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【発明の名称】 ガードルのフロントの表裏の押え布の浮かし構造
【発明者】 【氏名】坂田 昌代
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株式会社ワコール内

【氏名】河合 恵里奈
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株式会社ワコール内

【要約】 【課題】周径方向に圧迫感を感じることなく、鼠径部にゆとりがあり、かつ適当に腹部を押えるガードルを提供する。

【解決手段】本体前部の内外の腹部押え布をその上下端でのみ本体部に固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と股布と表裏の腹部押え布を有するガードルであって、
本体は、裾に平行する方向に伸縮性を有し、後中心から臀部を覆い脇部から前中心に至るとともに、前中心で左右から連結して縫合され、
裏側腹部押え布は、上下方向に伸縮性を有する素材よりなり、上記本体前部の裏面側に在り、上端が広巾で下方に向かうに従って細巾となるとともに、上端部で上記本体と、下端部で上記股布前部と縫合され左右の両端縁を解放した状態とされ、
表側腹部押え布は、上下方向に伸縮性を有する素材よりなり、上記本体前部の表面側に在り、上端が広巾で下方に向かうに従って細巾となるとともに、上端部は上記本体と縫合されるとともに下端部は上記股布前部に縫合され、左右の両端縁を解放した状態とされていることを特徴とするガードル。
【請求項2】
上記本体は、前中心で左右から連結して略V字状になるように縫合されていることを特徴とする請求項1に記載のガードル。
【請求項3】
本体と股布と表裏の腹部押え布を有するガードルであって、
本体は、裾に平行する方向に伸縮性を有し、後中心から臀部と大腿部上方とを覆い大腿部内側から前中心に至るとともに前中心で左右から連続し、更に下部は上記股布に縫合され、
裏側腹部押え布は、上下方向に伸縮性を有する素材よりなり、上記本体前部の裏面側に在り、上端が広巾で下方に向かうに従って細巾となるとともに、上端部で上記本体と、下端部で上記股布前部と縫合され、左右の両端縁を解放した状態とされ、
表側腹部押え布は、上下方向に伸縮性を有する素材よりなり、上記本体前部の表面側に在り、上端が広巾で下方に向かうに従って細巾となるとともに、上端部は上記本体と縫合されるとともに下端部は上記股布前部に縫合され、左右の両端縁を解放した状態とされていることを特徴とするガードル。
【請求項4】
上記表面側腹部押え布と上記裏面側腹部押え布の上下の端部間の長さが、当設される本体の寸法より15%程度短いことを特徴とする、請求項1、請求項2若しくは請求項3に記載のガードル。
【請求項5】
上記表面側腹部押え布と裏面側腹部押え布の中心には、中心部の上下方向の縦伸びを脇部のそれに比較して押えるために上下方向の重ね縫い線が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガードル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は女性用下着に関し、特にガードルのフロントの表裏の腹部押え布の浮かし構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガードルにおいては、下腹部を適度に押し付けること、またヒップアップ作用を有すること等、美容上からの構造への要請がある。また、単に静止した立位状態は当然として、歩行状態ではそのために隆起する薄筋(大腿の内側を走る細い筋)を過度に押え付けたり、座位状態では偏平になる大腿付根を過度に締め付けたりしないことという着心地からの要請も強い。
【0003】
これらのため、本体の前部(いわゆるフロント)の表裏あるいは内外面には上部が巾広で下部が狭いいわゆる逆三角形の腹部の押え布(当布)を装備したり、腹部の押え布の左右両端及び大腿付を通る伸縮性のテープを装備したりする等種々の工夫が凝らされている(例えば、以下の特許文献1〜6を参照)
【特許文献1】特許公報平2−23601号公報
【特許文献2】実公告平3−24564号公報
【特許文献3】実公告平3−24565号公報
【特許文献4】実公告平2−16962号公報
【特許文献5】特開2000−96309号公報
【特許文献6】特開2001−303306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ファッションの多様化に伴い、よりファッション性の高いインナーが求められ、常に圧迫感がなくファッション性に富み、着心地も良好であり、より腹部を押えるという要望が強い。
【0005】
このため、かかる女性の強い要望を充たしつつ、しかもそれ自体が審美性にも富み、当然低価格のガードルの提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以上の要望を充たすガードルを提供することを目的としてなされたものであり、その目的を達成するため、ガードルのフロントの表裏(内外)に装備されている腹部の押え布の浮かし構造や形状や材質に工夫を凝らしている。具体的には、フロント表裏のいわゆる逆三角形の腹部押え布は、その上端部をフロントに縫合し、下端部は股布の前部に縫合している。一方、左右の両端部は本体とは何等縫合していない。
