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【発明の名称】 ストッキング
【発明者】 【氏名】松本 光生
【住所又は居所】徳島県徳島市応神町吉成字西吉成43番地 東光株式会社内

【氏名】大塚 保
【住所又は居所】大阪府大阪市北区中之島3丁目3番3号 東レ株式会社大阪事業場内

【氏名】山中 光敏
【住所又は居所】大阪府大阪市北区中之島3丁目3番3号 東レ株式会社大阪事業場内

【氏名】大矢 光雄
【住所又は居所】大阪府大阪市北区中之島3丁目3番3号 東レ株式会社大阪事業場内

【要約】 【課題】ストッキング着用者に対して、着用時においてO脚またはX脚の矯正効果を与え、さらに、歩行時には、足の運びを美しくさせて、フォルムとして美しい歩き方を実現できるストッキングを提供すること。

【解決手段】少なくとも一部がウェル曲がりWb(%)が2.0≦Wb≦25.0の範囲を満たす編地から構成されているストッキングであり、好ましくは、さらに着用状態において、コース方向のねじれ角θ1とウェル方向のねじれ角θ2が下記式を満たすことを特徴とするストッキング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部がウェル曲がりWb(%)が2.0≦Wb≦25.0の範囲を満たす編地から構成されていていることを特徴とするストッキング。
【請求項2】
着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1とウェル方向のねじれ角θ2が下記式を満たすことを特徴とする請求項1記載のストッキング。
3°≦θ1+θ2≦45°
【請求項3】
少なくともストッキングを形成する編地の一部が、全コース同一方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸で編成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のストッキング。
【請求項4】
少なくともストッキングを形成する編地の一部が、フロート編みにより構成されているる請求項1〜3のいずれかに記載のストッキング。
【請求項5】
少なくともストッキングを形成する糸条の一部が、ポリウレタン系弾性繊維と他の繊維からなる合撚糸によって形成され、150T/m以上の実ヨリが施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のストッキング。
【請求項6】
左右のレッグ部で、少なくとも編み地の一部が、実質的に互いに反対方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されていることを特徴とするストッキング。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ストッキングに関するものである。
【0002】
本発明でいうストッキングとは、パンティストッキング、ロングストッキング、ショートストッキング、タイツで代表されるストッキング製品類などをいい、特に、O脚またはX脚の矯正効果を着用者に対し与えることのできるストッキングに関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来より、種々の特性をストッキングに付与した技術が数多く提案されている。例えば、ストッキング類を着用したときの脚への締付け(着圧)により、フィット性、着用時の快適性、疲労の緩和、むくみ防止などをねらったものが提案されている(特許文献1〜4)。
【0004】
しかし、これらの技術では、フィット性、むくみ防止などの効果は認められるものの、着用時に、歩き方を美しくするようないわゆる矯正効果を得ることはできなかった。
【特許文献1】特開平3−3801号公報
【特許文献2】特開平4−18102号公報
【特許文献3】特開平8−199404号公報
【特許文献4】特開平9−195104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ストッキング着用者に対して、着用時においてO脚またはX脚の矯正効果を与え、さらに、歩行時には、足の運びを美しくさせて、フォルムとして美しい歩き方を実現できるストッキングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成する本発明のストッキングは、以下の(1)の構成を有する。
(1)少なくとも一部がウェル曲がりWb(%)が2.0≦Wb≦25.0の範囲を満たす編地から構成されていていることを特徴とするストッキング。
【0007】
さらに、かかる本発明のストッキングは、好ましくは、以下の(2)〜(5) の具体的構成を有するものである。
(2)着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1とウェル方向のねじれ角θ2が下記式を満たすことを特徴とする上記(1)記載のストッキング。
3°≦θ1+θ2≦45°
