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【発明の名称】 授乳用ブラジャー
【発明者】 【氏名】筒井 克志
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内

【氏名】千歳 わかば
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内

【要約】 【課題】授乳期の産婦が母乳の漏れを防ぐために使用する母乳パッドを確実に保持することができ、1つのカップ部を開いて乳房を露出して授乳している最中に、逆側の乳房を別のカップ部により確実に覆うことにより、逆側の乳房から母乳が漏れ出ることを防ぐことができる授乳しやすい授乳用ブラジャーを提供する。

【解決手段】乳房に当接する左右のカップ部20,21と、両脇部23と、両脇部23と一体化された肩紐部24,25を有し、装着した状態で左右のカップ部20,21が乳房を露出可能に構成されて、左右のカップ部20,21の内面には、母乳パッド150を保持するための母乳パッドの保持部100,101が形成されており、母乳パッドの保持部100,101は、左右のカップ部20,21の内面部81と、下端が左右のカップ部20,21の内面部に固定されており、上端が自由端とされて、中央部が下方に突出した湾曲状のポケット部200,201と、により構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房に当接する左右のカップ部と、
前記左右のカップ部からそれぞれ側方に延伸された両脇部と、
前記左右のカップ部から上方に延伸されて、背面において前記両脇部と一体化された肩紐部と、を有する授乳用ブラジャーであって、
装着した状態で前記左右のカップ部が前記乳房を露出可能に構成されて、
前記左右のカップ部の内面には、母乳パッドを保持するための母乳パッドの保持部が形成されており、
前記母乳パッドの保持部は、
前記左右のカップ部の内面部と、
下端が前記左右のカップ部の内面部に固定されており、上端が自由端とされて、中央部が下方に突出した湾曲状のポケット部と、
により構成されていることを特徴とする授乳用ブラジャー。
【請求項2】
少なくとも前記湾曲状のポケット部は、吸収性を有していることを特徴とする請求項1に記載の授乳用ブラジャー。
【請求項3】
前記湾曲状のポケット部の両端部は、前記湾曲状のポケット部の中央部から徐々に高さが低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の授乳用ブラジャー。
【請求項4】
前記湾曲状のポケット部は、前記装着状態において外方に位置する外方部と、前記装着状態において内方に位置する内方部とを有しており、前記外方部が、前記内方部に比べて高い位置まで延伸されていることを特徴とする請求項1に記載の授乳用ブラジャー。
【請求項5】
前記左右のカップ部は、それぞれカップ部本体を有し、前記カップ部本体の内側に前記カップ部の内面層が配置されることで空間が形成されており、前記空間には立体パッドが着脱可能に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の授乳用ブラジャー。
【請求項6】
前記左右のカップ部と前記両脇部および前記肩紐部が一体化されており、
前記左右のカップ部の中間領域が開閉手段によって開閉可能とされ、
前記左右のカップ部の中間領域における内側には、下縁側に沿って保持ベルト部が形成されており、
前記保持ベルト部は、
弾性を有して、それぞれ一方の端部が左右の前記カップ部の中間領域の近傍にそれぞれ固定されている一方のベルト本体と他方のベルト本体と、
前記一方のベルト本体と他方のベルト本体のそれぞれ他方の端部に設けられて、各前記他方の端部を着脱可能にする係止部と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の授乳用ブラジャー。
【請求項7】
前記左右のカップ部の中間領域が開閉手段によって開閉可能とされ、
前記左右のカップ部の中間領域における内側には、下縁側に沿って保持ベルト部が形成されており、
前記左右のカップ部の中間領域の上方には、それぞれ一方の着脱部が設けられており、前記左右のカップ部または前記両脇部の下縁側には、前記一方の着脱部に着脱可能な他方の着脱部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の授乳用ブラジャー。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、授乳期の産婦の母乳が漏れることを防ぐための母乳パッドを確実に保持し、衣服等の外部に漏れ出すことを防ぐことや、授乳時において露出していない乳房から母乳が漏れ出ること等を確実に防ぎ、授乳しやすい授乳用ブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
授乳期の産婦は、母乳の漏れを防ぐために母乳パッドを仮止めテープなどによりブラジャーの内側に接着するようにして使用している。
しかし、このように母乳パッドをブラジャーの内側に仮止めテープにより接着しても、産婦の動きや産婦の姿勢によってブラジャーの中で母乳パッドが正しい位置からずれてしまうことが生じる。
また産婦が、授乳するためにブラジャーを開いて、授乳のために一方のカップ部から乳房を露出する際に、逆側のカップ部も開いてしまう。このために、授乳中に逆側の乳房の乳首部から逆側のカップ部がはずれてしまうことに伴って母乳パッドがはずれてしまい、逆側の乳房から母乳が漏れ出してしまうことがあった。
このような母乳パッドを取り付けるブラジャーの構造が、幾つか提案されている(たとえば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3006387号公報(第2頁、第2図)
【特許文献2】実公平3−3525号公報(第1頁ないし第2頁、第2図)
【特許文献3】実開昭60−132736号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の母乳パッドを取り付けるブラジャーの構造では、母乳パッドは左右のカップ部の内側に確実に保持することができなかった。