【0007】
また、ショートガードルにおいては、前中心から連結して略V字状になるように本体布と股布を縫合している。
【0008】
また、フロントの下端かつ表裏の腹部押え布と重なる本体布は、本体布と股布が略V字状に接しているため、ショートガードルならば股布の前部(前股布付部)に縫合していないし、ロングガードルならば重なる部分のみ縫合等している。
【0009】
また、表裏の腹部押え布の上下方向の両端縁間の長さを、それらが当設されるあるいは縫合される本体、フロントの寸法より15%程度(7.5〜30%、好ましくは10〜20%、より好ましくは13〜17%)短くしてある。
【0010】
また、フロントのみならず、本体は特に裾に平行する水平方向に充分な伸縮性を有するものとし、表裏の腹部の押え布は特に上下方向に充分な伸縮性を有するものとしている。
【0011】
また、表裏の腹部押え布は、その中心に上下方向に走る縫合線を有し、これにより脇部に比較して中心部の上下方向の伸度を弱めている。
【0012】
以上の構成の下で、表裏の脇部押え布が分担して腹部を適切に押圧することとなる。
【0013】
また、腹部の中心を上下方向に走る縫合線により、腹部の中心部を効果的に押えることができる。
【0014】
また、ショートガードルにおいては、略V字状の本体布を使用し、左右の両端縁を解放している。これらにより、本体、股部押え布、股布の相互の独立性、非拘束性を高めている。
【0015】
以上の他ショートガードル、ロングガードルの特性に応じて、本体と股布との縫合に相違を持たせている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
【0017】
本実施の形態は、ショートガードルあるいは通常のガードルに関する。
【0018】
以下、図1から図3を参照しつつこのショートガードルを説明する。図1は、このショートガードルを着衣者の前方向より見た図、正面図である。ただし、着衣者は示していない。図2は、このショートガードルの前面部、いわゆるフロントを背面より、すなわち着衣者の腹部方向より前面部の裏側を見た図である。図3は、このショートガードルのフロントへの腹部の押え布の浮かしての取付け方の特徴とフロントとの長さの相違を概念的に示すため向って右上方より見た左半分の断面を示す図である。
【0019】
これら各図において、1は、本体前面部いわゆるフロントに取り付けられた表側の腹部押え布である。2は、フロントの裏側に取り付けられた腹部押え布である。3は、フロントである。4は、股布である。5は、本体の背中側部である。6は、本体上部のかざり部である。7は、ゴム紐部である。
【0020】
また、13と14は各フロントの表側に在る腹部の押え布の上部と本体との縫合部、同じく腹部の押え布の下部と前側股布との縫合部である。19と29は、各表裏の腹部押え布の中心の重ね縫い線である。3b、4b、6bは各々フロント3と股布4とかざり部6の裏側(back)である。60は、かざり部の背中側である。更に34は本体の背面側と股布の後部との縫合線である。
【0021】
これら各図にて判るように、このガードルはフロントの表裏に在るいわゆる逆三角形の腹部の押え布1,2がその上端部(縁)はフロント3の上部に縫合されているが、その下端部はフロントの下部でなく股布4の前部と縫合されている。また、表裏の腹部の押え布間に在るフロントの、すなわち本体の布地30はその下端は股布4の前部とは縫合されていない。ただし、この本体布は背中側では股布の後部(背中側部)と縫合されている。更に、表裏の腹部の押え布の上下方向の端縁の長さは当該部の本体の布の長さより15%短くされている。
【0022】
以上の他、ゴム紐は当然として、この本体部の布は特に裾に平行な方向に良好な伸縮性を有するものとしている。また、表裏の腹部押え布は、特に上下方向に良好な伸縮性を有するものとしている。またこれらの中心の上下方向に走る重ね縫い線部19、29は、腹部中心部の縦伸びを押さえ、これにより浮かし構造部分の布の脇部が面で腹部全体を押えるようにしている。
【0023】
これらの浮かし構造による腹部押え布の取付構造のため、本体における縫合個所が少なくかつ単純となり、各部も独立性が強くなるので歩行時はもちろん座位時、多少の運動をしたりしたときでも、大腿上部を締め付けたりすることがない。
【0024】
この一方、腹部の押え布が当該部の本体の布より上下方向に15%短く、かつ上下方向の伸縮性に富むので、腹部をしっかり押えつけ、ヒップアップの維持もなされる。
【0025】
また、表裏の腹部押え布が共力して腹部を押えるので、本体布による心地よい着用感を損うことなく、裏側の腹部押え布のみで押えるときのような窮屈感を与えることがなく、表側の腹部押え布のみで押えるときのように本体布により押える力が和らげられることがなく、ひいては充分な押え力を確保しえることとなる。
【0026】