(3)少なくともストッキングを形成する編地の一部が全コース同一方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸で編成されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のストッキング。
(4)少なくともストッキングを形成する編地の一部がフロート編みにより構成される上記(1)〜(3)のいずれかに記載のストッキング。
(5)少なくともストッキングを形成する糸条の一部がポリウレタン系弾性繊維と他の繊維からなる合撚糸によって形成され、150T/m以上の実ヨリが施されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のストッキング。
【0008】
本発明は、また具体的には、以下(6) の具体的な糸使いの編み地で編成されているストッキングを提供するものである。
(6)左右のレッグ部で、少なくとも編み地の一部が、実質的に互いに反対方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されていることを特徴とするストッキングである。すなわち、例えば、右足レッグ部を構成する少なくとも編み地の一部が、S方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されている場合には、左足レッグ部を構成する少なくとも編み地の一部はZ方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されているストッキングであり、あるいは、逆に、右足レッグ部を構成する少なくとも編み地の一部が、Z方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されている場合には、左足レッグ部を構成する少なくとも編み地の一部はS方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されているストッキングである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のストッキングは、着用者に対してO脚またはX脚の矯正効果を持たせることができ、さらに、歩行時にはフォルムとして美しい歩き方を実現できるストッキングを提供できたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、更に詳しく本発明のストッキングについて、説明する。
【0011】
本発明のストッキングは、少なくとも一部がウェル曲がりWb(%)が2.0≦Wb≦25.0の範囲を満たす編地から構成されていることが必要である。
【0012】
本発明において、「少なくとも一部」とは、ストッキングを構成する編み地の全部の領域で全コース同一方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸で編成されている必要はなく、少なくとも一部の領域であればよいという意味であり、特に、着用者における股下部から大腿部の周囲、膝部の周囲、すね部の上部などの領域において編み地が全コース同一方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸で編成されるように構成するのが良いものであり、足の甲部などは効果の点で比較的重要ではない。
【0013】
本発明でいうウェル曲がりとは、いわゆるタテ方向の編み地の斜傾率であり、これを図1に示したパンティストッキングの概略モデル図に従って説明する。
【0014】
図1は、パンティストッキングの正面図であり、片足部分のみを示したものであり、本来のパンティストッキングは、この図と線対称に反対側の片足部があるものである。
【0015】
ストッキングレッグ部について、図1のようにパンティー部との切替部から、つま先方向に50cm間隔のところに線Xを引く。切替部のところに点Aを印し、Aからのウェル線Wと線Xとの交点をCとする。次に、Aから垂線Lを引き、線Xとの交点をBとし、BとCの距離c(cm)について測定する。
【0016】
ウェル曲がりWb(%)は、以下の数式で表されるものである。
Wb=(c/50)×100
Wb:ウェル曲がり(%)
c:斜傾距離(cm)
【0017】
すなわち、ウェル曲がりWb(%)が2.0≦Wb≦25.0の範囲を満たす編地というのは、該ウェル曲がりにより発生するトルクが、着用中に着用者の脚部にトルクを掛けることとなり、このトルクにより着用者にO脚またはX脚の矯正効果を与えるのである。本発明のこのような編地で構成されているストッキングは、右足レッグ部がS斜行で左足レッグ部がZ斜行であるときには、O脚に対する矯正効果を与え、これとは逆に、右足レッグ部がZ斜行で左足レッグ部がS斜行であるときには、X脚に対する矯正効果を与えることができて、歩行時には、足の運びを美しくさせフォルムとして美しい歩き方を実現できるストッキングを提供することができる。該効果をより良好に美しく得る上で、ウェル曲がりWb(%)は、好ましくは8.0≦Wb≦16.0の範囲である。
【0018】