すなわち、特許文献1では、母乳漏れ防止パッドが保持用のゴムひもによりブラジャーのカップ部の内面側に保持されているだけである。このために、授乳期の産婦の動作や姿勢によっては、母乳パッドがブラジャーの内部で正しい位置から簡単にずれてしまう。さらに、漏れ出た母乳はそのまま外部となる衣服等に漏れ出してしまう。
また特許文献2や特許文献3では、母乳パッドがブラジャーのカップ部の内部にある単純な形状のポケットに挟まっているだけであるので、母乳パッドがブラジャーの内部で正しい位置から簡単にずれてしまう。
このように、授乳期の産婦が母乳の漏れを防ぐため使用している母乳パッドは、産婦の動作や姿勢によりずれてしまい、結果的に衣服等に漏れ出してしまう恐れがある。
【0005】
また特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、ブラジャーの左右のカップ部は、互いにファスナーにより単純に止める構造である。従って、産婦が授乳をしようとする場合に、一方のカップ部を開いて乳房を露出させた状態では、逆側の乳房のカップ部も当然に開いてしまい、逆側の乳房が露出してしまう。その結果、逆側の乳房には母乳パッドが当たっておらず、逆側の乳房から母乳が漏れ出ることが生じてしまう。なお、特許文献3においても、一方のカップ部をめくるように開いた際に、他方のカップ部も同時に開いてしまう恐れがある。
【0006】
そこで本発明は上記課題を解消し、授乳期の産婦が母乳の漏れを防ぐために使用する母乳パッドを確実に保持して、外部に母乳が漏れ出すことを防止することができ、1つのカップ部を開いて乳房を露出して授乳している最中に、逆側の乳房を別のカップ部により確実に覆うことにより、逆側の乳房から母乳が漏れ出ることを防ぐことができる授乳用ブラジャーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、第1の発明によれば、乳房に当接する左右のカップ部と、前記左右のカップ部からそれぞれ側方に延伸された両脇部と、前記左右のカップ部から上方に延伸されて、背面において前記両脇部と一体化された肩紐部と、を有する授乳用ブラジャーであって、装着した状態で前記左右のカップ部が前記乳房を露出可能に構成されて、前記左右のカップ部の内面には、母乳パッドを保持するための母乳パッドの保持部が形成されており、前記母乳パッドの保持部は、前記左右のカップ部の内面部と、下端が前記左右のカップ部の内面部に固定されており、上端が自由端とされて、中央部が下方に突出した湾曲状のポケット部と、により構成されていることを特徴とする授乳用ブラジャーにより、達成される。
【0008】
第1の発明の構成によれば、授乳用ブラジャーを装着した状態では、左右のカップ部は乳房を露出可能となっている。左右のカップ部の内面には、母乳パッドを保持するための母乳パッドの保持部が形成されている。この母乳パッドの保持部は、左右のカップ部の内面部と湾曲状のポケット部を有している。
湾曲状のポケット部の下端が左右のカップ部の内面側に固定されている。湾曲状のポケット部の上端が自由端とされていて、湾曲状のポケット部の中央部が下方に突出した形状になっている。
【0009】
これにより、母乳パッドの保持部の湾曲状のポケット部は、母乳パッドの周縁部である下縁や側縁を確実に覆うように保持して、左右のカップ部の内面部にそれぞれ位置させることができる。このように湾曲状のポケット部は母乳パッドの周縁部を確実に保持することから、母乳パッドの吸収体の部分が湾曲状のポケット部に重ならないようにすることができる。このことから、母乳パッドの吸収体の部分が乳首部から漏れ出た母乳を吸収することを湾曲状のポケット部は妨げない。
また、湾曲したポケット部は、母乳パッドの最も漏れやすい下縁から側縁にかけて母乳パッドを覆うことができる。このことから、母乳が母乳パッドに十分吸収しきれない場合であっても、母乳パッドから漏れ出る母乳は湾曲状のポケット部の存在により止められるので、母乳が衣服に染み出ることを防げる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明の構成において、少なくとも前記湾曲状のポケット部は、吸収性を有していることを特徴とする。
第2の発明の構成では、少なくとも湾曲状のポケット部は吸収性を有している。
これにより、母乳パッドの下縁から側縁にかけて母乳が漏れ出した場合でも、湾曲状のポケット部は、母乳パッドの下縁から側縁にかけて覆って保持しているので、母乳パッドから漏れ出した母乳を吸収性を有する湾曲したポケット部により吸収することができる。このため、母乳パッドから漏れ出した母乳が衣服に染み出ることをより確実に防ぐことができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明の構成において、前記湾曲状のポケット部の両端部は、前記湾曲状のポケット部の中央部から徐々に高さが低くなるように形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、湾曲状のポケット部の両端部は、湾曲状のポケット部の中央部から徐々に高さが低くなるように形成されている。
これにより、母乳パッドは、湾曲状のポケット部に対して装着が容易になる。しかも、湾曲状のポケット部の両端部が肌にあたることによる刺激に伴う違和感を減少することができる。
【0012】
第4の発明は、第1の発明の構成において、前記湾曲状のポケット部は、前記装着状態において外方に位置する外方部と、前記装着状態において内方に位置する内方部とを有しており、前記外方部が、前記内方部に比べて高い位置まで延伸されていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、湾曲状のポケット部は、外方部と内方部を有している。外方部は、装着状態において外方に位置し、内方部は、装着状態において内方に位置する。この外方部が、内方部に比べて高い位置まで延伸されている。
