ベルト部材21と第2ベルト部材22と実質的に同様の構造のものである。第1ベルト部材521と第2ベルト部材522は、腰支え部714から斜め下方T方向に沿って延伸されている。第1ベルト部材521と第2ベルト部材522は、妊婦帯本体612の材質よりも伸縮しづらく、感触が軟らかい材料により作られていることは、図4の実施形態と同じである。
【0042】
第1ベルト部材521と第2ベルト部材522は、たとえば略中心軸CLを中心として左右対称形状を有している。第1ベルト部材521の一方の端部681は腰支え部714の一方の端部714Aに縫合により固定されている。第2ベルト部材522の一方の端部691は、腰支え部714の右側の側縁714Bに縫合により固定されている。
第1ベルト部材521の他方の端部682の外面側には、面テープの一方の部材600が形成されている。第2ベルト部材522の内面には、面テープの他方の部材601が形成されている。面テープの他方の部材601の付近には、保護用の部材603が形成されている。面テープの一方の部材600はたとえばメス部材であり、面テープの他方の部材601はオス部材を採用することができ、保護用の部材603はメス部材を採用し、他方の部材601を未使用時に固定することができる。
【0043】
第1ベルト部材521の外面側の面テープの一方の部材600は、第2ベルト部材522の内面側の面テープの他方の部材601に対して、妊婦帯本体612の前面側で着脱可能に固定することができる。これにより、腰支え部が、ベルトを通じて腹部の荷重を支えることができる。これとともに、第1ベルト部材と第2ベルト部材が妊婦帯本体の前面側で着脱可能に開閉することができるために、第1ベルト部材と第2ベルト部材の装着を行って妊婦の腹部を支える作業が容易に行え、適切な位置でセットできる。
そして、第1ベルト部材と第2ベルト部材を用いていることから、妊婦帯本体の前面側において、左右のバランスを良くした状態で妊婦の腹部を支えることができる。
しかも、妊婦帯本体が前面側だけでなく背面側における腰支え部よりも下方に延伸されており、さらに、股下部700,700が形成されていることから、妊婦帯本体が上方にずり上がることがない等、確実にフィットできると共に、妊婦の腹部だけでなく腰部や臀部の保護および保温を同時に行うことができる。
なお、第1ベルト部材521と第2ベルト部材522には、それぞれ図3に示す曲面形状部分400をさらに形成するようにしても構わない。
また、腹部の中央領域や両脇等において、ベルト部材の内面(肌当接面)側に一方の面ファスナ等を形成し、妊婦帯本体612の対応する外面に他方の面ファスナ等を形成することで、着用状態で各ベルト部材521,522が位置ずれしないよう構成しても良い。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のベルト付き妊婦帯の実施形態が装着された状態を示す前側から見た斜視図。
【図2】図1のベルト付き妊婦帯を装着した状態を示す側面から見た図。
【図3】ベルト付き妊婦帯の正面側から見た展開図。
【図4】ベルト付き妊婦帯の背面側から見た展開図。
【図5】本発明のベルト付き妊婦帯の別の実施形態を示す背面側から見た斜視図。
【符号の説明】
【0046】
10・・・ベルト付き妊婦帯、12・・・妊婦帯本体、14・・・腰支え部、21・・・第1ベルト部材、22・・・第2ベルト部材、81・・・第1ベルト部材の一方の端部、82・・・第1ベルト部材の他方の端部、91・・・第2ベルト部材の一方の端部、92・・・第2ベルト部材の他方の端部、100・・・補強部、150・・・ボーン、300・・・面テープの一方の部材、301・・・面テープの他方の部材
【出願人】 【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1
【出願日】 平成16年9月29日(2004.9.29)
【代理人】 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎

【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全

【公開番号】 特開2005−207001(P2005−207001A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−284404(P2004−284404)