Wb<2.0であれば、着用時にトルクを感じることができないばかりか、十分な矯正効果、あるいは着用することにより美しい歩き方を再現することはできない。一方、Wb>25.0であれば、トルクが強すぎるため、着用することが一般に困難であること、さらに、Wb>25.0の編地を得るには極めて高トルクの糸が必要となるが、これを編成するとき糸切れが多発するなど問題も発生する。
【0019】
さらに、本発明のストッキングは、着用状態においてトルクが発現していることが重要であり、着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1および着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2が下記式を満たすことが好ましい。
3°≦θ1+θ2≦45°
【0020】
本発明でいう着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1および着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2とは、着用によって発生する編地のそれぞれウェル方向、コース方向のねじれ角であり、これを図2および図3に示したストッキングの概略モデル図に従って説明する。
【0021】
図2は、着用前におけるストッキングの正面図である。
【0022】
ストッキングレッグ部(片足)について、図2のようにパンティ部の切替部との中点aとつま先との中点bを結ぶ線Wを引く。次に、パンティ部との切替部より10cmとのところに線Wの垂線Cを引く。
【0023】
図3は着用状態におけるストッキングの正面図である。
【0024】
線Cおよび線Wはそれぞれ着用状態において、線C1および線W1となる。これに対し、線C1および線W1の交点について足長手方向の線W0を引き、この垂線C0を引く。線C0と線C1のなす角をθ1、線W0と線W1のなす角をθ2とする。
【0025】
ここで本発明における「着用状態」とは下記の人体足型にタイツを着用させた状態を言う。ここで、人体足型とはごく平均的な日本人の足に模して製造されており、土踏まず部、足首部、ふくらはぎ部、大腿部の各部周囲長がそれぞれ24cm、21.5cm、34cm、47cmとなるように構成されている。
【0026】
すなわち、着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1および着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2が3°≦θ1+θ2≦45°の範囲を満たす編地というのは着用時に発生する編地のねじれにより発生するトルクが着用者の脚部にトルクを掛けることとなり、このトルクにより着用者にO脚またはX脚の矯正効果与えるのである。本発明のこのような編地で構成されているストッキングは、右足レッグ部のW1がS方向にねじれS斜行で、左足レッグ部のW1がZ方向にねじれZ斜行であるときには、O脚に対する矯正効果を与え、これとは逆に、右足レッグ部のW1がZ方向にねじれZ斜行で、左足レッグ部のW1がS方向にねじれS斜行であるときには、X脚に対する矯正効果を与えることができて、歩行時には、足の運びを美しくさせフォルムとして美しい歩き方を実現できるストッキングを提供することができる。該効果をより良好に美しく得る上で、着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1および着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2が、好ましくは30°≦θ1+θ2≦45°の範囲である。
【0027】
θ1+θ2<3°であれば、着用時にトルクを感じるという点では弱くなり、十分な矯正効果を得ること、あるいは着用することにより美しい歩き方を再現することが、個人によってはむずかしくなってくるので、好ましくない。一方、θ1+θ2>45°であれば、トルクが強すぎるため、着用することが困難であること、さらに、θ1+θ2>45°の編地を得るには極めて高トルクの糸が必要となるが、これを編成するとき糸切れが多発するといった問題が発生することがあるので、好ましくない。
【0028】
したがって、高トルクの糸を用いればよいといっても、一般にはトルク付与には種々の点からの制約もあるので、着用状態において十分なねじれ角を得るためには、編地構造面からも、ねじれ角付与、すなわちトルク付与が可能な編み組織のものを用いるのが、より効果的に本発明にかかるストッキングを得ることができる点から好ましいものである。
【0029】
そのためには、より一層のねじれ効果を付与できるフロート編みのものを用いるのがよく、本発明にかかるストッキングは、高トルクの糸を用いたプレーン編みのもの、あるいはまた、より好ましくは、高トルクの糸を用いたフロート編みのものを、適宜に用いることがよいものである。
【0030】
ここで、フロート編みとは、編針の不作用(ミス針)によって編目を形成しないフロート部分を有する編み地であるが、ここで重要となるのは編み地にトルクを与えるためにはフロート部分が編み地上で斜行するように1〜3本のミス針をスパイラル状に設定することである。フロート編み組織の一例を図4に示す。