これにより、湾曲状のポケット部が母乳パッドを保持する保持領域を広くとることができるだけではなく、寝た姿勢で授乳する等、横向きに寝ることの多い産婦にとって、下側になる外方部からの母乳の漏れをさらに確実に防ぐことができる。
【0013】
第5の発明は、第1の発明の構成において、前記左右のカップ部は、それぞれカップ部本体を有し、前記カップ部本体の内側に前記カップ部の内面層が配置されることで空間が形成されており、前記空間には立体パッドが着脱可能に挿入されていることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、左右のカップ部は、それぞれカップ部本体を有している。カップ部本体の内側には内面層が配置されることにより空間が形成されている。この空間には、立体パッドが着脱可能に挿入されている。
これにより、立体パッドによって、乳房の保護を行うと共に、乳房の形状を美しく見せるだけでなく、乳房の形状に近い形状になるように左右のカップ部の形状を保つことができる。つまり、この立体パッドの存在により、ドーム状になるよう設計された母乳パッドについて、乳房の形状にフィットする形状を維持させることができ、母乳パッドの母乳吸収機能を確実に発揮させることができる。また、立体パッドを着脱可能にすることによって、リラックスしたい就寝時等には立体パッドを外した状態にする等、状況に応じて選択した使用が可能となる。
【0014】
第6の発明は、第1の発明の構成において、前記左右のカップ部と前記両脇部および前記肩紐部が一体化されており、前記左右のカップ部の中間領域が開閉手段によって開閉可能とされ、前記左右のカップ部の中間領域における内側には、下縁に沿って保持ベルト部が形成されており、前記保持ベルト部は、弾性を有して、それぞれ一方の端部が左右の前記カップ部の中間領域の近傍にそれぞれ固定されている一方のベルト本体と他方のベルト本体と、前記一方のベルト本体と他方のベルト本体のそれぞれ他方の端部に設けられて、各前記他方の端部を着脱可能にする係止部と、で構成されていることを特徴とする。
【0015】
第6の発明の構成によれば、左右のカップ部と両脇部および肩紐部が一体化されている。左右のカップ部の中間領域は、開閉手段により開閉可能である。左右のカップ部の中間領域内側には、下縁に沿って保持ベルト部が形成されている。この保持ベルト部は、一方のベルト本体と他方のベルト本体と係止部で構成されている。
一方のベルト本体と他方のベルト本体は、弾性を有しており、一方のベルト本体とベルト本体の各一方の端部がそれぞれ左右のカップ部の中間領域の近傍に固定されている。係止部は、一方のベルト本体と他方のベルト本体のそれぞれの他方の端部に設けられていて、一方の端部と他方の端部を着脱可能にする。
これにより、カップ部と両脇部および肩紐部が一体化されており、授乳用ブラジャーはたとえばハーフトップ状の形態を得ることができる。このため授乳用ブラジャーは、フィット性が高く、背中全体から乳房を支えることができるため、着用者である産婦が疲れにくい。
【0016】
また、左右のカップ部の中間領域を開閉手段によって開いた際に、保持ベルト部が左右のカップ部を連結している。したがって、一方のカップ部を開いて乳房を露出させることにより産婦が授乳を行っている時に、逆側のカップ部が開くことはない。このため逆側のカップ部は逆側の乳房を確実に覆うことができる。従って、授乳中であっても逆側のカップ部は逆側の乳房を覆っており、逆側の乳房から母乳が漏れ出ることが無くなる。
左右のカップ部は、保持ベルト部の一方のベルト本体と他方のベルト本体の他方の端部同士を係止部により連結することにより、一方のベルト本体と他方のベルト本体の弾性力を利用して左右にバランスよく保持することができるだけでなく、中央に係止部があることで係止部の開閉操作も行いやすい。
【0017】
第7の発明は、第1の発明の構成において、前記左右のカップ部の中間領域が開閉手段によって開閉可能とされ、前記左右のカップ部の中間領域における内側には、下縁側に沿って保持ベルト部が形成されており、前記左右のカップ部の中間領域の上方には、それぞれ一方の着脱部が設けられており、前記左右のカップ部または前記両脇部の下縁側には、前記一方の着脱部に着脱可能な他方の着脱部が設けられていることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、左右のカップ部の中間領域が開閉可能とされて、中間領域の内側には下縁部に沿って保持ベルト部が形成されている。左右のカップ部の中間領域の上方には、一方の着脱部が設けられている。左右のカップ部の下縁側または両脇部の下縁側には、一方の着脱部に着脱可能な他方の着脱部が設けられている。
これにより、産婦が授乳を行う際に、たとえば中央領域を開いて一方のカップ部を開いて乳房を露出させた状態で授乳している時に、一方のカップ部は一方の着脱部と他方の着脱部により確実に開いた状態を維持することができる。授乳中にこの開いた一方のカップ部が動かないので、授乳の妨げになることが無くなる。
このようなことは、他方のカップ部を開いて乳房を露出させて授乳する時であっても同様に他方のカップ部は一方の着脱部と他方の着脱部により確実に開いた状態を維持できる。そして、保持ベルト部によって、開かれたカップ部とは逆側のカップ部が開いてしまい、乳房が露出してしまうことが防がれる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、授乳期の産婦が母乳の漏れを防ぐために使用する母乳パッドを確実に保持して、母乳が外部に漏れ出すことを防止することができ、1つのカップ部を開いて乳房を露出して授乳している最中に、逆側の乳房を別のカップ部により確実に覆うことにより、逆側の乳房から母乳が漏れ出ることを防ぐことができて、授乳しやすい授乳用ブラジャーとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0020】
第1の実施形態
図1と図2は、本発明の授乳用ブラジャーの好ましい第1の実施形態を示している。
図1は、授乳用ブラジャー10の正面側から見ており、使用者Mに装着した状態の例を示す斜視図である。
図2は、図1の授乳用ブラジャー10を展開して授乳用ブラジャーの内面側を示した図である。使用者Mは授乳期の産婦である。