また、表裏の押え布の中心部の上下方向の重ね縫い線により最も矯正したい腹部中心部を線で押え、脇部全体を面でなだらかに押えることとなるので、より一層着心地感も増すこととなる。
【0027】
本実施の形態はロングガードルに関する。
【0028】
図4と図5に本実施の形態のロングガードルを示す。図4は着衣者の前方向より見た正面図であり先の実施の形態の図1に相当する。図5は、このショートガードルの前面部の特徴が判るようにした断面の概念図であり、先の実施の形態の図3に相当する。
【0029】
両図において、35は本体の左右に在り着衣者の大腿部上方をおおう脚部である。354は、股布4の左右の側端部と左右の脚部の上方内側端の縫合部である。350は、水平断面がほぼ円形となる脚部の縫合線である。31はフロントの中心である。
【0030】
このロングガードルは、図5に示すように左右の脚部の各内側の上端部は股布4の左右の側端に縫合されている。また、表裏の腹部の押え布間にあるフロントの下部も股布4の前端に縫合され更にこの部分の縫合線14は脚部の縫合線350に連なっている。
【0031】
このロングガードルにおいても、フロントの表裏の腹部の押え布の上、下端部のみを本体と縫合し、押え布の脇線は解放しているので、各部の拘束性が少く、このため着衣者は種々の姿勢をとっても、歩行のみならず多少の運動をしても、大腿部を締め付けることがない。
【0032】
以上、本発明をその実施の形態に基づいて説明して来たが、本発明は何もこれらに限定されないのは勿論である。すなわち、例えば以下のようにしていてもよい。
上部の飾りを装備していない。
前部の腹部の押え布の中心の重ね縫い線を廃止している。
前部の腹部の押え布の中心の重ね縫い部や両脇部に伸縮度の異なるゴムを入れる等他の構成を付加している。
デザイン等の都合で、表裏の腹部の押え布のフロントや上部の飾り等との縫合は、一体的でなく別個に行っている。
審美性を増すため、本体布表側部に、伸縮性のあるレース等を使用している。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上の説明で判るように、本発明においては、本体前部の表裏(内外)の腹部の押え布の、少なくとも左右の両端縁部を本体に縫合せず、このため本体における縫合個所が後中心部と前中心部のみとなるので、周径方向に圧迫感を感じることがない。
【0034】
また、表裏の腹部押え布の上下の両端縁間の長さが当設される本体の寸法より15%程度短く設定してあるので、周径方向に圧迫感を感じさせずに強い腹部の押え布となる。
【0035】
また、表裏から腹部押え布が腹部を押えるので、いずれか一方の側でのみ押えるときのような窮屈感や押え力の不足は生じない。
【0036】
また、中心の重ね縫い線により腹部の中心を、腹部全体を両脇側から面でなだらかに押えるので効果、着心地も増す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態のショートガードルを正面から見た図である。
【図2】上記ショートガードルの正面部(フロント)の裏面側方向から見た(フロントの裏面の)図である。
【図3】上記ショートガードルの中央部の腹部の押え布の取り付けの特徴とフロントとの長さの相違を概念的に示すため向って右上方より見た左半分の断面を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のロングガードルの正面図である。
【図5】上記ロングガードルの中央部の特徴を概念的に示した上下方向の側断面の図である。
【符号の説明】
【0038】
1 フロント表側の腹部の押え布
2 フロント裏側の腹部の押え布
3 本体の前面側の表部(フロントの表)
3b 本体の前面側の裏面
4 股布
4b 股布の裏面
5 本体の背中側部
6 本体上部のかざり部
6b 本体上部のかざり部の前面の裏側
7 ゴム紐部
13 フロント表側の腹部の押え布の上部の本体との縫合線
14 フロント表側の腹部の押え布の下部の前側股布との縫合線
19 フロント表側の腹部の押え布の中心の重ね縫い腺
23 フロント裏側の腹部の押え布の上部の本体との縫合線
24 フロント裏側の腹部の押え布の下部の前側股布との縫合線
29 フロント裏側の腹部の押え布の中心の重ね縫い線
30 フロントの中心(ショートガードル)
31 フロントの中心(ロングガードル)
35 ロングガードルの左、右の脚部
60 本体上部のかざり部の背中側
350 ロングガードルの脚部の縫い合せ線
354 ロングガードルの股布との縫合線
【出願人】 【識別番号】000139399
【氏名又は名称】株式会社ワコール
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地
【出願日】 平成15年9月10日(2003.9.10)
【代理人】 【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄

【公開番号】 特開2005−82941(P2005−82941A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−318413(P2003−318413)