【0031】
通常、ストッキングは、4給糸口であり、ストッキングのフラットな外観を再現するため、例えば、ゾッキのストッキングでは、SヨリとZヨリのカバリング糸を交互に編成し、できるだけトルクを相殺し、編地のフラット感を再現する。これに反して、本発明のストッキングは編地にトルクを持たせるため、少なくともストッキングを形成する編地の一部が全コース同一の実ヨリが施されている実ヨリ糸で編成されていることが好ましい。1本でもヨリ方向が異なる糸を用いるとトルクが相殺され、所望のトルクをストッキングに付与することができない。
【0032】
よって、本発明のストッキングの一様態は、左右のレッグ部で、少なくとも編地の一部が、実質的に互いに反対方向の実ヨリが施されている実ヨリ糸が全コースに用いられて編成されていることが重要である。
【0033】
本発明のストッキングは少なくともストッキングを形成する糸条の一部がポリウレタン系弾性繊維と他の繊維からなる合撚糸によって形成され、150T/m以上の実ヨリが施されていることが好ましい。ポリウレタン系弾性繊維はタイツに良好な伸縮性機能を与えるが、これを他の繊維と150T/m以上で合撚することにより、強いトルクを得ることができる。ここでいう、合撚糸とは、カバリング糸でも良いが、ポリウレタン系弾性繊維にも実ヨリを施した方が、所望のトルクを得やすく、合撚を施した糸であることがより好ましい。
【0034】
本発明において、ポリウレタン系弾性繊維を用いて編地を編成するのが好ましく、ここで、ポリウレタン系弾性繊維としては、ポリマージオールと有機ジイソシアネートを主体とするイソシアネートと多官能活性水素化合物を反応させて得られるポリウレタン重合体を紡糸して得られたものが好ましい。
【0035】
ポリウレタン系弾性繊維は、用いられるポリマージオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンエーテルグリコールのようなポリエーテルグリコール類、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類の少なくとも一種とアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、β−メチルアジピン酸、イソフタル酸などのジカルボン酸の少なくとも一種を反応させて得られるポリエステルグリコール類、ポリカプロラクトングリコール、ポリヘキサメチレンジカーボネートグリコールのようなポリマージオールの一種または二種以上の混合物または共重合物を、好ましく用いることができる。
【0036】
また、有機ジイソシアネートとしては、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような有機ジイソシアネートの一種または二種以上の混合物を、好ましく用いることができる。さらにトリイソシアネートを少量併用してもよい。
【0037】
多官能活性水素化合物としては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、1,4−ジアミノピペラジン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水などの一種またはこれらの二種以上の混合物が例示できる。また、所望により、上述した化合物に、モノアミン、モノアルコールのような停止剤を少量併用してもよい。また、2,6−ジテトラブチルパラクレゾール、亜リン酸エステルなどの酸化防止剤、ヒドロキシベンゾフェノン系またはヒドオキシベンゾチアゾールなどの光または紫外線吸収剤、1,1−ジアルキル置換セミカルバジド、ジチオカルバミン酸塩などのガス黄変、劣化防止剤、および酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料を適宜使用してもよい。
【0038】
一方、ポリウレタン弾性繊維と引き揃え合撚される他の繊維としては、フィラメント糸または紡績糸のいずれであってもよい。具体的には、フィラメント糸として、レーヨン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、塩化ビニル、などの化合繊または絹(生糸)などが好ましく用いられ、態様は原糸、仮ヨリ加工糸、もしくは先染め糸などのいずれであってもよく、また、これらの複合糸であっても良い。また、紡績糸としては、木綿、ウール、麻、絹などの天然繊維、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの化合繊からなる紡績糸であって、これらが、単独あるいは混紡された紡績糸であればよいものである。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0040】
なお、ウェル曲がりWb(%)は、次の方法で求めたものである。
(1)ウェル曲がりWb(%):