図1と図2において、授乳用ブラジャー10は、使用者Mの左右の乳房を覆って保持し、しかも母乳の漏れを防ぐための母乳パッド150を確実に保持する母乳パッドの保持部100,101を有しているものである。
【0021】
本発明における授乳用ブラジャーは、図1と図2に示すような前側の両カップ部中央領域で開閉可能とされて、他方の乳房を覆った状態を維持できるブラジャーに限らず、紐状の肩紐とされてカップ部の下側が固定され、上側を係止具から着脱することでカップ部のみが上下方向に開いて乳房を露出可能な紐状の肩紐タイプのブラジャーや、他方の乳房を覆う機能が無く、前側の両カップ部中央領域で開閉することで乳房を露出可能な所謂フロントホックやハーフトップタイプ、バストホルダー(乳帯)タイプ等のブラジャー、ストラップ(肩紐)を外しても使用可能なブラジャー、ブラジャーの下側に衣服部を延伸して形成したブラジャー機能を有するキャミソール等をも含むものである。いずれにしても、本発明の授乳用ブラジャーは、上述したような各種のブラジャーを含み、母乳パッドを確実に取り付けることができる機能を有している。
【0022】
図1に示すように授乳用ブラジャー10は、右側のカップ部20と左側のカップ部21と、後身頃に当たる両脇部23と、左右の肩紐部24,25が一体化されたものである。
右側のカップ部20と左側のカップ部21は、それぞれ対応する乳首を含む乳房を下側から支えるだけでなく、ブラジャー10を装着した状態で、それぞれの乳房を露出可能になっている。つまり右側のカップ部20と左側のカップ部21は、対応する右側の乳房と左側の乳房を覆うようにして保持する。
両脇部23は、右側のカップ部20と左側のカップ部21からそれぞれ側方に延伸して連続して形成されている部分である。肩紐部24,25は、右側のカップ部20と左側のカップ部21からそれぞれ上方Zに延伸されて、使用者Mの背面において、両脇部23に対して一体化されたものである。
【0023】
図1に示すように使用者Mが授乳用ブラジャー10を装着した状態では、右側のカップ部20は右側の乳房を露出することができ、左側のカップ部21は左側の乳房を露出することができる。
上述したように、右側のカップ部20と左側のカップ部21と、両脇部23および肩紐部24,25は、好ましくは一体化して形成されており、この授乳用ブラジャー10は、所謂ハーフトップ状の形状を有しており、感触がよく、吸湿性に優れた伸縮性を有するように、綿やポリエステル等の一面をパイル状として内面に配置している。これによって、授乳用ブラジャー10の肩紐部24,25は比較的幅広に形成されていて、しかも両脇部23の背面側が広く形成されていることにより背中部分において乳房を支える力が強まるようになっていることから、使用者Mが授乳用ブラジャー10を装着した状態であっても、乳房を全体的に支えることで使用者Mは疲れにくく構成されているものである。
図1に示す授乳用ブラジャー10は、開閉手段30と保持ベルト部60および左右の母乳パッドの保持部100,101を有している。
【0024】
まず開閉手段30について説明する。
この開閉手段30は、所謂複数のスナップボタン31,32,33を有している。この開閉手段30のスナップボタンの数は、図1に示す例では3つを示しているがこの数に限るものではなく、またスナップボタンだけでなく、通常のホックやボタン、面テープ等の係合手段を適宜選択することができる。
スナップボタン31,32,33は、右側のカップ部20と左側のカップ部21の中間領域34を着脱可能に開閉できるようになっている。スナップボタン31,32,33は同じ構造のものである。
【0025】
図1では、右側のカップ部20と左側のカップ部21は、その中間領域34において開閉手段30の各スナップボタン31ないし33により閉じた状態を示している。図2では、中間領域34は左右に開いた状態を示している。
図2に示すように、各スナップボタン31ないし33は、オス部材31A,32A,33Aとメス部材31B,32B,33Bを有している。対応するオス部材とメス部材を着脱可能に嵌めることにより、図1に示すように右側のカップ部20と左側のカップ部21は、中間領域34において連結することができる。
【0026】
次に、母乳パッドの保持部100,101の構造について、図1と図2および図3を参照しながら説明する。
図3は、図1における授乳用ブラジャー10の右側のカップ部20と左側のカップ部21のA−A線における断面構造例を示している。
図1に示す右側のカップ部20は、図3に示す右側の乳首11Aを含む乳房11を覆って保持する。図1に示す左側のカップ部21は、図3に示す乳首11Bを含む乳房12を覆って保持する。右側のカップ部20と左側のカップ部21の構造はほぼ同じであるので、図3において共通して図示している。
【0027】
右側のカップ部20と左側のカップ部21は、それぞれカップ本体80と、内面層81を有している。カップ本体80の上縁71は、縁取り部70を有している。縁取り部70は、身体へのフィット性を高める等のために、上側の外周に沿って、授乳用ブラジャー10に使用される生地よりも伸縮性を有する生地で形成されている。カップ本体80の下縁28,29の中には平ゴム状のアンダーゴム73が収容されている。このアンダーゴム73によりカップ本体80の下縁28,29を使用者Mのアンダーバスト付近に密着させて、授乳用ブラジャー10を確実に保持することができる。
【0028】
カップ本体80と内面層81の間には、空間83が設けられている。この空間83の中には、所謂立体パッド84が着脱可能に挿入されている。
この立体パッド84は、ポリウレタンやポリエステル等をモールド加工することで薄く立体的なドーム状に形成されたものであって、後述する各ポケット部と同等または僅かに大きなの外形寸法を有しており、右側のカップ部20と左側のカップ部21のそれぞれのカップ本体80の空間83内に配置されることによって、左右のカップ部20,21の形状が乳房の形状に近い形状になるように形成することができる。これによって、乳房を保護等できるだけでなく、たとえばドーム状とされている母乳パッド150も、より乳房の形状にフィットする形状となり、母乳パッド150の機能を確実に発揮させることができる。しかも立体パッド84を着脱可能としているため、使用シーンに合わせた状態を選択して使用することができる。