ストッキングレッグ部について、図1のようにパンティー部との切替よりつま先方向に50cm間隔のところに線Xを引く。切替のところに点Aを印し、Aからのウェル線Wと線Xとの交点をCとする。次に、Aから垂線Lを引き、線Xとの交点をBとし、BとCの距離c(cm)について測定する。
Wb=c/50×100
Wb:ウェル曲がり(%)
c:斜傾距離(cm)
【0041】
なお、トルクを有する編み地を一部に使用しているときなどにおいて、上記の「50cm」をとることができないときには、パンティ部切替え部分より20cmにおいて、上記と同様の方法で20cm当たりのウェル曲がりを測定するようにすればよい。
【0042】
あるいは、ショートストッキングでは、口ゴムとの切替え部分より10cmにおいて、上記と同様の方法で10cm当たりのウェル曲がりを測定するようにすればよい。
(2)着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1およびウェル方向のねじれ角θ2:

図2は着用前におけるタイツの正面図であり、ストッキングレッグ部(片足)について、図2のようにパンティ部の切替部との中点aとつま先との中点bを結ぶ線Wを引く。次に、パンティ部との切替部より10cmとのところに線Wの垂線Cを引く。
【0043】
図3は着用状態におけるストッキングの正面図であり、線Cおよび線Wはそれぞれ着用状態において、線C1および線W1となる。これに対し、線C1および線W1の交点について足長手方向の線W0を引き、この垂線C0を引く。
【0044】
(A)着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1
上記のように、人体足型(土踏まず部、足首部、ふくらはぎ部、大腿部の各部周囲長がそれぞれ24cm、21.5cm、34cm、47cm、長さ73.2cm)にタイツを着用させて、線C0と線C1を引き、線C0と線C1のなす角度を着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1として測定する。
(B)着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2
【0045】
上記のように、人体足型(土踏まず部、足首部、ふくらはぎ部、大腿部の各部周囲長がそれぞれ24cm、21.5cm、34cm、47cm、長さ73.2cm)にタイツを着用させて、線W0と線W1を引き、線W0と線W1のなす角度を着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2として測定する。測定は、n数を5として平均をとった。
ショートストッキングでは、口ゴムとの切替部分より5cmにおいて、上記と同様の方法で着用状態におけるコース方向のねじれ角θ1および着用状態におけるウェル方向のねじれ角θ2を測定すればよい。測定は、n数を5として平均をとった。
(3)着用時の歩行の美しさ:
被験者3名(A、B、C)による着用テストを行い、下記ポイントを鑑み、着用時の歩行の美しさを評価した。評価点に関しては、ストッキングを着用していないときの歩行の美しさを3として、着用した方が非常に美しいを5、着用した方が美しいを4、着用しない方が美しいを2、着用しない方が非常に美しいを1とした5段階評価を行い、10名の平均値を評価値とした。
【0046】
なお、着用時の歩行の美しさ、すなわち、歩行の動作は体重移動で分析できるものであり、以下の考え方で評価を行った。
【0047】
すなわち、通常、人間の歩行は踵で接地し、次に足裏の外側に体重を移動しながら、第5足骨骨頭部より内側の第1中骨骨頭部に移動し、母しの先端から前方に抜けていく。
【0048】
しかし、O脚の場合、正常より踵の接地点が外側に来やすい。そのためO脚の場合は、次の体重がより外側になるので、第2指より外側から前方に抜けていく。そうすると左右の脚の動きに対して体重は大きく両外側にぶれることとなる。
【0049】
また、X脚では、踵の内側から接地し、そのまま母しの先端に抜けていく。
【0050】
以上のように、O脚とX脚のどちらも、歩行時に不自然な体重移動となってしまう。
【0051】
これらの動作分析を行うため、歩行中の歩行者の側面と後ろ側から測定点の動きを捉えて観察を行ったものであり、本発明では、踵の接地位置のズレが小さく、下腿と膝より上の動きの横ぶれが少ないことを自然で美しい歩行がされているとして、踵の接地位置のズレを小さくし、下腿と膝より上の動きの横ぶれが少なく自然で美しい歩行を促すことができているかの検証を行って評価をした。
【0052】
実施例1
44dtexのポリウレタン系弾性繊維と33dtex、10フィラメントのナイロン6延伸糸を用い、図5に示した合撚工程を使用して以下の条件で合撚を施し、Sヨリ、Zヨリの合撚糸を4本ずつ得た。
【0053】
図5に示した工程は、ポリウレタン弾性繊維6と他の繊維7とを揃えて、デリベリローラ10から合撚機スピンドル部に供給するものであり、8はポリウレタン弾性繊維供給ローラ、9はスネルガイド、11はスネルガイドである。ポリウレタン系弾性繊維とナイロン6延伸糸は、撚糸機構により合撚されて合撚糸13とされて、スピンドル16上のボビン12に巻きとられる。14はトラベラ、15はリング、17はベルトである。