【0029】
図3に示すように内面層81のさらに内側には、母乳パッド150が着脱可能に保持されている。この母乳パッド150は、乳首11Aもしくは乳首11Bから漏れてくる母乳を吸収するための母乳吸収体の一例である。
図3では、母乳パッド150の形状例を示している。母乳パッド150は、母乳が漏れないように吸収できる能力があれば、特に材質に限定されず、紙製のものや布製のもの、紙製であっても弾性体等によって変形させたものや、加熱加工によって変形させたもの等、ドーム状に形成されたものを使用者が適宜選択して採用することができる。
図3の母乳パッド150は、その表面側には母乳を通さないたとえば樹脂フィルム151を有している。このフィルム151の表面には接着部153が設けられている。この接着部153は、図3に示すように内面層81に対して母乳パッド150を仮止めできる程度に接着する機能を有している。
図3に示すように母乳パッド150の樹脂フィルム151の内面側には、パルプやレーヨン、ポリプロピレン等の繊維と吸水ポリマー等によって構成された吸収体や、液体を透過する表面材等によって構成された母乳の吸収材155が形成されている。この吸収材155側が図3に示す乳首11A,11Bに接して、乳首から漏れる母乳を吸収するようになっている。
【0030】
樹脂フィルム151は、上縁156、下縁157および左右の側縁158,158を有している。これらの上縁156、下縁157、側縁158は、吸収材155の表面材と樹脂フィルム151が張り合わされた部分であり、吸収機能を有する吸収材155の吸収体が形成されていない部分である。
【0031】
次に、図1ないし図3を参照しながら、図1に示す母乳パッドの保持部100,101について説明する。
図1と図2の母乳パッドの保持部100,101は、図1における中間領域34を挟んで左右対称形状になっている。母乳パッドの保持部100は、右側のカップ部20の内面側に配置され、母乳パッドの保持部101は、左側のカップ部21の内面側に配置されている。
この母乳パッドの保持部100は、右側のカップ部20の図3に示す内面層(内面部の一例)81と、湾曲状のポケット部200とにより構成されている。同様にして、もう1つの母乳パッドの保持部101は、左側のカップ部21の図3に示す内面層(内面部の一例)81と、湾曲状のポケット部201とにより構成されている。
【0032】
図2の例では、母乳パッド150の下縁157と左右の側縁158,158が、湾曲状のポケット部200あるいは湾曲状のポケット部201に対して挿入して保持されている。
湾曲状のポケット部200,201の断面構造は、図3に示しており、湾曲状のポケット部200,201は、内部にポケット芯地210を有している。ポケット芯地210はスポンジ状の材料で形成されており、確実に母乳パッド150を抑えるためのコシを持ちつつ、湿気感を感じさせず、洗濯時等に乾きやすいよう保水性のない通気性のよい材料とされている。湾曲状のポケット部200と湾曲状のポケット部201は、その上端215が自由端とされており、下端216がカップ部20の内面層81に対してもしくはカップ部21の内面層81に対して固定されている。
【0033】
図2に示すように、授乳用ブラジャー10の中心軸CLを中心として右側のポケット部200と左側のポケット部201は左右対称形状を有している。右側のポケット部200と左側のポケット部201は、湾曲状もしくはほぼU字型形状を有している。
この湾曲状のポケット部200,201は、外方部250と内方部251を有している。この外方部250は、授乳用ブラジャー10を装着した状態において、外方に位置する部分であり、内方部251は、授乳用ブラジャー10を装着した状態において内方に位置する部分である。つまり、外方部250は両脇部23側に位置し、内方部251は中間領域34側に位置している。
この湾曲状のポケット部200,201は、外方部250の高さDが内方部251の高さdに比べて大きく設定されるのが好ましい。この高さDは、外方部250の先端から中央部252の底部までの高さである。高さdは、内方部251の先端から中央部252の底部までの高さである。内方部250と外方部251は、ポケット部の両端部である。
【0034】
このように、外方部250が、内方部251に比べて高い位置までZ方向に向けて延伸されているので、湾曲状のポケット部200,201が母乳パッド150を保持するための保持領域を広くとることができるだけではなく、寝た姿勢で授乳を行うなど横向きに寝ることが多い産婦である使用者Mが横向きに寝た際に、下側になる外方部251からの母乳の漏れをさらに確実に防ぐことができる。
【0035】
また図2に示す湾曲状のポケット部200,201の外方部250と内方部251、すなわち両端部は、湾曲状のポケット部200,201の中央部252から徐々に高さが低くなるような三日月状の先細り形状になっている。この高さとは、図3に示す上端215から下端216の間の長さである。
これにより、母乳パッド150は、湾曲状のポケット部200,201に対して装着が容易になる。しかも、湾曲状のポケット部200,201の両端部である内方部251と外方部250が肌にあたることによる違和感を低減することができる。
【0036】
上述したような湾曲状のポケット部200,201に対しては、図2に示すようにそれぞれ母乳パッド150が着脱可能に矢印S方向に沿って挿入して保持させることができる。
具体的には、湾曲状のポケット部200,201に対しては、たとえば母乳パッド150の下縁157と左右の側縁158,158を挿入するようにして位置させる。この状態では、母乳パッド150の吸収材155は、直接湾曲状のポケット部200には覆われないように配置されることが好ましく、ポケット部200,201が湾曲状とされていることで、吸収材155を迂回して、母乳パッド150の周縁部で保持するよう構成されている。
【0037】
少なくとも湾曲状のポケット部200,201は、母乳を吸収することができる吸収性を有している。少なくとも湾曲状のポケット部200,201は、母乳を吸収することができるよう、たとえば表側にパイル編みされた生地が使用されている。そして湾曲状のポケット部200,201を含む授乳用ブラジャー10の材質としては、パイル状の生地で作ることができ、伸縮性を有している。
なお、ポケット部200,201と授乳用ブラジャー10の材質としては、綿、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン、シルク、テンセル、などの繊維を単一もしくは2種類以上を編みたてしたパイル地、ジャガード、天竺、フライス等を採用できる。
【0038】
次に、図4を参照しながら、図1に示す保持ベルト部60について説明する。
図4に示す保持ベルト部60は、一方のベルト本体300と他方のベルト本体301と、係止部303とで構成されている。
一方のベルト本体300と他方のベルト本体301は、ともに弾性を有する材料により作られている平ゴム状の部材であり、違和感を低減し、アンダーゴム73による保持に影響を与えないよう、アンダーゴム73よりも僅かに細く、張力(引張時に引き戻す力)も弱い平ゴム状の弾性体が採用されている。図2では、一方のベルト本体300と他方のベルト本体301とオス部材304およびメス部材305を示している。
【0039】
図4に示す保持ベルト部60は、右側のカップ部20の下縁28と左側のカップ部21の下縁29に沿って形成されている。
一方のベルト本体300の一方の端部321は、図2と図4(A)に示すように下縁28の中間領域の近傍であって、カップ部20の下側に位置するように固定されている。他方のベルト本体301の一方の端部331は、図2と図4(A)に示すように下縁29の中間領域の近傍であって、カップ部21の下側に位置するように固定されている。
係止部303は、図4(A)に示すようにオス部材304とメス部材305により構成されている。一方のベルト本体300の他方の端部322にはオス部材304が固定されている。他方のベルト本体301の他方の端部332にはメス部材305が固定されている。オス部材304とメス部材305はそれぞれたとえば成形品により作られている。オス部材304の突部306が、図4(A)の矢印E方向にメス部材305の穴部307に嵌まり込むことにより、図4(A)の離れた状態から図4(B)の連結状態を構成することができる。
なお、係止部303はこの他にも、スナップボタン等のボタンや各種ホック、面テープ等によって構成できる。しかし、面テープやスナップボタン等のように取り外し方向がベルト本体300,301の引っ張り方向と同一のものでは、授乳中に係止が外れてしまう恐れがあるため、突部306が形成されているように、係止部303は取り外し方向がベルト本体300,301の引っ張り方向と異なる方向のものとされることが好ましい。
【0040】
図4(B)に示す状態は、図1における表面側から見た図であるが、図4(C)は、図4(B)における矢印Fから見た裏面側を示している。つまり図4(C)の状態では、使用者の肌面が一方のベルト本体300の他方の端部322の被覆部323側にあり、この被覆部323がオス部材304を被覆している。このことから、オス部材304が使用者の肌面に直接触れないように被覆部323を介在させることができる。メス部材305は、他方のベルト本体301側の他方の端部332の折り返し部分333により被覆されている。これによって、係止部303のオス部材304とメス部材305は、使用者の肌面には直接触れないようにすることができ、授乳用ブラジャーを装着した場合に快適性が増す。
【0041】
図4に示す保持ベルト部60は、次のような機能を有している。
図1と図2に示す開閉手段30の各スナップボタン31ないし33を外して、右側のカップ部20と左側のカップ部21の連結を中間領域34において外した時に、右側のカップ部20の下縁28と左側のカップ部21の下縁29が保持ベルト部60により連結されている状態を維持できる。
これによって、一方のベルト本体300と他方のベルト本体301の他方の端部322,332同士を係止部303で連結することにより、図1の中間領域34を開放した状態であっても、授乳用ブラジャー10の左右のカップ部20,21を保持することができる。
しかも、各ベルト本体300,301の略中央部に係止部303が形成されているため、左右においてバランス良く保持でき、しかも、授乳用ブラジャー10を着脱する際に、係止部303を操作しやすい。
なお、図1に示す保持ベルト部60の全長の例としては、130mmである。
【0042】
次に、上述した授乳用ブラジャー10の使用形態について説明する。
図2に示すような授乳用ブラジャー10の展開した状態から、図1に示すように使用者Mが授乳用ブラジャー10を装着する。この場合には、図1に示す保持ベルト部60により右側のカップ部20と左側のカップ部21は着脱可能に連結するとともに、開閉手段30のスナップボタン31ないし33を用いて、右側のカップ部20と左側のカップ部21の中間領域34を着脱可能に止める。
【0043】
図4に示す保持ベルト部60は、既に述べたように一方のベルト本体300のオス部材304に対して他方のベルト本体301のメス部材305を引っ掛けることにより、図4(B)と図4(C)に示すように連結状態を形成することができる。
この連結状態では、係止部303のオス部材304とメス部材305の内面側は、被覆部323と被覆部333により被覆されていることから、係止部303が使用者の肌面に直接触れることが無いので、保持ベルトの係止部303があっても不快感が生じない。
【0044】
図1と図2に示すように、右側のカップ部20の母乳パッドの保持部100には母乳パッド150が挿入して保持されている。同様にして左側のカップ部21の母乳パッドの保持部101には別の母乳パッド150が挿入して保持されている。
図2に示すように母乳パッド150の吸収材155側が乳房11,12側にくるようにし、母乳パッド150のたとえば下縁157と両側の側縁158,158が、湾曲状のポケット部200あるいは湾曲状のポケット部201の中央部252と外方部250および内方部251に挿入されて確実に保持することができる。