スピンドル回転数:30000rpm
ポリウレタン系弾性繊維のドラフト:3.0倍
ヨリ数:1500T/m
【0054】
これら得られた合撚糸がパンティストッキングのレッグ部となるよう、合撚糸について全コースSヨリのものとZヨリのものをそれぞれ一定の張力を保ちながら、シングルシリンダー機(針数400本)にて、ミス針を2本にし、ニット針を1本ずつ横にずらし、ずらしていくニット針を右にずらした場合を左足、左にずらした場合を右足となるようにフロート編みの編成を行った。
【0055】
さらに、Sヨリ糸で編成したものが右足、Zヨリ糸で編成したものが左足になるようにラインクローザでつなぎ合わせストッキング生地を作成した。
【0056】
編成後の加工工程では、強トルクの特性とそれを生かして編成された生地の安定を図るため、プリセット(90℃×2回)を行った。その後、精練(90℃×30分)および染色(95℃×60分)を実施し、パンティストッキングを得た。
【0057】
得られたパンティストッキングのレッグ部のウェル曲がり、着用時の歩行の美しさの結果は表1に示した通りである。
【0058】
【表1】


【0059】
実施例2
実施例1で用いたものと同じ44dtexのポリウレタン系弾性繊維と33dtex、10フィラメントのN(ナイロン)6延伸糸を用い、実施例1と同様に以下の条件で合撚を施し、Sヨリ、Zヨリの合撚糸を得た。
スピンドル回転数:30000rpm
ポリウレタン系弾性繊維のドラフト:3.0倍
ヨリ数 :1500T/m
【0060】
得られた合撚糸がパンティストッキングのレッグ部となるよう、合撚糸について全コースSヨリのものとZヨリのものをそれぞれ一定の張力を保ちながら、シングルシリンダー機(針数400本)にてプレーン編みで編成し、これらをラインクローザでつなぎ合わせストッキング生地を作成した。
【0061】
編成後の加工工程では、プリセット(90℃×2回)を行った。その後、精練(90℃×30分)および染色(95℃×60分)を実施し、パンティストッキングを得た。
【0062】
得られたパンティストッキングのレッグ部のウェル曲がり、着用時の歩行の美しさの結果は表1に示した通りである。
【0063】
比較例1
実施例1で用いたものと同じ44dtexのポリウレタン系弾性繊維と33dtex、10フィラメントのナイロン6延伸糸を用い、実施例1と同様に以下の条件で合撚を施し、Sヨリ、Zヨリの合撚糸を得た。
スピンドル回転数:30000rpm
ドラフト:3.0倍
ヨリ数 :1500T/m
【0064】
得られたカバリング糸がパンティストッキングのレッグ部となるよう、S、Z交互にプレーン編みで編成し、これらをラインクローザでつなぎ合わせストッキング生地を作成した。
【0065】
編成後の加工工程では、プリセット(90℃×2回)を行った。その後、精練(90℃×30分)および染色(95℃×60分)を実施し、パンティストッキングを得た。
【0066】
得られたパンティストッキングのレッグ部のウェル曲がり、着用時の歩行の美しさの結果は表1に示した通りである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明にかかるパンティストッキングのレッグ部のウェル曲がりを示す模式図である。
【図2】図2は、着用前におけるストッキングの正面模式図である。
【図3】図3は、着用状態におけるストッキングの模式図である。
【図4】図4は、フロート編みの組織図である。
【図5】図5は、本発明のストッキングに用いられ得る合撚糸の製造方法の一例を示す概略模式図である。
【符号の説明】
【0068】
1:ストッキング
2:ウェストバンド
3:パンティ部
4:レッグ部
5:つま先部
6:ポリウレタン弾性繊維
7:他の繊維
8:ポリウレタン弾性繊維供給ローラ
9:スネルガイド
10:デリベリローラ
11:スネルガイド
12:ボビン
13:合撚糸
14:トラベラ
15:リング
16:スピンドル
17:ベルト
L:パンティー部切替からの垂線
X:パンティー部切替から50cmの平行線
W:ウェル線
【出願人】 【識別番号】391010356
【氏名又は名称】東光株式会社
【住所又は居所】徳島県徳島市応神町吉成字西吉成43番地
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
【出願日】 平成17年3月16日(2005.3.16)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一

【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照

【識別番号】100068685
【弁理士】
【氏名又は名称】斎下 和彦

【公開番号】 特開2005−307420(P2005−307420A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2005−75156(P2005−75156)