この場合に、外方部250と内方部251は先端にいくに従って先細りになっていることから、母乳パッド150は外方部250と内方部251側から中央部252に向けて容易に装着することができる。
【0045】
また、外方部250と内方部251が先細りになっていることから、使用者Mの肌に当たることによる違和感の減少を図ることができる。湾曲状のポケット部200の外方部250、内方部251、中央部252は、好ましくは母乳パッド150の吸収材155の領域を避けた周縁部である下縁157と両方の側縁158,158を保持している。
このことから、ポケット部200が妨げることなく、確実に母乳が母乳パッド150の吸収材155に吸収される。仮に吸収材155が吸収しきれなくなった母乳があふれて湾曲状のポケット部200側に母乳が伝わってきたとしても、湾曲状のポケット部200は母乳を吸収できる吸収性材料により作られているので、漏れてきた母乳が衣服側に染み出すことを防ぐことができる。
このように、母乳パッド150を確実に保持しつつ、母乳パッド150の吸収材155における吸収体の領域と湾曲状のポケット部200,201を可能な限り重ならずにすることができ、湾曲状のポケット部200,201の存在によって、母乳パッド150の吸収体の部分が母乳を吸収する際の吸収機能を妨げることが無い。そして吸水機能を有する湾曲状のポケット部200,201は、もっとも漏れ出しやすい母乳パッド150の下縁157から側縁158にかけて覆うことができることから、母乳パッド150からの母乳の漏れ出しをも湾曲状のポケット部200,201により防ぐことができる。
【0046】
次に、図5は、使用者Mが授乳をさせる様子を示している。この場合には、開閉手段30のスナップボタン31,32,33の連結を解除することにより、たとえば左側のカップ部21を手を用いてR方向に開くことにより、乳房12の乳首12Aを露出させることができる。
この状態では、保持ベルト部60が、右側のカップ部20の下縁28と左側のカップ部21の下縁29を連結したままの状態になっている。この保持ベルト部60は開閉手段30が連結した状態では、好ましくは保持ベルト部60は使用者Mの体に締め付けるものではなく張力がゼロの状態を維持している。
【0047】
このように保持ベルト部60が右側のカップ部20の下縁28と左側のカップ部21の下縁29の連結状態を維持しているので、左側のカップ部21をR方向に開いて授乳させている途中であっても、右側のカップ部20は右側の乳房11を覆ったままの状態を保持することができる。このことから、右側のカップ部20内の母乳パッド150は位置ずれすることなく、しかも母乳パッド150は乳房11の乳首11Aから離れないので、右側の乳房11からの母乳の漏れを確実に防ぐことができる。
このような授乳の形態は、図5に示すように左側のカップ部21を開くのとは反対に、右側のカップ部20を開く場合であっても同様に左側のカップ部21は乳房12を覆う状態を保持することから、乳首12Aから漏れてくる母乳は左側のカップ部21の母乳パッド150により吸収することができるとともに、左側のカップ部21の母乳パッド150の位置ずれを確実に防ぐことができる。
【0048】
図6は、一例として左側のカップ部21の湾曲状のポケット部201に対して、使用者Mが手で母乳パッド150を装着している例を示している。図2に示すように、湾曲状のポケット部200,201は、外方部250が内方部251に比べて位置が高く設定されており、さらに両端部が先細り形状とされているため、図6に示すように授乳用ブラジャー10を着用した状態でも母乳パッド150を適正な位置に装着しやすい。なお、授乳用ブラジャー10の着用前の場合には図2に示す展開状態で各ポケット部200,201に母乳パッド150を装着した後に授乳用ブラジャー10を着用してもよい。
【0049】
第2の実施形態
図7ないし図9は、本発明の授乳用ブラジャーの第2の実施形態を示している。
本発明の第2の実施形態の授乳用ブラジャー10は、基本的には図1に示す授乳用ブラジャー10と構造が同じである。そこで、図7に示す授乳用ブラジャー10の構成要素が、図1に示す授乳用ブラジャー10の構成要素と同じである場合には、同じ符号を記してその説明を用いる。
【0050】
図7ないし図9に示す授乳用ブラジャー10が、図1に示す授乳用ブラジャー10と異なるのは次の点である。
図7に示す授乳用ブラジャー10の湾曲状のポケット部400,401の形状と、保持ベルト部360の形状が異なる。そして図7に示す授乳用ブラジャー10は、さらに脱着手段600を有している。
【0051】
まず、図7〜図9に示す湾曲状のポケット部400,401は、図1の湾曲状のポケット部200,201とは異なり、湾曲状のポケット部の形状ではあるが、外方部450と内方部451は中央部452から徐々に高さが低くなるように形成されてはおらず、その高さはほぼ外方部450、内方部451および中央部452に関わらずほぼ同じに設定されている。つまりポケット部の全長にわたって、上端から下端までの長さ(高さ)がほぼ同じである。
図9に示すように、保持ベルト部360は、ベルト本体361とスナップボタンのメス部材362を有している。ベルト本体361の一方の端部363は、右側のカップ部20の下縁28の下側に固定されている。スナップボタンのメス部材362はベルト本体361の自由端である他方の端部364に設けられている。
メス部材362は、図8に示す下縁29の内面側のスナップボタンのオス部材369に対して着脱可能に連結されている。ベルト本体361は、弾性を有している。このように構成されることで、第1の実施の形態における保持ベルト部60と同様に、一方のカップ部を開いた際に、他方のカップ部が開かれることを防ぐことができる。
【0052】
図7に示す脱着手段600は、図8と図9にも示しており、オス部材700、メス部材701、オス部材31A、メス部材703により構成されている。
右側のカップ部20の脱着手段であるメス部材701は、右側のカップ部20の中間領域34における上側に位置している。オス部材700は右側のカップ部20の下縁28の表面側に設けられており、左側のカップ部21の脱着手段であるオス部材31Aは、開閉手段30の上側となるオス部材31Aをそのまま使用することができ、メス部材703は左側のカップ部21の下縁29の表面側に設けられている。
メス部材701は、一方の着脱部であり、オス部材700は他方の着脱部である。
オス部材31Aは、一方の着脱部であり、メス部材703は他方の着脱部である。
【0053】
図7に示すメス部材701は、ベルト790の一端部に設けられており、ベルト790の他端部は右側のカップ部20の中間領域34における上方内側に固定されている。
たとえば一方の着脱部であるメス部材701を、保持用オス部材701aから取り外し、図7か図8に示すようにK方向に手で開くことにより、図8に示すように右側の乳房11を露出させることができ、一方の着脱部であるメス部材701は、他方の着脱部であるオス部材700に対して着脱可能に連結する。
これによって、右側のカップ部20が開いた状態を保持することができる。この場合には図9に示すように左側のカップ部21は、左側の乳房12を覆った状態で保持している。このために、左側のカップ部21内の母乳パッド150の位置ずれが生じることなく、左側の乳房12からの母乳の漏れを母乳パッド150により確実に防ぐことができる。
このようにできるのは、保持ベルト部360が、右側のカップ部20の下縁28と左側のカップ部21の下縁29を連結しているからである。
【0054】
逆に、図7において一方の着脱部であるオス部材31AをR方向に開くことにより、オス部材31Aは、他方の着脱部であるメス部材307に対して着脱可能に連結する。これによって、左側の乳房12は、露出した状態を保持することができる一方で、右側のカップ部20は右側の乳房11を覆って母乳パッド150のずれを防止し、右側の乳房11からの母乳の漏れを母乳パッド150により確実に防ぐことができる。
【0055】
以上のようにして、右側のカップ部20あるいは左側のカップ部21を一方の着脱部と他方の着脱部の連結により開いた状態を固定することができるので、授乳中に開いたカップ部が移動して授乳の妨げになることが無くなるため、片手で開いたカップ部を抑えながら授乳する必要がなく、しっかり乳児を抱いた状態で授乳することができる。
ここでは脱着手段600はスナップボタンのオス部材とメス部材によるものを示したが、この他にも通常のホックやボタン、面テープ等の係合手段を適宜選定できる。
なお、第1の実施形態の構成要素と、第2の実施形態の構成要素を組み合わせて使用することも勿論可能である。
【0056】
本発明の授乳用ブラジャーを用いることにより、母乳の漏れの要因である母乳パッドのずれを防ぐことができる。つまり、使用者が日常の動作をしたり或いは授乳中においても或いは就寝時においても、授乳用ブラジャー内の母乳パッドのずれを確実に防ぐことができる。
これによって、乳房から漏れ出す母乳が母乳パッドにより確実に吸収できる。
母乳パッドで吸収された母乳が母乳パッドの保持部側に漏れたとしても、母乳パッドの保持部は母乳の吸収性を有しているので、母乳が衣服に染み出すことを防ぐことができる。
授乳中においては、1つの乳房を露出させた状態であっても、もう1つの乳房はカップ部により確実に覆っておけるので、もう1つの乳房からの母乳の漏れを母乳パッドにより防ぐことができる。
しかも、授乳中に一方のカップ部を開いた際に、開いた状態で固定することができる。
【0057】
本発明の授乳用ブラジャーは、所謂バストホルダー或いはハーフトップなどと呼ばれている種類であっても含むものである。
湾曲状のポケット部の形状は、上端が自由端であり下端がカップ部の内面側に固定されていて、中央部の下方に突出している形状であれば、図示例に限るものではない。
たとえば図7においては、オス部材700が右側のカップ部20の下縁28に設けられ、オス部材703が左側のカップ部21の下縁29に設けられている。しかし、これに限らず、オス部材700は両脇部の下縁に設けてもよく、オス部材703は両脇部の下縁に設けてもよい。
第1の実施形態と第2の実施形態に用いられているオス部材とメス部材はその設定位置を反対にしてもよい。
母乳パッドの形状は図示例のものに限らず、他の形状のものを採用してもよい。
【0058】
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の授乳用ブラジャーの好ましい第1の実施形態を示しており、授乳用ブラジャーを使用者が着用している状態を示す斜視図。
【図2】図1の授乳用ブラジャーの開閉手段の連結を解除して展開した状態を示す図。
【図3】図1の授乳用ブラジャーのA−A線における断面形状の例の図。
【図4】保持ベルト部の形状例を示す斜視図。
【図5】左側のカップ部を開いて乳房を露出することにより授乳を行う様子を示す図。
【図6】左側のカップ部を開いて内側に母乳パッドを挿入して保持する例を示す図。
【図7】本発明の授乳用ブラジャーの第2の実施形態を示す正面図。
【図8】片方のカップ部を開いてその開いた状態を固定して、乳房を露出して授乳しようとする状態を示す図。
【図9】もう片方のカップ部を開いてその開いた状態を固定し、もう片方の乳房を露出して授乳しようとする状態を示す図。
【符号の説明】
【0060】
10・・・授乳用ブラジャー、20・・・右側のカップ部、21・・・左側のカップ部、23・・・両脇部、24,25・・・肩紐部、30・・・開閉手段、60・・・保持ベルト部、81・・・内面層(内面部の一例)、100,101・・・母乳パッドの保持部、150・・・母乳パッド、200,201・・・湾曲状のポケット部
【出願人】 【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1
【出願日】 平成15年12月1日(2003.12.1)
【代理人】 【識別番号】100096806
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 信太郎

【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全

【公開番号】 特開2005−163205(P2005−163205A)
【公開日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願番号】 特願2003−401648(P2003−401648)